JPH082601B2 - 液晶ポリエステル成形体の表面処理方法及び表面処理装置 - Google Patents

液晶ポリエステル成形体の表面処理方法及び表面処理装置

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JPH082601B2
JPH082601B2 JP63042193A JP4219388A JPH082601B2 JP H082601 B2 JPH082601 B2 JP H082601B2 JP 63042193 A JP63042193 A JP 63042193A JP 4219388 A JP4219388 A JP 4219388A JP H082601 B2 JPH082601 B2 JP H082601B2
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浩一郎 加藤
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、液晶ポリエステルあるいは充填材を含む液
晶ポリエステルからなる成形体(以下、液晶ポリエステ
ル成形体と総称することがある。)の表面処理方法及び
この方法の実施に好適な表面処理装置に関する。
(従来の技術) 昨今、電気・電子分野、複写機、プリンター、コンピ
ューターをはじめとするOA機器分野、音響機器分野およ
び自動車分野などにおいて、液晶ポリエステルが、従来
の結晶性樹脂とは異なるユニークな特性を有するゆえ、
注目されている。すなわち、液晶ポリエステルは溶融状
態においても無定形状態をとらず異方性を示し、剪断を
与えて加工された成形体は分子が流動方向に著しく配向
するため、通常の結晶性樹脂とくらべて高強度、高弾性
率を示し、成形収縮率、線膨張係数が小さく、耐薬品性
が良好で、吸水による寸法変化が非常に小さいなどの特
性を有するからである。さらに、適切な加工条件のもと
では高流動性を示すので0.2〜0.5mm厚の薄肉品の成形も
可能で、化学構造によっては200℃を越える高い連続使
用温度を有するからである。
また液晶ポリエステルから得られた成形体は、異方性
が大きいために(すなわち、流動方向とそれと直角な方
向との物性差が大きいために)反りが発生しやすいとい
う欠点があるが、一般にガラス繊維や炭素繊維などの無
機繊維、チタン酸カリウムウィスカーやウォラストナイ
トなどの無機針状物、ガラスビーズ、シリカ、マイカ、
タルク、炭酸カルシウムなどの無機物を充填することに
より改良される。
しかしながら、液晶ポリエステルあるいは上述の如き
充填材を含む液晶ポリエステルから成形した成形体表面
は極めて結晶化度が高いため、非常に不活性なものとな
る。従って、この成形体表面に塗装、印刷、接着等を行
うためには、表面を活性化するための前処理が必要にな
る。さらには、疎水性である表面を親水化する前処理が
必要となる場合がある。
この種の前処理即ち表面処理を行う従来の方法として
は、サンドブラスト処理、溶剤処理、クロム酸混液処
理、火炎処理、コロナ放電処理、プラズマ処理等が知ら
れていた。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、従来の表面処理方法は以下に説明する
ような問題点を有していた。
サンドブラスト処理は、粒状の研削材を成形体表面に
高速度で衝突させてその表面を粗面化するもので、該処
理においては成形体の表面積が増すので、接着剤を用い
て液晶ポリエステル成形体を他の物件と接着する場合な
どにおいては幾分効果が認められる。しかし、研削材に
よって作業環境及び成形体が汚されること、さらには成
形体表面に食い込んだ研削材の除去が不可能なこと等の
問題点があった。
溶剤処理については、液晶ポリエステルを溶解させる
溶剤としては非常に特殊で高価な溶剤(例えばテトラフ
ルオロフェノール、ペンタフルオロフェノール)がある
だけで、実用性に乏しい。
クロム酸混液処理とは、例えば100℃位の温度に加熱
したクロム酸混液中に成形体を5分間程度浸漬させて表
面を処理するものである。しかし、処理に用いた廃液を
無公害なものにするための負担が大きいという問題があ
り、また液晶ポリエステルは耐クロム酸性が比較的優れ
るため、効果はあまりみられない。
火炎処理は、過剰空気を混入したガスの酸化炎(1000
℃〜2500℃)で成形体表面を処理するものである。しか
し、熱によって成形体の変形や融解が起こる場合がある
という問題点があった。
コロナ放電処理は、電極とロールとの間に電圧を印加
し、発生したコロナ放電によって表面を処理するもので
あるが、フィルム状の成形体以外のものについては処理
が行えないという問題点があった。
プラズマ処理は、低温プラズマを成形体表面に作用さ
せて処理するものであるが、設備費が高いという問題点
があった。
このように、従来の表面処理方法においては確実性、
