JPH08256704A - 脱臭したコンニャク粉の製造方法 - Google Patents
脱臭したコンニャク粉の製造方法Info
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- JPH08256704A JPH08256704A JP7069722A JP6972295A JPH08256704A JP H08256704 A JPH08256704 A JP H08256704A JP 7069722 A JP7069722 A JP 7069722A JP 6972295 A JP6972295 A JP 6972295A JP H08256704 A JPH08256704 A JP H08256704A
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】 脱臭したコンニャク粉の製造方法の提供。
【構成】 コンニャク粉又はコンニャク芋の砕解物に、
アルコール水溶液又は糖類の水溶液を添加して作られた
グルコマンナン粒子の分散液に、超音波処理を施し、マ
ンナンの分散粒子から臭気成分及び不純物を分散液の液
相中に抽出し、濾過、遠心分離等の方法により、脱臭及
び精製されたグルコマンナン粒子の沈澱物を液相から分
離し、必要に応じて更に乾燥させることから成る。
アルコール水溶液又は糖類の水溶液を添加して作られた
グルコマンナン粒子の分散液に、超音波処理を施し、マ
ンナンの分散粒子から臭気成分及び不純物を分散液の液
相中に抽出し、濾過、遠心分離等の方法により、脱臭及
び精製されたグルコマンナン粒子の沈澱物を液相から分
離し、必要に応じて更に乾燥させることから成る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はコンニャク芋、荒粉、及
び精粉から脱臭した高品質のコンニャク粉の製造方法に
関する。
び精粉から脱臭した高品質のコンニャク粉の製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術及び問題点】コンニャクは食物繊維の良い
供給源であり、栄養的、生理的な効用が注目され、体重
コントロールや成人病を予防する機能を持つ我が国の伝
統食品である。コンニャク芋中にはグルコマンナン粒子
の他に不純物として澱粉、タンパク質等の非マンナン
質、灰分等が含まれており、このコンニャク芋をスライ
ス、乾燥すると、グルコマンナン粒子を主成分とするコ
ンニャク荒粉が得られ、更にこの荒粉を粉砕し、比重差
により澱粉等を除去するとコンニャク精粉が得られる。
コンニャク粉の製粉法としては他にもアルコール沈澱
法、真空凍結乾燥法、水洗スプレードライヤー方式等が
知られている。
供給源であり、栄養的、生理的な効用が注目され、体重
コントロールや成人病を予防する機能を持つ我が国の伝
統食品である。コンニャク芋中にはグルコマンナン粒子
の他に不純物として澱粉、タンパク質等の非マンナン
質、灰分等が含まれており、このコンニャク芋をスライ
ス、乾燥すると、グルコマンナン粒子を主成分とするコ
ンニャク荒粉が得られ、更にこの荒粉を粉砕し、比重差
により澱粉等を除去するとコンニャク精粉が得られる。
コンニャク粉の製粉法としては他にもアルコール沈澱
法、真空凍結乾燥法、水洗スプレードライヤー方式等が
知られている。
【0003】然しながら、ジメチルアミン及びトリメチ
ルアミンの悪臭成分によるコンニャク特有の臭気を呈す
るコンニャク粉が多く、また従来のアルコール沈澱法及
びそれを応用した洗浄脱臭方法では、脱臭させるために
長時間を必要とし、脱臭度も完全ではなく、コンニャク
粉の用途拡大のため更なる改良が望まれていた。
ルアミンの悪臭成分によるコンニャク特有の臭気を呈す
るコンニャク粉が多く、また従来のアルコール沈澱法及
