JPH08254626A - 光回路の製造方法 - Google Patents

光回路の製造方法

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JPH08254626A
JPH08254626A JP5916095A JP5916095A JPH08254626A JP H08254626 A JPH08254626 A JP H08254626A JP 5916095 A JP5916095 A JP 5916095A JP 5916095 A JP5916095 A JP 5916095A JP H08254626 A JPH08254626 A JP H08254626A
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JP
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thin film
waveguide core
substrate
high frequency
heated
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JP5916095A
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Inventor
Shuichi Tamura
修一 田村
Akira Mugino
明 麦野
Takeo Shimizu
健男 清水
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Furukawa Electric Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 任意の個所にモードフィールド変換部を有す
る光回路を簡単に製造する方法を提供する。 【構成】 この光回路の製造方法は、誘電体材料を用い
て基板上にクラッド部と前記クラッド部に埋設された所
定パターンの導波路コア部とを形成する光回路の製造方
法において、導波路コア部3の所望個所の上方または/
および下方に、導電性材料または低高周波損失特性を有
する材料から成る薄膜領域6a,6b,6c,6dを形
成し、ついで、全体に高周波電力を印加して薄膜領域6
a,6b,6c,6dを誘導加熱せしめることにより、
導波路コア部3の前記所望個所を選択的に加熱してモー
ドフィールド変換部にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光導波路素子内における
光回路の製造方法に関し、更に詳しくは、任意の個所に
低損失でモードフィールドを変換することができるモー
ドフィールド変換部を有する光回路を簡単に製造する方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】光導波路素子は光通信システムを構成す
るときに用いる基本要素であり、例えば、ガラスから成
る素子、誘電体材料から成る素子、有機高分子材料から
成る素子、半導電体材料から成る素子などが知られてい
る。これらの素子は、それぞれ構成材料が異なっていて
も、いずれも、基板の上にクラッド部が形成され、その
クラッド部の中に所定の平面パターンで所定のコアサイ
ズの導波路コア部が埋設されていて、この導波路コア部
が光信号を伝搬する光回路として機能する構造になって
いる。
【0003】近年、これら光導波路素子の高機能化が進
められるとともに、光部品の集積化・小型化の研究が進
められている。光部品の集積化・小型化を実現するため
には、スポットサイズが小さくなり、また曲げに対して
柔軟性に富むという点で、導波路コア部とクラッド部と
の間における比屈折率差(Δ)が大きい光回路を有する
光導波路素子を用いることが好適である。
【0004】しかしながら、上記したような光導波路素
子は、導波路コア部のスポットサイズが小さいため、こ
こに、光信号の伝送路である光ファイバを接続した場
合、伝搬光のモードフィールドの整合性が非常に悪くな
って大きな接続損失が発生してしまう。この接続損失を
小さくするためには、導波路コア部から成る光回路と光
