JPH06101401B2 - 直線抵抗体 - Google Patents

直線抵抗体

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JPH06101401B2
JPH06101401B2 JP60097805A JP9780585A JPH06101401B2 JP H06101401 B2 JPH06101401 B2 JP H06101401B2 JP 60097805 A JP60097805 A JP 60097805A JP 9780585 A JP9780585 A JP 9780585A JP H06101401 B2 JPH06101401 B2 JP H06101401B2
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覚 荻原
哲夫 小杉
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【発明の詳細な説明】 〔発明の利用分野〕 本発明は新規な直線抵抗体に係り、特に遮断器等の開閉
サージ吸収に好適な直線抵抗体に関する。
〔発明の背景〕
従来、遮断器用抵抗体は、酸化アルミニウム−粘土−炭
素系の組成物が知られており、抵抗値が約400Ωcmで、
遮断器の開閉サージ耐量が500ジユール/cm3(以下、J/c
m3と略記する)、抵抗温度係数が−9×10-2/℃(20〜2
50℃)、最高使用温度200℃の特性をもつ抵抗体が得ら
れている。
最近、送電電圧の高圧化に伴い遮断器用直線抵抗体に対
して小型,軽量化が強く要望されていることから、抵抗
体としては(1)開閉サージ耐量を大きくすること。
(2)開閉サージを注入すれば温度上昇するが、高い温
度にさらしても抵抗値に変動が小さいこと。(3)抵抗
温度係数がほぼ正であること。(負の値が一部入る)。
(4)電圧−電流特性が直線的に変化すること、などの
材料が要求される。ここでの電圧−電流特性の直線性は
近似的に I(電流)=K(定数)×V(電圧)α で表わされ、αが1.3以下であることが望まれる。
従来、遮断器の抵抗体に使用されている炭素粉分散型の
セラミツクス抵抗体は、炭素の燃焼を防ぐために不活性
ガス雰囲気中で焼結され、抵抗値は炭素粉の混合量で制
御される。この抵抗体は(1)400℃以上の温度にさら
されると炭素が酸化され抵抗値が変ること。(2)抵抗
温度係数が負で−9×10-2/℃(20〜250℃)と大きいた
めに温度上昇すると抵抗が低下し、電圧が一定の場合に
は電流の急激な増加により一層発熱し暴走状態におちい
るなどの欠点がある。
そこで、抵抗体としては、燃焼をおこさない酸化物系で
ある酸化亜鉛を基本成分としたセラミツク抵抗体が特開
昭55−57219号公報等で公知である。本発明者らは従来
の酸化亜鉛を主体にした酸化物抵抗体は前述した要求さ
れる特性を十分に満足するものでないことを見い出し、
本発明に到つたのである。
〔発明の目的〕
本発明の目的は、抵抗が40〜400Ωcmの値を有し、かつ
電圧−電流特性の直線性が良く、遮断器の開閉サージ耐
量が大きく、500℃以上の高温にさらしても抵抗値に変
動が少なく、抵抗温度係数が−1×10-3/℃から+4×1
0-3/℃の範囲を有する直線抵抗体を提供することにあ
る。
〔発明の概要〕
本発明は、酸化亜鉛を主成分とし、少なくとも、酸化マ
グネシウム5〜10モル%に酸化アルミニウム5〜15モル
%を、酸化マグネシウムを7モル%に酸化イットリウム
0.5〜5モル%を、酸化マグネシウム7〜10モル%に酸
化ランタン0.3〜5モル%を、酸化マグネシウム10〜15
モル%に酸化ガリウム0.5〜10モル%を、または酸化マ
グネシウム7〜15モル%に酸化インジウム0.1〜5モル
%を添加してなる焼結体において、抵抗値を40〜4000Ω
cmに、開閉サージ耐量を400J/cm3以上に、抵抗温度係数
を20〜500℃において−1×10-3〜4×10-3/℃に電圧非
直線係数を3×10-3ないし80A/cm2において1.0ないし1.
