JP7279467B2 - 粉末油脂用油脂組成物、粉末油脂 - Google Patents

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Description

本発明は、粉末油脂用油脂組成物及びそれを用いた粉末油脂に関する。
三大栄養素の一つである油脂(脂質)は、細胞膜の主要な構成成分であり、エネルギー産生のための主要な基質である。それだけではなく、油脂は、脂溶性ビタミンであるビタミンA、D、E、Kやカロテノイドの吸収を助ける働きも示す。以前は、そのエネルギー価の高さのみが強調され油脂の摂取は避けられる傾向にあったものの、近年では、質の良い油脂を摂取すべきとの傾向が強くなっている。質の良い油脂とは、体内で様々な生理的機能を有するものの、人の体内では生合成できない必須脂肪酸である、リノール酸に代表されるn-6系脂肪酸やリノレン酸に代表されるn-3系脂肪酸を含有する油脂が挙げられる。
これら必須脂肪酸は、厚生労働省が定める日本人の食事摂取基準においても、年齢、性別により摂取すべき最適な目安量が設定されている。さらに、n-6系脂肪酸及びn-3系脂肪酸は、それぞれ生体内にて拮抗して生理的効果をもたらすため、リノール酸とα-リノレン酸の目安量として、構成割合の比(「リノール酸/α-リノレン酸」として本明細書には記載する。)として3~8の範囲で設定されている(非特許文献1)。
n-6系脂肪酸であるリノール酸及び、n-3系脂肪酸であるα-リノレン酸の摂取は、乳幼児にとっても重要であり、母乳にこれらの脂肪酸が含まれている。各国における母乳の調査において、その母乳脂中にはリノール酸及びα-リノレン酸が合わせて8~15質量%、「リノール酸/α-リノレン酸」として7~19の比率で含まれていることが知られている(非特許文献2)。このような背景から、CODEXによる粉ミルクの規格においては、粉ミルク中に含まれるべきリノール酸及びα-リノレン酸の最低量が規定されており、「リノール酸/α-リノレン酸」の構成比率として5~15の範囲で設定されている(非特許文献3)。
また、日本人の母乳脂において、リノール酸に代表されるn-6系脂肪酸及びα-リノレン酸に代表されるn-3系脂肪酸の含量は合わせて16~20質量%、「n-6系脂肪酸/n-3系脂肪酸」として5~7の比率で含まれていることが知られている(非特許文献4)。
このように、生体内で生合成のできないリノール酸及びα-リノレン酸について、食事摂取基準を満たし、CODEXに設定されている最適な比率や、母乳脂肪と同等の比率であり、且つ、それら必須脂肪酸を手軽に効率良く摂取できる食品が、調粉用途などで求められている。
一方、油脂は水には不溶であるため、様々な食品への添加には乳化剤を使用するなど工夫を要する。食品への添加を容易にした油脂として、粉末油脂という形態が挙げられる。粉末油脂は、秤量が容易であり、他の原料と混合する場合に簡単に混合することができ、作業性が良好となるため、加工食品の分野では広く利用されている。よって、必須脂肪酸を手軽に効率良く摂取できる食品には、必須脂肪酸を多く含む粉末油脂の使用が適している。
これまで、必須脂肪酸を含む粉末油脂として、高度不飽和脂肪酸を多く含む粉末油脂組成物が公開されている(たとえば、特許文献1)。この公開技術は粉末油脂での酸化安定性は良好となるものの、熱水に溶解した際、高度不飽和脂肪酸を含有する原料に由来する風味が強く感じられる欠点や、また、保管条件によっては粉末が結着するという欠点や、さらに、水相に溶解した際に油相部の分離が認められる。
粉末状態の安定性や乳化安定性、酸化安定性を示す粉末油脂として、特定の乳化剤や油脂を組み合わせる技術が公開されている(特許文献2、特許文献3)。しかしながら、これら公開技術では油脂原料が制限され、必須脂肪酸を含む油脂を多く配合することができなかった。