びそれを応用した洗浄脱臭方法では、脱臭させるために
長時間を必要とし、脱臭度も完全ではなく、コンニャク
粉の用途拡大のため更なる改良が望まれていた。
【0004】
【問題点を解決するための手段】そこで本発明者等は、
コンニャク粉の脱臭並びに精製処理の簡易化、迅速化を
目的として処理条件を鋭意検討の結果、コンニャク粉又
はコンニャク芋の砕解物に特定濃度のエタノール水溶液
を添加するアルコール沈澱法と低周波の超音波照射とを
組み合わせて行うことにより、コンニャク特有の臭気を
脱臭すると共に、色調の良い高品質のコンニャク粉が短
時間で得られることを見い出し、本発明を完成した。
コンニャク粉の脱臭並びに精製処理の簡易化、迅速化を
目的として処理条件を鋭意検討の結果、コンニャク粉又
はコンニャク芋の砕解物に特定濃度のエタノール水溶液
を添加するアルコール沈澱法と低周波の超音波照射とを
組み合わせて行うことにより、コンニャク特有の臭気を
脱臭すると共に、色調の良い高品質のコンニャク粉が短
時間で得られることを見い出し、本発明を完成した。
【0005】本発明の要旨によると、コンニャク粉又は
コンニャク芋の砕解物にアルコール水溶液又は糖類の水
溶液を添加して作られたグルコマンナン粒子の分散液に
超音波照射を施し、この超音波の照射下にマンナンの分
散粒子からコンニャク臭気成分及び非マンナン質の不純
物を前記分散液の液相中に抽出し、脱臭及び精製された
グルコマンナン粒子の沈澱物を該液相から分離し、その
後必要に応じて乾燥することを特徴とする、脱臭した高
品質のコンニャク粉の製造方法が提供される。
コンニャク芋の砕解物にアルコール水溶液又は糖類の水
溶液を添加して作られたグルコマンナン粒子の分散液に
超音波照射を施し、この超音波の照射下にマンナンの分
散粒子からコンニャク臭気成分及び非マンナン質の不純
物を前記分散液の液相中に抽出し、脱臭及び精製された
グルコマンナン粒子の沈澱物を該液相から分離し、その
後必要に応じて乾燥することを特徴とする、脱臭した高
品質のコンニャク粉の製造方法が提供される。
【0006】好ましい実施形式としては、コンニャク粉
に20〜50%エタノール水溶液を添加して作られたグ
ルコマンナン粒子の分散液に、20〜100KHzの低
周波で超音波照射を施し、照射下にマンナンの分散粒子
から不純物を分散液の液相中に浸漬抽出し、脱臭及び精
製されたグルコマンナン粒子の沈澱物を濾過、遠心分離
等の方法により該液相から分離することから成る。
に20〜50%エタノール水溶液を添加して作られたグ
ルコマンナン粒子の分散液に、20〜100KHzの低
周波で超音波照射を施し、照射下にマンナンの分散粒子
から不純物を分散液の液相中に浸漬抽出し、脱臭及び精
製されたグルコマンナン粒子の沈澱物を濾過、遠心分離
等の方法により該液相から分離することから成る。
【0007】本発明を更に詳しく説明するに、脱臭した
コンニャク粉を得る原料としては市販のコンニャク荒粉
又はコンニャク精粉、又はコンニャク芋が使用できる。
また臭気成分及び不純物の除去のため浸漬抽出用に添加
する水溶液であるが、エタノール水溶液の他にも、グル
コース、果糖、庶糖、乳糖、糖蜜の如き糖類等の水溶液
も考えられるが、製造上のコストや殺菌効力を考慮し、
エタノール水溶液が好適であり、以下これについて説明
する。
コンニャク粉を得る原料としては市販のコンニャク荒粉
又はコンニャク精粉、又はコンニャク芋が使用できる。
また臭気成分及び不純物の除去のため浸漬抽出用に添加
する水溶液であるが、エタノール水溶液の他にも、グル
コース、果糖、庶糖、乳糖、糖蜜の如き糖類等の水溶液
も考えられるが、製造上のコストや殺菌効力を考慮し、
エタノール水溶液が好適であり、以下これについて説明
する。
【0008】エタノール水溶液の濃度については、任意
の濃度で洗浄、脱臭は可能であるが、下限濃度としては
20%以下だとマンナン粒子が膨潤し、マンナンの回収