3とした直線抵抗体にある。
酸化亜鉛から成る結晶粒と、100Ωから4×1013Ωの電
気抵抗値を示す結晶粒との複合焼結体で、酸化亜鉛結晶
粒間には酸化亜鉛粒よりも低い電気抵抗をもつ粒界層が
存在する。この焼結体は板状,柱状,円筒状のいずれで
もよく、両端面に電極が形成される。電極は端部が若干
残存した形で全面に形成され、容射等によつてAl等の金
属が膜状に形成される。
各結晶粒間には酸化亜鉛の結晶粒と同じ電気抵抗値の粒
界層が存在しても良い。酸化亜鉛化合物及び酸化亜鉛を
除いた酸化物の結晶粒は100Ωから4×1013Ωの範囲で
酸化亜鉛よりも高抵抗であることが望ましい。酸化亜鉛
化合物及び酸化亜鉛以外の酸化物は次の化学式のもので
ある。すなわち、基本成分のMgOに、一層の電圧−電流
特性の直線性を良くするためZnY2O4,ZnGa2O4,ZnLa2O4,Z
nAl2O4,ZnIn2O3,MgAl2O4,MgY2O4,MgGa2O4,MgLa2O4,MgIn
2O4,Al2O3,Y2O3,Ga2O3,La2O3及びIn2O3から選らばれる
1種類以上を含有することである。これらの化合物を形
成するためには主成分ZnO,MgOに、アルミニウム(A
l)、イツトリウム(Y),ガリウム(Ga),ランタン
(La)及びインジウム(In)などの金属あるいは半金属
元素を添加することである。ビスマス(Bi)の使用は望
ましくない。Biを使用すると結晶粒界相に高抵抗層が形
成され易いからである。
焼結体の原料は、酸化亜鉛(ZnO),酸化マグネシウム
(MgO)が基本成分であり、副成分としてはZnO,MgO以外
の3価の金属、半金属酸化物の酸化アルミニウム(Al2O
3),酸化イツトリウム(Y2O3),酸化ガリウム(Ga
2O3),酸化ランタン(La2O3)及び酸化インジウム(In
2O3)から選ばれる。
焼結体の製法として、例えば上記の酸化物原料粉末を充
分混合し、これに水及びポリビニルアルコール等の適当
なバインダを加えて造粒し、金型を用いて成型する。成
形体は電気炉を用いて大気中で1200〜1600℃の温度で焼
成される。焼成した焼結体は電極を形成する両端面を研
磨調整し、電気溶射または焼付け法によつて電極を形成
する。得られた抵抗体は使用中での沿面放電を防止する
ため抵抗体側面に高抵抗セラミツクス層やガラス層を設
けても良い。なお、得られた抵抗体は概ね直線性を示す
が、非直線性を示す場合には高電圧をかけて高抵抗部分
(特に粒界層)を破壊することが有効である。
本発明者等は抵抗体の小型・軽量化について種種検討し
た結果、(1)用いる抵抗体は抵抗値が40〜4000Ωcm
で、かつ開閉サージ耐量が400J/cm3以上、電圧−電流特
性の非直線係数、αが1.3以下、抵抗温度係数が−1×1
0-3/℃から+4×10-3/℃(20〜500℃)及び500℃以上
の高温にさらした後でも抵抗値変化が±10%以内である
こと。(2)抵抗体の開閉サージ耐量は抵抗体中に抵抗
値の異なる多種類の結晶粒を生成させること、及び抵抗
体の比重に影響されること、(3)得られる抵抗体の電
圧−電流特性は3価の金属、半金属酸化物を添加すると
直線性が良くなることを見出した。第1図は得られた抵
抗体の微構造の模式図、第2図は抵抗体の比重(g/c
m3)と開閉サージ耐量(J/cm3)との関係、第3図は得
られた抵抗体の電圧−電流特性を示す線図である。抵抗