安全性、経済性を兼ねそなえたものがなく、いずれの方
法も液晶ポリエステル成形体の表面処理のために用いる
には適当なものではなかった。
本発明の目的は、液晶ポリエステルあるいは充填材を
含む液晶ポリエステルからなる成形体の表面の改質を確
実に、安全にかつ経済的に行うことが可能な表面処理方
法を提供するとともに、この表面処理方法の実施に好適
な表面処理装置を提供することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは上記目的を達成するために鋭意検討した
結果、液晶ポリエステルあるいは充填材を含む液晶ポリ
エステルからなる成形体表面に対し、184.9nmの波長を
含む紫外線を照射することにより、塗装、印刷、接着、
蒸着、メッキなどを行うために適した活性な成形体表面
を与え得ることを見い出した。さらに、該成形体表面に
紫外線吸収性溶剤を接触させた後照射することにより、
該溶剤を接触させない時にくらべ、より短時間の照射で
活性な成形体表面を与え得ることを見い出し、本発明を
完成させるに至った。すなわち、本発明は以下(1)〜
(5)である。
(1)液晶ポリエステルあるいは充填材を含む液晶ポリ
エステルからなる成形体表面に対し184.9nmの波長を含
む紫外線を照射することを特徴とする液晶ポリエステル
成形体の表面処理方法。
(2)液晶ポリエステルあるいは充填材を含む液晶ポリ
エステルからなる成形体表面を紫外線吸収性溶剤に接触
させた後、この表面に対し184.9nmの波長を含む紫外線
を照射することを特徴とする液晶ポリエステル成形体の
表面処理方法。
(3)液晶ポリエステルあるいは充填材を含む液晶ポリ
エステルからなる成形体を予備加熱する予備加熱室と、
予備加熱済み成形体表面に紫外線吸収性溶剤を接触させ
る溶剤処理室と、該表面に対し184.9nmの波長を含む紫
外線を照射する照射室と、該成形体を前記予備加熱室、
溶剤処理室及び照射室の順に各室に搬送する搬送機構と
を具えたことを特徴とする液晶ポリエステル成形体の表
面処理装置。
(4)液晶ポリエステルあるいは充填材を含む液晶ポリ
エステルからなる成形体表面に加温された紫外線吸収性
溶剤を接触させる溶剤処理室と、該表面に対し184.9nm
の波長を含む紫外線を照射する照射室と、該成形体を前
記溶剤処理室及び照射室の順に各室に搬送する搬送機構
とを具えたことを特徴とする液晶ポリエステル成形体の
表面処理装置。
(5)液晶ポリエステルあるいは充填材を含む液晶ポリ
エステルからなる成形体に184.9nmの波長を含む紫外線
を照射する照射室と該成形体を搬送する搬送機構とを具
えたことを特徴とする液晶ポリエステル成形体の表面処
理装置。
本発明で使用される液晶ポリエステルとは、溶融状態
においても無定形状態をとらず異方性で、かつ高度に配
向した重合体のことで、一般にサーモトロピック液晶重
合体とよばれるポリエステルであり、芳香族ジカルボン
酸と芳香族ジオールとの組み合せからなるもの、芳香族
ヒドロキシカルボン酸からなるもの、及び芳香族ジカル
ボン酸と芳香族ジオールと芳香族ヒドロキシカルボン酸
とからなるもので、剪断下250〜400℃の範囲で異方性溶
融体を形成するものである。なお、これら芳香族ジカル
ボン酸、芳香族ジオール及び芳香族ヒドロキシカルボン
酸の代わりにそれらのエステル形成性誘導体が使用され
ることもある。該液晶ポリエステルの繰り返し構造単位
としては下記のものを例示することができるが、これら
に限定されるものではない。
…芳香族ジカルボン酸に由来する繰り返し構造単位は
以下に示すようなものがある。但し、下記構造式のR1
ハロゲン、アルキル基又はアリール基を示す。
…芳香族ジオールに由来する繰り返し構造単位は以下
に示すようなものがある。但し、下記構造式中のR2はハ
ロゲン、アルキル基又はアリール基を示し、R3はハロゲ
ン又はアルキル基を示す。
…芳香族ヒドロキシカルボン酸に由来する繰り返し構
造単位は以下に示すようなものがある。但し、下記構造
式中のR4はハロゲン又はアルキル基を示す。
尚、耐熱性の点から特に好ましい液晶ポリエステル
は、繰り返し構造単位の組合せが下記(I)〜(IV)の
ものであり、 (IV)(但し、R5はアルキル基、ハロゲン又はアリール
基を示す。) これら液晶ポリエステル(I)、(II)、(III)又
(IV)については、それぞれ例えば特公昭47−47870号
公報、特公昭63−3888号公報、特公昭63−3891号公報、
特公昭58−40976号公報などに記載されている。
又、本発明で使用される充填材とは、液晶ポリエステ
ルからなる成形体の異方性を改良するために配合される
ものであり、無機繊維、無機針状物、球状、塊状、板状
などの形状を有する無機質があげられる。無機繊維の例
としてはガラス繊維、炭素繊維、ボロン繊維、アルミナ
繊維等、無機針状物の例としてはチタン酸カリウムウィ