率が低くなり、上限濃度としては50%以上だと不純物
がエタノール水溶液中に抽出される割合が低く脱臭効果
及び効率が悪くなるので、20〜50%の濃度範囲が好
適と判断した。
の濃度で洗浄、脱臭は可能であるが、下限濃度としては
20%以下だとマンナン粒子が膨潤し、マンナンの回収
率が低くなり、上限濃度としては50%以上だと不純物
がエタノール水溶液中に抽出される割合が低く脱臭効果
及び効率が悪くなるので、20〜50%の濃度範囲が好
適と判断した。
【0009】また低周波の超音波照射時間は、精製処理
の効率及び迅速化の観点から見ると、10〜25分とい
う短時間で充分脱臭効果があることを確認した。
の効率及び迅速化の観点から見ると、10〜25分とい
う短時間で充分脱臭効果があることを確認した。
【0010】更に25%エタノールの水溶液中で超音波
照射後分離し、次に50%エタノールの水溶液中で再度
超音波照射することにより、エタノール水溶液の濃度を
変えて2段階又はそれ以上で超音波処理したほうが、音
波の浸透性が高くなり脱臭精度が向上する点から好まし
い。
照射後分離し、次に50%エタノールの水溶液中で再度
超音波照射することにより、エタノール水溶液の濃度を
変えて2段階又はそれ以上で超音波処理したほうが、音
波の浸透性が高くなり脱臭精度が向上する点から好まし
い。
【0011】浸漬抽出温度についてはある程度高いほう
が脱臭効果が高いが40℃を超えるようでは不純物の澱
粉等が糊化してしまい、コンニャク粉の劣化が生じるの
で、40℃が最適温度の上限である。
が脱臭効果が高いが40℃を超えるようでは不純物の澱
粉等が糊化してしまい、コンニャク粉の劣化が生じるの
で、40℃が最適温度の上限である。
【0012】超音波の波長は100KHz以上に上げる
と摩擦力が大きくなりコンニャク粉の表面の細胞を傷つ
けるので、20〜100KHzが好適である。
と摩擦力が大きくなりコンニャク粉の表面の細胞を傷つ
けるので、20〜100KHzが好適である。
【0013】本発明の方法の好適な実施形式について説
明するに、管状容器に入れた脱臭処理すべきコンニャク
粉に対して8倍量の25%エタノール水溶液を添加して
15秒間定速にて攪拌分散させ、得られた分散液を20
℃〜40℃に設定した超音波装置(28〜100KHz
の低周波使用)水浴中に固定し、照射を5〜20分間行
って迅速にアミン臭気成分をエタノール水溶液中に抽出
し、次いで、5000rpmで5分間遠沈し、上澄みを
除去し、グルコマンナン粒子の沈澱物に6倍量の50%
エタノール水溶液を添加し、得られた分散液に更に2回
目の超音波照射を5分間行い、次いで遠沈する。得られ
た沈澱物を4倍量の99%エタノール水溶液で脱水し、
抽出残渣を80℃で乾燥して脱臭されたコンニャク精粉
を得る。
明するに、管状容器に入れた脱臭処理すべきコンニャク
粉に対して8倍量の25%エタノール水溶液を添加して
15秒間定速にて攪拌分散させ、得られた分散液を20
℃〜40℃に設定した超音波装置(28〜100KHz
の低周波使用)水浴中に固定し、照射を5〜20分間行
って迅速にアミン臭気成分をエタノール水溶液中に抽出
し、次いで、5000rpmで5分間遠沈し、上澄みを
除去し、グルコマンナン粒子の沈澱物に6倍量の50%
エタノール水溶液を添加し、得られた分散液に更に2回
目の超音波照射を5分間行い、次いで遠沈する。得られ
た沈澱物を4倍量の99%エタノール水溶液で脱水し、
抽出残渣を80℃で乾燥して脱臭されたコンニャク精粉
を得る。
【0014】
【実施例】本発明を次の実施例により説明するが、これ
に限定されるものではない。
に限定されるものではない。
【0015】実施例1 供試原料のコンニャク精粉は、コンニャク芋を搗精して
調製した市販のコンニャク粉であり、次の組成を有し
た:水分8.1%、粗タンパク質1.5%、灰分6.1
