JP2018038293A - 高度不飽和脂肪酸含有油脂の乳化組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、高度不飽和脂肪酸含有油脂の含量が高く、酸化劣化臭が少ない乳化組成物であって、さらに水分散性、分散後の乳化性に優れた乳化組成物を提供することである。【解決手段】上記課題を解決するために、下記の成分(a)〜(d)を含有する乳化組成物であって、成分(a)の含有量が0.05〜5質量%であり、成分(b)の含有量が50〜95質量%であり、成分(c)の含有量が1〜40質量%であり、成分(c)の含有量と成分(d)の含有量との和に対する成分(c)の含有量の質量分率[(c/(c+d))×100(%)]が60〜99質量%であることを特徴とする乳化組成物を提供する。成分(a):食用タンパク質成分(b):二重結合を3以上有する高度不飽和脂肪酸を脂肪酸組成で10質量%以上含む食用油脂成分(c):多価アルコール又は糖類成分(d):水【選択図】なし

Description

本発明は、高度不飽和脂肪酸含有油脂を高濃度に含む乳化組成物に関する。詳しくは、本発明は、高度不飽和脂肪酸含有油脂の含量が高く、酸化劣化臭が少ない乳化組成物であって、さらに水分散性、分散後の乳化性に優れた乳化組成物に関するものである。
高度不飽和脂肪酸、例えば、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、およびα−リノレン酸は、動脈硬化性疾患に対する予防作用を有するなど、その生体調節機能が注目されている。
高度不飽和脂肪酸を摂取するための分子形態として、遊離脂肪酸、エチルエステルなどのアルキルエステル、トリアシルグリセロール、リン脂質、糖脂質があり、そのなかでも食用油脂として一般に食される形態であるトリアシルグリセロールが最も利用しやすい。高度不飽和脂肪酸を高含有するトリアシルグリセロールとして、DHAを多く含むマグロ油やEPAを多く含むイワシ油などの魚油、α−リノレン酸を多く含むシソ油(エゴマ油)やアマニ油などの植物油、藻類由来の油脂などがある。
高度不飽和脂肪酸を高含有する食用油脂の供給形態として、バルク油脂、乳化液、粉末などがある。バルク油脂は、ブレンド油、ドレッシングやマヨネーズなどの調味料、マーガリンやショートニングを通じたパンや焼き菓子などのベーカリー、揚げ油を通じた揚げ物などに利用される。乳化液は、食用油脂が水に均一に広がるために予め乳化された形態で飲料やゼリーなどの水系食品に利用される。粉末は、食用油脂を粉末状にした形態で、ふりかけや錠剤などのサプリメントに利用され、保存性やハンドリング性などに優れる。さらに水系食品に利用しやすい乳化液の利便性と保存性やハンドリング性に優れた粉末の利便性を兼ね備えた乳化粉末がある。
DHA、EPAおよびα−リノレン酸のような高度不飽和脂肪酸は酸化されやすく、かつ魚臭や酸敗臭などの酸化劣化臭が強い。そのため、高度不飽和脂肪酸含有油脂を製造する際に精製や脱臭を高度に行うことで酸化劣化臭が抑えられた食用油脂とすることが一般的であるが、乳化液や粉末、乳化粉末などの供給形態に加工する際に、加熱などの酸化を促進する工程を経るために酸化劣化臭が再び現れてしまう。例えば、乳化液や乳化粉末とする場合の乳化工程では、水と食用油脂を攪拌する際に乳化効率を向上させるために概ね50℃以上で調合する必要があり、またホモジナイザーなどの機械的均質化では物理的エネルギー付与のため温度が上昇し加熱される。さらに乳化粉末では含まれる多量の水を蒸発させるために概ね150〜200℃の高温に晒される。
また乳化液や乳化粉末とする場合には、乳化のために多量の乳化剤を加える必要があり、乳化剤独特の異味が現れやすく、また高度不飽和脂肪酸含有油脂の含有量が低下してしまう。また乳化液の場合は水の存在のため高度不飽和脂肪酸含有油脂の含量が著しく低下してしまう。
特許文献1には、安定な乳化組成物及びそれを含有する食品に関する技術が開示されている。これは、酸化に対し安定で、臭気の発生がなく、長期間の保存が可能な、DHA、EPA及びこれらの酸の誘導体の少なくとも一種又はそれらを含有する天然油を活性成分として含有する安定な乳化組成物であるが、乳化剤や水や多価アルコールを多量に含むため高度不飽和脂肪酸含有油脂の含有量が50質量%以下と少なく、また乳化剤独特の異味を感じやすい。
特許文献2には、魚臭や酸敗臭などの異臭味の発生が抑えられた高度不飽和脂肪酸含有油脂乳化組成物に関する技術が開示されている。これは高度不飽和脂肪酸含有油脂の含有量が最大70質量%と多いが、乳化剤の含有量も多く乳化剤独特の異味を感じやすく、また機械的均質化の必要がある。
