JPH0825407A - 多層成形体の製造方法 - Google Patents

多層成形体の製造方法

Info

Publication number
JPH0825407A
JPH0825407A JP15849694A JP15849694A JPH0825407A JP H0825407 A JPH0825407 A JP H0825407A JP 15849694 A JP15849694 A JP 15849694A JP 15849694 A JP15849694 A JP 15849694A JP H0825407 A JPH0825407 A JP H0825407A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mold
skin material
resin
thermoplastic resin
supplied
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP15849694A
Other languages
English (en)
Inventor
Masato Matsumoto
正人 松本
Nobuhiro Usui
信裕 臼井
Seiji Terajima
聖二 寺嶋
Satoru Goto
覚 後藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Chemical Co Ltd filed Critical Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority to JP15849694A priority Critical patent/JPH0825407A/ja
Priority to ES95110729T priority patent/ES2169096T3/es
Priority to EP95110729A priority patent/EP0692362B1/en
Priority to KR1019950020205A priority patent/KR100382259B1/ko
Priority to DE69524488T priority patent/DE69524488T2/de
Priority to CA002154435A priority patent/CA2154435C/en
Priority to CN95107564A priority patent/CN1080176C/zh
Priority to TW084107220A priority patent/TW353045B/zh
Publication of JPH0825407A publication Critical patent/JPH0825407A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】開放状態にある雌雄両金型の所定の位置に表皮
材を載置する工程、表皮材と雌雄いずれかの金型面との
間に、供給する全溶融状熱可塑性樹脂量の内の、少なく
とも表皮材が貼布される基材部分の樹脂量に相当する量
の溶融状熱可塑性樹脂4を供給し、樹脂の未供給部分の
金型空間が密閉状態となり、かつキャビティクリアラン
スが最終製品厚になるまで表皮材と供給された樹脂を型
締めする工程、キャビティクリアランスを保持しつつ密
閉状態の金型空間に残余の溶融状熱可塑性樹脂4を射出
供給する工程、金型内で熱可塑性樹脂を冷却、固化させ
たのち、金型を開放、成形体を取り出す工程からなる。 【効果】表皮材の位置づれがなく所定の位置に表皮材が
貼合され、しかも表皮材の損傷も少なく、光沢むらや小
じわが生じることなく表面が均一で外観に優れた成形体
が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱可塑性樹脂からなる
基材の表面に表皮材が部分的に貼合された多層成形体を
製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂からなる基材の表面に表皮
材が部分的に貼合された多層成形体は、自動車内装部品
