JPH0826065B2 - 新規抗生物質b−3543 - Google Patents

新規抗生物質b−3543

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JPH0826065B2
JPH0826065B2 JP62328983A JP32898387A JPH0826065B2 JP H0826065 B2 JPH0826065 B2 JP H0826065B2 JP 62328983 A JP62328983 A JP 62328983A JP 32898387 A JP32898387 A JP 32898387A JP H0826065 B2 JPH0826065 B2 JP H0826065B2
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龍祐 田口
ゼン ハイ ジャン
ワン チン ワン
ツェ シァ リャン
イオウ リァン ホアン
ヅー ウェン ヤン
ワン チェン シェ
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FUUPEISHION NONIEKUUSHUEYUEN JIIIUUBAOFUU IENCHIOOSUOO
KAKEN SEIYAKU KK
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は新規抗生物質B−3543に関するものである。
[背景技術及びその問題点] 化学農薬は植物の病虫害の防除の主な方法として大き
な役割を果たしてきた。しかし、化学農薬の長期間多量
の使用によって、環境が汚染され、ヒトや家畜の健康も
侵害され、生態平衡も破壊されている。一方、害虫と病
原菌も農薬に対する耐性が現れ、新しい病虫害の発生及
び蔓延などの現実に直面しており、効率が高く、低毒性
で低残留性の新型農薬の開発が期待されている。
本発明の目的は上記問題点を解決する新規抗生物質を
提供することにある。
[問題点を解決するための手段] 本発明の抗生物質B−3543は今迄文献で報告されてい
ない新規ペプチド抗生物質で、後述のような理化学的性
質と生物学的特性を有している。同時に、後述の試験に
よって、この抗生物質はイネ白葉枯病、ハクサイ、大根
などの野菜の軟腐病及びモモ細菌性穿孔病、トマト青枯
病など多種の植物病害に対し顕著な防除効果のあること
が証明されており、農薬として利用できる。
本発明についての詳細な説明は次のとおりである。
抗生物質B−3543の生産 抗生物質B−3543生産菌の分離選別 本発明の抗生物質B−3543の生産に用いた生産菌は青
黴菌属類似の菌種で、抗生物質B−3543を生産する能力
を有する。
この青黴菌属に類似の一菌種B−3543(Paecilomyces
sp.B−3543)(微工研菌寄第9756号。工業技術院微生
物工業技術研究所に寄託)(以下「B−3543菌株」と略
称)もその生産菌のひとつである。本生産菌は上述の特
性をもち、本発明の抗生物質B−3543を生産するのに適
しているので、本明細書で述べる生産方法に有効に利用
できるものである。
上述の「B−3543菌株」は中華人民共和国湖北省武昌
地区の稲葉から分離したものである。分離は通常の希釈
分離法で行った。選別は第1次選別と第2次選別の二段
階で行った。第1次選別は、分離純化後のB−3543菌株
をポテト−牛肉エキス寒天培地の斜面に接種し、26〜28
℃で10〜12日間培養後、コルクボーラで菌の小さいディ
スクを一つ採取したのち、本抗生物質に感受性を示す検
定菌の寒天平板上に置き、上述の温度で2〜4日間放置
すると、B−3543菌のデイスクの周囲に透明な阻止円が
現れることが認められた。第2次選別では、B−3543菌
株を培養後、この培養液を、あらかじめスプレーで病原