特許文献3には、高度不飽和脂肪酸を含有する油脂の粉末油脂組成物に関する技術が開示されている。これは高度不飽和脂肪酸含有油脂の含有量が最大85質量%と多いが、乳化や酸化防止剤を添加するための乳化剤により独特の異味を感じやすく、また乳化のために50℃と比較的高温で調合する必要があり、またTKホモゲナイザーなどでの機械的均質化の必要がある。
特許文献4には、顕著な酸化安定性を有し、かつ、流動性に優れた、高度不飽和脂肪酸を含有した油脂粉末に関する技術が開示されている。これはタンパク質含有乾燥物に高度不飽和脂肪酸含有油脂を混合し吸着させたものであり、高度不飽和脂肪酸含有油脂の含有量が最大70質量%と多いが、単に混合吸着させたものであることから水に分散させると乳化せず、油脂分が浮上してしまう。
特許文献5には、風味および酸化安定性に優れた高度不飽和脂肪酸含有油脂粉末およびその製造方法に関するものである。これは、乳化剤のうちのひとつであるレシチンを高度不飽和脂肪酸含有油脂に多量に混合し、その後粉末化する方法であり、高度不飽和脂肪酸含有油脂の含量はおのずと低い。またその製造方法は水を蒸発させるための加熱による粉末化が必要である。
特許文献6、7には、水に容易に分散し、かつ高い加工・保存安定性を示し、優れた生体利用率を有する多価不飽和脂肪酸含有乳化組成物に関する技術が開示されている。しかし、乳化剤のうちのひとつであるポリグリセリン脂肪酸エステルを多量に配合する必要があるため、多価不飽和脂肪酸含有油脂は最大50質量%と低くならざるを得ず、また乳化剤独特の異味が現れやすい。
以上より、高度不飽和脂肪酸含有油脂含量が高く、酸化劣化臭が少なく乳化剤などの異味が抑えられた乳化組成物であって、さらに水分散性、分散後の乳化性に優れた乳化組成物が求められていた。
特開平7−227227号公報 特開平8−154576号公報 特開平7−305088号公報 特開2015−209519号公報 特開2006−298969号公報 特開2007−68480号公報 特開2008−178341号公報
本発明の目的は、高度不飽和脂肪酸含有油脂の含量が高い乳化組成物であって、さらに水分散性、分散後の乳化性に優れた乳化組成物を提供することである。
本発明者らは、上記課題に対して鋭意検討を重ねた結果、高度不飽和脂肪酸含有油脂、食用タンパク質、特定の多価アルコールおよび水を特定の割合で含有することにより、上記課題を解決できるとの知見を見出して、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の〔1〕〜〔4〕である。
〔1〕
下記の成分(a)〜(d)を含有する乳化組成物であって、成分(a)の含有量が0.05〜5質量%であり、成分(b)の含有量が50〜95質量%であり、成分(c)の含有量が1〜40質量%であり、成分(c)の含有量と成分(d)の含有量との和に対する成分(c)の含有量の質量分率[(c/(c+d))×100(%)]が60〜99質量%であることを特徴とする乳化組成物。
成分(a):食用タンパク質
成分(b):二重結合を3以上有する高度不飽和脂肪酸を脂肪酸組成で10質量%以上含む食用油脂
成分(c):多価アルコール又は糖類
成分(d):水
〔2〕
〔1〕に記載の乳化組成物を含有する飲食品。
〔3〕
前記成分(b)の添加時および添加後の製造工程を50℃以下で行う、〔1〕に記載の乳化組成物の製造方法。
〔4〕
均質乳化機として回転式攪拌機のみを用いる、〔3〕に記載の乳化組成物の製造方法。
本発明によれば、高度不飽和脂肪酸含有油脂含量が高く、さらに水分散性、分散後の乳化性に優れた乳化組成物を提供することができる。
更に、本発明の乳化組成物によれば、乳化剤の含量を低減することができるため、乳化剤由来の異味を抑制することができる。
また、本発明の乳化組成物は、簡易的な回転式攪拌機で乳化することが可能であるため、ホモジナイザー等の機械的均質化による加熱を抑制し、酸化劣化臭が少ない乳化組成物を提供することができる。
本発明の乳化組成物は、下記の成分(a)〜(d)を含有し、成分(a)の含有量が0.05〜5質量%であり、成分(b)の含有量が50〜95質量%であり、成分(c)の含有量が1〜40質量%であり、成分(c)の含有量と成分(d)の含有量との和に対する成分(c)の含有量の質量分率[(c/(c+d))×100(%)]が60〜99質量%であることを特徴とする。
成分(a):食用タンパク質
成分(b):二重結合を3以上有する高度不飽和脂肪酸を脂肪酸組成で10質量%以上含む食用油脂
成分(c):多価アルコール又は糖類
成分(d):水