%;粒度分布 平均150メッシュ、粘度133ポイズ
(1%濃度)、色調、明度75.0 ハンター値 a;
0.9 b;11.3 白色度72.5。
調製した市販のコンニャク粉であり、次の組成を有し
た:水分8.1%、粗タンパク質1.5%、灰分6.1
%;粒度分布 平均150メッシュ、粘度133ポイズ
(1%濃度)、色調、明度75.0 ハンター値 a;
0.9 b;11.3 白色度72.5。
【0016】使用した超音波装置は超音波洗浄機(本多
電子製W−113型、28KHz5秒、45KHz 5
秒、100KHz 1秒のマルチ周波併用発振、出力1
00W、2A、容量3リットル)であり、発振装置内は
水量2リットル、水温20℃及び40℃とし恒温処置し
た。
電子製W−113型、28KHz5秒、45KHz 5
秒、100KHz 1秒のマルチ周波併用発振、出力1
00W、2A、容量3リットル)であり、発振装置内は
水量2リットル、水温20℃及び40℃とし恒温処置し
た。
【0017】先ず50ml容の遠沈管に5gのコンニャ
ク粉原料と25%エタノール水溶液40mlとを添加し
て、15秒間定速(5回転/秒)にて攪拌分散させ、直
ちに超音波装置の20℃又は40℃に設定した水浴中に
固定し、超音波照射(以下単に照射と記載)を5、1
0、15及び20分間施し(この照射時間に対応する試
料を以下では単に試料A,B,C,D(20℃設定),
A′,B′,C′,D′(40℃設定)と記載す
る。)、分散液を5000rpmで5分間遠心分離し、
上澄みを除去し、次いで沈澱物に50%エタノール水溶
液30mlを添加して再び照射を5分間施し、遠心分離
を繰り返した。得られた沈澱物を99%エタノール水溶
液20mlで脱水し、ガラスフィルターで吸引濾過し、
抽出残渣を80℃で2時間乾燥した。
ク粉原料と25%エタノール水溶液40mlとを添加し
て、15秒間定速(5回転/秒)にて攪拌分散させ、直
ちに超音波装置の20℃又は40℃に設定した水浴中に
固定し、超音波照射(以下単に照射と記載)を5、1
0、15及び20分間施し(この照射時間に対応する試
料を以下では単に試料A,B,C,D(20℃設定),
A′,B′,C′,D′(40℃設定)と記載す
る。)、分散液を5000rpmで5分間遠心分離し、
上澄みを除去し、次いで沈澱物に50%エタノール水溶
液30mlを添加して再び照射を5分間施し、遠心分離
を繰り返した。得られた沈澱物を99%エタノール水溶
液20mlで脱水し、ガラスフィルターで吸引濾過し、
抽出残渣を80℃で2時間乾燥した。
【0018】比較実験も前記と同条件下で同様に行う
(比較例)が、但し照射を施さないコンニャク粉は5,
10,15及び20分間25%エタノール水溶液中で浸
漬抽出を行い(以下では単に、a,b,c,d(20℃
設定),a′,b′,c′,d′(40℃設定)と記載
する)、以後に照射を施さずに5分間50%エタノール
水溶液に浸漬抽出し、同様に処理し、乾燥させた。
(比較例)が、但し照射を施さないコンニャク粉は5,
10,15及び20分間25%エタノール水溶液中で浸
漬抽出を行い(以下では単に、a,b,c,d(20℃
設定),a′,b′,c′,d′(40℃設定)と記載
する)、以後に照射を施さずに5分間50%エタノール
水溶液に浸漬抽出し、同様に処理し、乾燥させた。
【0019】かくして得られたコンニャク精粉の脱臭効
果については次の通り測定した:500mlの丸底フラ
スコに前記で得られた各コンニャク精粉1gを秤量し、
蒸留水を加え100gとし、丸底フラスコの上端を密栓
し、35℃の恒温槽中で振盪させながら30分間膨潤さ
せ、これに水酸化カルシウム0.01gを添加後、再び
密栓し、沸騰浴中で15分間加熱し上部空間ガスを捕集
した。この試料ガス100mlを北川式ガス検知器(A
P−1型)に吸引し、検知管により精粉ゲルの臭気成
