JP7131191B2 - 飲料 - Google Patents

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Description

本発明は、食用油脂、糖質として澱粉分解物を含む水中油型乳化液であって、2.0kcal/g以上である飲料に関する。
近年のスポーツ分野の活性化により、ジョギングやマラソンなどスポーツを楽しむ人が増えている。マラソンなど、長時間の運動をする場合、運動中のエネルギー補給が運動パフォーマンスに大きな影響を与える。運動中のエネルギー補給の点では、素早く吸収されエネルギーとして利用される点、携帯性の面から単位質量当たりのエネルギー密度が高い点、運動中でも飲みやすい点が求められている。
吸収の観点から、摂取する形態としては固形物では消化に時間がかかるため飲料が好ましく、スポーツ飲料のエネルギー源としては吸収性が良い糖質が利用されてきた。特許文献1では、糖質の中でも、吸収面で優れた澱粉分解物を用いたスポーツ飲料が開示されている。しかし、2.0kcal/g以上のような高エネルギー密度にするためには多量の澱粉分解物を含有させることになり、水飴のような過剰な甘味と高い粘度により、飲用後にその他の水分を欲してしまうため、運動時の飲用としては適していなかった。
特許文献2では、エネルギー密度を高めた飲料として、糖質よりも質量あたりのカロリーが高い脂質を含有させた栄養組成物が開示されている。しかし、この栄養組成物は、油っぽい風味であり、運動時に求められる爽快な風味ではなく、粘度も高いため運動時に摂取するには飲みにくい。また、脂質を消化・吸収・代謝してエネルギーとして利用するには糖質と比較して長い時間を要するため、摂取後すぐにエネルギーとして利用することはできず、運動時の飲用としては適していなかった。
特許文献3には、中鎖脂肪とフルクトースとを含有する食品組成物が、肝臓および筋中のグリコーゲンの貯蔵に寄与し得ること、栄養補給、疲労回復、スタミナ増強等に有用であることが記載されている。しかし、フルクトースは砂糖以上に甘味度が高く、2.0kcal/g以上のような高エネルギー密度にしようとすると甘さが強くなりすぎ、飲用後にその他の水分を欲してしまうため、運動時の飲用としては適していなかった。
特開平8-173113号公報 特開2017-93414号公報 特公平8-29055号公報
本発明の課題は、運動時のエネルギー補給用飲料として、素早く吸収されエネルギーとして利用可能であり、高いエネルギー密度を有しており軽くて携帯性に優れつつ、運動時でも飲みやすい飲料を提供することである。
本発明者は、前記の課題を解決するために鋭意検討を行った結果、特定の油脂と特定の澱粉分解物を特定量含有した水中油型乳化液の飲料とすることで、上記の課題を解決することの知見を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記の〔1〕~〔2〕である。
〔1〕食用油脂(A)、澱粉分解物(B)を含む水中油型乳化液であり、2.0kcal/g以上である飲料であって、
食用油脂(A)の含有量は3~16質量%であり、澱粉分解物(B)の含有量は40~60質量%であり、
食用油脂(A)は、総脂肪酸組成中におけるカプリル酸とカプリン酸の総和が50質量%以上であり、
澱粉分解物(B)は、デキストロース当量が10~20である、飲料。
〔2〕水中油型乳化液の油滴のメディアン径は、1μm以下である、請求項1に記載の飲料。
本発明によれば、運動時のエネルギー補給用飲料として、素早く吸収されエネルギーとして利用可能であり、高いエネルギー密度を有しており軽くて携帯性に優れつつ、運動時でも飲みやすい飲料を提供することができる。
吸収性評価による、運動前後の血中の乳酸値を測定したグラフである。
以下、本発明を更に詳細に説明する。
[2.0kcal/g以上である飲料]