以下に、本発明の乳化組成物に含有する各成分について詳細に説明する。
[成分(a)について]
本発明の食用タンパク質は、食品に使用するタンパク質であれば特に制限されず、例えば、乳タンパク質、大豆タンパク質、エンドウタンパク質、トウモロコシタンパク質(ゼイン)、フィッシュコラーゲン、豚コラーゲン、豚ゼラチン、牛ゼラチン等が例示され、これらの食用タンパク質を1種又は2種以上を混合して用いることができる。好ましくは、乳タンパク質であり、より好ましくはカゼインタンパク質であり、特に好ましくはカゼイネートである。
<乳タンパク質>
乳タンパク質は、例えば、カゼインタンパク質、ホエイタンパク質等の乳由来のタンパク質である。乳タンパク質の製造方法は、特に制限されないが、例えば、牛乳から遠心分離等により脱脂された脱脂乳から、ろ過等により乳糖やミネラル等の低分子成分を除くことにより得ることができる。また、脱脂乳をそのまま利用してもよいが、その場合には、脱脂乳に含まれる乳糖の含有量を勘案して成分(c)の配合量を調整する必要がある。
<カゼイネート>
カゼイネートは、カゼインタンパク質の金属塩であり、例えば、カゼインナトリウム、カゼインカリウム、カゼインマグネシウム、カゼインカルシウム等が例示される。カゼイネートの製造方法は、特に制限されないが、例えば、牛乳を酸または酵素などで沈殿させた沈殿分画のカゼインを1価または2価の金属塩で中和することにより得ることができる。中和に用いられる1価の金属塩としては、ナトリウム塩(水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなど)、カリウム塩(水酸化カリウム、炭酸カリウなど)等が挙げられる。中和に用いられる2価の金属塩としては、マグネシウム塩(水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウムなど)、カルシウム塩(水酸化カルシウム、炭酸カルシウムなど)等が挙げられる。水分散性、分散後の乳化性に優れるという観点から、カゼイネートとしては、好ましくはカゼインナトリウム、カゼインカリウムであり、特に好ましくはカゼインナトリウムである。
本発明の乳化組成物における成分(a)の含有量は、0.05〜5質量%であり、好ましくは0.08〜3質量%であり、より好ましくは0.1〜1質量%であり、特に好ましくは0.2〜0.8質量%である。成分(a)の含有量が0.05質量%より少ない場合、水分散性、分散後の乳化性が低下する。一方、5質量%を超える場合は、成分(c)および成分(d)の混合物に溶解しない恐れがある。
[成分(b)について]
成分(b)は、二重結合を3以上有する高度不飽和脂肪酸を脂肪酸組成で10質量%以上含む食用油脂である。二重結合を3以上有する高度不飽和脂肪酸(以下、単に「高度不飽和脂肪酸」という。)とは、不飽和結合を3個以上有する脂肪酸であり、例えば、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、α−リノレン酸等のn−3系脂肪酸、アラキドン酸、γ−リノレン酸等のn−6系脂肪酸などが例示される。酸化劣化臭が少ない乳化組成物が得られるという本発明の効果を鑑みれば、酸化しやすいn−3系脂肪酸を含有することが好ましい。より好ましい高度不飽和脂肪酸としては、炭素数が20〜22であって、二重結合は好ましくは4個以上であり、更に好ましくは5又は6個以上である。特に好ましい高度不飽和脂肪酸としては、ドコサヘキサエン酸(DHA;炭素数22、n−3系列で二重結合が6個の直鎖不飽和脂肪酸)やエイコサペンタエン酸(EPA;炭素数20、n−3系列で二重結合が5個の直鎖不飽和脂肪酸)である。
成分(b)の食用油脂の脂肪酸組成は、高度不飽和脂肪酸を10質量%以上含有する油脂である。酸化劣化臭が少ない乳化組成物が得られるという本発明の効果がより発揮されるという観点から、高度不飽和脂肪酸をより多く含有することが好ましく、成分(b)の食用油脂の脂肪酸組成における多価不飽和脂肪酸の含有量は、好ましくは15質量%以上であり、より好ましくは20質量%以上である。なお、油脂の脂肪酸組成は、基準油脂分析試験法に従って行う。
成分(b)の食用油脂としては、魚油、藻類由来の抽出油、高度不飽和脂肪酸高含有植物油脂、ハープシールオイル(アザラシの油)や、乳脂肪等の動物油脂等が挙げられ、これらの油脂を単独又は2種以上を混合して使用することができる。高度不飽和脂肪酸を多く含有することから、魚油、藻類由来の抽出油、高度不飽和脂肪酸高含有植物油脂を含有することが好ましい。特に魚油、藻類由来の抽出油は、長期保存によって強い異臭味が発生するため、本発明の効果がより発揮される。