分、トリメチルアミン(TMA)及びジメチルアミン
(DMA)の含量を測定した。結果を次の表1に示す。
果については次の通り測定した:500mlの丸底フラ
スコに前記で得られた各コンニャク精粉1gを秤量し、
蒸留水を加え100gとし、丸底フラスコの上端を密栓
し、35℃の恒温槽中で振盪させながら30分間膨潤さ
せ、これに水酸化カルシウム0.01gを添加後、再び
密栓し、沸騰浴中で15分間加熱し上部空間ガスを捕集
した。この試料ガス100mlを北川式ガス検知器(A
P−1型)に吸引し、検知管により精粉ゲルの臭気成
分、トリメチルアミン(TMA)及びジメチルアミン
(DMA)の含量を測定した。結果を次の表1に示す。
【0020】
【0021】試料Sゲル(対照の未処理のコンニャク精
粉ゲル)は12ppmのTMA,DMA含量を示すが、
これに比べ試料A(照射10分の精粉ゲル)では20℃
設定で1.8ppm(15%に減少)、40℃設定で
1.3ppm(10.8%に減少)のTMA,DMA含
量に著しく減少し、比較の試料a(照射なしの10分浸
漬ゲル)では20℃設定で3.0ppm(25%に減
少)のTMA,DMA含量を示し、本発明の方法により
得られたコンニャク精粉の脱臭効果が優れていることは
明らかである。
粉ゲル)は12ppmのTMA,DMA含量を示すが、
これに比べ試料A(照射10分の精粉ゲル)では20℃
設定で1.8ppm(15%に減少)、40℃設定で
1.3ppm(10.8%に減少)のTMA,DMA含
量に著しく減少し、比較の試料a(照射なしの10分浸
漬ゲル)では20℃設定で3.0ppm(25%に減
少)のTMA,DMA含量を示し、本発明の方法により
得られたコンニャク精粉の脱臭効果が優れていることは
明らかである。
【0022】本実施例においては、アルコール沈澱精製
法として、エタノール水溶液の濃度を25%、次いで5
0%、次いで99%(脱水用)と変化させ、これに加え
て浸漬抽出過程に低周波の超音波照射を施したことによ
りコンニャク精粉の収率も向上させることができた。即
ちコンニャク精粉の試料S(収率100%)に対して、
20℃で浸漬した試料A,B,C,及びDは91,9
1,90,及び90%の収率で得られ、a,b,c,及
びdは92,91.5,91,90.5%の収率で得ら
れ、40℃で浸漬した試料A′,B′,C′,及びD′
は90,90,90,及び88%の収率で得られ、
a′,b′,c′,及びd′は90,88,90.5,
及び89.5%の収率で得られた。
法として、エタノール水溶液の濃度を25%、次いで5
0%、次いで99%(脱水用)と変化させ、これに加え
て浸漬抽出過程に低周波の超音波照射を施したことによ
りコンニャク精粉の収率も向上させることができた。即
ちコンニャク精粉の試料S(収率100%)に対して、
20℃で浸漬した試料A,B,C,及びDは91,9
1,90,及び90%の収率で得られ、a,b,c,及
びdは92,91.5,91,90.5%の収率で得ら
れ、40℃で浸漬した試料A′,B′,C′,及びD′
は90,90,90,及び88%の収率で得られ、
a′,b′,c′,及びd′は90,88,90.5,
及び89.5%の収率で得られた。
【0023】またコンニャク精粉の性状の品質評価の目
安として白色度の良否が挙げられる。そこで試料S(未
処理コンニャク精粉)及び本実施例及び比較例により得
られた精粉の変化を以下の表2に示す。
安として白色度の良否が挙げられる。そこで試料S(未
処理コンニャク精粉)及び本実施例及び比較例により得
られた精粉の変化を以下の表2に示す。
【0024】
【0025】1)測色色差計(日本電色 ND1001
−DP型)で精粉の表面色、明度、a,b及び白色度を
反射光により測定。
−DP型)で精粉の表面色、明度、a,b及び白色度を
反射光により測定。
【0026】2)色差:試料S(未処理コンニャク精
