JP2022045865A - 脱臭装置及び脱臭方法 - Google Patents

脱臭装置及び脱臭方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2022045865A
JP2022045865A JP2020194475A JP2020194475A JP2022045865A JP 2022045865 A JP2022045865 A JP 2022045865A JP 2020194475 A JP2020194475 A JP 2020194475A JP 2020194475 A JP2020194475 A JP 2020194475A JP 2022045865 A JP2022045865 A JP 2022045865A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
chemical solution
concentration
chemical
deodorizing
detector
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2020194475A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7309208B2 (ja
Inventor
正明 濱口
Masaaki Hamaguchi
学 濱口
Manabu Hamaguchi
克博 尾縣
Katsuhiro Ogata
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
ISSIN CO Ltd
Original Assignee
ISSIN CO Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ISSIN CO Ltd filed Critical ISSIN CO Ltd
Publication of JP2022045865A publication Critical patent/JP2022045865A/ja
Priority to JP2023066102A priority Critical patent/JP2023100672A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7309208B2 publication Critical patent/JP7309208B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A50/00TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE in human health protection, e.g. against extreme weather
    • Y02A50/20Air quality improvement or preservation, e.g. vehicle emission control or emission reduction by using catalytic converters

Abstract

【課題】 臭気成分を有する臭気性ガスを効果的に脱臭する脱臭装置及びそれを用いた脱臭方法を提供する。【解決手段】臭気性ガスGと薬液5とを混合させる脱臭塔1の内部に薬液5を放出する薬液放出部4と、臭気性ガスGに含まれる臭気成分の濃度を測定する検出器Sと、薬液放出部4に薬液5を供給する薬液供給装置と、薬液を外部に排出する薬液排出装置と、薬液供給装置及び薬液排出装置を制御する制御装置33とを備える。そして、制御装置33は、臭気成分の濃度に基づいて薬液の排出量を制御する。【選択図】 図1