<魚油について>
魚油は、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)を高濃度で含有する食用油脂であり、例えば、マグロ油、イワシ油、サバ油、サンマ油、カツオ油、ニシン油等が挙げられる。
<藻類由来の抽出油について>
藻類由来の抽出油は、淡水・海産性単細胞藻類および褐藻類海藻等の藻類から抽出された食用油脂である。エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、アラキドン酸等の高度不飽和脂肪酸の多量に含む藻類としては、例えば、モノダス(Monodus)属、イソクリシス(Isochyrsis)属、ナンノクロロプシス(Nannochloropsis)属、フェオダクチラム(Phaeodactylum)属、ポルフィリヂウム(Porphyridium)属、ドナリエラ(Dunaliella)属等の微細藻類や、例えば、コンブ、ワカメ等の褐藻類海藻が挙げられる。
<高度不飽和脂肪酸高含有植物油脂>
一部の植物油には、高度不飽和脂肪酸を多く含むものがあり、高度不飽和脂肪酸高含有植物油脂としては、例えば、α−リノレン酸を多く含むシソ油(エゴマ油)、亜麻仁油、γ−リノレン酸を多く含む月見草油、ボラージ油等が挙げられる。
<その他の油脂>
なお、成分(b)の食用油脂として、2種以上の油脂を混合した混合油を使用する場合には、混合油の脂肪酸組成として高度不飽和脂肪酸の含有量が10質量%以上であればよく、高度不飽和脂肪酸の含有量が10質量%未満のその他の食用油脂を混合してもよい。
その他の油脂としては、例えば、菜種油、サフラワー油、大豆油、ヒマワリ油、米糠油、コーン油、綿実油、ゴマ油、ヤシ油、パーム油、パーム核油、ヒマシ油、落花生油、オリーブ油、カノーラ油、ハイエルシン酸菜種油、ハイオレイック菜種油、ハイオレイックサフラワー油、ハイオレイックコーン油、ハイオレイックヒマワリ油等の植物油脂、牛脂、ラード等の動物油脂、更にこれらの動植物油脂を分別、水素添加あるいはエステル交換したもの又は中鎖脂肪酸トリグリセリド(MCT)等が挙げられる。
本発明の乳化組成物における成分(b)の含有量は、50〜95質量%であり、好ましくは60〜90質量%であり、より好ましくは65〜85質量%である。成分(B)の含有量が50質量%より少ない場合、高度不飽和脂肪酸を高濃度で添加することができない。一方、90質量%を超える場合は、水分散性、分散後の乳化性が低下する。
[成分(c)について]
成分(c)は、多価アルコール又は糖類である。多価アルコール又は糖類は、成分(a)食用タンパク質および成分(d)水と共に機能し、成分(b)の高度不飽和脂肪酸含有油脂を高濃度で分散する作用を有する。本発明の乳化組成物を飲食品へ添加した際に、飲食品への味への影響を小さくするという観点から、甘みが弱い多価アルコールを使用することが好ましい。
<多価アルコール>
多価アルコールは、価数が2以上のアルコールであり、例えば、プロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、ポリグリセリン、ソルビトール、キシリトール、ソルビタン、マルチトール、イノシトール、還元麦芽糖水飴等が挙げられる。
多価アルコールの価数は、特に制限されないが、好ましくは3価以上であり、より好ましくは3〜6価である。また、炭素数は、特に制限されないが、好ましくは3以上であり、より好ましくは3〜6である。製剤の調製のしやすさや、水分散性、分散後の乳化性に優れるという観点から、特に好ましくはグリセリン、ソルビトールである。
<糖類>
糖類は、単糖又は単糖を複数重合した分子であり、例えば、単糖類、二糖類、三糖類、四糖類、オリゴ糖類、水溶性多糖類が挙げられる。製剤の調製のしやすさや、水分散性、分散後の乳化性に優れるという観点から、好ましくは単糖類、二糖類である。
単糖類としては、具体的には、グリセルアルデヒド等の三炭糖、エリトルロース、トレオース等の四炭糖、リブロース、リボース、アラビノース、キシロース、デオキシリボース等の五炭糖、フルクトース、グルコース、マンノース、ガラクトース、フコース等の六炭糖などが例示される。
二糖類としては、具体的には、スクロース、ラクトース、マルトース、トレハロースなどが挙げられる。
オリゴ糖類としては、具体的には、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、マンナンオリゴ糖などが挙げられる。
水溶性多糖類は、具体的には、デンプン、デキストリン、加工デンプン、グリコーゲン、アガロース、ペクチン、カラギーナン、キサンタンガム、ヒアルロン酸などが挙げられる。
