JP3675986B2 - 湿式排ガス脱硫装置と方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、湿式排ガス脱硫装置に係わり、特にSOx、酸性ガスおよび燃料中の金属成分を含むばいじんからなるボイラ等の燃焼排ガスを効率良く脱硫すると共に、排ガス脱硫装置から回収される副生物の純度を保つのに好適で、吸収剤やアルカリ剤のユーティリティを低減するのに好適な湿式排ガス脱硫装置と方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の湿式排ガス脱硫装置の系統を図3、図4に示す。
図3において、ボイラ等からの排ガス1は入口煙道3から吸収塔4に導入され、吸収塔4内に設置されたスプレ段8を介して、該スプレ段8に設置されたスプレノズルより噴霧される吸収液の液滴と接触することにより、排ガス1中のばいじんや塩化水素(HCl)、フッ化水素(HF)等の酸性ガスとともに、排ガス1中のSO2が液滴に吸収される。
【0003】
ガスに同伴されるミストは、後流側のミストエリミネータ5により除去され、清浄な排ガス2は出口煙道6を経て、必要により再加熱されて煙突より排出される。
【0004】
この時の処理ガス量は処理ガス流量計45で、吸収塔4の入口排ガス1中のSO2濃度は入口SO2計41で、吸収塔4の出口排ガス2中のSO2濃度は出口SO2計42でそれぞれ測定される。
【0005】
SO2の吸収剤である石灰石16は、石灰石スラリ槽15から石灰石スラリポンプ17により抜き出され、石灰石スラリ流量調整弁18によりSO2吸収量に応じて、吸収塔4内に吸収液である石灰石スラリとして供給される。吸収塔4下部の循環タンク4’内の吸収液は、吸収塔循環ポンプ7により抜き出されて昇圧され、吸収塔内のスプレノズルが配置されたスプレ段8に供給される。
【0006】
吸収塔4内で除去されたSO2は、吸収液中のカルシウムと反応し、中間生成物として重亜硫酸カルシウムを含む亜硫酸カルシウムになり、酸化用空気ブロワ21から循環タンク4’内に供給される空気によって酸化されて、最終生成物である石膏になる。
【0007】
前記酸化用空気は、循環タンク4’内の酸化用撹拌機26により微細化されて供給されることにより、酸化用空気の利用率が高められている。
【0008】
その後、循環タンク4’内の吸収液は、抜き出しポンプ9により生成した石膏量に応じて抜き出されるが、その一部はpH計タンク30に送られ、該タンク30に設置されたpH計31により循環タンク4’内の吸収液のpHが測定される。
【0009】
また、図4に示すように吸収剤濃度計32を設けることにより、吸収液中の吸収剤濃度の測定が行われる場合もある。
【0010】
一方、pH計タンク30に送られる吸収液以外の吸収液は、石膏脱水設備10に送られて脱水された後、必要に応じて石膏中の可溶性の不純物を除去するために洗浄され、粉体の石膏11として回収される。
【0011】
なお、回収される石膏の純度を決定する因子は、生成石膏量、吸収塔での捕集ばいじん量、吸収塔で除去されるHFと吸収剤との反応により生じるCaF2等の固形物量、未反応の吸収剤中の不純物量、吸収塔内での酸化が不十分である場合に残る亜硫酸カルシウム量、石膏洗浄が行われない場合の石膏付着水中の可溶性成分量および排水処理汚泥等の外部からの添加物量等であり、回収される石膏の商品価値を落とさないために、引き取り条件以上の石膏純度に保つ必要がある。
【0012】
なお、分離された水12は石灰石スラリ槽15等の補給水13として系内で再利用されるが、その一部は塩素等の濃縮を防ぐために排水14として抜き出されて排水処理設備50に送られる。
【0013】
このような従来技術の湿式排ガス脱硫装置において、脱硫性能に影響する因子として以下の3項目があげられる。
(1)吸収塔入口の排ガス流量およびSO2濃度
(2)吸収塔液ガス比(L/G)
(3)吸収液pHまたは吸収液の吸収剤濃度。
【0014】
例えば、上記(1)〜(3)の中で他の2条件が同一なら(1)入口排ガス流量およびSO2濃度が高い場合、(2)L/Gが低い場合または(3)吸収液pHが低い場合または吸収剤が不足する場合にそれぞれ脱硫率が低下する。
【0015】
したがって、高い脱硫性能を得る方法としては、(1)の入口SO2濃度や排ガス流量は脱硫装置側では制御できないので、(2)または(3)に着目した方法が用いられる。例えば(2)に着目した方法としては吸収塔循環ポンプ7の運転台数を変化させたり、吐出量が可変のものを用いることにより、L/Gを制御することができる。
【0016】