Description

本発明は、例えばし尿処理場、下水処理場等において発生する臭気成分を含むガスを処理する脱臭装置及び脱臭方法に関する。
し尿処理場、下水処理場等において発生するガスには、一般に、アンモニアや硫化水素、メチルメルカプタン、硫化メチル、二硫化メチル等の硫黄系臭気成分が含まれている。臭気成分を含むガス(以下、臭気性ガスと称することがある)を処理する脱臭装置の1つとして、脱臭塔内で循環する薬液をガス中の臭気成分と反応させ、臭気成分を除去する湿式脱臭装置が知られている。
従来の湿式脱臭装置では、長期間の運転により、ガス中の臭気成分と薬液との反応生成物が「塩」として装置内に沈殿物として蓄積することがある。そのため、定期的に薬液の少なくとも一部を交換する必要がある。一方、ガス中の臭気成分の濃度は、一般的には時間的に一定ではなく、例えば季節や時間帯により変化する。そのため、脱臭装置は、その脱臭処理条件、特に薬液を循環させる条件を、想定される最大濃度の臭気成分を含むガスを脱臭可能な条件に常に固定して、運転されている。
そして、定期交換の頻度や交換部品の仕様を決定するため、臭気成分の濃度の時間変化を計測し、計測値を記録装置(データロガー)に記録して、季節や時間帯を通じた臭気成分の濃度の変動について傾向を分析することが一般的である。この場合、データロガーに記録されたデータは、データ量などにもよるが例えば1か月間といった比較的長期間の運転を経た後に回収され、分析される。
一方、ガス中の臭気成分の濃度の変動に対応し、薬液の循環量を制御する技術が知られている。例えば、特許文献1には、15分~60分間隔で被処理ガスに含まれる臭気成分の濃度をモニタリング(測定)し、臭気強度(濃度)に応じて、霧化部15にて発生させる「ナノミストの供給量」を調節する脱臭装置が開示されている。
特開2014-168726号公報 特開2008-36513号公報 特開2019-72691号公報
しかし、薬液の濃度を一定間隔でモニタリングして「供給量」を制御することにより通常運転時の過剰な薬液の使用量を低減することはできるが、臭気成分の除去にともない脱臭効果(除去効果)が経時的に劣化することにより発生する脱臭効率の低下を防ぐことはできない。また、脱臭効果を回復させるためにメンテナンス頻度を上げることは、経済的にも効率が悪い。
本発明は、長期間の運転による脱臭効率の低下を軽減することを主たる目的とし、また、急激な濃度の変動(増大)に対しても応答性よく脱臭処理を行うことが可能な脱臭装置及び脱臭方法を提供することを目的とする。
本発明に係る脱臭装置は、
臭気性ガスと薬液とを混合する脱臭塔と、
前記脱臭塔の内部に設置された薬液放出部と、
前記脱臭塔に流入する前記臭気性ガスに含まれる臭気成分の濃度を測定する検出器と、
前記薬液放出部に前記薬液を供給する薬液供給装置と、
前記薬液を外部に排出する薬液排出装置と、
前記薬液供給装置及び前記薬液排出装置を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、
前記検出器の出力する臭気成分の濃度に基づいて前記薬液の排出量を制御することを特徴とする。
上記構成のように、「臭気成分の濃度」をリアルタイムに測定しつつ、「臭気成分の濃度」と「薬液の排出量」とを関連づけて制御したことにより、臭気成分の濃度が低いときには薬液の排出量が抑えられ、逆に臭気成分の濃度が高いときには濃度に応じた薬液が排出される。そのため、脱臭装置の稼働中に臭気成分の濃度変化に応じて装置内を循環する薬液が交換され、装置全体でみれば、長期間運転を継続しても反応生成物の蓄積が抑えられる。また、日々の運転についても、薬液の濃度測定の周期(サンプリング周期)を短く設定すれば、突発的な臭気成分の濃度の増大に対しての応答性が向上し、薬液のロスが最小限に抑えられ、薬液のランニングコストを低減できる。なお、「外部に排出」とは、脱臭装置の系外に排出するとの意である。
上記脱臭装置において、臭気成分の濃度が、予め定められた期間における濃度の積算値であるように構成してもよい。
上記脱臭装置における臭気成分の影響は、測定器が示す現時点の濃度でなく、過去の濃度が加算された積算値として現れてくるためである。特に、反応生成物などの蓄積がある場合には、その傾向が強く出ると考えられる。
このような脱臭装置によれば、臭気成分の濃度の積算値に基づいて薬液を部分的に排出し、臭気性ガスと薬液との反応で生成されうる「塩」の濃度を低減することにつながり、薬液の脱臭効率の低下を軽減する効果を長期間に亘り維持することが可能となる。
また、本発明に係る脱臭装置は、
前記検出器の出力する臭気成分の濃度に基づいて前記薬液の前記薬液放出部への流量を制御することを特徴とする。
このように、薬液放出部への薬液の流量を臭気成分の濃度の変化に合わせて制御することで、さらに効率的に脱臭することが可能な脱臭装置を提供できる。例えば、臭気成分の濃度に応じて脱臭装置内を循環する流量を一時的に増大させたり減少させたりできる利点がある。
また、上記構成において、前記脱臭装置は、
充填剤を備えた充填部を更に具備すると共に、前記充填部と前記薬液放出部とで反応モジュールを構成し、
前記脱臭塔の内部に前記反応モジュールが複数設けられ、
前記制御装置は、前記検出器の出力する臭気成分の濃度に基づいて、前記薬液放出部のそれぞれに対する前記薬液の流量を制御することを特徴とする。
このような構成によれば、薬液の劣化を考慮して循環する薬液中の薬品成分(臭気成分により変わるが、例えば硫黄系臭気成分であれば次亜塩素酸ナトリウム等)の濃度を常時高くしておく必要がなくなり、薬品のランニングコストを抑えることができる。
このような構成とすることで、脱臭塔内に多段に設けた反応モジュールにおけるそれぞれの薬液放出部に流れ込む薬液の供給流量を、臭気成分の濃度に合わせて調整できるため、突発的な臭気成分の濃度の増大に対しての応答性が向上し、かつ、薬液を効率的に利用することができ、薬液のランニングコストを低減できる。
また、本発明に係る脱臭装置は、
前記検出器は所定のサンプリング周期で臭気成分の濃度を測定し、
前記制御装置は、前記サンプリング周期より長い時間間隔で前記検出器の出力する臭気成分の濃度を積算することを特徴とする。
このような構成とすることで、臭気成分の濃度の変化に即時に対応が可能であるとともに、薬液の過剰な損失を防止し、効率的に臭気性ガスの脱臭が可能な脱臭装置を提供できる。
また、本発明に係る脱臭装置は、
前記薬液に薬品成分を供給する薬品成分供給装置を備え、
前記制御装置は前記薬品成分供給装置を制御し、
前記検出器の出力する臭気成分の濃度に基づいて前記薬液に供給する前記薬品成分の量を制御することを特徴とする。
また、本発明に係る脱臭装置は、
前記薬品成分は次亜塩素酸ナトリウムであり、前記薬品成分供給装置は、電解槽を含むことを特徴とする。
このような構成とすることで、臭気成分の濃度の変化に対して、薬液に供給する薬品成分の量を変更することができ、適格な脱臭効果を有する薬液を供給することが可能である。さらに、薬品成分として次亜塩素酸ナトリウムを採用した場合、次亜塩素酸ナトリウムを電解槽により生成することも可能であり、そのような構成において、次亜塩素酸ナトリウムの供給量の制御性を向上させることができる。
本発明に係る脱臭方法は、
臭気成分を含む臭気性ガスを脱臭塔内で薬液と反応させて脱臭する脱臭方法であり、
前記脱臭塔に流入する臭気性ガスに含まれる臭気成分の濃度を検出器により測定する工程と、
前記臭気成分の濃度に基づいて前記脱臭塔から前記薬液の排出量を制御することを特徴とする。
また、本発明に係る脱臭方法は、
前記検出器が測定した臭気成分の濃度に基づいて前記脱臭塔に放出する前記薬液の流量を制御する工程を更に含むことを特徴とする。
また、本発明に係る脱臭方法は、
前記検出器が測定した臭気成分の濃度に基づいて前記薬液に供給する次亜塩素酸ナトリウムの量を制御する工程を更に含むことを特徴とする。
このような脱臭方法とすることで、臭気成分の濃度に合わせて適格な条件で脱臭処理が可能であるとともに、薬液の脱臭効果の劣化を低減することができる。また、臭気性ガスの脱臭処理にかかるコストの低減又は操作者の作業負担の低減が可能となる。
また、本発明に係る脱臭方法は、
充填剤を備えた充填部を更に具備すると共に、前記充填部と前記薬液放出部とで反応モジュールを構成し、
前記脱臭塔の内部に前記反応モジュールが複数設けられ、
前記検出器が測定した臭気成分の濃度に基づいて選択された前記反応モジュールの前記薬液放出部に前記薬液を供給する工程を含むことを特徴とする。
また、本発明に係る脱臭方法は、
前記薬液放出部から放出する前記薬液の流量を幾何学的最適流量範囲で制御する工程を含むことを特徴とする脱臭方法。
このような脱臭方法とすることで、臭気性ガスの脱臭に使用される薬液の利用効率を向上させることで、脱臭効率を向上させることができる。
本発明に係る測定ユニットは、脱臭装置に取り付け可能な臭気成分の濃度を計測し、その時間変化を記録するための計測ユニットであって、
電源用コネクタ及び検出器用コネクタを有する筐体を備え、
前記筐体内には、直流電源と検出器用制御回路とデータロガーとを有し、
前記直流電源は前記電源用コネクタを介して供給される交流電力を直流電力に変換し前記検出器用制御回路に供給し、
前記検出器用制御回路は前記検出器用コネクタ介して接続される検出器に電力を供給するとともに、前記検出器からの信号を受信し、前記データロガーに出力し、
前記データロガーは前記検出器用制御回路から入力した信号をデータとして記録することを特徴とする。
また、本発明に係る測定ユニットは、
前記筐体は窓を有し、
前記測定ユニットは表示装置を有し、
前記表示装置は、前記データを表示可能であり、前記表示装置は前記窓から視認可能であることを特徴とする。
また、本発明に係る測定ユニットは、
前記筐体は本体部と、前記本体部に開閉可能に支持された蓋部とを有し、
前記窓は前記蓋部に設けられ、
前記本体部に前記電源用コネクタ及び前記検出器用コネクタが設けられていることを特徴とする。
このような測定ユニットを脱臭装置の検出器に接続することで、容易にガスGの臭気成分濃度の時間変化を測定することが可能となる。それにより、各種の脱臭装置のメンテナンス、状態診断、性能比較、脱臭条件の最適化や検出器の校正等にも利用可能となるほか、本発明に係る脱臭装置の制御機能を有しない脱臭装置に本発明に係る制御機能を取り付けた場合の効果を事前に見積もることも可能となる。
本発明に係る脱臭装置及びそれを用いた脱臭方法によれば、長期間の脱臭効率の低下を軽減することを可能とし、また臭気成分の濃度が変化する臭気性ガスを効率的に脱臭することが可能となる。
脱臭装置の主要な構成を示す模式図。 脱臭装置の次亜塩素酸ナトリウム供給装置の構成例を示す模式図。 ガスGに含まれる臭気性成分の濃度の時間変化(一日の変化)を示すグラフ。 脱臭塔の内部において循環する薬液流量及び脱臭塔の外部に排出する薬液排出量の変化を示すグラフ。 脱臭塔の内部において循環する薬液5の薬品成分濃度、ガスGの臭気成分濃度及び脱臭塔の外部に排出する薬液排出量(流量)の変化を示すグラフ。 ガスGに含まれる臭気成分の濃度の変動例を示すグラフ。 実施形態2の脱臭装置100の主要構成を示す概念図。 図8(a)は、1つの充填部6における薬品成分濃度の分布を示すグラフであり、図8(b)は、第1の充填部6a及び第2の充填部6bから構成される2つの充填部における薬品成分濃度の分布を示すグラフ。 薬液放出部4から放出される薬液5の放出角の、薬液5の流量依存性を示し、図9(a)、(b)、(c)の順に薬液5の放出量が増大する。 図10(a)、(b)は、それぞれ薬液5の薬液放出部4からの放出分布と円筒形の充填部6との幾何学的関係を模式的に示す斜視図及び断面図。 脱臭装置100と従来の脱臭装置99との性能比較実験のための構成を示す模式図。 脱臭装置100において、次亜塩素酸濃度、入口硫化水素平均濃度、薬液排出量の経時変化を例示するグラフ。 脱臭装置100の脱臭効果を検証するための装置構成例を示す図。 測定ユニット50の構成を示す図であり、図14(a)は測定ユニット50の回路構成図を示し、図14(b)は測定ユニット50の外観平面図、図14(c)は測定ユニット50の外観斜視図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。但し、以下の実施形態は、いずれも本発明の要旨の認定において限定的な解釈を与えるものではない。また、同一又は同種の部材については同じ参照符号を付して、説明を省略することがある。
(実施形態1)
<装置構成>
図1は、本発明の一実施形態における脱臭装置100の構成を示す。図1に示すように、脱臭装置100は脱臭塔1を備えており、薬液と臭気性ガスとを混合し、反応させて脱臭する湿式脱臭装置である。
処理対象である臭気成分を含む被処理ガスG(例えばアンモニア、硫化水素等の硫黄系の臭気成分を含む臭気性ガス)は、脱臭塔1のガス流入口2から取り入れられ、第1の配管3により脱臭塔1内部に誘導される。以下、臭気性ガスである被処理ガスGをガスGと称する。
脱臭塔1内部に誘導されたガスGは、第1の配管3の開口端部3aから放出され、脱臭塔1の上方に進む。
なお、第1の配管3に更にファンを設け、ガスGを誘導してもよい。
脱臭塔1のガスGの流入側である第1の配管3には、臭気成分の検出器S(ガス検知器)が設置されている。検出器Sは、ガスGに含まれる臭気成分の濃度を常時測定し、監視することができるガス濃度測定器である。
以下では、検出器Sとして、硫化水素センサを使用し、薬品として次亜塩素を使用した例について説明するが、その例に限定されるものではない。検出器Sとしてアンモニアセンサ、アルデヒドセンサ等を使用することができる。例えば、アンモニアセンサを用いて酸洗浄塔についても同様の装置構成及びその制御が可能である。また、アルデヒドセンサを用いてアルデヒド用洗浄塔についても同様である。薬液5に使用する薬品は、処理対象のガスGに含まれる臭気成分に応じて、適宜に公知の薬品を採用することができる。
薬液放出(噴射)部4(例えばスプレーノズル)からは、ガスGと反応する(例えば次亜塩素酸ナトリウムを含む)薬液5が放出(噴射)される。薬液放出部4と後述する循環薬液槽9との間の領域は、ガスGに含まれる臭気成分と薬液5とが混合され化学反応する反応部を構成する。
放出された薬液5は、薬液放出部4の下方に位置する充填部6へ供給される。充填部6は多孔質セラミックやプラスチック等からなり、薬品5とガスGとの反応を促進する触媒である充填剤を備える。特に酸化能力が高い酸化触媒としては、既知の多孔性湿式セラミック酸化触媒を好適に使用することができる。薬液放出部4とその直下に設けられた充填部6との組み合わせは、ガスGと薬液5とを反応させるための反応モジュールを構成する。
なお、視認性のため薬液5は図において省略している。
放出された薬液5は、充填剤の表面でガスGと接触し、後述するように、ガスGに含まれる臭気成分と化学反応する。薬液5と反応した臭気成分は、薬液5とともに下方に移動(落下)する。
薬液5により脱臭されたガスGは、上方に設置されたデミスター7を介して流出口8から脱臭塔1の外部に流出する。
デミスター7は、例えばメッシュ状ワイヤから構成され、ガスGに含まれる(薬液5の)ミストを除去する気液分離器である。デミスター7により分離された薬液5は、下方に移動(落下)する。
ガスGと反応した薬液5は、充填部6の下方に位置する循環薬液槽(薬液貯留部)9に貯留される。
循環薬液槽9に設けられた第1の排出口10(循環用排出口)には、第2の配管11が接続され、第2の配管11は、脱臭塔1の外部に設けられた第1のポンプ12の流入口に接続されている。第1のポンプ12の流出口(薬液5の吐出部)には、第3の配管13が接続されている。
第1のポンプ12は薬液を循環させ反応部に供給する薬液循環ポンプであり薬液供給装置として機能する。
第3の配管13は、分岐部14において、第4の配管15と第5の配管16とに分岐されてもよい。第4の配管15は、脱臭塔1の導入口17を介し、薬液放出部4に接続されている。
また分岐部14において、第4の配管15及び第5の配管16に、それぞれ(図示しない)バルブを設け、各バルブの開度により、第4の配管15と第5の配管16とに流れ込む薬液5の分配比を調整してもよい。
第2の配管11、第3の配管13及び第4の配管15は、ガスGと反応させるために薬液5を循環させるための循環用配管を構成する。
第4の配管15には流量計18が設けられている。第4の配管15を流れる薬液5の流量は、流量計18により測定され、監視することができる。
また、第3の配管13にはpH計19が設けられており、循環する薬液5のpHを測定し、監視することができる。
第5の配管16には次亜塩素酸濃度計20が設けられており、第5の配管16を流れる薬液5の次亜塩素酸濃度を測定し、監視することができる。第5の配管16は、導入口21を介して脱臭塔1内の循環薬液槽9の上部に延び、薬液5を循環薬液槽9に導く。
従って、第5の配管16は、循環する薬液5の一部をサンプリングする。
薬液5は、第1のポンプ12により、循環薬液槽(薬液貯留部)9、第2の配管11、第3の配管13、第4の配管15及び薬液放出部4からなる第1の流路(脱臭用循環流路)と、循環薬液槽(薬液貯留部)9、第2の配管11、第3の配管13及び第5の配管16からなる第2の流路を循環する。第1の流路が主の流路であり、第2の流路は薬液5の一部をサンプリングする副の流路である。
循環する薬液5の流量(又は薬液放出部4に薬液5を供給する流量)は、第1のポンプ12により制御可能である。
さらに、循環薬液槽9には、第2の排出口22(外部排出口)が設けられている。第2の排出口22は、第6の配管23により、第2のポンプ24の流入口に接続され、第2のポンプ24の排出口は、排液管(ドレーン)25に接続されている。
循環薬液槽9に貯留された薬液5は、第2のポンプ24により脱臭装置100の外部に排出される。
第2のポンプ24は、第6の配管23中を流れる薬液5の流量を制御することで、薬液5の排出量を制御して排出する薬液排出装置として機能する。
なお、第1の排出口10を分岐し第6の配管23に接続してもよいが、薬液5の流量制御の観点から第2の排出口22を独立して設けることが好適である。
第6の配管23に薬液5の流量制御のためのバルブと流量計を設けてもよい。また、第2のポンプ24を使用せずサイホンの原理を用い薬液を排出してもよい。この場合、バルブと流量計を備えたサイホンを構成する第6の配管23が薬液排出装置として機能する。
