JP2555873B2 - 排ガス中の水銀除去方法 - Google Patents
排ガス中の水銀除去方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、ごみ焼却炉等から排気される排ガス中の水
銀除去方法に関する。
銀除去方法に関する。
[従来技術] ごみ焼却炉の排ガス中には塩化水素,硫黄酸化物等の
有害ガスが含まれている。この有害ガスは種々の方法に
よって除去されているが、その方法の多くは、アルカリ
を添加した洗浄液と排ガスとを接触させる湿式洗浄法に
よって行われている。しかし、前記排ガス中には前記有
害ガスのほかに水銀および水銀化合物が含まれており、
これらの水銀も除去しなければならないが、塩化水素,
硫黄酸化物等を除去するための上記湿式洗浄法では、排
ガス中の水銀はその一部しか除去できず、水銀の除去を
併用することはできない。これは次のような理由による
ものと推定される。排ガス中の水銀の形態はその70〜80
%が水溶性の水銀であり、残りが不溶性の水銀(主に金
属水銀)とされている。このように、排ガス中の水銀の
多くが水溶性水銀であるにも拘らず、湿式洗浄法で除去
できないのは、排ガス中には水溶性の金属水銀が含まれ
ているほかに、水溶性の水銀が排ガス中に存在する亜硫
酸塩等の還元性物質によって還元されて金属水銀にな
り、再揮散されてしまうためである。
有害ガスが含まれている。この有害ガスは種々の方法に
よって除去されているが、その方法の多くは、アルカリ
を添加した洗浄液と排ガスとを接触させる湿式洗浄法に
よって行われている。しかし、前記排ガス中には前記有
害ガスのほかに水銀および水銀化合物が含まれており、
これらの水銀も除去しなければならないが、塩化水素,
硫黄酸化物等を除去するための上記湿式洗浄法では、排
ガス中の水銀はその一部しか除去できず、水銀の除去を
併用することはできない。これは次のような理由による
ものと推定される。排ガス中の水銀の形態はその70〜80
%が水溶性の水銀であり、残りが不溶性の水銀(主に金
属水銀)とされている。このように、排ガス中の水銀の
多くが水溶性水銀であるにも拘らず、湿式洗浄法で除去
できないのは、排ガス中には水溶性の金属水銀が含まれ
ているほかに、水溶性の水銀が排ガス中に存在する亜硫
酸塩等の還元性物質によって還元されて金属水銀にな
り、再揮散されてしまうためである。
このため、洗浄液に酸化剤を添加して還元性物質を酸
化し、水銀の除去率を向上させる方法が開発されてい
る。酸化剤としては、一般に次亜塩素酸塩が使用されて
いる。この方法は、還元性物質を酸化して水銀の再揮散
を防ぐとともに、不溶性の金属水銀を酸化して水溶性水
銀にし、水銀を洗浄液中に溶解させることができる。そ
の結果、水銀の除去率を高めることができる方法であ
る。
化し、水銀の除去率を向上させる方法が開発されてい
る。酸化剤としては、一般に次亜塩素酸塩が使用されて
いる。この方法は、還元性物質を酸化して水銀の再揮散
を防ぐとともに、不溶性の金属水銀を酸化して水溶性水
銀にし、水銀を洗浄液中に溶解させることができる。そ
の結果、水銀の除去率を高めることができる方法であ
る。
[発明が解決しようとする問題点] しかし、従来の技術には次のような問題点があった。
排ガス中の還元性物質の含有量はごみ質や燃焼状態によ
って変るので、時間的に大幅に変化する。従って、還元
性物質を酸化する酸化剤である次亜塩素酸塩の必要量も
変化し、次亜塩素酸塩の過不足が生ずる。この次亜塩素
酸塩の過不足は水銀除去装置の操業管理上極めて不都合
の問題となる。即ち、次亜塩素酸塩が不足した場合には
水銀の除去率が低下し、次亜塩素酸塩が必要以上に過剰
になった場合には水銀の除去率は高いが、洗浄液中の次
亜塩素酸塩の分解により排ガス中の塩素濃度が増加して
大気汚染物質の放出が起こり、好ましくない。このよう
に、酸化剤である次亜塩素酸塩は還元性物質の量に応じ
て適量を添加しないと、水銀の除去率が大きく変動し、
また、処理排ガス中の塩素濃度が上昇すると言う問題を
生ずる。
排ガス中の還元性物質の含有量はごみ質や燃焼状態によ
って変るので、時間的に大幅に変化する。従って、還元