また(3)に着目した方法として、例えば図3に示すように、吸収塔4に供給する吸収液供給量を吸収液pH計31からの信号を指標として、石灰石スラリ流量調整弁18を調整することにより、吸収液pHが所定のpHになるように制御したり、図4に示すように、循環タンク4’内の吸収剤濃度を測定する吸収剤濃度計32からの信号を指標として、石灰石スラリ流量調整弁18を調整することにより、吸収液中の吸収剤濃度が一定となるように制御装置43で制御していた。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら前記従来技術では、石炭の種類によって影響の度合いは異なるが、運転中に循環タンク4’内の吸収液pHが比較的に短時間で低下し、目標とする脱硫性能が発揮できないという問題があった。この原因としては、排ガス1から除去されたばいじん中の成分(特にアルミニウム)と排ガス1から吸収されたフッ素とが反応して、吸収剤の表面に難溶性の化合物であるアパタイトが生成することによって、いわゆる吸収剤の活性の低下が生じるためと考えられている。このような場合に脱硫性能を維持するためには次のような問題があった。
【0018】
すなわち、循環タンク内の吸収液の吸収剤の活性が低下したときには、吸収液のpHが比較的短時間に低下し、脱硫性能を維持できなくなるため、脱硫に寄与する吸収液の供給量を増加する必要があるが、この場合に、吸収液の供給量を循環タンク内の吸収液pHだけで制御する場合は、pHの回復に時間遅れが生じるので、これを防ぎ、pHを急速に回復するために通常状態よりも過剰に吸収液が供給されることになる。この吸収循環タンク内に過剰に供給された吸収液中には未反応の吸収剤が残り、回収される石膏純度が低下するという問題があった。
【0019】
また、吸収液の供給量を吸収剤濃度計によって測定された循環タンク内の吸収液の吸収剤濃度で直接に制御する場合は、吸収剤濃度測定値には活性が低下した吸収剤の濃度も含まれるため、吸収剤濃度を維持しようとすると実際には循環タンク内の吸収液のpHが低下しており、脱硫性能が低下するという問題があった。
【0020】
また、前記のような吸収液の吸収剤の活性低下によるpH低下を早期に回復するため、循環タンク下部に吸収液と共に、NaOH等の可溶性アルカリ剤を供給する方法も用いられている。例えば、特公平7−114918(特開昭62−244426)号公報記載の方法は、循環タンク4’下部に吸収液およびアルカリ剤を供給することにより循環タンク4’内の吸収液pHを4.5以上に回復することが開示されている。
【0021】
前記アルカリ剤は、吸収液と共に循環タンク4’に供給されて、循環タンク4’内の吸収液に溶解することで、酸化によって低下している吸収液のpHを回復すると共に、新たに吸収剤の表面に難溶性化合物であるアパタイトが生成して、吸収剤の活性が低下し、脱硫に寄与しなくなるのを防止する。しかしながら、活性が低下した吸収剤に対しては、アルカリ剤を供給しても吸収剤の活性は低下したままであり全く脱硫には寄与しない。
【0022】
また、吸収塔入口の排ガス量およびSOx濃度などの排ガス条件によって、吸収液の最適pH値が異なり、排ガス条件が低SOx濃度の場合には比較的低いpH値、高SOx濃度の場合には比較的高いpH値がそれぞれ最適pH値となる。
【0023】
したがって、前記の方法によって吸収液pHを常に所定の値以上に維持するような運用を行う場合には、低SOx濃度の排ガスの脱硫時には、過剰なアルカリ剤および吸収剤を供給することになり不経済である。また、高SOx濃度の排ガスの脱硫時には、アルカリ剤供給量に余裕がなく、急な活性低下に伴うpH低下が短時間に行った場合には、その回復が追いつかないという問題があった。
【0024】
本発明の課題は、吸収液の活性低下を常に監視し、活性の低下時に脱硫率の低下を防止すると共に、吸収剤が規定値以上に供給されることによる回収石膏の純度の低下を防止すること、および吸収塔に供給するアルカリ剤量を最適量にし、ユーティリティの低減を行うことにある。
0025
【課題を解決するための手段】
本発明の上記課題は次の構成で解決される。
(1)硫黄酸化物、酸性ガスおよび燃料中の金属成分を含むばいじんからなる燃焼排ガスを吸収塔に導入して、カルシウム系吸収剤を含む吸収液と接触させて、排ガス中の硫黄酸化物を吸収液中に吸収させた後、排ガス中の硫黄酸化物を吸収した吸収液が滞留する循環タンク内の吸収液中に空気を供給し、吸収液の一部を再び排ガスと接触させるとともに、その他の一部を石膏回収系に抜き出し、脱水して粉体の石膏を回収すると共に、さらに前記カルシウム系吸収剤を含む吸収液およびアルカリ剤を循環タンク内の吸収液中に供給する手段を有する湿式排ガス脱硫装置において、吸収塔入口の排ガス量、硫黄酸化物濃度、循環タンク内の吸収液のpH値および吸収剤濃度をそれぞれ検出する手段と、循環タンク内に供給する吸収液を調整する調整手段と、循環タンク内に供給するアルカリ剤の供給量を調整する調整手段とを設け、検出排ガス量と検出硫黄酸化物濃度、予め設定される要求脱硫率および検出pH値と予め設定されるpH値との偏差に基づき、前記吸収液の供給量の調整手段を調整すると共に、検出吸収剤濃度が、予め設定される循環タンク内の吸収剤濃度となるように、前記アルカリ剤の供給量の調整手段を調整する制御装置を設けた湿式排ガス脱硫装置。
