JPH08257348A - 排煙脱硫装置における循環液の放流量制御方法 - Google Patents
排煙脱硫装置における循環液の放流量制御方法Info
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- JPH08257348A JPH08257348A JP7068412A JP6841295A JPH08257348A JP H08257348 A JPH08257348 A JP H08257348A JP 7068412 A JP7068412 A JP 7068412A JP 6841295 A JP6841295 A JP 6841295A JP H08257348 A JPH08257348 A JP H08257348A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 ボイラー等各種工業炉の燃焼排ガスからＳＯ
ｘガスを除去するための排煙脱硫装置において、排気中
のＳＯｘ量を安定して確実に規制値以下にするととも
に、排ガスのばいじんを除去し、吸収塔循環液のばいじ
ん量増加によるトラブル発生のおそれを解消する。 【構成】 燃焼排ガス中のＳＯｘおよびばいじんを吸収
塔の循環液で捕捉して排気し、該循環液の一部を放流
し、ＳＯｘ吸収剤および水を補給する排煙脱硫装置にお
いて、該循環液の反応生成物濃度基準およびばいじん濃
度基準を定め、該両基準がともに維持されるように、吸
収塔入側のＳＯｘ量およびばいじん量に基づいて循環液
の放流量を制御する。
ｘガスを除去するための排煙脱硫装置において、排気中
のＳＯｘ量を安定して確実に規制値以下にするととも
に、排ガスのばいじんを除去し、吸収塔循環液のばいじ
ん量増加によるトラブル発生のおそれを解消する。 【構成】 燃焼排ガス中のＳＯｘおよびばいじんを吸収
塔の循環液で捕捉して排気し、該循環液の一部を放流
し、ＳＯｘ吸収剤および水を補給する排煙脱硫装置にお
いて、該循環液の反応生成物濃度基準およびばいじん濃
度基準を定め、該両基準がともに維持されるように、吸
収塔入側のＳＯｘ量およびばいじん量に基づいて循環液
の放流量を制御する。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、ボイラー等各種工業炉
の燃焼排ガスからＳＯｘガスを除去するための排煙脱硫
装置において、吸収塔循環液の濃度を、反応生成物およ
びばいじん量を考慮して適正範囲に維持する放流量制御
方法に関するものである。
の燃焼排ガスからＳＯｘガスを除去するための排煙脱硫
装置において、吸収塔循環液の濃度を、反応生成物およ
びばいじん量を考慮して適正範囲に維持する放流量制御
方法に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】ボイラー等各種工業炉の燃焼排ガスには
ＳＯｘガスが含まれているので、排煙脱硫装置を設けて
ＳＯｘを環境基準値以下に低減している。従来の排煙脱
硫装置では、図４に示すように、燃焼排ガスを入側配管
１から吸収塔２に導入し、循環液３でＳＯｘを捕捉して
環境基準値以下にし、図の上方に排気している。循環液
３には、水酸化マグネシウム等のＳＯｘ吸収剤が含まれ
ており、循環ポンプ９で循環させ、吸収塔２の上部から
シャワー状に落下させて、吸収剤と排ガス中のＳＯｘと
を反応させる。
ＳＯｘガスが含まれているので、排煙脱硫装置を設けて
ＳＯｘを環境基準値以下に低減している。従来の排煙脱
硫装置では、図４に示すように、燃焼排ガスを入側配管
１から吸収塔２に導入し、循環液３でＳＯｘを捕捉して
環境基準値以下にし、図の上方に排気している。循環液
３には、水酸化マグネシウム等のＳＯｘ吸収剤が含まれ
ており、循環ポンプ９で循環させ、吸収塔２の上部から