本発明の2.0kcal/g以上である飲料は、運動時のエネルギー補給を目的とした飲料である(以下、「エネルギー補給用飲料」という。)。2.0kcal/g以上とすることにより、少量の摂取で高カロリーを得ることができるため、運動時に携帯することが可能となる。一般的なスポーツ飲料は運動時に発汗などによって失われる水分、電解質、ミネラル、エネルギーを効率的に補給することを可能にした飲料であるが、本発明のエネルギー補給用飲料はエネルギー補給に重点をおいた飲料であり、一般のスポーツ飲料とは摂取の目的が全く異なる。なお、「運動時」とは、「運動中」又は「運動前」を示し、「運動前」とは、運動開始より約1時間以内である。本発明のエネルギー補給用飲料は、「運動時」のエネルギーを確保するという観点から、運動中又は運動開始より1時間以内に飲用することが特に好ましい。
エネルギー補給用飲料のエネルギー密度は、エネルギー換算係数として、タンパク質4kcal/g、脂質9kcal/g、炭水化物(糖質)4kcal/g、食物繊維2kcalとして算出する。
本発明のエネルギー補給用飲料は、食用油脂(A)、澱粉分解物(B)を含む水中油型乳化液であり、公知の乳化液の調製方法によって得ることができる。例えば、澱粉分解物(B)および乳化剤を水に溶解させた水相と、食用油脂(A)を含む油相とを混合し、ホモミキサー(商品名「TKホモミキサー」(特殊機化工業(株)製)、ホモジナイザー(商品名「アルティマイザー」((株)スギノマシン製)等で均質化して得ることができる。その他、食用油脂(A)を乳化剤とともに水相部に添加・微細化して乳化組成物を調整した後、該乳化組成物を、澱粉分解物(B)を含む飲料に添加してもよい。
水中油型乳化液の油滴のメディアン径は、特に限定されないが、食用油脂特有のコク味の低減、胃もたれ等の身体的な負荷を低減するという観点から、好ましくは1μm以下、より好ましくは0.5μm以下、特に好ましくは0.2μm以下である。また、油滴のメディアン径を小さくすることにより、食用油脂の作用効果について即効性を得ることができる。例えば、本発明の食用油脂の作用効果としては、運動後の血中の乳酸値の上昇を抑制するという効果がある。よって、油滴のメディアン径を小さくすることにより、運動時に本発明の飲料を摂取しても運動後の血中の乳酸値の上昇を抑制することができる。
なお、油滴のメディアン径の測定方法は、(株)堀場製作所レーザー回折式粒度分布計LA-950を用いて測定する。
本発明のエネルギー補給用飲料の粘度は、特に制限されないが、口内に残らず、飲みやすいという観点から、好ましくは10~1000mPa・sである。下限値としては、より好ましくは30mPa・s以上であり、更に好ましくは50mPa・s以上である。上限値としては、より好ましくは800mPa・s以下であり、更に好ましくは500mPa・s以下であり、特に好ましくは300mPa・s以下である。
なお、粘度の測定方法は、ブルックフィールドエンジニアリングラボラトリーズ社製B型粘度計を使用し、25℃における粘度を測定する。
また、本発明のエネルギー補給用飲料の容量は、携帯性に優れるという観点から、500g以下であることが好ましい。更に、運動時の飲みやすさに優れるという観点から、好ましくは300g以下であり、特に好ましくは250g以下である。なお、本発明のエネルギー補給用飲料の容器は、特に制限されず、例えば、ペットボトル、紙パック、チアパック、Tパウチ、アルミ缶、スチール缶、瓶などが挙げられる。軽量であり、携帯性に優れるという観点から、好ましくはペットボトル、紙パック、チアパック、Tパウチ、アルミ缶、スチール缶であり、更に、飲用後に小さくたたむことが可能であるという観点から、より好ましくは紙パック、チアパック、Tパウチである。
以下に、本発明のエネルギー補給用飲料に含有する各成分について詳細に説明する。
<食用油脂(A)>
本発明に用いる食用油脂(A)は、カプリル酸あるいはカプリン酸を含み、総脂肪酸組成中におけるカプリル酸とカプリン酸の総和が50質量%以上である油脂組成物である。カプリル酸およびカプリン酸を多く含む油脂組成物は、融点および粘度が低く油性感が少ないため、運動時のエネルギー補給に適している。カプリル酸とカプリン酸の総和の下限値としては、好ましくは80質量%以上であり、より好ましくは90質量%以上であり、特に好ましくは95質量%以上である。50質量%未満である場合には、エネルギー補給用飲料の粘度や油っぽさが増幅してしまい、運動時に摂取するには好ましくない。
