JPH11194221A - 光導波路の形成方法および光導波路素子 - Google Patents

光導波路の形成方法および光導波路素子

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JPH11194221A
JPH11194221A JP135298A JP135298A JPH11194221A JP H11194221 A JPH11194221 A JP H11194221A JP 135298 A JP135298 A JP 135298A JP 135298 A JP135298 A JP 135298A JP H11194221 A JPH11194221 A JP H11194221A
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JP
Japan
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layer
optical waveguide
substrate
porous silicon
wafer
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JP135298A
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Taiji Tsuruoka
泰治 鶴岡
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Oki Electric Industry Co Ltd
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Oki Electric Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基板上に光導波路、特に、下部クラッド層、
を効率よく且つ高密度、高精度に形成可能な光導波路の
形成方法を提供すること。 【解決手段】 Siウェーハの基板20(図4(a))
の表面のうち下部クラッド層を形成しようとする領域を
除きマスク21で覆う(図4(c))。また基板20の
裏面側には、Al電極22および保護用のワックス層2
3を形成する(図4(d))。そして、これを陽極酸化
することで、マスク21に覆われていなかった領域を多
孔質シリコンにする(図4(e))。この多孔質シリコ
ンの厚さ、屈折率等は、陽極酸化の際の条件によって所
望の値に制御できる。陽極酸化後は、Al電極22およ
びワックス層23を除去する(図4(f))。従って、
この多孔質シリコンを下部クラッド層として利用するこ
とができる。コア層、上部クラッド層は、この下部クラ
ッド層の上に形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリコン上に形成
される光導波路の形成方法および光導波路素子に関す
る。
【0002】
【従来の技術】波長多重光伝送においては、伝送線に用
いられる光ファイバーが石英製のため、石英の光透過率
が最も良い波長帯域の光が通信に用いられる。そのた
め、光ファイバーとの接続損失および伝送損失を小さく
するため、導波路の材料には石英が採用されている。
【0003】この石英系導波路作製にあたってはSiウ
ェーハ上に超高純度石英層を形成しなければならない。
その厚さは、下部クラッド層として25μm程度、コア
層として8μm程度、更に、上部クラッド層として20
μm程度が必要である。そのため、光導波路として使用
可能な高純度且つ高密度なSiO2を高速にSi基板上
へ堆積しなければならなかった。特に厚さが要求される
下部クラッド層は高速なSiO2堆積が求められてい
た。
【0004】高速で高純度なSiO2を堆積する方法と
しては、火炎堆積法によって、ガラス微粒子からなる多
孔質ガラス膜を堆積し、これを加熱して透明ガラス化す
る方法があった。このような従来技術については、下記
文献1に記載されている。
【0005】また、下記文献2には、プラズマCVD法
により石英系膜を堆積する技術が開示されている。
【0006】文献1:光学、第18巻第12号(198
9年12月)、pp.681−688 文献2:特開平6―289243号公報 文献3:Surface Science 152/1
53(1985),pp1051−1062 文献4:Jap.J.Appl.Phys.、Vol.
