JPH08259943A - 乳化油脂用酸化安定剤 - Google Patents
乳化油脂用酸化安定剤Info
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- JPH08259943A JPH08259943A JP7099386A JP9938695A JPH08259943A JP H08259943 A JPH08259943 A JP H08259943A JP 7099386 A JP7099386 A JP 7099386A JP 9938695 A JP9938695 A JP 9938695A JP H08259943 A JPH08259943 A JP H08259943A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 糖アルコールを有効成分とすることを特徴と
する乳化油脂用酸化安定剤。特に精製魚油などの高度不
飽和脂肪酸を多く含んだ油脂の乳化物用の酸化安定剤。
乳化物の形態は乳化物を乾燥して得られた粉末でもよ
い。糖アルコールとしては４糖を還元したもの、特にマ
ンニトールを主体としたものが使用される。 【効果】 不安定な高度不飽和酸を多く含む油脂、たと
えば精製魚油から酸化安定性、特に風味劣化の抑制に優
れた油脂乳化物および油脂乳化粉末をつくるための酸化
安定剤を提供することができる。
する乳化油脂用酸化安定剤。特に精製魚油などの高度不
飽和脂肪酸を多く含んだ油脂の乳化物用の酸化安定剤。
乳化物の形態は乳化物を乾燥して得られた粉末でもよ
い。糖アルコールとしては４糖を還元したもの、特にマ
ンニトールを主体としたものが使用される。 【効果】 不安定な高度不飽和酸を多く含む油脂、たと
えば精製魚油から酸化安定性、特に風味劣化の抑制に優
れた油脂乳化物および油脂乳化粉末をつくるための酸化
安定剤を提供することができる。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は乳化油脂用酸化安定剤に
関するものである。詳細には本発明は、酸化安定性、特
に風味劣化の抑制に優れた油脂乳化物または乳化粉末を
得るために有効な乳化油脂用酸化安定剤に関するもので
ある。本明細書中で、上記のように「風味劣化の抑制」
を使用する場合は、「劣化の極初期に生じる高度不飽和
酸特有の戻り臭の抑制」の意味で使用している。
関するものである。詳細には本発明は、酸化安定性、特
に風味劣化の抑制に優れた油脂乳化物または乳化粉末を
得るために有効な乳化油脂用酸化安定剤に関するもので
ある。本明細書中で、上記のように「風味劣化の抑制」
を使用する場合は、「劣化の極初期に生じる高度不飽和
酸特有の戻り臭の抑制」の意味で使用している。
【０００２】
【従来の技術】近年、不飽和脂肪酸を含有する油脂類の
生理活性が注目を集めており、そのためにこれら油脂類
は健康食品あるいは栄養補助食品、飼料、医薬品等、広
範囲で使用されている。油脂類は食品に水とともに含有
されることが多いが、油脂と水の分離の問題があるほ
か、特に高度不飽和脂肪酸を含む油脂類は酸化に対して
不安定であり、酸化を受けない様に取り扱う必要がある
等の取り扱いが繁雑である問題がある。分離の問題を解
消するために油脂と水をあらかじめ乳化し、その乳化物
を添加するという方法があるが、単に乳化しただけでは
酸化安定性に問題がある。また、加熱、レトルトといっ
た食品加工や殺菌の過程により容易に劣化してしまいそ
の後の食品の流通時間が極端に短いものとなってしま
う。この酸化安定性を向上させるために蛋白質を添加す
ることが知られているが、（特開昭６０−１０６１２８
号、特開平２−２１８７９６号、特開平２−３０５８９
８号など）、通常の蛋白質だけではその効果は不十分で
あり、加水分解等の処理を必要としたものである。ま
た、酸化の初期の指標である過酸化物価（ＰＯＶ）を低
く抑えることができた場合でも、劣化の極初期に生じる
高度不飽和酸特有の戻り臭を抑制することは非常に難し
い。
生理活性が注目を集めており、そのためにこれら油脂類
は健康食品あるいは栄養補助食品、飼料、医薬品等、広