(たとえばドアトリム、リアトリム、インストルメント
パネル)や家電製品の外装部品などに広く使用されてい
る。このような多層成形体の代表的な製造方法として、
金型内の所定の位置に表皮材をセットしたのち金型を閉
じ、密閉された金型空間に溶融状熱可塑性樹脂を高圧で
圧入する射出成形法や、開放された金型間の所定の位置
に表皮材を載置し、表皮材と金型面との間に溶融状熱可
塑性樹脂を供給したのち型締を行なうプレス成形法(特
公平4−26289号)がよく知られている。
【0003】しかし、これらの方法において、たとえば
前者の射出成形法では、熱可塑性樹脂のみからなって表
皮材が貼合されていない領域(非貼合領域)での樹脂表
面に光沢むらや小じわが生じることなく外観も良好であ
るが、表皮材で貼合された領域(表皮材貼合領域)で
は、金型内の所定の位置に予めセットされた表皮材を位
置ずれを起こすことなく成形するのが困難なことに加
え、高圧で溶融樹脂が圧入されるために表皮材表面に設
けられたシボの低減を生じたり、溶融樹脂の高い射出速
度のために表皮材が損傷を受けるという問題がある。ま
た、後者のプレス成形法においては、表皮材の位置ずれ
や表皮材の損傷等の問題は生じないが、成形体が比較的
大型であって、金型内に設けた溶融樹脂の供給口が複数
であり、該供給口が非貼合領域においても存在する場合
には、得られた成形体の非貼合領域の表面に光沢むらや
小じわが生じ、不均一となって外観不良を生じるという
問題があった。このように、従来の射出成形法やプレス
成形法では、熱可塑性樹脂からなる基材の表面に表皮材
が部分的に貼合された多層成形体を製造する場合に、表
皮材貼合領域および非貼合領域のいずれかの領域に外観
上の問題が生じ、両方の領域を同時に満足させることが
できなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このようなことから、
本発明者らは、部分的に貼合された表皮材に損傷がな
く、しかも表皮材が貼合されていない樹脂部の表面にお
いても光沢むらや小じわが生じることなく、表面が均一
で外観に優れた、熱可塑性樹脂からなる基材の表面に表
皮材が部分的に貼合された多層成形体を製造するための
方法について鋭意検討の結果、射出成形法とプレス成形
法とを合わせ持つ新規な製造方法を開発し、本発明に至
った。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、雌雄一対から
なる金型を使用して、熱可塑性樹脂からなる基材の表面
に表皮材が部分的に貼合された多層成形体を製造する方
法において、 1)開放状態にある雌雄両金型の所定の位置に表皮材を
載置する工程、 2)表皮材と雌雄いずれかの金型の金型面との間に、供
給する全溶融状熱可塑性樹脂の内の、少なくとも表皮材
が貼合される基材部分の樹脂量に相当する量の溶融状熱
可塑性樹脂を供給し、樹脂の未供給部分の金型空間が密
閉状態となり、かつキャビティクリアランスが最終製品
厚になるまで表皮材と供給された樹脂を型締する工程、 3)キャビティクリアランスを保持しつつ、密閉状態の
金型空間に残余の溶融状熱可塑性樹脂を射出供給する工
程、 4)金型内で熱可塑性樹脂を冷却、固化させたのち、金
型を開放状態にして成形体を取り出す工程、 からなることを特徴とする多層成形体の製造方法を提供
するものである。
【0006】また、本発明はかかる製造方法において、
雌雄いずれかの金型に、キャビティ内に突出可能に型内
を摺動し、表皮材の周縁部に沿って連続的もしくは不連
続的な可動堰を設けた金型を使用し、開放状態にある雌
雄両金型の所定の位置に載置された表皮材と金型面との
間に溶融状熱可塑性樹脂を供給する工程の前後におい
て、表皮材の周縁部に沿った可動堰の突き出しおよびそ
の収納を付加する方法、すなわち、 1)開放状態にある雌雄両金型の所定の位置に表皮材を
載置する工程、 2)表皮材の周縁部に沿って可動堰をキャビティ内に突
き出させる工程、 3)表皮材と雌雄いずれかの金型の金型面との間に、供
給する全溶融状熱可塑性樹脂の内の、少なくとも表皮材
が貼合される基材部分の樹脂量に相当する量の溶融状熱
可塑性樹脂を供給し、樹脂の未供給部分の金型空間が密