19、No2,1980.pp.231−241
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、火炎堆積法に
は、様々な解決困難な問題、例えば、微粒子噴出速度や
噴出部の機構制御の困難さ、堆積時の基板の温度制御の
困難さ、粉末の取り扱いの困難さ、さらには、高温での
溶融処理の困難さ等があったため、実用化に至るまでに
長い年月を要していた。
【0008】また、火炎堆積法は基板全面に石英膜を堆
積するものであるが、この堆積した石英膜を高温で溶融
させる際に、石英とSiとの熱膨張差から大きな応力が
生じ、図5に示すようにSiウェーハを大きく反らせて
しまうことがあった。その結果、フォトリソグラフィ工
程でフォトマスクと基板(Siウェーハ)との間に不均
一なギャップが生じ、基板面全体にバラツキのない高精
度なパターンを形成することができないという問題もあ
った。
【0009】ところで、Siウェーハは、LSIの製造
工程においても大量に使用されている。このようなLS
Iの製造に使用されるSiウェーハは、直径4インチ、
厚さ525μmといった仕様のものが多く、既に標準化
され安価且つ大量に製造販売されている。従って、この
ような仕様のSiウェーハを光導波路製造用の基板とし
てそのまま使用できれば、コストを大幅に引き下げるこ
とが可能である。しかし、このようなLSI製造に一般
的に用いられている仕様(直径4インチ、厚さ525μ
m)のSiウェーハを用いたのでは、プラズマCVD法
で石英膜を堆積した場合においても、前述した理由によ
って、中央部が周辺部よりも350μm以上凸状に反っ
てしまうこともあった。応力に耐えて平面性を保つため
には、直径4インチのSiウェーハであれば厚さ1mm
以上が必要であり、光導波路素子の高コスト化の原因の
一つとなっていた。また、このような厚みの違いが原因
となって、光導波路の製造にLSI製造プロセスの製造
ライン、製造装置を流用できなかった。
【0010】本発明は、Siウェーハ上に短時間に、高
純度且つ高密度のSiO2を形成できる光導波路の形成
方法および光導波路素子を提供することを目的とする。
【0011】本発明は、Siウェーハの反りを防止しつ
つ、Siウェーハ上に高純度且つ高密度のSiO2を形
成できる光導波路の形成方法および光導波路素子を提供
することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するためになされたものでありその第1の態様として
は、Si層上に形成される下部クラッド層、コア層およ
び上部クラッド層を備えて構成される光導波路の形成方
法において、Si層における所望の領域を陽極酸化する
ことで多孔質シリコンとし、前記多孔質シリコンを下部
クラッド層として、この上にコア層を形成し、さらに、
前記コア層を覆って上部クラッド層を形成することを特
徴とする光導波路の形成方法が提供される。
【0013】本発明の第2の態様としては、Si層上に
形成される下部クラッド層、コア層および上部クラッド
層を備えて構成される光導波路の形成方法において、S
i層における所望の領域を陽極酸化することで多孔質シ
リコンとし、該多孔質シリコンを熱酸化することでシリ
コン酸化膜とし、前記シリコン酸化膜を下部クラッド層
として、この上にコア層を形成し、さらに、前記コア層
を覆って上部クラッド層を形成することを特徴とする光
導波路の形成方法が提供される。
【0014】本発明の第3の態様としては、少なくとも
その表面にシリコン層を備えた基板と、前記シリコン層
中に配置された下部クラッド層と、前記クラッド層上に
配置されたコア層と、前記コア層を覆って配置された上
部クラッド層とを有することを特徴とする光導波路素子
が提供される。
【0015】前記下部クラッド層は、多孔質シリコンま
たはシリコン酸化物を含んで構成されていることが好ま
しい。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を、図面を用
いて説明する。
【0017】実施の形態1 Siウェーハ上における所望の領域(下部クラッド層を
形成する領域およびその周辺領域)のみを陽極酸化す
る。この陽極酸化は、図2に示した安価な装置で容易に
実施可能である。下部クラッド層を形成する領域以外の
部分は、陽極酸化されないようにあらかじめマスクして
おく。マスクを形成する具体的方法は特に限定されるも
のではない。様々なプロセスを組み合わせることで実現
可能である。
【0018】シリコンは、陽極酸化によって微細なポー
ラス(多孔質)シリコンになる。この多孔質シリコン
は、作成条件によってその屈折率を制御することができ
(参考文献3)、しかも、通信に用いられる波長(1.