ファイバとの接続時におけるモードフィールドの整合性
を高めることが不可欠であり、具体的には、上記光回路
に、低損失で、モードフィールドの変換が可能であるモ
ードフィールド変換部を形成することが必要になる。
【0005】他にも、導波路中に多層膜フィルタ等の光
素子を挿入する場合にも、モードフィールドの拡大によ
って挿入損失の低減が可能である。前記した各種の光導
波路素子のうち、ガラスから成る素子は、光ファイバと
の接続時におけるモードフィールドの整合性が優れてい
て低損失であり、非常に有用な素子である。
【0006】この素子において、導波路コア部から成る
光回路にモードフィールド変換部を形成する方法として
は、次のような方法が知られている。すなわち、第1の
方法は、基板上にクラッド部と導波路コア部を形成する
過程や形成したのちに、導波路コア部を光信号の伝搬方
向に対してテーパ形状にする方法である。
【0007】この第1の方法においては、1種類の導波
路コア部を用いて行う場合と、2種類の導波路コア部を
用いて行う場合とがある。前者の場合には、コアサイズ
を大きくすることによって導波路コア部への伝搬光の閉
じこめを弱めてスポットサイズを大きくすることができ
る。また、後者の場合には、2種類ともテーパ形状にし
て両者を重ね合わせたり、または、1種類のみをテーパ
形状として他方の導波路コア部に伝搬光を結合させるこ
ともある。いずれの場合も、比屈折率差(Δ)が異なる
材料を用いて行うことができるので、材料の選択幅は広
くなる。
【0008】第2の方法は、クラッド部と導波路コア部
の形成時に、コアサイズと比屈折率差(Δ)を変化させ
る方法である。また、第3の方法は、クラッド部と導波
路コア部の形成後に、モードフィールド変換部にすべき
導波路コア部の特定個所を選択的に部分加熱して、含有
されているドーパントを熱拡散させることにより、コア
サイズと比屈折率差(Δ)を変化させる方法である。
【0009】この方法は、光ファイバに従来から適用さ
れているTEC法(Thermally-diffused Expanded Core
method )をガラスから成る光導波路素子に適用したも
のであり、部分加熱した導波路コア部のドーパントを熱
拡散させてその部分の比屈折率差(Δ)の低下とコアサ
イズを大きくすることによりスポットサイズを拡大する
方法である。
【0010】この第3の方法における部分加熱法として
は、例えば、対象とする特定個所に熱線ビームを照射
する、導波路コア部の端面を加熱源に接触させる、
小型の加熱ヒータと遮熱スリットと冷却機構を有するホ
ルダを備えている電気炉で加熱する、素子の所定個所
に薄膜ヒータを形成して加熱する、などの方法が行われ
ている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、モード
フィールド変換部を光回路に形成する上記した第1〜第
3の方法には、それぞれ、次のような問題がある。ま
ず、第1の方法の場合、1種類の導波路コア部を用いて
行うと、コアサイズが小さくなり、更にコアサイズの変
化に対するスポットサイズの変化の割合が大きいので、
スポットサイズを適正な大きさに制御することが非常に
困難である。また、2種類の導波路コア部を用いて行う
と、導波路コア部の形成も含めて、製造に関する要素技
術は複雑・多岐となり、その製造はかなり困難である。
【0012】また、第2の方法の場合、充分な性能を発
揮するクラッド部や導波路コア部を形成するに際して
は、そのための操作は厳しく制御された状態で進めるこ
とが不可欠である。そのため、現在までのところ、充分
に満足のいく性能の光回路は、この方法で形成されてい
ない状況にある。第3の方法は、既に形成された導波路
コア部を部分加熱して目的とする光回路にする方法であ
るため、第1の方法や第2の方法に比べて、複雑な要素
技術を必要としないという点で好適である。
【0013】しかしながら、この方法の場合も前記した
部分加熱法に関して次のような問題がある。まず、の
ビーム照射法の場合、レーザビームや電子ビームなどの
ビームをモードフィールド変換部にすべき特定個所に集
中照射する。したがって、この特定個所が複数個所存在