体に用いる原料には焼結し易く、かつ原料同志が反応し
て電気的抵抗の異なる新しい結晶粒を生成し、さらに得
られる焼結体の比重が大きいものを選ぶことが考えられ
る。そこで、酸化亜鉛,酸化マグネシウムを基本成分と
し、これに得られる酸化物抵抗体の電圧−電流特性の直
線性を良くする酸化アルミニウム,酸化イツトリウム,
酸化ガリウム,酸化ランタン,酸化インジウムなどを添
加した抵抗体の特性を調べた。その結果、(1)開閉サ
ージ耐量は800J/cm3で従来品の約1.6倍と著しく高くな
ること、(2)抵抗温度係数は基本成分の酸化亜鉛(Zn
O)に酸化マグネシウム(MgO)の含有量で負から正に変
化して改善されること、(3)抵抗値及び電圧−電流特
性の直線性は基本成分のZnO,MgOに酸化アルミニウム(A
l2O3),酸化イツトリウム(Y2O3),酸化ガリウム(Ga
2O3),酸化ランタン(La2O3),酸化インジウム(In2O
3)などを添加することによつて改善されることを発見
した。
本発明は、酸化亜鉛を主成分とし、少なくとも、酸化マ
グネシウム5〜10モル%に酸化アルミニウム5〜15モル
%を、酸化マグネシウムを7モル%に酸化イットリウム
0.5〜5モル%を、酸化マグネシウム7〜10モル%に酸
化ランタン0.3〜5モル%を、酸化マグネシウム10〜15
モル%に酸化ガリウム0.5〜10モル%を、または酸化マ
グネシウム7〜15モル%に酸化インジウム0.1〜5モル
%を添加してなる焼結体において、抵抗値を40〜4000Ω
cmに、開閉サージ耐量を400J/cm3以上に、抵抗温度係数
を20〜500℃において−1×10-3〜4×10-3/℃に電圧非
直線係数を3×10-3ないし80A/cm2において1.0ないし1.
3とした直線抵抗体である。MgOは含有量を変えることに
よつて抵抗温度係数が負から正に大きく変化し、上記組
成範囲より多くとも少なくとも−1×10-3Ω/℃から+
4×10-3/℃の範囲内から外れる。また、MgOを上記組成
範囲よりも多くすると開閉サージ耐量が400J/cm3よりも
小さくなり遮断器用抵抗体として好ましくない。また、
副成分のAl2O3,Y2O3,Ga2O3,La2O3,In2O3の場合には、上
記組成範囲よりも多いと抵抗値が4000Ωcmよりも高くな
ること、及び開閉サージ耐量が低下して遮断器用抵抗体
として不適当になる。しかし、Al2O3,Y2O3,Ga2O3,La
2O3,In2O3の添加は抵抗値が制御でき、かつ電圧−電流
特性の直線性が向上する。この原因については次のよう
に考える。すなわち、副成分のAl2O3,Y2O3,Ga2O3,In
2O3,La2O3は、(1)主に基本成分のZnOやMgOと反応し
てZnAl2O4,ZnY2O4,ZnGa2O4,ZnLa2O4,ZnIn2O4,MgAl2O4,M
gY2O4,MgGa2O4,MgLa2O4,MgIn2O4なる結晶粒を生成し、
この生成結晶粒の電気抵抗が500Ωから4×1013Ωで基
本組成ZnO−MgO系から生成される結晶粒ZnO,MgOより高
いこと、(2)生成されるZnO結晶粒内にAl,Y,Ga,La,In
が拡散し、ZnO結晶粒のキヤリヤ濃度を高くすること、
などによつて生じたものと思われる。
本発明の抵抗体の特に望ましい組成はZnO75〜92.7モル
%、MgO0.1〜10モル%と、Al2O30.2〜20モル%、Y2O30.