菌を接種した植物上に散布し、対照区として培養液を散
布しなかった病原菌接種済みの植物が発病したのち比較
調査した。その結果、本培養液は顕著な防除効果を示す
ことが認められた。このように分離選別された「B−35
43菌株」は実質上単一菌株であることが証明された。
上述の「B−3543菌株」の形態的特徴、各種の培地で
の培養性状及び生理特性は次の通りである。
1.形態的特徴: 顕微鏡で次のような現象が観察された。菌糸は分枝
し、隔膜がある。直径は3μm以内で、平均2μmであ
る。菌糸の間に融合現象がある。菌糸には多数の瓶状の
小柄が着生しており、小柄の先端に連鎖状の胞子が着生
している。瓶状小柄は基部が膨大し、先端へ行くと次第
に湾曲管状になる。基部の幅は約3μmで、長さ15.4〜
30.8μm、平均で22.5μmである。小柄は単生のものが
多く、まれに二輪或は三輪を着生するものもある。小柄
基部と菌糸の間には横隔膜で分けられ、ごく少ないが、
中央部分に近いところでは横隔膜が二個になっていると
ころもある。
分生胞子は小柄の先端から基部へ形成する。胞子が落
ち易い。分生胞子は楕円形或は卵形で、単胞で、やや不
対称である。表面は荒く、大きさは3.85〜5.5μm×1.7
〜3.1μmで、長さは平均4.7μm、幅は平均2.1μmで
ある。
2.各種の培地上での培養性状: 後述の培地で10日間培養したが、その性状は次の通り
である。色は李奇微著『標準顔色及名称』(R.Ridgway
1912,Color Standards and Color Nomenclature.Washin
gton Published by the Author.)にしたがって評定す
る。
1.ポテトグルコース寒天培地 ポテト 200g グルコース(スクロース) 20g 寒天 20g 水 1000ml pH 無調整 2.高氏1号 硝酸カリウム(KNO3) 1g リン酸水素カリウム(K2HPO4) 0.5g 硫酸マグネシウム(MgSO4) 0.5g 塩化ナトリウム(NaCl) 0.5g 硫酸第一鉄(FeSO4) 0.01g 可溶性でんぷん 20g 寒天 20g イーストエキス 0.5g 水 1000ml pH 7.2−7.4 3.麦芽エキス寒天培地 麦芽エキス 25g 寒天 17g 水 1000ml pH 7.0−7.2 4.ツァペック培地 硝酸ナトリウム(NaNO3) 2g リン酸水素カリウム(K2HPO4) 1g 硫酸マグネシウム(MgSO4・7H2O) 0.5g 硫酸第一鉄(FeSO4) 0.01g 塩化カリウム(KCl) 0.5g グルコース 30g 寒天 15g 水 1000g 3.生理的特性: 生育温度は15〜35℃、最適温度は25〜30℃である。
pH4〜9で生育し、最適pHは6.5〜7.5である。
耐塩性:3.5%の食塩を含んだ1%の麦芽エキス寒天培
地では、胞子の発芽率がやや低く、生育速度はやや遅
い。分生胞子鎖はやや短く、先端は湾曲する。10%の食
塩を含んだ1%の麦芽エキス寒天培地では、胞子がわず
かしか発芽しなかった。発芽の時、胞子は異常に膨大
し、発芽管は極めて短く、かつ分枝が見られ、ほとんど
生育は不可能であつた。
上述の「B−3543」菌株の同定基準になるものは『フ
ランス真菌協会会報』第74巻第3号p.222〜226[Bull,
(Trim).Soc.Myc.Fr.74(3):222〜226(Nicot.J.195
8,「Paecilomyces persicinus sp.nov」及び中国科学院
微生物研究所編著『常見与常用真菌』[科学出版社出
版、1978(第1版)第2刷]である。その形態と培養性
状からいえば、桃色青黴菌(Paecilomyces persicinus
Nicot)に近似しているが、上述の「B−3543菌株」(P
aecilomyces sp.B−3543)と既知の桃色青黴菌と比べる