粉) 標準品(明度:75.0,a:0.9,b:1
1.3,白色度:72.5) 0.5〜1.5;わずか、1.5〜3.0;注目し得
る、3.0〜6.0;顕著 市販のコンニャク精粉の上等品の色調は明度75.8,
a;0.8,b;9.1、白色度;74.2であり、本
発明による超音波照射を組み合わせた脱臭精製法はコン
ニャク粉の脱色にも有効であることは明らかである。
粉) 標準品(明度:75.0,a:0.9,b:1
1.3,白色度:72.5) 0.5〜1.5;わずか、1.5〜3.0;注目し得
る、3.0〜6.0;顕著 市販のコンニャク精粉の上等品の色調は明度75.8,
a;0.8,b;9.1、白色度;74.2であり、本
発明による超音波照射を組み合わせた脱臭精製法はコン
ニャク粉の脱色にも有効であることは明らかである。
【0027】次にコンニャクゾルの官能検査として本実
施例で得られた試料B′(15分間照射)及びb′(1
5分浸漬)及び対照のコンニャク精粉試料Sを用いて実
験を行った。
施例で得られた試料B′(15分間照射)及びb′(1
5分浸漬)及び対照のコンニャク精粉試料Sを用いて実
験を行った。
【0028】500mlのビーカーにコンニャク精粉試
料(1%濃度)とシロップ液(庶糖濃度7%)を入れ、
35℃で60分間膨潤させ、密封し、沸騰浴中で15分
加熱し蓋付きガラス容器(30ml容)に分注して5℃
で1昼夜保存し室温に戻し供試した。パネラーは女子大
生(年齢20才)16名であり、評点法による対照試料
Sを基準として7段階の尺度で色調(透明感)、コンニ
ャク臭、硬さ、粘り気、えぐ味、口溶け(呑み込み易
さ)、おいしさ(味)、総合評価(良し悪し)の8項目
について評価した(但し3は極めて強い、2はかなり強
い、1はやや強い、0はどちらともいえない、−1はや
や弱い、−2はかなり弱い、−3は極めて弱いを表
す)。結果を以下の表3に示す。
料(1%濃度)とシロップ液(庶糖濃度7%)を入れ、
35℃で60分間膨潤させ、密封し、沸騰浴中で15分
加熱し蓋付きガラス容器(30ml容)に分注して5℃
で1昼夜保存し室温に戻し供試した。パネラーは女子大
生(年齢20才)16名であり、評点法による対照試料
Sを基準として7段階の尺度で色調(透明感)、コンニ
ャク臭、硬さ、粘り気、えぐ味、口溶け(呑み込み易
さ)、おいしさ(味)、総合評価(良し悪し)の8項目
について評価した(但し3は極めて強い、2はかなり強
い、1はやや強い、0はどちらともいえない、−1はや
や弱い、−2はかなり弱い、−3は極めて弱いを表
す)。結果を以下の表3に示す。
【0029】
【0030】前記の官能検査の結果から明らかな通り、
照射の有無について試料B′と試料b′との評点を検討
するに、試料B′はコンニャク臭、硬さ、えぐ味、口溶
け、おいしさ、総合評価に高い評点が得られ、アルコー
ル沈澱処理に超音波照射を組み合わせたことによりコン
ニャクゲルが有為に脱臭され、えぐ味が抑制され、経口
時に口溶けがよく、おいしく感じられる点で、嗜好的に
向上し、短時間で脱臭精粉が得られることが認められて
いる。
照射の有無について試料B′と試料b′との評点を検討
するに、試料B′はコンニャク臭、硬さ、えぐ味、口溶
け、おいしさ、総合評価に高い評点が得られ、アルコー
ル沈澱処理に超音波照射を組み合わせたことによりコン
ニャクゲルが有為に脱臭され、えぐ味が抑制され、経口
時に口溶けがよく、おいしく感じられる点で、嗜好的に
向上し、短時間で脱臭精粉が得られることが認められて
いる。
【0031】また試料B′のコンニャクゲルの調理適性
については、老人、病人食のくず湯用、デザートソース
用、ゼリー用、飲料用等の順に適するコンニャク製品と
考えられ、今後幅広い応用が期待される。
については、老人、病人食のくず湯用、デザートソース
用、ゼリー用、飲料用等の順に適するコンニャク製品と
考えられ、今後幅広い応用が期待される。