性物質を酸化する酸化剤である次亜塩素酸塩の必要量も
変化し、次亜塩素酸塩の過不足が生ずる。この次亜塩素
酸塩の過不足は水銀除去装置の操業管理上極めて不都合
の問題となる。即ち、次亜塩素酸塩が不足した場合には
水銀の除去率が低下し、次亜塩素酸塩が必要以上に過剰
になった場合には水銀の除去率は高いが、洗浄液中の次
亜塩素酸塩の分解により排ガス中の塩素濃度が増加して
大気汚染物質の放出が起こり、好ましくない。このよう
に、酸化剤である次亜塩素酸塩は還元性物質の量に応じ
て適量を添加しないと、水銀の除去率が大きく変動し、
また、処理排ガス中の塩素濃度が上昇すると言う問題を
生ずる。
本発明は、このような従来の問題点を解決するために
なされたものであり、酸化剤である次亜塩素酸塩の適量
を添加することができ、所定値以上の水銀除去率を安定
して維持することができる排ガス中の水銀除去方法を提
供することを目的とする。
なされたものであり、酸化剤である次亜塩素酸塩の適量
を添加することができ、所定値以上の水銀除去率を安定
して維持することができる排ガス中の水銀除去方法を提
供することを目的とする。
[問題点を解決するための手段] 本発明は、水銀含有排ガスを次亜塩素酸塩が添加され
た洗浄液と接触させて前記排ガス中の水銀を除去するに
際し、洗浄液中の有効塩素濃度および処理排ガス中の有
効塩素濃度を連続的に測定し、これらの測定値に基づい
て、洗浄液中の有効塩素濃度がその制御設定値になるよ
うに、次亜塩素酸塩の供給量を調節し、次いで、処理排
ガス中の有効塩素濃度が洗浄液中の有効塩素濃度の制御
設定値の値に対応させて定めた制御設定値になるよう
に、洗浄液中の有効塩素濃度の制御設定値を変更し、こ
の新たな制御設定値になるように、次亜塩素酸塩の供給
量を調節し、引き続いて、洗浄液中の有効塩素濃度の新
たな制御設定値に対応する処理排ガス中の有効塩素濃度
の新たな制御設定値を求め、以後、この新たな制御設定
値を基に、前記順序に従って洗浄液中の有効塩素濃度お
よび処理排ガス中の有効塩素濃度を相互に制御する操作
を行うことを特徴とする排ガス中の水銀を除去方法であ
る。
た洗浄液と接触させて前記排ガス中の水銀を除去するに
際し、洗浄液中の有効塩素濃度および処理排ガス中の有
効塩素濃度を連続的に測定し、これらの測定値に基づい
て、洗浄液中の有効塩素濃度がその制御設定値になるよ
うに、次亜塩素酸塩の供給量を調節し、次いで、処理排
ガス中の有効塩素濃度が洗浄液中の有効塩素濃度の制御
設定値の値に対応させて定めた制御設定値になるよう
に、洗浄液中の有効塩素濃度の制御設定値を変更し、こ
の新たな制御設定値になるように、次亜塩素酸塩の供給
量を調節し、引き続いて、洗浄液中の有効塩素濃度の新
たな制御設定値に対応する処理排ガス中の有効塩素濃度
の新たな制御設定値を求め、以後、この新たな制御設定
値を基に、前記順序に従って洗浄液中の有効塩素濃度お
よび処理排ガス中の有効塩素濃度を相互に制御する操作
を行うことを特徴とする排ガス中の水銀を除去方法であ
る。
本発明者らは、本発明に至るまでの過程において種々
の検討と調査を行った。先ず、ごみ焼却排ガス中の還元
性物質の含有量がどのように変動するかについて調査し
た。第2図は、あるごみ焼却プラントに設置されている
湿式洗浄法による有害ガス除去装置の洗浄塔において、
次亜塩素酸塩の供給量と洗浄液中の有効塩素濃度との関
係を一日間にわたって測定した結果である。図中の斜線
部分は測定結果の変動領域であり、次亜塩素酸塩の消費
量、即ち還元性物質の含有量が大幅に変動していること
を示している。このように還元性物質の含有量が大きく
変動するので、次亜塩素酸塩の供給量は還元性物質の含
有量に追従して、きめ細かく制御する必要があることが
分かった。また、第3図は洗浄液中の有効塩素濃度と水
銀除去率および処理排ガス中の有効塩素濃度との関係を
調べた結果である。第3図において、処理排ガス中の有
効塩素濃度は、洗浄液中の有効塩素濃度の増加と共に増
加するが、曲線A1から曲線A2の範囲にわたって大きく変
動した。この現象は次のようにして起こる。もしも、ご
み焼却炉から発生する排ガス中の還元性物質の含有量が