と次のような相違点がある。
(1)分生胞子柄基部の幅: 「B−3543菌株」は2.6〜3.1μmで、平均2.9μmに対
して、桃色青黴菌は2〜2.5μmである。
(2)分生胞子の大きさ: 「B−3543菌株」は3.85〜5.5μm×1.7〜3.1μmで、
長さは平均4.7μm、幅は平均2.1μmであるのに対し
て、桃色青黴菌は3.5〜6μm×2.5〜3μmで、長さは
平均4.4μmで、幅はまれに2μmのものもある。
(3)耐塩性: 3.5%の食塩を含んだ1%の麦芽エキス寒天培地での
培養で、「B−3543菌株」は、胞子の発芽率がやや低
く、生育速度はやや遅い。また胞子鎖はやや短く、先端
は湾曲している。これに対して、桃色青黴菌では塩を含
んだ培地での生育速度、胞子形成状況は塩を含んでいな
い培地での場合とほぼ同じであった。10%の食塩を含ん
だ1%の麦芽エキス寒天培地では、「B−3543菌株」の
胞子がほとんど生育できなかったが、これに対して、桃
色青黴菌の場合は集落もでき、正常な形になっていない
小柄の先端でも円形の胞子が形成される。
上述の「B−3543菌株」は紫外線及びほかの放射線、
薬品などの物理的、化学的な誘発手段で、抗生物質を高
効率に生産する変異株を選抜することができる。
抗生物質B−3543の生産方法 上述のB−3543生産菌を用い、抗生物質の通常の液体
或は固体培養方法を用いて、本発明の抗生物質B−3543
が得られる。しかし、工業的な生産を行うためには、上
述の生産菌の胞子を含んだ懸濁液或は菌液を液体培地に
接種し通気、かくはん培養したほうが有利である。
培地の栄養源としては、微生物の培養によく使われて
いる炭素源、窒素源及びほかの栄養源を利用することが
できる。その中で炭素源として、デンプン、デキストリ
ン、グリセリン、グルコール、マルトース、しょ糖、ふ
すまなどが使用される。窒素源としては、大豆粉、脱脂
大豆粉、ラッカセイ粕、綿実粕、コーンスティープ、酵
母、ペプトン、アンモニウム塩、硝酸塩、及びその他有
機或は無機窒素化合物などが使用できる。ほかの栄養源
として、適量の無機塩類たとえば、食塩、リン酸塩及び
カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、マンガン、
亜鉛などの金属塩類を添加しても良い。必要な時には、
消泡剤として、動物油、植物油、鉱物油などを添加して
もよい。
培養条件について、生産菌の生育に適し、抗生物質B
−3543の最高生産量が得られる状態になれれば良い。た
とえば、普通の培養温度は15〜35℃であるが、25〜30℃
の方が菌糸体の生育が速い。培地のpH範囲は4〜9であ
るが、中性に近い方が良い。その他の条件としては例え
ば培地の組成、通気量、かくはん速度などもその場の状
況によって、最高の効果が得られるように適切に調節す
れば良い。
抗生物質B−3543の抽出、精製 上述の方法で得られた培養物の中で、抗生物質B−35
43はその培養液と菌体の中に生産される。適切な代謝産
物抽出方法たとえば、吸着法、イオン交換法、溶剤抽出
法、沈澱法などを用いて抗生物質B−3543を抽出するこ
とができる。ここでは培養液中における抗生物質の濃度
が高いので該抗生物質B−3543の抽出方法は主に培養液
から抗生物質を抽出することを例として述べる。
培養液を酸性にした後、多孔性吸着剤CAD−40、X5、3
520、H103、CAD−45など及び活性炭などの吸着剤で吸着
させ、蒸留水で溶出し、濃縮、乾固してから、メタノー
ルを加えて溶解させる。その中の不溶解物を除いたのち
一定量まで濃縮し、アセトンを加えて沈澱とする。この
沈澱を最後に、真空乾燥すると淡黄色の粗抗生物質が粉
末として得られる。
上述の抗生物質を蒸留水に溶解し、デキストラン・ゲ
ルたえば、DEAE−セファデックスA−25に吸着させ、0.