必須脂肪酸であるn-6系脂肪酸及びn-3系脂肪酸は多価不飽和脂肪酸であるため、酸化安定性が悪い。そのうえ、これら脂肪酸を含む油脂は、酸化のごく初期段階において、戻り臭と呼ばれる、その原料植物に由来する風味の戻り、つまりは風味の劣化を頻繁に起こすことが知られており、そのため、これらの油脂を用いた食品の風味を著しく損ねる。さらに、粉末油脂ではその表面積が大きくなるため油脂が酸化され易くなり、また、熱水にて溶解される機会も多いため、粉末油脂に必須脂肪酸を含む油脂を使用する場合、多価不飽和脂肪酸の使用量が少ない油脂組成物よりも、さらに戻り臭を抑制することが要求される。
このように、日本人の食事摂取基準やCODEXに定められている、もしくは、母乳脂に近似した必須脂肪酸を含む油脂組成物、具体的には、n-6系脂肪酸であるリノール酸及びn-3系脂肪酸であるα-リノレン酸を合わせて7~20%の範囲内で含み、且つ「リノール酸/α-リノレン酸」の比が3~19となる油脂組成物を、通常の植物油脂を単に配合して製造しても、この油脂組成物により製造された粉末油脂では、熱水への溶解時や保管中に原料油脂由来の戻り臭が発生し易く、また、その戻り臭を抑制しようとした場合、水や熱水に溶解しにくくなったり、保管中に粉末から油脂が分離したり、熱水溶解時に油脂の分離が発生したりするという問題があった。
特開平09-235584号公報 特開2013-255440号公報 国際公開第2018/020813号
「『日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会』報告書」、厚生労働省、平成26年3月、110-142頁 Ellen Marie Straarup, et al., ‘The Stereospecific Triacylglycerol Structures and Fatty Acid Profiles of Human Milk and Infant Formulas’、Journal of Pediatric Gastroenterology and Nutrition、2006年3月、vol.42、No.3、p.293-299 ‘CODEX STAN 72-1981'、CODEX ALIMENTARIUS 米久保明得、外2名、「日本人の母乳組成に関する研究(第3報)」、小児保健研究、1987年、第46巻、第3号、349-352頁
本発明の目的は、リノール酸及びα-リノレン酸を合わせて7~20%の範囲内で含み、且つ「リノール酸/α-リノレン酸」の比が3~19である粉末油脂において、熱水溶解時や保管中の原料油脂由来の戻り臭を抑制しながら、溶解性が良好であり、且つ保管中の粉末からの油脂の分離や溶解時の油脂の分離が認められない粉末油脂を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、リノール酸とα-リノレン酸の合計で15~30質量%であるランダムエステル交換油を50%以上含み、総トコフェロール中のα-トコフェロールの含有量が10質量%以下であるトコフェロールを特定量含有する粉末油脂用油脂組成物を用いて粉末油脂を得ることにより、リノール酸及びα-リノレン酸を合わせて7~20%以上含み、且つ「リノール酸/α-リノレン酸」の比が3~19である粉末油脂でありながら、熱水溶解時や保管中の原料油脂由来の戻り臭を抑制することができ、さらには、炭素数8~14の飽和脂肪酸10~30質量%、炭素数16~18の飽和脂肪酸20~30質量%であり、上昇融点が20~35℃である粉末油脂用油脂組成物を用いて粉末油脂を得ることにより、粉末の溶解性が良好で、保管中の粉末からの油脂の分離や溶解時の油脂の分離が認められない粉末油脂を得ることができるとの知見を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は下記の〔1〕~〔2〕である。