31μm、1.55μm)の光の吸収率が小さい。さら
には、多孔質化された場合、単位体積当たりに残存する
シリコンの割合は20%程度に減少する。
【0019】そのためこのような多孔質シリコンの特性
を利用し、多孔質シリコンそのものを下部クラッド層と
して用いることができる。
【0020】このようにして作成された下部クラッド層
は、基板(Siウェーハ)の表面に埋め込まれた構造と
なっている。なお、この下部クラッド層の厚みは、陽極
酸化における通電時間、電流密度等を調整することで容
易に所望の値に制御できる。条件を最適化することで、
下部クラッド層(多孔質シリコン)の表面高さ位置をS
iウェーハと同位置にすることも可能である。このよう
にすれば、基板(Siウェーハ)面がこれ以後も平坦に
保たれる。
【0021】この後は、この多孔質シリコン層(下部ク
ラッド層)の上にコア層、上部クラッド層を形成する。
コア層、上部クラッド層については、従来技術と同様プ
ラズマCVD法等によって形成できる。
【0022】以上述べた実施の形態1では、陽極酸化に
よって屈折率が制御された多孔質シリコンを必要な部分
にのみ形成し、これを下部クラッド層として用いること
で、短時間に下部クラッド層を形成できる。
【0023】多孔質シリコンは、Siウェーハ上の必要
とされる部分にのみ形成できる。そのため、多孔質シリ
コン層を細いパターン上に形成するだけで済むため、S
iウェーハ全体には応力がほとんど発生せずSiウェー
ハも反ることはない。Siウェーハの全面に形成する必
要のある石英堆積膜は、コア層および上部クラッド層と
するべくプラズマCVD法等によって形成するものだけ
である。つまり、Siウェーハの全面に形成される石英
堆積膜の厚さが従来の約1/2で済むため、その分だ
け、Siウェーハにかかる応力が小さい。
【0024】Siウェーハの反りが低減されたことで、
フォトリソグラフィ工程において高精度のパターンをS
iウェーハの全面に渡って作製できるため、歩留まりを
向上できる。
【0025】さらには反りが生じにくいために、LSI
の生産用に大量に生産されている仕様のSiウェーハ、
例えば、直径4インチ厚さ525μm程度のSiウェー
ハを、用いることができ、さらに、ウェーハサイズを大
型化してもウェーハの厚みを極端に厚くする必要はなく
なる。また、製造ライン、製造装置についても、LSI
製造用のものを使うことができる。さらに、使用する薬
品も安価なものである。従って、低コストで優れた光導
波路を形成できる。
【0026】さらに、多孔質シリコンはSiウェーハに
埋め込まれた状態で形成できるため、ウェーハ面全体を
平坦な状態に保つことができる。
【0027】なお、多孔質シリコン層をパターン化する
ことなく、Siウェーハの全面に多孔質シリコンを形成
しても導波路を作製できることは明らかである。この場
合には、前述したマスクは形成する必要がない。
【0028】実施の形態2 Siウェーハ上における所望の領域(クラッド層を形成
する領域およびその周辺領域)のみを陽極酸化する。シ
リコンは、陽極酸化によって微細なポーラス(多孔質)
シリコンになる。この陽極酸化は、図2に示した安価な
装置で容易に実施可能である。下部クラッド層を形成す
る領域以外の部分は、陽極酸化されないようにあらかじ
めマスクしておく。マスクを形成する具体的方法は特に
限定されるものではない。様々なプロセスを組み合わせ
ることで実現可能である。
【0029】続いて、この多孔質シリコンを900℃程
度の水蒸気中で酸化する。このようにして得られたSi
2膜は、バルクのシリコンの熱酸化膜と同等の高密度
なものである(参考文献4)ため、これを下部クラッド
層として用いることができる。このようにして下部クラ
ッド層を形成した場合には、熱応力を低減した石英系光
導波路を作製できる。
【0030】このようにして作成された下部クラッド層
は、基板(Siウェーハ)の表面に埋め込まれた構造と
なっている。なお、この下部クラッド層の厚みは、陽極
酸化における通電時間、電流密度等を調整することで容
易に所望の値に制御できる。陽極酸化等の条件を最適化
することで、下部クラッド層(多孔質シリコンを酸化す
ることで得られたSiO2膜)の表面高さ位置をSiウ
ェーハと同位置にすることも可能である。このようにす