シャワー状に落下させて、吸収剤と排ガス中のＳＯｘと
を反応させる。
【０００３】この脱硫反応により循環液３のＳＯｘ吸収
剤が減少し、硫酸マグネシウム等の反応生成物が増加す
るので、循環液３の一部を循環経路から酸化塔４に放流
し、スラリー状のＳＯｘ吸収剤を供給ポンプ８から吸収
塔２に補給するとともに、液面計１３と連動させた液面
制御弁１１を制御して水を補給し、循環液３のＳＯｘ吸
収能および液量を所定範囲内に維持している。放流され
た循環液には、未反応のＳＯｘ吸収剤が含まれているの
で、酸化塔４で酸化中和し排出している。
剤が減少し、硫酸マグネシウム等の反応生成物が増加す
るので、循環液３の一部を循環経路から酸化塔４に放流
し、スラリー状のＳＯｘ吸収剤を供給ポンプ８から吸収
塔２に補給するとともに、液面計１３と連動させた液面
制御弁１１を制御して水を補給し、循環液３のＳＯｘ吸
収能および液量を所定範囲内に維持している。放流され
た循環液には、未反応のＳＯｘ吸収剤が含まれているの
で、酸化塔４で酸化中和し排出している。
【０００４】このような排煙脱硫装置において、吸収塔
２出側の排ガスのＳＯｘ濃度を常に規制値以下に維持す
るためには、循環液３のＳＯｘ吸収剤濃度が常に所定の
基準範囲内に維持されるよう管理しなければならない。
そのため、従来、吸収塔２から酸化塔４への循環液３の
放流を、固定量放流、あるいはｐＨ制御放流で行ってい
た。固定量放流は、炉の燃料構成および最大負荷時の燃
焼量等から排ガスの最大ＳＯｘ濃度を予測し、これを規
制値以下に脱硫するに要するＳＯｘ吸収剤が、循環液３
に常に含まれるように、一定量放流し、吸収剤および水
を補給する方法である。
２出側の排ガスのＳＯｘ濃度を常に規制値以下に維持す
るためには、循環液３のＳＯｘ吸収剤濃度が常に所定の
基準範囲内に維持されるよう管理しなければならない。
そのため、従来、吸収塔２から酸化塔４への循環液３の
放流を、固定量放流、あるいはｐＨ制御放流で行ってい
た。固定量放流は、炉の燃料構成および最大負荷時の燃
焼量等から排ガスの最大ＳＯｘ濃度を予測し、これを規
制値以下に脱硫するに要するＳＯｘ吸収剤が、循環液３
に常に含まれるように、一定量放流し、吸収剤および水
を補給する方法である。
【０００５】ｐＨ制御放流は、循環液３のＳＯｘ吸収剤
濃度をｐＨ計測により管理するものである。図４に示す
ように、循環液３の循環経路から分岐させた経路にｐＨ
計１４を設け、該計測値に基づき演算制御器１６で放流
量を演算し、放流量制御弁１２により放流量を制御する
とともに、該計測値に基づきｐＨ制御弁１０により吸収
剤の供給量を制御し、また循環液３の液面を液面計１３
で監視して液面制御弁１１により水補給を行う方法であ
る。なお放流量制御弁１２は、流量計１５の計測値によ
りフィードバック制御される。
濃度をｐＨ計測により管理するものである。図４に示す
ように、循環液３の循環経路から分岐させた経路にｐＨ
計１４を設け、該計測値に基づき演算制御器１６で放流
量を演算し、放流量制御弁１２により放流量を制御する
とともに、該計測値に基づきｐＨ制御弁１０により吸収
剤の供給量を制御し、また循環液３の液面を液面計１３
で監視して液面制御弁１１により水補給を行う方法であ
る。なお放流量制御弁１２は、流量計１５の計測値によ
りフィードバック制御される。
【０００６】また、本発明者等は、排ガスのＳＯｘ量変
動に合せたフィードフォワード制御により、循環液の放
流およびＳＯｘ吸収剤の供給を行う制御方法を、特願平
６−７２１７５号により提案している。該制御方法は、
燃料の成分および供給量から燃焼排ガス中のＳＯｘ量を
予測し、該予測値に基づいて循環液の放流量を制御する
とともに、該予測値および循環液のｐＨ値に基づいて循