〔1〕構成する脂肪酸がリノール酸とα-リノレン酸の合計で15~30質量%であるランダムエステル交換油を50質量%以上含む油脂組成物であって、
油脂組成物を構成する脂肪酸が、炭素数8~14の飽和脂肪酸10~30質量%、炭素数16~18の飽和脂肪酸20~30質量%、リノール酸及びα-リノレン酸の合計量7~20質量%、リノール酸とα-リノレン酸の構成割合の比(リノール酸/α-リノレン酸)が3~19であり、
前記油脂組成物100質量部に対して、総トコフェロール中のα-トコフェロールの含有量が10質量%以下であるトコフェロールを0.01~0.03質量部含有し、
且つ上昇融点が20~35℃である粉末油脂用油脂組成物。
〔2〕〔1〕に記載の粉末油脂用油脂組成物を含む粉末油脂。
本発明の粉末油脂用油脂組成物によれば、体内にて生合成されず食事にて摂取しなければならない必須脂肪酸であるリノール酸とα-リノレン酸が、母乳脂や日本人が摂取すべきと推奨されている基準を満たす量及び比率にて含有し、且つ、粉末油脂に加工した際に、熱水溶解時や保管中における原料油脂由来の戻り臭を抑制することができる粉末油脂を提供することができる。また、本発明の粉末油脂によれば、溶解性が良く、保管中の粉末からの油脂の分離や溶解時の油脂の分離が認められない粉末油脂を提供することができる。
以下、本発明について実施するための形態を説明する。なお、本発明における「液状」とは、常温(20℃)において液体の状態であることを意味する。
[粉末油脂用油脂組成物]
本発明の粉末油脂用油脂組成物は、構成する脂肪酸がリノール酸とα-リノレン酸の合計で15~30質量%であるランダムエステル交換油を50質量%以上含む油脂組成物であって、油脂組成物を構成する脂肪酸が、炭素数8~14の飽和脂肪酸10~30質量%、炭素数16~18の飽和脂肪酸20~30質量%、リノール酸及びα-リノレン酸の合計量7~20質量%、リノール酸とα-リノレン酸の構成割合の比(リノール酸/α-リノレン酸)が3~19であり、前記油脂組成物100質量部に対して、総トコフェロール中のα-トコフェロールの含有量が10質量%以下であるトコフェロールを0.01~0.03質量部含有し、且つ上昇融点が20~35℃であることを特徴とする。
本発明における粉末油脂用油脂組成物は、構成する脂肪酸がリノール酸とα-リノレン酸の合計で15~30質量%であるランダムエステル交換油を含み、その含有量は50質量%以上である。リノール酸とα-リノレン酸を多く含有する植物性液状油を粉末油脂に配合した場合、熱水溶解時や保管中における原料由来の戻り臭が発生し易いという課題があった。本発明者は、粉末油脂用油脂組成物中に、構成する脂肪酸がリノール酸とα-リノレン酸の合計で15~30質量%であるランダムエステル交換油を50質量%以上配合することにより、課題となっていた戻り臭の発現を抑制することを見出した。
本発明におけるランダムエステル交換油において、リノール酸とα-リノレン酸の合計が15質量%未満である場合、得られる粉末油脂における、リノール酸及びα-リノレン酸の含有量及びそれらの比率が、目標とする食事摂取基準や母乳脂に達しないものとなる。リノール酸とα-リノレン酸の合計が30質量%より多く含まれる場合、得られる粉末油脂において、熱水溶解時や保管中における原料由来の戻り臭が発生し易くなる。
本発明におけるランダムエステル交換油に使用する原料油脂は、構成する脂肪酸が、本願の範囲を満たせば、特別に制限はされない。使用できる油脂として、例えば、パーム油、パーム核油、ヤシ油、カノーラ油、コーン油、大豆油、サフラワー油、ヒマワリ油、ハイオレイックサフラワー油、ハイオレイックヒマワリ油、オリーブ油、ハイオレイックカノーラ油、ハイオレイック大豆油、綿実油、米油、エゴマ油、アマニ油、あるいはそれらの分別油等が挙げられ、それらを1種または2種以上選択することができる。これらの油脂は、物理的、化学的な手法を問わず、脱ガム、脱酸、脱色の精製工程を経た油脂であることが好ましい。
