JP5161152B2 - 可変光減衰器の作製方法 - Google Patents

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Description

本発明は、シリコンを光の導波路とする平面光波回路および素子に利用され、導波路光強度を電気的に制御可能とする可変光減衰器の作製方法に関する。
大容量光通信を実現するDWDM(Dense Wavelength Division Multiplexing:狭帯域波長分割多重)システムでは、例えばEDFA(Er Doped Fiber Amplifier:Erドープ光ファイバアンプ)を利用し、光ファイバ中を伝搬する光信号を増加させる光増幅器とともに、光ファイバ中を伝搬する信号光強度を任意の光強度に減衰させる光減衰器も必要なデバイスとなる。このようなデバイスとしては、石英導波路やポリマー導波路を用いた可変光減衰器や、MEMS構造を用いた可変光減衰器などが開発されている。これらの動作速度はミリ秒,マイクロ秒であり、近年の通信の高速、広帯域化に対応するため、さらに高速に動作する可変光減衰器が求められている。
高速動作にできる可変光減衰器として、シリコン細線導波路を用いた可変光減衰器が提案されている(特許文献1参照)。この可変光減衰器について、図5の斜視図および図6の断面図を用いて説明する。この可変光減衰器は、シリコンからなる基板501の上に下部クラッド層502を備え、この下部クラッド層502の上に、シリコンからなるリブ型構造のコア511を備えている。コア511の両側には、スラブ層512およびスラブ層513を備え、これらが、上部クラッド516で覆われている。
また、スラブ層512およびスラブ層513の一部には、コア511を挟んで配置されたp型半導体領域514とn型半導体領域515とを備える。p型半導体領域514にはp型不純物が導入され、n型半導体領域515には、n型不純物が導入され、p型半導体領域514,コア511,およびn型半導体領域515によりPINダイオード構造を形成している。このようなPin構造のp型半導体領域514およびn型半導体領域515に、金属電極517および金属電極ド518を用いて順方向電流を流し、コア511内に、キャリア(電子、正孔)を注入すれば、注入したキャリアの吸収により、コア511よりなるリブ導波路を導波する信号光を減衰させることができる。
コア511に注入するキャリア量は、金属電極517および金属電極ド518に流す電流量により変化させることができるので、光減衰量を可変することができる。さらにこの可変光減衰器では、リブ型導波路としてコア幅の寸法が0.5μm程度と非常に小さいシリコン細線導波路を用いるので、p型半導体領域514とn型半導体領域515との間隔を近づけることができ、すばやくコアにキャリアを注入できる。この結果、ナノ秒オーダーの非常に速い応答で光を減衰させることができる。
また、この可変光減衰器は、光の閉じこめが強くコア断面寸法の小さいシリコン細線導波路に基づくため、非常に小型に作ることができ、複数の可変光減衰器を並べた多チャンネル化や他のデバイスとの集積が容易である。
また、このシリコン細線リブ導波路型の可変光減衰器は、次に示すことにより、現在主に用いられているLSIの製造技術で容易に作製することができる。まず、例えば、SOI(Silicon on Insulator)基板を用い、SOI基板のSOI層を公知のリソグラフィ技術とエッチング技術とによ加工してコア形状を形成する。次に、コアの両側のスラブ層にイオン注入などでp型およびn型不純物を導入する。次に、コアおよびスラブ層の上にCVD法などで酸化シリコンを堆積して上部クラッドを形成する。この後、上部クラッド層に、p型およびn型不純物を導入した箇所に貫通するコンタクトホールを形成し、ここに電極金属を埋め込む。
特開2004−258119号公報
ところが、上述したリブ型シリコン細線導波路による可変光減衰器では、高速で動作できる反面、p型半導体領域514とn型半導体領域515との間隔が数μmと近いため、コア511内を通ってpn間に流れるべき電流が、コア511と上部クラッド516