環液へのＳＯｘ吸収剤の供給量を制御する方法である。
これにより、水酸化マグネシウム等ＳＯｘ吸収剤の過剰
供給がなくなり、また吸収剤の過剰排出がなくなり廃液
処理の負荷が軽減されるので、ランニングコストが低減
できる。
動に合せたフィードフォワード制御により、循環液の放
流およびＳＯｘ吸収剤の供給を行う制御方法を、特願平
６−７２１７５号により提案している。該制御方法は、
燃料の成分および供給量から燃焼排ガス中のＳＯｘ量を
予測し、該予測値に基づいて循環液の放流量を制御する
とともに、該予測値および循環液のｐＨ値に基づいて循
環液へのＳＯｘ吸収剤の供給量を制御する方法である。
これにより、水酸化マグネシウム等ＳＯｘ吸収剤の過剰
供給がなくなり、また吸収剤の過剰排出がなくなり廃液
処理の負荷が軽減されるので、ランニングコストが低減
できる。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】ボイラー等各種工業炉
の排ガスにはばいじんが含まれているので、排煙脱硫装
置の炉側に集塵機を設けて除去している。集塵機として
は電気集塵機等が使用されているが、通常、細粒のばい
じんが排煙脱硫装置に導入され、吸収塔の循環液に捕捉
されて除去される。したがって、循環液中のばいじん量
が逐時増加することになる。しかし、上記従来の循環液
管理において、循環液を過剰気味に放流する固定量放流
の場合は、循環液中のばいじん量増加が抑えられるの
で、トラブル発生には至っていない。
の排ガスにはばいじんが含まれているので、排煙脱硫装
置の炉側に集塵機を設けて除去している。集塵機として
は電気集塵機等が使用されているが、通常、細粒のばい
じんが排煙脱硫装置に導入され、吸収塔の循環液に捕捉
されて除去される。したがって、循環液中のばいじん量
が逐時増加することになる。しかし、上記従来の循環液
管理において、循環液を過剰気味に放流する固定量放流
の場合は、循環液中のばいじん量増加が抑えられるの
で、トラブル発生には至っていない。
【０００８】ところが、ボイラーの燃料を変更する等に
より排ガス中のＳＯｘ量が低減した場合には、従来のＳ
Ｏｘ除去のみを考慮した循環液管理では、循環液の放流
量が減少し、該液中のばいじん量増加によってトラブル
発生のおそれが生じる。特に上記従来のｐＨ制御放流や
上記先願の制御方法による場合、入側のＳＯｘ量低減が
循環液放流量の減少に敏感に作用するので、循環液中の
ばいじん量増加によるトラブルが懸念される。また、従
来の設備において、集塵機の部分補修や故障等により排
煙脱硫装置入側のばいじん量が増加した場合も、ＳＯｘ
除去のみを考慮した従来の循環液管理では、循環液のば
いじん量が増加し、トラブルが懸念される。
より排ガス中のＳＯｘ量が低減した場合には、従来のＳ
Ｏｘ除去のみを考慮した循環液管理では、循環液の放流
量が減少し、該液中のばいじん量増加によってトラブル
発生のおそれが生じる。特に上記従来のｐＨ制御放流や
上記先願の制御方法による場合、入側のＳＯｘ量低減が
循環液放流量の減少に敏感に作用するので、循環液中の
ばいじん量増加によるトラブルが懸念される。また、従
来の設備において、集塵機の部分補修や故障等により排
煙脱硫装置入側のばいじん量が増加した場合も、ＳＯｘ
除去のみを考慮した従来の循環液管理では、循環液のば
いじん量が増加し、トラブルが懸念される。
【０００９】循環液中のばいじん量増加によるトラブル
の例としては、吸収塔内の気液接触用棚の目詰まり等に
より、塔内を落下する循環液に偏流が生じ、排ガスが吹
き抜け状態となって、ＳＯｘやばいじんの捕捉作用が低
下し、過剰のＳＯｘやばいじんを含むガスが排気される
こと、排ガスの流速により循環液が煙突から外部に吹飛
ばされること、循環液経路の機器などにばいじんが詰ま
って機器が故障すること、等がある。
