JP3966372B2 - 表示パネルの電極構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はコンピュータの表示端末や表示装置、或いはテレビ表示等に用いられるガス放電表示パネル等の表示パネルの電極構造とその電極形成方法に関するものである。
【0002】
ガス放電を利用した表示パネルとして知られる例えばプラズマディスプレイパネル(PDP)は、一般に表示の輝度及びコントラストの点で優れていることから、OA機器の表示手段として広く用いられ、近年ではカラー化によるテレビジョン表示が可能であることから、大型化が容易な薄型のフルカラーフラットパネルディスプレイとして注目されている。そのため、前記フラットパネルとしては大画面、高精細でコントラストの良い鮮明な高表示品質の画面の実現が要望されている。
【0003】
【従来の技術】
従来の例えばAC駆動型のガス放電表示パネルとして、カラー表示用面放電型のプラズマディスプレイパネル(PDP)の基本的な構造としては、図5の要部分解斜視図に示すようにマトリクス表示の単位発光領域EUに一対のX,Yからなる放電電極対(表示電極)12とアドレス電極Aとが対向する3電極構造を有している。
【0004】
この表示ラインを形成する面放電のためのX,Yからなる放電電極対12は、放電空間24に対して表示面H側のガラス基板11上に設けられており、表示光の遮光を最小限にするためにネサ膜やITO(Indium Tin Oxide) 膜などの透明導電膜からなる透明電極12a 上に、該透明電極12a よりも細幅でその導電性を補う (低抵抗化) ための金属膜からなる金属バス電極12b を積層した構成とされている。
【0005】
またその放電電極対12上は壁電荷を利用してガス放電を維持するAC駆動のための誘電体層13によって放電空間24に対して絶縁状態に被覆されており、該誘電体層13の表面には更に数千Å程度の厚さのMgO膜からなる保護膜14が設けられている。
【0006】
一方、単位発光領域EUを選択的に発光させるためのアドレス電極Aは、背面側のガラス基板21上に、前記X,Yからなる放電電極対12と直交するように一定のピッチで配列され、各アドレス電極Aの間には所定高さのストライプ状の隔壁22が設けられ、これによって放電空間24がライン方向 (放電電極対12の長さ方向) に単位発光領域EU毎に区画され、かつ放電空間24の間隔寸法が規定されている。
【0007】
更に、前記ガラス基板21には、アドレス電極Aの上面及び隔壁22の側面を含めた背面側の内面を被覆するように、R(赤),G(緑),B(青)の3原色の蛍光体23が設けられている。そしてこのような構成のPDP1では各色の蛍光体23は面放電時に放電空間24内のガス放電より放射される紫外線により励起されて発光し、R,G,Bの組合せによるフルカラー表示が可能であり、その表示に際して隔壁22により単位発光領域EU間のクロストークが防止されている。
【0008】
以上の構成のPDP1は、上述のように各ガラス基板11と21に対して個別に所定の構成要素を設けた後、該ガラス基板11と21とを対向配置してその間隙の周囲を気密に封止して内部を一旦真空に排気すると共に、放電ガスを封入する一連の工程によって製造されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記した従来のPDP1におけるX,Yからなる放電電極対(表示電極)12は、図6の要部斜視図に示すように表示面側のガラス基板11の表面に対して透明電極12a と、その透明電極12a 上にその導電性を補う(低抵抗化)ための細幅の金属バス電極12b として電気的特性とガラス基板11および誘電体層などとの密着性に優れたクロム(Cr)−銅(Cu)−クロム(Cr)の三層構造の金属膜、または銀(Ag)等の金属膜をスパッタリング工程、または真空蒸着工程とフォトリソグラフィ工程等により重ねて形成していた。
【0010】