スカー、炭化ケイ素ウィスカー、カルシウムメタシリケ
ート等、球状、塊状、板状などの形状を有する無機物の
例としてはガラスビーズ、ガラスフレーク、シリカ、マ
イカ、タルク、炭酸化カリウム等がそれぞれあげられ
る。これらの中で、ガラス繊維、チタン酸カリウムウィ
スカー、カリシウムメタシリケート、タルクが異方性の
改良効果と機械強度の面でバランスが良く好ましい。
さらに、本発明の液晶ポリエステルあるいは充填材を
含む液晶ポリエステルからなる成形体には、本発明の目
的をそこなわない範囲で酸化防止剤、熱安定剤、紫外線
吸収剤、滑剤、離形剤、染料、顔料などの着色剤、難燃
剤、難燃助剤、帯電防止剤などの通常の添加剤の1種類
以上を添加することができる。また少量の熱可塑性樹脂
(例えばポリアミド、ポリエステル、ポリフェニレンス
ルフィド、ポリエーテルケトン、ポリカーボネート、変
性ポリフェニレンオキサイド、ポリスルホン、ポリエー
テルイミド、ポリアミドイミド)、熱硬化性樹脂(例え
ばフェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂な
ど)の1種類以上を添加することができる。
また該成形体は、射出成形により適当な金型を用いて
種々の形状に成形したもの、押出成形により加工された
ロッド、パイプ、板、フィルム、繊維等の形状を有する
もの、圧縮成形により加工されたディスク、板等の形状
を有する成形体であることができる。
該成形体表面の活性化に必要な紫外線は、特定波長18
4.9nmを含むものであり、紫外線の強度は強い方が好ま
しい。また該特定波長を含む紫外線を発する光源として
は、合成石英製低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプなどが
用いられる。
該成形体表面の活性化は、特定波長を含む紫外線を直
射照射させることにより達成できるが、成形体表面に紫
外線吸収性溶剤を接触させた後に特定波長を含む紫外線
を照射すると、照射時間を短縮することができる。
該紫外線吸収性溶剤としては、その溶剤自体が紫外線
吸収性構造を持つもの、紫外線吸収構造を持つ物質を溶
剤に溶解させたもの、さらには、これらを混合したもの
を挙げることが出来る。溶剤自体が紫外線吸収構造を持
つ具体例としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等の
芳香族系溶剤、四塩化炭素、テトラクロロエチレン等の
ハロゲン化炭化水素系溶剤、又アクリル酸エステル系溶
剤等を挙げることが出来る。紫外線吸収構造を持つ物質
を溶解させた溶剤の具体例としては、アセトフェノン系
誘導体、ベンゾフェノン系誘導体、ベンゾイン系誘導
体、スルフィド系誘導体、ジアゾニウム塩系誘導体、オ
ニウム系誘導体等の光増感剤を溶解した芳香族炭化水素
系溶剤、アクリル酸エステル系溶剤等を挙げることが出
来る。
該成形体表面に紫外線吸収性溶剤を接触させる場合の
その方法は、種々のものが考えられる。具体例を示せ
ば、溶剤中に成形体を浸す浸漬法、溶剤を霧状にして吹
き付ける吹き付け法、溶剤を塗布する塗布法等である。
又、成形体と溶剤とを接触させる際、その接触を促進さ
せるため超音波を印加するようにしても良い。又、成形
体と溶剤とを接触させる際、紫外線吸収性溶剤を予め加
熱しておくか、及び又は成形体を予め加熱しておくかす
るようにしても良い。成形体を加熱することは、赤外線
ランプ、電熱装置、高周波加熱装置、マイクロ波加熱装
置、加熱炉等従来からあるものを用いれば良い。但し、
溶剤を加熱する場合は溶剤蒸気の発生量が増大するか
ら、火災に対し又人体への危険性に対しての配慮が必要
である。又、成形体のみ加熱する場合においても、成形
体の熱によって溶剤の温度が上昇するから、浸漬法を用
いる場合であれば溶剤を冷却するようにし、吹き付け法
や塗布法を用いる場合であれば成形体と溶剤とが接触し
た時に生ずる溶剤蒸気の排気等に考慮を払う必要があ
る。
尚、本発明の表面処理方法で表面を処理した成形体に
塗装、印刷、接着、蒸着、メッキなどの積層等の加工を
直ぐに行っても良いが、必要に応じては、加工前に成形
体表面の静電気を除去するようにするのが良い。
又、本発明の目的を達成するための表面処理装置とし
ては、上述した(3)〜(5)の装置が挙げられるわけ
であるが、表面処理時間の短縮を図る意味で好適なもの
としては、液晶ポリエステルあるいは充填剤を含む液晶
ポリエステルからなる成形体を予備加熱するための予備
加熱室と、予備加熱済み成形体表面に紫外線吸収性溶剤
を接触させる溶剤処理室と、該成形体表面に対し184.9n
mを含む紫外線を照射する照射室と、これらの各室に該
成形体を搬送する搬送機構とを具えたものを挙げること
が出来る。さらにこの溶剤処理室は溶剤を加温する手段
を具える方が好ましい。さらに、表面処理装置に、紫外