の例としては、吸収塔内の気液接触用棚の目詰まり等に
より、塔内を落下する循環液に偏流が生じ、排ガスが吹
き抜け状態となって、ＳＯｘやばいじんの捕捉作用が低
下し、過剰のＳＯｘやばいじんを含むガスが排気される
こと、排ガスの流速により循環液が煙突から外部に吹飛
ばされること、循環液経路の機器などにばいじんが詰ま
って機器が故障すること、等がある。
【００１０】そこで本発明は、ボイラー等各種工業炉の
燃焼排ガスからＳＯｘガスを除去するための排煙脱硫装
置において、排気中のＳＯｘ量を安定して確実に規制値
以下にするとともに、排ガスのばいじんを除去し、吸収
塔循環液のばいじん量増加によるトラブル発生のおそれ
を解消した制御方法を提供することを目的とする。
燃焼排ガスからＳＯｘガスを除去するための排煙脱硫装
置において、排気中のＳＯｘ量を安定して確実に規制値
以下にするとともに、排ガスのばいじんを除去し、吸収
塔循環液のばいじん量増加によるトラブル発生のおそれ
を解消した制御方法を提供することを目的とする。
【００１１】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明は、燃焼排ガス中のＳＯｘおよびばいじんを吸
収塔の循環液で捕捉して排気し、該循環液の一部を放流
し、ＳＯｘ吸収剤および水を補給する排煙脱硫装置にお
いて、該循環液の反応生成物濃度基準およびばいじん濃
度基準を定め、該両基準がともに維持されるように、前
記吸収塔入側のＳＯｘ量およびばいじん量に基づいて前
記循環液の放流量を制御することを特徴とする排煙脱硫
装置における循環液の放流量制御方法である。
の本発明は、燃焼排ガス中のＳＯｘおよびばいじんを吸
収塔の循環液で捕捉して排気し、該循環液の一部を放流
し、ＳＯｘ吸収剤および水を補給する排煙脱硫装置にお
いて、該循環液の反応生成物濃度基準およびばいじん濃
度基準を定め、該両基準がともに維持されるように、前
記吸収塔入側のＳＯｘ量およびばいじん量に基づいて前
記循環液の放流量を制御することを特徴とする排煙脱硫
装置における循環液の放流量制御方法である。
【００１２】
【作用】本発明法を図１の例により説明する。入側配管
１から吸収塔２に導入された燃焼排ガス中のＳＯｘおよ
びばいじんを、吸収塔内の上部からシャワー状に落下さ
せている循環液３で捕捉し、清浄化した排ガスを上方に
排気する。循環液３には水酸化マグネシウム等のＳＯｘ
吸収剤が含まれており、循環ポンプ９で汲み上げて循環
させている。ＳＯｘの捕捉は、吸収剤とＳＯｘとの化学
反応により行われ、ばいじんの捕捉は、ばいじんが液中
に移行することにより行われるので、循環液３は、ＳＯ
ｘ吸収剤が減少し、硫酸マグネシウム等の反応生成物お
よびばいじんが増加する。
１から吸収塔２に導入された燃焼排ガス中のＳＯｘおよ
びばいじんを、吸収塔内の上部からシャワー状に落下さ
せている循環液３で捕捉し、清浄化した排ガスを上方に
排気する。循環液３には水酸化マグネシウム等のＳＯｘ
吸収剤が含まれており、循環ポンプ９で汲み上げて循環
させている。ＳＯｘの捕捉は、吸収剤とＳＯｘとの化学
反応により行われ、ばいじんの捕捉は、ばいじんが液中
に移行することにより行われるので、循環液３は、ＳＯ
ｘ吸収剤が減少し、硫酸マグネシウム等の反応生成物お
よびばいじんが増加する。
【００１３】そこで、循環液３の一部を循環経路から放
流量制御弁１２を経て放流し、吸収塔２には、供給ポン
プ８でスラリー状のＳＯｘ吸収剤を補給するとともに、
液面制御弁１１を経て水を補給する。放流した循環液
は、酸化塔４にて未反応の吸収剤を中和して排出する。
ＳＯｘ吸収剤の補給量は、循環液３のｐＨ値に基づいて
ｐＨ制御弁１０により制御する。本例では、ｐＨ計１４
を循環経路から分岐させた経路に設けて計測している。