【0026】
(2)硫黄酸化物、酸性ガスおよび燃料中の金属成分を含むばいじんからなる燃焼排ガスを吸収塔に導入して、カルシウム系吸収剤を含む吸収液と接触させて、排ガス中の硫黄酸化物を吸収液中に吸収させた後、排ガス中の硫黄酸化物を吸収した吸収液が滞留する循環タンク内の吸収液中に空気を供給し、吸収液の一部を再び排ガスと接触させるとともに、その他の一部を石膏回収系に抜き出し、脱水して粉体の石膏を回収すると共に、さらに前記カルシウム系吸収剤を含む吸収液およびアルカリ剤を循環タンク内の吸収液中に供給する手段を有する湿式排ガス脱硫装置において、吸収塔入口の排ガス量、硫黄酸化物濃度、循環タンク内の吸収液のpH値および吸収剤濃度をそれぞれ検出する手段と、循環タンク内に供給する吸収液を調整する調整手段と、循環タンク内に供給するアルカリ剤の供給量を調整する調整手段とを設け、検出排ガス量と検出硫黄酸化物濃度、予め設定される要求脱硫率、循環タンク内の吸収剤過剰率および検出pH値と予め設定されるpH値との偏差に基づき、前記吸収液の供給量の調整手段を調整すると共に、検出吸収剤濃度と予め設定される循環タンク内の吸収剤濃度との偏差に基づき、検出吸収剤濃度が予め設定される循環タンク内の吸収剤過剰率に相当する濃度となるように、前記アルカリ剤の供給量の調整手段を調整調整する制御装置を設けた湿式排ガス脱硫装置。
【0027】
(3)硫黄酸化物、酸性ガスおよび燃料中の金属成分を含むばいじんからなる燃焼排ガスを吸収塔に導入して、カルシウム系吸収剤を含む吸収液と接触させて、排ガス中の硫黄酸化物を吸収液中に吸収させた後、排ガス中の硫黄酸化物を吸収した吸収液が滞留する循環タンク内の吸収液中に空気を供給し、吸収液の一部を再び排ガスと接触させるとともに、その他の一部を石膏回収系に抜き出し、脱水して粉体の石膏を回収すると共に、さらに前記カルシウム系吸収剤を含む吸収液およびアルカリ剤を循環タンク内の吸収液中に供給する手段を有する湿式排ガス脱硫装置において、吸収塔入口の排ガス量、硫黄酸化物濃度、循環タンク内の吸収液のpH値および吸収剤濃度をそれぞれ検出する手段と、循環タンク内に供給する吸収液を調整する調整手段と、循環タンク内に供給するアルカリ剤の供給量を調整する調整手段とを設け、検出排ガス量と検出硫黄酸化物濃度、予め設定される要求脱硫率および循環タンク内の吸収剤過剰率から、排ガス処理に必要な吸収液の必要供給量の先行値を設定し、該先行値を検出pH値と予め設定されるpH値との偏差に基づき補正した補正値となるように吸収液の供給量の調整手段を調整すると共に、検出吸収剤濃度と予め設定される循環タンク内の吸収剤濃度との偏差に基づき、アルカリ剤の供給量の調整手段を、検出吸収剤濃度が予め設定される循環タンク内の吸収剤過剰率に相当する濃度となるように調整する制御装置を設けた湿式排ガス脱硫装置。
【0028】
(4)硫黄酸化物、酸性ガスおよび燃料中の金属成分を含むばいじんからなる燃焼排ガスを吸収塔に導入して、カルシウム系吸収剤を含む吸収液と接触させて、排ガス中の硫黄酸化物を吸収液中に吸収させた後、排ガス中の硫黄酸化物を吸収した吸収液が滞留する循環タンク内の吸収液中に空気を供給し、その後、吸収液の一部を再び排ガスと接触させるとともに、その他の一部を石膏回収系に抜き出し、脱水して粉体の石膏を回収すると共に、さらに前記カルシウム系吸収剤を含む吸収液およびアルカリ剤を循環タンク内の吸収液中に供給する湿式排ガス脱硫方法において、吸収塔入口の排ガス量と硫黄酸化物濃度と循環タンク内の吸収液のpH値をそれぞれ検出し、予め設定される要求脱硫率および前記循環タンク内の吸収液のpH値と予め設定されるpH値との偏差に基づき、吸収液の供給量を調整すると共に、検出吸収剤濃度が、予め設定される循環タンク内の吸収剤濃度となるように、前記アルカリ剤の供給量を調整する湿式排ガス脱硫方法。
【0029】