ところが、該PDP1の大画面化、高精細化に伴って前記放電電極対(表示電極)12の電極長も長く、電極幅も細線化されるので、そのような放電電極対12の電気抵抗が大きくなり、その電気抵抗の低抵抗化のためには積層する金属バス電極12a を厚くする必要がある。
【0011】
しかし、厚い金属バス電極を積層した細くて長い放電電極パターンの形成が難しく、また金属バス電極の膜厚増加により放電電極形成後の基板面の凹凸も大きくなる。この基板面の凹凸の大きさは10μm程度の一定レベル以下であれば放電パネルの特性上では特に問題はないが、しかし、その後の基板面に誘電体層13や保護膜14を形成する際に該基板面と段差の大きい放電電極対12に対する誘電体層13や保護膜14の被覆性が悪くなり、それらの工程が煩雑になるという問題が生じる。
【0012】
そこで上記した問題点を解決するために、例えば図7に示すように、前記表示面側のガラス基板11の内面にフォトエッチング工程により前記各放電電極対の幅狭の金属バス電極のパターンと厚さに対応する凹部31を形成し、その各凹部31内にAg等の金属ペーストを用いたスクリーン印刷法やレジストマスク等を用いたスパッタリング法とリフトオフ法等によってCr−Cu−Crの三層構造の金属導電材を埋め込んで金属バス電極32b を埋設する。
【0013】
その各金属バス電極32b が埋め込まれた基板面に、スパッタリング法等により酸化錫(SnO2)膜、またはITO (Indium Tin Oxide) 等の透明導電膜を形成し、該透明導電膜をフォトリソグラフィ工程で前記金属バス電極32b よりも幅広のストライプ状にパターニングして平行に隣接するX,Yからなる一対の透明電極32a を所定間隔をもって前記金属バス電極32b と積層して形成し、放電電極対 (表示電極)33 を構成する。
【0014】
その後、前記放電電極対33が配列されたガラス基板11上の全表面に、スクリーン印刷法やスパッタリング法等により誘電体層及びMgOからなる保護膜を形成することによって、前記放電電極対33を細幅にすることで高められる電気抵抗値を低減するための金属バス電極32b の膜厚を厚くすることができ、しかも前記放電電極対33が配列された基板表面の凹凸を僅少にした所望の表示面側のガラス基板11を得る方法が提案されている。
【0015】
しかしながら、上述した従来の何れの電極構造においても、表示パネルの大画面化に伴う金属バス電極の細線化による電気抵抗の増加は避けられず、それに起因して表示輝度が低下し、表示品質を著しく悪くする問題と、特に大型化による金属バス電極の電極長の増加に比例して電極断線の発生が益々増大するという問題があった。
【0016】
本発明は上記した従来の問題点に鑑み、少なくとも表示面側の透明な絶縁性基板の表面に設ける金属電極と透明電極とからなる放電電極(表示電極)の構造を改良して、高精細化と長尺化された放電電極を低抵抗化すると共に、電極断線を低減して、表示パネルの大画面化と高精細化に対する表示品質の向上を図った新規な表示パネルの電極構造を提供することを目的とするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明においては、透明な絶縁性基板上に放電電極が配列された表示パネルの電極構造を、前記放電電極が、前記絶縁性基板の表面に設けられた凹部に埋設された第1金属電極と、前記絶縁性基板上に前記第1金属電極と幅方向の少なくとも一部が長手方向に沿って連続して重なるように配置され、且つ前記第1金属電極よりも幅の太い透明電極と、前記透明電極における前記第1金属電極に重なる部分と重なるように配置され、且つ前記長手方向の複数の位置で前記第1金属電極と接触する第2金属電極とからなり、前記透明電極における前記第1金属電極に重なる部分に、長手方向に沿って並ぶように複数の開口部が設けられ、前記第1金属電極と前記第2金属電極とが前記開口部を介して接続されているるものとする。
【0018】
また、前記第2金属電極は、前記第1金属電極と略同一の幅を有し、かつ前記第1金属電極よりも薄い膜厚で形成されてなる構成とする。