れば、基板(Siウェーハ)面がこれ以後も平坦に保た
れる。
【0031】この後は、このSiO2膜(下部クラッド
層)の上にコア層、上部クラッド層を形成する。コア
層、上部クラッド層の形成方法については、従来技術と
同様、例えば、プラズマCVD法等で形成できる。
【0032】以上説明したとおり本実施の形態2の光導
波路の製造方法によれば、下部クラッド層として使用す
る、多孔質シリコンを酸化して得られるSiO2層を、
Siウェーハ上の必要とされる部分にのみ形成できる。
つまり、極細いパターン化された部分にのみに石英層を
形成するだけで済むため、Siウェーハに反りを生じさ
せない。Siウェーハの全面に形成する必要のある石英
堆積膜は、コア層および上部クラッド層とするべくプラ
ズマCVD法等によって形成するものだけである。つま
り、Siウェーハの全面に形成される石英堆積膜の厚さ
が従来の約1/2で済むため、その分だけ、Siウェー
ハにかかる応力が小さい。
【0033】基板の反りが低減されたことで、フォトリ
ソグラフィ工程において高精度のパターンを基板の全面
に渡って作製できるため、歩留まりを向上できる。
【0034】さらには反りが生じにくいために、LSI
の生産用に大量に生産されている仕様のSiウェーハ、
例えば、直径4インチ厚さ525μm程度のSiウェー
ハを、用いることができ、さらに、ウェーハサイズを大
型化してもウェーハの厚みを極端に厚くする必要はなく
なる。また、製造ライン、製造装置についても、LSI
製造用の製造ライン、製造装置を使うことができる。さ
らに、使用する薬品も安価なものである。従って、低コ
ストで優れた光導波路を形成できる。
【0035】さらに、多孔質シリコンを酸化して得られ
るSiO2層はSiウェーハに埋め込まれた状態で形成
できるため、ウェーハ面全体を平坦な状態に保つことが
できる。
【0036】なお、多孔質シリコン層を酸化して得られ
るSiO2層をパターン化することなく、Siウェーハ
の全面に形成しても導波路を作製できることは明らかで
ある。
【0037】本発明の光導波路製造方法は、例えば、石
英系導波路を用いたマッハツェンダ型フィル夕、NXN
スターカプラ、波長多重光回路ユニット素子、アレイ導
波路格子型合分波回路素子の製造に適用可能である。
【0038】上述した説明はSiウェーハに光導波路を
形成する場合についてのものであった。しかし、少なく
ともその表面に十分な厚さのシリコン層を備えた基板で
あれば、本発明の適用対象となる。
【0039】これ以降においては実施例を用いてより具
体的に本発明を説明する。
【0040】
【実施例】実施例1 本実施例1は、実施の形態1についてより具体的な例を
挙げたものである。以下、図1に沿って説明する。
【0041】本実施例1では加工対象となる基板とし
て、片面が鏡面研磨され且つボロン(B)がドープされ
た、抵抗率25Ω・cmのSiウェーハ1を用いる(図
1(a))。なお、これ以降の説明においては、単にS
iウェーハのみならず、その時々におけるの加工対象
物、例えば、様々な処理が施された後のSiウェーハ、
膜等が形成された状態のSiウェーハ全体についても同
様に「基板1」と呼ぶ場合がある。
【0042】処理1−1 基板1を、熱酸化炉において水蒸気混入酸素雰囲気中、
1100℃で10分間の酸化を行う。このとき、基板1
の全面にはSi酸化膜2が厚さ約200nm形成された
(図1(b))。
【0043】処理1−2 フォトリソグラフィ技術を用いてSi酸化膜2上に有機
レジスト(東京応化製、商品名「OFPR8600」)
のパターンを形成し、Si酸化膜2の不要な部分(パタ
ーンによって覆われていない部分)をHF10%水溶液
によって除去する(図1(c))。下部クラッド層は厚
さが通常25μmで十分である。横方向についてもこの
長さを適用すると、下部クラッド層はコア部の両側壁か
ら25μm以上広がりがあればよいことになる。従っ
て、ここでは、パターンの幅は60μmとしている。
【0044】処理1−3 オキシ塩化リン(POCl3)と酸素との混合雰囲気
中、1100℃で、リン(P)をSi面が露出する部分
に拡散させる。さらに、窒素雰囲気中、1000℃で、
60分間の熱処理を行う。以上の結果、基板1には50
0nm程度の深さのn型Si層3が形成された。また、