(5)硫黄酸化物、酸性ガスおよび燃料中の金属成分を含むばいじんからなる燃焼排ガスを吸収塔に導入して、カルシウム系吸収剤を含む吸収液と接触させて、排ガス中の硫黄酸化物を吸収液中に吸収させた後、排ガス中の硫黄酸化物を吸収した吸収液が滞留する循環タンク内の吸収液中に空気を供給し、その後、吸収液の一部を再び排ガスと接触させるとともに、その他の一部を石膏回収系に抜き出し、脱水して粉体の石膏を回収すると共に、さらに前記カルシウム系吸収剤を含む吸収液およびアルカリ剤を循環タンク内の吸収液中に供給する湿式排ガス脱硫方法において、吸収塔入口の排ガス量と硫黄酸化物濃度と循環タンク内の吸収液のpH値をそれぞれ検出し、予め設定される要求脱硫率、循環タンク内の吸収剤過剰率および前記循環タンク内の吸収液のpH値と予め設定されるpH値との偏差に基づき、吸収液の供給量を調整すると共に、循環タンク内の吸収剤濃度検出値と予め設定される循環タンク内の吸収剤濃度との偏差に基づき、検出吸収剤濃度が予め設定される循環タンク内の吸収剤過剰率に相当する濃度となるように循環タンク内へのアルカリ剤の供給量を調整する湿式排ガス脱硫方法。
【0030】
(6)硫黄酸化物、酸性ガスおよび燃料中の金属成分を含むばいじんからなる燃焼排ガスを吸収塔に導入して、カルシウム系吸収剤を含む吸収液と接触させて、排ガス中の硫黄酸化物を吸収液中に吸収させた後、排ガス中の硫黄酸化物を吸収した吸収液が滞留する循環タンク内の吸収液中に空気を供給し、その後、吸収液の一部を再び排ガスと接触させるとともに、その他の一部を石膏回収系に抜き出し、脱水して粉体の石膏を回収すると共に、さらに前記カルシウム系吸収剤を含む吸収液およびアルカリ剤を循環タンク内の吸収液中に供給する湿式排ガス脱硫方法において、吸収塔入口の排ガス量と硫黄酸化物濃度と循環タンク内の吸収液のpH値をそれぞれ検出し、予め設定される要求脱硫率、循環タンク内の吸収剤過剰率から、排ガス処理に必要な吸収液の必要供給量の先行値を設定し、該先行値をpH検出値と予め設定されるpH値との偏差に基づき補正した補正値となるように吸収液の循環タンクへの供給量を調整すると共に、吸収剤検出濃度と予め設定される循環タンク内の吸収剤濃度との偏差に基づき、循環タンク内へのアルカリ剤の供給量を調整し、検出吸収剤濃度が予め設定される循環タンク内の吸収剤過剰率に相当する濃度となるように調整する湿式排ガス脱硫方法。
0031
【作用】
吸収塔に供給される排ガスの量および性状が常に一定であれば、循環タンクに新たに供給する吸収液量は一定量でよい。また、排ガスの量が変化しても性状が一定であり、吸収剤の表面に難溶性の化合物であるアパタイトが生成して、吸収剤の活性が低下する原因となる成分が含まれていなければ、循環タンク内の吸収液中の吸収剤の消費によるpHの低下はすべて脱硫によるものである。
【0032】
この場合には、pHの検出値が安定した脱硫率を得るために予め設定されたpH設定値以上になるように吸収液を供給する方法、または処理ガス量、吸収塔入口のSOx濃度および要求脱硫率を掛け合わすことにより求めた必要吸収剤濃度になるように吸収液を供給する方法で対応できる。
【0033】
または、好ましくは前記必要吸収剤濃度に排ガス量の急変化に対する余裕代しての過剰率
(供給吸収剤量−必要吸収剤量)/(必要吸収剤量)
を掛け合わせた吸収剤濃度になるように吸収液を供給する方法で対応できる。
【0034】
しかしながら、吸収塔に供給される排ガスの量および性状が変化し、吸収剤の表面に難溶性の化合物であるアパタイトが生成して、吸収剤の活性が低下する原因となる成分が含まれている場合には、前記の方法は使用できない。
【0035】
すなわち、この場合の循環タンク内の吸収液中のpHの低下は、脱硫による吸収剤の消費に加えて吸収剤の活性低下によるものであり、pH値のみで調整する方法では、吸収液の供給量の増加が吸収剤の活性低下に追いつかず、pH値の回復は遅れることから吸収液の供給が少なくなり対応できない。
【0036】
また、吸収剤濃度値のみで調整する方法では、吸収剤濃度値には活性が低下した吸収剤も含まれることから吸収液の供給が過剰となり対応できない。
【0037】
また、前記pH値のみで調整する方法の場合に、pH値の回復を早めるためにアルカリ剤を吸収液と共に供給する方法もあるが、アルカリ剤は吸収液中に溶解することによって、吸収剤の表面に難溶性の化合物であるアパタイトが生成しないようにすることはできるが、すでに難溶性の化合物が生成した吸収剤については活性は低下したままである。また、排ガス条件によって最適pH値が異なる。
【0038】
したがって、活性の低下によってpHが脱硫率を維持するのに必要な値以下にならないように調整するには、予め設定するpH値を高くし、常に過剰な吸収液およびアルカリ剤を供給する必要がある。
【0039】
これに対して、本発明によれば吸収塔に供給される排ガスの量および性状が変化し、排ガス中に吸収剤の表面に難溶性の化合物であるアパタイトが生成して、吸収剤の活性が低下する原因となる成分が含まれている場合にも、吸収液供給量が過剰に上昇することなく、吸収液のpH、脱硫率を維持できる。
【0040】
