JP3692219B2 - 排煙処理方法及び排煙処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、湿式石灰石膏法により排煙中の粉塵や亜硫酸ガス(SO2)を取除く排煙処理方法及び排煙処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
排煙から亜硫酸ガスなどを除去する方法としては、カルシウム化合物が吸収剤として懸濁した吸収液(以下、吸収剤スラリという。)を排煙に気液接触させることにより、排煙中の亜硫酸ガスなどを吸収剤スラリ中に吸収し、吸収した硫黄分から石膏を副生する湿式石灰石膏法が広く普及している。
そして、例えば石灰石(炭酸カルシウム;CaCO3)を吸収剤とする湿式石灰石膏法排煙処理において、高効率な脱硫を行うためには、一般に次式(1)で示す反応当量以上に吸収剤である石灰石を添加する必要がある。
【0003】
【化1】
SO2 +CaCO3 +1/2O2 → CaSO4 +CO2 (1)
【0004】
しかし、過剰な石灰石は副生物である石膏に混入し、石膏の純度を低下させる上、石灰石の消費増大を招く。そこで、より少ない吸収剤で、高い脱硫率と石膏品質を維持するため、吸収剤スラリの性状を連続的に測定して吸収剤の供給量を調節する様々な制御方法が用いられてきた。
【0005】
現在用いられている制御方法は、脱硫装置出口の亜硫酸ガス濃度を測定して吸収液への吸収剤供給量を制御する方法の他、吸収剤スラリのpHや石灰石濃度(吸収剤濃度)を連続的に測定して吸収剤スラリへの石灰石供給量(吸収剤供給量)を制御する方法が用いられてきた。これらの方法を用いて吸収剤の反応性を正確に把握することによって、脱硫性能を維持しながら吸収剤の投入量を必要最小限に抑えることができる。
【0006】
さらに、本発明者らは石灰石の溶解速度を増加させ、これにより脱硫率を向上させる吸収助剤としてアンモニウム塩の効果を見出し、アンモニウム塩を吸収助剤として吸収剤スラリ中に共存させる排煙の処理方法を出願中である(特願平5−252723号、特願平5−260561号、特願平6−140224号、特願平7−16975号)。この方法によって、より少ない吸収剤で非常に高い脱硫率を達成することができた。
【0007】
以下、このような排煙処理方法の一例について、図2により説明する。図2は、湿式脱硫装置4を含む排煙処理システムの全体構成を示す図である。
図2において、ボイラ1からの燃焼排煙は空気予熱器2を経て、電気集塵機3にて粉塵を除去された後、湿式脱硫装置4で排煙中の亜硫酸ガスが除去され、加熱装置5により再び加熱された後、煙突6から大気中に放出されるように構成されている。
【0008】
脱硫装置4は、この場合タンク酸化方式の脱硫装置であり、底部のタンク8にカルシウム化合物(この場合石灰石)を含有する吸収剤スラリが供給される吸収塔7と、前記タンク8内の吸収剤スラリを吸収塔7上部の排煙導入部7aに送って排煙と接触させるための循環ポンプ12と、タンク8内に支持されて図示省略したモータにより水平回転し、タンク8内のスラリを攪拌するとともに供給された空気11をタンク8内に微細な気泡として効率よく吹込むアーム回転式のエアスパージャ10とを備え、タンク8内で亜硫酸ガスを吸収した吸収剤スラリと空気とを効率よく接触させて全量酸化し石膏を得るものである。
【0009】
すなわちこの装置では、吸収塔7の排煙導入部7aに未処理排煙を導き、循環ポンプ12によりヘッダパイプ9から噴射した吸収剤スラリに接触させて未処理排煙中の亜硫酸ガスや粉塵を吸収又は捕集して除去し、排煙導出部7bから処理後排煙として排出させる。ヘッダパイプ9から噴射され亜硫酸ガスや粉塵を吸収又は捕集しつつ流下する吸収剤スラリは、タンク8内においてエアスパージャ10により攪拌されつつ、吹込まれた多数の気泡と接触して酸化され、さらには中和反応を起こして石膏となる。なお、これら処理中に起きている主な反応は以下の反応式(2)乃至(4)となる。
【0010】
【化2】
【0011】
こうしてタンク8内には、石膏(CaSO4・2H2O)と吸収剤である少量の石灰石が溶解又は懸濁し、これらがスラリポンプ14により吸い出され、濃縮された後に固液分離器15に供給されてろ過され、水分の少ない石膏16(通常、水分含有率10%程度)として採り出される。
【0012】
一方、固液分離器15からのろ液(主に水)は一旦ろ液タンク18に送られ、必要に応じ補充水17を追加された後、ポンプ19により吸収剤スラリ槽25に送られて、図示省略した石灰石サイロから供給される吸収剤23(石灰石)と混ぜ合わされ、吸収剤スラリとしてスラリポンプ24により再びタンク8に供給される構成となっている。
なお、こうして循環する循環水の一部は、ポンプ19の吐出側より分岐する抜き出しライン20によって排水22として抜き出され、図示省略した排水処理装置で処理されることにより、循環水中に不純物が蓄積しないようになっている。
【0013】
