JPH08255575A - プラズマディスプレイパネル - Google Patents

プラズマディスプレイパネル

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JPH08255575A
JPH08255575A JP5838995A JP5838995A JPH08255575A JP H08255575 A JPH08255575 A JP H08255575A JP 5838995 A JP5838995 A JP 5838995A JP 5838995 A JP5838995 A JP 5838995A JP H08255575 A JPH08255575 A JP H08255575A
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Tatsutoshi Kanae
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Abstract

(57)【要約】 【目的】外部との電気的接続部分での発熱をできるだけ
低減することを目的とする。 【構成】第1金属からなる主導電層の上に第1金属より
も高抵抗の第2金属からなる被覆層を有した複層構造の
金属薄膜43が基板11の端縁部に設けられ、金属薄膜
43を介して複数の表示電極Xを一括に外部電源に接続
するように構成されたプラズマディスプレイパネル1で
あって、金属薄膜43が多数の開口部430を有した平
面形状にパターニングされてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複数の表示電極に共通
の外部接続部材として複層構造の金属膜を有したPDP
(プラズマディスプレイパネル)に関する。
【0002】PDPは、視認性に優れ、比較的に大画面
化が容易であり、しかも高速表示の可能な薄型表示デバ
イスである。特に面放電型PDPは、蛍光体によるカラ
ー表示に適しており、ハイビジョン用の表示デバイスと
して注目されている。PDPの市場が拡がるにつれて、
ますます高信頼性が求められ、表示動作の安定化のため
のエージングの重要度が高まっている。
【0003】
【従来の技術】図6は面放電型PDPの基本的な電極構
造を示す平面図である。マトリクス表示方式の面放電型
のPDPでは、図のように表示のラインL毎に一対の表
示電極X,Yが同一の基板上に隣接配置され、表示電極
X,Yと直交するように多数のアドレス電極Aが配列さ
れている。
【0004】通常、一方の表示電極Yは、ライン順次の
画面走査を可能とするために、1ラインずつ独立した個
別電極とされている。これに対して、他方の表示電極X
は、駆動回路の簡単化を図るために、帯状の連結導体4
3によって複数のラインL間で電気的に共通化されてい
る。連結導体43の幅は表示電極X,Yと比べて十分に
広い。
【0005】各ラインLでは、表示電極X,Yによって
単位発光領域EU毎に面放電セルCが画定される。そし
て、表示電極Yとアドレス電極Aとによって各面放電セ
ルCの点灯又は非点灯の選択(アドレス)が行われる。
【0006】一般に、表示電極X,Y及び連結導体43
は、Cr/Cu/Crの3層構造に代表される複層構造
の金属薄膜から構成され、フォトリソグラフィ法によっ
てパターニングされる。ここで、Cu(銅)は所定の導
電性を確保するための主材料である。Cr(クロム)は
密着性を高める下地材料として、また気泡発生などを防
ぐ被覆材料として用いられている。
【0007】なお、表示電極X,Yを前面側の基板に配
置する場合には、表示電極X,Yは、太い帯状の透明導
電膜とそれに重なる細い帯状の金属薄膜とから構成され
る。その場合の金属薄膜は、透明導電膜の導電性を補う
役割をもつ。
【0008】図7はエージングの方法を示す図である。
PDPの製造に際しては、所定の構成要素を設けた一対
の基板を対向配置して周囲を封止し、内部の排気及び放
電ガスの充填を行って組立てを終えた後に、放電特性を
安定化するためのエージングを行う。
【0009】まず、通電用の治具である適当な大きさの
複数個の金属板70を、図のように基板11上の連結導
体43と表示電極Yの一端とにそれぞれ重ねる。このと
き、表示電極Yについては各ラインに跨がるように金属
板70を配置する。そして、クリップなどの挟持手段又
は押圧手段を用いて各金属板70を基板11に固定す
る。
【0010】次に、各金属板70をエージング電源80
に接続し、全てのラインの表示電極X,Yに対して所定
のエージング電圧を共通に印加する。これにより、表示
領域内の全ての面放電セルC(図6参照)が一様に点灯
する。そして、この状態を例えば数十時間にわたって継
続させる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上述のエージングに際
しては、エージング電圧を高めに設定して放電電流を大
きくすることにより、エージングの効率を高めることが
できる。
【0012】しかし、従来においては、基板11の内
で、複数の表示電極Xを共通化する連結導体43の近辺
の温度上昇が著しく、そのために放電電流の増大による