05M塩化ナトリウム溶液で溶出する。溶出液は濃縮後セ
ファデックスG−25で脱塩し、溶出液のpHを8.0に調節
し、凍結乾燥することにより淡黄色の粉末が得られる。
上述のものをメタノールで溶解させ、残渣をろ過して
除き、少量まで濃縮し、酢酸エチルを加え、沈澱をろ過
してから、シリカゲルのクロマトグラフィーを三回行
う。溶媒系はメタノールと酢酸エチルの混合溶剤を用
い、溶剤のメタノールと酢酸エチルの比率を調節するこ
とにより抗生物質と夾雑物を分け、さらに高速液体クロ
マトグラフィーで分離することにより、高純度の抗生物
質B−3543の精製品が得られる。
抗生物質B−3543ナトリウム塩は次のような理化学的
性質及び生物学的特性を有する。
(1)元素分析: 炭素39.35%、水素5.55%、窒素8.71%、酸素25.45%、
硫黄4.48%、ナトリウム11.26%。
(2)融点: 170℃から変色、190℃以上で分解。
(3)比旋光度: ▲[α]20 D▼=+75°(c=0.5、水)。
(4)紫外線吸収スペクトル: (第1図を参照)。
(5)赤外線吸収スペクトル(KBr法): 3400、1770、1600、1400、1320、1260、1125、1080、10
40cm-1(第2図を参照)。
(6)溶解性: 水に易溶、メタノール、含水エタノール、含水アセト
ンに可溶。ブタノール、酢酸エチル、クロロホルム、ベ
ンゼンに不溶。
(7)呈色反応: 過マンガン酸カリウム、ニンヒドリン、ヨウ素反応は
陽性で、塩化鉄反応は陰性である。
(8)物質の色: 白色ないし微黄色粉末。
(9)アミノ酸分析: 6N−HClを用い110℃で14時間加水分解すると、抗生物
質B−3543の中から主なアミノ酸としてアスパラギン、
セリン、グルタミン酸、プロリン、グリシン、バリン、
システインが、その他としてスレオニン、アラニン、ロ
イシン、イソロイシン、イルロイシン、オルニチン、リ
ジン及び一種の未知アミノ酸が検出される。
(10)薄層クロマトグラフィーのRf値: シリカゲル(メルク社製、Art5715) (11)酸性、中性、塩基性の区別: それ自体は弱酸性である。
(12)核磁気共鳴スペクトル: 重水中、内部標準(図中、X参照)を3−(トリメチ
ルシリル)−プロパンスルホン酸ナトリウム塩として測
定したH−NMRを第3図に示す。
(13)抗菌スペクトル: 方法は通常の寒天平板希釈法で、最小阻止濃度(MI
C)で表示する。真菌はポテトグルコース寒天培地を用
い、細菌は牛肉エキス寒天培地を用いた。
MIC (mcg/ml) イネ白葉枯病菌 0.2 (Xanthomonas campestris pv.oryzae) ハクサイ軟腐病菌 1.56 (Erwinia carotovora) モモ穿孔細菌病菌 1.56 (Xanthomonas campestris pv.pruni) ラッカセイ黒腐病菌 1.56 (Xanthomonas campestris pv.campestris) トマト青枯れ病菌 6.25 (Pseudomonas solanacearum) カンキツカイ瘍病菌 50 (Pseudomonas citri) 黄色ブドウ球菌 3.13 (Staphylococcus aureus) 化膿性連鎖状球菌 12.5 (Strephtococcus pyogenes) ミクロコッカス 1.56 (Micrococcus luteus) 枯草菌 3.13 (Bacillus subtilis) ネズミチフス菌 6.25 (Salmonella typhimurium) 腸チフス菌 3.13 (Salmonella typhi) パラチフス菌 25 (Salmonella paratyphi) スコテムレリ菌 6.25 (Salmonella schottmuelleri) 腸炎菌 12.5 (Salmonella enteritidis) プロテウム変形菌 6.25 (Proteus mirabilis) カンジダアルビカンス >100 (Candida albicans) イモチ病菌 >100 (Pyricularia oryzae) (14)毒性: マウス腹腔注射 LD50=>200mg/kg (15)防除効果: 抗生物質B−3543はいくつかの重要な植物病害例えば