変動しなければ、排ガスを洗浄している液中の有効塩素
濃度と洗浄された排ガス中の有効塩素濃度は平衡状態に
なり、洗浄液中の有効塩素濃度に対する処理排ガス中の
有効塩素濃度の値は一定になる筈である。しかし、ごみ
焼却炉から発生する排ガス中の還元性物質の含有量は常
に変動しているので、洗浄液と処理排ガス中の有効塩素
濃度が平衡状態に達する前に、前記排ガス中の還元性物
質の含有量が変化してしまう。このため、洗浄液中の有
効塩素濃度が一定値になるように制御しても、処理排ガ
ス中の有効塩素濃度の値は様々の値を示す。そして、こ
の際の水銀除去率は図中矢印のごとく曲線B1から曲線B2
の間をシフトした。即ち、処理排ガス中の有効塩素濃度
の曲線A1に対応する水銀除去率の曲線はB1であり、同様
に曲線A2に対応する曲線はB2である。この結果により、
水銀除去率は洗浄液中の有効塩素濃度および処理排ガス
中の有効塩素濃度の関数になっており、この二要因によ
って決定されるものであると言う新しい知見を得た。本
発明は上述の知見に基づいて、洗浄液中の有効塩素濃度
および処理排ガス中の有効塩素濃度の二つの要因を制御
することにより、水銀除去率が所定値以上を維持できる
排ガス中の水銀除去方法を確立したものである。
の検討と調査を行った。先ず、ごみ焼却排ガス中の還元
性物質の含有量がどのように変動するかについて調査し
た。第2図は、あるごみ焼却プラントに設置されている
湿式洗浄法による有害ガス除去装置の洗浄塔において、
次亜塩素酸塩の供給量と洗浄液中の有効塩素濃度との関
係を一日間にわたって測定した結果である。図中の斜線
部分は測定結果の変動領域であり、次亜塩素酸塩の消費
量、即ち還元性物質の含有量が大幅に変動していること
を示している。このように還元性物質の含有量が大きく
変動するので、次亜塩素酸塩の供給量は還元性物質の含
有量に追従して、きめ細かく制御する必要があることが
分かった。また、第3図は洗浄液中の有効塩素濃度と水
銀除去率および処理排ガス中の有効塩素濃度との関係を
調べた結果である。第3図において、処理排ガス中の有
効塩素濃度は、洗浄液中の有効塩素濃度の増加と共に増
加するが、曲線A1から曲線A2の範囲にわたって大きく変
動した。この現象は次のようにして起こる。もしも、ご
み焼却炉から発生する排ガス中の還元性物質の含有量が
変動しなければ、排ガスを洗浄している液中の有効塩素
濃度と洗浄された排ガス中の有効塩素濃度は平衡状態に
なり、洗浄液中の有効塩素濃度に対する処理排ガス中の
有効塩素濃度の値は一定になる筈である。しかし、ごみ
焼却炉から発生する排ガス中の還元性物質の含有量は常
に変動しているので、洗浄液と処理排ガス中の有効塩素
濃度が平衡状態に達する前に、前記排ガス中の還元性物
質の含有量が変化してしまう。このため、洗浄液中の有
効塩素濃度が一定値になるように制御しても、処理排ガ
ス中の有効塩素濃度の値は様々の値を示す。そして、こ
の際の水銀除去率は図中矢印のごとく曲線B1から曲線B2
の間をシフトした。即ち、処理排ガス中の有効塩素濃度
の曲線A1に対応する水銀除去率の曲線はB1であり、同様
に曲線A2に対応する曲線はB2である。この結果により、
水銀除去率は洗浄液中の有効塩素濃度および処理排ガス
中の有効塩素濃度の関数になっており、この二要因によ
って決定されるものであると言う新しい知見を得た。本
発明は上述の知見に基づいて、洗浄液中の有効塩素濃度
および処理排ガス中の有効塩素濃度の二つの要因を制御
することにより、水銀除去率が所定値以上を維持できる
排ガス中の水銀除去方法を確立したものである。
[作用] 前述のように、洗浄液中の有効塩素濃度あるいは処理
排ガス中の有効塩素濃度を単続に制御するだけでは所定
の水銀除去率を得ることはできない。このため、予め、
過去の操業実績に基づいて、所定値の水銀除去率が平均
的に得られる洗浄液中の有効塩素濃度と処理排ガス中の
有効塩素濃度との関係を求めておき、そして、この関係
に基づいて、洗浄液中の有効塩素濃度の制御範囲内に複
数の基準値を設定すると共に、この基準値に対応する処
理排ガス中の有効塩素濃度をその基準値として設定して