ランダムエステル交換油の製造方法としては、アルカリ触媒を用いた化学的エステル交換法が好ましい。例えば、ランダムエステル交換の原料となる油脂を90℃~95℃、減圧下で攪拌し、水分が100ppm以下となるまで脱水を行なったのち、水酸化ナトリウム、ナトリウムメトキシドなどのアルカリ触媒を油脂100質量部に対して0.05~0.3質量部加え、減圧下で30分間攪拌し、化学的エステル交換反応を行う。反応終了後、水洗にてアルカリ触媒を除去したのち、活性白土による脱色、水蒸気蒸留することのより食用可能なランダムエステル交換油を得ることができる。水蒸気脱臭の温度は、190℃~230℃の範囲が好ましい。この温度範囲で水蒸気脱臭を行うことにより、αリノレン酸、リノール酸を熱分解・異性化することなく、このランダムエステル交換油を含む粉末油脂において、熱水溶解時や保管中における原料由来の戻り臭の発生が一層抑制される。
本発明の粉末油脂用油脂組成物は、水蒸気脱臭したエステル交換油を他の油と混合して製造しても、脱色後、水蒸気脱臭前のエステル交換油を他の油と混合して、水蒸気脱臭を行ってもかまわない。
本発明における粉末油脂用油脂組成物は、上記ランダムエステル交換油の含有量が50質量%以上である。このランダムエステル交換油が50質量%未満の場合、得られる粉末用油脂組成物を用いた粉末油脂において、熱水溶解時や保管中における原料由来の戻り臭が発生し易くなる。
本発明における粉末油脂用油脂組成物は、本発明の粉末油脂用油脂組成物の構成脂肪酸組成の範囲を満たせば、どのような油脂でも原料として使用することができる。例えば、パーム油、パーム核油、ヤシ油、カノーラ油、コーン油、大豆油、サフラワー油、ヒマワリ油、ハイオレイックサフラワー油、ハイオレイックヒマワリ油、オリーブ油、ハイオレイックカノーラ油、ハイオレイック大豆油、綿実油、米油、エゴマ油、アマニ油、あるいはそれらの分別油やランダムエステル交換油、1、3-位に特異的なリパーゼによるエステル交換油や脂肪酸とのアシドリシスにより得られた油脂等が挙げられ、それらを1種または2種以上選択することができる。これらの油脂は、物理的、化学的な手法を問わず、脱ガム、脱酸、脱色、脱臭の精製工程を経た油脂であることが好ましい。
さらに、本発明の粉末油脂用油脂組成物は、構成する脂肪酸として炭素数8~14の飽和脂肪酸10~30質量%、炭素数16~18の飽和脂肪酸20~30質量%、リノール酸及びα-リノレン酸の合計が7~20質量%、リノール酸とα-リノレン酸の構成割合の比(リノール酸/α-リノレン酸)が3~19であることを特徴とする。構成脂肪酸としてこの範囲であれば、得られた粉末油脂用油脂組成物を用いた粉末油脂において、熱水溶解時や保管中における原料由来の戻り臭を抑制することができ、さらに保管中の粉末からの油脂の分離や溶解時の油脂の分離を抑えることができる。
また、本発明の粉末油脂用油脂組成物を構成する脂肪酸において、リノール酸及びα-リノレン酸の合計が7~20質量%、「リノール酸/α-リノレン酸」が3~19とすることで、日本人の食事摂取基準やCODEXに定められている、もしくは、母乳脂に近似した必須脂肪酸を含む油脂組成物を提供できる。
本発明の粉末油脂用油脂組成物を構成する脂肪酸において、炭素数8~14の飽和脂肪酸が10質量%未満の場合、本発明の粉末油脂用油脂組成物を用いた粉末油脂の溶解性が悪化する。炭素数8~14の飽和脂肪酸が30質量%より多い場合、得られた粉末油脂用油脂組成物を用いた粉末油脂を熱水に溶解した際、その油相部が分離し易くなる。
