JPH08255705A - 避雷器用高エネルギー耐量酸化亜鉛素子 - Google Patents

避雷器用高エネルギー耐量酸化亜鉛素子

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JPH08255705A
JPH08255705A JP7084474A JP8447495A JPH08255705A JP H08255705 A JPH08255705 A JP H08255705A JP 7084474 A JP7084474 A JP 7084474A JP 8447495 A JP8447495 A JP 8447495A JP H08255705 A JPH08255705 A JP H08255705A
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JP
Japan
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zinc oxide
arrester
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energy
oxides
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Application number
JP7084474A
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English (en)
Inventor
Hironari Honma
宏也 本間
Takeshi Taniguchi
毅 谷口
Kunikazu Izumi
邦和 泉
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Central Research Institute of Electric Power Industry
Original Assignee
Central Research Institute of Electric Power Industry
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Abstract

(57)【要約】 【目的】避雷器用酸化亜鉛素子に関し、従来の製造方法
と同様な量産特性を有しながら、避雷器素子の持つ電気
特性を変えずに、避雷器素子の単位体積当たりのエネル
ギー処理耐量を向上させ、酸化亜鉛形避雷器の信頼性向
上を図ることを目的とする。 【構成】本発明の避雷器用高エネルギー耐量酸化亜鉛素
子は、酸化亜鉛粉末を主成分とし、これに数種の酸化物
を混合して、成型,焼結して形成される避雷器用酸化亜
鉛素子において、前記酸化亜鉛粉末と数種の酸化物との
混合物に酸化ジルコニウム(ZrO2 )を混合して、成
型,焼結して形成されたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、送配電線,変電設備へ
の雷撃サージなどによる過電圧抑制、或いは変圧器など
各種電力機器の保護装置として適用される機器内部装置
の避雷器用高エネルギー耐量酸化亜鉛素子に関する。
【0002】
【従来の技術】送配電線,変電設備への雷撃サージなど
による過電圧抑制のため、あるいは変圧器など各種電力
機器の保護装置として酸化亜鉛形避雷器が広く用いられ
ている。その避雷器の内部素子として、酸化亜鉛粉末を
主成分とし、これに数種の酸化物、例えばBi23 (酸
化ビスマス (III)),Sb23 (酸化アンチモン (II
I)),C0 O(酸化コバルト(II)),Cr23 (酸化
クロム(III)),Mn O2(酸化マンガン(IV))を混
合し、PVA(ポリビニールアルコール)等の有機バイ
ンダを用い円筒形等に加圧成型した後、1000℃以上
の高温で焼成して作製した焼結体が用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の酸化亜
鉛形避雷器においては、送電線等への雷撃などにより過
電圧が印加された場合、過大な動作電流による避雷器素
子内部の急激な熱歪みの発生に伴い、避雷器素子内部に
亀裂が発生し、最終的には当該素子が導通状態になり、
短絡電流が流れて避雷器が破壊することがある。また、
避雷器素子の内部破壊を避けるため、複数の素子を直並
列に並べて用いていることにより、エネルギー処理耐量
の増加を図り得るが、避雷器装置が大型化し、電力機器
の小型化が困難となる問題がある。また、避雷器素子の
破壊確率を低減し、電力機器の信頼性を向上させるため
に、素子成分や形状の改良,製造法の改良などが検討さ
れているが、次のような問題があった。
【0004】(1)避雷器素子の成分や添加物の変更、
例えば添加物としてAl23 (酸化アルミニウム)を5
〜20ppm添加して、エネルギー処理耐量の向上が検