脱臭装置100は、一例として薬品(次亜塩素酸ナトリウム)供給装置26を備えている。次亜塩素酸ナトリウム供給装置26は第7の配管27に接続され、第7の配管27は脱臭塔1の導入口28を介して脱臭塔1内に延びる。次亜塩素酸ナトリウム供給装置26は第7の配管27を介して脱臭塔1内の循環薬液槽9に次亜塩素酸ナトリウムを供給する。
次亜塩素酸ナトリウムは、図示しないタンクからポンプにより供給することも可能であるが、後述するように、塩化ナトリウム水溶液を電解槽において電気分解することで供給してもよい。
次亜塩素酸ナトリウム供給装置26は、後述する制御装置33により制御され、次亜塩素酸濃度計20の出力に基づいて、薬液5中の次亜塩素酸ナトリウムの濃度を所定の範囲、例えば400~500[ppm]になるように制御することができる。
薬液5のpH値は次亜塩素酸ナトリウム供給装置26により供給される次亜塩素酸ナトリウムの濃度によっても制御可能であるが、次亜塩素酸ナトリウム供給装置26のみによりpH値を迅速に上げることが困難な場合、苛性ソーダ等のアルカリ溶液を注入し、pH値を制御してもよい。
そのため、脱臭装置100は、アルカリ溶液を収容するタンク29を備え、タンク29には第8の配管30が接続されてもよい。第8の配管30は脱臭塔1の導入口31を介して脱臭塔1内に延びる。第8の配管30には第3のポンプ32が設置されている。第3のポンプ32はタンク29内の苛性ソーダ等のアルカリ溶液を脱臭塔1の循環薬液槽9に注入することができる。
このようにタンク29及び第3のポンプ32はアルカリ溶液供給装置を構成するとともにpH値調整装置としても機能する。第3のポンプ32は、後述する制御装置33により制御され、pH計19の出力に基づいて、薬液5中のpH値を制御できる。
従って、脱臭装置100は、次亜塩素酸ナトリウム供給装置26及び/又はタンク29と第3のポンプ32との組み合わせからなるアルカリ溶液供給装置により、薬液5のpH値を、例えば7.0~7.8の所定の範囲に維持できる。
脱臭装置100は、制御装置33を備えており、各検出器からの信号を入力し、各ポンプ等の機器の制御を実行し、脱臭装置100の運転を制御することができる。
脱臭塔1の入口側に設置された検出器S(例えば硫化水素センサ)は第1の信号線34(センサ用信号線)により制御装置33と接続されている。検出器Sの出力は、第1の信号線34を介して制御装置33に入力されており、制御装置33はガスGに含まれる臭気成分の濃度を監視し、また制御装置33の記録装置に記録することができる。
同様に、流量計18、pH計19及び次亜塩素酸濃度計20は、それぞれ第2の信号線35(流量計用信号線)、第3の信号線36(pH計用信号線)及び第4の信号線37(濃度計用信号線)により制御装置33と接続されている。流量計18、pH計19力及び次亜塩素酸濃度計20の出力は、それぞれ第2の信号線35、第3の信号線36及び第4の信号線37を介して制御装置33に入力される。制御装置33は、薬液5の流量、pH値、次亜塩素酸濃度を監視し、また制御装置33の記録装置に記録することができる。
制御装置33は入力したガスGに含まれる臭気成分の濃度、薬液5の流量、pH値、次亜塩素酸濃度に基づき、運転条件を決定する。
制御装置33は、第5の信号線38、第6の信号線39、第7の信号線40及び第8の信号線41により、それぞれ第1のポンプ12、第2のポンプ24、次亜塩素酸ナトリウム供給装置26及び第3のポンプ32と接続されている。
後述するように制御装置33は決定した運転条件に基づいて制御信号を生成し、第5の信号線38、第6の信号線39、第7の信号線40及び第8の信号線41を介して、それぞれ第1のポンプ12、第2のポンプ24、次亜塩素酸ナトリウム供給装置26及び第3のポンプ32に出力し、これらの装置を制御することができる。
その結果、制御装置33は、ガスGに含まれる臭気成分の濃度、薬液5の流量、pH値、次亜塩素酸濃度を監視しながら、脱臭装置100の運転を制御する。
制御装置33は、演算装置、入出力装置、記録装置を備えたマイコンやパソコン等を使用することができる。
図2は、次亜塩素酸ナトリウムを供給する次亜塩素酸ナトリウム供給装置26の構成の一例を示す部分拡大図である。図2に示すように、次亜塩素酸ナトリウム供給装置26を電解槽261とポンプ262とにより構成し、塩化ナトリウム水溶液を電気分解により生成し、薬液5に供給してもよい。
図2に示すように、循環薬液槽9には第3の排出口263が設けられている。(図1の第7の配管27に相当する)配管264の一端は第3の排出口263に接続され、他端は導入口28を介して循環薬液槽9の上部に配置されている。
配管264には、電解槽261とポンプ262とが設置されている。ポンプ262により、循環薬液槽9の薬液5は第3の排出口263から配管264に導入され、電解槽261を介して循環薬液槽9に戻される。電解槽261に流入した薬液5を電気分解し、次亜塩素酸ナトリウムを生成する。
生成する次亜塩素酸ナトリウムの量は、電解槽261の電気分解用電極に投入する電力により制御することができるが、電解槽261を流れる薬液5の流量によっても制御することができる。
電解槽261を流れる薬液5の流量はポンプ262により制御可能である。
なお、第3の排出口263とポンプ262との間の配管264を分岐して配管を介して(図示しない)タンクを接続し、塩化ナトリウム水溶液及び/又は水をタンク等から補充することも可能である。
<運転制御>
ガスGに含まれる臭気成分の濃度は、一般には一定ではなく、季節、時刻、環境温度等に依存して変化する。
図3は、ガスGに含まれる臭気性成分濃度の時間変化(一日の変化)を示すグラフである。縦軸は臭気成分の濃度、横軸は時刻を示す。図3中実線は臭気成分の濃度を示す。従来の脱臭装置は、最大濃度のガスGを脱臭可能なように、循環させる薬液の次亜塩素酸ナトリウム濃度及び薬液放出部からの放出量(流量)を設定している。例えば、臭気成分の濃度(実線)の最大値に対してマージン(余裕)を見込んだ臭気成分の濃度(図3中の点線)のガスGを脱臭することができる薬液5の放出量(及び次亜塩素酸濃度)を確定し、その放出量を設定値(固定値)として採用している。このように、薬液や脱臭装置を稼働する電力の消費は、ガスGに含まれる臭気成分の濃度の最大値により決まることとなり、従来の一定量の薬液を供給する脱臭方法は不経済である。
従って、脱臭装置の運転条件をガスGの実際の臭気成分の濃度に合わせて変更することにより、効率的にガスGの脱臭を行うことができる。
ガスGの臭気成分の濃度は、時間的に一定ではないため、検出器Sにより臭気成分の濃度を所定のサンプリング周期、例えば1分間隔で測定する。
検出器Sが測定した臭気成分の濃度値は、第1の信号線34を介して制御装置33に入力される。
制御装置33の記録装置には、予め実験等により取得された脱臭効率(臭気成分の除去効率)の臭気成分の濃度値及び薬液5の流量の依存性が保存されている。そのため、制御装置33は、得られた臭気成分の濃度値(及びガスGの風量)に基づいて薬液5の薬液放出部4からの放出流量(又は第1の流路を循環する薬液5の循環薬液流量)を決定することができる。臭気成分の濃度の増加にともない薬液5の薬液放出部4からの放出流量を増加させるために、例えば、薬液5の薬液放出部4からの放出流量(循環薬液流量)を臭気成分の濃度に比例して決定する。例えば、時刻tにおいてガスGの臭気成分の濃度をg(t)とし、薬液5の薬液放出部4からの放出流量をF(t)とすると、F(t)は以下のようになる。
F(t)=Ag(t)
ここで、Aは常数である。
ただし、実験により薬液5の脱臭効率がガスGに含まれる臭気成分の濃度に依存する場合、Aは臭気成分の濃度を表す関数(A=A(g(t))としてもよい。
制御装置33は、薬液5の薬液放出部4からの放出流量に対応した制御値を第1のポンプ12に対して送信する。第1のポンプ12は受信した制御値に従って、例えば回転数を制御し、第3の配管13に流す薬液5の流量を制御する。
なお、制御値として、例えば流量値や第1のポンプ12に供給する電力値が例示される。
なお、薬液5の流量は、第1のポンプ12の回転数を制御する代わりに第1のポンプ12の吐出側に比例式電磁バルブ等のバルブを設け、バルブ開度を制御することにより制御してもよい。
バルブ開度による薬液5等の液体の流量制御は、他のポンプについても同様に適用可能である。
また、上記は薬液5の流量制御方法を限定するものではなく、他の流量制御方法を排除するものではない。
また、ガスGの風量が変わる場合、ガスGの風量値を制御装置33に入力し、ガスGの風量値と臭気成分の濃度に基づいて薬液5の流量を決定してもよい。この場合、予め実験等により、脱臭効率の臭気成分の濃度、ガスGの風量及び薬液5の流量の依存性を取得しておき、制御装置33の記録装置に保存しておけばよい。
例えば、ガスGの風量と臭気成分の濃度との積により薬液5の薬液放出部4からの放出流量を決定してもよい。この場合、ガスGの風量をJ(t)とし、以下のように F(t)を設定してもよい。
F(t)=Ag(t)J(t)
上式は単位時間当たりに脱臭装置100に流入する臭気成分の量に相当する。従って、ガスGの風量が変動するような場合においては、臭気成分の濃度の代わりに単位時間当たりの臭気成分量を使用すればよい。すなわち、各実施形態において臭気成分の濃度として単位時間当たりの臭気成分量を使用すればよい。
制御装置33は流量計18が測定した薬液5の流量値を、所定のサンプリング周期(例えば1分間隔)で入力し、流量計18が測定した流量値をフィードバックして第1のポンプ12(又は第1のポンプ12に設置したバルブ)を制御してもよい。
薬液5の次亜塩素酸ナトリウム濃度は、次亜塩素酸濃度計20により所定のサンプリング周期(例えば1分間隔)で測定され、次亜塩素酸ナトリウム濃度の測定値は、第4の信号線37を介して制御装置33に入力される。
制御装置33は、入力された次亜塩素酸ナトリウム濃度に基づき、例えば所定の次亜塩素酸ナトリウム濃度になるよう、次亜塩素酸ナトリウム供給装置26に対して制御値を送信する。
例えば、次亜塩素酸ナトリウム供給装置26が、図2に示すように電解槽261により次亜塩素酸ナトリウムを供給する場合、電解槽261の電極に印加する電圧を制御し、又は次亜塩素酸ナトリウムをタンクからポンプにより供給する場合、ポンプを制御することで、次亜塩素酸ナトリウムの供給量を制御できる。
その結果、薬液5の次亜塩素酸ナトリウム濃度を所定の値に設定することができる。
また、検出器Sが測定した臭気成分の濃度に従い、次亜塩素酸ナトリウム濃度の値を設定してもよい。例えば、臭気成分の濃度の増大に従い次亜塩素酸ナトリウム濃度設定値を増大させることができる。予め脱臭効率の臭気成分の濃度及び次亜塩素酸ナトリウム濃度依存性を取得しておき、制御装置33の記録装置に保存しておけばよい。
制御装置33は、臭気成分の濃度に従って次亜塩素酸ナトリウム濃度を設定し、次亜塩素酸濃度計20の測定値が、次亜塩素酸ナトリウム濃度の設定値に一致するように次亜塩素酸ナトリウム供給装置26を制御する。
薬液5のpHはpH計19により所定のサンプリング周期(例えば1分間隔)で測定され、pHの測定値は、第3の信号線36を介して制御装置33に入力される。
制御装置33は、入力されたpHの測定値に基づき、タンク29に接続されている第3のポンプ32(アルカリ溶液供給ポンプ)に対して制御値を送信する。
例えば制御装置33は、pHの測定値が所定の値(pH目標値)より低い場合、pH値を上げるため、第3のポンプ32に対してタンク29に貯蔵されている苛性ソーダ等のアルカリ溶液を注入するように第3のポンプ32を駆動する。例えば、pHの測定値と所定の値との乖離値が大きくなるに従い、循環薬液槽9へのアルカリ溶液の流量を増大させるように第3のポンプ32を制御してもよく、例えばPID制御(Proportional-Integral-Differential Controller)によりアルカリ溶液の流量を制御してもよい。
なお、制御装置33は、最適な薬液5のpH値(例えば、7.0~7.8)を記録装置に保存している。
上述のように脱臭装置100は、処理対象であるガスGに含まれる臭気成分の濃度に従って、次亜塩素酸ナトリウム濃度及び薬液5の流量を調整するため、過剰に次亜塩素酸ナトリウム濃度及び薬液5の流量を設定することがなく、薬剤(薬液5)の消費量及び脱臭装置100の消費電力を軽減し、効率的に脱臭を行うことが可能である。
なお、臭気成分の濃度に対する応答性は、次亜塩素酸ナトリウム濃度(薬品成分濃度)の制御より薬液5の流量制御の方が優れており、例えば薬液5の流量制御のみを採用してもよい。
上記方法は、薬液5による臭気成分の除去効率(脱臭効率)が一定であるとの前提に基づく。しかしながら、脱臭装置100によりガスGの脱臭処理を行うと、実際には薬液5の脱臭効率は経時的に変化(低下)する傾向がある。
湿式脱臭装置は、循環する薬液と臭気性ガスに含まれる臭気成分との反応により、臭気性ガスの脱臭を行う。脱臭効率の劣化は、使用する薬液の劣化によるものと考えられる。
脱臭効率が低下した状態でも臭気成分を除去し得るように、十分なマージンを持つ運転条件で脱臭装置を稼働する必要がある。そのため、薬液や脱臭装置を稼働する電力の消費の無駄が発生することになる。
低下した脱臭効率を回復させるためには、定期的メンテナンス作業において薬液交換を行う必要がある。脱臭効率を保証するために薬液交換頻度を高めると、薬液ロスが増大する。その結果、経済的効率が低下するとともに、操作者の負担も増大する。
以下では、さらに効率的に脱臭を行うことができる脱臭方法について説明する。
以下、脱臭成分の除去に使用される薬液の脱臭効率の劣化原因について考察する。
被処理ガスGと薬液5との主な反応として以下の反応式1~7が例示される。
(式1)HS+4NaOCl+2NaOH→NaSO+4NaCl+2H
(式2)HS+NaOCl→S+NaCl+2H
(式3)CHSH+3NaOCl+NaOH→CHSONa+3NaCl+H
(式4)(CHS+2NaOCl→(CHSO+2NaCl
(式5)(CH+5NaOCl+2NaOH→2CHSONa+5NaCl+H
(式6)2NH+3NaOCl→N+3NaCl+3H
(式7)CO+2NaOH→NaCO+H
上式において生成物、NaSO、NaCl、S、CHSONa、(CHSO、NaCOが「塩」として循環する薬液5に溶解又は蓄積する。
実際の脱臭処理を調査した結果、ガスGの脱臭処理が進むと、「塩」が薬液5中に蓄積され、薬液5中の「塩」濃度は、次亜塩素酸ナトリウムや苛性ソーダの濃度より高濃度、例えば数桁高くなることさえある。
上記反応式から、薬液5の脱臭効率が劣化する主な原因は、ガスGの脱臭処理を行うことにより薬液5中の「塩」の濃度が増大し、薬液と臭気成分との反応(上式の右向きの反応)の進行が抑制されるためであると考えられる。さらに、薬液5中に高濃度の「塩」が存在すると、配管や薬液放出部4に析出することもある。
発明者らは、薬液5の脱臭効率の経時劣化を低減するには、上記化学反応等により生成され、蓄積された「塩」を低減することが有効であることを見出した。
脱臭装置100は、循環薬液槽(薬液貯留部)9の薬液5を排出する第2のポンプ24を備えている。第2のポンプ24は、排液ポンプとして機能する。
検出器Sは、ガスGに含まれる臭気成分の濃度を所定のサンプリング周期で測定し、測定値を制御装置33に出力している。制御装置33は、受信した臭気成分の濃度測定値を記録装置に記録することができる。
さらに制御装置33は、記録された臭気成分の濃度測定値を用い演算処理装置により、所定の期間(積算期間)、臭気成分の濃度を積算する。そのため積算期間(積算周期)は、検出器Sのサンプリング周期より長く、サンプリング周期の2以上の自然数倍、例えば5倍(5分)とすることができる。このように、臭気成分の濃度として過去5分間の積算値を用いることにより、リアルタイム性も殆ど失われず、濃度の急激な変動にも追随することができることとなる。
なお、検出された臭気成分濃度の積算値の代わりに、所定期間の平均値に従い薬液5を排出する流量の制御を行ってもよい。
また、検出された臭気成分濃度を積算することなく、臭気成分濃度に従い薬液5を排出する流量の制御を行ってもよい。この場合、第2のポンプ24の稼働時間が増大し、消費電力が増大するが、反応による「塩」の低減は可能である。
脱臭装置100において、ガスGに含まれる臭気成分は薬液5と反応し除去されるため、所定の期間における臭気成分の濃度の積算値は、反応により生成される「塩」の量を反映する指標として用いることができる。
制御装置33は、積算期間毎に臭気成分の濃度の積算値に基づき、薬液5の排出量を決定する。上記の通り積算値は、化学反応により生成される「塩」の量を反映する指標として用いるため、制御装置33は、直近の所定の時間範囲にガス検出器Sが連続して出力する複数の測定値を足し合わせる(時間積分する)ことで臭気成分の濃度の積算値(積分値)を算出する。
例えば、時刻tにおいてガスGに含まれる臭気成分の濃度をg(t)、積算時間間隔をTとし、薬液5の排出量をV(t)とすると、V(t)は以下のようになる。
V(t)=∫Bg(τ)dτ
ただし、時間積分範囲はt-Tからtまでである。
ここで、Bは常数である。
なお、「塩」の生成量(又は「塩」を生成する反応速度)がガスGに含まれる臭気成分の濃度に依存する場合、Bは臭気成分の濃度の関数(B=B(g(t))としてもよいが、通常Bは常数を使用する。
検出器Sは所定のサンプリング周期(間隔)でガスGに含まれる臭気成分の濃度を測定するためV(t)は離散的に積算され、Bが常数の場合、サンプリング周期(サンプリング間隔)をDとすると、時刻t=tでのV(t)は以下の式で算出される。
V(t)=BΣDg(t
ここでg(t)は、k番目の測定時刻tにおけるガスGに含まれる臭気成分の濃度の測定値であり、Σg(t)は、直近の連続した所定の範囲(k=i-nからiまで、すなわち時刻ti-nからtまで)の臭気成分の濃度の総和を意味し、(n+1)個の臭気成分の濃度の測定値の総和を意味する。
サンプリング周期Dが一定の場合(時刻tに依存しない場合)、以下のようになる。
V(t)=BDΣg(t
なお、実際のガスGに含まれる臭気成分の濃度は、その挙動(絶対値や変化率)に応じて、例えば時間帯や季節に応じて、検出器Sのサンプリング周期を変更してもよい。サンプリング周期Dが時刻tiに依存して変化する場合は、以下のようになる。
V(t)=BΣD(t)g(t
なお、ガスGの風量が変化する場合、ガスの風量J(t)と臭気成分の濃度g(t)との積g(t)J(t)を用い以下の式によりV(t)を算出してもよい。
V(t)=∫Bg(τ)J(τ)dτ
又は
V(t)=BΣDg(t)J(t
制御装置33は、薬液5の排出量に従い、第6の信号線39を介して第2のポンプ24に制御値を送信する。薬液5の排出量は、第2のポンプ24の流量(吐出量)の時間積分により決定されるため、例えば、第2のポンプ24に薬液5の流量と排出時間とを指定する。第2のポンプ24から吐出された薬液5は、排液管(ドレーン)25を介して排出される。