また、脱硫装置4に導入される前の排煙中には、例えば空気予熱器2の前流において、アンモニア27が注入される。なお、このアンモニア27の一部は、通常ボイラ1の直後に設けられる脱硝装置(図示省略)の脱硝処理に利用され、残りが、排煙中の三酸化硫黄(SO3)の中和用として機能するとともに、さらに吸収塔7の吸収剤スラリ中に溶解してアンモニウム塩となり、前述した吸収助剤として機能する。
【0014】
なお、吸収助剤としてのアンモニウム塩を構成するアンモニアの供給方式としては、このように排煙中から間接的に供給する構成に限られず、例えば排水処理において回収されたアンモニア水を吸収塔7のタンク8に直接供給する構成でもよい。
またこの場合、排煙中の三酸化硫黄のほとんどは、注入されたアンモニアと反応して硫安((NH4)2SO4)となり、電気集塵機3で捕集される。
【0015】
そして、上記排煙処理システムでの吸収剤の供給制御は、例えば以下のように行われていた。
即ち、図2に示すように、スラリポンプ14によって抜き出されたスラリの一部が計測用ライン32によりタンク8に戻される構成とされ、この計測用ライン32の配管途上には、スラリ中のpHを測定するpHセンサ29や、或いはスラリ中の石灰石濃度を測定する石灰石濃度センサ31が設置される。そして、これらセンサにより検出されるpH又は石灰石濃度が要求された性能に対応した最適値に維持されるように、これらセンサからの検出信号y,zに基づいて吸収剤供給量制御装置26が吸収剤の供給量を例えばフィードバック制御するようになっている。
【0016】
或いは、図2に示すように、脱硫装置4の後流側に、排煙中の亜硫酸ガス濃度を測定する亜硫酸ガス濃度センサ34を設置し、このセンサ34により検出される亜硫酸ガス濃度が要求される性能を満足する最適値に維持されるように、このセンサ34からの検出信号xに基づいて吸収剤供給量制御装置26が吸収剤の供給量を例えばフィードバック制御するようになっている。
【0017】
なお従来では、上述したようなフィードバック制御の他、脱硫装置4に導入される未処理排煙中の亜硫酸ガス濃度を測定し、この測定結果に基づいて吸収剤の供給量を予め調整するフィードフォワード制御も行われるが、いずれにしろ排煙中のアンモニア濃度や吸収剤スラリ中のアンモニウムイオン濃度などに基づいて、吸収剤の供給量などを制御することは全く行われていなかった。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、アンモニウム塩を吸収助剤として使用する上述したような湿式石灰石膏法の排煙処理システムでは、脱硫性能や石膏純度を高く維持しながら吸収剤の使用量をより少なくできるという優れた利点が得られるものの、近年益々要求される排煙のクリーン化の観点から、吸収塔における吸収剤スラリからのアンモニアガスの放散防止という新たな技術課題が浮上してきた。
【0019】
すなわち、上述したような排煙処理システムの吸収塔7に導入される未処理排煙中には、最高100ppm程度のアンモニアが含まれる。そして、このアンモニアの多くは前述したように吸収塔7においてスラリ中に溶解して吸収されるが、スラリ中のアンモニウムイオン濃度やpHによっては、吸収塔7のスラリ中から逆にアンモニアが放散する現象も生じて、吸収塔7を出る処理後排煙中にアンモニアガスが相当量含有されてしまう問題がある。
【0020】
つまり、通常の石灰石膏法で使用する吸収剤スラリのpHでは、次式(5)の解離平衡式によってアンモニウム塩の大部分がスラリ中でアンモニウムイオン(NH4 +)として存在し、スラリ中より排煙中に放散する恐れのあるアンモニアガスの存在量はごくわずかである。
【0021】
【化3】
NH3 +H+ → NH4 + (5)
【0022】
ところが、吸収助剤としてのアンモニウム塩の効果を高めるため、吸収剤スラリ中のアンモニウムイオン濃度を高めると、前記解離平衡式より明らかなように、スラリ中に存在するNH3量が増大し、吸収剤スラリからガス中に放散するアンモニアガス量が増大することになる。
なお、アンモニアガスが処理後排煙に同伴されると、アンモニウム塩の過剰消費を招く上に、その量次第では臭気などの二次的な環境問題を引き起こす恐れも出てくる。
【0023】
そこで本発明は、アンモニウム塩を吸収助剤として積極的に利用し、高性能を維持しながら、アンモニアガスの放散が的確に抑制でき、処理後排煙中のアンモニア濃度を目標の許容値以下に確実に維持できる排煙処理方法及び排煙処理装置を提供することを目的としている。
【0024】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の排煙処理方法は、排煙を吸収塔に導いて、吸収剤としてのカルシウム化合物と吸収助剤としてのアンモニウム塩とを含有する吸収液に気液接触させることにより、排煙中の少なくとも亜硫酸ガスを吸収除去する排煙処理方法において、