また、吸収液中の未反応吸収剤濃度が保たれるので、回収される石膏の純度も一定に保たれる。さらに吸収塔に供給するアルカリ剤も過剰に消費することがない。
【0041】
すなわち、本発明は、吸収塔入口の排ガス量、SOx濃度、循環タンク内の吸収液のpH値および吸収剤濃度をそれぞれ検出する手段を設け、該検出手段によって検出した排ガス量、SOx濃度、予め設定される要求脱硫率および前記検出手段によって検出した循環タンク内の吸収液のpH値と予め設定されるpH値との偏差により、前記吸収液の供給量の調整手段を制御する構成であるので、処理ガス量および吸収塔入口のSOx濃度が変化した場合には、循環タンク内の吸収液のpH値の変化が数秒から数十秒程度で測定できるので、pH値の回復が早期に行える。したがって、吸収液供給量が過剰に供給されることがない。
【0042】
また、前記検出手段により循環タンク内の吸収液の吸収剤濃度を連続的に検出しているので、検出した吸収剤濃度が前記予め設定される循環タンク内の吸収剤濃度以上となっても、依然として循環タンク内の吸収液のpH値が回復していないことから、循環タンク内の吸収液の吸収剤に活性低下が発生し始めたことを活性低下の初期段階で検知できる。
【0043】
したがって、その場合には、前記アルカリ剤の供給量の調整手段を制御する構成としているので、脱硫活性低下の初期段階でアルカリ剤が供給されることで、循環タンク内の吸収液の吸収剤に新たに活性低下が発生するのを防止することができ、循環タンク内の吸収液の吸収剤濃度を予め設定される循環タンク内の吸収剤濃度に維持する運用が行える。こうして本発明では、脱硫活性が低下した場合にも、吸収液供給量が過剰に供給されることがなく、アルカリ剤が過剰に供給されることもない。
【0044】
また、予め設定される循環タンク内の吸収剤濃度を設定する場合に、処理ガス量、吸収塔入口のSOx濃度および要求脱硫率を掛け合わすことにより求めることができるが、さらに吸収剤供給量の余裕代として設定吸収剤過剰率を掛け合わすことにより求めることで、脱硫性能における信頼性を向上することができる。
【0045】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を説明する。
湿式排煙脱硫装置の一実施例となる系統を図1に示す。
図1に示すように、ボイラ等からの排ガス1は入口煙道3から吸収塔4に導入され、吸収塔4内に設置されたスプレ段8を介して、該スプレ段8に設置されたスプレノズルより噴霧される吸収液の液滴と接触する。吸収液の液滴と排ガス1の接触により、排ガス1中のばいじん(アルミニウムなどの成分からなる)や塩化水素(HC1)、フッ化水素(HF)等の酸性ガスとともに、排ガス1中のSO2が液滴に吸収される。
【0046】
ガスに同伴されるミストは後流側のミストエリミネータ5により除去され、清浄な排ガス2は出口煙道6を経て、必要により再加熱されて煙突より排出される。
【0047】
この時の処理ガス量は入口煙道3に設けられた処理ガス流量計45で、吸収塔4の入口排ガス1中のSO2濃度は入口煙道3に設けられた入口SO2計41で、吸収塔4の出口排ガス2中のSO2濃度は出口煙道6に設けられた出口SO2計42で測定される。
【0048】
SO2の吸収剤である石灰石16は石灰石スラリ槽15から石灰石スラリポンプ17により抜き出され、石灰石スラリ流量調節弁18によりSO2吸収量に応じて、吸収塔4内に吸収液である石灰石スラリとして供給される。吸収塔4下部の循環タンク4’内の吸収液は、吸収塔循環ポンプ7により抜き出されて昇圧され、吸収塔4内のスプレノズルが配置されたスプレ段8に供給される。
【0049】
吸収塔4内で除去されたSO2は、吸収液中のカルシウムと反応し、中間生成物として重亜硫酸カルシウムを含む亜硫酸カルシウムになり、酸化用空気ブロワ21から循環タンク4’内に供給される空気によって酸化されて、最終生成物である石膏になる。
【0050】
前記酸化用空気は、酸化用撹拌機26により微細化されて供給されることにより、酸化用空気の利用率が高められている。
【0051】
その後、循環タンク4’内の吸収液は抜き出しポンプ9により生成した石膏量に応じて抜き出されるが、その一部はpH計タンク30と吸収剤濃度計32に送られ、前記タンク30に設置されたpH計31により循環タンク4’内の吸収液のpH値が常時検出され、前記吸収剤濃度計32により循環タンク4’内の吸収液中の吸収剤濃度が常時検出される。
【0052】
一方、抜き出しポンプ9により循環タンク4’から抜き出された吸収液の一部は、石膏脱水設備10に送られて脱水された後、必要に応じて石膏中の可溶性の不純物を除去するために洗浄され、粉体の石膏11として回収される。また、石膏11と分離された水12は石灰石スラリ槽15等の補給水として系内で再利用されるが、その一部は塩素等の濃縮を防ぐために排水14として抜き出され排水処理設備50に送られる。