このとき、基板1表面には、Si酸化膜4が同時に形成
された(図1(d))。
【0045】処理1−4 基板1の上のすべての酸化膜を除去する(図1
(e))。
【0046】処理1−5 基板1の裏面に、アルミニウム(Al)を厚さ500n
m真空蒸着することで、Al層5を形成する。さらに、
Al層5の上に、HF溶液に対する耐性を備えたワック
スを塗布することで、プロテクトワックス層6を形成す
る(図1(f))。
【0047】処理1−6 基板1を陽極酸化することで多孔質シリコン層11を形
成する(図1(g))。多孔質シリコンの形成には、ホ
ールの供給が必要である。p型Siは電気の伝導がホー
ルにより行われるタイプであるため、陽極酸化が進む。
これに対して、n型Siになっている部分にはホールの
供給がないため、陽極酸化は起こらない。従って、p型
Si層の部分のみに陽極酸化が進む。
【0048】陽極酸化は具体的には図2の装置を用いて
以下のようにして行う。基板1を、25%HF水溶液中
に浸し、白金製の対向電極33を用いて、定電流電源3
4を用いて30mA/cm2の電流密度で10分間通電
することで陽極酸化を行う。この陽極酸化は超音波発生
器30を備えた水槽31上のテフロンビーカ32内にお
いて行う。
【0049】以上述べた陽極酸化によって、基板1の表
面には、深さ約30μmまで多孔質シリコン層11が形
成された。多孔質シリコンの単位体積当たりに残存する
シリコンの割合は約20%、このときの屈折率はおおよ
そ1.452(波長633nm)となった。また、n型
Si層3は多孔質シリコンにはならなかった。
【0050】処理1−7 基板1を純水で水洗した後、キシレンでプロテクトワッ
クス層6を溶かして除去する。さらに、Al層5をエッ
チングによって除去する(図1(h))。エッチング液
には、燐酸:酢酸:純水=3:1:5部の割合の溶液を
用いる。
【0051】処理1−8 この基板1の上に、コア層となるSiO2膜12(屈折
率1.4580)をプラズマCVD法によって厚さ8μ
m形成する(図1(i))。反応ガスには、テトラエト
キシシラン(TEOS)ガスと酸素ガスとの混合ガスを
用いる。以下、このSiO2膜12を「コア層12」と
呼ぶ場合がある。
【0052】処理1−9 SiO2膜(コア層)12上にスパッタ法によってα―
Si膜13を1μm形成する(図1(j))。なお、こ
のα―Si膜13は、SiO2膜(コア層)12をエッ
チングする際のマスク材となるものである。
【0053】処理1−10 フォトリソグラフィ技術を用いて、α―Si膜13上に
有機レジストパターンを作製する(図示せず)。この有
機レジストパターンをマスクとし、反応性イオンエッチ
ング装置を用いてエッチングすることで、α―Si膜1
3を導波路コアのパターン状に加工する(図1
(k))。エッチングガスには、HBrガスを用いる。
図中、このパターン化によって残っているα―Si膜1
3の部分に符号「14」を付した。以下、該部分を「α
―Siコアパターン14」と呼ぶ。
【0054】処理1−11 残っているα―Si膜13をマスク材として、反応性イ
オンエッチング装置を用いて、SiO2膜(コア層)1
2をパターン化する(図1(l))。エッチングガスに
は、C26+C24ガスを用いる。これにより、SiO
2膜(コア層)12は、導波路の形状にパターン化され
た。この場合、反応性イオンエッチングの特性上、コア
層12の側壁は基板面に対してほぼ垂直になった。図
中、このパターン化によって残っているSiO2膜(コ
ア層)12の部分に符号「15」を付した。以下、該部
分を「コア部15」と呼ぶ。
【0055】処理1−12 α―Siコアパターン14をSF6ガスで選択的にエッ
チング除去する(図1(m))。この時有機レジストパ
ターンは既にSiO2エッチング時点でエッチングされ
てなくなっている。
【0056】処理1−13 プラズマCVD法を用いて、SiO2からなる厚さ約2
0μmの上部クラッド層16を最上層に形成する(図1
(n))。この場合、屈折率が熱酸化シリコン膜と同じ
になるようにする。
【0057】以上の処理により平面光導波路が完成す
る。
【0058】実施例2 本実施例2は、実施の形態2についてより具体的な例を
挙げたものである。すなわち、本実施例2は、陽極酸化
によって形成した多孔質シリコンを酸素+水蒸気雰囲気