前記吸収塔から導出される処理後排煙のアンモニア濃度に影響を与えるパラメータを測定し、この測定値が前記処理後排煙のアンモニア濃度を目標の許容値以下に維持する目標範囲内になるよう、前記パラメータに影響を与える運転操作量を制御することを特徴とする。
【0025】
請求項2記載の排煙処理方法は、前記運転操作量として、前記吸収液中へのカルシウム化合物供給量を制御することを特徴とする。
【0026】
請求項3記載の排煙処理方法は、前記吸収液中のアンモニウム塩となるアンモニアを前記吸収塔の前流において排煙中に注入する構成とし、前記運転操作量として、前記吸収塔前流でのアンモニア注入量を制御することを特徴とする。
【0027】
請求項4記載の排煙処理方法は、前記運転操作量として、前記吸収塔において排煙に気液接触させる吸収液の循環流量を制御することを特徴とする。
【0028】
請求項5記載の排煙処理方法は、前記吸収液を構成する液分の一部を排水として抜き出す構成とし、前記運転操作量として、前記排水の抜き出し量を制御することを特徴とする。
【0029】
請求項6記載の排煙処理方法は、前記パラメータとして、前記吸収液のアンモニウムイオン濃度及びpHを測定することを特徴とする。
【0030】
請求項7記載の排煙処理方法は、前記パラメータとして、前記吸収液のアンモニウムイオン濃度の代りに、前記吸収塔前流での未処理排煙のアンモニア濃度を測定することを特徴とする。
【0031】
請求項8記載の排煙処理方法は、前記パラメータとして、前記吸収液のpHの代りに、前記吸収液のカルシウム化合物濃度を測定することを特徴とする。
【0032】
請求項9記載の排煙処理方法は、前記パラメータとして、前記処理後排煙のアンモニア濃度そのものを測定することを特徴とする。
【0033】
請求項10記載の排煙処理装置は、排煙を吸収塔に導いて、吸収剤としてのカルシウム化合物と吸収助剤としてのアンモニウム塩とを含有する吸収液に気液接触させることにより、排煙中の少なくとも亜硫酸ガスを吸収除去する排煙処理装置において、
前記吸収塔から導出される処理後排煙のアンモニア濃度に影響を与えるパラメータを測定するセンサと、このセンサの測定値が前記処理後排煙のアンモニア濃度を目標の許容値以下に維持する目標範囲内になるよう、前記パラメータに影響を与える運転操作量を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0034】
請求項11記載の排煙処理装置は、前記センサとして、前記吸収液のアンモニウムイオン濃度を測定するセンサと、前記吸収液のpH又はカルシウム化合物濃度を測定するセンサとを備えたことを特徴とする。
【0035】
請求項12記載の排煙処理装置は、前記センサとして、前記吸収塔の前流の未処理排煙のアンモニア濃度を測定するセンサと、前記吸収液のpH又はカルシウム化合物濃度を測定するセンサとを備えたことを特徴とする。
【0036】
請求項13記載の排煙処理装置は、前記センサとして、前記吸収塔の後流の処理後排煙のアンモニア濃度を測定するセンサを備えたことを特徴とする。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態の一例を図面に基づいて説明する。
図1は、本例の排煙処理システムの全体構成を示す図である。本例は、処理後排煙中のアンモニア濃度に影響を与えるパラメータ(例えば、排煙中のアンモニア濃度など)の実際の測定値に基づいて、前記パラメータに影響を与える運転操作量を調整する制御を、従来のシステムに付加することにより、処理後排煙のアンモニア濃度を目標の許容値以下に確実に保持する点に特徴を有するものである。
【0038】
すなわち本例では、前記パラメータの測定値に基づいて吸収剤の供給量を調整する吸収剤供給量制御、アンモニア27の注入量を調整するアンモニア注入量制御、循環ポンプ12によるスラリの循環流量を調整する循環流量制御、及び、抜き出しライン20からの排水の抜き出し量を制御する排水抜き出し量制御、のうちのいずれかの制御を行う点に特徴を有し、図2に示すシステムにこれら制御機能を実行する制御機器を付加した形で実施することができる。
【0039】
なお、これら制御機能は、いずれか一つのみを実行してもよいし、いくつかを組合せて実行してもよいが、図1で示す本例では、全て実行できる装置態様となっている。
【0040】
まず、本例の装置構成について説明する。
本例では、図2に示した装置構成に加えて、アンモニウムイオン濃度センサ30と、アンモニア濃度センサ33,35と、最適量演算器36と、アンモニア注入量制御装置28、循環流量制御装置13、及び排水抜き出し量制御装置21とが設けられている。
【0041】
アンモニウムイオン濃度センサ30は、計測用ライン32に設けられて吸収剤スラリ中のアンモニウムイオンの濃度を測定するセンサである。アンモニア濃度センサ33は、吸収塔に導入される未処理排煙中のアンモニア濃度を測定するセンサである。アンモニア濃度センサ35は、吸収塔から導出される処理後排煙中のアンモニア濃度を測定するセンサである。