との界面など、コア511の内部でない他の経路でも流れてしまい易いという問題がある。このため、上述したシリコン細線型可変光減衰器は、pn間に電圧をかけ流す電流の中に光減衰に関与しない電流が含まれ、光を減衰させるのに無駄に多くの電力を消費してしまうという問題があった。
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、無駄な電力を必要とせずに低消費電力で高速動作ができるリブ型シリコン細線導波路を利用した可変光減衰器が、作製できるようににすることを目的とする。
本発明に係る可変光減衰器の作製方法は、シリコンよりも屈折率の小さい下部クラッド層を形成する工程と、下部クラッド層の上にシリコン層を選択的に途中までエッチングすることで、コアおよびコアを挟んで配置されてコアより薄いスラブ層を形成する工程と、スラブ層の一部領域にコアを挟むようにp型キャリア供給部およびn型キャリア供給部を形成する工程と、コアの側面からスラブ層の表面にかけての領域およびコアの上面の少なくとも一方を酸化して酸化シリコン層を形成する工程と、コアおよび酸化シリコン層を覆ってスラブ層の上に上部クラッド層を形成する工程と、n型キャリア供給部及びp型キャリア供給部に各々接続する電極を形成する工程とを少なくとも備える。
上記可変光減衰器の作製方法において、酸化シリコン層は、プラズマ酸化法により形成すればよい。また、酸化シリコン層は、電子サイクロトロン共鳴により発生する酸素ガスのプラズマを用いるとよい。酸化シリコン層の形成は、コアを形成した後に行うようにしてもよい。
以上説明したように、本発明によれば、コアの側面からスラブ層の表面にかけての領域およびコアの上面の少なくとも一方を酸化して酸化シリコン層を形成するようにしたので、リブ型シリコン細線導波路型の可変光減衰器において、不要な電流の流れを防止し低消費電力で高速動作できるようになるという優れた効果が得られる。
本発明の実施の形態1における可変光減衰器の構成を示す断面図である。 本発明の実施の形態1における可変光減衰器の構成を示す平面図である。 実施の形態1における可変光減衰器の作製方法を説明するための工程図である。 実施の形態1における可変光減衰器の作製方法を説明するための工程図である。 実施の形態1における可変光減衰器の作製方法を説明するための工程図である。 実施の形態1における可変光減衰器の作製方法を説明するための工程図である。 実施の形態1における可変光減衰器の作製方法を説明するための工程図である。 実施の形態1における可変光減衰器の作製方法を説明するための工程図である。 実施の形態1における可変光減衰器の作製方法を説明するための工程図である。 実施の形態1における可変光減衰器の作製方法を説明するための工程図である。 ECRプラズマ処理装置に酸素ガスを導入し、プラズマ生成室内の圧力を0.15Paとし、マイクロ波パワー400Wでプラズマ生成室内に生成したECRプラズマを、発散磁場により処理室に引き出し、シリコン基板表面に照射したときの、照射時間と酸化膜厚との関係を示す特性図である。 実施の形態2における可変光減衰器の作製方法を説明するための工程図である。 実施の形態2における可変光減衰器の作製方法を説明するための工程図である。 実施の形態2における可変光減衰器の作製方法を説明するための工程図である。 実施の形態2における可変光減衰器の作製方法を説明するための工程図である。 実施の形態2における可変光減衰器の作製方法を説明するための工程図である。 実施の形態2における可変光減衰器の作製方法を説明するための工程図である。 実施の形態2における可変光減衰器の作製方法を説明するための工程図である。 実施の形態2における可変光減衰器の作製方法を説明するための工程図である。 実施の形態2における可変光減衰器の作製方法を説明するための工程図である。 実施の形態2における可変光減衰器の作製方法を説明するための工程図である。 可変光減衰器の構成を示す斜視図である。 可変光減衰器の構成を示す断面図である。
[実施の形態1]
始めに、本発明の実施の形態1について図1A,図1B,図2A〜図2Hを用いて説明する。なお、図1Aは、本発明の実施の形態1における可変光減衰器の構成を示す断面図であり、図1A,図1Bは、実施の形態1における可変光減衰器の構成を示す平面図であり。図1Aは、図1BのAA’線の断面を示している。また、図2A〜図2Hは、本実施の形態1における可変光減衰器の作製方法を説明するための工程図である。