おき、処理排ガス中の有効塩素濃度がその基準値になる
ように、次亜塩素酸塩の供給量を調節して洗浄液中の有
効塩素濃度を制御する。従って、導入される排ガス中の
還元性物質含有量の変動によって、処理排ガス中の有効
塩素濃度が洗浄液中の有効塩素濃度と対応させて予め定
めた値と一致しない場合には、洗浄液中の有効塩素濃度
の制御設定値を変更し、排ガス中の有効塩素濃度が所定
値になるように制御する。このように、洗浄液中の有効
塩素濃度と処理排ガス中の有効塩素濃度は、逐次、補正
されながら制御される。このような制御をすれば、次亜
塩素酸塩が過不足なく供給されるので、水銀除去率を所
定値以上に維持することができ、次亜塩素酸塩が必要以
上に過剰になることを防止することができる。
排ガス中の有効塩素濃度を単続に制御するだけでは所定
の水銀除去率を得ることはできない。このため、予め、
過去の操業実績に基づいて、所定値の水銀除去率が平均
的に得られる洗浄液中の有効塩素濃度と処理排ガス中の
有効塩素濃度との関係を求めておき、そして、この関係
に基づいて、洗浄液中の有効塩素濃度の制御範囲内に複
数の基準値を設定すると共に、この基準値に対応する処
理排ガス中の有効塩素濃度をその基準値として設定して
おき、処理排ガス中の有効塩素濃度がその基準値になる
ように、次亜塩素酸塩の供給量を調節して洗浄液中の有
効塩素濃度を制御する。従って、導入される排ガス中の
還元性物質含有量の変動によって、処理排ガス中の有効
塩素濃度が洗浄液中の有効塩素濃度と対応させて予め定
めた値と一致しない場合には、洗浄液中の有効塩素濃度
の制御設定値を変更し、排ガス中の有効塩素濃度が所定
値になるように制御する。このように、洗浄液中の有効
塩素濃度と処理排ガス中の有効塩素濃度は、逐次、補正
されながら制御される。このような制御をすれば、次亜
塩素酸塩が過不足なく供給されるので、水銀除去率を所
定値以上に維持することができ、次亜塩素酸塩が必要以
上に過剰になることを防止することができる。
以上の説明を図に示せば第4図の通りである。第4図
において、洗浄液中の有効塩素濃度にb1,b2の基準値を
設定したとすれば、洗浄液中の有効塩素濃度が0〜b1ま
での場合には処理排ガス中の有効塩素濃度の基準値はa1
に定める。同様に、b1〜b2の間の場合にはa2とし、b2以
上ではa3とする。本発明では、このように洗浄液中およ
び処理排ガス中の有効塩素濃度にそれぞれ基準値を定
め、相互に、きめ細かく制御できるので、常時適量の次
亜塩素酸塩を供給することができる。
において、洗浄液中の有効塩素濃度にb1,b2の基準値を
設定したとすれば、洗浄液中の有効塩素濃度が0〜b1ま
での場合には処理排ガス中の有効塩素濃度の基準値はa1
に定める。同様に、b1〜b2の間の場合にはa2とし、b2以
上ではa3とする。本発明では、このように洗浄液中およ
び処理排ガス中の有効塩素濃度にそれぞれ基準値を定
め、相互に、きめ細かく制御できるので、常時適量の次
亜塩素酸塩を供給することができる。
[実施例] 以下、本発明の一実施例について説明する。第1図は
本発明を実施するための装置の一実施態様を示す説明図
である。第1図の装置は予冷塔1および洗浄塔2を備え
た2塔式の湿式洗浄装置であり、ごみ焼却炉等から排出
され、冷却、集塵された水銀含有排ガス3は予冷塔1に
導入される。予冷塔1を通過した水銀含有排ガス3は予
冷塔1に隣接して連結されている洗浄塔2を通過し、処
理排ガス4として大気放出される。
本発明を実施するための装置の一実施態様を示す説明図
である。第1図の装置は予冷塔1および洗浄塔2を備え
た2塔式の湿式洗浄装置であり、ごみ焼却炉等から排出
され、冷却、集塵された水銀含有排ガス3は予冷塔1に
導入される。予冷塔1を通過した水銀含有排ガス3は予
冷塔1に隣接して連結されている洗浄塔2を通過し、処
理排ガス4として大気放出される。
洗浄塔2の底部には苛性ソーダが添加された洗浄液5
が貯留されている。この洗浄液は配管6aおよび6bを介し
て予冷塔1および洗浄塔2内に送られて噴霧され、塩化
水素や硫黄酸化物等の有害ガスおよび水銀を吸収する。
そして、洗浄塔2内の洗浄液5には槽7に貯えられてい