このような構成によれば、第1金属電極の膜厚をかなり厚くすることができる分、第2金属電極の膜厚を薄くすることができるので、その後のこれら放電電極を含む前記絶縁性基板上に被着する誘電体層や保護膜等の被覆性が良好で、これら表面の凹凸を僅少化することが可能になる。しかも前記第1、第2の二つの金属電極により放電電極の抵抗を従来よりも更に低抵抗化することができる。
【0019】
また、第1、第2金属電極同士を透明電極に設けた開口部を通して直接接続させた構成とすることで、該透明電極に対する前記二つの金属電極の密着力が著しく向上し、本来、該透明電極に対して密着力の弱い金属電極が剥離するという恐れがなくなると共に、何れか一方の金属電極、或いは透明電極に断線が生じるようなことがあっても、その放電電極の全体に対する通電状態を維持することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下図面を用いて本発明の実施例について詳細に説明する。
図1は本発明の表示パネルの電極構造をガス放電表示パネルの電極構造を対象とした場合の一実施例を示す要部断面斜視図であり、図7と同等の機能を有する部分には同一符号を付している。
【0027】
本実施例では図示のように、表示面側のガラス基板11の表面に、例えばフォトエッチング工程等によって、ストライプ状の一対のX放電電極45とY放電電極46からなる放電電極対を透明電極と共に構成する該透明電極よりも幅狭の金属電極のパターンと厚さに対応する凹部31を設け、その各凹部31内に例えば光反射率の比較的低いクロム(Cr)−銅(Cu)−クロム(Cr)の三層構造の金属膜からなる第1金属電極41が埋設されている。
【0028】
その各第1金属電極41上を含むガラス基板11上には、酸化錫(SnO2)膜、或いはITO (Indium Tin Oxide) 等の透明導電膜からなり前記第1金属電極41よりも幅広の透明電極42が設けられ、しかもその透明電極42には第1金属電極41と接触する領域に、該第1金属電極41と前記透明電極42上に設ける第2金属電極43とを直接接触させる開口部44が穿孔されている。
【0029】
そしてそのような透明電極42上に前記第1金属電極41と対応する例えば銀(Ag)膜、或いはクロム(Cr)−銅(Cu)−クロム(Cr)の三層構造の金属膜からなる第2金属電極43を設けてX放電電極45及びY放電電極46を構成する。
【0030】
このような実施例の構成によれば、第1金属電極41の膜厚を前記ガラス基板11上に突出させることなくかなり厚くすることができ、その分だけ第2金属電極43の膜厚を薄くすることができるので、その後にこれらX放電電極45及びY放電電極46を含む前記ガラス基板11上に被着する誘電体層や保護膜等の被覆性が良好で、これらの表面の凹凸を僅少化することが可能になると共に、前記透明電極42を挟着された下側の第1金属電極41と上側の第2金属電極43により、前記X,Y放電電極45, 46の抵抗を従来よりも更に低抵抗化することができる。
【0031】
また、前記第1、第2金属電極41、43同士を透明電極42に設けた複数の開口部44を通して直接的に密着させているので、該透明電極42に対する密着力が本来は弱い前記第1、第2金属電極41、43の密着力が大きく向上し、前記透明電極42に密着している前記第1、第2金属電極41、43が剥離するという恐れがなくなり、しかも例え何れか一方の金属電極41か43、或いは透明電極42に断線が生じることがあっても、その放電電極の全体への通電状態を維持することが可能となる。
【0032】
次に上記したガス放電表示パネルの電極構造の形成方法について説明する。
図2は及び図3は本発明表示パネルの電極形成方法をガス放電表示パネルの電極形成方法を対象とした場合の一実施例を工程順に示す要部断面図であり、図1と同等の機能を有する部分には同一符号を付している。
【0033】