始めに、本実施の形態における可変光減衰器の構成について説明する。この可変光減衰器は、まず、シリコン基部101の上に、酸化シリコン,酸窒化シリコン,窒化シリコンなどの絶縁材料からなる下部クラッド層102を備え、下部クラッド層102の上に、シリコンからなるスラブ層104,スラブ層105を備えている。下部クラッド層102は、例えば、層厚3μm程度に形成されている。また、スラブ層104およびスラブ層105に挟まれて所定の方向に延在するリッジ構造のコア103を備える。コア103の部分は、例えば、幅0.2〜0.6μm程度に形成され、コア103の下部クラッド層102界面からの高さは、0.2〜0.3μm程度に形成されている。また、スラブ層104,スラブ層105は、コア103の高さの半分より薄く形成されている。
この構造は、例えば、SOI基板の埋め込み絶縁層上のシリコン(SOI)層を、公知のフォトリソグラフィまたは電子線リソグラフィなどの一般的なリソグラフィ技術とエッチング技術とにより、コア以外の領域を薄く残すように微細加工することで形成できる。この場合、SOI基板の埋め込み絶縁層が、下部クラッド層102となる。また、SOI層を加工して形成したパターンが、コア103となり、残した領域がスラブ層104,スラブ層105となる。
このように形成したコア103は、これより屈折率が小さい材料からなる上部クラッド層106により覆われている。上部クラッド層106は、層厚2〜6μm程度である。従って、コア103は、コア103より屈折率の小さい下部クラッド層102と上部クラッド層106とに挟まれて形成されている。また、コア103以外の領域では、下部クラッド層102と上部クラッド層106との間に、スラブ層104,スラブ層105が挟まれた状態となっている。これらにより、リブ型導波路が構成されている。
上部クラッド層106は、下部クラッド層102と同様に、酸化シリコン,酸窒化シリコン,窒化シリコンなどから構成すればよい。また、上部クラッド層106は、ポリイミド樹脂,エポキシ樹脂、シリコーン樹脂などの有機樹脂材料を用いるようにしても良い。材料に起因する損失が少なく、屈折率の設計が容易であり、シリコン細線を利用した光デバイスの作製プロセスとの整合性が良く、環境に対する変化が小さな材料であれば、どのような材料を上部クラッド層106に用いるようにしても良い。
また、コア103を中心とした導波路の導波方向の一部領域において、コア103の両脇近傍のスラブ層104およびスラブ層105に、n型キャリア供給部104aおよびp型キャリア供給部105aを備えている。n型キャリア供給部104aおよびp型キャリア供給部105aは、各々コア103の近傍にコア103を挟んで対向配置されている。また、n型キャリア供給部104aおよびp型キャリア供給部105aには、一部が上部クラッド層106の上に露出している電極141および電極151が各々接続している。
n型キャリア供給部104aおよびp型キャリア供給部105aは、電極141,151に電圧を印加しない状態において、コア103を中心とした導波路を導波する光の減衰に影響しない範囲で、コア103に可能な範囲で近い位置に形成されていればよい。また、n型キャリア供給部104aおよびp型キャリア供給部105aは、コア103に対してキャリアが注入できる範囲に形成されていればよい。例えば、n型キャリア供給部104aおよびp型キャリア供給部105aは、コア103より2μm程度離れた領域に形成すればよい。また、n型キャリア供給部104aおよびp型キャリア供給部105aは、イオン注入法,拡散法,およびプラズマドーピング法など、公知の不純物導入技術を用いることで容易に形成できる。
この可変光減衰器では、n型キャリア供給部104a,p型キャリア供給部105aが形成されているスラブ層104,スラブ層105を、コア103の高さの半分より薄く形成している。この構造により、コア103を導波する光は、スラブ層104およびスラブ層105にしみ出すことがほとんど無く、コア103の部分に集中してシングルモードを形成する。このため、本実施の形態における可変光減衰器によれば、導波路の中の光強度の大きな領域に不純物が導入された領域が存在せず、信号光を減衰させずに伝搬させること可能となっている。