範囲で使用されている。油脂類は食品に水とともに含有
されることが多いが、油脂と水の分離の問題があるほ
か、特に高度不飽和脂肪酸を含む油脂類は酸化に対して
不安定であり、酸化を受けない様に取り扱う必要がある
等の取り扱いが繁雑である問題がある。分離の問題を解
消するために油脂と水をあらかじめ乳化し、その乳化物
を添加するという方法があるが、単に乳化しただけでは
酸化安定性に問題がある。また、加熱、レトルトといっ
た食品加工や殺菌の過程により容易に劣化してしまいそ
の後の食品の流通時間が極端に短いものとなってしま
う。この酸化安定性を向上させるために蛋白質を添加す
ることが知られているが、（特開昭６０−１０６１２８
号、特開平２−２１８７９６号、特開平２−３０５８９
８号など）、通常の蛋白質だけではその効果は不十分で
あり、加水分解等の処理を必要としたものである。ま
た、酸化の初期の指標である過酸化物価（ＰＯＶ）を低
く抑えることができた場合でも、劣化の極初期に生じる
高度不飽和酸特有の戻り臭を抑制することは非常に難し
い。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】本発明は乳化油脂用酸
化安定剤の提供を目的とする。詳細には本発明は、酸化
安定性、特に風味劣化の抑制に優れた油脂乳化物または
乳化粉末を得るために有効な乳化油脂用酸化安定剤の提
供を目的とする。したがって、本発明は、酸化安定性、
特に風味劣化の抑制に優れた油脂乳化物、乳化粉末、及
びそれらを添加した食品の提供を目的とする。
化安定剤の提供を目的とする。詳細には本発明は、酸化
安定性、特に風味劣化の抑制に優れた油脂乳化物または
乳化粉末を得るために有効な乳化油脂用酸化安定剤の提
供を目的とする。したがって、本発明は、酸化安定性、
特に風味劣化の抑制に優れた油脂乳化物、乳化粉末、及
びそれらを添加した食品の提供を目的とする。
【０００４】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、酸化安定
性に優れた乳化物、乳化粉末、またそれを添加した食品
を得るために種々検討を重ねた結果、油脂、乳化剤、蛋
白質からなる乳化物に糖アルコールを添加することによ
り、乳化物の酸化安定性が相乗的に向上し、風味の劣化
を抑制することができることを見いだした。糖アルコー
ルが抗酸化性をもつこと自体は知られているが、その効
果は低く、トコフェロールを添加したものには及ばない
（日食工誌３８，１０，９１０−９１４，１９９１）。
また、糖アルコールは顆粒、乾燥粉末、粉末油脂の基材
としても用いられているが（特開昭５６−３２９５５
号）、これはデキストリンや乳糖、砂糖などの他の糖類
等と同類、成形性の維持、水分散性の向上といった目的
で使用されているものである。これらの先行技術は、糖
アルコールが、油脂、乳化剤、蛋白質からなる乳化物に
対して、酸化安定性を相乗的に向上し、かつ、風味の劣
化を抑制することができることについて何も教示してい
ない。また、糖アルコールの種類による抗酸化性につい
ても明確ではない。
性に優れた乳化物、乳化粉末、またそれを添加した食品
を得るために種々検討を重ねた結果、油脂、乳化剤、蛋
白質からなる乳化物に糖アルコールを添加することによ
り、乳化物の酸化安定性が相乗的に向上し、風味の劣化
を抑制することができることを見いだした。糖アルコー
ルが抗酸化性をもつこと自体は知られているが、その効
果は低く、トコフェロールを添加したものには及ばない
（日食工誌３８，１０，９１０−９１４，１９９１）。
また、糖アルコールは顆粒、乾燥粉末、粉末油脂の基材
としても用いられているが（特開昭５６−３２９５５
号）、これはデキストリンや乳糖、砂糖などの他の糖類
等と同類、成形性の維持、水分散性の向上といった目的
で使用されているものである。これらの先行技術は、糖
アルコールが、油脂、乳化剤、蛋白質からなる乳化物に
対して、酸化安定性を相乗的に向上し、かつ、風味の劣
化を抑制することができることについて何も教示してい
ない。また、糖アルコールの種類による抗酸化性につい
ても明確ではない。
【０００５】本発明は、（１）糖アルコールを有効成分
とすることを特徴とする乳化油脂用酸化安定剤、（２）