本発明の乳化組成物における成分(c)の含有量は、1〜40質量%であり、好ましくは5〜30質量%であり、より好ましくは10〜25質量%である。成分(c)の含有量が1質量%より少ない場合には、水分散性、分散後の乳化性が低下する。一方、40質量%を超える場合には、成分(b)の含有量を高めることができない。
[成分(d)について]
成分(d)の水は、特に制限はなく、水道水、天然水、純水、海洋深層水、アルカリイオン水など何れも使用できる。成分(d)の含有量は、特に制限されないが、好ましくは0.01〜40質量%であり、より好ましくは0.1〜20質量%であり、更に好ましくは0.5〜15質量%であり、特に好ましくは1〜10質量%である。この範囲とすることにより、乳化組成物における成分(a)の分散性を高めることができる。
また、乳化組成物の水分活性は、特に制限されないが、好ましくは0.8以下であり、更に好ましくは0.5以下であり、特に好ましくは0.3以下である。水分活性を低下することにより、静菌作用が高まり保存安定性に優れるという効果を奏する。
本発明の乳化組成物において、成分(c)の含有量と成分(d)の含有量との和に対する成分(c)の含有量の質量分率[(c/(c+d))×100(%)]は、60〜99質量%であり、好ましくは65〜95質量%である。この範囲とすることにより、乳化組成物における成分(a)及び成分(b)の分散性を向上することができる。
また、本発明の乳化組成物において、成分(c)の含有量と成分(d)の含有量との和に対する成分(a)の含有量の質量分率[(a/(c+d))×100(%)]は、特に制限されないが、好ましくは0.01〜10質量%であり、より好ましくは0.1〜5質量%であり、特に好ましくは1〜3質量%である。この範囲とすることにより、乳化組成物における成分(a)の分散性を高めることができる。
[その他の成分]
本発明の乳化組成物は、必要に応じて上記成分(a)〜成分(d)以外のその他の成分を添加してもよい。その他の成分としては、例えば、乳化剤、甘味料、酸味料、無機塩、アミノ酸、核酸、有機酸塩、香料、果汁、栄養強化剤、着色料、保存料、酸化防止剤等を添加することができる。
<乳化剤>
乳化剤としては、例えば、モノグリセライド、有機酸モノグリセライド等のグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノール酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、レシチン、サポニンなどが挙げられる。
なお、乳化剤の含有量は特に制限されないが、異味を低減するという観点から、乳化剤の含有量は、好ましくは3質量%以下であり、より好ましくは1質量%以下であり、更に好ましくは0.1質量%以下であり、特に好ましくは0.01質量%以下である。
<甘味料>
甘味料としては、例えば、ステビア、アスパルテーム、サッカリンナトリウム、アセスルファムカリウム、カンゾウ抽出物等が挙げられる。
<酸味料>
酸味料としては、例えば、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、乳酸、フマル酸、グルコン酸、コハク酸、リン酸、イタコン酸等が挙げられる。
<無機塩>
無機塩としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、リン酸三カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、メタリン酸ナトリウム等が挙げられる。
<アミノ酸>
アミノ酸としては、例えば、L−アスパラギン酸ナトリウム、L−アラニン、L−イソロイシン、L−グリシン、L−グルタミン、L−グルタミン酸、L−グルタミン酸ナトリウム、L−グルタミン酸カリウム、L−テアニン、L−トレオニン、L−バリン、L−フェニルアラニン、L−メチオニン、L−リシン塩酸塩、L−アスパラギン、L−アスパラギン酸、L−アルギニン、L−シスチン、L−セリン、L−チロシン、L−ヒスチジン、L−プロリン、L−ロイシン等が挙げられる。栄養強化の観点から、L−バリン、L−ロイシン、L−イソロイシンを含有することが好ましい。
<核酸>
核酸としては、例えば、5’−イノシン酸二ナトリウム、5’−ウリジル酸二ナトリウム、5’−グアニル酸二ナトリウム、5’−シチジル酸二ナトリウム、5’−リボヌクレオチドカルシウム、5’−リボヌクレオチド二ナトリウム等が挙げられる。
<有機酸塩>