する場合には、各特定個所にそれぞれビーム照射するこ
とが必要になる。すなわち、この部分加熱法において
は、1度の加熱処理で一括してモードフィールド変換部
を形成することができないという問題があり、また、ビ
ーム照射点と対象の特定個所との位置制御を高精度で行
わなければならないという問題がある。
【0014】また、の端面加熱法の場合には、導波路
コア部の端面近傍しかモードフィールド変換部にするこ
とができず、形成できるモードフィールド変換部の個所
は位置制約を受ける。の電気炉加熱の場合、部分加熱
する特定個所の数だけ、用いるホルダには小型ヒータを
配設することが必要であり、また、特定個所の位置によ
っては、小型ヒータのみならず遮熱スリットや冷却機構
などを適切な状態に組合せなければならなくなる。した
がって、この部分加熱法は、複数の特定個所に適用する
に際し、用いるホルダは複雑な機構となり、簡単に任意
の個所を部分加熱することが困難であるという問題があ
る。
【0015】の薄膜ヒータを用いる部分加熱法の場合
は、特定個所が複雑であってもそれらの位置に薄膜ヒー
タを形成することにより、1度の加熱操作で必要とする
モードフィールド変換部を形成することができるという
利点を有している。しかし、その場合でも、各薄膜ヒー
タへの電力供給設備が必要であり、また、特定個所の数
が多くなればなるほど、そこに位置する薄膜ヒータにど
のようにして電力供給したらよいかという問題が発生し
てくる。
【0016】本発明は、TEC法を応用して光回路を部
分加熱することによりモードフィールド変換部を形成す
る従来の場合における上記した問題を解決し、導波路コ
ア部の任意の個所を多量かつ簡単にモードフィールド変
換部に転化することができる光回路の製造方法の提供を
目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段・作用】上記した目的を達
成するために、本発明においては、誘電体材料を用いて
基板上にクラッド部と前記クラッド部に埋設された所定
パターンの導波路コア部とを形成する光回路の製造方法
において、前記導波路コア部の所望の個所の上方または
/および下方に、導電性材料または低高周波損失特性を
有する材料から成る薄膜領域を形成し、ついで、全体に
高周波電力を印加して前記薄膜領域を誘導加熱せしめる
ことにより、導波路コア部の前記所望個所を選択的に加
熱してモードフィールド変換部にすることを特徴とする
光回路の製造方法が提供される。
【0018】
【作用】請求項1の製造方法において、全体に高周波電
力を印加すると、薄膜領域は導電性材料または低高周波
損失特性を有する材料で構成されているのでそこでは誘
導電流や渦電流が誘導されてジュール熱が発生すること
により、誘電加熱され、印加電力や薄膜の種類などで規
定される所定の温度に発熱する。
【0019】一方、クラッド部と導波路コア部はいずれ
も誘電体材料で構成されているので、高周波電力を印加
しても誘導加熱されることはない。しかし、薄膜領域の
下方または/および上方に位置する導波路コア部の部分
およびその近傍のクラッド部のみが、発熱している前記
薄膜領域によって所定の温度に加熱されることになる。
【0020】そのため、導波路コア部の当該部分ではド
ーパントの熱拡散が生起してその部分のコアサイズと比
屈折率差(Δ)が変化する。その場合、導波路コア部の
加熱部分とその周囲に位置するクラッド部との境界域で
はある温度勾配が形成されるので、その温度勾配に対応
した状態で熱拡散するドーパントの濃度勾配が発生し、
そのことにより、屈折率やコアサイズが変化したテーパ
形状のモードフィールド変換部が形成される。
【0021】このような働きをする薄膜領域は、基板の
上にクラッド部と所定パターンの導波路コア部を形成す
る過程または形成したのちに、通常のホトリソグラフィ
ーなどで行われているパターニング技術を適用すること
により部分加熱すべき個所以外の個所をマスキングし、
そのマスクの上から例えば電子ビーム蒸着法などを適用
して薄膜材料を蒸着して形成することができる。このと
き、用いるマスクのパターンは、導波路コア部に対する
部分加熱のパターン、すなわち、形成すべきモードフィ