【0053】
また、処理ガス流量計45、入口SO2計41、pH計31、脱硫排水流量計14’および吸収剤濃度計32からの信号に基づき、石灰石スラリ流量調整弁18及びアルカリ剤流量調整弁53を制御する制御装置43を設けている。
【0054】
本発明の実施例となる湿式排ガス脱硫装置の制御系統を図2に示す。
図2は前記制御装置43による制御内容を示すものである。まず、処理ガス流量計45および入口SO2計41からの信号を乗算器101で掛け合わせることによってウェットベースのSO2量を得る。次に、補正器102により、ウェットベースをドライベースに変換するための定数、要求脱硫率および当量の石灰石に変換するための定数などを掛け合わせることによって理論値となる吸収液供給量を得る。
【0055】
さらに、前記吸収液供給量の理論値には関数発生器107によって吸収剤過剰率が乗算された過剰分が加算機108において加えられ、ベースとなる吸収液供給量を得る。前記吸収剤過剰率は、吸収液の余裕代として排ガス条件の急変化に対応するために設定される係数である。
【0056】
得られた吸収液供給量は、理論値に過剰分を加えたものであるが、脱硫装置の性能を維持するためには、実際の吸収液のpHを検出し、排ガス条件によって予め設定したpH値との偏差が生じた場合には、偏差を補うだけの吸収液が供給されなければならない。この場合に、予め設定するpH値は、排ガス条件によって最適pH値が異なることから、これを考慮して、吸収液の供給量が過小または過剰にならないように設定する。
【0057】
すなわち、本実施例においては、前記吸収液供給量の理論値またはドライベースのSO2量の高低から関数発生器103によって、吸収液のpHの最適設定値を得て、pH計31により検出した循環タンク内の吸収液のpH検出値とを比較器104により比較し、比例積分器105、手動/自動切換器106を経て、吸収液のpH偏差により補正分として、加算機109によって、前記ベースとなる吸収供給量に加算され、吸収液供給量の補正値となる。
【0058】
さらに、前記吸収液供給量の補正値は、実際の石灰石スラリ流量18’と比較器110において比較され、比例積分器111、手動/自動切換器112を経て、偏差を補う方向に石灰石スラリ流量調整弁18を調整する。
【0059】
吸収液に不活性な吸収剤が存在しない場合には、ここまでの制御を行えばよいが、排ガス性状によって、不活性な吸収剤が生じた場合には、脱硫装置の性能を維持することができない。しかしながら、本実施例においては、さらに吸収剤濃度計32からの信号を排ガス性状に応じて予め設定した吸収剤濃度との偏差から、不活性な吸収剤の発生を初期段階で検知し、その量に応じてアルカリ剤を供給しているので、脱硫装置の性能が低下するのを防止できる。
【0060】
すなわち、関数発生器113によって、前記ベースとなる吸収液供給量から循環タンク4’内の吸収液の吸収剤濃度の設定値を算出し、これを吸収剤濃度計32で検出した検出値と比較器114で比較し、比例積分器115および手動/自動切換器116を経て、関数発生器117により、吸収剤濃度の偏差と当量のベースとなるアルカリ剤供給量を算出する。
【0061】
ここで、アルカリ剤は脱硫装置系統内から系外に排水される脱硫排水に含まれるため、排水されるアルカリ剤量を補う必要がある。したがって、本実施例においては、脱硫排水流量計14’からの脱硫排水流量により、関数発生器122によって排水されるアルカリ剤量を算出し、これを加算器118で、前記ベースとなるアルカリ剤供給量に加算することで、アルカリ剤供給量の補正値を得ている。
【0062】
さらに、前記アルカリ剤供給量の補正値はアルカリ剤流量計53’により測定される実際のアルカリ剤流量と比較器119において比較され、比例積分器120および手動/自動切換器121を経て、偏差を補う方向にアルカリ剤流量調整弁53を調整する。
【0063】
本発明の上記実施例においては、常時、処理ガス流量計45、入口SOx計41、pH計31および吸収剤濃度計32での検出を行うと共に、pH値および吸収剤濃度の検出値と設定値との偏差を算出する演算を行い、石灰石スラリ流量調整弁18およびアルカリ剤流量調整弁53の制御を行うので、ボイラ燃料切り替え等による排ガス性状変化により吸収剤の活性が急激に低下する場合においても、吸収剤濃度の増加を初期段階で検出すると共に、その時のpH値の回復状況によって活性の低下の発生を初期段階で検知でき、最小限のアルカリ剤量を供給する。したがって、アルカリ剤および吸収剤の供給量を過剰に増加させることなく吸収液の活性低下を効果的に防止できる。