本発明の粉末油脂用油脂組成物を構成する脂肪酸において、炭素数16~18の飽和脂肪酸が20質量%未満の場合、得られた粉末油脂用油脂組成物を用いた粉末油脂を熱水に溶解した際、その油相部が分離し易くなり、且つ、保管中の粉末より油脂分離が発生し易くなる。炭素数16~18の飽和脂肪酸が30質量%より多い場合、得られた粉末油脂用油脂組成物を用いた粉末油脂の熱水への溶解性が悪化する。
本発明の粉末油脂組成物において、リノール酸及びα-リノレン酸の合計が20質量%よりも多く含まれる場合、得られる粉末油脂において、熱水溶解時や保管中における原料由来の戻り臭が発生し易くなる。
本発明の粉末油脂用油脂組成物は、その上昇融点が20~35℃であることを特徴とする。上昇融点が20℃未満の場合、得られた粉末油脂用油脂組成物を用いた粉末油脂の保管中、油脂の染み出しが発生し易くなる。上昇融点が35℃よりも高い場合、得られた粉末油脂用油脂組成物を用いた粉末油脂の熱水への溶解性が悪化する。
本発明の粉末油脂用油脂組成物は、油脂組成物100質量部に対して、トコフェロールを0.01~0.03質量部含有し、前記トコフェロールは、総トコフェロール中のα-トコフェロールの含有量が10質量%以下であることが好ましい。ここで、総トコフェロールとは、α体、γ体、δ体のトコフェロールの総量である。総トコフェロール中にα-トコフェロールが10質量%より多く含まれる場合、また、α-トコフェロールを10質量%以下含有するトコフェロールが0.01質量部未満や、0.03質量部よりも多く含まれる場合、得られる粉末油脂において、熱水への溶解時や、保管時における原料由来の戻り臭が発生し易くなる。
総トコフェロール中のα-トコフェロールの含有量が10質量%以下であり、使用に適するトコフェロール製剤としては、イーミックスD(三菱フードケミカル(株)製)等が挙げられる。
本発明には、上記のトコフェロール製剤以外に、油脂の酸化防止に通常用いられる酸化防止剤を併用しても良い。油脂の酸化防止に通常用いられる酸化防止剤として、例えば、各種トコトリエノール類、アスコルビン酸、そのエステル体、クエン酸、そのエステル体、ローズマリー抽出物やヤマモモ抽出物等の各種ポリフェノール類が挙げられ、これらを1種または2種以上選択することができる。
本発明の粉末油脂用油脂組成物は、粉末油脂として利用するものであり、特に好ましくは調製粉乳用の粉末油脂に利用するものである。
[粉末油脂]
本発明の粉末油脂は、上記粉末油脂用油脂組成物に被覆剤を被覆してなる油脂組成物である。被覆剤は、通常の粉末油脂の製造に使用されているコーティング剤であればいずれでも良く、粉末油脂の目的に応じて適宜選択されるものである。
例えば、タンパク質や多糖類、乳化性糖質が挙げられる。タンパク質として、乳タンパク、大豆タンパク、小麦タンパク、脱脂粉乳等が挙げられる。多糖類としては、デキストリンやオリゴ糖が挙げられる。乳化性糖質としては、アラビアガムやオクテニルコハク酸エステル化デンプン等の加工デンプンが挙げられる。これらのタンパク質及び多糖類、乳化性糖質は、1種でも良いし、2種以上使用しても構わない。
これら被覆剤の添加量は、上記粉末油脂用油脂組成物100質量部に対し1~600質量部であることが好ましい。この範囲内であれば、目標とする日本人の食事摂取基準やCODEXに設定されたリノール酸とα-リノレン酸の目安量を摂取できるよう、本発明における粉末油脂の食品への添加量が調整し易くなる。
さらに、粉末油脂製造時における本発明の粉末油脂用油脂組成物の乳化性を向上させるために、各種乳化剤を使用することができる。
乳化剤としては、レシチン等のリン脂質、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル等が挙げられる。