ールド変換部の数や個数に対応して適宜に変えればよ
い。
【0022】請求項2の製造方法は、高周波電力の印加
時に、基板は裏面からヒータ加熱されていて導波路コア
部もある温度まで加熱されている状態にあるので、薄膜
領域を所定温度まで誘導加熱させるに要する高周波電力
の印加量を節減することができる。請求項3の製造方法
は、高周波電力の印加時に基板は導電性の台板の上に載
置されているので、台板自身も誘導加熱して発熱してク
ラッド部と導波路コア部全体が加熱されることになり、
薄膜領域の発熱だけで部分加熱を行う場合よりも投入す
る高周波電力を節減することができる。
【0023】請求項4の製造方法では、更に基板を導電
性の材料で構成しているので、高周波電力の印加時に
は、この基板それ自体も発熱して導波路コア部を加熱す
ることにより、投入する高周波電力を一層節減すること
ができるようになる。
【0024】
【発明の実施例】
実施例1 常法の火炎堆積法とホトリソグラフィーとエッチング技
術を用いて、図1の平面図、図1におけるY方向への側
面図である図2、図1におけるX方向への側面図である
図3に示すような光導波路素子Aを製造した。
【0025】すなわち、この光導波路素子Aは、石英基
板1の上にはまず石英ガラスから成る下部クラッド2a
と上部クラッド2bが形成されてクラッド部2を構成
し、このクラッド部2の中には、図1で示したような平
面パターンを有し、Geをドーパントとする石英ガラス
から成る導波路コア部3が埋設された構造になってい
る。
【0026】この光導波路素子Aにおいて、図1の○印
で囲んだ領域の導波路コア部3をモードフィールド変換
部にする場合を考える。まず、図4で示したように、領
域4a,4b,4c,4dに対応する個所が透孔5a,
5b,5c,5dになっているマスク5を用意する。そ
して、このマスク5を光導波路素子Aのクラッド部2の
上面2cの上に配置する。ついで、マスク5の上から例
えばPtを用いた電子ビーム蒸着法を適用する。
【0027】Ptは、透孔5a,5b,5c,5dから
露出しているクラッド部上面2cの部分に蒸着するの
で、マスク5を取りはずすと、図5〜図7で示したよう
に、モードフィールド変換部を形成すべき導波路コア部
の上方、すなわちクラッド部2の上面2cには、Ptか
ら成る4個の薄膜領域6a,6b,6c,6dが形成さ
れている光導波路素子A1 を得ることができる。
【0028】ついで、この光導波路素子A1 を例えば石
英ガラスから成る台板8に載置し、図8で示したよう
に、高周波コイル7a,7b、高周源電源7cを備える
装置にセットし、所定の高周波電力を印加する。その結
果、薄膜領域6a,6b,6c,6dのみが誘導加熱さ
れて発熱し、これら薄膜領域の直下に位置する導波路コ
ア部3の部分が上方からのみ加熱される。そして、その
部分ではGeドーパントの熱拡散が進行してコアサイズ
と比屈折率差(Δ)が変化するので、そこがモードフィ
ールド変換部に転化し、目的とする光回路が形成され
る。
【0029】なお、実施例ではクラッド部と導波路コア
部をいずれも石英ガラスで形成しているが、これらは多
成分ガラスで形成されていてもよい。また、薄膜領域を
構成する材料としてPtを示したが、この材料は導電性
であれば何であってもよく、一般に金属材料が好適であ
る。その場合、ドーパントの熱拡散が高温系で進むか、
または低温系で進むかで使いわければよく、例えば低温
系であるときは、Au,Ag,Crなどを使用してもよ
い。加えて、Cであってもよい。また、薄膜領域の形成
は電子ビーム蒸着法に限定されるものではなく、例えば
抵抗発熱による蒸着法や、湿式または乾式のエッチング
法を適用してもよい。
【0030】なお、実施例では、薄膜領域をクラッド部
2の上面2cに直接形成する場合を説明したが、上部ク
ラッド2bが厚い場合には導波路コア部3への加熱効率
が悪くなるので、そのような場合には、導波路コア部へ
の伝搬光のフィールドに悪影響を与えないような上部ク
ラッド2bの位置に薄膜領域を埋込んだ状態で形成して
もよい。
【0031】更にこの実施例では、基板や台板として
は、誘電体材料であれば何であってもよく、例えばセラ
ミックス製のものを用いることもできる。 実施例2 図9は、本発明方法を適用することができる他の光導波