【0064】
【発明の効果】
本発明によれば、ボイラ等の燃焼排ガス中のSOx、酸性ガス、および燃料中の金属成分を含むばいじんに起因した反応により、吸収剤の活性が低下した場合でも、脱硫性能を保ちつつ、吸収剤やアルカリ剤等のユーティリティを最小限に低減することが可能となり、また石膏純度も一定に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例になる湿式排ガス脱硫装置の系統を示す図である。
【図2】 本発明の実施例になる湿式排ガス脱硫装置の制御系統を示す図である。
【図3】 従来の湿式排煙ガス硫装置の系統を示す図で、吸収液pHにより吸収剤供給量を制御している。
【図4】 従来の湿式排ガス脱硫装置の系統を示す図で、吸収液中の吸収剤濃度により吸収剤供給量を制御している。
【符号の説明】
1 入口排ガス 2 出口排ガス
3 入口煙道 4 吸収塔
4’循環タンク 5 ミストエリミネータ
6 出口煙道 7 吸収液循環ポンプ
8 スプレ段 9 抜き出しポンプ
10 石膏脱水設備 11 石膏
12 分離水 14 排水
14’ 脱硫排水流量計 15 石灰石スラリ槽
16 石灰石 17 石灰石スラリポンプ
18 石灰石スラリ流量調節弁 18’ 石灰石スラリ流量計
21 酸化用空気ブロワ 26 酸化用撹拌機
30 pH計タンク 31 pH計
32 吸収剤濃度計 41 入口SO2
42 出口SO2計 43 制御装置
45 処理ガス流量計 50 排水処理設備
51 アルカリ剤タンク 52 アルカリ剤ポンプ
53 アルカリ剤流量調整弁 53’ アルカリ剤流量計

Claims (6)

  1. 硫黄酸化物、酸性ガスおよび燃料中の金属成分を含むばいじんからなる燃焼排ガスを吸収塔に導入して、カルシウム系吸収剤を含む吸収液と接触させて、排ガス中の硫黄酸化物を吸収液中に吸収させた後、排ガス中の硫黄酸化物を吸収した吸収液が滞留する循環タンク内の吸収液中に空気を供給し、吸収液の一部を再び排ガスと接触させるとともに、その他の一部を石膏回収系に抜き出し、脱水して粉体の石膏を回収すると共に、さらに前記カルシウム系吸収剤を含む吸収液およびアルカリ剤を循環タンク内の吸収液中に供給する手段を有する湿式排ガス脱硫装置において、
    吸収塔入口の排ガス量、硫黄酸化物濃度、循環タンク内の吸収液のpH値および吸収剤濃度をそれぞれ検出する手段と、
    循環タンク内に供給する吸収液を調整する調整手段と、
    循環タンク内に供給するアルカリ剤の供給量を調整する調整手段とを設け、
    検出排ガス量と検出硫黄酸化物濃度、予め設定される要求脱硫率および検出pH値と予め設定されるpH値との偏差に基づき、前記吸収液の供給量の調整手段を調整すると共に、検出吸収剤濃度が、予め設定される循環タンク内の吸収剤濃度となるように、前記アルカリ剤の供給量の調整手段を調整する制御装置を設けたことを特徴とする湿式排ガス脱硫装置。
  2. 硫黄酸化物、酸性ガスおよび燃料中の金属成分を含むばいじんからなる燃焼排ガスを吸収塔に導入して、カルシウム系吸収剤を含む吸収液と接触させて、排ガス中の硫黄酸化物を吸収液中に吸収させた後、排ガス中の硫黄酸化物を吸収した吸収液が滞留する循環タンク内の吸収液中に空気を供給し、吸収液の一部を再び排ガスと接触させるとともに、その他の一部を石膏回収系に抜き出し、脱水して粉体の石膏を回収すると共に、さらに前記カルシウム系吸収剤を含む吸収液およびアルカリ剤を循環タンク内の吸収液中に供給する手段を有する湿式排ガス脱硫装置において、
    吸収塔入口の排ガス量、硫黄酸化物濃度、循環タンク内の吸収液のpH値および吸収剤濃度をそれぞれ検出する手段と、
    循環タンク内に供給する吸収液を調整する調整手段と、
    循環タンク内に供給するアルカリ剤の供給量を調整する調整手段とを設け、
    検出排ガス量と検出硫黄酸化物濃度、予め設定される要求脱硫率、循環タンク内の吸収剤過剰率および検出pH値と予め設定されるpH値との偏差に基づき、前記吸収液の供給量の調整手段を調整すると共に、検出吸収剤濃度と予め設定される循環タンク内の吸収剤濃度との偏差に基づき、検出吸収剤濃度が予め設定される循環タンク内の吸収剤過剰率に相当する濃度となるように、前記アルカリ剤の供給量の調整手段を調整調整する制御装置を設けたことを特徴とする湿式排ガス脱硫装置。
  3. 硫黄酸化物、酸性ガスおよび燃料中の金属成分を含むばいじんからなる燃焼排ガスを吸収塔に導入して、カルシウム系吸収剤を含む吸収液と接触させて、排ガス中の硫黄酸化物を吸収液中に吸収させた後、排ガス中の硫黄酸化物を吸収した吸収液が滞留する循環タンク内の吸収液中に空気を供給し、吸収液の一部を再び排ガスと接触させるとともに、その他の一部を石膏回収系に抜き出し、脱水して粉体の石膏を回収すると共に、さらに前記カルシウム系吸収剤を含む吸収液およびアルカリ剤を循環タンク内の吸収液中に供給する手段を有する湿式排ガス脱硫装置において、