【0042】
最適量演算器36は、上記センサ30,33,35及び前述のセンサ(pHセンサ29、石灰石濃度センサ31、及び亜硫酸ガス濃度センサ34)の検出信号に基づいて、各種操作量(吸収剤供給量、アンモニア27の注入量、循環ポンプ12による吸収剤スラリの循環流量、及び抜き出しライン20からの排水抜き出し量)の最適値を求める演算器である。
【0043】
アンモニア注入量制御装置28は、最適値演算器36から出力されるアンモニア注入量の最適値の信号Aに応じて、アンモニア注入ラインに設けられたバルブ28aの開度を調節することにより、実際のアンモニア注入量が上記最適値になるように制御する装置である。
【0044】
循環流量制御装置13は、最適値演算器36から出力される吸収剤スラリの循環流量の最適値の信号Bに応じて、循環ポンプ12の回転数又は/及び運転台数を調節することにより、実際の循環流量が上記最適値になるように制御する装置である。
【0045】
排水抜き出し量制御装置21は、最適値演算器36から出力される排水抜き出し量の最適値の信号Cに応じて、抜き出しライン20に設けられたバルブ21aの開度を調節することにより、実際の排水抜き出し量が上記最適値になるように制御する装置である。
【0046】
なお、本例での吸収剤供給量制御装置26は、最適値演算器36から出力される吸収剤供給量の最適値の信号Dに応じて、スラリポンプ24の吐出側に設けられたバルブ26aの開度を調節することにより、実際の吸収剤供給量が上記最適値になるように制御する構成となっている。
【0047】
次に、以上のような装置構成において実施される本発明の排煙処理方法の各種形態について説明する。
まず第1の形態は、最適量演算器36により、例えば吸収剤スラリのアンモニウムイオン濃度及びpHの測定値(センサ29,30の検出値)を読み込み、この測定値が処理後排煙のアンモニア濃度を目標の許容値以下に維持する目標範囲内になるよう、吸収剤供給量の最適値を求めてこの最適値に応じた信号Dを出力する。そして、この信号Dに基づいて、吸収剤供給量制御装置26により吸収剤供給量制御を行う。
【0048】
また、最適量演算器36における吸収剤供給量の最適値の演算は、具体的には例えば以下のように行う。すなわち、処理後排煙のアンモニア濃度が目標の許容値以下の最適値に維持されるような、吸収剤スラリのアンモニウムイオン濃度及びpHの目標範囲を予め求めて設定しておく。
【0049】
そして、まず、処理後排煙中の亜硫酸ガス濃度や吸収剤スラリのpH或いは石灰石濃度などから、従来の方法で所望の脱硫率を効率良く達成するための吸収剤供給量の値(以下、基本値という。)を求める。次いで、その時点で読み込まれているアンモニウムイオン濃度及びpHの測定値を前記制御目標と比較し、測定値が目標範囲から外れている場合に、その偏差分に応じて吸収剤供給量の前記基本値を修正することによって、最終的に吸収剤供給量の最適値を決定すればよい。
【0050】
なお、ここでの基本値の修正は、以下のようにして行う。すなわち、アンモニアはアルカリ性ガスであるのでpHが増加するほど、平衡分圧が増大して放散量が増加する。また、アンモニウムイオン濃度が増加した場合も平衡分圧が増大するため、放散量が増大する。このため、アンモニウムイオン濃度やpHが目標範囲を越えた場合には、吸収剤スラリからのアンモニアの放散量が増加し、結果的に処理後排煙のアンモニア濃度が許容値を越えて増加することが予想されるので、その程度に応じてアルカリである吸収剤の供給量を減らして、吸収剤スラリのpHを下げる方向に制御する。
【0051】
なお、アンモニアの放散量はアンモニアの平衡分圧に密接に関係しており、アンモニアの平衡分圧は吸収剤スラリのpH及びアンモニウムイオン濃度から容易に算出できる。よって、アンモニアの放散量、及びこの放散量により決る処理後排煙のアンモニア濃度は、吸収剤スラリ中のpH及びアンモニウムイオン濃度から予測できる。したがって逆に、処理後排煙のアンモニア濃度が目標の許容値以下の最適値に維持されるような、吸収剤スラリのアンモニウムイオン濃度及びpHの目標範囲は、予め理論的に求めて設定しておくことができる。
【0052】
上記第1の形態の排煙処理によれば、なんらかの要因により吸収剤スラリのpH及びアンモニウムイオン濃度が目標範囲から一次的に増加した場合には、作業者の判断によらず、その分だけ吸収剤供給量が即座に調整されることによって吸収剤スラリのpHが低下方向に的確に調整され、結局吸収剤スラリのpH及びアンモニウムイオン濃度がほぼ目標範囲に安定的に維持される。このため、吸収塔におけるアンモニアの放散量、及びこの放散量により決る処理後排煙のアンモニア濃度が目標の許容値以下に常に維持される。
したがって、アンモニウム塩を吸収助剤として積極的に利用し、脱硫装置としての機能を高性能に維持しながら、アンモニアガスの放散による問題を回避できる。
【0053】