路素子A2 を示す側面図である。この光導波路素子A2
の場合、基板1、クラッド部2、導波路コア部3、薄膜
領域6a,6b(いずれも図示しない),6c,6dの
構成材料は実施例1で示した光導波路素子A1 と同じで
ある。しかし、薄膜領域はクラッド部の上面2cではな
く、直接、基板1の上、すなわち、基板1と下部クラッ
ド2aの境界面に形成されている点で、実施例1の光導
波路素子A1 と異なっている。
【0032】この光導波路素子A2 に対し、図8で示し
たようにして台板8に載置した状態で高周波電力を印加
すると、薄膜領域6a,6b,6c,6dのみが誘導加
熱されるので、これら薄膜領域6a,6b,6c,6d
の直上に位置する導波路コア部の部分は下方からのみ加
熱され、その結果、その部分のドーパントの熱拡散が起
こってモードフィールド変換部に転化する。
【0033】この光導波路素子A2 の製造に当たって
は、基板1の上の所定個所に実施例1の場合とおなじよ
うに常用のパターニング技術を適用して薄膜領域を形成
し、その後、下部クラッド2a、導波路コア部3、上部
クラッド2bを順次形成すればよい。なお、下部クラッ
ド2aの厚みが厚い場合は、薄膜領域による加熱効率が
悪くなるので、そのようなときは実施例1の場合と同じ
ように、導波路コア部3における伝搬光のフィールドに
悪影響を与えないような位置に薄膜領域を下部クラッド
2a内に埋設した状態で形成してもよい。
【0034】実施例3 図10は、本発明方法を適用することができる他の光導
波路素子A3 を示す側面図である。この光導波路素子A
3 の場合、基板1、クラッド部2、導波路コア部3、薄
膜領域の構成材料はいずれも実施例1で示した光導波路
素子A1 の場合と同じである。
【0035】しかし、薄膜領域6c,6dは、基板1と
下部クラッド2aの境界面に形成されると同時に、上部
クラッド2bの上面2cにも形成されているという点で
実施例1の光導波路素子A1 と異なっている。すなわ
ち、この光導波路素子A3 の場合は、導波路コア部3の
上方と下方に薄膜領域が形成されている。この光導波路
素子A3 に対し、図8で示したように、石英ガラスの台
板8に載置した状態で高周波電力を印加すると、上下に
位置する薄膜領域の間に位置する導波路コア部3の部分
は、誘導加熱された薄膜領域6c,6c;6d,6dに
よって上方と下方とから同時に加熱される。その結果、
導波路コア部3の部分は、ドーパントの熱拡散が起こり
モードフィール変換部に転化する。
【0036】この実施例の場合は、導波路コア部3の所
定部分は上下方向から加熱されるので、ドーパントの熱
拡散は上下方向で対象に進行する。したがって、形成さ
れたモードフィールド変換部は、上下に対象なモードフ
ィールド形状になる。 実施例4 図11は、本発明方法を適用することができる別の光導
波路素子A4 をしめす側面図である。この光導波路素子
4 の場合、基板1、クラッド部2、導波路コア部3、
薄膜領域の構成材料はいずれも実施例1で示した光導波
路素子A1 の場合と同じである。
【0037】しかし、この光導波路素子A4 は、クラッ
ド部2が下部クラッド2aと中間クラッド2dと上部ク
ラッド2bの3層構造になっており、また、導波路コア
部3は、下部クラッド2aと中間クラッド2dの中に埋
設された第1のコア3a、中間クラッド2dと上部クラ
ッド2bの中に埋設された第2のコア3bをもって構成
されている。
【0038】そして、基板と下部クラッド2aの境界面
の所定個所には薄膜領域6c1 ,6c2 が形成され、ま
た上部クラッド2bの上面2cの所定個所には薄膜領域
6d 1 ,6d2 が形成されている。この光導波路素子A
4 に対し、図8で示したように、石英ガラスの台板8に
載置した状態で高周波電力を印加すると、全ての薄膜領
域6c1 ,6c2 ,6d1,6d2 は誘導加熱される。
【0039】このとき、薄膜領域6c1 ,6c2 の直上
に位置する第1のコア3aの部分は加熱されてドーパン
トの熱拡散が起こり、その部分はモードフィールド変換
部に転化するが、この薄膜領域6c1 の上方に位置する
第2のコア3bの部分は、中間クラッド2dで生起する