エージングの効率化が制限されるという問題があった。
過熱状態になると、基板11が割れたり、表示電極X,
Yが断線したときの補修に用いるリペア端子を覆う保護
テープが焦げついたりする。
【0013】本発明は、上述の問題に鑑みてなされたも
ので、外部との電気的接続部分での発熱をできるだけ低
減することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明のPDP
は、図1に示すように、第1金属からなる主導電層の上
に前記第1金属よりも高抵抗の第2金属からなる被覆層
を有した複層構造の金属薄膜が基板上に設けられ、前記
金属薄膜を介して複数の表示電極を一括に外部電源に接
続するように構成されたプラズマディスプレイパネルで
あって、前記金属薄膜が、多数の開口部を有した平面形
状にパターニングされてなる。
【0015】請求項2の発明のPDPは、前記金属薄膜
が、櫛歯状にパターニングされてなる。
【0016】
【作用】金属薄膜における開口部の端面で主導電層が露
出する。このため、表示電極を外部電源に接続するため
の導体を金属薄膜の上に載置した状態において、開口部
が無い場合と比べて、載置した導体と主導電層の第1金
属との総接触面積が増大し、金属薄膜と導体との間の接
触抵抗が小さくなる。したがって、放電電流による発熱
量が少なくなり、過熱を避ける上での放電電流の制限が
緩和される。
【0017】
【実施例】図1は本発明に係るPDP1の部分断面図で
ある。また、図2は本発明に係るPDP1の分解斜視図
であり、1つの画素EGに対応する部分の基本的な構造
を示している。なお、これらの図において、図6及び図
7と対応する構成要素には形状の差異に係わらず同一の
符号を付してある。以下の他の図においても同様であ
る。
【0018】本実施例のPDP1は、マトリクス表示の
単位発光領域EUに一対の表示電極X,Yとアドレス電
極Aとが対応する3電極構造の面放電型PDPであり、
蛍光体の配置形態による分類の上で反射型と呼称されて
いる。
【0019】面放電のための表示電極X,Yは、表示面
H側(前面側)のガラス基板11上に設けられ、誘電体
層17によって放電空間30に対して被覆されている。
誘電体層17の表面には、保護膜として数千Å程度の厚
さのMgO膜18が設けられている。放電空間30は、
ガラス基板11,21の対向領域の周囲を融着する封止
ガラス31(図1参照)によって密閉されている。
【0020】また、表示電極X,Yは、放電空間30に
対して表示面H側に配置されることから、面放電を広範
囲とし且つ表示光の遮光を最小限とするため、ネサ膜な
どからなる幅の広い透明導電膜41とその導電性を補う
ための幅の狭い金属膜(バス電極)42とから構成され
ている。例えばラインピッチが500〜700μm程度
である場合において、各透明導電膜41の幅は120〜
200μm程度であり、金属膜42の幅は50〜70μ
m程度である。各表示電極X,Yの金属膜42は、駆動
系との接続のためにガラス基板11の端縁部まで導出さ
れている。そして、図1のように、表示電極Xを構成す
る金属膜42は、封止ガラス11の外側において後述の
連結導体43と一体化されている。
【0021】一方、単位発光領域EUを選択的に発光さ
せるためのアドレス電極Aは、背面側のガラス基板21
上に、表示電極X,Yと直交するように一定ピッチで配
列されている。各アドレス電極Aの間には、120〜1
50μm程度の高さを有したストライプ状の隔壁29が
設けられ、これによって放電空間30がライン方向に単
位発光領域EU毎に区画され、且つ放電空間30の間隙
寸法が規定されている。
【0022】また、ガラス基板21には、アドレス電極
Aの上面及び隔壁29の側面を含めて背面側の内面を被
覆するように、R(赤),G(緑),B(青)の3原色
の蛍光体28が設けられている。各色の蛍光体28は、
面放電時に放電空間30内の放電ガスが放つ紫外線によ
って励起されて発光する。PDP1では、R,G,Bの
組み合わせによるフルカラー表示が可能である。
【0023】図3は連結導体43の平面形状を示す図、
図4は連結導体43の層構造を示す部分断面図である。
連結導体43は、複数の表示電極Xを電気的に共通化し
て駆動回路を簡素にするための構成要素であって、外部
接続端子としてガラス基板11の端縁部に配置されてい
る。このような連結導体43は、図4のようにCr/C
u/Crの3層構造の金属薄膜(厚さTは12000Å
程度)から構成されており、フォトリソグラフィによっ
て上述の金属膜42と同時にパターニングされている。
Crからなる下地層431及び最上の被覆層432の厚
さはそれぞれ500〜2000Å程度であり、Cuから
なる主導電層432の厚さは例えば8000〜1000
0Å程度である。
【0024】さて、PDP1における連結導体43のパ
ターニング形状(平面形状)は、表示電極Xの配列方向
に沿って等間隔に並ぶ櫛歯43Aとそれらの一端をつな
ぐ連結部43Bとからなる櫛歯状である。つまり、平面
視の上で一様なベタ形状ではなく、膜の存在しない多数
の開口部(櫛歯43Aの間の切欠き部430)を有した