る苛性ソーダ8がポンプ9によって供給される。この苛
性ソーダ8の供給量は配管6a中の洗浄液5のPH値に基づ
きPH調節計10によりポンプ9の送り量を調節して制御さ
れる。また、配管6b中の洗浄液5には槽11に貯えられて
いる次亜塩素酸塩12がポンプ13によって供給される。こ
の次亜塩素酸塩12の供給量は、連続的に測定される洗浄
液中の有効塩素濃度および処理排ガス中の有効塩素濃度
の測定値によって制御される。即ち、配管6aの経路に設
けられている有効塩素濃度計14および洗浄塔2の出口部
に設けられている有効塩素濃度計15による有効塩素の測
定値は電気信号に変えられて演算制御装置16に送られ
る。演算制御装置16は前記二つの測定値を演算して、洗
浄液中の有効塩素濃度および処理排ガス中の有効塩素濃
度が、予め設定してある基準値になるようにポンプ13に
制御信号を送り、次亜塩素酸塩の送り量を制御する。
が貯留されている。この洗浄液は配管6aおよび6bを介し
て予冷塔1および洗浄塔2内に送られて噴霧され、塩化
水素や硫黄酸化物等の有害ガスおよび水銀を吸収する。
そして、洗浄塔2内の洗浄液5には槽7に貯えられてい
る苛性ソーダ8がポンプ9によって供給される。この苛
性ソーダ8の供給量は配管6a中の洗浄液5のPH値に基づ
きPH調節計10によりポンプ9の送り量を調節して制御さ
れる。また、配管6b中の洗浄液5には槽11に貯えられて
いる次亜塩素酸塩12がポンプ13によって供給される。こ
の次亜塩素酸塩12の供給量は、連続的に測定される洗浄
液中の有効塩素濃度および処理排ガス中の有効塩素濃度
の測定値によって制御される。即ち、配管6aの経路に設
けられている有効塩素濃度計14および洗浄塔2の出口部
に設けられている有効塩素濃度計15による有効塩素の測
定値は電気信号に変えられて演算制御装置16に送られ
る。演算制御装置16は前記二つの測定値を演算して、洗
浄液中の有効塩素濃度および処理排ガス中の有効塩素濃
度が、予め設定してある基準値になるようにポンプ13に
制御信号を送り、次亜塩素酸塩の送り量を制御する。
このような方法により次亜塩素酸塩の供給をすれば、
洗浄液中の有効塩素濃度は常時適正に維持され、洗浄塔
2の出口から排気される処理排ガス4の水銀除去率は一
定値以上に安定して維持される。次に、次亜塩素酸塩供
給量の制御方法について更に詳しく説明する。第1表は
次亜塩素酸塩供給量制御工程を表したものである。第1
表について説明すると、事前に洗浄液中の有効塩素濃度
および処理排ガス中の有効塩素濃度と水銀除去率との関
係を求めておき、この結果に基づいて、洗浄液中の有効
塩素濃度に複数の基準値b1,b2,・・・bnを設定し、この
基準値に対応する値であって、所定値の水銀除去率が平
均的に得られる処理排ガス中の有効塩素濃度a1,a2,・・
・an+1をその基準値として設定しておく。次に、洗浄液
中の有効塩素濃度の制御設定値bsを適宜の基準値に定め
て暫定的に設定し、また制御設定値bsを変更する際の変
更量Δbを定めておき、そして、洗浄液中の有効塩素濃
度の測定値bと前記制御設定値bsを比較し、前記測定値
bが前記制御設定値bsの値になるように、次亜塩素酸塩
の供給量を制御する。次に前記制御設定値bsに対応する
処理排ガス中の有効塩素濃度の制御設定値asを演算して
求める。次に処理排ガス中の有効塩素濃度aを測定して
前記制御設定値asと比較し、この比較に基づいて洗浄液
中の有効塩素濃度の新しい制御設定値bs *を演算して求
め、この新しい制御設定値になるように再び次亜塩素酸
塩を供給するポンプを制御する。このような順序による
操作を繰り返し、次亜塩素酸塩の供給量を適正に制御す
る。このように、洗浄液中の有効塩素濃度と処理排ガス
中の有効塩素濃度を相互に制御する操作が行われるの
で、前記両者の有効塩素濃度の変動が小さくなり、水銀
除去率が安定する。第1表中に記載されているas *は処
理排ガス中の有効塩素濃度の新たな制御設定値を示す。
洗浄液中の有効塩素濃度は常時適正に維持され、洗浄塔
2の出口から排気される処理排ガス4の水銀除去率は一
定値以上に安定して維持される。次に、次亜塩素酸塩供