このように、薬液5は、第2のポンプ24により積算期間毎に、積算期間の臭気成分の濃度の積算値に基づいて決定された排出量だけ、部分的に排出される。薬液5の循環流量に対して、例えば、0.01~10%の薬液5を排出する。薬液5の部分的な排液周期は、例えば臭気成分の濃度の積算周期と一致させることもできる。
なお、薬液5の管理等のため、制御装置33は、第2のポンプ24の指令値から薬液5の総排出量を算出し、記録装置に保存してもよい。
図4は、薬液5の循環流量及び排出量の脱臭時間依存性を例示するグラフである。薬液5の循環流量は、ガス検出器Sにより測定したガスGに含まれる臭気成分の濃度が即時に反映されており、薬液5の排出量は臭気成分の濃度の積算値を反映する。
図4に示されるように、薬液5の排出量の変動は、薬液5の循環流量の変動に比べ緩やかである。「塩」の蓄積を軽減するために行う薬液5の部分的排出であるため、薬液5の排出をガスGに含まれる臭気成分の濃度の変動に対して即時的に対応するのではなく、臭気成分の濃度の積算値に基づいて薬液5の排出量を決定することができる。
積算周期(積算時間)は、ガス検出器Sのサンプリング周期とは独立して設定できるため、薬液5の損失を低減しつつ「塩」の蓄積を防止する積算時間間隔を設定することができる。
なお、臭気成分の濃度を積算する時間は、一定の周期に限定するものではない。
臭気成分の濃度を積算する時間は、適宜変更してもよい。例えば臭気成分の濃度が、一日の時間帯に依存する場合や、季節に依存する場合、例えば臭気成分の濃度が低いことが予想される時間帯や季節において、積算時間を相対的に長く設定してもよい。例えば、午前6時から午前10までの間、午後2時から午後6時までの間は臭気濃度の積算時間はガス検出器Sのサンプリング周期の5倍、その他の時間帯は臭気濃度の積算時間はガス検出器Sのサンプリング周期の10倍とする等、1日の時間帯に依存して臭気濃度の積算時間を変更してもよい。
臭気成分の濃度が低いことが予想される時間帯等において臭気成分の濃度を積算する時間を長く設定することで、第2のポンプ24の稼働時間を低減し消費電力を低減してもよい。
また、臭気成分の濃度の積算周期(又は、所定の積算時間)毎に薬液5の一部を排出する代わりに、臭気成分の濃度の積算値が予め設定した閾値(判定値)を超えた場合に薬液5の一部を排出するように構成してもよい。この場合においても、第2のポンプ24の稼働時間は、積算された臭気成分の濃度により管理されるため、消費電力を低減することが可能となる。
なお、臭気成分の濃度の積算値は∫g(τ)dτ又はΣDg(t)により算出できる。
このように、脱臭装置100は、所定の期間毎にガスGに含まれる臭気成分の濃度の積算値に基づいて脱臭処理に使用された薬液5の一部を排出し、「塩」の蓄積を低減することができる。ガス検出器Sの出力に基づいて薬液5の排出量を調整するために、定期的メンテナンスの薬液5の交換(又は定期的な一定量の薬液の交換)による薬液5のロスを低減するとともに、操作者の負担を低減できる。また、薬液交換のためのメンテナンス頻度を低減することができる。
薬液5を排出するタイミングは、ガス検出器Sのサンプリング周期と独立して設定し、さらに薬液5の排出量も薬液5の薬液放出部4からの放出量とは独立して設定が可能であるため、脱臭装置100の稼働状況、ガスGに含まれる臭気成分の濃度の変化に合わせて、薬液5の損失を最小限になるよう設定が可能である。
さらに、制御装置33は、積算期間毎の、臭気成分の濃度の積算値の他に、薬液5の使用開始時(薬液5の交換直後)からの臭気成分の濃度の総積算値を算出し記録装置に保存してもよい。
周期的(又は間欠的)な薬液5の部分的排出により「塩」の蓄積は軽減できるが、完全に排出できない「塩」の蓄積の累積的増加に対処するため、積算期間毎の臭気成分の濃度の積算値により決定される薬液5の排出量を、臭気成分の濃度の総積算値により補正してもよい。
補正された薬液5の排出量をV’(t)、臭気成分の濃度の総積算値(時間積分)をS(t)とすると、薬液5の排出量は、例えば以下のように補正してもよい。
V’(t)=V(t)(1+CS(t))
ここで、Cは常数である。
上式は、臭気成分の濃度の総積算値の増加とともに、徐々に薬液5の排出量を増やす補正係数(1+CS(t))を元の薬液5の排出量V(t)に乗じることにより、薬液5の排出量を補正している。
なお、臭気成分の濃度の総積算値(時間積分)S(t)は、薬液5の使用開始時をt=0とすると以下の式で算出される。
S(t)=∫g(τ)dτ
ただし、時間積分範囲は0からtまでである。
実際の検出器Sは所定のサンプリング周期(間隔)でガスGに含まれる臭気成分の濃度を測定するため、サンプリング周期(サンプリング間隔)をD(t)として、以下のようになる。
S(t)=Σg(t)D(t
となり、D(t)が一定の場合、以下のようになる。
S(t)=DΣg(t
ただし、積算期間は時刻0からtまでである。
制御装置33は、薬液5の補充ためにポンプを駆動するため、補充された薬液5の量を積算し、薬液5の増減量の推移を記録装置に保存することができる。
従って、制御装置33は、薬液5の総排出量と総補充量を記録することができ、脱臭装置100で使用される薬液5の容量を管理してもよい。
なお、排出することにより減少した薬液5は、次亜塩素酸ナトリウム供給装置26から補充することができるが、薬液5の補充のために、さらに追加的に配管とポンプを設けてもよい。
また、別途水位計(又は液面計)を循環薬液槽(薬液貯留部)9に設け、薬液5の容量を制御装置33に出力し、薬液5の容量を制御装置33により管理してもよい。
なお、薬液5の補充周期は、薬液5の排液周期(臭気成分の濃度の積算期間)と同じ又はその自然数倍であってもよいが、それに限定するものではない。循環薬液槽(薬液貯留部)9に貯留されている薬液5の容量(又は水位)に応じて適宜補充すればよい。
以上のように脱臭装置100は、ガス検出器Sにより流入するガスGに含まれる臭気成分の濃度を所定のサンプリング周期で測定し、臭気成分の濃度に基づいてリアルタイムで循環する薬液5の流量等を変更することで、臭気成分の除去能力を即時に調整することができる。
さらに、脱臭装置100は、所定の積算周期で臭気成分の濃度の積算値を求め、臭気成分の濃度の積算値に基づいて薬液5の一部を排出することで、生成される「塩」の蓄積を低減し薬液5の劣化を低減することができる。
例えば、高い臭気成分の濃度のガスGが流入した場合、薬液放出部4から放出される薬液5の流量を増大させ素早く応答し臭気成分を除去でき、また、ガスGに含まれる臭気成分の濃度が低下した場合、薬液5の流量を低下させることができ、薬液5及び電力の消費を低減できる。一方、「塩」の蓄積を低減するための排出量は、臭気成分の濃度に基づいて決定されるため、過剰に薬液5が排出されることがなく、薬液5の損失を防止しながら最適な薬液5により臭気成分の除去が可能となる。
その結果、脱臭装置100は、経済的にも消費エネルギー的にも効率的にガスGの脱臭処理を実行するとともに、操作者の負担を軽減することができる。
なお、上記の臭気濃度の積算値に基づいて薬液5の一部を排出し「塩」の蓄積を低減する方法は、他の実施形態だけでなく、一定の供給流量の薬液5を薬液放出部4から放出する従来の脱臭装置にも適用可能である。
なお、第2のポンプ24により臭気成分の濃度の積算値に基づいて薬液5を排出する代わりに、第4の配管15を分岐し、排液用配管を接続し、比例電磁式流量制御弁を介して排液管(ドレーン)25から薬液5を部分的に排出してもよい。この場合、制御装置33が第2のポンプ24を制御する代わりに比例電磁式流量制御弁を制御し、臭気成分の濃度の積算値に基づいて薬液5を部分的に排出してもよい。
第1のポンプ12と比例電磁式流量制御弁の両方の制御により、排液管25から排出される流量と薬液放出部4から放出される流量とを制御することが可能である。
第1のポンプ12と比例電磁式流量制御弁の高度な制御技術が必要となるが、第2のポンプ24を不要とすることができ、装置の小型化が可能となる。
上述のように図4においては、検出した臭気成分濃度に基づき、薬液5の充填部6への供給流量と薬液5の排出量とを組み合わせた例を示したが、以下に説明するように、薬液5の薬品成分濃度の制御と薬液5の排出量とを組み合わせてもよい。
図5は、検出器Sとして、硫化水素センサーを使用し、薬液5の充填部6への供給(放出)流量を一定とし、検出した臭気成分(硫化水素)濃度に基づき薬液5の排出量を制御するとともに、薬品成分である薬品成分濃度(次亜塩素酸濃度)を制御した例を示す。
横軸は時刻、左縦軸は濃度、右縦軸は流量を示し、実線(A)は次亜塩素酸濃度、点線(B)はガスGの硫化水素濃度、破線(C)は薬液5の排出流量を例示する。なお、臭気成分濃度と薬品成分濃度とは、同軸に表示するために、適宜スケーリングしている。
測定を実施した2020年8月21~23日は「大潮」であったため、潮位が上昇した。その影響により、下水管に海水が流入し、通常時よりも臭気成分濃度が脱臭装置の入口付近で大きくなる現象が生じた。
図5においては、臭気成分濃度が高い時間帯において、次亜塩素酸濃度の臭気成分濃度に対する応答性が高く、入口濃度の増減に対応して次亜塩素酸濃度も増減している。一方、臭気成分濃度が低い時間帯では、次亜塩素酸濃度は特定の濃度以下に減少しない。
臭気成分濃度が高い場合、臭気成分と薬液5中の薬品成分とが迅速に反応することにより薬品成分が消費される。さらに、ガスGの臭気成分濃度に合わせて薬液5の排液量を制御することにより、薬液5中で「塩」の生成による化学反応の抑制が防止される。そのため、薬品供給装置26からの薬品成分(次亜塩素酸ナトリウム)の供給と臭気成分との反応による薬品成分(次亜塩素酸ナトリウム)の消費との収支バランスが良好に維持され、ガスGの臭気成分濃度と薬品成分濃度との応答性が高くなると考えられる。
例えばガスGの臭気成分濃度が所定の濃度より高い場合、薬液放出(噴射)部4からの薬品5の放出量を一定としながら薬品供給装置26から薬品成分の供給を臭気成分濃度に応じて制御し、ガスGの臭気成分濃度が所定の濃度より低い場合、薬液5の薬品成分濃度を一定としながら、臭気成分濃度に応じて薬液放出(噴射)部4からの薬品5の放出量を制御するというハイブリッドな制御も可能である。
ガスGの臭気成分濃度が高い場合、薬液放出(噴射)部4からの薬品5の放出量を制限することで、第1のポンプ12(薬液循環ポンプ)及びそれに接続された配管等への圧力低減し、脱臭装置100への機械的な負担を軽減することで、耐久性の向上又はメンテナンス頻度の低減を図ることができる。
なお、運転条件を変更する所定の臭気成分濃度は、例えば薬品成分濃度の臭気成分濃度に対する応答性から決定すればよい。例えば、図5において縦軸の薬品成分濃度の中央値に設定してもよい。
なお、実施形態1は、後述する実施形態2や実施形態3で説明するように複数の充填部を備えた脱臭装置100の例に組み合わせて適用することもできる。
(実施形態2)
通常状態では、ガスGに含まれる臭気成分の濃度は、図3に示すように変化するが、場合によっては、突発的に通常想定される濃度値を超えることがある。従って、脱臭装置100は、このような突発的に臭気成分の濃度が増大するガスGの脱臭処理にも対応しなけらばならないことがある。
図6は、ガスGに含まれる臭気成分の濃度の変動例を示すグラフであり、臭気成分の濃度が、急に増加及び減少する時間帯が存在する例を示す。図中縦軸は臭気成分の濃度、横軸は時刻であり、実線はガスGに含まれる臭気成分の濃度を示す。通常の状態では、図中点線以下の範囲で臭気成分の濃度が推移する。しかし、図中ハッチングで示した時間領域Aにおいて、点線で示す値を超えて、臭気成分の濃度が急激に増大している。
例えば、発生頻度の少ない時間領域Aの最大の臭気成分の濃度に合わせて次亜塩素酸濃度を高く設定すると、薬液5のランニングコストが増大することになる。
実施形態2によれば、ガスGに含まれる臭気成分の濃度の変動、特に臭気成分の濃度の急な増加に対しても、循環薬液槽9中の薬液5の薬液濃度を増加させることなく、充填部6においてガスGに含まれる臭気成分と反応する薬液5の濃度を実質的に増大させることで、臭気成分と薬液5との反応を促進させることが可能な脱臭装置100を提供することができる。
図7は、実施形態2の脱臭装置100の主要構成を示す概念図である。主に図1に示す実施形態1の脱臭装置100との差異を示し、実施形態1の脱臭装置100と重複する構成要素については省略することがある。
図7に示すように、脱臭装置100は、脱臭塔1の内部に第1の充填部6a及び第2の充填部6bとを循環薬液槽9上に備えている。第1の充填部6aは第2の充填部6bの上部に配置されており、互いに上下に整列配置されている。第1の充填部6a及び第2の充填部6bには、ガスGと薬液5との反応触媒である充填剤が収容されている。
第1の充填部6aに薬液5を供給する第1の薬液放出部4aの直下には第1の充填部6aが設置されており、第1の薬液放出部4aと第1の充填部6aとの組み合わせからなる第1の反応モジュールを構成する。なお、第1の薬液放出部4aの直下に第1の充填部6aが設置されているとは、第1の薬液放出部4aと第1の充填部6aの間に他の充填部(具体的には、第2の充填部6b)が設置されていないことを意味する。
第2の充填部6bに薬液5を供給する第2の薬液放出部4bの直下に第2の充填部6bが設置されており、第2の薬液放出部4bと第2の充填部6bとの組み合わせからなる第2の反応モジュールを構成する。さらに、第2の薬液放出部4bは第1の充填部6aの下方に設置されている。
従って、第1の薬液放出部4aは下方に位置する第1の充填部6a及び第2の充填部6bの全てに薬液5を供給し、第2の薬液放出部4bは下方に位置する第2の充填部6bに薬液5を供給するが上方に位置する第1の充填部6aには薬液5を供給しない。
ガスGは、第1の充填部6a及び第2の充填部6bにおいて薬液5と反応することができる。
循環薬液槽9に設けられた第1の循環用排出口10a及び第2の循環用排出口10bには、それぞれ配管11a及び配管11bを介して、第1の薬液循環ポンプ12a及び第2の薬液循環ポンプ12bが接続されている。
第1の薬液循環ポンプ12a及び第2の薬液循環ポンプ12bの吐出口は、それぞれ配管13a及び配管13bが接続されており、さらに脱臭塔1の第1の導入口17a及び第2の導入口17bを介して、第1の薬液放出部4a及び第2の薬液放出部4bに接続されている。
従って、脱臭装置100は、循環薬液槽9、第1の循環用排出口10a、配管11a、第1の薬液循環ポンプ12a、配管13a及び第1の薬液放出部4aから構成される第1の脱臭用循環流路と、循環薬液槽9、第2の循環用排出口10b、配管11b、第2の薬液循環ポンプ12b、配管13b及び第2の薬液放出部4bから構成される第2の脱臭用循環流路とを備える。
配管13a及び配管13bには、それぞれ第1の流量計18a及び第2の流量計18bが設けられている。第1の流量計18a及び第2の流量計18bは、それぞれ第1の流量計用信号線35a及び第2の流量計用信号線35bにより制御装置33と接続されている。第1の流量計18a及び第2の流量計18bの出力は、それぞれ第1の流量計用信号線35a及び第2の流量計用信号線35bを介して制御装置33に入力される。
制御装置33は、第1の流量計18a及び第2の流量計18bが測定した流量値をフィードバックして、第1の薬液循環ポンプ12a及び第2の薬液循環ポンプ12bを制御し、所定の流量の薬液5を循環させることができる。
このように充填部6を第1の充填部6a及び第2の充填部6bの2段構成にすることにより、効率的に臭気成分を脱臭することができる原理について、以下に説明する。
図8は、充填部における薬液5の薬品成分(次亜塩素酸)濃度の充填部中の分布を模式的に示すグラフである。縦軸は薬品成分濃度であり、横軸は充填部内の距離であり、充填部の上端面からの距離である。
図8(a)は、図1に示す1つの充填部6における薬品成分濃度の分布を示し、図8(b)は、図7に示す第1の充填部6a及び第2の充填部6bから構成される2つの充填部における薬品成分濃度の分布を示す。
なお、図8(a)、(b)において薬品成分濃度を示す関数は、理解のため一次関数の例を示しているが、一次関数に限定されるものではない。
図8において、図8(b)のグラフに対応する第1の充填部6aの高さ(Ha)と第2の充填部6bの高さ(Hb)は、図8(a)のグラフに対応する1つの充填部6の高さ(H)の2分の1である(Ha=Hb=H/2)例を示す。従って、図8(b)の第1の充填部6aと第2の充填部6bとを足し合わせた高さは、図8(a)の充填部6の高さに等しい。
図8(a)の充填部6、図8(b)の第1の充填部6a及び第2の充填部6bには、充填剤として同じ触媒が同じ密度で充填されている。従って、図8(a)の充填部6に使用されている充填剤の量は、図8(b)の第1の充填部6a及び第2の充填部6bに使用されている充填剤の量の総和に等しい。
なお、理解を容易にするため図8に示すような構成により脱臭原理を説明するが、第1の充填部6aと第2の充填部6bとの高さの関係、また充填部に収容する触媒の密度の関係等は、上記に限定するものではない。
図8(b)において矢印Aによって示す領域は第1の充填部6aにおける薬品成分濃度の分布を示し、矢印Bによって示す領域は第2の充填部6bにおける薬品成分濃度の分布を示す。図8(b)は、第1の充填部6a及び第2の充填部6bにおける薬品成分濃度の分布を便宜的に連結して示し、横軸は、上部に配置された第1の充填部6aの上端面を基準として、第1の充填部6a及び第2の充填部6b内の距離を積算した値である。
充填部6の上端面における薬液5の薬品成分濃度は、薬液放出部4から供給される薬液5の薬品成分濃度に等しい。しかし、図8(a)に示すように、薬液5の薬品成分は、充填部6内においてガスGに含まれる臭気成分と反応するため、充填部6の上端面からの距離とともに減少する。
図8(b)に示すように、充填部6aの上端面における薬液5の薬品成分濃度は第1の薬液放出部4aから供給される薬液5の薬品成分濃度に等しいが、充填部6aの上端面からの距離とともに減少する。
なお、充填部6aの上端面の薬液5の薬品成分濃度は、図8(a)に示す充填部6の上端面の薬液5の薬品成分濃度に等しい。
一方、第1の充填部6aの高さHaは、図8(a)の充填部6の高さHより小さいため、第1の充填部6aの下端面(底面)での薬品成分濃度は充填部6の下端面の薬品成分濃度より高い。
第2の充填部6bに対しては、第2の薬液放出部4bより薬液5が新たに供給される。