2〜10モル%、Ga2O30.2〜10モル%、In2O30.02〜5モル
%、La2O30.1〜10モル%の少なくとも一種添加すること
である。
また、基本成分のZnO,MgOにAl2O3を加えた組成に、さら
にSiO2を加えると以下のような効果が得られる。SiO2
それ自身では導電性を有さず、また他の元素と反応して
も導電性物質を生じさせず、絶縁性を示す。さらに、Si
O2は他の成分と反応して焼結性を高めるため、抵抗体の
結晶密度の向上、機械的強度の向上といった効果を示
す。これらのことから、SiO2の添加により、まず抵抗体
の抵抗値の制御が容易になり、抵抗値を大きくすること
が可能となる。さらに機械的強度の向上と共に、電気的
強度が向上し、サージ耐量を大きくさせることができ
る。従って、SiO2を添加することは、抵抗体を小型化す
るためには有効な手段である。
〔発明の実施例〕
(実施例1) 基本成分ZnO3420g(84モル%)、MgO101g(5モル%)
に対し、副成分としてAl2O3510g(10モル%)、Ga2O347
g(0.5モル%)及びIn2O3369g(0.5モル%)を正確に秤
量し、ボールミルで15時間湿式で混合する。混合粉は乾
燥した後5%ポリビニール・アルコール水溶液を乾燥原
料粉に対して5重量%加えて造粒する。造粒粉は金型を
用い成形圧力450Kg/cm2で35mmφ×20mmに成型する。成
型体を大気中で1350℃、3時間保持して焼成した。この
ときの昇・降温速度は70℃/hである。得られた焼結体中
に生成された結晶粒の電気抵抗は各々約10〜50ΩのZnO
結晶、約70〜100ΩのZnAl2O4結晶、約400ΩのMgO結晶、
約700〜4×1013ΩのZnGa2O4,ZnLa2O4,ZnY2O4,ZnIn2O3,
MgAl2O4,MgY2O4,MgGa2O4,MgLa2O4,MgIn2O4,Al2O3,Ga
2O3,La2O3,In2O3であつた。
別に、低融点結晶化ガラスで旭硝子製ASF−1400ガラス
(ZnO−SiO2−B2O3系)粉をエチルセルローズ・ブチル
カルビトール溶液に懸濁しておき、これを焼成した焼結
体の側面に厚さ50〜300μmになるように筆で塗布し
た。これを大気中で750℃、30分間熱処理してガラスを
焼付けた。ガラスを被覆した焼結体はその両端面をラツ
プマスタで約0.5myずつ研磨し、トリクロルエチレンで
洗浄した。洗浄した焼結体にAl電極を溶射によつて形成
して抵抗体とした。この本発明品と従来品(炭素分散型
セラミツク抵抗体)との開閉サージ耐量,抵抗温度係
数,大気中500℃熱処理後の抵抗値変化率及び電圧−電
流特性の非直線係数αを比較して第1表に示す。
本発明品は従来品よりも開閉サージ耐量が極めて大き
く、かつ電圧非直線係数αが小さくすぐれていることが
わかる。本発明の抵抗温度係数が正で、100μsにおけ
るAC耐量が20A以上、V−I特性におけるβが0.9〜1.0
である。
結晶粒の電気抵抗の測定は、焼結体を鏡面研磨し、走査
型電子顕微鏡で分析後各結晶粒表面に微細電極を形成し
て電流及び電圧から測定した。
本発明の酸化物抵抗体の断面構造の一例を第4図及び第
5図に示す。第4図において、1は焼結体、2は電極、
3は結晶化ガラスまたはセラミツクス材の膜である。こ
こで、焼結体の側面に結晶化ガラスまたはセラミツクス
材の膜をもうけたのは、使用中での沿面放電を防止する
ためである。
(実施例2) 基本成分のZnOを65〜99.95モル%、MgOを0.05〜20モル
%に変え、かつ副成分としてAl2O3,Y2O3,La2O3,In2O3,G
a2O3から選ばれた1種類を各々0.1〜30モル%に変化さ
せ、その配合量を正確に秤量した。秤量した原料粉は実
施例1と同様に大気中1300〜1600℃の温度で3時間保持
して焼成した。得られた焼結体の密度は各々理論密度の
95〜98%であつた。焼成した焼結体は両端面をラツプマ
スタ約0.5mmずつ研磨し、トリクロルエチレンで超音波
洗浄した。洗浄した焼結体はAl溶射電極を形成して抵抗