給量の制御方法について更に詳しく説明する。第1表は
次亜塩素酸塩供給量制御工程を表したものである。第1
表について説明すると、事前に洗浄液中の有効塩素濃度
および処理排ガス中の有効塩素濃度と水銀除去率との関
係を求めておき、この結果に基づいて、洗浄液中の有効
塩素濃度に複数の基準値b1,b2,・・・bnを設定し、この
基準値に対応する値であって、所定値の水銀除去率が平
均的に得られる処理排ガス中の有効塩素濃度a1,a2,・・
・an+1をその基準値として設定しておく。次に、洗浄液
中の有効塩素濃度の制御設定値bsを適宜の基準値に定め
て暫定的に設定し、また制御設定値bsを変更する際の変
更量Δbを定めておき、そして、洗浄液中の有効塩素濃
度の測定値bと前記制御設定値bsを比較し、前記測定値
bが前記制御設定値bsの値になるように、次亜塩素酸塩
の供給量を制御する。次に前記制御設定値bsに対応する
処理排ガス中の有効塩素濃度の制御設定値asを演算して
求める。次に処理排ガス中の有効塩素濃度aを測定して
前記制御設定値asと比較し、この比較に基づいて洗浄液
中の有効塩素濃度の新しい制御設定値bs *を演算して求
め、この新しい制御設定値になるように再び次亜塩素酸
塩を供給するポンプを制御する。このような順序による
操作を繰り返し、次亜塩素酸塩の供給量を適正に制御す
る。このように、洗浄液中の有効塩素濃度と処理排ガス
中の有効塩素濃度を相互に制御する操作が行われるの
で、前記両者の有効塩素濃度の変動が小さくなり、水銀
除去率が安定する。第1表中に記載されているas *は処
理排ガス中の有効塩素濃度の新たな制御設定値を示す。
なお、本発明は実施例に示された態様に限定されるも
のではなく、例えば、次亜塩素酸塩供給量の制御方法と
してはポンプの送り量を制御するだけでなく、ポンプ接
続する配管に設けられた流量調節弁を制御してもよい。
のではなく、例えば、次亜塩素酸塩供給量の制御方法と
してはポンプの送り量を制御するだけでなく、ポンプ接
続する配管に設けられた流量調節弁を制御してもよい。
[発明の効果] 以上の説明のように、本発明においては、洗浄液中の
有効塩素濃度と処理排ガス中の有効塩素濃度を相互に制
御する操作を行って、前記両者の有効塩素濃度の制御設
定値を逐次補正するので、導入する排ガス中の還元性物
質の含有量が変動しても、前記両者の有効塩素濃度の変
動が小さく抑えられるので、処理排ガス中の塩素濃度を
上昇させることなく、所定値以上の水銀除去率を安定的
に得ることができる。
有効塩素濃度と処理排ガス中の有効塩素濃度を相互に制
御する操作を行って、前記両者の有効塩素濃度の制御設
定値を逐次補正するので、導入する排ガス中の還元性物
質の含有量が変動しても、前記両者の有効塩素濃度の変
動が小さく抑えられるので、処理排ガス中の塩素濃度を
上昇させることなく、所定値以上の水銀除去率を安定的
に得ることができる。
第1図は本発明を実施するための装置の一実施態様を示
す説明図、第2図は次亜塩素酸塩の供給量と洗浄液中の
有効塩素濃度との関係の説明図、第3図は洗浄液中の有
効塩素濃度と水銀除去率および処理排ガス中の有効塩素
濃度の関係を示す説明図、第4図は洗浄液中の有効塩素
濃度および処理排ガス中の塩素濃度の基準値決定に関す
る説明図である。 2……洗浄塔、3……水銀含有排ガス、4……処理排ガ
ス、5……洗浄液、8……苛性ソーダ、9,13……ポン
プ、14,15……有効塩素濃度計、16……演算制御装置。
す説明図、第2図は次亜塩素酸塩の供給量と洗浄液中の
有効塩素濃度との関係の説明図、第3図は洗浄液中の有
効塩素濃度と水銀除去率および処理排ガス中の有効塩素
濃度の関係を示す説明図、第4図は洗浄液中の有効塩素
濃度および処理排ガス中の塩素濃度の基準値決定に関す
る説明図である。 2……洗浄塔、3……水銀含有排ガス、4……処理排ガ
ス、5……洗浄液、8……苛性ソーダ、9,13……ポン
プ、14,15……有効塩素濃度計、16……演算制御装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−210036(JP,A) 特開 昭49−70824(JP,A) 特開 昭54−142171(JP,A)