図8(b)の点線Laは、第2の薬液放出部4bから薬液5が供給されずに第1の充填部6aを介して第1の薬液放出部4aから薬液5が供給された場合の第2の充填部6bにおける薬液5の薬品成分濃度を示し、図8(b)の点線Lbは、第1の薬液放出部4aから薬液5が供給されずに第2の薬液放出部4bから薬液5が供給された場合の第2の充填部6bにおける薬液5の薬品成分濃度を示す。
図8(b)の領域Bにおける実線は、第1の薬液放出部4a及び第2の薬液放出部4bから薬液5が供給された場合の第2の充填部6bにおける薬液5の薬品成分濃度を示す。この場合、第2の充填部6bにおける薬液5は、点線Lba及び点線Lbで示される薬液5の混合液となる。
例えば、図8(a)において、薬品成分濃度が400[ppm]の薬液5が薬液放出部4から充填部6に供給され、充填部6の上端面(横軸=0)での薬品成分濃度が400[ppm]であるとする。充填部6内で薬液5の薬品成分がガスGに含まれる臭気成分と均等に反応し、充填部6の中間点(横軸=H/2=Ha)での薬品成分濃度が250[ppm]、充填部6の底面である下端面(横軸=H)での薬品成分濃度が100[ppm]であるとする。
図8(b)において、薬品成分濃度が400[ppm]の薬液5が第1の薬液放出部4aから第1の充填部6aに供給され、第1の充填部6aの上端面(横軸=0)での薬品成分濃度は400[ppm]となる。第1の充填部6a内で薬液5の薬品成分がガスGに含まれる臭気成分と均等に反応し、第1の充填部6aの底面である下端面(横軸=Ha)での薬品成分濃度は250[ppm]となる。
さらに薬品成分濃度が400[ppm]の薬液5が第2の薬液放出部4bから第2の充填部6bに供給されると、第1の薬液放出部4aから第1の充填部6aを経由して第2の充填部6bに供給される薬液5と混合され、第2の充填部6bの上端面(横軸=Ha)での薬品成分濃度は325[ppm]となり、第2の充填部6b内で薬液5の薬品成分がガスGに含まれる臭気成分と均等に反応し、第2の充填部6bの底面である下端面(横軸=Ha+Hb=H)での薬品成分濃度は175[ppm]となる。
このように、図1に示す1つの充填部6を有する脱臭装置100と比較して、図7に示す2つの充填部(第1の充填部6a及び第2の充填部6b)を有する脱臭装置100の方が、高い薬品成分濃度の薬液5とガスGとを反応させることができる。
一般に化学反応速度は、反応物の濃度に依存するため、化学反応領域である2つの充填部(第1の充填部6a及び第2の充填部6b)内に供給される薬液5の実質的な薬品成分濃度を高めることで、ガスGの脱臭効率を向上させることができる。
また、2つの充填部(第1の充填部6a及び第2の充填部6b)を有する脱臭装置100の方が、ガスGの流れ方向に沿った、充填部内の薬液5の薬品成分濃度が高い領域の長さが拡大される。
例えば、図7に示す脱臭装置100の運転方法として、脱臭処理の間は常時、第1の薬液放出部4a及び第2の薬液放出部4bの両方から第1の充填部6a及び第2の充填部6bに薬液5を供給し、ガスGの脱臭処理を行う運転方法を採用することができる。第1の薬液放出部4a及び第2の薬液放出部4bから供給される薬液5の流量は、実施形態1に記載のように、制御装置33によって、検出器Sにより計測したガスGに含まれる臭気成分の濃度に従って変化させることができる。
しかし、脱臭装置100の運転方法として、常時、第1の薬液放出部4a及び第2の薬液放出部4bの両方から薬液5を放出するのではなく、以下に示すようにガスGに含まれる臭気成分の濃度に応じて第1の薬液放出部4aと第2の薬液放出部4bの制御方法を変える運転方法を採用してもよい。その結果、脱臭装置100の電力コストを低減することができる。
図3に示すように、突発的なガスGに含まれる臭気成分の濃度の増加がない通常状態(臭気成分の濃度が予め設定した閾値(例えば、図6中の点線により設定された値)以下の場合)においては、第1の反応モジュールにおける第1の薬液放出部4aのみから薬液5を放出し、第1の充填部6a及び第2の充填部6bに薬液5を供給し、そしてガスGに含まれる臭気成分の濃度に従って薬液5の流量を制御する。
この場合、第1の充填部6a及び第2の充填部6bを、図1に示す1つの充填部6として使用することができる。すなわち、実施形態1の脱臭装置100と同様の運転制御を採用することができる。この際、第2の反応モジュールにおける第2の薬液放出部4bからは薬液5を放出しない(放出する薬液5の流量がゼロ)。すなわち、第1の薬液循環ポンプ12aのみを稼働し、第2の薬液循環ポンプ12bを稼働しない。
そして、突発的にガスGに含まれる臭気成分の濃度が急増した場合には(図6中の領域Aで示すように臭気成分の濃度が予め設定した閾値を超えた場合)、追加的に第2の反応モジュールにおける第2の薬液放出部4bから薬液5を供給し、ガスGに含まれる臭気成分の濃度に従って薬液5の流量を制御してもよい。すなわち、第1の薬液循環ポンプ12a及び第2の薬液循環ポンプ12bを稼働する。
通常状態では第1の薬液循環ポンプ12aのみを稼働して脱臭装置100を運転するため、電力消費量の増大を防止できる。
制御装置33は、臭気成分の濃度と予め設定した閾値(例えば、図6の点線で示す値)とを比較し、上述のように第1の薬液放出部4a及び第2の薬液放出部4bへの薬液5の供給流量を制御することができる。
具体的には、ガスGに含まれる臭気成分の濃度が予め設定した閾値以下の場合、第2の薬液放出部4bに薬液5を供給せず(第2の薬液放出部4bへ薬液を供給する流量をゼロとし)、第1の薬液放出部4aから放出される薬液5の流量(供給流量)は、検出器Sで検出される臭気成分の濃度に依存して変化させる。
臭気成分の濃度が予め設定した閾値を超える場合、第1の薬液放出部4aから放出される薬液5の流量を所定の最大値に設定し、第2の薬液放出部4bから放出される薬液5の流量を検出器Sで検出される臭気成分の濃度に依存して変化させることができる。
なお、簡易的に第1の薬液放出部4a及び第2の薬液放出部4bの少なくとも一方から供給される薬液5の流量を一定の流量としてもよい。
なお、制御装置33は、ガスGに含まれる臭気成分の濃度が予め設定した閾値以下の場合に、第1の薬液放出部4aに薬液5を供給せず、第2の薬液放出部4bに薬液を供給するよう制御することも可能である。しかしこの場合、第2の薬液放出部4bから放出された薬液は、第2の充填部6bのみに供給され、第1の充填部6aに供給されないため、第1の充填部6aに充填された触媒が有効に活用されない。そのため、臭気成分の濃度が予め設定した閾値以下の場合、上段に設けられた第1の薬液放出部4aから薬液を放出するよう制御することが好適である。このことは他の実施形態についても同様である。また、脱臭装置100は、2以上の反応モジュールを備えてもよい。
いずれの運転方法においても、循環薬液槽9の薬液5(又は循環する薬液5)の薬品成分濃度を増大させることなく、臭気成分の濃度に応じて、充填剤(触媒)表面での薬液5の薬品成分濃度を実質的に増大させ、突発的な臭気成分の濃度の増大に即座に対応が可能であり、臭気性ガスの脱臭に使用される薬液の利用効率を向上させ、薬液5のランニングコストの増加を低減できる。
充填部(第1の充填部6a及び第2の充填部6b)内での実質的な薬品成分濃度の増大は、逆に循環薬液槽9の薬液5(又は循環する薬液5)の薬品成分濃度を低下し得ることを意味し、その意味においても薬液5のランニングコストの増加を低減できる。
(実施形態3)
実施形態3においては、図7に示すように充填部6を多段の充填部から構成することにより、従来の脱臭装置と比較してより広範囲で脱臭処理に最適な薬液5の供給流量の制御が可能となる。
図9は、薬液放出部4から薬液5が放出される角度(放出角又は噴霧角)の、薬液5の流量依存性を示し、図9中ハッチングを施した領域は、薬液5が供給される主な領域を模式的に示す。図9において、図9(a)、(b)、(c)の順に薬液5を放出する流量(放出量)が増大する。
なお、理解のため、図9においてはハッチング領域は簡略化して描画されており、薬液5が供給される領域を限定するものではない。
図9(a)に示すように薬液5の放出量が小さく、放出圧が小さい場合、図中2θaで示す薬液5の放出角が小さく、充填部6の一部に薬液5が供給されない又は供給流量が相対的に少ない箇所(図中矢印Rで示す領域)が存在する。すなわち、充填部6に充填された触媒の一部は、実質的に薬液5が供給されず有効に活用されていないことになる。充填部6の薬液5が十分に供給されていない領域を通過するガスGの脱臭効果は低下し、その結果、脱臭装置100の脱臭効率が低下することになる。
さらに薬液5の放出量が増大し放出圧が増大すると、薬液5の放出角が増大し、充填部6の上端面に散布される薬液5の面積が増大し、図9(b)に示すように、充填部6の上端面に散布される薬液5の面積と充填部6の上端面の面積が一致するようになる。薬液放出部4から放出される薬液5が、図9(b)に示す放出角(2θb)を有する場合、過不足無く充填部6の上端面に薬液5が供給(散布)されるため、充填部6に充填された触媒を効果的に脱臭反応に使用することができる。
薬液5の薬液放出部4からの放出角、充填部6の上端面の半径(又は面積)及び薬液放出部4と充填部6の上端面との距離、の幾何学的関係により、充填部6に収容された触媒表面に散布された薬液5とガスGに含まれる臭気成分との反応を効率よく促進させる薬液循環流量条件が確定することができる。
さらに薬液5の放出量が増大し放出圧が増大すると、図9(c)に示すように薬液5の放出角(2θc)が増大し、薬液5は充填部6の上端面全面に散布されるとともに、過剰に増大した一部の薬液5は脱臭塔1の壁面Swに散布される。壁面Swに付着した薬液5は、壁面Swに沿って流れ落ち、充填部6に充填された触媒表面に供給されないことがある。その結果、壁面Swに散布された一部の薬液5は、充填部6の触媒に十分に供給されず、脱臭効率が低下することになる。
このように図9(a)に示す状態では、図9(b)に示す状態での脱臭効率に対して、薬液5の流量が低下する影響により脱臭効率が低下するだけでなく、充填部6への薬液の散布領域が縮小するため、その影響によりさらに脱臭効率が低下する。
一方、図9(c)に示す状態では、図9(b)に示す状態での脱臭効率に対して、薬液5の流量が増大する効果により脱臭効率は増加するものの、一部の薬液5は充填部6の触媒作用の効果を(十分に)得られず、薬液流量の増加による脱臭効率の増加が鈍化(制限)される。
従って、図9(b)に示す幾何学的な薬液5の散布状態を実現することができる薬液5の流量(「最適化流量」と称す)の近傍で効率的に脱臭能力の制御が可能となる。例えば、薬液5の流量の範囲は、幾何学的な最適化流量を含む流量制御範囲(「幾何学的最適流量範囲」と称す)であり、好適には幾何学的な最適化流量の0.8倍~1.2倍の範囲である。
図10(a)、(b)は、それぞれ薬液5の薬液放出部4からの放出分布と円筒形の充填部6との幾何学的関係を模式的に示す斜視図及び断面図である。
図10(a)は、薬液放出部4と充填部6との距離に依存して薬液5が散布される領域の面積が変化する状況を示す。薬液放出部4からの距離とともに薬液5が散布される領域が拡大される状況を示す。
位置Pbにおいては、充填部6の上端面Stと平行な面での薬液5の散布領域(断面積)は上端面Stの領域(面積)と等しくなり、図9(b)に示す状態に相当する。
一方、位置Pbより薬液放出部4からの距離が短い位置Paにおいては、充填部6の上端面Stと平行な面での薬液5の散布領域(断面積)は上端面Stの領域(断面積)より小さくなり、図9(a)に示す状態に相当する。
また、位置Pbより薬液放出部4からの距離が長い位置Pcにおいては、充填部6の上端面Stと平行な面での薬液5の散布領域(断面積)は上端面Stの領域(面積)より大きくなり、図9(c)に示す状態に相当する。
図10(b)は、薬液放出部4からの薬液5が幾何学的な最適化流量である条件において、薬液放出部4から放出される薬液5の放出角(2θ)と、薬液放出部4から充填部6の上端面Stまでの距離dと、充填部6の上端面Stの直径(2r)との関係を示す。図10(b)より、幾何学的な最適化流量条件では、θとd及びrとの関係はtanθ=r/dとなる。
角度θは、薬液5の供給流量である放出量に依存するため、上記関係式から薬液5の放出量が確定できる。
なお、上記の関係式は、薬液放出部4の1点から薬液5が放射状に放出される場合に適応されるが、薬液5の散布される領域の面積により、以下のように幾何学的な最適化流量を規定できる。
すなわち、薬液放出部4から供給される薬液5の幾何学的な最適化流量は、充填部6の上端面Stと平行な面において薬液5が散布される領域の面積(断面積)と、充填部6の上端面Stの面積とが等しくなる流量である。従って、幾何学的な最適化流量は、薬液放出部4の1点から放射状に薬液5が放出される場合に限定されず、例えば、複数薬液放出部4から薬液5を放出する等の様々な放出(散布)方法について求めることができる。
薬液放出部4から供給される薬液5の放出量と脱臭効果との関係は、脱臭塔1に流入するガスGの臭気成分濃度と脱臭塔1から排出されるガスGの臭気成分濃度との関係から実測することも可能である。例えば流出口8に追加的に検出器S(ガスセンサ)を設置し、試験的に臭気成分濃度が既知の一定の値であるガスGを導入し、薬液5の薬液放出部4から放出量を変化させ、脱臭塔1の出口でのガスGの臭気成分濃度を測定する。出口側の臭気成分濃度の薬液5の放出量依存性を測定し、臭気成分濃度の減少率の薬液5の放出量依存性から最適化流量を実測することも可能である。
なお、上述の脱臭効果の計測方法は、他の実施形態においても適応可能である。
さらに、図7に示すように充填部6を第1の充填部6a及び第2の充填部6bの2段構成とすることにより、第1の充填部6a及び第2の充填部6bに対して、それぞれ第1の薬液放出部4aと第1の充填部6aとの関係から決まる第1の幾何学的な最適化流量及び第2の薬液放出部4bと第2の充填部6bとの関係から決まる第2の幾何学的な最適化流量が存在する。その結果、効率的にガスGに含まれる臭気成分を脱臭する薬液5の流量範囲を拡大することができる。
脱臭装置100の制御装置33の記録装置(又は外付けの記録装置)には、上記第1の幾何学的な最適化流量及びそれを含む第1の幾何学的最適流量範囲、並びに上記第2の幾何学的な最適化流量及びそれを含む第2の幾何学的最適流量範囲が記録されている。
制御装置33は、第1の薬液循環ポンプ12a及び第2の薬液循環ポンプ12bを制御することにより、検出器Sにより検出されたガスGに含まれる臭気成分の濃度に従って、第1の幾何学的最適流量範囲及び第2の幾何学的最適流量範囲内で、第1の薬液放出部4a及び第2の薬液放出部4bから供給される薬液5の流量を制御する。
例えば、制御装置33により、第1の薬液放出部4a及び第2の薬液放出部4bの両方から同時に薬液5を第1の充填部6a及び第2の充填部6bに供給することができる。
制御装置33は、第1の幾何学的最適流量範囲内及び第2の幾何学的最適流量範囲内で、実施形態1において説明したように、検知器Sから入力した臭気成分の濃度に依存して、第1の薬液放出部4a及び第2の薬液放出部4bから供給する薬液5の流量を変化させることができる。そのため、脱臭装置100は、臭気性ガスの脱臭に使用される薬液の利用効率を向上させ、さらに効率的にガスGの脱臭処理を行うことができる。
また、制御装置33は、以下に説明するように、ガスGに含まれる臭気成分の濃度の値に応じて、第1の薬液放出部4a及び第2の薬液放出部4bの一方又は両方からの薬液5の供給を制御してもよい。その結果、脱臭装置100の電力コストの低減が可能である。
制御装置33は、検知器Sから入力した臭気成分の濃度と予め設定した閾値とを比較し、臭気成分の濃度が予め設定した閾値以下の場合、第1の薬液循環ポンプ12aのみを稼働し、制御することにより、第1の薬液放出部4aのみから薬液5を第1の充填部6aに供給する。
具体的には、制御装置33は、第1の薬液循環ポンプ12aを制御することにより、検出された臭気成分の濃度に従い、第1の充填部6aに対する幾何学的な最適化流量を含む流量範囲(第1の幾何学的最適流量範囲、例えば第1の幾何学的な最適化流量の0.8から1.2倍の範囲)内で第1の薬液放出部4aから第1の充填部6aに供給する薬液5の流量を制御する。
なお、第2の薬液放出部4bから薬液5は供給されない。
ここで、臭気成分の濃度の予め設定した閾値として、例えば、第1の薬液放出部4aから第1の幾何学的最適流量範囲の最大値(例えば、第1の幾何学的な最適化流量の1.2倍)の薬液5が供給された場合に、脱臭処理装置100が脱臭できる臭気成分の濃度又はそれ以下の値を採用することができるが、それに限定するものではない。
制御装置33は、検知器Sから入力した臭気成分の濃度と予め設定した閾値とを比較し、検知器Sから入力した臭気成分の濃度が予め設定した閾値より大きい場合、第1の薬液循環ポンプ12a及び第2の薬液循環ポンプ12bを制御することにより、第1の薬液放出部4a及び第2の薬液放出部4bから薬液5を第1の充填部6a及び第2の充填部6bに供給する。
具体的には、制御装置33は、第1の薬液循環ポンプ12aを制御することにより、第1の幾何学的最適流量範囲で最大流量の薬液5を第1の薬液放出部4aから第1の充填部6aに供給し、そして、第2の薬液循環ポンプ12bを制御することにより、第2の幾何学的最適流量範囲内で、検出された臭気成分の濃度に従い、第2の薬液放出部4bから第2の充填部6bに供給する薬液5の流量を制御する。
例えば、第1の薬液放出部4aから流れ込む薬液5の流量を第1の幾何学的な最適化流量の1.2倍とし、第2の薬液放出部4bから流れ込む薬液5の流量を、第2の幾何学的最適流量範囲(例えば第2の幾何学的な最適化流量の0.8から1.2倍)内で、検出された臭気成分の濃度(又は検出された臭気成分の濃度から予め設定した閾値を差し引いた値)に応じて制御する。
なお、簡易的に第1の薬液放出部4a及び第2の薬液放出部4bの少なくとも一方から供給される薬液5の流量を一定の流量としてもよい。
例えば、第1の薬液放出部4a及び第2の薬液放出部4bの両方において、一定の流量の薬液5を放出してもよい。
検知器Sから入力した臭気成分の濃度が予め設定した閾値以下の場合、第1の薬液放出部4aのみから第1の充填部6aに対する幾何学的最適流量の範囲内の一定の流量の薬液5を第1の充填部6aに供給し、検知器Sから入力した臭気成分の濃度が予め設定した閾値を超える場合、さらに第2の薬液放出部4bから第2の充填部6bに対する幾何学的最適流量範囲内の一定の流量の薬液5を第2の充填部6bに供給し、第1の薬液放出部4a及び第2の薬液放出部4bから第1の充填部6a及び第2の充填部6bに薬液5を供給してもよい。