乳化油脂が高度不飽和脂肪酸を多く含んだ油脂の乳化物
である上記（１）の乳化物用酸化安定剤、（３）高度不
飽和脂肪酸を多く含んだ油脂が精製魚油である上記
（２）の乳化物用酸化安定剤、（４）乳化油脂が乳化物
を乾燥して得られた粉末乳化油脂である上記（１）、
（２）または（３）の乳化油脂用酸化安定剤、（５）糖
アルコールが４糖を還元したものを主体としたものであ
る上記（１）ないし（４）のいずれかの乳化油脂用酸化
安定剤、（６）糖アルコールがマンニトールである上記
（１）ないし（４）のいずれかの乳化油脂用酸化安定剤
である。
とすることを特徴とする乳化油脂用酸化安定剤、（２）
乳化油脂が高度不飽和脂肪酸を多く含んだ油脂の乳化物
である上記（１）の乳化物用酸化安定剤、（３）高度不
飽和脂肪酸を多く含んだ油脂が精製魚油である上記
（２）の乳化物用酸化安定剤、（４）乳化油脂が乳化物
を乾燥して得られた粉末乳化油脂である上記（１）、
（２）または（３）の乳化油脂用酸化安定剤、（５）糖
アルコールが４糖を還元したものを主体としたものであ
る上記（１）ないし（４）のいずれかの乳化油脂用酸化
安定剤、（６）糖アルコールがマンニトールである上記
（１）ないし（４）のいずれかの乳化油脂用酸化安定剤
である。
【０００６】本発明で対象にする油脂は食品に使用する
ことのできる油脂であれば何でもよいが、特に有効に使
用できるものはエイコサペンタエン酸（ＥＰＡ）、ドコ
サヘキサエン酸（ＤＨＡ）といった高度不飽和酸を豊富
に含むイワシ、サバ、サンマ、マグロ、カツオ等の魚
油、オキアミ、海老等の油である。油脂の精製方法、程
度は問わないが通常行われる精製処理（脱酸、脱色、白
土処理、水蒸気脱臭）を施したものが望ましい。また必
要に応じてトコフェロール等の抗酸化剤を添加したもの
が望ましい。
ことのできる油脂であれば何でもよいが、特に有効に使
用できるものはエイコサペンタエン酸（ＥＰＡ）、ドコ
サヘキサエン酸（ＤＨＡ）といった高度不飽和酸を豊富
に含むイワシ、サバ、サンマ、マグロ、カツオ等の魚
油、オキアミ、海老等の油である。油脂の精製方法、程
度は問わないが通常行われる精製処理（脱酸、脱色、白
土処理、水蒸気脱臭）を施したものが望ましい。また必
要に応じてトコフェロール等の抗酸化剤を添加したもの
が望ましい。
【０００７】本発明で使用される糖アルコールは一般的
に、デンプン等の加水分解物、又はオリゴ糖、単糖類を
高圧還元法等によりその還元末端を還元したものであ
る。具体的にはソルビトール、マンニトール、キシリト
ール、ラクチトール、マルチトールの単糖、２糖を還元
したもの、デンプン等を加水分解後生じた糖液を還元し
たもの等が挙げられる。上記のデンプン等を加水分解し
て得られる糖液は単糖からオリゴ糖混合物であるが、糖
組成が、２糖３８％で３糖３８％の糖液を還元したもの
（トリオリッチ，東和化成工業（株）製，以下同じ）、
４糖以上７５〜８０％の糖液を還元したもの（ＰＯ−２
０）、３糖１５〜２０％で４糖以上６０〜６５％の糖液
を還元したもの（ＰＯ−３０）、２糖５０〜５５％、３
糖１７〜２５で４糖以上２３〜３０％の糖液を還元した
もの（ＰＯ−４０）、２糖６３〜６７％、３糖および４
糖以上それぞれ１３〜１８％の糖液を還元したもの（Ｐ
Ｏ−６０）が例示される。さらに、デンプン等を加水分
解して得られる糖液を基質としこれに糖転位酵素を作用
させて分岐オリゴ糖を生成させた後還元したものであ
る、１糖３７〜４３％、２糖２６〜３２％、３糖１４〜
２０および４糖以上１２〜１９％の分岐糖アルコール
（ＰＯ−５００）が例示される。
に、デンプン等の加水分解物、又はオリゴ糖、単糖類を
高圧還元法等によりその還元末端を還元したものであ
る。具体的にはソルビトール、マンニトール、キシリト
ール、ラクチトール、マルチトールの単糖、２糖を還元
したもの、デンプン等を加水分解後生じた糖液を還元し
たもの等が挙げられる。上記のデンプン等を加水分解し
て得られる糖液は単糖からオリゴ糖混合物であるが、糖
組成が、２糖３８％で３糖３８％の糖液を還元したもの
（トリオリッチ，東和化成工業（株）製，以下同じ）、
４糖以上７５〜８０％の糖液を還元したもの（ＰＯ−２