本実施の形態における可変光減衰器では、電極141,電極151に電圧を印加することで、n型キャリア供給部104aおよびp型キャリア供給部105bから、キャリアをコア103に注入してPN間に電流を流し、コア103を導波(伝搬)する信号光を注入されたキャリアによって吸収させることで強度を減衰させる。また、PN間に流れる電流の大きさを変化させることで、n型キャリア供給部104aおよびp型キャリア供給部105bからコア103に注入されるキャリアの量を変化させ、上述した信号光の減衰量を可変させることができる。
加えて、この可変光減衰器では、電極141および電極151に挟まれた領域のコア103の上面に、この領域のコア103を酸化することで形成した酸化シリコン層107を備える。例えば、よく知られた熱酸化法、もしくはプラズマ酸化法により、酸化シリコン層107が形成できる。酸化シリコン層107は、層厚5nm程度であればよい。酸化シリコン層107を備えることで、上述した電圧印加において、不要な電流の流れが防止でき、低消費電力化を図ることができるようになる。なお、酸化シリコン層107は、コア103(導波路)の全域に形成されていてもよい。
実際に、n型キャリア供給部104aとp型キャリア供給部105bの不純物濃度を、各々1020個/cm3、PN間距離を3μmとして可変光減衰器を作製し、酸化シリコン層107を備える本実施の形態における可変光減衰器と、酸化シリコン層107を備えない可変光減衰器の特性を比較した、この結果、酸化シリコン層107を備えるを可変光減衰器は、酸化シリコン層107を備えない場合に比較して約1/3の電流で同じ光減衰が得られた。このように、酸化により形成した酸化シリコン層107により、可変光減衰器動作の低消費電力化が実現できることが確認された。
次に、本実施の形態1における可変光減衰器の作製方法について説明する。まず、図2Aに示すように、シリコン基部101,埋め込み酸化層からなる下部クラッド層102,および表面シリコン層(SOI層)201を備えるSOI基板を用意する。次に、図2Bに示すように、SOI層201を酸化処理して層厚5nm程度の酸化層202を形成する。例えば、酸素ガスの電子サイクロトロン共鳴(ECR)プラズマを、SOI層201の表面に4分程度照射することで、酸化層202を形成することができる。この酸化処理で形成した酸化層202が、コア103上部の酸化シリコン層107となる。引き続き、例えばプラズマCVD法により、酸化層202の上に膜厚0.1μm程度の酸化シリコン膜203を形成する。
次に、図2Cに示すように、公知のフォトリソグラフィまたは電子線リソグラフィなどの一般的なリソグラフィ技術により、コア形成領域の酸化シリコン膜203の上に、レジストパターン204を形成する。次に、レジストパターン204をマスクとし、例えばC26などのフッ化水素系ガスを用いた反応性エッチング(RIE)により、酸化シリコン膜203および酸化層202を選択的にエッチングし、図2Dに示すように、酸化シリコンパターン205および酸化シリコン層107を形成する。
次に、レジストパターン204を公知のアッシング技術により除去した後、酸化シリコンパターン205(酸化シリコン層107)をマスクパターンとし、例えばCF4やSF6などのガスを用いたRIEにより、SOI層201を選択的に途中までエッチングする。このエッチングにより、図2Eに示すように、下部クラッド層102の上に、コア103およびスラブ層104,スラブ層105を形成する。
次に、図示しないマスクパターンを用いた選択的なイオン注入などの公知の不純物導入技術により、図2Fに示すように、n型キャリア供給部104aおよびp型キャリア供給部105aを形成する。次に、例えばプラズマCVD法により、酸化シリコンを堆積することで、図2Gに示すように、上部クラッド層106を形成する。上部クラッド層106は、酸化シリコンに限らず、コア103より屈折率の小さい材料から構成すればよい。これにより、リブ型構造のシリコン細線導波路が形成される。また、コア103の上面には、酸化により形成した酸化シリコン層107が配置された状態となる。なお、酸化シリコンパターン205は、上部クラッド層106と共に、上部のクラッド層を構成するものとなる。