このように充填部6を複数の充填部(第1の充填部6a及び第2の充填部6b)により構成することで、広範な幾何学的最適流量範囲で複数の充填部(第1の充填部6a及び第2の充填部6b)に薬液5を供給することができ、脱臭装置100の脱臭効率を向上させることができる。薬液5を効率的に利用できるため、薬液5のランニングコストを低減することができる。
なお、幾何学的最適流量範囲での薬液の供給流量制御は実施形態1においても適用可能である。
なお、上記実施形態2、3においては、充填部6として第1の充填部6a及び第2の充填部6bからなる2つの充填部を備えた脱臭装置100の例について説明したが、充填部を3つ以上の充填部により構成し、それぞれの充填部に対応させて、それぞれの充填部の直上に薬液放出部を設けても良い。すなわち、脱臭塔1の内部に1つの充填部とその直上に位置する1つの薬液放出部との組み合わせを1つの反応モジュールとし、2またはそれ以上の複数の反応モジュールを多段に積層し、循環薬液槽9上に設けてもよい。
制御装置33は、多段に積層された複数の反応モジュールを、反応モジュールの数から1少ない予め設定した閾値を使用して、最上段のモジュールから下段のモジュールへと順に、薬液5の供給流量を制御すればよい。
例えば、上段から下段に順に配列した第1の充填部6a、第2の充填部6b及び第3の充填部6c並びに、それぞれに対応した第1の薬液放出部4a、第2の薬液放出部4b及び第3の薬液放出部4cを備え、第1、第2及び第3の反応モジュールを構成する。そして、2つの予め設定した閾値である第1の閾値及び第2の閾値(>第1の閾値)と検知器Sから入力した臭気成分の濃度とを順次比較する。
臭気成分の濃度が第1の閾値以下の場合には、薬液を供給する反応モジュールとして第1の反応モジュールを選択し、第1の反応モジュールにおける第1の薬液放出部4aのみから薬液5を供給する。
臭気成分の濃度が第1の閾値より大きく第2の閾値以下の場合には、薬液を供給する反応モジュールとして第1の反応モジュール及び第2の反応モジュールを選択し、第1の反応モジュールにおける第1の薬液放出部4a及び第2の反応モジュールにおける第2の薬液放出部4bのみから薬液5を供給する。
臭気成分の濃度が第2の閾値より大きい場合には、薬液を供給する反応モジュールとして第1の反応モジュール、第2の反応モジュール及び第3の反応モジュールを選択し、第1の反応モジュールにおける第1の薬液放出部4a、第2の反応モジュールにおける第2の薬液放出部4b及び第3の反応モジュールにおける第3の薬液放出部4cから薬液5を供給するよう構成すればよい。
すなわち、臭気成分の濃度に従い、複数の反応モジュールから薬液放出部から薬液5を放出する反応モジュールを選択し、臭気成分の濃度の増加に伴い薬液を供給する反応モジュールの数を順次増大させる。この場合、充填部に充填された触媒を有効に活用するために、臭気成分の濃度の増加とともに上段に設けられた反応モジュールから順に選択し、順次薬液を選択された反応モジュールに供給する。
逆にガスGに含まれる臭気成分の濃度が減少した場合、臭気成分の濃度の減少とともに、下段に設けられた反応モジュールから順に選択し、選択された反応モジュールへの薬液の供給を停止する。従って、脱臭処理を行う場合、最上段に設置された反応モジュールには常に薬液が供給されている。
制御装置33により、第1の薬液放出部4a、第2の薬液放出部4b及び第3の薬液放出部4cに対応した第1の薬液循環ポンプ12a、第2の薬液循環ポンプ12b及び第3の薬液循環ポンプ12cを制御することで、それぞれの(第1、第2及び第3の)反応モジュールの運転を制御できる。
(脱臭効果の検証)
従来の脱臭装置99と本発明に係る脱臭装置100との運転コストの比較実験を行った。
図11に示すように、導入された臭気成分を含むガスGは2つに分岐され、バルブV1及びバルブV2により風量が調整され、従来の脱臭装置99及び本発明に係る脱臭装置100に導入される。脱臭処理されたガスGは、ファンFにより大気放出される。
脱臭装置99は、次亜塩素酸(NaOCl)及びNaOHの薬液を使用し、脱臭装置100は、次亜塩素酸の制御のため電解槽を用い、NaCl及びNaOHの薬液を使用した。
上述のとおりそれぞれの脱臭装置99、100の入口側と出口側にガス検出器Si及びSoを設置し、脱臭処理後のガスGの臭気成分濃度を測定することができる。ガス検出器Si及びSoの測定値を利用して、脱臭装置99及び脱臭装置100の最適な運転条件が決定される。
具体的には、図11に示すように、ガスGの臭気成分濃度は、入口側のガス検出器Siにより測定される。脱臭装置99により脱臭処理されたガスGの臭気成分濃度は、脱臭装置99の出口側のガス検出器So1により測定され、脱臭装置100により脱臭処理されたガスGの臭気成分濃度は、脱臭装置100の出口側のガス検出器So2により測定される。
なお、脱臭装置99及び脱臭装置100の入口側に、それぞれのガス検出器Si1及びSi2を設けて、脱臭装置99及び脱臭装置100の脱臭処理後のガスGの臭気成分濃度を測定してもよい。脱臭装置100は、ガス検出器Si2(又はガス検出器Si)の臭気成分濃度の測定値を利用して運転制御される。
比較試験のため、脱臭装置99及び脱臭装置100内のガスGの流速を同一(1.05[m/s])に設定し、さらにガスGの風量に対する薬液の散水量の比([薬液の散水量]/[ガスGの風量])を同一に設定して、脱臭装置99及び脱臭装置100の最適な条件により、ガスGの脱臭処理を行った。
以下に測定結果の例(異なる2日の測定例)を示すように、脱臭装置99及び脱臭装置100によりガスGの臭気成分を十分に除去し得る条件で運転された。
(測定例1)測定日:2020年9月17日
入口側の検出器Siにより測定した結果、ガスGの臭気成分であるメチルメルカプタン、硫化水素、硫化メチル及び二硫化メチルの濃度は、それぞれ0.28、6.4、0.032及び0.02[ppm]であることが確認された。
脱臭装置99の出口側の検出器So1により測定した結果、脱臭処理後のガスGのメチルメルカプタン、硫化水素、硫化メチル及び二硫化メチルの濃度は、それぞれ0.005[ppm]未満 、0.001[ppm]、0.001[ppm]未満及び0.001[ppm]未満であった。
脱臭装置100の出口側の検出器So2により測定した結果、脱臭処理後のガスGのメチルメルカプタン、硫化水素、硫化メチル及び二硫化メチルの濃度は、それぞれ0.005[ppm]未満 、0.001[ppm]未満、0.001[ppm]未満及び0.001[ppm]未満であった。
(測定例2)測定日:2020年10月21日
入口側の検出器Siにより測定した結果、ガスGの臭気成分であるメチルメルカプタン、硫化水素、硫化メチル及び二硫化メチルの濃度は、それぞれ0.14、5.2、0.023及び0.017[ppm]であることが確認された。
脱臭装置99の出口側の検出器So1により測定した結果、脱臭処理後のガスGのメチルメルカプタン、硫化水素、硫化メチル及び二硫化メチルの濃度は、それぞれ0.005[ppm]未満、0.003[ppm]、0.001[ppm]未満及び0.001未満であった。
脱臭装置100の出口側の検出器So2により測定した結果、脱臭処理後のガスGのメチルメルカプタン、硫化水素、硫化メチル及び二硫化メチルの濃度は、それぞれ0.005[ppm]未満、0.001[ppm]未満、0.001[ppm]未満及び0.001[ppm]未満であった。
図12は、2020年9月18日0時から2020年9月26日0時までの期間の脱臭装置100の次亜塩素酸濃度(図中A)、入口硫化水素平均濃度(図中B)、薬液排出量(図中C)の経時変化を例示するグラフである。横軸は日時、左縦軸は薬液排出量[cc/min]又は硫化水素濃度[ppm]、右縦軸は次亜塩素酸濃度[ppm]を示す。
なお、図12は本質的に図5と同様の経時変化を示すグラフであるが、図5のグラフは視認性のため軸のスケールを調整していため、特に縦軸のスケールが図12のグラフと異なる。
脱臭装置100のランニングコスト低減効果を確認するため、脱臭装置99及び脱臭装置100において、15日間ガスGの脱臭処理を行い、脱臭風量1[m]当たりの運転コスト(各薬液及び電力コスト)を算出して比較した。
その結果、本発明に係る脱臭装置100の処理コストは、従来の脱臭装置99の処理コストの0.39倍(61%低減)であり、脱臭装置100により大幅なコスト低減を図ることが可能であることが確認された。
(臭気成分濃度の測定ユニット)
脱臭装置の脱臭効果を確認等するため、ガスGの臭気成分濃度の測定を容易にすることができる測定ユニット50について説明する。以下に説明するように測定ユニット50は、検出器を稼働し、検出器の測定データを収集することができる。
脱臭装置100の入口側及び出口側にガス検出器Si及びSoを設けることで、脱臭処理の効果を確認することができる。具体的には、図13に示すように、第1の配管3のガスGの流入口2に入口側ガス検出器Siを設置し、脱臭塔1のガスGの流出口8に出口側ガス検出器Soを設置する。入口側ガス検出器Si(以下、第1のガス検出器S1と称することがある。)及び出口側ガス検出器So(以下、第2のガス検出器S2と称することがある。)は信号線34a、34bにより測定ユニット50と電気的に接続されており、入口側ガス検出器Si及び出口側ガス検出器Soの出力信号は測定ユニット50に入力される。また、入口側ガス検出器Si及び出口側ガス検出器Soは、測定ユニット50から信号線34a、34bを介して電源が供給される。
なお、流出口8に排気ダクトを更に設け、排気ダクトに出口側ガス検出器Soを設置してもよい。
入口側ガス検出器Si及び出口側ガス検出器Soは、脱臭装置100へのガスGの導入用配管及び処理されたガスGの放出用配管に検出器用ポートを設け、各検出器Si、Soの交換が可能なようにネジ等により着脱可能に設置してもよい。
また、検出器用ポートは、検出器Si、Soを取り外した際には閉栓プラグをネジ等により取り付けることも可能である。
図14は測定ユニット50の構成例を具体的に示す図である。図14(a)は測定ユニット50の回路構成図を示し、図14(b)は測定ユニット50の外観平面図、図14(c)は測定ユニット50の外観斜視図である。
図14(a)に示すように、電源用コネクタ52、検出器用コネクタ53a、53bを備えた筐体51は、その内部に、漏電ブレーカーELB、直流電源DC1、DC2、データロガーDL、切替スイッチSW1、SW2及び検出器用制御回路CTL1、CTL2を備えている。
漏電ブレーカーELBは、漏電を感知して電力供給を遮断する安全装置である。
データロガーDL及び直流電源DC1、DC2には、電源用コネクタ52及び漏電ブレーカーELBを介して、外部の交流電源PWから電力が供給されている。
直流電源DC1、DC2は、電源用コネクタ52を介して供給される交流電力を直流電力に変換し、直流電力を制御回路CTL1、CTL2に供給する。
制御回路CTL1、CTL2は、検出器用コネクタ53a、53bを介して脱臭装置100に設置された第1及び第2の検出器S1、S2に接続され、第1及び第2の検出器S1、S2に電力を供給するとともに、入力用信号線SLI1、SLI2を経由して、第1及び第2の検出器S1、S2からの出力信号(検出信号)を受信し、出力用信号線SLO1、SLO2及び切替スイッチSW1、SW2を介してデータロガーDLに、臭気成分濃度のデータとして出力信号を出力する。
データロガーDLは、信号を入力する複数の入力チャネルを備えており、入力チャネル毎に、分析可能なレンジを適宜設定可能である。
切替スイッチSW1、SW2は、第1及び第2の検出器S1、S2の出力信号レベルに合わせて、データロガーDLへの入力チャネルの選択を行うことができる。そのため、ガスGに含まれる臭気成分濃度のレベル(低濃度又は高濃度)に応じて、切替スイッチSW1、SW2によりデータロガーDLへの入力チャネルを選択でき、適切に精度良く臭気成分濃度の測定が可能である。
データロガーDLは、演算処理装置、記録装置及び表示画面(表示装置)を備えており、信号線を介して入力された各検出器S1、S2の臭気成分濃度に関する信号(検出信号)をデータとして記録装置に保存するとともに、表示画面にグラフ化して表示することができる。例えば、データロガーDLは、臭気成分濃度の経時変化をリアルタイムに表示画面に表示することができる。データロガーDLは表示装置を備えた市販のデータロガーを使用することができる。
なお、データロガーDLが検出信号をデータとして記録装置に保存するとは、例えば信号線を介して入力された検出信号(アナログ信号)をデジタル化し、記録装置に記録(保存)することを意味する。ただし、データロガーDLが入力する検出信号がデジタル信号の場合は、デジタル化処理をすることなく記録装置に記録することも可能である。
なお、測定ユニット50に接続する検出器Sの台数は2台に限定されない。直流電源DC1(DC2)、切替スイッチSW1(SW2)、制御回路CTL1(CTL2)の組み合わせを、検出器Sの台数に合わせて準備することで、1以上の任意の台数の検出器Sを測定ユニット50に接続し、検出器Sの測定データを収集することができる。
図14(b)に示すように、筐体51は、側面部に電源用コネクタ52、検出器用コネクタ53a、53bを備え、上面に窓54を備えている。窓54は開口部に透明版が固定されている。窓54を介してデータロガーDLの表示画面を視認(確認)することができる。
図14(c)に示すように、筐体51の形状はアタッシュケース状(箱型の鞄状)であり、本体部55(収容部)と蓋部56とから構成されている。漏電ブレーカーELB、直流電源DC1、DC2、データロガーDL、切替スイッチSW1、SW2及び制御回路CTL1、CTL2は、本体部55に収容されている。電源用コネクタ52及び検出器用コネクタ53a、53bは本体部に設けられ、窓54は蓋部56に設けられている。
本体部55に対して蓋部56を開いた状態で切替スイッチSW1、SW2等の操作が可能となる。
本体部55の前面部には取手57及び留具58(ロック機構)を備えられ、留具58により、本体部55と蓋部56とが係脱可能に固定できる。
本体部55及び蓋部56の前面部と対向する背面部には、図示しない蝶番が設けられ、本体部55及び蓋部56は、蝶番により回動可能(開閉可能)に支持されている。
本体部55と蓋部56とを留具58により固定した状態で、作業者が取手57を把持し、持ち運ぶことができる。
電源用コネクタ52に電源線を接続し、検出器用コネクタ53a、53bに検出器S1、S2を接続することができる。そのため、蓋部56を閉じた状態で、検出器S1、S2を利用して臭気成分濃度を測定し、データロガーDLにより測定値をデータ化し、ログとして記録、蓄積することができ、さらに窓54を介してデータロガーDLの表示装置に臭気成分濃度の測定データを視覚化し、確認することも可能である。なお、表示装置はデータロガーDLと独立して設け、筐体51に収容してもよい。別途設けられた表示装置の電力は、漏電ブレーカーELBを経由して供給できる。
蓋部56は、収容された各構成要素(漏電ブレーカーELB、データロガーDL等)を覆い、保護する効果を奏する。ガスGの臭気成分濃度の測定時に不慮の事故で収容された構成要素が破損することを防止する。
測定ユニット50は上述の実施形態に限定されないが、上述の実施形態の測定ユニット50はアタッシュケース状の筐体51に構成要素が統合されており、コンパクトで可搬に構成されている。
従って、必要に応じて測定ユニット50を脱臭装置100の検出器S(S1、S2)に接続し、容易にガスGの臭気成分濃度を測定することができる。
なお、測定ユニット50は従来の脱臭装置にも使用可能であり、既存の脱臭装置への利用も容易である。
上記のように、測定ユニット50を脱臭装置に組み込むのではなく、独立して可搬に構成することで、1台の(同一の)測定ユニット50を複数の脱臭装置や異なる場所に設置された脱臭装置に対して利用することも可能であり、脱臭装置のメンテナンス、状態診断、性能比較、脱臭条件の最適化や検出器の校正等にも利用可能である。そのため、脱臭処理業者だけでなく、脱臭装置の製造業者やメンテナンスサービス業者、環境調査業者も利用可能である。種々の用途、目的で、上述の可搬式の測定ユニット50を使用することができる。
本発明に係る脱臭装置は、臭気成分の濃度が変動するガスGに対して効率的に臭気成分を除去することが可能であり、装置のランニングコストの低減、又は操作者の作業負担を軽減することができ、産業上の利用可能性は大きい。
100 脱臭装置
1 脱臭塔
2 ガス流入口
3 第1の配管
3a 開口端部
4 薬液放出部
4a 第1の薬液放出部
4b 第2の薬液放出部
5 薬液
6 充填部
6a 第1の充填部
6b 第2の充填部
7 デミスター
8 流出口
9 循環薬液槽(薬液貯留部)
10 第1の排出口(循環用排出口)
10a 第1の循環用排出口
10b 第2の循環用排出口
11 第2の配管
11a、11b 配管
12 第1のポンプ(薬液供給装置)
12a 第1の薬液循環ポンプ
12b 第2の薬液循環ポンプ
13 第3の配管
13a、13b 配管
14 分岐部
15 第4の配管
16 第5の配管
17 導入口
17a 第1の導入口
17b 第2の導入口
18 流量計
18a 第1の流量計
18b 第2の流量計
19 pH計
20 次亜塩素酸濃度計
21 導入口
22 第2の排出口(外部排出口)
23 第6の配管
24 第2のポンプ(薬液排出装置)
25 排液管(ドレーン)
26 薬品(次亜塩素酸ナトリウム)供給装置
27 第7の配管
28 導入口
29 タンク
30 第8の配管
31 導入口
32 第3のポンプ(アルカリ溶液供給ポンプ)
33 制御装置
34、34a、34b 第1の信号線(センサ用信号線)
35 第2の信号線(流量計用信号線)
35a 第1の流量計用信号線
35b 第2の流量計用信号線
36 第3の信号線(pH計用信号線)
37 第4の信号線(濃度計用信号線)
38 第5の信号線
39 第6の信号線
40 第7の信号線
41 第8の信号線
50 測定ユニット
51 筐体
52 電源用コネクタ
53a、53b 検出器用コネクタ
54 窓(開口部)
55 本体部
56 蓋部
57 取手
58 留具(ロック機構)
261 電解槽
262 ポンプ
263 第3の排出口
264 配管
G ガス(被処理ガス)
S、S1、S2 検出器
Si、Si1、Si2 入口側ガス検出器
So、So1、So2 出口側ガス検出器
DC1、DC2 直流電源
CTL1、CTL2 制御回路
DL データロガー
ELB 漏電ブレーカー
SW1、SW2 切替スイッチ