体とした。得られた抵抗体の抵抗値,開閉サージ耐量,
抵抗温度係数及び電圧非直線係数αを第2表に示す。
第2表から、組成番号10〜12,組成番号16〜18,組成番号
21〜23,組成番号27〜29,組成番号32〜36、すなわち基本
成分80〜92.9モル%のZnOに、5〜15モル%のMgOを含有
させ、さらに副成分としてAl2O3を5〜15モル%、Y2O3
を0.5〜5モル%、La2O3を0.3〜1モル%、Ga2O3を0.5
〜5モル%、In2O3を0.1〜5モル%から選ばれた1成分
以上を添加した抵抗体の特性は抵抗率が110〜3500Ωc
m、開閉サージ耐量が500〜780J/cm3、抵抗温度係数が−
5×10-4/℃以下、+4.3×10-4/℃以下かつ電圧非直線
係数αが1.02〜1.3であり、遮断器用抵抗体として優れ
ていることがわかる。
また、第2表から開閉サージ耐量は基本成分のZnOにMgO
を添加することで改善されることがわかる。しかし、Mg
Oを20モル%(No.7)と含有させすぎると300J/cm3で、
従来品の500J/cm3よりも低くなつてしまう。また、MgO
の含有量を変えることで抵抗温度係数が負から正に変化
し、MgOの添加量を選定すれば−1×10-3/℃以下、+4
×10-3/℃以下に小さくできることがわかる。また、抵
抗値は基本成分のMgOの含有量を増加させても43〜500Ω
cm程度で大きな変化を示さないが、副成分のAl2O3,Y
2O3,La2O3,Ga2O3及びIn2O3の添加量によつて91〜5×10
7Ωcmを著しく変化することがわかる。さらに、電圧非
直線係数は副成分のAl2O3,Y2O3,La2O3,Ga2O3,In2O3など
の最適添加量を選定することによつて1.02〜1.2と著し
く改善できること、しかし副成分のAl2O3,Y2O3,La2O3,G
a2O3,In2O3の添加量を増加しすぎると開閉サージ耐量が
低下することがわかる。
これらのことから、遮断器用抵抗体として特に望ましい
組成は基本成分がZnOにMgOを5〜15モル%含有させた混
合物に対し、副成分としてAl2O3を5〜15モル%、Y2O3
を0.5〜5モル%、La2O3を0.3〜1モル%、Ga2O3を0.5
〜5モル%、In2O3を0.1〜5モル%添加するのが良い。
(実施例3) 第3表に示す成分組成により、実施例1と同様にして抵
抗体を得た。得られた抵抗体の特性を第3表に示す。表
からわかるように、本実施例の抵抗体は、抵抗値が5〜
9×102Ω・cm、開閉サージ耐量が600〜850J/cm3、抵抗
温度係数が4×10-4〜1×10-3/℃、電圧非直線係数が
1.05〜1.20(3×10-3〜80A/cm2)の抵抗体である。
従って、このような特性を有する本実施例の抵抗体は、
小型化の点で非常に有効である。
(実施例4) 第6図及び第7図は本発明の酸化物抵抗体を各第6図及
び第7図は、ガス遮断器(GCB)投入抵抗用及びSF6ガス
絶縁中世点接地抵抗器(NGR)に用いた応用例を示した
ものである。第5図に示した本発明の円筒状酸化物抵抗
体5に絶縁棒を通して積層することにより抵抗積層体7
とし、第6図のGCBの投入抵抗器6及び第7図のNGRに組
み込み、使用している。
第6図のGCBの投入抵抗器は、コンデンサ8、遮断部
9、開閉操作用ピストン10、油ダッシュポット11、空気
タンク12を備えている。送電線路の電流を遮断する際に
は、空気タンク12内の圧縮空気により開閉操作用ピスト
ン10を右方向に押す。この力は、油ダッシュポット11に
より滑らかな動きとなって遮断部9に伝わり、遮断部接
触子の開閉動作を行う。電流を投入する際には逆に、投
入バネ(図示せず)により開閉操作用ピストン10が左方
向に押し戻され、遮断部9の接触子が接続される。この
いずれの場合も、急激に大電流を遮断、投入することに
よるサージ電圧が発生し、系統全体の絶縁耐圧が問題と
なる。コンデンサ8はサージ電圧の急激な立上りを抑え
る。一方投入抵抗器6は遮断機9と並列に設置され、通
常は回路的に切り離されているが、電流の遮断及び投入