０）、３糖１５〜２０％で４糖以上６０〜６５％の糖液
を還元したもの（ＰＯ−３０）、２糖５０〜５５％、３
糖１７〜２５で４糖以上２３〜３０％の糖液を還元した
もの（ＰＯ−４０）、２糖６３〜６７％、３糖および４
糖以上それぞれ１３〜１８％の糖液を還元したもの（Ｐ
Ｏ−６０）が例示される。さらに、デンプン等を加水分
解して得られる糖液を基質としこれに糖転位酵素を作用
させて分岐オリゴ糖を生成させた後還元したものであ
る、１糖３７〜４３％、２糖２６〜３２％、３糖１４〜
２０および４糖以上１２〜１９％の分岐糖アルコール
（ＰＯ−５００）が例示される。
【０００８】上記例示した糖アルコールの中で、乳化液
体の状態において、最もその抗酸化性の高いものは、４
糖還元物を主体としたＰＯ−３０である。それゆえ、液
体での保存、液状物への添加という使用態様で、酸化安
定性を向上させる糖アルコールとして、ＰＯ−３０が最
も好ましい。次に好ましいのは３糖還元物を主体とした
トリオリッチまたはマンニトールである。乳化液体を乾
燥させた粉末の状態において、すなわち、粉体としての
保存、粉体への添加、乾燥食品への添加という使用態様
で、マンノースを還元したマンニトールが最も酸化安定
性が高く望ましい。次に好ましいのはＰＯ−３０であ
る。
体の状態において、最もその抗酸化性の高いものは、４
糖還元物を主体としたＰＯ−３０である。それゆえ、液
体での保存、液状物への添加という使用態様で、酸化安
定性を向上させる糖アルコールとして、ＰＯ−３０が最
も好ましい。次に好ましいのは３糖還元物を主体とした
トリオリッチまたはマンニトールである。乳化液体を乾
燥させた粉末の状態において、すなわち、粉体としての
保存、粉体への添加、乾燥食品への添加という使用態様
で、マンノースを還元したマンニトールが最も酸化安定
性が高く望ましい。次に好ましいのはＰＯ−３０であ
る。
【０００９】糖アルコールの使用量については特に制限
されないが、油脂量の５％以上であればよく、好ましく
は１０％以上である。糖アルコールの乳化物への添加方
法は特に制限されない。乳化前に添加してもよく、乳化
終了後添加しても良い。
されないが、油脂量の５％以上であればよく、好ましく
は１０％以上である。糖アルコールの乳化物への添加方
法は特に制限されない。乳化前に添加してもよく、乳化
終了後添加しても良い。
【００１０】タンパク質、乳化剤の種類、量、またはそ
の組み合わせについては、安定した乳化が可能であれば
特に限定されない。しかしながら、乳化物の物性、扱い
やすさといった面からタンパク質としては水溶性のタン
パク質が好ましい。中でもカゼインは油脂の酸化安定性
を向上させることが公知であり、しかも乳化性も良好で
あることから好ましい。タンパク質、乳化剤ともに単独
である必要はなく、数種の組み合わせでも構わない。
の組み合わせについては、安定した乳化が可能であれば
特に限定されない。しかしながら、乳化物の物性、扱い
やすさといった面からタンパク質としては水溶性のタン
パク質が好ましい。中でもカゼインは油脂の酸化安定性
を向上させることが公知であり、しかも乳化性も良好で
あることから好ましい。タンパク質、乳化剤ともに単独
である必要はなく、数種の組み合わせでも構わない。
【００１１】乳化方法は特に問わないが、レトルト処
理、加熱、凍結といった食品加工処理を施しても安全な
乳化状態を保つように平均乳化径１μｍ以下になるよう
に乳化するのが好ましい。具体的にはホモミキサー等に
よる予備乳化を施した後に高圧ホモジナイザー処理、ま
たはコロイドミル処理を施す。
理、加熱、凍結といった食品加工処理を施しても安全な
乳化状態を保つように平均乳化径１μｍ以下になるよう
に乳化するのが好ましい。具体的にはホモミキサー等に
よる予備乳化を施した後に高圧ホモジナイザー処理、ま
たはコロイドミル処理を施す。
【００１２】食品に添加する場合は上記乳化物を対象食
品に混合、攪拌するだけで酸化安定性に富む油脂含有食
品が得られる。混合の時期、方法は問わない。具体的食
品としては飲料、たれ、つゆ類、麺類、スープ、飴、ゼ
リー、クリーム、クッキー、ビスケット、パン等が例示
される。
品に混合、攪拌するだけで酸化安定性に富む油脂含有食