なお、上記第1の形態の排煙処理は、アンモニアガスの放散を抑制するために、吸収剤供給量を本発明の運転操作量として制御している。このため、吸収剤スラリのpHを技術的かつ経済的な面で無理なく容易に調整できるため、実用性が高い。
【0054】
というのは、吸収剤スラリの性状は吸収塔内で、ガス吸収や酸化反応などが同時に進行する複雑なバランスによって決り、容易に変えることができない。また、pH調整のため新たに酸やアルカリを加えることはユーティリティーの増大を招き、現実的ではない。しかし、アルカリである吸収剤の供給流量によってpHを制御すれば、このような問題がない。
【0055】
次に第2の形態は、第1の形態の吸収剤供給量制御の代りに、アンモニア27の注入量を調整するアンモニア注入量制御を行って、前記測定値が目標範囲を越えた分だけアンモニア注入量を低減させるものである。
【0056】
この第2の形態の排煙処理によっても、第1の形態と同様に処理後排煙のアンモニア濃度が目標の許容値以下に常に維持される。というのは、脱硫装置4の前流に注入するアンモニア量を下げることにより、吸収剤スラリ中のアンモニウムイオン濃度を抑えられるため、結果として第1の形態と同様に吸収塔におけるアンモニア放散量増加を抑制できるからである。
【0057】
次に第3の形態は、第1の形態の吸収剤供給量制御の代りに、循環ポンプ12によるスラリの循環流量を調整する循環流量制御を行って、前記測定値が目標範囲を越えた分だけ循環流量を低減させるものである。
【0058】
この第3の形態の排煙処理によっても、第1の形態と同様に処理後排煙のアンモニア濃度が目標の許容値以下に常に維持される。というのは、吸収塔における循環流量を下げることにより、アンモニア放散の容量係数を低下させ、アンモニア放散を低く抑えることができるからである。
【0059】
次に第4の形態は、第1の形態の吸収剤供給量制御の代りに、抜き出しライン20からの排水の抜き出し量を制御する排水抜き出し量制御を行って、前記測定値が目標範囲を越えた分だけ排水の抜き出し量を増加させるものである。
【0060】
この第4の形態の排煙処理によっても、第1の形態と同様に処理後排煙のアンモニア濃度が目標の許容値以下に常に維持される。というのは、排水の抜き出し量を増加させることにより、吸収剤スラリ中のアンモニウムイオン濃度を抑えられるため、結果として第1の形態と同様に吸収塔におけるアンモニア放散量増加を抑制できるからである。
【0061】
なお、前記パラメータとしては、吸収剤スラリのアンモニウムイオン濃度及びpHに限られず、処理後排煙のアンモニア濃度の測定値(センサ35の検出値)そのものを読み込む態様でもよい。この場合は、処理後排煙のアンモニア濃度が目標の許容値以下になるように、その測定値に基づいて吸収剤供給量などの運転操作量を同様に調整する制御を行えばよい。
【0062】
また、前記パラメータとしては、吸収剤スラリのアンモニウムイオン濃度の代りに、未処理排煙のアンモニア濃度の測定値(センサ33の検出値)を利用してもよい。未処理排煙中のアンモニア濃度が増加した場合、必然的にアンモニア放散量が増大するため、この測定値に対して上述の制御方法を用いても同様の効果が得られる。さらに、吸収剤スラリのpHの代りに吸収剤スラリの石灰石濃度の測定値(センサ31の検出値)を使用してもよい。アルカリである石灰石濃度が増加した場合、必然的にpHが増大するため、この測定値に対して上述の制御方法を用いても同様の効果が得られる。
【0063】
(実験例)
次に、図1と同様の装置構成のパイロットプラントによる実験結果について説明する。
実験条件は、表1に示す。この条件で、排煙を処理しながら、吸収剤スラリのアンモニウムイオン濃度及びpHの測定値に基づいて吸収剤供給量制御を行い、吸収塔出口のアンモニアガス濃度の径時変化を調査した。
なお、この吸収剤供給量制御を行う際の他の運転操作量(アンモニア注入量、吸収剤スラリの循環流量、排水抜き出し量)と、吸収剤スラリのアンモニウムイオン濃度及びpHの制御目標値は、表1に示すように設定した。
【0064】
【表1】
【0065】
その結果、アンモニアの放散(処理後排煙のアンモニア濃度)を10ppm以下に制御し、安定的に抑制できた。なお、この際の吸収液のアンモニウムイオン濃度の検出値(実測値)は、206mmol/リットルであり、吸収液のpHの検出値(実測値)は、6.22であり、吸収液の石灰石濃度の実測値は、14mmol/リットルであった。また、実際の吸収剤の供給量は、2kg/hであった。
【0066】
また、アンモニア注入量制御、吸収剤スラリの循環流量制御、排水抜き出し量制御を行った結果も、同様にアンモニアの放散を安定的に抑制できた。
【0067】
なお、アンモニア注入量制御を行う際の他の運転操作量(吸収剤供給量、吸収剤スラリの循環流量、排水抜き出し量)は、以下のように調整又は設定した。
すなわち、吸収剤供給量は、従来と同様に吸収剤スラリのpHや処理後排煙の亜硫酸ガス濃度に基づくフィードバック制御などにより調整し、吸収剤スラリの循環流量は、3.5m3/hとし、排水抜き出し量は、1.5リットル/hとした。