中で熱処理することで酸化シリコンとし、これを下部ク
ラッド層としている。これ以外の点は、実施例1とほぼ
同様である。但し、処理1−6における多孔質シリコン
の作製条件については、多孔質シリコンの酸化後の体積
変化が起きないように最適化を図っている。
【0059】本実施例2は、以下において述べる処理1
−1〜処理1−5,処理1−6’、処理1−7、処理2
−1、処理1−8’、処理1−9〜処理1−13からな
る。以下、順に説明する。
【0060】処理1−1〜処理1−5については実施例
1と同様である。
【0061】処理1−6’ 図2に示す装置を用いて基板1を陽極酸化する。この陽
極酸化は、40%HF水溶液、100mA/cm2の電
流密度で10分間通電することで行う。以上述べた陽極
酸化によって、基板1の表面には、深さ約30μmまで
多孔質シリコン層11が形成された(図1(g))。こ
の多孔質シリコン層11の単位体積当たりに残存するシ
リコンの割合は約45%であった。
【0062】処理1−7 実施例1と同様である。すなわち、基板1を純水で水洗
した後、キシレンでプロテクトワックス層6を溶かして
除去する。さらに、Al層5をエッチングによって除去
する(図1(h))。エッチング液には、燐酸:酢酸:
純水=3:1:5部の割合の溶液を用いる。
【0063】処理2−1 この基板1を、純水をバブリングすることで生成した水
蒸気を流した酸素雰囲気中で900℃、30分間の熱処
理を行うことで、多孔質シリコン層11を酸化してSi
2層17にする(図3)。このSiO2層17の屈折率
は1.4588であった。
【0064】処理1−8’ この基板1の上に、コア層となるSiO2膜12(屈折
率1.446460)をプラズマCVD法によって厚さ
8μm形成する(図1(i))。反応ガスには、テトラ
エトキシシラン(TEOS)ガスと酸素ガスとの混合ガ
スを用いる。以下、このSiO2膜12を「コア層1
2」と呼ぶ場合がある。
【0065】処理1−9〜処理1−13は、実施例1と
同様である。
【0066】以上の処理により平面光導波路が完成す
る。
【0067】以上述べた実施例2では、陽極酸化によっ
て屈折率が制御された多孔質シリコンを必要な部分にの
み形成し、900℃程度の低温で酸化することで熱応力
が抑えられた基板が作製できる。しかも、この酸化膜
は、純粋なSi熱酸化膜と同様な性質であり、光の伝送
特性に優れたものである。
【0068】実施例3 本実施例3は、実施の形態1についてのものである。以
下、該実施例3を図4に沿って説明する。
【0069】本実施例3では加工対象となる基板20と
して、片面が鏡面研磨され且つボロン(B)がドープさ
れた、抵抗率25Ω・cmのSiウェーハを用いる(図
4(a))。なお、これ以降の説明においては、単にS
iウェーハのみならず、その時々における加工対象物、
例えば、様々な処理が施された後のSiウェーハ、膜等
が形成された状態のSiウェーハ全体についても同様に
「基板20」と呼ぶ場合がある。
【0070】処理3−1 基板20上にスパッタ装置でSiをターゲットにして、
Ar+N2(20%)ガスを用いて300℃の基板加熱
温度で反応性スパッタを行い、SiNx膜21(但し、
xは4/3以下の実数)を600nm形成する(図4
(b))。
【0071】処理3−2 フォトリソグラフィ技術を用いてSiNx膜上に有機レ
ジスト(東京応化製、商品名「OFPR8600」)の
パターンを形成し、CH4+O2(5%)ガスによりSi
Nx膜21の不要部分を除去する(図4(c))。
【0072】処理3−3 2%HF水溶液で洗浄後、基板20の裏面に、アルミニ
ウム(Al)を厚さ500nm真空蒸着することで、A
l層22を形成する。さらに、Al層22の上にHF溶
液に対して耐性を有するワックスを塗布することで、プ
ロテクトワックス層23を形成する(図4(d))。
【0073】処理3−4 図2に示す装置を用いて基板20を陽極酸化する(図4
(e))。多孔質シリコン層24の形成は、SiNx膜
21のない部分で進む。多孔質シリコン層24の形成方
法および特性は、実施例1(処理1−7)と同様であ
る。
【0074】処理3−5 実施例1の処理1−7と同様である。すなわち、基板2
0を純水で水洗した後、キシレンでプロテクトワックス