品が得られる。混合の時期、方法は問わない。具体的食
品としては飲料、たれ、つゆ類、麺類、スープ、飴、ゼ
リー、クリーム、クッキー、ビスケット、パン等が例示
される。
【００１３】勿論、上記乳化物を凍結乾燥、スプレード
ライといった公知の方法により乾燥後、粉末として食品
に利用することも可能である。当然、粉末にすることに
よって、保管、取り扱いが容易になり、応用分野が広が
る。上記乳化物を乾燥して得られる乳化粉末の場合も、
対象食品に混合、攪拌するだけで酸化安定性に富む油脂
含有食品が得られる。
ライといった公知の方法により乾燥後、粉末として食品
に利用することも可能である。当然、粉末にすることに
よって、保管、取り扱いが容易になり、応用分野が広が
る。上記乳化物を乾燥して得られる乳化粉末の場合も、
対象食品に混合、攪拌するだけで酸化安定性に富む油脂
含有食品が得られる。
【００１４】
【実施例】本願発明の詳細を実施例で説明する。本願発
明はこれら実施例によって何ら限定されるものではな
い。
明はこれら実施例によって何ら限定されるものではな
い。
【００１５】実施例１ 表１に示した配合物をホモミキサーにて室温下、８００
０ｒｐｍ、１０分の条件で予備乳化を行った。この予備
乳化物を高圧ホモジナイザーにて５００ｋｇｆ／ｃｍ２
の条件で処理を行い乳化物を得た。この乳化物１００ｇ
にマルチトールを各々２．５ｇ、１０ｇ添加し、緩やか
に攪拌、溶解した後、酸素透過性を有するレトルトパウ
チにいれ、１２０℃、１５分の条件でレトルト処理を施
した。このレトルト処理した乳化物を３７℃の恒温室に
保存し経時的に風味の劣化（７日保存）と油脂の劣化
（１９日保存）をみた。その結果を表２に示した。な
お、比較例としてマルチトールを添加しない他は全て同
じ条件で調製した乳化物の結果も併せて表記した。マル
チトール添加品は無添加品に比べ、官能的に良好であ
り、かつ油脂の劣化を表すＴＢＡ値が低いことが判る。
０ｒｐｍ、１０分の条件で予備乳化を行った。この予備
乳化物を高圧ホモジナイザーにて５００ｋｇｆ／ｃｍ２
の条件で処理を行い乳化物を得た。この乳化物１００ｇ
にマルチトールを各々２．５ｇ、１０ｇ添加し、緩やか
に攪拌、溶解した後、酸素透過性を有するレトルトパウ
チにいれ、１２０℃、１５分の条件でレトルト処理を施
した。このレトルト処理した乳化物を３７℃の恒温室に
保存し経時的に風味の劣化（７日保存）と油脂の劣化
（１９日保存）をみた。その結果を表２に示した。な
お、比較例としてマルチトールを添加しない他は全て同
じ条件で調製した乳化物の結果も併せて表記した。マル
チトール添加品は無添加品に比べ、官能的に良好であ
り、かつ油脂の劣化を表すＴＢＡ値が低いことが判る。
【００１６】
【表１】
【００１７】
【表２】
【００１８】実施例２ 表１に示した乳化物組成と同じものに各種糖アルコール
を固形物換算で５０ｇとなるよう添加したものを実施例
１と同様に乳化し、レトルト処理を施した。３７℃、２
週間後の保存試験の結果を表３に記した。表中の番号
は、マンニトール，マルチトール，ラクチトー
ル，トリオリッチ，ＰＯ−３０，ＰＯ−２０，
ＰＯ−３００を表す（〜は東和化成工業（株）
製）。表３の糖アルコール種類による乳化液体保存試験
の結果より、糖アルコールの中でも乳化液体の状態では
４糖還元物を主体としたＰＯ−３０が風味劣化抑制に優
れていることが判る。
を固形物換算で５０ｇとなるよう添加したものを実施例
１と同様に乳化し、レトルト処理を施した。３７℃、２
週間後の保存試験の結果を表３に記した。表中の番号
は、マンニトール，マルチトール，ラクチトー
ル，トリオリッチ，ＰＯ−３０，ＰＯ−２０，
ＰＯ−３００を表す（〜は東和化成工業（株）
製）。表３の糖アルコール種類による乳化液体保存試験
の結果より、糖アルコールの中でも乳化液体の状態では
４糖還元物を主体としたＰＯ−３０が風味劣化抑制に優
れていることが判る。
【００１９】
【表３】
【００２０】実施例３ 実施例２で調製した乳化物を凍結乾燥し、乳化粉末を得
た。この乳化粉末を褐色瓶に入れ軽くふたをした後３７
℃恒温室に保存した。４週間後の保存試験の結果を表４