【0068】
また、吸収剤スラリの循環流量制御を行う際の他の運転操作量(吸収剤供給量、アンモニア注入量、排水抜き出し量)は、以下のように調整又は設定した。すなわち、吸収剤供給量は、従来と同様の制御で調整し、アンモニア注入量は、0.7mol/hとし、排水抜き出し量は、1.5リットル/hとした。
【0069】
また、排水抜き出し量制御を行う際の他の運転操作量(吸収剤供給量、アンモニア注入量、吸収剤スラリの循環流量)は、以下のように調整又は設定した。すなわち、吸収剤供給量は、従来と同様の制御で調整し、アンモニア注入量は、0.7mol/hとし、吸収剤スラリの循環流量は、3.5m3/hとした。
【0070】
また、脱硫装置後流側の処理後排煙中のアンモニア濃度を測定し、この測定値に基づいて上記制御を行った場合も同様の結果が得られた。
なおこの場合、処理後排煙中のアンモニア濃度の制御目標値は、5ppmとした。
【0071】
さらに、吸収剤スラリのpHやアンモニウムイオン濃度の代りに、吸収剤スラリの石灰石濃度や、脱硫装置前流側の未処理排煙中のアンモニア濃度を測定し、この測定値に基づいて上記制御を行った場合も同様にアンモニアの放散を安定的に抑制できた。
なおこの場合、吸収剤スラリの石灰石濃度の制御目標値は、200mmol/リットルとし、処理後排煙中のアンモニア濃度の制御目標値は、5ppmとした。
【0072】
なお、本発明は上記形態例に限られず各種の態様があり得る。例えば、酸化方式はアーム回転式エアスパージャである必要はなく、固定式エアスパージャであってもよい。吸収塔の形式は液柱式に限られず例えばグリッド式やスプレー式のものであっても亜硫酸ガスを吸収する機能を有していれば、本発明によって同様の効果を得る。さらに酸化塔を別に設ける構成や吸収塔に除塵部が設けられたスート分離タイプでもよいことはいうまでもない。また、抜き出したスラリから石膏を分離した後、ろ液からアンモニアを回収する構成でも吸収剤供給流量制御やアンモニア注入量制御、循環流量制御等の効果は変らない。
【0073】
また、本発明の排煙処理方法は、上記形態例のように制御装置の自動制御により実施される場合に限られず、作業者の判断に基づく人為的な手作業で実施されてもよいことはいうまでもない。
【0074】
【発明の効果】
本発明の排煙処理方法では、吸収塔から導出される処理後排煙のアンモニア濃度に影響を与えるパラメータを測定し、この測定値が前記処理後排煙のアンモニア濃度を目標の許容値以下に維持する目標範囲内になるよう、前記パラメータに影響を与える運転操作量を制御する。
【0075】
このため、なんらかの要因により前記パラメータが目標範囲から一次的に増加した場合には、作業者の判断に基づく人為的な作業によって、或いは制御装置の自動制御によって、その分だけ前記運転操作量が調整されることによって前記パラメータが調整され、結局前記パラメータが目標範囲に維持される。したがって、処理後排煙のアンモニア濃度が目標の許容値以下に維持される。
これにより、アンモニウム塩を吸収助剤として積極的に利用し、脱硫などの機能を高性能に維持しながら、アンモニアガスの放散による問題を回避できる。
【0076】
なお、請求項2記載の排煙処理方法では、前記運転操作量として、特に前記吸収液中へのカルシウム化合物供給量を制御する。カルシウム化合物はアルカリであるため、このカルシウム化合物供給量により吸収液のpHが調整できる。吸収液のpHは、処理後排煙のアンモニア濃度に影響を与える本発明のパラメータとして機能するため、このカルシウム化合物供給量を上述の如く制御することで、処理後排煙のアンモニア濃度を許容値以下に安定的に維持できる。
【0077】
そして、このように吸収剤供給量を本発明の運転操作量として制御する態様は、吸収液のpHを技術的かつ経済的な面で無理なく容易に調整できるため、実用性が高いという利点がある。
というのは、吸収剤スラリの性状は吸収塔内で、ガス吸収や酸化反応などが同時に進行する複雑なバランスによって決り、容易に変えることができない。また、pH調整のため新たに酸やアルカリを加えることはユーティリティーの増大を招き、現実的ではない。しかし、アルカリである吸収剤の供給流量によってpHを制御すれば、このような問題がない。
【0078】
また、請求項3記載の排煙処理方法では、吸収液中のアンモニウム塩となるアンモニアを吸収塔の前流において排煙中に注入する構成とし、前記運転操作量として、吸収塔前流でのアンモニア注入量を制御する。この場合のアンモニア注入量は、吸収液中のアンモニウムイオン濃度を左右し、この吸収液中のアンモニウムイオン濃度は、処理後排煙のアンモニア濃度に影響を与える本発明のパラメータとして機能するため、このアンモニア注入量を上述の如く制御することで、処理後排煙のアンモニア濃度を許容値以下に安定的に維持できる。
【0079】