線吸収性溶剤の蒸気の回収手段、紫外線照射によってこ
の溶剤から発するハロゲン化物の有毒ガスや紫外線照射
時に生じるオゾン等を排気する手段、これらガスを人体
に無害なものとするための処理手段等を設けることも重
要である。
又、既に説明したように、予備加熱及び溶剤処理の一
方又は双方を実施しなくとも該成形体表面の改質が行な
えるので、装置価格の低減を図る意味で、表面処理装置
を予備加熱質及び溶剤処理室の一方又は双方を設けない
構造のものとしても良い。
(発明の作用および効果) 本発明の液晶ポリエステルあるいは充填剤を含む液晶
ポリエステルからなる成形体の表面処理方法によれば、
成形体表面が塗装、印刷、接着、蒸着、メッキ等を行な
うに適したものに改質される。成形体表面がこのように
改質される理由は定かではないが、以下に説明するよう
な理由が考えられる。
液晶ポリエステル成形体表面に対し空気中で紫外線を
照射しただけの場合は、成形体の表面領域のポリエステ
ル分子鎖中のフェニレン基に酸素原子が紫外線による光
化学反応によって結合し、これによって成形体表面に水
酸基などが生成し、この結果、成形体表面が活性化する
ためではないかと考えられる。
液晶ポリエステル成形体表面に紫外線吸収性溶剤であ
る例えば塩素化炭化水素系溶剤を接触させた後に紫外線
を照射した場合は、成形体表面領域に収着した塩素化炭
化水素より塩素ラジカルが発生し、これがポリエステル
鎖に結合し、又、紫外線によって発生した塩素ラジカル
によりポリエステル鎖から水素ラジカルが引き抜かれポ
リエステル鎖上に生じたラジカルに酸素原子が結合して
酸素含有基が生成しこの基によって成形体表面が活性化
されるためであろうと考えられる。
本発明の表面処理方法により生じた特有の効果は次の
ようなものである。
本発明による処理を施した成形体表面に付着された塗
膜、印刷膜は付着性に優れ、しかも均一性が良く美麗な
ものとなる。
本発明による処理を施した成形体表面は、エポキシ系
接着剤、シアノアクリレート系接着剤などの一般的な接
着剤を介して他の物体とはり合せた構造体とした場合、
実用的な密着強度が得られる。
本発明の処理方法によれば、複雑な処理操作を必要と
しないため、又塗装、印刷等の実施にあたってもこれら
の前に水洗、下塗り等を行う必要がないため、工程が少
なく短時間で前処理が行える。
処理工程において、塩素ガスや高温度のハロゲン化
炭化水素蒸気を使用しないで済むため、危険性がない。
紫外線照射装置は低価格であるため、設備費が比較的
低価格で済むのではないかと思われる。
従来の火炎処理では成形体の変形、溶融等の危険性が
あったが、本発明の処理方法はそのような危険性がな
い。
コロナ放電処理と違い、フィルム状以外の形状の成形
体にも適用することが出来る。
波長が184.9nmの紫外線を主作用光としているため、
処理時間が短時間になる。
又、本発明の液晶ポリエステル成形体の表面処理装置
によれば、成形体表面に対し表面改質のための所定の処
理が自動的になされる。さらに、成形体の形状、大きさ
等に応じ、成形体の予備加熱及び又は紫外線吸収性溶剤
の加温を実施したりしなかったりすることも出来る。
従って、工業的に然も安全に液晶ポリエステル成形体
の表面を上述した〜に示すような特有な効果が得ら
れるような表面に改質することが出来る。
(実施例) 以下、実施例により本発明を説明するが、これらは単
なる例示であり、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。
表面処理方法の説明 **参考例1(液晶ポリエステルAの製造) p−アセトキシ安息香酸7.2kg(40モル)、テレフタ
ル酸2.49kg(15モル)、イソフタル酸0.83kg(5モル)
および4.4′−ジアセトキシジフェニル5.45kg(20.2モ
ル)を櫛型撹拌翼をもつ重合槽に仕込み、窒素ガス雰囲
気下で撹拌しながら昇温し330℃で3時間重合させた。
この間に副生する酢酸を除去しながら、強力な撹拌下で
重合させた。その後、系を徐々に冷却し、200℃で反応
混合物を系外へ取出した。反応化合物の収量は10.38kg
で理論収量の97.8%であった。これを細川ミクロン社製
のハンマーミルで粉砕し、2.5mm以下の粒子とした。こ
れを更にロータリーキルン中で窒素ガス雰囲気下で280
℃で5時間処理することによって、流動温度が326℃の
粒子状の全芳香族ポリエステル(以下、液晶ポリエステ
ルAと言う)を得た。このポリマーは350℃以上で光学
異方性を示した。
**参考例2(液晶ポリエステルBの製造) p−アセトキシ安息香酸7.2kg(40モル)、テレフタ
ル酸3.32kg(20モル)および4,4′−ジアセトキシジフ
ェニル5.45kg(20.2モル)を参考例1と同じ条件下で重
合させて反応化合物を得た。これを参考例1と同様に粉
砕したあと、更に窒素ガス雰囲気下にロータリーキルン