次に、例えばC24やSF6などのガスによるRIEを用いた選択的なエッチングにより、図2Hに示すように、コンタクトホール161およびコンタクトホール162を上部クラッド層106に形成する。コンタクトホール161は、n型キャリア供給部104aの表面が露出するように、上部クラッド層106を貫通させて形成する。また、コンタクトホール162は、p型キャリア供給部105aの表面が露出するように、上部クラッド層106を貫通させて形成する。
次に、形成した各コンタクトホールを充填するように金属膜を形成し、この金属膜をパターニングすることで、図1Aに示したように、n型キャリア供給部104aに接続する電極141およびp型キャリア供給部105aに接続する電極151を形成する。
なお、上部クラッド層106は、シリコン層(SOI層201)のエッチングマスクとしている酸化シリコンパターン205と同じ材料を用いるのが、導波路屈折率構造の観点から望ましい。ただし、酸化シリコンパターン205は薄く影響が小さいので、これと異なる材料から上部クラッド層106を形成してもよい。例えば、屈折率がシリコン酸化膜より高い、シリコンリッチな酸化膜、シリコン窒化酸化膜、シリコン窒化膜などから上部クラッド層106を構成してもよい。また、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂などの有機樹脂材料を用いるようにしても良い。
ここで、図3を用い、酸素ガスのECRプラズマ照射により酸化して形成する酸化層202について説明する。図3は、ECRプラズマ処理装置に酸素ガスを導入し、プラズマ生成室内の圧力を0.15Paとし、マイクロ波パワー400Wでプラズマ生成室内に生成したECRプラズマを、発散磁場により処理室に引き出し、シリコン基板表面に照射したときの、照射時間と酸化膜厚との関係を示す。シリコン基板は特に加熱していない。
図3に示すように、2分程度の酸素のECRプラズマ照射で、酸化層の層厚は4.5nm程度形成され、この後はほとんど増加せず、6分でも層厚5.8nmという結果が得られた。また、酸素のECRプラズマを用いたシリコンの酸化では、基板をヒーターなどで加熱する必要が無いこともわかった。酸化層の形成は、シリコンが酸素プラズマにより酸化シリコンに変化する反応によるため、酸化が進み酸化層が形成されていくとシリコンが消費されシリコン層が薄くなることを意味する。シリコン導波路作製では、コアとなるシリコン層を必要以上に酸化させるとコアが薄くなることになり、導波路の特性に影響がでてしまうため、酸化層はなるべく薄い方がよい。ECRプラズマ照射による酸化は、5nm程度酸化膜が形成されると酸化反応が止まるため、本発明の導波路型の光可変減衰器の作製には非常に適している。また、ECRプラズマ酸化の膜の特性は、熱酸化膜並みに良いことが知られており、絶縁層として使用する発明の目的にも非常に適する。
[実施の形態2]
次に、本発明の実施の形態2について、図4A〜図4Jを用いて説明する。本実施の形態2における可変光減衰器の作製方法を説明するための工程図である。
まず、図4Aに示すように、シリコン基部101,埋め込み酸化層からなる下部クラッド層102,および表面シリコン層(SOI層)201を備えるSOI基板を用意する。これは、前述した実施の形態1と同様である。次に、例えばプラズマCVD法により、SOI層201の上に膜厚0.1μm程度の酸化シリコン膜401を形成する。本実施の形態では、この段階では、酸化を行わない。
次に、図4Bに示すように、公知のフォトリソグラフィまたは電子線リソグラフィなどの一般的なリソグラフィ技術により、コア形成領域の酸化シリコン膜401の上に、レジストパターン402を形成する。次に、レジストパターン402をマスクとし、例えばC26などのフッ化水素系ガスを用いた反応性エッチング(RIE)により、酸化シリコン膜401を選択的にエッチングし、図4Cに示すように、酸化シリコンパターン403を形成する。なお、図4Cは、レジストパターン402を公知のアッシング技術により除去した後の状態を示している。