本発明の粉末油脂には、無機塩、乳化性糖質以外の糖質を使用しても構わない。
無機塩としては、リン酸3ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム等のリン酸塩やクエン酸3ナトリウム等のクエン酸塩が挙げられる。
乳化性糖質以外の糖質としては、ショ糖、ブドウ糖、麦芽糖、乳糖、果糖、水あめ、コーンスターチ、デキストリン、小麦デンプン、馬鈴薯デンプン、キサンタンガム、グアーガム等が挙げられる。
上記乳化剤の添加量は、粉末油脂用油脂組成物100質量部に対し0.1~10質量部、無機塩は0.1~5質量部、乳化性糖質以外の糖質は0.1~200質量部使用することが好ましい。これらの素材は、目的とする粉末油脂の物性により2種類以上を組み合わせて使用しても良い。
上記添加物以外の添加物として、本発明の効果を損なわない範囲で、着色料、香料、各種ビタミン類、ミネラル類等の添加物を1種または、2種以上配合しても構わない。
本発明の粉末油脂用油脂組成物を用いて、粉末油脂は例えば以下のように製造することができる。ただし、製造方法は以下に限定されるものではない。
まず、水に被覆剤や水溶性の無機塩等を混合し、完全に溶解させた後60~80℃に昇温する。これを水相部とする。次に本発明の粉末油脂用油脂組成物を60~80℃に昇温し、完全に溶解させた後、油溶性の乳化剤、トコフェロールを混合、溶解させる。これを油相部とする。その後、水相部に油相部を添加し、60~80℃にて20~60分攪拌し予備乳化する。得られた乳化物を5~30MPaにて均質化させ、ノズル式やアトマイザー式等の公知の噴霧乾燥機を用いてスプレードライし、粉末油脂を得る。
本発明の粉末油脂は、その油脂含量や副原料の配合により、様々な食品に利用することが可能である。食品の例としては、例えば食パンや菓子パン等のパン類、ホットケーキ等のミックス粉、クッキーやビスケット、チョコレート、グミ等のお菓子、ヨーグルトやチーズ等の乳製品、粉末スープや粉末クリーム等の粉末食品、サプリメントに代表される栄養補助食品、さらには粉ミルク等の調製粉乳、介護食や医療栄養食等が挙げられる。本発明の粉末油脂の用途としては、特に好ましくは調製粉乳用の粉末油脂である。
以下に、実施例および比較例を挙げ、本発明をさらに詳しく説明する。
表1に実施例および比較例に使用する原料油脂の構成脂肪酸組成の分析例を示す。各原料油脂の脂肪酸組成は「基準油脂分析試験法2.4.2.2-2013」に準じて分析した。
Figure 0007279467000001
〔粉末油脂用油脂組成物の原料油脂の製造〕
本発明では粉末油脂用油脂組成物に用いる原料油脂として、表2に示す配合でエステル交換油を調製した。製造例1~5のエステル交換油を原料油脂P-1~P-5、製造例6~9のエステル交換油を原料油脂Q-1~Q-4とした。なお、製造例10は、製造例1のエステル交換油と同じ配合であって、エステル交換を行わない油脂であり、原料油脂Q-5とした。
Figure 0007279467000002
[実施例の製造]
原料油脂P-1~P-5及び各種油脂を選択、それにトコフェロールを添加し、実施例1~5の粉末油脂用油脂組成物を製造した。各実施例の配合について、表3に示す。さらに、これら油脂組成物を用いて以下に示す方法にて粉末油脂を製造、評価し、その結果を表3に示した。
[トコフェロール]
実施例および比較例には以下のトコフェロール製剤を使用した。
α-トコフェロールを10質量%以下含有するトコフェロール:製剤中のα-トコフェロール含量が0.4質量%であるトコフェロール製剤である「イーミックスD」(三菱フードケミカル(株)製)
α-トコフェロールを10質量%より多く含有するトコフェロール:製剤中のα-トコフェロール含量が46.6質量%であるトコフェロール製剤である「トコフェロール85」(日清オイリオグループ(株)製)