Claims (15)

  1. 臭気性ガスと薬液とを混合する脱臭塔と、
    前記脱臭塔の内部に設置された薬液放出部と、
    前記脱臭塔に流入する前記臭気性ガスに含まれる臭気成分の濃度を測定する検出器と、
    前記薬液放出部に前記薬液を供給する薬液供給装置と、
    前記薬液を外部に排出する薬液排出装置と、
    前記薬液供給装置及び前記薬液排出装置を制御する制御装置とを備え、
    前記制御装置は、
    前記検出器の出力する前記臭気成分の濃度に基づいて前記薬液の排出量を制御することを特徴とする脱臭装置。
  2. 前記臭気成分の濃度が、予め定められた期間における濃度の積算値であるように構成された請求項1記載の脱臭装置。
  3. 前記検出器の出力する臭気成分の濃度に基づいて前記薬液の前記薬液放出部への流量を制御することを特徴とする請求項1又は2記載の脱臭装置。
  4. 充填剤を備えた充填部を更に具備すると共に、前記充填部と前記薬液放出部とで反応モジュールを構成し、
    前記脱臭塔の内部に前記反応モジュールが複数設けられ、
    前記制御装置は、前記検出器の出力する臭気成分の濃度に基づいて、前記薬液放出部のそれぞれに対する前記薬液の流量を制御することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の脱臭装置。
  5. 前記検出器は所定のサンプリング周期で臭気成分の濃度を測定し、
    前記制御装置は、前記サンプリング周期より長い時間間隔で前記検出器の出力する臭気成分の濃度を積算することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の脱臭装置。
  6. 前記薬液に薬品成分を供給する薬品成分供給装置を備え、
    前記制御装置は前記薬品成分供給装置を制御し、
    前記検出器の出力する臭気成分の濃度に基づいて前記薬液に供給する前記薬品成分の量を制御することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の脱臭装置。
  7. 前記薬品成分は次亜塩素酸ナトリウムであり、前記薬品成分供給装置は、電解槽を含むことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載の脱臭装置。
  8. 臭気成分を含む臭気性ガスを脱臭塔内で薬液と反応させて脱臭する脱臭方法であり、
    前記脱臭塔に流入する臭気性ガスに含まれる臭気成分の濃度を検出器により測定する工程と、
    前記臭気成分の濃度に基づいて前記脱臭塔から前記薬液の排出量を制御することを特徴とする脱臭方法。
  9. 前記検出器が測定した臭気成分の濃度に基づいて前記脱臭塔に放出する前記薬液の流量を制御する工程を更に含むことを特徴とする請求項8記載の脱臭方法。
  10. 前記検出器が測定した臭気成分の濃度に基づいて前記薬液に供給する次亜塩素酸ナトリウムの量を制御する工程を更に含むことを特徴とする請求項8又は9記載の脱臭方法。
  11. 充填剤を備えた充填部を更に具備すると共に、前記充填部と前記薬液放出部とで反応モジュールを構成し、
    前記脱臭塔の内部に前記反応モジュールが複数設けられ、
    前記検出器が測定した臭気成分の濃度に基づいて選択された前記反応モジュールの前記薬液放出部に前記薬液を供給する工程を含むことを特徴とする請求項8記載の脱臭方法。
  12. 前記薬液放出部から放出する前記薬液の流量を幾何学的最適流量範囲で制御する工程を含むことを特徴とする請求項11記載の脱臭方法。
  13. 電源用コネクタ及び検出器用コネクタを有する筐体を備え、
    前記筐体内には、直流電源と検出器用制御回路とデータロガーとを有し、
    前記直流電源は前記電源用コネクタを介して供給される交流電力を直流電力に変換し前記検出器用制御回路に供給し、
    前記検出器用制御回路は前記検出器用コネクタ介して接続される検出器に電力を供給するとともに、前記検出器からの信号を受信し、前記データロガーに出力し、
    前記データロガーは前記検出器用制御回路から入力した信号をデータとして記録することを特徴とする測定ユニット。
  14. 前記筐体は窓を有し、
    前記測定ユニットは表示装置を有し、
    前記表示装置は、前記データを表示可能であり、前記表示装置は前記窓から視認可能であることを特徴とする請求項13記載の測定ユニット。
  15. 前記筐体は本体部と、前記本体部に開閉可能に支持された蓋部とを有し、
    前記窓は前記蓋部に設けられ、
    前記電源用コネクタ及び前記検出器用コネクタは、前記本体部に設けられていることを特徴とする請求項14記載の測定ユニット。
JP2020194475A 2020-09-09 2020-11-24 脱臭装置及び脱臭方法 Active JP7309208B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2023066102A JP2023100672A (ja) 2020-09-09 2023-04-14 脱臭装置に取り付け可能な測定ユニット