水の補給量は、吸収塔２の液面が所定レベルに維持され
るように、液面計１３と連動させた液面制御弁１１で制
御する。
流量制御弁１２を経て放流し、吸収塔２には、供給ポン
プ８でスラリー状のＳＯｘ吸収剤を補給するとともに、
液面制御弁１１を経て水を補給する。放流した循環液
は、酸化塔４にて未反応の吸収剤を中和して排出する。
ＳＯｘ吸収剤の補給量は、循環液３のｐＨ値に基づいて
ｐＨ制御弁１０により制御する。本例では、ｐＨ計１４
を循環経路から分岐させた経路に設けて計測している。
水の補給量は、吸収塔２の液面が所定レベルに維持され
るように、液面計１３と連動させた液面制御弁１１で制
御する。
【００１４】本発明法は、このような、吸収塔循環液の
一部を放流し、ＳＯｘ吸収剤および水を補給する排煙脱
硫装置において、循環液３の反応生成物濃度およびばい
じん濃度が所定の基準内に維持されるように、放流量を
制御する。吸収塔２に導入された燃焼排ガスのＳＯｘ
は、ＳＯｘ吸収剤たとえばＭｇ（ＯＨ）2 （水酸化マグ
ネシウム）と反応して、反応生成物たとえばＭｇＳＯ3
2+を生じる。このような反応生成物が増加すると、従来
のようにｐＨ値を所定値以上に制御していても、ＳＯｘ
との反応が鈍化するので、安定して確実に所定の脱硫が
行えるように、反応生成物濃度の基準値を定める。そし
て、ばいじん濃度については、吸収塔内の気液接触用棚
の目詰まりや、循環液経路の機器に故障のおそれが生じ
ない条件として基準値を定める。そして、双方の基準が
ともに維持されるように、吸収塔入側のＳＯｘ量および
ばいじん量に基づいて循環液の放流量をフィードフォワ
ード制御する。
一部を放流し、ＳＯｘ吸収剤および水を補給する排煙脱
硫装置において、循環液３の反応生成物濃度およびばい
じん濃度が所定の基準内に維持されるように、放流量を
制御する。吸収塔２に導入された燃焼排ガスのＳＯｘ
は、ＳＯｘ吸収剤たとえばＭｇ（ＯＨ）2 （水酸化マグ
ネシウム）と反応して、反応生成物たとえばＭｇＳＯ3
2+を生じる。このような反応生成物が増加すると、従来
のようにｐＨ値を所定値以上に制御していても、ＳＯｘ
との反応が鈍化するので、安定して確実に所定の脱硫が
行えるように、反応生成物濃度の基準値を定める。そし
て、ばいじん濃度については、吸収塔内の気液接触用棚
の目詰まりや、循環液経路の機器に故障のおそれが生じ
ない条件として基準値を定める。そして、双方の基準が
ともに維持されるように、吸収塔入側のＳＯｘ量および
ばいじん量に基づいて循環液の放流量をフィードフォワ
ード制御する。
【００１５】この例では、吸収塔２の入側配管１にＳＯ
ｘ濃度計５およびばいじん濃度計６を設け、各計測値を
演算制御器７に入力する。演算制御器７には、反応生成
物濃度基準およびばいじん濃度基準をあらかじめ入力し
ておき、ＳＯｘ濃度計５の計測値から算出される循環液
の反応生成物濃度、およびばいじん濃度計６の計測値か
ら算出される循環液のばいじん濃度が、それぞれ基準内
に維持されるための放流量を演算する。そして、得られ
た両放出量の大きい方の値を採用して、放流量制御弁１
２を制御し放流を行う。
ｘ濃度計５およびばいじん濃度計６を設け、各計測値を
演算制御器７に入力する。演算制御器７には、反応生成
物濃度基準およびばいじん濃度基準をあらかじめ入力し
ておき、ＳＯｘ濃度計５の計測値から算出される循環液
の反応生成物濃度、およびばいじん濃度計６の計測値か
ら算出される循環液のばいじん濃度が、それぞれ基準内
に維持されるための放流量を演算する。そして、得られ
た両放出量の大きい方の値を採用して、放流量制御弁１
２を制御し放流を行う。
【００１６】実際の放流量は、流量計１５で計測し演算
制御器７に入力して、放流制御弁１２をフィードバック
制御する。またｐＨ制御弁１０は、演算制御器７にて、