また、請求項4記載の排煙処理方法では、前記運転操作量として、吸収塔において排煙に気液接触させる吸収液の循環流量を制御する。吸収液の循環流量は、吸収塔における吸収液からのアンモニアの放散係数を左右するため、処理後排煙のアンモニア濃度に直接影響を与える。このため、この循環流量を上述の如く制御することで、処理後排煙のアンモニア濃度を許容値以下に安定的に維持できる。
【0080】
また、請求項5記載の排煙処理方法では、吸収液を構成する液分の一部を排水として抜き出す構成とし、前記運転操作量として、この排水の抜き出し量を制御する。排水の抜き出し量は、吸収液中のアンモニウムイオン濃度を左右し、この吸収液中のアンモニウムイオン濃度は、処理後排煙のアンモニア濃度に影響を与える本発明のパラメータとして機能するため、この排水抜き出し量を上述の如く制御することで、処理後排煙のアンモニア濃度を許容値以下に安定的に維持できる。
【0081】
また、請求項6記載の排煙処理方法では、前記パラメータとして、吸収液のアンモニウムイオン濃度及びpHを測定する。
アンモニアの放散量はアンモニアの平衡分圧に密接に関係しており、アンモニアの平衡分圧は吸収液のpH及びアンモニウムイオン濃度から容易に算出できる。よって、アンモニアの放散量、及びこの放散量により決る処理後排煙のアンモニア濃度は、吸収液のpH及びアンモニウムイオン濃度から予測できる。
【0082】
したがって逆に、処理後排煙のアンモニア濃度が目標の許容値以下に維持されるような、吸収液のアンモニウムイオン濃度及びpHの目標範囲が存在し、この目標範囲にこれらの測定値が維持されるよう制御する本発明によれば、処理後排煙のアンモニア濃度を許容値以下に安定的に維持できる。
【0083】
また、請求項7記載の排煙処理方法では、前記パラメータとして、吸収液のアンモニウムイオン濃度の代りに、吸収塔前流での未処理排煙のアンモニア濃度を測定する。未処理排煙のアンモニア濃度は、必然的に吸収塔におけるアンモニアの放散量(処理後排煙のアンモニア濃度)を左右する。このため、この場合も、請求項6記載の場合と同様に、処理後排煙のアンモニア濃度を許容値以下に安定的に維持できる。
【0084】
また、請求項8記載の排煙処理方法では、前記パラメータとして、吸収液のpHの代りに、吸収液のカルシウム化合物濃度を測定する。アルカリであるカルシウム化合物の濃度は、必然的に吸収液のpHを左右する。このため、この場合も、請求項6記載の場合と同様に、処理後排煙のアンモニア濃度を許容値以下に安定的に維持できる。
【0085】
また、請求項9記載の排煙処理方法では、前記パラメータとして、処理後排煙のアンモニア濃度そのものを測定する。つまり、処理後排煙のアンモニア濃度の実際の測定値が目標の許容値以下に維持されるように、カルシウム化合物供給量などの運転操作量が制御される。このため、処理後排煙のアンモニア濃度を直接的に制御して許容値以下に安定的に維持できる。
【0086】
次に、本発明の排煙処理装置では、センサにより、吸収塔から導出される処理後排煙のアンモニア濃度に影響を与えるパラメータが測定され、さらに制御手段によって、このセンサの測定値が処理後排煙のアンモニア濃度を目標の許容値以下に維持する目標範囲内になるよう、前記パラメータに影響を与える運転操作量が制御される。
【0087】
このため、なんらかの要因により前記パラメータが目標範囲から一次的に増加した場合には、作業者の判断によらず、その分だけ前記運転操作量が即座に調整されることによって前記パラメータが的確に調整され、結局前記パラメータが目標範囲に維持される。したがって、処理後排煙のアンモニア濃度が目標の許容値以下に維持される。
これにより、アンモニウム塩を吸収助剤として積極的に利用し、脱硫などの機能を高性能に維持しながら、アンモニアガスの放散による問題を回避できる。
【0088】
なお、請求項11記載の排煙処理装置では、前記センサとして、吸収液のアンモニウムイオン濃度を測定するセンサと、吸収液のpH又はカルシウム化合物濃度を測定するセンサとを備えている。つまり、この場合には、前記パラメータとして吸収液のアンモニウムイオン濃度と、吸収液のpH又はカルシウム化合物濃度が測定され、これら測定値が前記目標範囲内になるよう前記運転操作量が制御される。
【0089】
前述したように吸収液のアンモニウムイオン濃度とpH(又はカルシウム化合物濃度)は、処理後排煙のアンモニア濃度を左右するため、処理後排煙のアンモニア濃度が目標の許容値以下に維持されるような、これらパラメータの目標範囲が存在し、この目標範囲にこれらの測定値が維持されるよう制御する本発明によれば、処理後排煙のアンモニア濃度が許容値以下に安定的に維持される。
【0090】
また、請求項12記載の排煙処理装置は、前記センサとして、未処理排煙のアンモニア濃度を測定するセンサと、吸収液のpH又はカルシウム化合物濃度を測定するセンサとを備えている。つまり、この場合には、前記パラメータとして未処理排煙のアンモニア濃度と、吸収液のpH又はカルシウム化合物濃度が測定され、これら測定値が前記目標範囲内になるよう前記運転操作量が制御される。