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020151660 2020-09-09
JP2020151660 2020-09-09

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2023066102A Division JP2023100672A (ja) 2020-09-09 2023-04-14 脱臭装置に取り付け可能な測定ユニット

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2022045865A true JP2022045865A (ja) 2022-03-22
JP7309208B2 JP7309208B2 (ja) 2023-07-18

Family

ID=80774319

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020194475A Active JP7309208B2 (ja) 2020-09-09 2020-11-24 脱臭装置及び脱臭方法
JP2023066102A Pending JP2023100672A (ja) 2020-09-09 2023-04-14 脱臭装置に取り付け可能な測定ユニット

Family Applications After (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2023066102A Pending JP2023100672A (ja) 2020-09-09 2023-04-14 脱臭装置に取り付け可能な測定ユニット

Country Status (1)

Country Link
JP (2) JP7309208B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102488594B1 (ko) * 2022-07-28 2023-01-12 이석훈 조리장 내 조리흄 유해방지 안전 시스템

Citations (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5060477A (ja) * 1973-09-28 1975-05-24
JPS55142523A (en) * 1979-04-23 1980-11-07 Osaka Oxgen Ind Ltd Deodorizing waste gas containing malodorous component
JPS57191426U (ja) * 1981-05-28 1982-12-04
JPH0226615A (ja) * 1988-07-12 1990-01-29 Fuso Yunitetsuku Kk 消化ガスの脱硫装置
US5019339A (en) * 1988-02-26 1991-05-28 Pacific Engineering And Production Co. Of Nevada Control system for odor eliminating apparatus
JPH07116455A (ja) * 1993-10-22 1995-05-09 Kawasaki Heavy Ind Ltd 湿式排煙脱硫装置およびその制御方法
JPH08131760A (ja) * 1994-11-04 1996-05-28 Nippon Steel Corp 排ガスの生物脱臭装置
JPH08257348A (ja) * 1995-03-27 1996-10-08 Nippon Steel Corp 排煙脱硫装置における循環液の放流量制御方法
US5876662A (en) * 1991-10-28 1999-03-02 Us Filter/Rj Environmental, Inc. Odor control system
JP2004195438A (ja) * 2002-12-20 2004-07-15 Nippon Steel Corp 排煙脱硫装置、及びその制御方法、装置、コンピュータプログラム、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体
CN103977703A (zh) * 2014-01-14 2014-08-13 上海治然环保设备工程有限公司 一种沼气生物脱硫系统
JP2015116514A (ja) * 2013-12-17 2015-06-25 荏原実業株式会社 生物学的脱硫装置及び生物学的脱硫方法
JP2018051443A (ja) * 2016-09-26 2018-04-05 株式会社一芯 湿式脱臭装置および脱臭方法
JP2019072361A (ja) * 2017-10-18 2019-05-16 キヤノンマーケティングジャパン株式会社 洗浄システム及び洗浄方法、並びに、情報処理装置、その制御方法、及びプログラム

Patent Citations (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5060477A (ja) * 1973-09-28 1975-05-24
JPS55142523A (en) * 1979-04-23 1980-11-07 Osaka Oxgen Ind Ltd Deodorizing waste gas containing malodorous component
JPS57191426U (ja) * 1981-05-28 1982-12-04
US5019339A (en) * 1988-02-26 1991-05-28 Pacific Engineering And Production Co. Of Nevada Control system for odor eliminating apparatus
JPH0226615A (ja) * 1988-07-12 1990-01-29 Fuso Yunitetsuku Kk 消化ガスの脱硫装置
US5876662A (en) * 1991-10-28 1999-03-02 Us Filter/Rj Environmental, Inc. Odor control system
JPH07116455A (ja) * 1993-10-22 1995-05-09 Kawasaki Heavy Ind Ltd 湿式排煙脱硫装置およびその制御方法
JPH08131760A (ja) * 1994-11-04 1996-05-28 Nippon Steel Corp 排ガスの生物脱臭装置
JPH08257348A (ja) * 1995-03-27 1996-10-08 Nippon Steel Corp 排煙脱硫装置における循環液の放流量制御方法
JP2004195438A (ja) * 2002-12-20 2004-07-15 Nippon Steel Corp 排煙脱硫装置、及びその制御方法、装置、コンピュータプログラム、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体
JP2015116514A (ja) * 2013-12-17 2015-06-25 荏原実業株式会社 生物学的脱硫装置及び生物学的脱硫方法
CN103977703A (zh) * 2014-01-14 2014-08-13 上海治然环保设备工程有限公司 一种沼气生物脱硫系统
JP2018051443A (ja) * 2016-09-26 2018-04-05 株式会社一芯 湿式脱臭装置および脱臭方法
JP2019072361A (ja) * 2017-10-18 2019-05-16 キヤノンマーケティングジャパン株式会社 洗浄システム及び洗浄方法、並びに、情報処理装置、その制御方法、及びプログラム

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102488594B1 (ko) * 2022-07-28 2023-01-12 이석훈 조리장 내 조리흄 유해방지 안전 시스템
KR102547186B1 (ko) * 2022-07-28 2023-06-22 이석훈 공기배출량 조절기능을 갖는 조리장 내 조리흄 유해방지 안전 시스템

Also Published As

Publication number Publication date
JP7309208B2 (ja) 2023-07-18
JP2023100672A (ja) 2023-07-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2023100672A (ja) 脱臭装置に取り付け可能な測定ユニット
JP5841259B2 (ja) 燃焼排ガス海水清浄器からの排水の処理制御方法およびシステム
US9440183B2 (en) Method of controlling a wet scrubber useful for removing sulphur dioxide from a process gas
JP3750648B2 (ja) 消化ガスの脱硫装置及び脱硫方法
Smith et al. A model for the corrosion of steel subjected to synthetic produced water containing sulfate, chloride and hydrogen sulfide
KR20170068655A (ko) 이산화염소 가스 및 이산화염소수 발생 장치 및 방법
CN110213966A (zh) 压载水管理系统
US5720926A (en) Apparatus for removing a contaminant from a gas
JP7417526B2 (ja) 電気化学システムの作動状態を判断するための方法
KR101178851B1 (ko) 악취제거를 위한 살수 여과 시스템의 운전 방법
JP5756060B2 (ja) バイオガスの生物学的脱硫装置及び生物学的脱硫方法
JP5756061B2 (ja) バイオガスの生物学的脱硫装置及び脱硫方法
JP6430451B2 (ja) 湿式脱臭装置および脱臭方法
CN111686568A (zh) 一种污泥焚烧烟气排放达标控制系统及方法
JP4562087B2 (ja) 殺菌水生成装置の制御方法
JP7193836B2 (ja) 湿式脱臭装置及び脱臭方法
US7273561B1 (en) Method for determining the chemical dosage required to reduce sulfides in wastewater to acceptable levels
JP4596989B2 (ja) 電解水生成装置
JPH08257348A (ja) 排煙脱硫装置における循環液の放流量制御方法
KR101864339B1 (ko) 구획된 수조를 갖는 약액세정탑
JP6215257B2 (ja) バイオガスの生物学的脱硫方法
KR20190053319A (ko) 이산화염소 발생장치
JP2008051586A (ja) 炭酸カルシウム濃度の測定法、測定装置及び炭酸カルシウム濃度制御装置
JP6101740B2 (ja) バイオガスの生物学的脱硫方法
JP2001129355A (ja) チオ硫酸塩脱硝法における吸収液濃度の制御方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220816

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20220816

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20221101

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20221128

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20230131

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230414

C60 Trial request (containing other claim documents, opposition documents)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C60

Effective date: 20230414

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20230421

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230620

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230628

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7309208

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150