イネ白葉枯病、ハクサイ、大根などの野菜の軟腐病、モ
モ穿孔細菌病及びトマト青枯病などに対して優れた防除
効果を示す。また、この抗生物質は紫外線に対し安定
で、使用濃度も低く、吸収性が強い。上述の病害に対し
その予防効果及び治療効果に優れ、薬害はないので、農
作物の病害防除に非常に適している。
このほか、ブドウ球菌、サルモネラ菌、連鎖状球菌な
どの細菌によるヒト及び動物の病気の防除にも使える。
抗生物質B−3543の有する上述の理化学的性質と生物
学的特性は、既知のいずれの抗生物質と異なるのであ
り、したがって、これは文献記載のない新規抗生物質で
ある。
本発明の抗生物質B−3543を有効成分として植物病害
殺菌剤などの製剤として使う時、これらの技術分野です
でに知られている殺菌剤によく使われている固体担体、
液体担体、乳化分散剤及びその他の補助剤を使って配合
し、液剤、乳剤、粉剤、水和剤、粒剤、水溶性粒剤、錠
剤、フロアブル剤、微小カプセル剤、徐放製剤などの剤
型が自由に調製できる。担体については、固体担体とし
て粘土、白土、膨潤土、ベントナイト、カオリン、珪藻
土、炭酸カルシウム、ニトロセルロール、デンプン、ポ
リプロピレンなどの高級樹脂、シャルジンガーデキスト
リンなどが使える。液体担体として、水、メタノール、
含水エタノール、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミ
ドなどが使える。補助剤として、高級アルコールの硫酸
エステル、高級アルコールのスルホン酸ナトリウム、ポ
リオキシエチレン、アルキル−アリルエ−テル、第四ア
ンモニウム塩、酸化ポリエチレン、プロピオン酸塩、BH
Tなどが使える。
各剤型中の有効成分の含量は、使用目的によって適切
に組合せることができる。例えば、液剤及び水和剤中で
は10〜90%で、粉剤などでは0.1〜10%である。
本抗生物質はまたほかの殺菌剤、殺虫剤、除草剤及び
肥料などと混合使用することができる。
次に本発明の実施例について具体的に説明するが、本
発明はこれらの実施例に限定されるももではない。
実施例1: 綿実粕3%、デンプン1%、ペプトン0.2%、硫酸マ
グネシウム0.05%、リン酸第一カリ0.03%の組成で発酵
培地を調製し、pH6.8に調整して、滅菌冷却後、上述の
「B−3543菌株」を培地に接種する。26℃で振盪培養を
48時間行い、前培養液とした。次に100lの発酵タンクに
65lの上述の発酵培地を入れて、滅菌冷却し、この中に
2.5lの前培養液を接種し、通気かくはん培養を行う。通
気量1:0.4〜1.1(体積/体積/分)、かくはん速度200
回転/分、培養時間は48時間であった。培養液は加圧濾
過で菌体を除いて、培養濾過液として50lが得られる。
上述の培養濾液をシュウ酸でpH3.8に調整し、多孔性
吸着剤CAD−40(中国、華北製薬工場製)に吸着させ、
蒸留水で残留の発酵液を洗い流したのち、中性の蒸留水
で、吸着物を溶出する。次に活性画分を集め、1/10まで
減圧濃縮し、更に、濃縮乾固する。次に、この濃縮物を
メタノールに溶解し、残渣を濾過して、1/5まで濃縮
し、この中にアセトンを加えて沈澱としたのち、真空乾
燥すると、22.5gの黄色の粗抗生物質が得られた。
この粗抗生物質を再び蒸留水に溶解し、濃度を10000r
/mlにする。そして、DEAE−セファデックスA−25のカ
ラムに吸着させてから、蒸留水で洗浄したのち、0.05M
塩化ナトリウム溶液で溶出する。活性画分を集めて、真
空で1/10に濃縮し、セファデックスG−25で二回脱塩
し、活性部分を少量まで濃縮する。つぎにこの液のpHを
8.0に調節し、凍結乾燥すると1.53gの微黄色粉末が得ら
れた。さらにこの粉末をメタノールに溶解したのち、1/
10量まで濃縮する。この濃縮液に酢酸エチルを沈澱が出
てくるまで加え、生じた沈澱を濾過で除き、濾液は低温
(4℃)でシリカゲルカラム(ワコーゲルC−200)に