    吸収塔入口の排ガス量、硫黄酸化物濃度、循環タンク内の吸収液のpH値および吸収剤濃度をそれぞれ検出する手段と、
    循環タンク内に供給する吸収液を調整する調整手段と、
    循環タンク内に供給するアルカリ剤の供給量を調整する調整手段とを設け、
    検出排ガス量と検出硫黄酸化物濃度、予め設定される要求脱硫率および循環タンク内の吸収剤過剰率から、排ガス処理に必要な吸収液の必要供給量の先行値を設定し、該先行値を検出pH値と予め設定されるpH値との偏差に基づき補正した補正値となるように吸収液の供給量の調整手段を調整すると共に、検出吸収剤濃度と予め設定される循環タンク内の吸収剤濃度との偏差に基づき、アルカリ剤の供給量の調整手段を、検出吸収剤濃度が予め設定される循環タンク内の吸収剤過剰率に相当する濃度となるように調整する制御装置を設けたことを特徴とする湿式排ガス脱硫装置。
  4. 硫黄酸化物、酸性ガスおよび燃料中の金属成分を含むばいじんからなる燃焼排ガスを吸収塔に導入して、カルシウム系吸収剤を含む吸収液と接触させて、排ガス中の硫黄酸化物を吸収液中に吸収させた後、排ガス中の硫黄酸化物を吸収した吸収液が滞留する循環タンク内の吸収液中に空気を供給し、その後、吸収液の一部を再び排ガスと接触させるとともに、その他の一部を石膏回収系に抜き出し、脱水して粉体の石膏を回収すると共に、さらに前記カルシウム系吸収剤を含む吸収液およびアルカリ剤を循環タンク内の吸収液中に供給する湿式排ガス脱硫方法において、
    吸収塔入口の排ガス量と硫黄酸化物濃度と循環タンク内の吸収液のpH値をそれぞれ検出し、予め設定される要求脱硫率および前記循環タンク内の吸収液のpH値と予め設定されるpH値との偏差に基づき、吸収液の供給量を調整すると共に、検出吸収剤濃度が、予め設定される循環タンク内の吸収剤濃度となるように、前記アルカリ剤の供給量を調整することを特徴とする湿式排ガス脱硫方法。
  5. 硫黄酸化物、酸性ガスおよび燃料中の金属成分を含むばいじんからなる燃焼排ガスを吸収塔に導入して、カルシウム系吸収剤を含む吸収液と接触させて、排ガス中の硫黄酸化物を吸収液中に吸収させた後、排ガス中の硫黄酸化物を吸収した吸収液が滞留する循環タンク内の吸収液中に空気を供給し、その後、吸収液の一部を再び排ガスと接触させるとともに、その他の一部を石膏回収系に抜き出し、脱水して粉体の石膏を回収すると共に、さらに前記カルシウム系吸収剤を含む吸収液およびアルカリ剤を循環タンク内の吸収液中に供給する湿式排ガス脱硫方法において、
    吸収塔入口の排ガス量と硫黄酸化物濃度と循環タンク内の吸収液のpH値をそれぞれ検出し、予め設定される要求脱硫率、循環タンク内の吸収剤過剰率および前記循環タンク内の吸収液のpH値と予め設定されるpH値との偏差に基づき、吸収液の供給量を調整すると共に、循環タンク内の吸収剤濃度検出値と予め設定される循環タンク内の吸収剤濃度との偏差に基づき、検出吸収剤濃度が予め設定される循環タンク内の吸収剤過剰率に相当する濃度となるように循環タンク内へのアルカリ剤の供給量を調整することを特徴とする湿式排ガス脱硫方法。
  6. 硫黄酸化物、酸性ガスおよび燃料中の金属成分を含むばいじんからなる燃焼排ガスを吸収塔に導入して、カルシウム系吸収剤を含む吸収液と接触させて、排ガス中の硫黄酸化物を吸収液中に吸収させた後、排ガス中の硫黄酸化物を吸収した吸収液が滞留する循環タンク内の吸収液中に空気を供給し、その後、吸収液の一部を再び排ガスと接触させるとともに、その他の一部を石膏回収系に抜き出し、脱水して粉体の石膏を回収すると共に、さらに前記カルシウム系吸収剤を含む吸収液およびアルカリ剤を循環タンク内の吸収液中に供給する湿式排ガス脱硫方法において、
    吸収塔入口の排ガス量と硫黄酸化物濃度と循環タンク内の吸収液のpH値をそれぞれ検出し、予め設定される要求脱硫率、循環タンク内の吸収剤過剰率から、排ガス処理に必要な吸収液の必要供給量の先行値を設定し、該先行値をpH検出値と予め設定されるpH値との偏差に基づき補正した補正値となるように吸収液の循環タンクへの供給量を調整すると共に、吸収剤検出濃度と予め設定される循環タンク内の吸収剤濃度との偏差に基づき、循環タンク内へのアルカリ剤の供給量を調整し、検出吸収剤濃度が予め設定される循環タンク内の吸収剤過剰率に相当する濃度となるように調整することを特徴とする湿式排ガス脱硫方法。
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