食用油脂(A)に使用する油脂は、カプリル酸あるいはカプリン酸を含む油脂であり、例えば、中鎖脂肪や、中鎖脂肪とそのほかの食用油脂とのエステル交換油等が挙げられる。このような油脂としては、単一のトリグリセリド分子種のみであっても、複数のトリグリセリド分子種が混合されていてもよい。また、カプリル酸、カプリン酸のグリセロール骨格への結合位置は特に限定されない。食用油脂(A)中のカプリル酸とカプリン酸の総和を高めるという観点から、カプリル酸及びカプリン酸が95質量%以上含まれる中鎖脂肪を使用することが好ましい。なお、中鎖脂肪を使用することにより、飲料の粘度や油っぽさを改善するだけでなく、運動後の血中の乳酸値の上昇を抑制するという効果もある。
中鎖脂肪を構成するカプリル酸とカプリン酸の割合について特に制限されないが、中鎖脂肪として一般的に用いられる組成のものであればよく、カプリル酸55~85質量%、カプリン酸15~45質量%のものが好ましく用いることができる。
なお、食用油脂(A)は、総脂肪酸組成中におけるカプリル酸とカプリン酸の総和が50質量%以上であり、20℃で濁りが無く清澄な液状油であれば、そのほかの油脂を加えてもよい。そのほかの油脂とは、例えば、コーン油、ナタネ油、大豆油、紅花油、ヒマワリ油、米油、オリーブ油、綿実油、太白ゴマ油、ハイオレイック紅花油、ハイオレイックヒマワリ油、パーム油、魚油、牛脂、豚脂、及びこれらの分別油脂、硬化油脂、エステル交換油等が挙げられる。
エネルギー補給用飲料中の食用油脂(A)の含有量は、十分に高いエネルギー密度を得ながらも、澱粉分解物による甘味と粘度の上昇を抑制し、さらに油っぽさを感じにくいという観点から、3~16質量%である。より好ましくは、7.5~10質量%である。
<澱粉分解物(B)>
本発明に用いる澱粉分解物(B)は、素早く吸収されエネルギーとして利用可能なデキストロース当量(以下、「DE」という。)が10~20である澱粉分解物である。また、該澱粉分解物と上記の食用油脂を併用することで、甘さが強くなりすぎずに運動時でも飲用することができるエネルギー補給用飲料が得られる。DEとは、還元糖をグルコースとして測定し、その還元糖の全固形分に対する割合であり、澱粉の分解度を表す指標であり、値が高いほど加水分解が進んでいることを示す。DEが小さい場合、粘度が高くなりやすく、DEが大きい場合、甘味が強くなりやすい。澱粉分解物のDEは、エネルギー補給用飲料での適度な甘味と粘度という観点から、好ましくは10~18である。
エネルギー補給用飲料中の澱粉分解物(B)の含有量は40~60質量%であり、甘味や粘度を抑えながらも十分なエネルギー密度を得る観点から、より好ましくは45~55質量%である。
エネルギー補給用飲料における食用油脂(A)/澱粉分解物(B)の質量比は、0.05~0.4である。この範囲とすることにより、エネルギー密度を高めつつ、飲みやすさを向上することができる。飲みやすさを更に向上するという観点では、好ましくは0.05~0.2であり、より好ましくは0.05~0.15である。エネルギー密度を更に高めるという観点では、好ましくは0.2~0.4であり、より好ましくは0.25~0.4である。
<乳化剤>
乳化剤の種類は、特に制限されないが、モノグリセライド、レシチン、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルを含有することが好ましい。これらの乳化剤を用いることにより、食用油脂の油滴の粒子径をより微細化することができる。更には、乳化安定性にも優れ、食用油脂の油滴の粒子径を長期間維持することができる。
乳化剤の含有量は、特に制限されないが、0.1~10質量%であることが好ましい。下限値としては、より好ましくは0.5質量%以上であり、更に好ましくは1質量%以上であり、特に好ましくは1.5質量%以上である。上限値としては、より好ましくは5質量%以下であり、更に好ましくは3質量%以下であり、特に好ましくは2.5質量%以下である。