【0032】実施例2 コンニャク芋自体の脱臭に超音波処理が有効であるかど
うかを測定するため実施例1と同様の要領で実験した。
脱臭すべき供試試料はコンニャク芋の榛名黒(冷凍)で
あり、次の組成を有する。:水分81.2%、タンパク
質1.9%、灰分1.2%、脂質0.2%、糖質15.
0%、繊維0.5%、粘度84.3ポイズ(6%濃度) 先ず50ml容の遠沈管に入れた5gのコンニャク芋砕
解物の試料に25%のエタノール水溶液40mlを加え
て60秒間定速(5回転/秒)にて均質化し、得られた
グルコマンナン分散液を直ちに実施例1記載の超音波装
置の20℃の水浴中に固定し、超音波照射を5,10,
15,20分間施した(試料A″,B″,C″,D″と
略称する)。また超音波照射を施さず25%エタノール
水溶液に5,10,15,20分間浸漬した(試料
a″,b″,c″,d″と略称する)。これらの分散液
を5000rpmで5分間遠心分離し上澄みを除去し、
沈澱物をガラスフィルターで吸引濾過し、抽出残渣を8
0℃で2時間乾燥した。
うかを測定するため実施例1と同様の要領で実験した。
脱臭すべき供試試料はコンニャク芋の榛名黒(冷凍)で
あり、次の組成を有する。:水分81.2%、タンパク
質1.9%、灰分1.2%、脂質0.2%、糖質15.
0%、繊維0.5%、粘度84.3ポイズ(6%濃度) 先ず50ml容の遠沈管に入れた5gのコンニャク芋砕
解物の試料に25%のエタノール水溶液40mlを加え
て60秒間定速(5回転/秒)にて均質化し、得られた
グルコマンナン分散液を直ちに実施例1記載の超音波装
置の20℃の水浴中に固定し、超音波照射を5,10,
15,20分間施した(試料A″,B″,C″,D″と
略称する)。また超音波照射を施さず25%エタノール
水溶液に5,10,15,20分間浸漬した(試料
a″,b″,c″,d″と略称する)。これらの分散液
を5000rpmで5分間遠心分離し上澄みを除去し、
沈澱物をガラスフィルターで吸引濾過し、抽出残渣を8
0℃で2時間乾燥した。
【0033】得られたコンニャク芋粒子の粉末に庶糖
(7%)を添加して作ったコンニャクゾル8種A″〜
D″,a″〜d″について実施例1記載の順位法により
官能検査を行った。照射なしの試料と比較して、照射あ
りの試料では臭気の減少、えぐ味除去が有意に認めら
れ、コンニャク芋自体への超音波照射もコンニャク芋の
特性改善に有効であることは明らかである。
(7%)を添加して作ったコンニャクゾル8種A″〜
D″,a″〜d″について実施例1記載の順位法により
官能検査を行った。照射なしの試料と比較して、照射あ
りの試料では臭気の減少、えぐ味除去が有意に認めら
れ、コンニャク芋自体への超音波照射もコンニャク芋の
特性改善に有効であることは明らかである。
【0034】
【発明の効果】本発明は、コンニャク特有の不快臭を除
去した高品質のコンニャク粉を短時間、低コストで作る
製造方法であり、できたコンニャク粉は、従来のコンニ
ャク原料としての用途だけでなく、近年注目されている
コンニャクマンナンというノンカロリーの天然食物繊維
を、生食、デザート、ゼリー、飲料等あらゆる用途に利
用、拡大出来ると言う効果を有している。
去した高品質のコンニャク粉を短時間、低コストで作る
製造方法であり、できたコンニャク粉は、従来のコンニ
ャク原料としての用途だけでなく、近年注目されている
コンニャクマンナンというノンカロリーの天然食物繊維
を、生食、デザート、ゼリー、飲料等あらゆる用途に利
用、拡大出来ると言う効果を有している。
Claims (4)
- 【請求項1】 コンニャク粉又はコンニャク芋の砕解物
にアルコール水溶液又は糖類の水溶液を添加して作られ
たグルコマンナン粒子の分散液に超音波照射を施し、こ
の超音波の照射下にマンナンの分散粒子からコンニャク
臭気成分及び非マンナン質の不純物を前記分散液の液相