中280℃で3時間熱処理することによって、流動温度が3
25℃の粒子状の全芳香族ポリエステル(以下、液晶ポリ
エステルBと言う)を得た。このポリマーは355℃以上
で光学異方性を示した。
**参考例3(液晶ポリエステルCの製造) p−アセトキシ安息香酸8.1kg(45モル)と6−アセ
トキシ−2−ナフトエ酸6.9kg(30モル)とを櫛型撹拌
翼付きの重合槽に仕込み、窒素ガス雰囲気下で撹拌しな
がら昇温し、300℃で30分間、320℃で30分間、そして更
に8.0torrの減圧下に320℃で2時間重合させた。この間
に、副生する酢酸を系外へ留出し続けた。その後、系を
徐々に冷却し、180℃で反応混合物を系外へ取出した。
反応混合物の収量は10.1kgで理論収量の96.2%であっ
た。これを参考例1と同様に粉砕したあと、ロータリー
キルン中で窒素ガス雰囲気下に260℃で5時間処理する
ことによって、流動温度が260℃の粒子状の全芳香族ポ
リエステル(以下、液晶ポリエステルCと言う)を得
た。このポリマーは340℃以上で光学異方性を示した。
**実施例1〜7及び比較例1 液晶ポリエステルA,B及びCをそれぞれ60重量部とガ
ラス繊維(旭ファイバーグラス(株)製CS03MAPX−1、
平均繊維径13μm、平均繊維長3mm)40重量部とを混合
し、二軸押出機(池貝鉄工(株)製PCM−30)により溶
融混練し、ストライドを水冷後切断してペレットを得
た。尚、二軸押出機のシリンダー温度は液晶ポリエステ
ルA,Bの場合は330〜350℃、液晶ポリエステルCの場合
は280〜290℃に設定した。
得られたペレットを射出成形し(住友重機械工業
(株)製ネスタール47/28射出成形機使用)、長さ、幅
共に64mm、厚み1mm試験片を得、表面改質用成形体とし
た。尚、射出成形機のシリンダー温度は、液晶ポリエス
テルAの場合は350℃、液晶ポリエステルBの場合は360
℃、液晶ポリエステルCの場合は290℃に設定し、金型
温度は130℃、射出圧力は1300kg/cm2に設定した。
184.9nmの波長の紫外線を含む光源として、200Wの合
成石英製低圧水銀ランプ(以下の説明では、第一光源と
称する)、あるいは400Wの高圧水銀ランプ(以下の説明
では、第二光源と称する)を用い、上記成形体を無処理
のまま照射するか、上記成形体を60℃に加熱し、紫外線
吸収溶剤としてテトラクロルエチレン95重量部と四塩化
炭素5重量部とからなる混合溶剤に1〜2分浸漬後1分
間放置してから照射した。尚、照射時間、照射距離につ
いて別表1に示す如く可変させた。
次に、各成形体に関しては、紫外線の照射終了時から
30分間の時間が経過した後、各成形体の表面に主成分が
アクリル酸エステルで分散媒体がケトン系溶剤としたア
クリル系樹脂塗料を吹き付け塗装し、この塗膜を空気雰
囲気中でかつ室温で24時間自然乾燥させた。
このようにして形成した塗膜の成形体に対する付着性
をみるため、各成形体のそれぞれの塗膜をクロスカット
ガイドを使用して、縦、横2mm幅にクロスカットし、100
個のます目を作った。この上にセロハンテープ(三菱ユ
ニセロハンテープ18)を貼付けた後、引きはがし試験を
行ない、はがれないで成形体に残ったます目の数をかぞ
え、付着性(%)で示した。
また、紫外線照射を行わないで上記アクリル系樹脂を
塗布した成形体についても同様に付着性をテストした
(比較例1)。
以上の結果を別表1に示す。尚、別表1においては、
液晶ポリエステルA,B及びCを樹脂A,B及びCと略記して
いる。別表1から明らかなように、液晶ポリエステル系
樹脂の種類にかかわらず、特定波長の紫外線照射を行う
ことによって、塗膜の付着性の向上について驚くほどの
効果がみられた。さらに、紫外線吸収溶剤に浸漬した成
形体については、より短時間の照射で効果がみられた。
**実施例8 液晶ポリエステルA,B及びCについて、それぞれ、充
填剤を配合しない場合の成形体及び充填剤としてチタン
酸カリウム繊維ウィスカ(チタン工業(株)製HT−20
0、径0.3〜1.0μm、長さ20〜120μm)、ウォラスナイ
ト(長瀬産業(株)販売HYAD400、径10μm以下、長さ5
0μm以下)、タルク((株)勝光山工業所製Sタル
ク)を各々30重量%配合した成形体について実施例1〜
7と同様にして作製し、実施例3、4と同じ条件で特定
波長を含む紫外線を照射し、付着性をテストした。結果
はすべて100%であった。
表面処理装置の説明 次に、この発明の表面処理方法の実施に好適な表面処
理装置の実施例につき説明する。
<第一実施例> 第一実施例の表面処理装置は、液晶ポリエステル成形
体表面の改質を短時間に効率良く行なうことが出来るよ
う、成形体を予備加熱する予備加熱室と、この成形体に
紫外線吸収性溶剤を接触させるための溶剤処理室と、成
形体に紫外線を照射する紫外線照射室と、成形体を各室
を経由するように自動的に搬送するための搬送機構とを