本実施例では先ず図2(a) に示すように、表示面側のガラス基板11の表面に、例えば40%含有の弗化水素酸(HF):水 (H2O)=3: 97 のエッチング液を用いたフォトエッチング工程によって、ストライプ状の一対のX放電電極とY放電電極からなる放電電極対を透明電極とともに構成する該透明電極よりも幅狭の金属電極のパターンと厚さに対応する例えば2μm〜10μm程度の深さを有する凹部31を形成する。
【0034】
次に、その前記凹部31の内部に、例えばレジストマスクを用いたスパッタリング法とリフトオフ法等により2μm〜10μm程度の厚さのクロム(Cr)−銅(Cu)−クロム(Cr)の三層構造の光反射率が比較的低い金属膜を充填して下側の第1金属電極41を埋め込んだ状態に形成する。
【0035】
次に、図2(b) に示すように、埋設された前記第1金属電極41を含むガラス基板11上にスパッタリング法、またはスクリーン印刷法等により2000〜3000Åの膜厚の酸化錫(SnO2)膜、またはITO (Indium Tin Oxide) 等の透明導電膜51を形成する。
【0036】
次に、その透明導電膜51上に、透明電極と開口部を形成するためのレジストマスク52を形成し、該レジストマスク52を介して前記透明導電膜51を王水、または塩酸溶液等を用いたエッチング工程によってパターニングし、前記レジストマスク52を除去することにより、図2(c) に示すように前記した各第1金属電極41上に、該第1金属電極41よりも幅広の透明電極42と、該透明電極42の前記第1金属電極41と接触する領域に複数の開口部44を形成する。
【0037】
この場合、該開口部44は前記第1金属電極41と接触する領域に適当な間隔を持って複数個設けている。
次に、図3(a) に示すように開口部44を設けた透明電極42を含むガラス基板11上に、前記第1金属電極41に対応する第2金属電極を形成するためのレジストマスク53を形成する。
【0038】
このレジストマスク53の形成方法としては、先ず、開口部44を設けた透明電極42を含むガラス基板11上の表面にフォトレジスト膜を塗着し、該フォトレジスト膜を、前記第1金属電極41をマスクにして前記ガラス基板11の裏面側より露光し、現像するセルフアライメント法により前記第1金属電極41に対応する第2金属電極を形成するためのレジストマスク53を形成することによって、該レジストマスク形成時のフォトマスク及び該フォトマスクの位置合わせ等を必要とせず、当該パターニング工程を簡単にして精度良く行うことが可能となる。
【0039】
次に、図3(b) に示すように前記レジストマスク53上に、例えば銀ペーストを用いたスクリーン印刷法、或いはスパッタリング法等により例えば2〜5μmの厚さの銀膜、またはクロム(Cr)−銅(Cu)−クロム(Cr)の三層構造等からなる金属膜54を被着した後、前記レジストマスク53を除去すれば該レジストマスク53上の金属膜も同時に除去されるリフトオフ工程を行うことにより、図3(c) に示すように下側の第1金属電極41に対して上側の第2金属電極43を前記透明電極42を挟んだ状態で位置精度よく重畳形成することが可能となる。
【0040】
従って、このように構成された放電電極の構造では下側の第1金属電極41と上側の第2金属電極43とが透明電極42に設けた開口部44を通して密着しているので、該透明電極42に対する前記第1金属電極41と第2金属電極43との密着力が著しく高められ、前記透明電極42に密着している前記第1、第2金属電極41、43が剥離する恐れがなくなり、該放電電極の電気抵抗も従来より極めて効果的に低抵抗化することが可能となる。
【0041】
また、何れか一方の金属電極41か43、或いは透明電極42が部分的に切断されるようなことがあっても、当該放電電極の全体に対して通電状態を維持することが可能となる。
【0042】
なお、下側の第1金属電極41は、前記ガラス基板11の表面に設けた凹部31内に埋設しているので、その膜厚を前記ガラス基板11上に突出させることなくかなり厚くすることができ、その分だけ上側の第2金属電極43の膜厚を薄くすることができるので、その後、これらX放電電極45及びY放電電極46を含む前記ガラス基板11上に被着する誘電体層や保護膜等の被覆性が良好で、これらの表面の凹凸を僅少化することができる。