熱傾斜によりドーパントの熱拡散が起こる温度にまで加
熱されることはないので、その部分はモードフィールド
変換部に転化しない。
【0040】同様の理由により、薄膜領域6d1 ,6d
2 の直下に位置する第2のコア3bの部分はモードフィ
ールド変換部に転化するが、更にその下方に位置する第
1のコア3aの部分はモードフィールド変換部に転化し
ない。なお、図示した薄膜領域6d1 ,6d2 におい
て、これら薄膜領域が上方方向と面内方向において合致
する位置関係をもって形成されている場合、第1のコア
3aの部分と第2のコア3bの部分は上方と下方のいず
れからも加熱されることになる。
【0041】実施例5 図12は、実施例4で用いた光導波路素子A4 の変形例
である光導波路素子A 5 を示す側面図である。この光導
波路素子A5 は、中間クラッド2dの中に薄膜領域6e
が形成されている。
【0042】したがって、この光導波路素子A5 に高周
波電力を印加すると、薄膜領域6eの誘導加熱により、
この薄膜領域6eの直下と直上に位置する第1のコア3
a、第2のコア3bのそれぞれの部分が同時に加熱され
て、そこがモードフィールド変換部に転化する。 実施例6 図13は、実施例1で使用した光導波路素子A1 に対し
て高周波電力を印加するときに、当該光導波路素子A1
を例えば抵抗加熱の電熱ヒータのようなヒータ9に載置
した状態を示す概略図である。
【0043】この実施例においては、ヒータ9を作動す
ることにより、導波路コア部3のドーパントの熱拡散が
起こらない程度の温度にまで光導波路素子A1 を加熱し
て高周波電力を印加すればよい。光導波路素子A5 はヒ
ータ9によって加熱されて所望温度にまで温度上昇した
状態にあるので、ドーパントを熱拡散するために必要と
する温度にまで導波路コア部3を温度上昇させるために
投入する高周波電力を節減することができる。
【0044】なお、この実施例は図示した光導波路素子
1 に限らず、光導波路素子A2 ,A3 ,A4 ,A5
どに対しても適用することができる。 実施例7 図14は、実施例1で使用した光導波路素子A1 に対し
て高周波電力を印加するときに、当該光導波路素子A1
を例えばカーボンのような導電性材料から成る台板10
に載置した状態を示す概略図である。
【0045】この実施例においては、高周波電力が印加
されると、薄膜領域6a,6b,6dが誘導加熱される
と同時に、台板10も誘導加熱されて発熱することにな
るので、実施例6の場合と同じように投入する高周波電
力を節減することができる。 実施例8 図15は、実施例1において、光導波路素子A1 の石英
ガラスの基板1に代えてSiから成る基板1’を用いた
光導波路素子A1'に高周波電力を印加する状態を示す概
略図である。
【0046】この場合、Si基板1’は高周波損失特性
を有しているので誘導加熱されて発熱する。したがっ
て、導波路コア部3は、発熱するSi基板1’からも加
熱されるので、実施例6、7と同じように投入する高周
波電力を節減することができる。なお、この実施例のよ
うに、基板としてSi基板を用いることは、前記した光
導波路素子A2 ,A3 ,A4 ,A5 の場合にも採用する
ことができる。
【0047】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、請求項1
の方法によれば、高周波電力の印加によって薄膜領域の
みが誘導加熱されるので、光回路を構成する導波路コア
部のうち、この薄膜領域の直下または直上に位置する部
分のみが選択的に部分加熱され、そのことによって、そ
の部分のドーパントの熱拡散が進んでコアサイズと比屈
折率差(Δ)が変化するので、そこにモードフィールド
変換部が形成される。
【0048】すなわち、薄膜領域は通常のパターニング
技術によって所望する個所に任意のパターンで形成する
ことができるので、本発明方法によれば、簡単に任意パ
ターンのモードフィールド変換部を有する光回路を製造
することができる。請求項2の方法によれば、導波路コ
ア部は裏面からヒータ加熱されることにより予め所望温
度にまで加熱されているので、ドーパントを熱拡散させ
るために薄膜領域へ投入する高周波電力を節減すること