具えたものである。さらに、各室を直線的に配置した構
造のものとした例である。
第1図(A)及び(B)は第一実施例の表面処理装置
の一構成例を概略的に示す平面図及び側面図である。
第1図において、11は液晶ポリエステル成形体を加熱
することが出来る予備加熱室を示す。この実施例の場合
の予備加熱室11は、成形体を処理装置に投入するための
投入口13を有したトンネル炉状の筐体15と、この筐体15
の内部に設けられたヒータ部17とを有している。この場
合のヒータ部17は遠赤外線パネルヒータを以って構成し
ている。しかし、このヒータ部17を他の好適なもの、例
えば遠赤外線以外の赤外線光源(ハロゲンランプ等)、
マイクロ波加熱器、高周波加熱器、温風装置、又は電熱
加熱器等で構成しても良い。又、このヒータ部17の形状
や定格出力については、処理される成形体の形状や大き
さ、処理時間等を考慮して決定する。
又、21は紫外線吸収性溶剤を成形体に接触させるため
の溶剤処理室を示す。
この実施例の場合の溶剤処理室21は、筐体23と、この
筐体23内に設けられた溶剤タンク25とを有している。溶
剤タンク25は上述したような紫外線吸収性溶剤に対する
耐性を有する好適な材料で構成してあり、図示せずも溶
剤供給口、溶剤排出口を具える。又、この溶剤タンク25
内には、このタンク内の紫外線吸収性溶剤の温度を一定
に保つため、ヒータを有する温度制御手段(図示せず)
及び循環装置(図示せず)を設けてある。このような溶
剤処理室21によれば、溶剤を室温状態はもとより所定温
度に加温した状態で成形体に接触させることが出来る。
尚、必要に応じては溶剤を冷却するための冷却手段を設
けても良い。又、溶剤タンク25内に超音波発生器を設
け、紫外線吸収性溶剤と成形体との接触効果を高めるよ
うにしても良い。又、溶剤タンク25の溶剤は蒸発し溶剤
処理室に充満するから、必要に応じては、溶剤処理室21
の例えば壁面等の好適位置に溶剤蒸気を冷却する冷却手
段を設け、液化された溶剤を溶剤タンク25に、或は別途
設けた回収タンク(図示せず)に回収するようにしても
良い。
又、31は紫外線照射室を示す。この場合の紫外線照射
室31は、トンネル炉状の筐体33と、この筐体33の内部に
設けられ主照射波長が184.9nmの紫外線を発する合成石
英製低圧水銀ランプ35と、筐体33の搬送方向側の端部に
設けられた成形体取り出し口37とを有している。この実
施例の場合は、直線的な低圧水銀ランプ35を横並べにし
成形体の搬送方向に沿って適切な間隔で複数個設けてい
る。しかし、低圧水銀ランプの取付位置、取付個数、又
水銀ランプの形状については、成形体の大きさ、成形体
の形状、ランプの出力能力等を考慮して適切な位置、個
数及び形状にする。例えば、成形体形状が球状のものを
専門に処理する装置のような場合であれば、水銀ランプ
の形状をアーチ状にする等の変更を行なうのが良い。
又、41は成形体の搬送機構を示す。この搬送機構はそ
の搬送速度が可変可能なものとしてあり、この場合、予
備加熱室11、溶剤処理室21及び紫外線照射室31の各筐体
内部を亘るように設けられたベルトコンベヤ41で構成し
てある。投入口13に投入された成形体は、このベルトコ
ンベヤの移動に伴ない予備加熱室11→溶剤処理室21→紫
外線照射室31→取り出し口へと自動的に搬送される。
尚、この搬送機構についても、成形体の形状に応じ種
々の工夫を施すのが好適である。例えば、成形体が複雑
な形状である場合などは、ベルトコンベヤ上でその成形
体が適時回転させられるような機構を有した搬送機構と
しても良い。このようにすれば、予備加熱や紫外線照射
を成形体に対しまんべんなく実施することが出来る。
又、この実施例の処理装置は、表面改質を確実に行な
うため及び作業者の安全を考慮し、以下に説明するよう
な各手段を具えている。
成形体投入口13とヒータ部17との間にエアカーテン51
を設けてある。さらに、このエアーカーテン51とヒータ
部17との間に排気ダクト53を設けてある。エアーカーテ
ン51は、ゴミ等が処理装置内に入ることを防止する。排
気ダクト53は、予備加熱室11の領域にまで溶剤蒸気やオ
ゾンが達してきたときに、溶剤蒸気等を作業者に影響の
ないような個所に強制的に排気する。尚、エアーカーテ
ン51および排気ダクト53は、それらの吹出量及び排気量
を適切な量にそれぞれ調節することが出来るものとして
ある。
予備加熱室11と溶剤処理室21との間には排気ダクト54
を設けてあり、溶剤処理室21の溶剤タンク25から蒸発し
予備加熱室11に向おうとする溶剤を予備加熱室に至る前
に処理装置外部に強制的に排気することが出来る。尚、
この排気ダクト54は、加温された成形体を冷却してしま
うことがないように、これの排気量を適切な値に調節す
ることが出来るものとしてある。
又、溶剤処理室21と、紫外線照射室31との間の筐体内
には温風エアー供給手段55を設けてある。この温風エア