三回かける。シリカゲルの量は、物質の100倍量用い、
溶媒系はメタノールと酢酸エチルの混合溶媒で、その組
成は第一回目では3:1、第二回目では1:1、そして第三回
目では1:1.2である。次に活性画分に等量の蒸留水を加
え、もとの量まで濃縮したのち10%の水酸化ナトリウム
でpHを8.0に調節し、凍結乾燥する。更にこの濃縮物に
メタノールを加え溶解させ、1/5量まで濃縮してから、
酢酸エチルを加えて活性物質を沈澱させ、濾過したのち
沈澱を酢酸エチルで二回洗滌して、真空乾燥すると、精
製抗生物質B−3543の白色粉末が87.5mg得られた。得ら
れた抗生物質B−3543は既述の如き理化学的性質及び生
物学的特性を有していた。
参考例1: 水和剤の調製 B−3543抗生物質 10部 ソルポール(Solpol)005−D(東邦化学製) 3部 ソルポール(Solpol)5039(東邦化学製) 5部 YA白土(粘土)(関東ベントナイト製) 50部 ラジオライト(Radiolite)(昭和化学製) 32部 以上の成分を混合粉砕して、有効成分を10%含んだ水
和剤が得られる。
参考例2: 液剤の調製 B−3543抗生物質 10部 ソルポール(Solpol)8070(東邦化学製) 7部 エチレングリコール 5部 水 78部 以上の成分を混合溶解して、有効成分を10%含んだ液
剤が得られる。
参考例3: 水溶性顆粒剤の調製 B−3543抗生物質 50部 無水硫酸ナトリウム 38部 ノルボル400(三洋化成製) 5部 ポリエチレングリコール6000(三洋化成製) 5部 PVP K−30 2部 上述の成分を混合し、乾式造粒機で造粒して、有効成
分を50%含んだ水溶性粒剤が得られる。
参考例4: 粉剤の調製 B−3543抗生物質 0.5部 クレー(中国、国峰工業製) 60部 白土(粘土) 39部 PVP(日本化学製) 0.5部 以上の成分を混合粉砕して、有効成分を0.5%含んだ
粉剤が得られる。
参考例5: 粒剤の調製 B−3543抗生物質 3部 YA白土(粘土)(関東ベントナイト製) 39部 PVP K−30 2部 トキサノン(toxanone)GR−30(三洋化成製) 1部 以上の成分を混合し、適量の水を加え、湿式造粒機で
造粒して、乾燥すると、有効成分を3%含んだ粒剤が得
られる。
試験例1 イネ白葉枯病の防除実験 イネ白葉枯病菌(Xanthomonas campestris pv.oryza
e)を牛肉エキスとペプトンの液体培地に接種し、48時
間振とう培養したのち、滅菌水を加え、所定の濃度の菌
懸濁液を調製する。
グリーンハウスでのポット防除試験:上述の菌懸濁液
をイネの葉に針刺接種する。予防試験では、薬剤を散布
した翌日に接種し、治療試験では接種の翌日に薬剤を散
布して、接種21日後の発病状況を調べる。
水田での防除試験:上述の菌懸濁液を剪葉法で新生葉
に接種し、接種の翌日に薬剤を散布して、接種11日後と
14日後に発病状況を調査する。
防除効果は次の方法によって計算した。
その結果は表1及び表2に示す。
試験例2: ハクサイ軟腐病に対する防除試験 ハクサイ軟腐病菌(Erwinia carotavora)を牛肉エキ
スとペプトン液体培地で24時間培養し、所定の濃度の菌
懸濁液を調製する。針刺法でハクサイの葉柄に接種し、
予防試験は接種2時間前に、治療試験は接種2時間後
に、抗生物質B−3543(濃度200ppm)を、筆で葉柄の裏
面に塗布し、葉柄ごとに薬0.1mlの薬剤を塗布した。
接種後のハクサイ葉柄を28〜30℃で、保湿状態で培養
し、24時間後発病状況を調べた。
防除効果は次の方法によって計算した。
発病指数 発病程度 0 発病しない 1 病斑だけある 2 発病面積1/5以下 3 発病面積1/3以下 4 発病面積1/2以下 5 発病面積1/2以下 その結果は表3に示す。
試験例3: 大根軟腐病に対する防除実験 大根を輪切りにして、直径4〜4.5cm、厚さ1cmの切片
を調製し、筆で各切片ごとに約200ppmの抗生物質B−35
43を0.15mlずつ両面に塗布した。3時間後針刺法で軟腐