Claims (1)
- 【請求項1】水銀含有排ガスを次亜塩素酸塩が添加され
た洗浄液と接触させて前記排ガス中の水銀を除去するに
際し、洗浄液中の有効塩素濃度および処理排ガス中の有
効塩素濃度を連続的に測定し、これらの測定値に基づい
て、洗浄液中の有効塩素濃度がその制御設定値になるよ
うに、次亜塩素酸塩の供給量を調節し、次いで、処理排
ガス中の有効塩素濃度が洗浄液中の有効塩素濃度の制御
設定値の値に対応させて定めた制御設定値になるよう
に、洗浄液中の有効塩素濃度の制御設定値を変更し、こ
の新たな制御設定値になるように、次亜塩素酸塩の供給
量を調節し、引き続いて、洗浄液中の有効塩素濃度の新
たな制御設定値に対応する処理排ガス中の有効塩素濃度
の新たな制御設定値を求め、以後、この新たな制御設定
値を基に、前記順序に従って洗浄液中の有効塩素濃度お
よび処理排ガス中の有効塩素濃度を相互に制御する操作
を行うことを特徴とする排ガス中の水銀除去方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62228106A JP2555873B2 (ja) | 1987-09-11 | 1987-09-11 | 排ガス中の水銀除去方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62228106A JP2555873B2 (ja) | 1987-09-11 | 1987-09-11 | 排ガス中の水銀除去方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6470130A JPS6470130A (en) | 1989-03-15 |
JP2555873B2 true JP2555873B2 (ja) | 1996-11-20 |
Family
ID=16871295
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62228106A Expired - Lifetime JP2555873B2 (ja) | 1987-09-11 | 1987-09-11 | 排ガス中の水銀除去方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2555873B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
NO303565B1 (no) * | 1996-10-15 | 1998-08-03 | Thomas Thomassen | FremgangsmÕte og anordning for fjerning av kvikks°lv og svoveldioksyd fra r°kgasser |
WO2002038458A1 (fr) | 2000-11-07 | 2002-05-16 | Felissimo Corporation | Receptacle tubulaire |
JP5991664B2 (ja) * | 2012-05-25 | 2016-09-14 | 三菱重工環境・化学エンジニアリング株式会社 | 排煙脱硫システム |
JP2018034085A (ja) * | 2016-08-30 | 2018-03-08 | 日立造船株式会社 | 燃焼排ガスの処理装置 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS62210036A (ja) * | 1986-03-05 | 1987-09-16 | Nippon Kokan Kk <Nkk> | 排ガス中の水銀除去方法 |
-
1987
- 1987-09-11 JP JP62228106A patent/JP2555873B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6470130A (en) | 1989-03-15 |
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