有機酸塩としては、例えば、クエン酸一カリウム、クエン酸三カリウム、クエン酸三ナトリウム、グルコン酸カリウム、グルコン酸ナトリウム、コハク酸一ナトリウム、コハク酸二ナトリウム、酢酸ナトリウム、L−酒石酸水素カリウム、L−酒石酸ナトリウム、乳酸カリウム、乳酸ナトリウム、フマル酸一ナトリウム、リンゴ酸ナトリウム等が挙げられる。
<香料>
香料としては、例えば、グレープフルーツ香料、レモン香料、マスカット香料、グレープ香料、オレンジ香料、みかん香料、梨香料、アップル香料、ストロベリー香料、メロン香料、パイナップル香料、ピーチ香料、ヨーグルト香料、ミント香料等が挙げられる。
<果汁>
果汁としては、例えば、グレープフルーツ果汁、レモン果汁、マスカット果汁、グレープ果汁、オレンジ果汁、みかん果汁、梨果汁、アップル果汁、ストロベリー果汁、メロン果汁、パイナップル果汁、ピーチ果汁等が挙げられる。
<栄養強化剤>
栄養強化剤としては、水溶性ビタミン、脂溶性ビタミン、ミネラル成分の他、カルニチン、タウリン、ヒアルロン酸、セサミン、ポリフェノール、グルコサミン、コンドロイチン、牡蠣エキス、シジミエキス、すっぽんエキス、大麦若葉エキス、ケールエキス、ブルーベリーエキス、クランベリーエキス、カシスエキス、バラの花エキス、ノコギリ椰子エキス等が挙げられる。
<水溶性ビタミン>
水溶性ビタミンとしては、例えば、ビタミンB1(チアミン塩酸塩、チアミン硝酸塩)、ビタミンB2(リボフラビン、リボフラビン酪酸エステル、リボフラビン5’−リン酸エステルナトリウム)、ビタミンB6(ピリドキシン塩酸塩)、ビタミンB12(シアノコバラミン)、葉酸、ナイアシン、パントテン酸ナトリウム、パントテン酸カルシウム、ビタミンC(アスコルビン酸)等が挙げられる。
<脂溶性ビタミン>
脂溶性ビタミンとしては、例えば、ビタミンA(レチノール、レチナール、レチノイン酸)、ビタミンD(エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール)、ビタミンE(トコフェロール、トコトリエノール)等が挙げられる。なお、脂溶性ビタミンは、単独で乳化して添加しても、本発明の脂質に溶解して添加してもよい。
<ミネラル成分>
ミネラル成分としては、例えば、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、クエン酸カルシウム、クエン酸鉄、グルコン酸亜鉛、グルコン酸カルシウム、グルコン酸第一鉄、グルコン酸銅、酢酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、乳酸カルシウム、乳酸鉄、リン酸三カルシウム、リン酸三マグネシウム、骨焼成カルシウム、乳清焼成カルシウム、卵殻カルシウム等が挙げられる。
<酸化防止剤>
酸化防止剤としては、例えば、トコフェロール、L−アスコルビン酸、エリソルビン酸塩類、カテキン、タンニン、アントシアニン、茶ポリフェノールなどのポリフェノール類、L−アスコルビン酸ステアリン酸エステル、L−アスコルビン酸ナトリウムなどを例示することができ、これらは1種または2種以上で使用することができる。
[乳化組成物の製造方法について]
本発明の乳化組成物の製造方法は、特に制限されないが、例えば、成分(a)食用タンパク質を成分(d)水に溶解し、これを成分(c)多価アルコール又は糖類と混合した後、最後に成分(b)食用油脂を添加する方法や、成分(c)多価アルコール又は糖類と成分(d)水を混合しておき、これに成分(a)食用タンパク質を溶解した後、最後に成分(b)食用油脂を添加する方法等が挙げられる。あらかじめ成分(a)〜成分(c)を混合した後に、成分(b)を添加することにより、簡易的な回転式攪拌機で乳化組成物を調製することができる。よって、ホモジナイザー等の強力なせん断力を与える乳化機を使用する必要がないため、機械的均質化による加熱が抑えられ、乳化組成物の製造時における高度不飽和脂肪酸の酸化劣化を抑制することができる。
本発明の乳化組成物の製造工程における温度は、特に制限されないが、高度不飽和脂肪酸の酸化劣化を抑制するという観点から、成分(b)の添加時および添加後の工程における温度は、好ましくは50℃以下であり、より好ましくは40℃以下であり、更に好ましくは35℃以下である。
また、成分(a)〜成分(c)の混合工程における温度は、好ましくは50〜100℃であり、より好ましくは60〜90℃であり、更に好ましくは70〜85℃である。温度を高めることにより、殺菌作用および静菌作用が高まるだけでなく、成分(a)の溶解性が向上するという効果もある。