採用された上記放流量に基づき、所定のｐＨを維持する
に必要なＳＯｘ吸収剤の量を演算し、その指示により制
御される。なお、本発明法において、吸収塔入側のＳＯ
ｘ量は、図１のようにＳＯｘ濃度計５で計測するほか、
前記特願平６−７２１７５号により提案したような、燃
料の成分および供給量から予測した値とすることもでき
る。
制御器７に入力して、放流制御弁１２をフィードバック
制御する。またｐＨ制御弁１０は、演算制御器７にて、
採用された上記放流量に基づき、所定のｐＨを維持する
に必要なＳＯｘ吸収剤の量を演算し、その指示により制
御される。なお、本発明法において、吸収塔入側のＳＯ
ｘ量は、図１のようにＳＯｘ濃度計５で計測するほか、
前記特願平６−７２１７５号により提案したような、燃
料の成分および供給量から予測した値とすることもでき
る。
【００１７】本発明法は、このように、吸収塔循環液の
反応生成物量およびばいじん量を適正範囲に制御するの
で、燃焼排ガス中のＳＯｘを安定して確実に規制値以下
に除去するとともに、ばいじんによる吸収塔および循環
液経路の各種トラブルが解消される。また、本発明法の
採用により、排煙脱硫装置のばいじん除去能力を積極的
に活用することもできる。すなわち、前工程における従
来の集塵装置と組合わせ、能力的、コスト的に最適な集
塵脱硫設備を構成することができる。
反応生成物量およびばいじん量を適正範囲に制御するの
で、燃焼排ガス中のＳＯｘを安定して確実に規制値以下
に除去するとともに、ばいじんによる吸収塔および循環
液経路の各種トラブルが解消される。また、本発明法の
採用により、排煙脱硫装置のばいじん除去能力を積極的
に活用することもできる。すなわち、前工程における従
来の集塵装置と組合わせ、能力的、コスト的に最適な集
塵脱硫設備を構成することができる。
【００１８】
（本発明例）図１において、Ｍｇ（ＯＨ）2 （水酸化マ
グネシウム）をＳＯｘ吸収剤として循環液３に供給し、
ボイラーの排煙脱硫を行った。循環液中の反応生成物濃
度基準は、ＭｇＳＯ3 2+濃度１６０００mg／l 以下と
し、ばいじん濃度基準は３０００mg／l 以下とした。ボ
イラーの燃料を、 （Ａ） 石炭１００％ （Ｂ） 石炭＋ＢＦＧ ８０，０００Nm3 ／hr とした場合、それぞれについて、ＳＯｘ濃度計５および
ばいじん濃度計６により吸収塔入側のＳＯｘ濃度および
ばいじん濃度を計測し、演算制御器７に入力して循環液
３の所要放流量をもとめ、放流量制御弁１２を制御して
放流を行った。
グネシウム）をＳＯｘ吸収剤として循環液３に供給し、
ボイラーの排煙脱硫を行った。循環液中の反応生成物濃
度基準は、ＭｇＳＯ3 2+濃度１６０００mg／l 以下と
し、ばいじん濃度基準は３０００mg／l 以下とした。ボ
イラーの燃料を、 （Ａ） 石炭１００％ （Ｂ） 石炭＋ＢＦＧ ８０，０００Nm3 ／hr とした場合、それぞれについて、ＳＯｘ濃度計５および
ばいじん濃度計６により吸収塔入側のＳＯｘ濃度および
ばいじん濃度を計測し、演算制御器７に入力して循環液
３の所要放流量をもとめ、放流量制御弁１２を制御して
放流を行った。
【００１９】なお、循環液３のｐＨが５．９〜６．１を
維持するよう、ｐＨ計１４の計測値に基づき、ｐＨ制御
弁１０を制御して、Ｍｇ（ＯＨ）2 スラリーを供給し、
液面計１３に基づく液面制御弁１１の制御により水を補
給した。吸収塔入側の排ガス流量は、（Ａ）の場合 １
８１，０６０Nm3 ／hr、（Ｂ）の場合 ２４４，３７０
Nm3 ／hr（いずれもｗｅｔ状態）であった。
維持するよう、ｐＨ計１４の計測値に基づき、ｐＨ制御
弁１０を制御して、Ｍｇ（ＯＨ）2 スラリーを供給し、
液面計１３に基づく液面制御弁１１の制御により水を補
給した。吸収塔入側の排ガス流量は、（Ａ）の場合 １