<その他の成分>
本発明のエネルギー補給用飲料には、必要に応じて、酸味料、甘味料、無機塩、アミノ酸、ペプチド、タンパク質、有機酸塩、香料、果汁、栄養強化剤、着色料、保存料、抗酸化剤等を添加することができる。
<酸味料>
酸味料としては、例えば、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸、フマル酸、グルコン酸、コハク酸、リン酸等が挙げられる。
<甘味料>
甘味料としては、ブドウ糖、ショ糖、果糖、スクラロース、ステビア、アスパルテーム等が挙げられる。
<無機塩>
無機塩としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、リン酸三カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム等が挙げられる。
<アミノ酸>
アミノ酸としては、例えば、L-アスパラギン酸ナトリウム、DL-アラニン、L-イソロイシン、L-グリシン、L-グルタミン、L-グルタミン酸、L-グルタミン酸ナトリウム、L-グルタミン酸カリウム、L-テアニン、L-トレオニン、L-バリン、L-フェニルアラニン、L-メチオニン、L-リシン塩酸塩、L-アスパラギン、L-アスパラギン酸、L-アルギニン、L-シスチン、L-セリン、L-チロシン、L-ヒスチジン、L-プロリン、L-ロイシン等が挙げられる。
<ペプチド>
ペプチドとしては、例えば、ホエイペプチド、カゼインペプチド、コラーゲンペプチド、大豆ペプチド、魚肉ペプチド、卵白ペプチド、イミダゾールペプチド等が挙げられる。
<タンパク質>
タンパク質としては、例えば、カゼイン、ホエイタンパク、ゼラチン、コラーゲン、大豆タンパク等が挙げられる。
<有機酸塩>
有機酸塩としては、例えば、クエン酸一カリウム、クエン酸三カリウム、クエン酸三ナトリウム、グルコン酸カリウム、グルコン酸ナトリウム、コハク酸一ナトリウム、コハク酸二ナトリウム、酢酸ナトリウム、L-酒石酸水素カリウム、L-酒石酸ナトリウム、乳酸カリウム、乳酸ナトリウム、フマル酸一ナトリウム、リンゴ酸ナトリウム等が挙げられる。
<香料>
香料としては、例えば、グレープフルーツ香料、レモン香料、マスカット香料、グレープ香料、オレンジ香料、みかん香料、梨香料、アップル香料、ストロベリー香料、メロン香料、パイナップル香料、ピーチ香料、ヨーグルト香料、ミント香料等が挙げられる。
<果汁>
果汁としては、例えば、グレープフルーツ果汁、レモン果汁、マスカット果汁、グレープ果汁、オレンジ果汁、みかん果汁、梨果汁、アップル果汁、ストロベリー果汁、メロン果汁、パイナップル果汁、ピーチ果汁等が挙げられる。
<栄養強化剤>
栄養強化剤としては、水溶性ビタミン、脂溶性ビタミン、ミネラル成分の他、カルニチン、タウリン、ヒアルロン酸、セサミン、ポリフェノール、グルコサミン、コンドロイチン、牡蠣エキス、シジミエキス、すっぽんエキス、大麦若葉エキス、ケールエキス、ブルーベリーエキス、クランベリーエキス、カシスエキス、バラの花エキス、ノコギリ椰子エキス等が挙げられる。
<水溶性ビタミン>
水溶性ビタミンとしては、例えば、ビタミンB1(チアミン塩酸塩、チアミン硝酸塩)、ビタミンB2(リボフラビン、リボフラビン酪酸エステル、リボフラビン5’-リン酸エステルナトリウム)、ビタミンB6(ピリドキシン塩酸塩)、ビタミンB12(シアノコバラミン)、葉酸、ナイアシン、パントテン酸ナトリウム、パントテン酸カルシウム、ビタミンC(アスコルビン酸)等が挙げられる。
<脂溶性ビタミン>
脂溶性ビタミンとしては、例えば、ビタミンA(レチノール、レチナール、レチノイン酸)、ビタミンD(エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール)、ビタミンE(トコフェロール、トコトリエノール)等が挙げられる。なお、脂溶性ビタミンは、単独で乳化して添加しても、食用油脂に溶解して添加してもよい。