ー供給手段55は、成形体に接触させた溶剤を適度に蒸発
させることが出来るように、温風吹出量を調節出来るも
のとしてある。さらに、この温風エアー供給手段55と紫
外線照射室31との間に排気ダクト57を設けてある。又、
紫外線照射室31の、取り出し口37の近傍にはエアーカー
テン59を設けてある。さらに、筐体33のエアーカーテン
59よりも紫外線照射室31側には排気ダクト61を設けてあ
り、さらに、筐体33のエアーカーテン59よりも取り出し
口側には排気ダクト63を設けてある。従って、紫外線照
射室31の筐体33内で発生するオゾン、或は紫外線照射に
よって紫外線吸収性溶剤から発すると思われる人体に有
毒なガス等はエアーカーテン59からのエアーと、温風エ
アー供給手段55からの温風とによって筐体33内部に閉じ
込められる。さらに、排気ダクト57及び61によって、筐
体33内のオゾンや有毒ガスを作業者に対して影響のない
室外や又は人体に無害とする処理装置等に強制的に送る
ことが出来る。
尚、処理装置に備わる各排気ダクト53,54,57,61,63
に、紫外線吸収性溶剤を吸着したり回収したりすること
が出来る手段を設ければ、溶剤の再使用を図ることが出
来好適である。
さらに、この処理装置は図示せずも強制部を具えてい
る。この制御部は、予備加熱室11内の温度制御、溶剤処
理室21の内部の溶剤タンク25の溶剤量の管理、溶剤タン
ク25に設けた循環装置の制御、溶剤タンク内の溶剤の温
度制御、超音波発生器の出力管理、低圧水銀ランプの点
灯消灯管理、低圧水銀ランプの寿命管理、搬送用のベル
トコンベア41の搬送速度の制御、さらにエアーカーテン
や排気ダクトの流量制御等を行なうためのものである
が、これら制御については従来公知の検出方法、制御方
法を用いれば良いから、その説明を省略する。
本発明の装置によれば、成形体を投入口13でベルトコ
ンベヤ41に載置すると、ベルトコンベヤ41の移動に伴な
いこの成形体は予備加熱室の筐体15内部に搬送されてゆ
く。この成形体は、この筐体15内部を移動する際、ベル
トコンベヤ41の搬送速度と、遠赤外線パネルヒータの出
力と、筐体15の長さとで主に決定される熱量に応じ温め
られる。さらにこの成形体は、ベルトコンベヤ41の移動
に伴ない溶剤タンク25内に搬送されこの溶剤タンク25内
の紫外線吸収性溶剤と接触させられた後、紫外線照射室
31の筐体33内に搬送される。さらに、この成形体はこの
筐体33内部を移動する際、筐体33内に設けられている低
圧水銀ランプ35からの紫外線照射を受け、その後取り出
し口37に至る。
このようにして、成形体の表面改質を自動的に行なう
ことが出来る。
又、この第一実施例の装置においては、予備加熱室11
のヒータ部17を停止した状態で及び又は溶剤タンク25に
溶剤を入れない状態で装置を使用することも出来る。従
って、成形体に対し紫外線照射のみを行なうこと、溶剤
処理と紫外線照射とを共に行なわせることというよう
に、表面処理条件を変更できる。このため、表面処理効
果と経済性とを考慮した成形体に適した表面処理が行な
える。
尚、この第一実施例の表面処理装置は例えば以下に説
明するような種々の変更を加えることが出来る。
上述した実施例においては、成形体と、紫外線吸収性
溶剤との接触を溶剤タンク25内に成形体を浸漬させるこ
とで行なっているが、この接触方法はこれに限られるも
のではない。例えば、ベルトコンベヤ41の上部に紫外線
吸収性溶剤噴出用のノズルを設けておき、ベルトコンベ
ヤの移動に伴ない搬送されてきた成形体に対し頭上から
この溶剤を吹き出すようにして接触を行なわせても良
い。この際の溶剤は、処理目的に応じ冷却したもの、室
温程度のもの、加温したもの、蒸気状のものとすること
が出来る。このような溶剤は、別途に用意した溶剤タン
クから供給しても良い。
又、溶剤を塗布するようにしても良い。
又、上述の処理装置は予備加熱室、溶剤処理室等の各
手段を直線的に配列したものとしているが、処理装置の
設備場所、作業性等を考慮して、例えば投入口と取り出
し口がほぼ同一位置になるような構成、例えば円状のト
ンネル炉型の装置、又縦型の装置とすることも出来る。
<第二実施例> 第二実施例の表面処理装置は、予備加熱室及び溶剤処
理室は設けず、成形体に紫外線を照射する紫外線照射室
と、成形体を自動的に搬送するための搬送機構とを具え
たものである。
第2図(A)、(B)及び(C)は第二実施例の表面
処理装置の一構成例を概略的に示す平面図、正面図及び
側面図である。これら図においては、第一実施例の構成
成分と同様な構成成分については同一の符号を付して示
してあると共に、その詳細な説明は省略する。
トンネル炉状の筐体71の中央部領域は、紫外線照射室
31とされていて、この紫外線照射室31内には合成石英製
低圧水銀ランプ37が設計に応じた個数所定間隔で設けて