【0043】
図4は本発明の表示パネルの電極構造をガス放電表示パネルの電極構造を対象とした場合の他の実施例を示す要部断面斜視図であり、図1と同等の機能を有する部分には同一符号を付している。
【0044】
この図で示す実施例が図1による実施例と異なる点は、表示面側のガラス基板11の表面に設けた凹部61、即ち、ストライプ状の一対のX放電電極65とY放電電極66からなる放電電極対を透明電極63と共に構成する該透明電極63よりも幅狭の金属電極のパターンと厚さに対応する例えば2μm〜10μm程度の深さを有する凹部61内に埋設された、例えば光反射率の比較的低いクロム(Cr)−銅(Cu)−クロム(Cr)の三層構造の金属膜からなる第1金属電極62上には、該第1金属電極62の一部に細幅に重畳して形成された酸化錫(SnO2)膜、或いはITO (Indium Tin Oxide) 等の透明導電膜からなる前記第1金属電極62よりも幅広の透明電極63が設けられている。
【0045】
また、その透明電極63上には、前記第1金属電極62と同様な幅形状で、膜厚が例えば2〜5μmの銀(Ag)膜、或いはクロム(Cr)−銅(Cu)−クロム(Cr)の三層構造の金属膜からなる第2金属電極64が、該透明電極63の一部に細幅に重畳し、かつその他の部分が前記透明電極63を挟むように前記透明電極63外で前記第1金属電極62上に直接接触させた接続状態に設けたことである。
【0046】
このような実施例の構成によっても、ガラス基板11の表面に設けた凹部61内に埋設された第1金属電極62と第2金属電極64とで透明電極63の長手方向に沿った一部を鋏んだ状態で、かつ該第1金属電極62と第2金属電極64との他の部分は前記透明電極63外で直接接続させているので、図1による実施例と同様に下側の第1金属電極62の膜厚を厚く、上側の第2金属電極64の膜厚を薄く設けることができ、これらのX放電電極65とY放電電極66の配設ピッチは、図1による実施例の構成より前記第1、第2金属電極62, 64を透明電極63の表裏面外へずらして設けた分だけ多少荒くなるが、その後の前記X放電電極65とY放電電極66を含む前記ガラス基板11上に被着する誘電体層や保護膜の被覆性が良好でこれら基板表面の凹凸を僅少化することができる。
【0047】
しかも、前記透明電極63に対する第1、第2金属電極62, 64の密着力が、その第1、第2金属電極62, 64同士の直接的な接着面積の増加に比例して図1による実施例の構成の場合よりも強力になるので、前記透明電極63に対して本来密着力の弱い第1、第2金属電極62, 64が剥離するという恐れがなくなり、上下二つの第1、第2金属電極62, 64によって前記X放電電極65及びY放電電極66の抵抗を、従来よりも効果的に低抵抗化できると共に、前記第1、第2金属電極62, 64 の何れか一方、或いは透明電極63に断線が生じるようなことがあっても、それらのX放電電極65及びY放電電極66の全体に対する通電状態を十分に維持することが可能となる。
【0048】
なお、以上の実施例ではガス放電表示パネルの表示面側のガラス基板11に対して設ける電極構造及び形成方法について説明しているが、本発明はこの例に限らず、例えば背面側のガラス基板等に設ける電極構造及び形成方法にも同様に用いることができる。
【0049】
更に、本実施例ではカラー表示用の面放電型のプラズマディスプレイを対象としたガス放電表示パネルに適用した場合の例について説明しているが、本発明はそのようなカラー表示用の面放電型のガス放電表示パネルに限定されるものではなく、例えばモノクロ表示用の面放電型のガス放電表示パネルや金属電極と透明電極とからなる構造の放電電極 (表示電極) を採用している各種の表示パネル等にも適用することができる。