成分(a)〜成分(c)の混合物と、成分(b)食用油脂との混合では、一般的な均質乳化機を使用することができる。均質乳化機としては、例えば、プロペラ型、アンカー型、パドル型、タービン型の撹拌羽根を備えた回転式攪拌機、スタティックミキサー等の静止型混合器、ホモジナイザー、クレアミックス等のローター・ステーター型乳化機、磨砕機能を備えたミル型乳化機、マントンゴーリン式圧力乳化機等の高圧乳化機、高圧下でキャビテーションを発生させる高圧ノズル型乳化機、マイクロフルイダイザー等の高圧下で液同士を衝突させることによりせん断力を与える高圧衝突型乳化機、超音波でキャビテーションを発生させる超音波乳化機、細孔を通して均一乳化を行う膜乳化機等が例示される。これらの均質乳化機は、単独で使用できるほか、2種以上を組み合わせて使用してもよい。機械的均質化による加熱がほとんどないという観点から、回転式攪拌機、静止型混合器を使用することが好ましい。また、簡素な構成で経済性および使用性に優れるという観点から、回転式攪拌機を使用することが特に好ましい。
本発明の乳化組成物の製造方法によれば、高度不飽和脂肪酸含有油脂を高濃度で含有することができるため、従来の乳化粉末油脂のように、乾燥により濃縮する必要がない。よって、粉末化による加熱を回避できるため、高度不飽和脂肪酸含有油脂の酸化安定性を高めることができる。また、乾燥工程を省くことにより、作業量、消費電力等の観点において生産性に優れた製造方法を提供することができる。
[乳化組成物の水分散性について]
本発明の乳化組成物は、水中に容易に分散することができるため、簡易的な回転式攪拌機を用いて水と混合することができる。本発明の乳化組成物と水との混合比は、用途に応じて適宜設計され、例えば、飲料の場合には、本発明の乳化組成物1質量部に対して、水を0.1〜10000質量部、好ましくは3〜1000質量部、より好ましくは6〜200質量部である。水の割合が多くなると、成分(b)の食用油脂の濃度が低下するため望ましくない。
また、本発明の乳化組成物を水に分散後の乳化粒子径(メジアン径)は、特に制限されないが、好ましくは0.1〜100μmであり、より好ましくは0.5〜50μmであり、更に好ましくは1〜30μmである。なお、乳化粒子径は、レーザー回折式粒度分布計LA−950(堀場製作所製)を用いて測定した。
[乳化組成物の用途]
本発明の乳化組成物は、混合性に優れることから種々の飲食品に添加することができる。例えば、栄養飲料、果汁飲料、天然果汁、果汁入り清涼飲料、果肉飲料、野菜系飲料、豆乳・豆乳飲料、スポーツ飲料、乳飲料、牛乳、茶・紅茶飲料、コーヒー飲料、炭酸飲料等の飲料、即席スープ、即席みそ汁、即席カレー、即席シチュー等の即席食品、水産缶詰、佃煮のような水産加工品、魚肉ハム・ソーセージ等の水産練り製品、ベビーフード、離乳食、介護食、しょうゆ、みそ、ソース類、トマト加工調味料、みりん類、食酢類、甘味料、魚醤等の基礎調味料、たれ類、ドレッシング、麺つゆ等の複合調味料、バター、マーガリン、マヨネーズ等の油脂加工食品等に簡単に添加することができる。
(実施例1)
本発明の代表例を示す。200mL容量のステンレス製ビーカーに、成分(c)グリセリン(日油製)20gと、予め成分(d)精製水2gに溶解しておいた成分(a)カゼインナトリウム「インスタンラックS(中央商工製)」0.3gの混合溶液を入れて、300rpmでプロペラ攪拌を行った。その後、プロペラ攪拌を継続しながら、成分(b)精製マグロ油「サンオメガDHA27(日油製)」77.7gを徐々に滴下し、乳化組成物を得た。すべての工程を室温(約30℃)で行った。
実施例1の乳化組成物1gを水100mLに加えたところ、軽い攪拌で容易に分散した。顕著な油浮きもなく、乳化粒子径は5μmと微細であった。
また、実施例1の乳化組成物は、水分活性は0.29と充分に低く、40℃で2ヶ月後の保存性についても問題なかった。
(実施例2)
約6000mL容量の攪拌機「UMC5(stephan machinery GMBH製)」に、成分(c)および(d)「ソルビトールC(物産フードサイエンス社製)」(ソルビトール純分70%、水30%)245gと、成分(a)カゼインナトリウム「カゼインナトリウム180(フォンテラジャパン製)」5gを入れて、750rpmで攪拌し溶解させた。その後、攪拌を継続しながら、成分(b)精製マグロ油「サンオメガDHA27(日油製)」750gを徐々に滴下し、乳化組成物を得た。成分(b)を配合する前は殺菌のため80℃で実施したが、冷却し、その後のすべての工程を30℃で行った。また成分(b)を滴下中の攪拌は1000rpm以下の条件にて適宜調整を行った。