閉状態となり、かつキャビティクリアランスが最終製品
厚になるまで表皮材と供給された樹脂を型締する工程、 4)可動堰を型内に収納する工程、 5)キャビティクリアランスを保持しつつ、密閉状態の
金型空間に残余の溶融状熱可塑性樹脂を射出供給する工
程、 6)金型内で熱可塑性樹脂を冷却、固化させたのち、金
型を開放状態にして成形体を取り出す工程、 からなることを特徴とする多層成形体の製造方法を提供
するものである。
【0007】以下、図面に基づいて本発明を説明する。
尚、以下の説明において、開放状態にある金型とは、雌
雄両金型間が最終製品厚みとなるキャビティクリアラン
スになるまで閉鎖されていない状態を意味するものであ
る。また、この説明は本発明方法の一例であり、本発明
がこれに限定されるものではない。図1は本発明の方法
で得られる多層成形体を斜視図で示し、図2は図1の多
層成形体のX−Xでの縦断面を示したものである。図3
〜図7は本発明の製造方法における工程を金型の概略断
面図で示したものである。ここで、金型は雄型(1)お
よび雌型(2)の雌雄一対からなり、雄型には表皮材
(3)が配置される表皮材貼合領域および表皮材が配置
されない非貼合領域のそれぞれに、金型面に開口する樹
脂供給口(5)が設けられており、この樹脂供給口はそ
れぞれ独立に開閉制御ができるようになっている。樹脂
供給口の数はそれぞれの領域に少なくとも1ケ所は必要
であり、その数は各領域の大きさや成形体の形状等によ
って適宜決定される。また、表皮材の配置状況により、
非貼合領域が表皮材貼合領域によって分断されて2ケ所
以上になる場合にはそれぞれの非貼合領域に少なくとも
1ケ所の樹脂供給口が必要であり、同様に表皮材貼合領
域が分散して2ケ所以上に存在する場合も、それぞれの
表皮材貼合領域に少なくとも1ケ所の樹脂供給口が必要
である。各樹脂供給口は、金型内に設けた共通の樹脂通
路(6)から分岐して接続されていてもよいし、それぞ
れ独立に設けた樹脂通路に接続されていてもよい。
【0008】このような雌雄両金型を開放状態とし、所
定寸法に裁断された表皮材(3)をその裏面が雄金型面
と接するようにして、所定の位置に載置する。(図3) 次いで、雌雄両金型間のキャビティクリアランスが最終
製品厚みより広い状態で、表皮材貼合領域に設けられて
いる樹脂供給口(5a)より、表皮材(3)と雄金型
(1)の金型面との間に溶融状熱可塑性樹脂(4)を供
給し(図4)、樹脂の未供給部分(非貼合領域)の金型
空間が密閉状態となり、かつキャビティクリアランスが
最終製品厚みとなるまで型締して、成形体の表皮材が貼
合されている部分についてプレス成形する。(図5) このときに供給される溶融状熱可塑性樹脂量は、最終的
に供給される全溶融状熱可塑性樹脂量の内の、少なくと
も表皮材が貼合される基材部分の樹脂量に相当する量で
あり、その具体的な供給量は、成形体中の表皮材貼合部
分の占める割合や成形体の形状等によっても変わるが、
通常は計算される基材部分の樹脂量に対して2重量倍以
下、好ましくは1.5重量倍以下、より好ましくは1.
3重量倍以下である。なお、この際に、所要量の溶融樹
脂を供給した後に型締を行ってもよいし、溶融樹脂を供
給しながら型締を行ない、所要量の溶融樹脂の供給を完
了すると同時に型締を完了してもよく、キャビティクリ
アランスが最終製品厚みになると同時またはそれより前
に所要量の溶融樹脂の供給が完了しておれば、溶融樹脂
の供給と型締のタイミングは問わない。
【0009】型締が完了すると、雌雄両金型を保圧して
キャビティクリアランスを最終製品厚みに保持しつつ、
樹脂の未供給部分(非貼合領域)である密閉状態にある
金型空間に、非貼合領域に設けられている樹脂供給口
(5b、5c)より、残りの溶融状熱可塑性樹脂を射出
供給し(図6)、金型空間を充填して(図7)、表皮材
が貼合されていない部分について射出成形する。このと
き、表皮材貼合領域により分断された独立した非貼合領
域が2ケ所以上存在する場合には、各領域に供給される
溶融樹脂量は、各領域の必要とする樹脂量に配分されて
供給される。この際の供給樹脂の配分は、樹脂が充填さ
れる空間容積に応じて計算されるが、非貼合領域が完全
なる分断ではなく、キャビティ内において両領域が連通