次に、酸化シリコンパターン403をマスクパターンとし、例えばCF4やSF6などのガスを用いたRIEにより、SOI層201を選択的に途中までエッチングする。このエッチング加工は、前述した実施の形態1と同様である。このエッチングにより、図4Dに示すように、下部クラッド層102の上に、コア103およびスラブ層104,スラブ層105を形成する。
次に、酸化シリコンパターン403をマスクパターンとした選択的なイオン注入などの公知の不純物導入技術により、図4Eに示すように、n型キャリア供給部104aおよびp型キャリア供給部105aを形成する。この不純物導入は、前述した実施の形態1と同様である。
次に、本実施の形態2においては、酸素ガスのECRプラズマを、コア103の側面,スラブ層104,およびスラブ層105に照射する。この酸素のECRプラズマの照射では、基板加熱をせずに行う。また、この酸素のECRプラズマは、基板を傾斜させて照射し、コア103の側面にもプラズマが照射されるようにするとよい。この酸素のECRプラズマ照射により、図4Fに示すように、コア103の側面,スラブ層104,およびスラブ層105の表面に、酸化層108および酸化層109を形成する。酸化層108,酸化層109は、例えば、層厚5nm程度に形成すればよい。この実施の形態では、酸化シリコンパターン403を備えているので、コア103の上面は、酸化されることがない。
ここで、酸化層108,酸化層109を形成した後に、上部クラッド層を形成するが、上部クラッド層を形成する前に、酸化シリコンパターン403を除去し、酸化をしてコア103の上面も酸化するようにしてもよいが、この場合、酸化シリコンパターン403を除去する工程が増えるという問題がある。酸化シリコンパターン403は、後述する上部クラッド層を同様に、コア103に対して屈折率の低い酸化シリコンから構成されているので、コア103に対してクラッドとして機能する。このため、酸化シリコンパターン403は、除去する必要はない、
以上のようにして、酸化層108,酸化層109を形成した後、例えばプラズマCVD法により、酸化シリコンを堆積することで、図4Gに示すように、上部クラッド層106を形成する。上部クラッド層106は、酸化シリコンに限らず、コア103より屈折率の小さい材料から構成すればよい。これにより、リブ型構造のシリコン細線導波路が形成される。また、コア103の上面には、酸化により形成した酸化シリコン層107が配置された状態となる。なお、酸化シリコンパターン403は、上部クラッド層106と共に、上部のクラッド層を構成するものとなる。
次に、例えばC24やSF6などのガスによるRIEを用いた選択的なエッチングにより、図4Hに示すように、コンタクトホール161およびコンタクトホール162を上部クラッド層106に形成する。コンタクトホール161は、n型キャリア供給部104aの表面が露出するように、上部クラッド層106を貫通させて形成する。また、コンタクトホール162は、p型キャリア供給部105aの表面が露出するように、上部クラッド層106を貫通させて形成する。
次に、形成した各コンタクトホールを充填するように金属膜を形成し、この金属膜をパターニングすることで、図4Iに示すように、n型キャリア供給部104aに接続する電極141およびp型キャリア供給部105aに接続する電極141を形成する。なお、上述では、n型キャリア供給部104aおよびp型キャリア供給部105aを形成した後で、酸化層108および酸化層109を形成したが、これに限るものではない。例えば、酸化層108および酸化層109を形成した後に、n型キャリア供給部104aおよびp型キャリア供給部105aを形成してもよい。よく知られているように、5nm程度の極薄い酸化層108および酸化層109が形成されていても、スラブ層104およびスラブ層105に、n型キャリア供給部104aおよびp型キャリア供給部105aを形成することは容易である。例えば、イオン注入法、拡散法、およびプラズマドーピング法などの、よく知られた不純物導入技術を用いればよい。