討されているが、内容物の変化に伴い、V−I特性の非
直線性が損なわれるなど、避雷器特有の電気特性が変化
し、過電流抑制効果が喪失されてしまう。 (2)避雷器素子を大径化したり、肉厚化など、形状を
変更した場合、避雷器の大型化や、製造工程の変更、作
業効率の低下が引き起こされる。 (3)避雷器素子の特性の均一性向上を図るため、例え
ば微細な不純物の除去、或いは製造工程管理の強化な
ど、製造法の改良もあるが、製造コストの上昇が引き起
こされる。 本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、その目
的とするところは、酸化亜鉛形避雷器の信頼性向上のた
め、従来の製造方法と同様な量産特性を有しながら、避
雷器素子の持つ電気特性を変えず、高エネルギー処理耐
量、即ち、避雷器素子の単位体積当たりのエネルギー処
理耐量を向上させた、避雷器用高エネルギー耐量酸化亜
鉛素子を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の避雷器用高エネ
ルギー耐量酸化亜鉛素子は、酸化亜鉛粉末を主成分と
し、これに数種の酸化物を混合して、成型,焼結して形
成される避雷器用酸化亜鉛素子において、前記酸化亜鉛
粉末と数種の酸化物との混合物に酸化ジルコニウム(Z
rO2 )を混合して、成型,焼結して形成されたもので
ある。
【0006】
【作用】避雷器素子の内部破壊は、過電圧処理時の素子
内部での熱歪みにより引き起こされることから、電気的
に不活性で耐熱衝撃特性に優れている酸化ジルコニウム
(ZrO2 )を微量添加し、避雷器素子内部の熱衝撃特
性を改善し、素子のエネルギー処理耐量を向上させるも
ので、これにより避雷器動作時の素子破壊確率を低減す
ることができ、避雷器の信頼性を向上させることができ
る。また、処理エネルギーに対する素子体積を減少でき
ることから、避雷器の小型化が可能になる。従って、電
力輸送技術の高効率化および電力機器の信頼性向上、並
びに小型化に寄与する。
【0007】
【実施例】図1は、本発明による高エネルギー処理耐量
を有する避雷器用高エネルギー耐量酸化亜鉛素子1(以
下酸化亜鉛素子1と略称する)を示すもので、酸化亜鉛
素子1はその製作時に、酸化亜鉛粉末を中心に数種の酸
化物を混合した従来までの材料組成に加え、熱緩衝材と
しての酸化ジルコニウム(ZrO2 )が微量添加され、
混合後、円筒形に加圧成型され、1000℃以上の高温
で焼成された焼結体である。前述した酸化ジルコニウム
(ZrO2 )の添加量は、図3に示す酸化ジルコニウム
(ZrO2 )の添加量と、酸化亜鉛素子の破壊に至まで
のエネルギー処理量との関係を示す特性図から明らかな
ように、ケース1の添加量0.5wt%が最もエネルギ
ー処理量が高い結果を示している。ケース2.3ように
添加量を1.0wt%,2.0wt%と多くしていく
と、エネルギー処理量は減少し、ケース3に場合は従来
例と同程度になることが解る。従って、酸化ジルコニウ
ム(ZrO2 )の添加量は、0.5wt%程度が好まし
い添加量である。
【0008】図3に示した、酸化ジルコニウムの添加量
と、避雷器素子の破壊に至までのエネルギー処理量との
関係を表す特性図の、従来例と本発明における各ケース
の試験データ、即ちエネルギー処理特性試験における素
子破壊確率分布の状態を、図4乃至図7に示してある。
図4は酸化ジルコニウムを添加していない従来の素子
の、サンプル数10個のデータを示しており、そのエネ
ルギー処理量の平均値(50%値)は122J/cm3 であ
った。図5は、本発明の試験例ケース1の酸化ジルコニ
ウムを0.5wt%添加した素子の、サンプル数8個の
データを示しており、エネルギー処理量の平均値(50
%値)は233J/cm3 と極めて高く、最低のエネルギー
処理量も100J/cm3を超えており、従来の素子に比較
して優れていることを示している。
【0009】図6は、本発明の試験例ケース2の酸化ジ
ルコニウムを1.0wt%添加した素子の、サンプル数
8個のデータを示しており、エネルギー処理量の平均値
(50%値)は166J/cm3 で、ケース1に比較すると
低いが、従来の素子と比較すると約1.4倍と高く、最
低のエネルギー処理量もケース1と同様に100J/cm3
を超えている。図7は、本発明の試験例ケース3の酸化
ジルコニウムを2.0wt%添加した素子の、サンプル
数7個のデータを示しており、エネルギー処理量の平均
値(50%値)は126J/cm3 で、この平均値および最
低値とも従来の素子に比較し、若干高いデータである
が、総体的には従来の素子とほぼ同様であった。なお、
本発明に係るケース1乃至3のそれぞれの各試験データ
は、可成り分散しているが、サンプルは手作業で作った
ものであり、酸化ジルコニウムの添加量は微量であるた
め、部分的な存在確率にばらつきが生じたものと考えら
れる。従って、量産化においては、量産ラインに配置さ