【0050】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の表示パネルの電極構造によれば、透明な絶縁性基板 (ガラス基板) の表面に設ける放電電極として、該絶縁性基板の表面に透明電極よりも細幅で凹部状に埋設された下側の第1金属電極と上側の第2金属電極とで透明電極を挟み込み、しかも該第1金属電極と該第2金属電極とは透明電極に設けた開口部等により互いに部分的に接続された三層構成の電極構造とすることによって、例え前記第1金属電極と第2金属電極の何れか一方、或いは透明電極が断線してもその三層構成の放電電極の全体に対する通電状態を十分に維持することが可能となる。
【0051】
また、下側の第1金属電極を前記ガラス基板の表面に設けた凹部内に埋設しているので、その膜厚を前記ガラス基板上に突出させることなくかなり厚く設けることができ、その分だけ上側の第2金属電極の膜厚を薄くすることができるので、形成されたX放電電極及びY放電電極を含む前記ガラス基板上に、その後被着する誘電体層や保護膜等の被覆性が良好で、これらの表面の凹凸を僅少化することができると共に、前記上下二つの第1、第2金属電極の組合せにより、構成される放電電極を従来よりも効果的に低抵抗化することが可能となる。
【0052】
更に、透明電極を挟んで設けた上下の第1、第2金属電極同士を部分的に直接接続させた構成としているので、該透明電極に対する前記第1、第2金属電極の密着力を大幅に向上させることができ、前記透明電極に対して本来密着力の弱い第1、第2金属電極が剥離するという恐れも解消されるという副次的な効果も得られる等、表示パネルの大型化、高精細化に対して表示品質の良好なガス放電表示パネルを容易に得ることが可能となり、実用上優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の表示パネルの電極構造をガス放電表示パネルの電極構造を対象とした場合の一実施例を示す要部断面斜視図である。
【図2】 本発明の表示パネルの電極形成方法をガス放電表示パネルの電極形成方法を対象とした場合の一実施例を工程順に示す要部断面図である。
【図3】 本発明の表示パネルの電極形成方法をガス放電表示パネルの電極形成方法を対象とした場合の一実施例を図2に引き続いて工程順に示す要部断面図である。
【図4】 本発明の表示パネルの電極構造をガス放電表示パネルの電極構造を対象とした場合の他の実施例を示す要部断面斜視図である。
【図5】 ガス放電表示パネルの一例を示す要部分解斜視図である。
【図6】 従来の表示パネルの電極構造の一例を示す要部斜視図である。
【図7】 従来の表示パネルの電極構造の他の例を示す要部斜視図である。
【符号の説明】
11 ガラス基板
31,61 凹部
41,62 第1金属電極
42,63 透明電極
43,64 第2金属電極
44 開口部
45,65 X放電電極
46,66 Y放電電極
51 透明導電膜
52,53 レジストマスク
54 金属膜
Claims (2)
- 透明な絶縁性基板上に放電電極が配列された表示パネルの電極構造であって、
前記放電電極は、前記絶縁性基板の表面に設けられた凹部に埋設された第1金属電極と、
前記絶縁性基板上に前記第1金属電極と幅方向の少なくとも一部が長手方向に沿って連続して重なるように配置され、且つ前記第1金属電極よりも幅の太い透明電極と、
前記透明電極における前記第1金属電極に重なる部分と重なるように配置され、且つ前記長手方向の複数の位置で前記第1金属電極と接触する第2金属電極とからなり、
前記透明電極における前記第1金属電極に重なる部分に、長手方向に沿って並ぶように複数の開口部が設けられ、
前記第1金属電極と前記第2金属電極とが前記開口部を介して接続されている
ことを特徴とする表示パネルの電極構造。 - 前記第2金属電極は、前記第1金属電極と略同一の幅を有し、かつ前記第1金属電極よりも薄い膜厚で形成されてなる
請求項1に記載の表示パネルの電極構造。
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JPH11204042A (ja) | 1999-07-30 |
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