８１，０６０Nm3 ／hr、（Ｂ）の場合 ２４４，３７０
Nm3 ／hr（いずれもｗｅｔ状態）であった。
【００２０】循環液放出流量の演算例として、吸収塔入
側のばいじん濃度に基づくものを図２に、ＳＯｘ濃度に
基づくものを図３に示す。破線が（Ａ）の場合、実線が
（Ｂ）の場合であり、各線で示される値以上を放流す
る。演算制御器７にて、各計測結果と図２および図３の
関係から、所要の放流量を求め、両者を比較して大きい
方の値を採用し、放流制御弁１２を制御して放流を行っ
た。この結果、吸収塔出側排ガスのＳＯｘ濃度は環境基
準値を大幅に下回るものであり、微細なばいじんも除去
され、かつ、循環液のばいじん量増加によるトラブル発
生のおそれが解消された。
側のばいじん濃度に基づくものを図２に、ＳＯｘ濃度に
基づくものを図３に示す。破線が（Ａ）の場合、実線が
（Ｂ）の場合であり、各線で示される値以上を放流す
る。演算制御器７にて、各計測結果と図２および図３の
関係から、所要の放流量を求め、両者を比較して大きい
方の値を採用し、放流制御弁１２を制御して放流を行っ
た。この結果、吸収塔出側排ガスのＳＯｘ濃度は環境基
準値を大幅に下回るものであり、微細なばいじんも除去
され、かつ、循環液のばいじん量増加によるトラブル発
生のおそれが解消された。
【００２１】（従来例）燃焼排ガス中のＳＯｘ量が少な
い場合において、吸収塔循環液中の反応生成物量および
ばいじん量を考慮せず、循環液の量を絞って運転してい
たところ、循環液中のばいじん量が増加したため、吸収
塔内の気液接触用棚の目詰まりにより、塔内を落下する
循環液に偏流が生じ、排ガスが吹き抜け状態となって、
循環液の一部が排ガスとともに系外へ飛散するトラブル
が発生した。
い場合において、吸収塔循環液中の反応生成物量および
ばいじん量を考慮せず、循環液の量を絞って運転してい
たところ、循環液中のばいじん量が増加したため、吸収
塔内の気液接触用棚の目詰まりにより、塔内を落下する
循環液に偏流が生じ、排ガスが吹き抜け状態となって、
循環液の一部が排ガスとともに系外へ飛散するトラブル
が発生した。
【００２２】
【発明の効果】本発明法は、燃焼排ガス中のＳＯｘおよ
びばいじんを吸収塔の循環液で捕捉して排気し、該循環
液の一部を放流し、ＳＯｘ吸収剤および水を補給する排
煙脱硫装置において、該循環液の反応生成物濃度基準お
よびばいじん濃度基準を定め、該両基準がともに維持さ
れるように、吸収塔入側のＳＯｘ量およびばいじん量に
基づいて循環液の放流量を制御するので、燃焼排ガス中
のＳＯｘを安定して確実に規制値以下に除去するととも
に、ばいじんによる吸収塔および循環液経路の各種トラ
ブルが解消される。さらに、本発明法の採用により、排
煙脱硫装置のばいじん除去能力を積極的に活用し、前工
程における従来の集塵装置と組合わせ、能力的、コスト
的に最適な集塵脱硫設備を構成することもできる。
びばいじんを吸収塔の循環液で捕捉して排気し、該循環
液の一部を放流し、ＳＯｘ吸収剤および水を補給する排
煙脱硫装置において、該循環液の反応生成物濃度基準お
よびばいじん濃度基準を定め、該両基準がともに維持さ
れるように、吸収塔入側のＳＯｘ量およびばいじん量に
基づいて循環液の放流量を制御するので、燃焼排ガス中
のＳＯｘを安定して確実に規制値以下に除去するととも
に、ばいじんによる吸収塔および循環液経路の各種トラ
ブルが解消される。さらに、本発明法の採用により、排
煙脱硫装置のばいじん除去能力を積極的に活用し、前工
程における従来の集塵装置と組合わせ、能力的、コスト
的に最適な集塵脱硫設備を構成することもできる。
【図１】本発明法の説明図である。
【図２】本発明法の実施例における入側ばいじん濃度と
循環液放流量との関係を示すグラフである。
循環液放流量との関係を示すグラフである。