中に抽出し、脱臭及び精製されたグルコマンナンの粒子
の沈澱物を該液相から分離し、その後必要に応じて乾燥
することを特徴とする、脱臭した高品質のコンニャク粉
の製造方法。 - 【請求項2】 超音波照射処理は20〜100KHzの
周波数で行う請求項1記載の方法。 - 【請求項3】 0〜40℃で20〜50%の濃度のエタ
ノール水溶液をコンニャク粉又はコンニャク芋の砕解物
に添加して分散液を作る請求項1記載の方法。 - 【請求項4】 脱臭されたグルコマンナン粒子沈澱物の
液相からの分離を遠心分離法で行なう請求項1記載の方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7069722A JP2949049B2 (ja) | 1995-03-28 | 1995-03-28 | 脱臭したコンニャク粉の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7069722A JP2949049B2 (ja) | 1995-03-28 | 1995-03-28 | 脱臭したコンニャク粉の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08256704A true JPH08256704A (ja) | 1996-10-08 |
JP2949049B2 JP2949049B2 (ja) | 1999-09-13 |
Family
ID=13411023
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7069722A Expired - Lifetime JP2949049B2 (ja) | 1995-03-28 | 1995-03-28 | 脱臭したコンニャク粉の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2949049B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005295977A (ja) * | 2004-04-09 | 2005-10-27 | Iwasaki Shoten:Kk | こんにゃくマンナンを含むドリンク。 |
CN100358921C (zh) * | 2005-10-18 | 2008-01-02 | 西南大学 | 高纯度魔芋葡甘低聚糖生产方法 |
CN104725525A (zh) * | 2015-04-15 | 2015-06-24 | 成都真颖精工机电设备有限公司 | 一种魔芋胶的制备方法 |
-
1995
- 1995-03-28 JP JP7069722A patent/JP2949049B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005295977A (ja) * | 2004-04-09 | 2005-10-27 | Iwasaki Shoten:Kk | こんにゃくマンナンを含むドリンク。 |
CN100358921C (zh) * | 2005-10-18 | 2008-01-02 | 西南大学 | 高纯度魔芋葡甘低聚糖生产方法 |
CN104725525A (zh) * | 2015-04-15 | 2015-06-24 | 成都真颖精工机电设备有限公司 | 一种魔芋胶的制备方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2949049B2 (ja) | 1999-09-13 |
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Legal Events
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