形状である。なお、表示電極Xの金属膜42は、連結部
43Bにおける櫛歯側と反対の側の端縁とつながってい
る。
【0025】各櫛歯43Aの幅Wは300μm程度であ
り、櫛歯43Aの間隔(すなわち切欠き部430の幅)
も300μm程度である。また、櫛歯43Aの長さLは
数mm程度である。
【0026】PDP1のエージングに際しては、従来と
同様に連結導体43と所定の金属板(例えば0.7mm
厚のステンレス板)70とを重ね合わせ、所定数の表示
電極Xを一括してエージング電源80に接続する。ま
た、表示電極Yについても他の金属板70を用いてエー
ジング電源80との接続を行う。そして、表示面H内の
全ての単位発光領域EUで放電を生じさせる。
【0027】このとき、連結導体43の各切欠き部43
0の側面で主導電層432が露出している。加えて、主
導電層432の上層である被覆層433が、金属板70
の表面粗さからみて十分に薄い。したがって、主導電層
432と金属板70との接触面積が切欠き部430の無
い場合よりも大きい。
【0028】ここで、被覆層433のCrは、主導電層
432のCuよりも高抵抗である。すなわち、Crの比
抵抗ρの値は18.9μΩcm(0℃)であって、Cu
の比抵抗ρの値(約1.7μΩcm,20℃)の約10
倍である。
【0029】つまり、PDP1においては、切欠き部4
30が無い場合と比べて、連結導体43と金属板70と
の対向面積は小さいにも係わらず、連結導体43と金属
板70との間の接触抵抗は小さい。
【0030】このことによって、放電電流による発熱量
が少なくなり、連結導体43の近辺の過熱を避ける上で
の放電電流の制限が緩和される。具体的には、エージン
グ電流を1.8Aとした場合に、PDP1におけるエー
ジング中のガラス基板11内の最高温度が55℃であっ
た。これに対して、連結導体43の形状を切欠き部43
0の無い長方形とし、その他についてはPDP1と同一
の構成としたPDPでは、同様のエージングにおけるガ
ラス基板11内の最高温度が70℃であった。
【0031】上述の実施例によれば、連結導体43と金
属板70との間の接触抵抗による発熱を低減することが
でき、特に大型のPDP1のエージングにおいて、過熱
による基板割れや保護テープの焦げつきを防止すること
ができる。
【0032】上述の実施例においては、連結導体43を
櫛歯状とした例を挙げたが、配置可能領域内において主
導電層432をより多く露出させる形状であれば、他の
形状であってもよい。例えば、図5のように円形や四角
形などの各種形状の開口部430bを有した連結導体4
3bを設けてもよい。その他、連結導体43の材料、層
数、膜厚、各部の寸法、電極構成などについて種々の変
更が可能である。なお、本発明は、マトリクス表示方式
のPDPに限定されず、セグメント表示方式のPDPに
も適用することができる。
【0033】
【発明の効果】請求項1及び請求項2の発明によれば、
外部との電気的接続部分での発熱が低減されるので、過
熱による損傷を防止することができ、熱的制約が緩和さ
れる分だけ放電電流を増大することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るPDPの部分断面図である。
【図2】本発明に係るPDPの分解斜視図である。
【図3】連結導体の平面形状を示す図である。
【図4】連結導体の層構造を示す部分断面図である。
【図5】連結導体の平面視形状の変形例を示す図であ
る。
【図6】面放電型PDPの基本的な電極構造を示す平面
図である。
【図7】エージングの方法を示す図である。
【符号の説明】
1 PDP(プラズマディスプレイパネル) 11 ガラス基板(基板) 43,43b 連結導体(金属薄膜) 80 エージング電源(外部電源) 430,430b 開口部 432 主導電層 433 被覆層 X 表示電極

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1金属からなる主導電層の上に前記第1
    金属よりも高抵抗の第2金属からなる被覆層を有した複
    層構造の金属薄膜が基板上に設けられ、前記金属薄膜を
    介して複数の表示電極を一括に外部電源に接続するよう
    に構成されたプラズマディスプレイパネルであって、 前記金属薄膜が、多数の開口部を有した平面形状にパタ
    ーニングされてなることを特徴とするプラズマディスプ
    レイパネル。
  2. 【請求項2】前記金属薄膜が、櫛歯状にパターニングさ
    れてなる請求項1記載のプラズマディスプレイパネル。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2003085690A1 (fr) * 2002-04-04 2003-10-16 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Procede de fabrication de panneau d'affichage a plasma

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