ある。筐体71の紫外線照射室31の成形体投入口71a側に
当る部分にはエアーカーテン51が成形体取り出し口71b
側に当る部分にはエアーカーテン59がそれぞれ設けてあ
り、オゾン等を紫外線照射室内に閉じ込めることが出来
る。紫外線照射室31には排気ダクトが接続してあり、室
内に閉じ込められるオゾン等を作業者に影響のない箇所
に送りだすことが出来る。
又、トンネル炉状筐体71内には、成形体投入口71aか
ら紫外線照射室31を経て成形体取り出し口71bに成形体
を搬送するためのベルトコンベヤ41が設けてある。
又、81はこの第二実施例の装置に備わる制御部を示
し、この制御部81は、83で示すスイッチ部と、85で示す
低圧水銀ランプのモニター部と、低圧水銀ランプの点灯
時間を積算するための87で示す積算計と、89で示すベル
トコンベヤ41の速度調節手段とを具える。スイッチ部83
は、主電源スイッチ、低圧水銀ランプ点灯スイッチ、ベ
ルトコンベヤ駆動スイッチ、排気ダクト駆動スイッチ等
で構成してある。
又、91は非常停止スイッチを示し、異常事態発生時に
ベルトコンベヤ41を停止出来る。
第二実施例の装置は、液晶ポリエステル成形体に対し
表面改質のための紫外線照射を自動的に行なえ、紫外線
の照射のみを行なう場合に好適であり、さらに、第一実
施例のものに比し装置価格が安く出来る。
尚、この第二実施例の装置の場合も、成形体の投入口
と取り出し口がほぼ同一位置になるような構成、例えば
円状のトンネル炉型の装置、又縦型のものと出来る。
【図面の簡単な説明】
第1図(A)及び(B)は、この発明の液晶ポリエステ
ルあるいは充填材を含む液晶ポリエステルからなる成形
体の表面処理方法の実施に好適な表面処理装置の一例を
概略的に示す平面図及び側面図、 第2図(A)、(B)及び(C)は、この発明の液晶ポ
リエステルあるいは充填材を含む液晶ポリエステルから
なる成形体の表面処理方法の実施に好適な表面処理装置
の他の例を概略的に示す平面図、正面図及び側面図であ
る。 11……予備加熱室、13……成形体投入口 15……筐体 17……ヒーター部(遠赤外線パネルヒーター) 21……溶剤処理室、23……筐体 25……溶剤タンク、31……紫外線照射室 33……筐体 35……合成石英製低圧水銀ランプ 37……成形体取り出し口 41……ベルトコンベヤ 51,59……エアーカーテン 53,54,57,61,63……排気ダクト 55……温風エアー供給手段 71……トンネル炉状筐体 71a……成形体の投入口 71b……成形体の取り出し口 81……制御部、83……スイッチ部 85……低圧水銀ランプモニタ 87……積算計、89……速度調節手段 91……非常停止スイッチ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き 審査官 三浦 均

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液晶ポリエステルあるいは充填材を含む液
    晶ポリエステルからなる成形体表面に対し184.9nmの波
    長を含む紫外線を照射することを特徴とする液晶ポリエ
    ステル成形体の表面処理方法。
  2. 【請求項2】液晶ポリエステルあるいは充填材を含む液
    晶ポリエステルからなる成形体表面を紫外線吸収性溶剤
    に接触させた後、該成形体表面に対し184.9nmの波長を
    含む紫外線を照射することを特徴とする液晶ポリエステ
    ル成形体の表面処理方法。
  3. 【請求項3】液晶ポリエステルあるいは充填材を含む液
    晶ポリエステルからなる成形体を予備加熱する予備加熱
    室と、予備加熱済み成形体表面に紫外線吸収性溶剤を接
    触させる溶剤処理室と、該表面に対し184.9nmの波長を
    含む紫外線を照射する照射室と、該成形体を前記予備加
    熱室、溶剤処理室及び照射室の順に各室に搬送する搬送
    機構とを具えたことを特徴とする液晶ポリエステル成形
    体の表面処理装置。
  4. 【請求項4】液晶ポリエステルあるいは充填材を含む液
    晶ポリエステルからなる成形体表面に加温された紫外線
    吸収性溶剤を接触させる溶剤処理室と、該表面に対し18
    4.9nmの波長を含む紫外線を照射する照射室と、該成形
    体を前記溶剤処理室及び照射室の順に各室に搬送する搬
    送機構とを具えたことを特徴とする液晶ポリエステル成
    形体の表面処理装置。
  5. 【請求項5】液晶ポリエステルあるいは充填材を含む液
    晶ポリエステルからなる成形体に184.9nmの波長を含む
    紫外線を照射する照射室と該成形体を搬送する搬送機構
    とを具えたことを特徴とする液晶ポリエステル成形体の
    表面処理装置。
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