れる作業ロボットなどにより自動化されており、材料な
どの計測、混合、成型等が安定した作業になるため、ば
らつきは減少させることができると考えられる。
【0010】図1に示した酸化亜鉛素子1は、円筒状に
形成されているが、中空円筒状に形成してもよい。この
酸化亜鉛素子1は、その表面を研磨した後、上下の電極
面2,3にアルミ粉末を蒸着して電極を形成し、またそ
の周面(側面)4は、ガラスなどの絶縁材料によりコー
ティングが施されている。図2は、がいし型酸化亜鉛形
避雷器の縦断面図で、碍管11と端子12、および碍管
11の内側に設けられたFRP(繊維強化プラスチッ
ク)円筒13とから形成された避雷器ケース10内に、
酸化亜鉛素子1を複数個積み重ねて、両端の端子12,
12にそれぞれ接触された、ばね電極14,14によっ
て挟み込み固定された状態を示している。なお、FRP
円筒13と酸化亜鉛素子1との間の空間15には、乾燥
空気または窒素が封入されている。この酸化亜鉛素子1
により、所定のエネルギー処理耐量を持つ避雷器とし
て、送配電線あるいは各種電力機器内部に設置されるも
のである。
【0011】この酸化亜鉛素子1の製造方法は、図4
(a)に示す概念図のように、酸化亜鉛粉末に数種の酸
化物を添加物として添加すると共に、酸化ジルコニウム
を添加し、有機バインダー(PVA)を用いて混合,成
型する湿式法と、図4(b)に示す概念図のように工程
中に水分を介しない乾式法との、どちらによっても容易
に製造される。これらの製造方法は、従来の酸化亜鉛素
子の製造工程とほぼ同じくするもので、量産に適してお
り製造コスト上においても問題がない。
【0012】
【発明の効果】本発明によれば、従来の酸化亜鉛素子の
製造方法とほぼ同様な方法で、高エネルギー処理耐量素
子が作製され、避雷器としての電気特性を変えずに、そ
の動作時の素子破壊確率が低減できる。そのことによ
り、電力機器の事故率が低減され、電力輸送技術の信頼
性の向上が実現される。また、避雷器の処理エネルギー
当たりの素子体積を低減できることにより、避雷器およ
び電力機器の小型化を実現できるなど、極めて顕著な効
果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の酸化亜鉛素子の一例を示す斜視図であ
る。
【図2】本発明の酸化亜鉛素子の用途例を示す断面図で
ある。
【図3】本発明の酸化亜鉛素子と従来の酸化亜鉛素子
の、エネルギー処理量を示す特性図である。
【図4】従来の酸化亜鉛素子のエネルギー処理特性試験
における素子破壊確率分布図である。
【図5】本発明のケース1の酸化亜鉛素子のエネルギー
処理特性試験における素子破壊確率分布図である。
【図6】本発明のケース2の酸化亜鉛素子のエネルギー
処理特性試験における素子破壊確率分布図である。
【図7】本発明のケース3の酸化亜鉛素子のエネルギー
処理特性試験における素子破壊確率分布図である。
【図8】本発明の酸化亜鉛素子の湿式法による製造方法
を示す概念図である。
【図9】本発明の酸化亜鉛素子の乾式法による製造方法
を示す概念図である。
【符号の説明】
1 酸化亜鉛素子 2,3 酸化亜鉛素子の電極面 4 酸化亜鉛素子の周面 10 避雷器ケース 11 碍管 12 端子 13 FRP円筒 14 ばね電極 15 空間

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化亜鉛粉末を主成分とし、これに数種
    の酸化物を混合して、成型,焼結して形成される避雷器
    用酸化亜鉛素子において、前記酸化亜鉛粉末と数種の酸
    化物との混合物に酸化ジルコニウム(ZrO2 )を混合
    して、成型,焼結して形成されたことを特徴とする避雷
    器用高エネルギー耐量酸化亜鉛素子。
JP7084474A 1995-03-17 1995-03-17 避雷器用高エネルギー耐量酸化亜鉛素子 Pending JPH08255705A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103077792A (zh) * 2012-12-30 2013-05-01 南阳金牛电气有限公司 一种特殊用途的过电压保护器
WO2020208769A1 (ja) * 2019-04-11 2020-10-15 株式会社 東芝 ひずみ検出装置、ひずみ検出方法及び電気機器

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CN103077792A (zh) * 2012-12-30 2013-05-01 南阳金牛电气有限公司 一种特殊用途的过电压保护器
WO2020208769A1 (ja) * 2019-04-11 2020-10-15 株式会社 東芝 ひずみ検出装置、ひずみ検出方法及び電気機器
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