実施例2の乳化組成物1gを水100mLに加えたところ、軽い攪拌で容易に分散した。顕著な油浮きもなく、乳化粒子径は10μmと微細であった。また、40℃で2ヶ月後の保存性についても問題なかった。
以下に、本発明の乳化組成物を用いて高度不飽和脂肪酸含有油脂を有効成分とした飲食品の処方例を開示する。
(処方例1)乳飲料
実施例1で作製した乳化組成物 6.0質量%
牛乳 94.0質量%
上記配合の各成分をプロペラ型攪拌機で攪拌してDHA入り乳飲料を得た。この程度の攪拌で良好な分散性が得られた。
(処方例2)コーヒー飲料
実施例1で作製した乳化組成物 0.5質量%
コーヒー抽出液 50.0質量%
グラニュー糖 6.0質量%
牛乳 13.0質量%
pH調整剤(重曹) 0.1質量%
ショ糖脂肪酸エステル(HLB:16) 0.1質量%
水 残部
上記配合の各成分をプロペラ型攪拌機で攪拌してDHA入りコーヒー飲料を得た。この程度の攪拌で良好な分散性が得られた。
(処方例3)即席スープ
実施例1で作製した乳化組成物 16g
水 500g
顆粒鶏ガラ調味料 10g
醤油 5g
ごま油 4g
溶き卵 100g
水に、顆粒鶏ガラ調味料、醤油、ごま油を投入し沸騰させる。そこへ溶き卵を回し入れ、加熱を止める。冷却後、上記乳化組成物を入れ、攪拌棒で攪拌する。これを凍結乾燥して、DHA入り即席スープを得た。
(処方例4)アイスクリーム
実施例1で作製した乳化組成物 100g
脱脂粉乳 80g
グラニュー糖 120g
グリセリンステアリン酸エステル 2g
グアーガム 0.6g
ローカストビーンガム 0.6g
カラギーナン 0.2g
水 614.6g
ヤシ油 80g
バニラ香料 2g
脱脂粉乳、グラニュー糖、グリセリンステアリン酸エステル、グアーガム、ローカストビーンガム、カラギーナンを60℃に加熱した水に溶解させる。そこにヤシ油を投入して十分に混合した後、マントンゴーリン式圧力乳化機にて150kgf/cm2で均質化する。これを85℃で15秒間殺菌し、5℃以下に急冷した後、バニラ香料、上記乳化組成物を添加し、十分に混合した後、5℃にて一晩エージングを行う。これを連続式アイスクリームフリーザーにてオーバーラン30%でフリージングし、出口温度−5℃にてカップに充填し、−40℃で急速凍結することで、DHA入りアイスクリームを得た。
(処方例5)クッキー
実施例1で作製した乳化組成物 5g
有塩バター 26g
上白糖 14g
薄力粉 55g
有塩バターを常温で溶解させよく混合し、上白糖を追加し、ざらつきがなくなるまでよく混合する。そこに薄力粉および上記乳化組成物を投入し、十分に混合する。得られた生地をまとめてラップで包み、4℃にて1時間静置した後、カットして成型する。成型物を160℃で25分焼成させることで、DHA入りクッキーを得た。
(処方例6)食パン
実施例1で作製した乳化組成物 14g
強力小麦粉 250g
ドライイースト 7g
上白糖 15g
塩 3g
バター 5g
水 146g
強力小麦粉、ドライイースト、上白糖、塩に、上記乳化組成物を混合した30℃程度の水を投入し、滑らかにまとまるまで捏ねる。そこにバターを常温で溶解させよく混合する。得られた生地をまとめて油を引いたボウルに入れ、30℃で1時間程度の一次発酵を行う。生地を2分割して丸めなおし5分ほど休ませる。その後生地からガス抜きをし、三つ折りにして丸め、油を引いた型に入れる。蓋をして30℃で1時間程度二次発酵をお粉酢。190℃で予熱したオーブンに蓋をしたままの型を入れ、30分焼成し、さらに蓋を外して5分焼成する。焼きあがったら素早く型から取り出し、網の上などで冷却して、DHA入り食パンを得た。

Claims (4)

  1. 下記の成分(a)〜(d)を含有する乳化組成物であって、成分(a)の含有量が0.05〜5質量%であり、成分(b)の含有量が50〜95質量%であり、成分(c)の含有量が1〜40質量%であり、成分(c)の含有量と成分(d)の含有量との和に対する成分(c)の含有量の質量分率[(c/(c+d))×100(%)]が60〜99質量%であることを特徴とする乳化組成物。
    成分(a):食用タンパク質
    成分(b):二重結合を3以上有する高度不飽和脂肪酸を脂肪酸組成で10質量%以上含む食用油脂
    成分(c):多価アルコール又は糖類
    成分(d):水
  2. 請求項1に記載の乳化組成物を含有する飲食品。
  3. 前記成分(b)の添加時および添加後の製造工程を50℃以下で行う、請求項1に記載の乳化組成物の製造方法。
  4. 均質乳化機として回転式攪拌機のみを用いる、請求項3に記載の乳化組成物の製造方法。
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