[ランダムエステル交換油の製造]
ランダムエステル交換油(原料油脂P-1~P-5、原料油脂Q-1~Q-5)は以下のように製造した。
反応容器に原料混合油を仕込み、窒素気流中、撹拌しつつ加熱した。100℃~120℃の状態で3時間以上この状態を保ち、油脂中の水分が100ppm以下になるまで脱水した。その後、油脂を80℃まで冷却し、アルカリ触媒(ナトリウムメチラート)を0.15質量部加え、撹拌下窒素気流中で30分間反応させた。触媒除去のため、反応液に70℃の温水を加え撹拌して洗浄した後、静置して油層と水層を分離した。分離した水層のpHが8以下になるまで温水洗浄を繰り返した後、窒素気流中、撹拌しつつ加熱し、100℃~120℃で水分が蒸発しなくなるまで脱水した。次いで、活性白土を3質量部加え15分間脱色した後、濾過し、ランダムエステル交換油を得た。
[粉末油脂の製造]
粉末油脂は以下のように製造した。
水2000gに対し、ラクトース520g、デキストリン425g、メタリン酸ナトリウム20gを攪拌しながら添加し、65℃まで昇温後、20分間攪拌を続け、完全に溶解させたものを水相部とした。一方、上記で製造した油脂組成物2700gを70℃まで昇温し、エマルジーMS(理研ビタミン(株)製)40gを添加、攪拌しながら完全に溶解させたものを油相部とした。その後、上記水相部に上記油相部を攪拌しながら添加し、75℃まで昇温させ、20分間予備乳化を行った。これにより得られた予備乳化液を、ホモジナイザーを用いて20MPaの加圧によって均質化した後、アトマイザー式スプレードライヤーにて噴霧乾燥させ、粉末油脂を得た。この粉末油脂を目開き1mmの篩にかけ、均一な粒径の粉末油脂を製造した。
(粉末溶解時の戻り臭の評価)
得られた粉末油脂10gを80℃の熱水100gに攪拌しながら完全に溶解させた後、10人のパネラーにてその臭い及び味を確認した。臭い及び味の評価は「青臭さ、枯れ草臭、異味異臭」について評価し、以下の基準にて採点した。
臭い及び味において、青臭さ、枯れ草臭、異臭が感じられない:2点
臭いにおいては青臭さ、枯れ草臭、異臭が感じられないものの、味において
青臭さ、枯れ草臭、異味が感じられる:1点
臭い及び味において、青臭さ、枯れ草臭、異味異臭が感じられる:0点
これら10人の採点結果の平均点が、1.5点以上を◎、1.5点未満から1.0点以上を○、1.0点未満から0.5点以上を△、0.5点未満を×とした。
(粉末溶解時の粉末の溶解性)
得られた粉末油脂20gを50℃の熱水100gに攪拌しながら溶解させた際の溶解性や解け易さについて、以下の基準により採点した。
添加、攪拌後1分以内に溶解:◎
添加、攪拌後1~2分以内に溶解:〇
添加、攪拌後2分以上かかり溶解:△
添加、攪拌時にダマが残り、完全な溶解が困難:×
(粉末溶解時の油相部の分離)
得られた粉末油脂10gを80℃の熱水100gに攪拌しながら完全に溶解させた後、油相部の分離の有無について、以下の基準により採点した。
油相部の分離なし:〇
油相部の分離がわずかにある:△
油相部の分離が多い:×
(粉末保管時の戻り臭)
得られた粉末油脂100gについて、遮光性を有するアルミ製の袋に充填し、30℃恒温槽にて1ヶ月保管した後、その粉末油脂の臭いを10人のパネラーが評価した。臭いの評価は、前述の熱水への溶解時の戻り臭の確認時と同様、「青臭さ、枯れ草臭、異臭」について評価し、以下の基準にて採点した。
青臭さ、枯れ草臭、異臭が感じられない:2点
袋を開けて鼻を近付けた際に、青臭さ、枯れ草臭、異臭が感じられる:1点
袋を開けた瞬間に、青臭さ、枯れ草臭、異臭が強く感じられる:0点
これら10人の採点結果の平均点が、1.5点以上を◎、1.5点未満から1.0点以上を○、1.0点未満から0.5点以上を△、0.5点未満を×とした。