<ミネラル成分>
ミネラル成分としては、例えば、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、クエン酸カルシウム、クエン酸鉄、グルコン酸亜鉛、グルコン酸カルシウム、グルコン酸第一鉄、グルコン酸銅、酢酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、乳酸カルシウム、乳酸鉄、リン酸三カルシウム、リン酸三マグネシウム、骨焼成カルシウム、乳清焼成カルシウム、卵殻カルシウム等が挙げられる。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
(実施例1~4、比較例1~6)
[エネルギー補給用飲料の調製]
表1に示す配合に従い、加温した水に処方原料を適宜添加、攪拌、乳化、殺菌し、エネルギー補給用飲料を調製した。なお、各成分に使用した原料は以下のとおりである。
・中鎖脂肪:パナセート810(日油(株)製、カプリル酸85質量%、カプリン酸15質量%)
・ナタネ油:日清オイリオ(株)製、カプリル酸とカプリン酸の総和0質量%
・澱粉分解物(DE:9):マックス1000(松谷化学工業(株))
・澱粉分解物(DE:18):TK-16(松谷化学工業(株))
・澱粉分解物(DE:24):サンデック♯250(三和澱粉工業(株))
・フルクトース:純果糖(加藤化学(株))
・乳化剤:サンソフトQ-17S(太陽化学(株))
・香料:レモンフレーバー(高砂香料(株))
Figure 0007131191000001
[エネルギー補給用飲料の評価]
(エネルギー密度)
エネルギー密度は、エネルギー換算係数として、脂質(A成分+乳化剤)9kcal/g、炭水化物(B成分)4kcal/gとして算出した。
(粘度の測定)
ブルックフィールドエンジニアリングラボラトリーズ社製B型粘度計を使用し、25℃における粘度を測定した。その結果を表1に示す。
(飲みやすさの評価)
平地で6km/hの速さでランニングをし、走りながら上記のエネルギー補給用飲料(500kcal相当量)を飲用し、飲みやすさを評価した。飲みやすさの評価は、4名のパネラーにおける官能評価により行った。官能評価の評価項目は、「甘さ」、「油っぽさ」、「べたつき」、「飲みやすさ」の4項目とし、以下の基準にて評価した。そして4名のパネラーの評価について、◎を5点、〇を4点、△を3点、×を2点として、平均点を算出した。そして、平均点が3.5点以上の場合を「良好」と評価した。結果を表2に示す。
<甘さ>
◎:程よい甘さである。
〇:甘さを感じるが、気にならない程度の甘さである。
△:甘さを感じ、やや気になる。
×:甘すぎる。
<油っぽさ>
◎:油っぽくない。
〇:油っぽさを感じるが、気にならない。
△:油っぽさを感じ、やや気になる。
×:油っぽさを強く感じ、飲用に抵抗がある。
<べたつき>
◎:口内がべたつかない。
〇:口内が少しべたつくが、気にならない。
△:口内のべたつきがやや気になる。
×:口内がべたつき、飲用に水を要する。
<飲みやすさ>
◎:すっきりとして飲みやすい。
〇:飲みやすく、飲用に特に問題はない。
△:やや飲みにくさを感じる。
×:飲みにくく、飲用に適さない。
Figure 0007131191000002
特定の食用油脂(A)と特定の澱粉分解物(B)を特定量含有するエネルギー補給用飲料は、食用油脂を含むことで意外にも澱粉分解物の甘味が抑えられており、甘味、粘度が程よく口内でのべたつきの少ない運動時にも飲用しやすい飲料であった。また、エネルギー密度が高いため、少量で高カロリーを摂取することが可能となる。そのため、携帯性や飲みやすさ等を勘案して、エネルギー補給用飲料の容量を300g以下とした場合でも、500kcal以上を摂取することができる。