層23を溶かして除去する。さらに、Al層5をエッチ
ングによって除去する(図4(f))。エッチング液に
は、燐酸:酢酸:純水=3:1:5部の割合の溶液を用
いる。
【0075】処理3−6 実施例1の処理1−8〜処理1−13と同様にして、コ
ア層、上部クラッド層を形成する。この場合、SiNx
はそのままの状態であるが、コア層、上部クラッド層の
形成には全く影響がない。
【0076】以上の処理により平面光導波路が完成す
る。
【0077】以上述べた実施例3では、スパッタ装置に
よって容易且つ短時間に形成できるSiNx膜をマスク
として採用している。そのため、実施例1、実施例2の
製造方法と比較して拡散の工程を省くことができる。
【0078】上述した実施例1、2、3で作製した光導
波路は、いずれも、直線部分のコア部の形状が8μm×
8μm、屈折率差0.4%のものである。各実施例1、
2、3で作製した光導波路の特性を測定した結果、多孔
質シリコンをそのまま下部クラッド層に用いた場合に
は、伝搬損失が0.3dB/cm(波長1.31μm)
であった。一方、多孔質シリコンをシリコン酸化膜に熱
処理した場合には、伝搬損失が0.1dB/cm(波長
1.31μm)であった。このようにいずれについても
光導波路として十分な特性を有するものであることが確
認された。
【0079】
【発明の効果】以上説明したとおり本発明によれば、光
導波路、特に、下部クラッド層を効率よく短時間で形成
できる。しかも、光導波路は所望の部分にのみ形成でき
るため、基板全体に反りが生じない。基板として汎用品
を用いることができるため、低コストで光導波路素子を
形成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1における製造手順を示す図
である。
【図2】 超音波発生器を示す模式図である。
【図3】 本発明の実施例2における製造手順を示す図
である。
【図4】 本発明の実施例3における製造手順を示す図
である。
【図5】 従来技術におけるSiウェーハの反りを示す
模式図である。
【符号の説明】
1,20 基板、 2 Si酸化膜、 3 n型Si
層、 4 Si酸化膜4、 5,22 Al層、 6,
23 プロテクトワックス層、 11,24 多孔質シ
リコン層、 12 SiO2膜(コア層)、 13 α
―Si膜、 14α―Siコアパターン、 15 コア
部、 16 上部クラッド層、 17SiO2層、 2
1 SiNx膜、 30 超音波発生器、 31 水
槽、 32 テフロンビーカ、 33 対向電極、 3
4 定電流電源

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Si層上に形成される下部クラッド層、
    コア層および上部クラッド層を備えて構成される光導波
    路の形成方法において、 Si層における所望の領域を陽極酸化することで多孔質
    シリコンとし、 前記多孔質シリコンを下部クラッド層として、この上に
    コア層を形成し、 さらに、前記コア層を覆って上部クラッド層を形成する
    ことを特徴とする光導波路の形成方法。
  2. 【請求項2】 Si層上に形成される下部クラッド層、
    コア層および上部クラッド層を備えて構成される光導波
    路の形成方法において、 Si層における所望の領域を陽極酸化することで多孔質
    シリコンとし、 該多孔質シリコンを熱酸化することでシリコン酸化膜と
    し、 前記シリコン酸化膜を下部クラッド層として、この上に
    コア層を形成し、 さらに、前記コア層を覆って上部クラッド層を形成する
    ことを特徴とする光導波路の形成方法。
  3. 【請求項3】 少なくともその表面にシリコン層を備え
    た基板と、 前記シリコン層中に配置された下部クラッド層と、 前記クラッド層上に配置されたコア層と、 前記コア層を覆って配置された上部クラッド層とを有す
    ることを特徴とする光導波路素子。
  4. 【請求項4】 前記下部クラッド層は、多孔質シリコン
    またはシリコン酸化物を含んで構成されていることを特
    徴とする請求項3記載の光導波路素子。
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