(粉末保管時の油脂の染み出し)
得られた粉末油脂500gを、透明のビニール袋に3袋充填、封をした後、30℃恒温槽に3袋を積み上げて1ヶ月間保管した。その後、3袋の中で一番下に保管していた粉末油脂の袋中における油脂の染み出しの有無を、以下の基準により採点した。
油相部の染み出しが認められない:〇
油相部の染み出しがわずかながら認められる:△
油相部の染み出しが明らかに認められる:×
Figure 0007279467000003
〔比較例の製造〕
前述の原料油脂P-1、Q-1~Q-5の各油脂に、前述のトコフェロールを配合し、比較例1~13の粉末油脂用油脂組成物を製造した。各比較例の油脂配合及びトコフェロールの配合は表4に示した。これら油脂組成物を用いて前述の方法により粉末油脂を製造、評価し、結果を表4に示した。
Figure 0007279467000004
実施例1~5において、本発明の粉末油脂用油脂組成物を用いることにより、n-6系脂肪酸であるリノール酸及びn-3系脂肪酸であるα-リノレン酸を合わせて8~23%の範囲内で含み、且つ「リノール酸/α-リノレン酸」の比が3~15である粉末油脂でありながら、熱水溶解時や保管中の原料油脂由来の戻り臭を抑制することができ、さらに保管中の粉末からの油脂の分離や溶解時の油脂の分離が認められない粉末油脂を得ることができた。
一方、比較例1及び2は、ランダムエステル交換油を構成する脂肪酸において、リノール酸とα-リノレン酸の合計が15質量%未満、比較例3は、リノール酸とα-リノレン酸の合計が30質量より多く、本発明とは異なる例であるが、粉末油脂溶解時や保管中の戻り臭が発生することがわかった。比較例4は、ランダムエステル交換油、粉末油脂用油脂組成物の脂肪酸組成は本発明の範囲内であるものの、上昇融点が本発明とは異なる例であるが、粉末油脂の溶解性が悪くなることがわかった。比較例5は、エステル交換油を用いていない例であるが、比較例1や2と同様、粉末油脂溶解時や保管中の戻り臭が発生することがわかった。比較例6~9は、構成脂肪酸が本発明とは異なる例、比較例10は構成脂肪酸且つ上昇融点が本発明とは異なる例であるが、それぞれ粉末油脂の溶解性が悪化したり、熱水溶解時や保管中の油脂の分離が認められたりした。比較例11、12はトコフェロールが本発明と同様のものを用いているものの、添加量が異なる例、比較例13はトコフェロールの種類が異なり、α-トコフェロールが多く含まれる例であるが、それぞれ粉末油脂溶解時や保管中の戻り臭が発生することが明らかとなった。
実施例1と比較例5、13を対比すると、リノール酸とα-リノレン酸を15~30質量%含む油脂をランダムエステル交換し、かつ、総トコフェロール中のα-トコフェロールの含有量が10質量%以下であるトコフェロールを添加することにより、戻り臭の発生を抑制することができた。

Claims (1)

  1. 構成する脂肪酸がリノール酸とα-リノレン酸の合計で15~30質量%であるランダムエステル交換油を50質量%以上含む油脂組成物であって、
    油脂組成物を構成する脂肪酸が、炭素数8~14の飽和脂肪酸10~30質量%、炭素数16~18の飽和脂肪酸20~30質量%、リノール酸及びα-リノレン酸の合計量7~20質量%、リノール酸とα-リノレン酸の構成割合の比(リノール酸/α-リノレン酸)が3~19であり、
    前記油脂組成物100質量部に対して、総トコフェロール中のα-トコフェロールの含有量が10質量%以下であるトコフェロールを0.01~0.03質量部含有し、
    且つ上昇融点が20~35℃である粉末油脂用油脂組成物を含む、調製粉乳用の粉末油脂
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