【0091】
前述したように未処理排煙のアンモニア濃度とpH(又はカルシウム化合物濃度)は、処理後排煙のアンモニア濃度を左右するため、処理後排煙のアンモニア濃度が目標の許容値以下に維持されるような、これらパラメータの目標範囲が存在し、この目標範囲にこれらの測定値が維持されるよう制御する本発明によれば、処理後排煙のアンモニア濃度が許容値以下に安定的に維持される。
【0092】
また、請求項13記載の排煙処理装置は、前記センサとして、吸収塔の後流の処理後排煙のアンモニア濃度を測定するセンサを備えている。つまり、この場合には、前記パラメータとして処理後排煙のアンモニア濃度そのものが測定され、この測定値が前記目標範囲内(即ち、許容値以下)になるよう前記運転操作量が制御される。このため、処理後排煙のアンモニア濃度が直接的に制御されて許容値以下に安定的に維持される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例である排煙処理装置の構成を示す図である。
【図2】本発明の前提となる現行の排煙処理装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
4 湿式脱硫装置
7 吸収塔
13 循環流量制御装置(制御手段)
21 排水抜き出し量制御装置(制御手段)
26 吸収剤供給量制御装置(制御手段)
28 アンモニア注入量制御装置(制御手段)
30 アンモニウムイオン濃度センサ
33,35 アンモニア濃度センサ
36 最適量演算器(制御手段)
Claims (8)
- 排煙を吸収塔に導いて、吸収剤としてのカルシウム化合物と吸収助剤としてのアンモニウム塩とを含有する吸収液に気液接触させることにより、排煙中の少なくとも亜硫酸ガスを吸収除去する排煙処理方法において、
前記吸収塔から導出される処理後排煙のアンモニア濃度に影響を与えるパラメータを測定し、この測定値が前記処理後排煙のアンモニア濃度を目標の許容値以下に維持する目標範囲内になるよう、前記パラメータに影響を与える運転操作量として、前記吸収液中へのカルシウム化合物供給量を制御することを特徴とする排煙処理方法。 - 前記運転操作量として、前記吸収塔において排煙に気液接触させる吸収液の循環流量を制御することを特徴とする請求項1に記載の排煙処理方法。
- 前記吸収液を構成する液分の一部を排水として抜き出す構成とし、前記運転操作量として、前記排水の抜き出し量を制御することを特徴とする請求項1に記載の排煙処理方法。
- 排煙を吸収塔に導いて、吸収剤としてのカルシウム化合物と吸収助剤としてのアンモニウム塩とを含有する吸収液に気液接触させることにより、排煙中の少なくとも亜硫酸ガスを吸収除去する排煙処理方法において、
前記吸収塔から導出される処理後排煙のアンモニア濃度に影響を与えるパラメータとして、前記吸収液のアンモニウムイオン濃度及びpHを測定し、この測定値が前記処理後排煙のアンモニア濃度を目標の許容値以下に維持する目標範囲内になるよう、前記パラメータに影響を与える運転操作量を制御することを特徴とする排煙処理方法。 - 吸収液中のアンモニウム塩を構成するアンモニアの供給方式として、排煙中から間接的に供給する場合に、前記パラメータとして、前記吸収塔前流での未処理排煙のアンモニア濃度、及び、前記吸収液のpH、を測定することを特徴とする請求項4に記載の排煙処理方法。
- 前記パラメータとして、前記吸収液のpHの代りに、前記吸収液のカルシウム化合物濃度を測定することを特徴とする請求項4又は5に記載の排煙処理方法。
- 排煙を吸収塔に導いて、吸収剤としてのカルシウム化合物と吸収助剤としてのアンモニウム塩とを含有する吸収液に気液接触させることにより、排煙中の少なくとも亜硫酸ガスを吸収除去する排煙処理装置において、
前記吸収塔から導出される処理後排煙のアンモニア濃度に影響を与えるパラメータである前記吸収液のpH又は前記吸収塔から導出される処理後排煙のアンモニア濃度に影響を与えるパラメータである前記吸収液のカルシウム化合物濃度を測定するセンサと、前記吸収液のアンモニウムイオン濃度を測定するセンサと、
前記吸収液のpH又は前記吸収液のカルシウム化合物濃度を測定するセンサと、前記アンモニウムイオン濃度を測定するセンサとの測定値が前記処理後排煙のアンモニア濃度を目標の許容値以下に維持する目標範囲内になるよう、前記パラメータに影響を与える運転操作量を制御する制御手段と
を備えたことを特徴とする排煙処理装置。 - 吸収液中のアンモニウム塩を構成するアンモニアの供給方式として、排煙中から間接的に供給する場合に、前記センサとして、前記吸収塔の前流の未処理排煙のアンモニア濃度を測定するセンサと、前記吸収液のpH又はカルシウム化合物濃度を測定するセンサを備えたことを特徴とする請求項7に記載の排煙処理装置。
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