に記した。表中の番号は実施例２と同じである。表４の
糖アルコール種類による乳化粉末保存試験の結果より、
糖アルコールの中でも乳化粉末の状態ではマンニトール
が風味劣化抑制に優れていることが判る。
た。この乳化粉末を褐色瓶に入れ軽くふたをした後３７
℃恒温室に保存した。４週間後の保存試験の結果を表４
に記した。表中の番号は実施例２と同じである。表４の
糖アルコール種類による乳化粉末保存試験の結果より、
糖アルコールの中でも乳化粉末の状態ではマンニトール
が風味劣化抑制に優れていることが判る。
【００２１】
【表４】
【００２２】実施例４ 実施例２で調製したＰＯ−３０を添加した乳化液体を市
販コーヒー飲料２５０ｇに対し２０ｇ添加した。それを
実施例１と同様にレトルト処理し、２０℃で２週間保存
したが、魚臭の発生等は認められなかった。
販コーヒー飲料２５０ｇに対し２０ｇ添加した。それを
実施例１と同様にレトルト処理し、２０℃で２週間保存
したが、魚臭の発生等は認められなかった。
【００２３】実施例５ 実施例３で調製したＰＯ−３０を添加した乳化粉末を用
いて表５の組成からなるババロアを調製した。このババ
ロアをラップした後２０℃で５日間保存したが魚臭の発
生は認められなかった。
いて表５の組成からなるババロアを調製した。このババ
ロアをラップした後２０℃で５日間保存したが魚臭の発
生は認められなかった。
【００２４】実施例６ 実施例３で調製したマンニトールを添加した乳化粉末
０．５ｇを市販粉末コーンスープ２０ｇに添加して混合
し、２０℃で２カ月保存した。保存後の粉末スープを熱
湯に溶解し、乳化粉末無添加品と比較したところ、差を
感じなかった。
０．５ｇを市販粉末コーンスープ２０ｇに添加して混合
し、２０℃で２カ月保存した。保存後の粉末スープを熱
湯に溶解し、乳化粉末無添加品と比較したところ、差を
感じなかった。
【００２５】実施例７ 実施例３で調製したマンニトールを添加した乳化粉末を
用いて表６の組成からなるクッキーを調製した。３７℃
で２カ月保存したが、魚臭の発生は認められなかった。
また、過酸化物価も２．０と低いものであった。
用いて表６の組成からなるクッキーを調製した。３７℃
で２カ月保存したが、魚臭の発生は認められなかった。
また、過酸化物価も２．０と低いものであった。
【００２６】
【表５】
【００２７】
【表６】
【００２８】
【発明の効果】不安定な高度不飽和酸を多く含む油脂、
たとえば精製魚油から酸化安定性、特に風味劣化の抑制
に優れた油脂乳化物および油脂乳化粉末をつくるための
酸化安定剤を提供することができる。
たとえば精製魚油から酸化安定性、特に風味劣化の抑制
に優れた油脂乳化物および油脂乳化粉末をつくるための
酸化安定剤を提供することができる。
Claims (6)
- 【請求項１】 糖アルコールを有効成分とすることを特
徴とする乳化油脂用酸化安定剤。 - 【請求項２】 高度不飽和脂肪酸を多く含んだ油脂の乳
化物用である請求項１の乳化油脂用酸化安定剤。 - 【請求項３】 精製魚油の乳化物用である請求項１の乳
化油脂用酸化安定剤。 - 【請求項４】 乳化物を乾燥して得られた粉末乳化油脂
用のものである請求項１、２または３の乳化油脂用酸化
安定剤。 - 【請求項５】 糖アルコールが４糖を還元したものを主
体としたものである請求項１ないし４のいずれかの乳化
油脂用酸化安定剤。 - 【請求項６】 糖アルコールがマンニトールである請求
項１ないし４のいずれかの乳化油脂用酸化安定剤。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7099386A JPH08259943A (ja) | 1995-03-21 | 1995-03-21 | 乳化油脂用酸化安定剤 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7099386A JPH08259943A (ja) | 1995-03-21 | 1995-03-21 | 乳化油脂用酸化安定剤 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08259943A true JPH08259943A (ja) | 1996-10-08 |