【図３】本発明法の実施例における入側ＳＯｘ濃度と循
環液放流量との関係を示すグラフである。
環液放流量との関係を示すグラフである。
【図４】従来法の説明図である。
１…入側配管 ２…吸収塔 ３…循環液 ４…酸化塔 ５…ＳＯｘ濃度計 ６…ばいじん濃度計 ７…演算制御器 ８…供給ポンプ ９…循環ポンプ １０…ｐＨ制御弁 １１…液面制御弁 １２…放流量制御弁 １３…液面計 １４…ｐＨ計 １５…流量計 １６…演算制御器
Claims (1)
- 【請求項１】 燃焼排ガス中のＳＯｘおよびばいじんを
吸収塔の循環液で捕捉して排気し、該循環液の一部を放
流し、ＳＯｘ吸収剤および水を補給する排煙脱硫装置に
おいて、該循環液の反応生成物濃度基準およびばいじん
濃度基準を定め、該両基準がともに維持されるように、
前記吸収塔入側のＳＯｘ量およびばいじん量に基づいて
前記循環液の放流量を制御することを特徴とする排煙脱
硫装置における循環液の放流量制御方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7068412A JPH08257348A (ja) | 1995-03-27 | 1995-03-27 | 排煙脱硫装置における循環液の放流量制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7068412A JPH08257348A (ja) | 1995-03-27 | 1995-03-27 | 排煙脱硫装置における循環液の放流量制御方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08257348A true JPH08257348A (ja) | 1996-10-08 |
Family
ID=13372943
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7068412A Pending JPH08257348A (ja) | 1995-03-27 | 1995-03-27 | 排煙脱硫装置における循環液の放流量制御方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH08257348A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2011065118A1 (ja) * | 2009-11-24 | 2011-06-03 | 三菱重工業株式会社 | 脱硫設備の運転制御システム |
| CN106731361A (zh) * | 2017-03-23 | 2017-05-31 | 佛山市兴涛美铝业有限公司 | 熔铸炉除尘系统 |
| JP2022045865A (ja) * | 2020-09-09 | 2022-03-22 | 株式会社一芯 | 脱臭装置及び脱臭方法 |
-
1995
- 1995-03-27 JP JP7068412A patent/JPH08257348A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2011065118A1 (ja) * | 2009-11-24 | 2011-06-03 | 三菱重工業株式会社 | 脱硫設備の運転制御システム |
| CN106731361A (zh) * | 2017-03-23 | 2017-05-31 | 佛山市兴涛美铝业有限公司 | 熔铸炉除尘系统 |
| JP2022045865A (ja) * | 2020-09-09 | 2022-03-22 | 株式会社一芯 | 脱臭装置及び脱臭方法 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20020305 |