病菌を接種し、28〜30℃で、20時間保湿状態で培養後、
発病状況を調べた。
接種用軟腐病菌及び調製方法、防除効果の計算方法は
試験例2と同じである。
実験結果は表4に示す。
[発明の効果] 本発明の抗生物質B−3543は、新規な抗生物質であ
り、いくつかの重要な植物病害の防除に極めて顕著な効
果があり、しかも安全性も極めて高く、薬害は一切ない
という利点を有する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の抗生物質B−3543の紫外線吸収スペク
トルである。 第2図は本発明の抗生物質B−3543の赤外線吸収スペク
トルである。 第3図は本発明の抗生物質B−3543の核磁気共鳴スペク
トルH−NMRである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:79) (72)発明者 田口 龍祐 東京都文京区駒込2丁目28番8号 科研製 薬株式会社内 (72)発明者 ジャン ゼン ハイ 中華人民共和国、フゥーペイシオン ウー ハンシー ウーチャンナンフゥー ヤウユ エン(番地なし)フゥーペイシオン ノン イエクゥーシュエユエン ジィーウーバオ フー イエンチオースオウー内 (72)発明者 ワン ワン チン 中華人民共和国、フゥーペイシオン ウー ハンシー ウーチャンナンフゥー ヤウユ エン(番地なし)フゥーペイシオン ノン イエクゥーシュエユエン ジィーウーバオ フー イエンチオースオウー内 (72)発明者 リャン ツェ シァ 中華人民共和国、フゥーペイシオン ウー ハンシー ウーチャンナンフゥー ヤウユ エン(番地なし)フゥーペイシオン ノン イエクゥーシュエユエン ジィーウーバオ フー イエンチオースオウー内 (72)発明者 ホアン イオウ リァン 中華人民共和国、フゥーペイシオン ウー ハンシー ウーチャンナンフゥー ヤウユ エン(番地なし)フゥーペイシオン ノン イエクゥーシュエユエン ジィーウーバオ フー イエンチオースオウー内 (72)発明者 ヤン ヅー ウェン 中華人民共和国、フゥーペイシオン ウー ハンシー ウーチャンナンフゥー ヤウユ エン(番地なし)フゥーペイシオン ノン イエクゥーシュエユエン ジィーウーバオ フー イエンチオースオウー内 (72)発明者 シェ ワン チェン 中華人民共和国、フゥーペイシオン ウー ハンシー ウーチャンナンフゥー ヤウユ エン(番地なし)フゥーペイシオン ノン イエクゥーシュエユエン ジィーウーバオ フー イエンチオースオウー内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】そのナトリウム塩が下記の理化学的性質及
    び生物学的特性を有する新規抗生物質B−3543及びその
    塩。 (1)元素分析:炭素39.35%、水素5.55%、窒素8.71
    %、酸素25.45%、硫黄4.48%、ナトリウム11.26%。 (2)融点:170℃から変色、190℃以上で分解。 (3)比旋光度の:▲[α]20 D▼=+75°(c=0.5、
    水)。 (4)紫外線吸収スペクトル: (5)赤外線吸収スペクトル(KBr法): 3400、1770、1600、1400、1320、1260、1125、1080、10
    40cm-1。 (6)溶解性:水に易溶、メタノール、含水エタノー
    ル、含水アセトンに可溶。ブタノール、酢酸エチル、ク
    ロロホルム、ベンゼンに不溶。 (7)呈色反応:過マンガン酸カリウム、ニンヒドリ
    ン、ヨウ素反応は陽性で、塩化鉄反応は陰性である。 (8)物質の色:白色ないし微黄色粉末。 (9)アミノ酸分析:加酸水解した結果、主なアミノ酸
    として、アスパラギン、セリン、グルタミン酸、プロリ
    ン、グリシン、バリン、システインを含む。 (10)抗菌スペクトル:グラム陽性菌、グラム陰性菌及
    び植物病原菌に抗菌活性を示す。
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