の直前に回路に接続される。これにより一時的に遮断及
び投入時の電流値を下げ、サージ電圧の発生を系統の絶
縁耐圧に対して問題ない値にまで抑制する。本発明の酸
化物抵抗体を用いることにより、投入抵抗器6の容積を
従来の抵抗体を用いた場合に比べて約55%に低減すると
ができ、小型でかつ安定な性能のGCBを作製することが
できた。
第7図のNGRは、円筒状酸化物抵抗体5を積層した抵抗
積層体7を収納したタンク18と、ブッシング17を備え、
変圧器(図示せず)の中世点に設置される。抵抗積層体
7は接地端子19に接続されており、送変電系統が電圧を
抑制する。本発明の酸化物抵抗体を用いることにより、
従来の金属抵抗体を用いた場合に比べて抵抗体の容積を
15%に低減でき、小型でかつ安定なNGRを製作すること
ができた。
〔発明の効果〕
以上説明した通り、本発明によれば開閉サージ耐量が極
めて大きく、電圧−電流特性の電圧非直線係数が小さ
く、抵抗温度係数がほぼ正で(負の値が一部入る),し
かも小さく、かつ500℃熱処理後の抵抗温度変化も小さ
いという優れた直線抵抗体が得られるという効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一例に係る直線抵抗体の断面構造を示
す模式図、第2図は直線抵抗体の比重と遮断器の開閉サ
ージ耐量との関係、第3図は直線抵抗体の電圧−電流特
性、第4図及び第5図は本発明の実施例に係る直線抵抗
体の断面図、第6図はGCB投入抵抗用抵抗器の構成図及
び第7図はSF6ガス絶縁中性点接地(NGR)の構成図であ
る。 1,5……酸化物抵抗体、2……電極、3……ガラス等、
4……円筒内部、6……投入抵抗器、7……抵抗積層
体、8……コンデンサ、9……遮断部、10……開閉操作
用ピストン、11……油ダッシュポット、12……空気タン
ク、17……ブッシング、18……タンク、19……接地端
子。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小杉 哲夫 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社日 立製作所日立研究所内 (72)発明者 白川 晋吾 茨城県日立市国分町1丁目1番1号 株式 会社日立製作所国分工場内 (56)参考文献 特開 昭56−126902(JP,A)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸化亜鉛を主成分とし、少なくとも、酸化
    マグネシウム5〜10モル%に酸化アルミニウム5〜15モ
    ル%を、酸化マグネシウムを7モル%に酸化イットリウ
    ム0.5〜5モル%を、酸化マグネシウム7〜10モル%に
    酸化ランタン0.3〜5モル%を、酸化マグネシウム10〜1
    5モル%に酸化ガリウム0.5〜10モル%を、または酸化マ
    グネシウム7〜15モル%に酸化インジウム0.1〜5モル
    %を添加してなる焼結体において、抵抗値を40〜4000Ω
    cmに、開閉サージ耐量を400J/cm3以上に、抵抗温度係数
    を20〜500℃において−1×10-3〜4×10-3/℃に電圧非
    直線係数を3×10-3ないし80A/cm2において1.0ないし1.
    3とした直線抵抗体。
  2. 【請求項2】上下端面に電極を有し、側面に結晶ガラス
    またはセラミックスの膜を形成してなることを特徴とす
    る特許請求の範囲第1項記載の直線抵抗体。
  3. 【請求項3】中央部分に貫通孔を有し、前記上下端面に
    電極が形成され側面に結晶化ガラスまたはセラミックス
    の膜を形成してなることを特徴とする特許請求の範囲第
    1項記載の直線抵抗体。
JP60097805A 1984-06-22 1985-05-10 直線抵抗体 Expired - Lifetime JPH06101401B2 (ja)

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