ができる。
【0049】請求項3の方法によれば、基板が導電性材
料の台板に載置された状態で高周波電力が印加されるの
で、この台板も誘導加熱されることになり、導波路コア
部を部分加熱するに要する高周波電力は節減される。請
求項4の方法によれば、基板も導電性材料で構成されて
いるので、高周波電力印加時に基板それ自体も誘導加熱
されることになり、投入する高周波電力を一層節減する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光導波路素子Aの平面図である。
【図2】図1の光導波路素子AのY方向の側面図であ
る。
【図3】図1の導波路素子AのX方向への側面図であ
る。
【図4】マスクを示す平面図である。
【図5】薄膜領域を形成した光導波路素子A1 を示す平
面図である。
【図6】図5の光導波路素子A1 のY方向の側面図であ
る。
【図7】図5の光導波路素子A1 のX方向の側面図であ
る。
【図8】光導波路素子A1 に高周波電力を印加する状態
を示す概略図である。
【図9】別の薄膜領域を形成した光導波路素子A2 を示
す側面図である。
【図10】更に別の薄膜領域を形成した光導波路素子A
3 を示す側面図である。
【図11】別の薄膜領域を形成した光導波路素子A4
示す側面図である。
【図12】更に他の薄膜領域を形成した光導波路素子A
5 を示す側面図である。
【図13】光導波路素子A1 をヒータに載置して高周波
電力を印加する状態を示す概略図である。
【図14】光導波路素子をカーボン製の台板に載置して
高周波電力を印加する状態を示す概略図である。
【図15】基板がSiから成る光導波路素子A1'に高周
波電力を印加する状態を示す概略図である。
【符号の説明】
1 基板 1’Si基板 2 クラッド 2a 下部クラッド 2b 上部クラッド 2c クラッド2aの上面 2d 中間クラッド 3 導波路コア部 3a 第1のコア 3b 第2のコア 4a,4b,4c,4d モードフィールド変換部にす
べき領域 5 マスク 5a,5b,5c,5d 透孔 6a,6b,6c,6d,6c1 ,6c2 ,6d1 ,6
2 ,6e 薄膜領域 7a,7b 高周波コイル 7c 高周波電源 8 台板(石英ガラス) 9 ヒータ 10 台板(カーボン)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘電体材料を用いて基板上にクラッド部
    と前記クラッド部に埋設された所定パターンの導波路コ
    ア部とを形成する光回路の製造方法において、前記導波
    路コア部の所望の個所の上方または/および下方に、導
    電性材料または低高周波損失特性を有する材料から成る
    薄膜領域を形成し、ついで、全体に高周波電力を印加し
    て前記薄膜領域を誘導加熱せしめることにより、導波路
    コア部の前記所望個所を選択的に加熱してモードフィー
    ルド変換部にすることを特徴とする光回路の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記高周波電力の印加時に、前記基板の
    裏面からヒータ加熱する請求項1の光回路の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記高周波電力の印加時に、前記基板が
    導電性材料から成る台板の上に載置される請求項1の光
    回路の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記基板が導電性材料から成る請求項1
    〜3のいずれかの光回路の製造方法。
  5. 【請求項5】モードフィールド変換部のスポットサイズ
    をテーパ状に拡大させる請求項1の光回路の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005122091A (ja) * 2003-09-26 2005-05-12 Mitsumi Electric Co Ltd 光デバイス及び光デバイスユニット

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