一方、食用油脂(A)を含まない飲料(比較例1)は甘味とべたつきが強く、飲用しにくいものであった。食用油脂(A)を特定量よりも多く含む飲料(比較例2)では、油分が多いため口内で油っぽさを感じ、運動中の飲用には適していなかった。DEが小さい澱粉分解物を含む飲料(比較例3)では、粘度が非常に高く、極めて飲みにくかった。DEが大きい澱粉分解物や単糖であるフルクトースを含む飲料(比較例4、5)では、食用油脂(A)を含んでいても甘さが強く飲用しにくいものであった。食用油脂(A)の総脂肪酸組成中、カプリル酸とカプリン酸の総和が50質量%より小さい飲料(比較例6、7)では、食用油脂を少量しか含まないにも関わらず油脂のコク味や油っぽさを強く感じ、運動時の飲用には適していなかった。
(実施例5)
[エネルギー補給用飲料の製造]
(1)乳化組成物の配合
油相部:
中鎖脂肪 30.0質量%
レシチン 2.0質量%
水相部:
ポリグリセリン脂肪酸エステル(※1) 4.0質量%
ショ糖脂肪酸エステル(※2) 2.0質量%
澱粉分解物(※3) 40.0質量%
水 22.0質量%
上記乳化組成物に使用された原料は以下のとおりである。
(※1)デカグリセリンモノオレート、HLB19
(※2)構成脂肪酸:ステアリン酸、HLB9
(※3)DE:18
(2)乳化組成物の調製
a)水相部、油相部をそれぞれ75~80℃に加熱・撹拌して、各成分を溶解した。
b)該水相部をプロペラ撹拌器で撹拌しながら油相部を徐々に加え、更に75~80℃で20分間撹拌し、粗乳化液を得た。
c)該粗乳化液を、高圧ホモジナイザー(商品名:マイクロフルイダイザー(みずほ工業(株)製))を用いて均質化し(処理圧:150MPa)、乳化組成物1を得た。該乳化組成物の油滴の粒子径は、0.12μm(メディアン径)であった。
(3)エネルギー補給用飲料の製造
上記乳化組成物を用いて、エネルギー密度を2.7kcal/gとなるようにエネルギー補給用飲料Xを以下の配合割合で配合し調製した。

(エネルギー補給用飲料X)
乳化組成物 30.0質量%
澱粉分解物(DE:18) 30.0質量%
クエン酸 0.5質量%
クエン酸ナトリウム 0.1質量%
香料 0.3質量%
水 39.1質量%
[吸収性評価]
上記、エネルギー補給用飲料Xを用い、クロスオーバー法による吸収性評価および運動パフォーマンス評価を実施した。対照飲料として、澱粉分解物(デキストロース当量:18)と水の量でエネルギー密度を2.7kcal/gに揃えたエネルギー補給用飲料Cを用いた。

(エネルギー補給用飲料C)
澱粉分解物(DE:18) 67.5質量%
クエン酸 0.5質量%
クエン酸ナトリウム 0.1質量%
香料 0.3質量%
水 31.6質量%
試験は有酸素運動を定期的に行っている健常な男性の成人4名(クロスオーバー法)で行った。試験食を70g(189kcal)摂取後、最大心拍数の60%の強度でエルゴメーターによる運動を60分実施し、引続き最大心拍数の85%の強度の運動を疲労困憊あるいは最大20分まで実施した。運動前後の血液を採取し、乳酸値を測定した。その結果を、図1に示す。
図1に示したように、エネルギー補給用飲料Xを摂取した場合は、エネルギー補給用飲料Cを摂取した場合と比較して乳酸値が抑えられており、運動による疲労の蓄積が抑えられていた。
以上の結果より、本発明のエネルギー補給用飲料Xは運動時の摂取に適した物性、風味を有するだけでなく、速やかに吸収され運動による疲労の蓄積を抑制することからも運動時の摂取に適していることがわかった。

Claims (2)

  1. 食用油脂(A)、澱粉分解物(B)を含む水中油型乳化液であり、食用油脂(A)、澱粉分解物(B)及び乳化剤のエネルギー値の総和からなるエネルギー密度が飲料1gあたり2.kcal以上である飲料であって、
    食用油脂(A)の含有量は3~16質量%であり、澱粉分解物(B)の含有量は40~60質量%であり、
    食用油脂(A)は、総脂肪酸組成中におけるカプリル酸とカプリン酸の総和が50質量%以上であり、
    澱粉分解物(B)は、デキストロース当量が10~20である、運動時のエネルギー補給用飲料。
  2. 水中油型乳化液の油滴のメディアン径は、1μm以下である、請求項1に記載の運動時のエネルギー補給用飲料。
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