本実施の形態における可変光減衰器においても、電極141,電極151に電圧を印加することで、n型キャリア供給部104aおよびp型キャリア供給部105bから、キャリアをコア103に注入してPN間に電流を流し、コア103を導波(伝搬)する信号光を注入されたキャリアによって吸収させることで強度を減衰させる。また、PN間に流れる電流の大きさを変化させることで、n型キャリア供給部104aおよびp型キャリア供給部105bからコア103に注入されるキャリアの量を変化させ、上述した信号光の減衰量を可変させることができる。本実施の形態においても、酸化シリコン層108,109を備えない場合に比較して約1/3の電流で同じ光減衰が得られた。
加えて、この可変光減衰器においても、電極141および電極151に挟まれた領域の
コア103の側面からスラブ層104,スラブ層105の表面にかけての領域に、この領域を酸化することで形成した酸化シリコン層108,109を備える。このため、上述した電圧印加において、不要な電流の流れが防止でき、低消費電力化を図ることができるようになる。なお、上述した製造方法によれば、酸化シリコン層108,109は、コア103およびスラブ層104,105(n型キャリア供給部104a,p型キャリア供給部105aを含む)の全域に形成さるものとなる。ただし、酸化シリコン層108,109は、このように全域に形成されてる必要はない。例えば、電極141および電極151に挟まれた領域において、コア103側面およびスラブ層104,105の表面に、酸化シリコン層108,109が形成されていてもよい。
以上説明したように、本発明では、シリコンコアとこれを覆う上部クラッド層との間において、コアの側面からスラブ層の表面にかけての領域およびコアの上面の少なくとも一方に、これらを酸化して酸化シリコン層を形成するようにしたため、PIN構造に電圧を印加したときにコア内部以外を流れる無駄なリーク電流が防止できるようになる。ここで、酸化することで形成する酸化シリコン層は、コアの上面、およびコアの側面とスラブ層の上面とのいずれか一方に形成されていてもよく、また、両方に形成されていてもよい。
101…シリコン基部、102…下部クラッド層、103…コア、104,105…スラブ層、104a…n型キャリア供給部、105a…p型キャリア供給部、106…上部クラッド層、107…酸化シリコン層、141,151…電極、161,162…コンタクトホール、201…表面シリコン層(SOI層)、202…酸化層、203…酸化シリコン膜、204…レジストパターン、205…酸化シリコンパターン。

Claims (4)

  1. シリコンよりも屈折率の小さい下部クラッド層を形成する工程と、
    前記下部クラッド層の上にシリコン層を選択的に途中までエッチングすることで、コアおよび前記コアを挟んで配置されて前記コアより薄いスラブ層を形成する工程と、
    前記スラブ層の一部領域に前記コアを挟むようにp型キャリア供給部およびn型キャリア供給部を形成する工程と、
    前記コアの側面から前記スラブ層の表面にかけての領域および前記コアの上面の少なくとも一方を酸化して酸化シリコン層を形成する工程と、
    前記コアおよび前記酸化シリコン層を覆って前記スラブ層の上に上部クラッド層を形成する工程と、
    前記n型キャリア供給部及び前記p型キャリア供給部に各々接続する電極を形成する工程と
    を少なくとも備えることを特徴とする可変光減衰器の作製方法。
  2. 請求項1記載の可変光減衰器の作製方法において、
    前記酸化シリコン層は、プラズマ酸化法により形成することを特徴とする可変光減衰器の作製方法。
  3. 請求項2記載の可変光減衰器の作製方法において、
    前記酸化シリコン層は、電子サイクロトロン共鳴により発生する酸素ガスのプラズマを用いることを特徴とする可変光減衰器の作製方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の可変光減衰器の作製方法において、
    酸化シリコン層の形成は、前記コアを形成した後に行うことを特徴とする可変光減衰器の作製方法。
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