Family
ID=14246076
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7099386A Pending JPH08259943A (ja) | 1995-03-21 | 1995-03-21 | 乳化油脂用酸化安定剤 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH08259943A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2009056248A1 (en) * | 2007-10-30 | 2009-05-07 | Bayer Consumer Care Ag | Orodispersible composition comprising polyunsaturated fatty acids without bad odour or taste |
| US20120128831A1 (en) * | 2009-07-17 | 2012-05-24 | Van Seeventer Paul Bastiaan | Method for encapsulation of an edible oil, compositions comprising edible oil and the use thereof |
| US10314318B2 (en) | 2004-07-13 | 2019-06-11 | Stepan Specialty Products, Llc | Powdered compositions containing an edible oil and their use in food products |
-
1995
- 1995-03-21 JP JP7099386A patent/JPH08259943A/ja active Pending
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US10314318B2 (en) | 2004-07-13 | 2019-06-11 | Stepan Specialty Products, Llc | Powdered compositions containing an edible oil and their use in food products |
| WO2009056248A1 (en) * | 2007-10-30 | 2009-05-07 | Bayer Consumer Care Ag | Orodispersible composition comprising polyunsaturated fatty acids without bad odour or taste |
| AU2008317921B2 (en) * | 2007-10-30 | 2014-04-03 | Bayer Consumer Care Ag | Orodispersible composition comprising polyunsaturated fatty acids without bad odour or taste |
| US20120128831A1 (en) * | 2009-07-17 | 2012-05-24 | Van Seeventer Paul Bastiaan | Method for encapsulation of an edible oil, compositions comprising edible oil and the use thereof |
| US9649611B2 (en) * | 2009-07-17 | 2017-05-16 | Friesland Brands B.V. | Method for encapsulation of an edible oil, compositions comprising edible oil and the use thereof |
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