している場合には、冷却、固化前の溶融状熱可塑性樹脂
は金型内において流動性を有しているため、必ずしも厳
密である必要はない。また、溶融状樹脂の射出供給に際
して、キャビティクリアランスを最終製品厚みに保持す
るときの保持とは、キャビティクリアランスが最終製品
厚みより小さくならない限り必ずしも厳密であるを要せ
ず、たとえば溶融状樹脂を射出供給する際に両金型の保
圧力を緩めるか、樹脂の射出圧により僅かに金型を開
き、樹脂供給完了後に最終製品厚みになるまで再度型締
を行ってもよく、本発明における射出供給とはこのよう
な実施態様も含むものである。尚、本発明の方法におい
て、表皮材貼合領域への樹脂供給や非貼合領域への樹脂
供給で異なった樹脂を用いたり、各樹脂供給口から異な
った樹脂を供給することにより、2色成形以上の多色成
形を行なうことも可能である。成形が完了すると、金型
内で溶融状熱可塑性樹脂を冷却、固化させ、その後金型
を開くことにより、成形体を取り出すことができる。
【0010】また、本発明は、上記した方法において、
プレス成形工程で表皮材貼合領域に供給された溶融樹脂
の非貼合領域への流出を防止するととも、表皮材の位置
づれを防止する目的で、雌雄いずれかの金型に、キャビ
ティ内に突出可能に型内を金型の開閉方向に摺動し、表
皮材の周縁部に沿って連続的もしくは不連続的な可動堰
を設けた金型を使用し、開放状態にある雌雄両金型の所
定の位置に載置された表皮材と金型面との間に溶融状熱
可塑性樹脂を供給する工程の前後において、表皮材の周
縁部に沿った可動堰の突き出しおよびその収納を付加す
ることにより、表皮材貼合部のプレス成形と表皮材非貼
合部の射出成形という異なる成形方法がぶつかり合う位
置を制御し、均一な外観をもつより高品質の成形体を製
造することもできる。
【0011】図8〜図12にこの製造方法による工程例
を金型の概略断面図で示す。この方法で使用される金型
は、雌雄いずれかの表皮材が載置されるキャビティ面側
の金型に可動堰(7)が設けられており、該可動堰は表
皮材の周縁部に沿って設けられ、摺動装置(8)により
キャビティ内に突出可能に型内を金型の開閉方向に摺動
する構造となっている。可動堰は、成形体の表皮材が貼
合される部位等によって、表皮材の周縁部に沿って連続
的であっても不連続的であってもよく、例えば図1に示
されるような表皮材が成形体中央部にあって、表皮材の
全周縁が基材樹脂で囲まれているような場合には、その
表皮材の周縁部を取り囲むような連続体であることが好
ましく、表皮材が成形体の端部に設けられているような
場合には、基材樹脂で囲まれる表皮材周縁部について設
けられる。可動堰の摺動距離は最終製品厚み以上は必要
であるが、この距離を越えて必要以上に長くすること
は、金型がこれに対応して必要以上に厚くなったり、可
動堰の強度を必要以上に高くしなければならなり、通常
は最終製品厚の15倍以下、好ましくは10倍以下であ
る。
【0012】この方法においては、開放状態にある雌雄
両金型において、雄型(1)内に設けた可動堰(7)を
前進させ、可動堰(7)で囲まれたキャビティ面に、予
めこれに対応して裁断された表皮材(3)を載置する。
(図8) 図8では、可動堰(7)は最終製品厚みより長く前進さ
せている。可動堰(7)先端が雌型(2)のキャビティ
面と接触するまで雌型(2)を降下させ、雌雄両金型の
キャビティ面と可動堰との間で形成される閉空間の、表
皮材と雄型キャビティとの間に、表皮材が貼合される基
材部分の樹脂量に相当する量の溶融状熱可塑性樹脂
(4)を供給する。(図9) 可動堰(7)を押し下げながら雌型(2)を降下させ、
キャビティクリアランスが最終製品厚みになるまで型締
する。(図10) この際の型締は、前記と同様に溶融状熱可塑性樹脂を供
給した後に行ってもよいし、溶融樹脂を供給しながら型
締を行ない、所要量の溶融樹脂の供給を完了すると同時
に型締を完了してもよい。この型締工程において、可動
堰により表皮材の位置づれがおこらず、また、供給され
た溶融樹脂の残余のキャビティ空間への流動移動が防止
される。型締完了後、可動堰(7)を後退させて雄型内
に収納する。この際、可動堰の先端部が雄型のキャビテ
ィ面に一致して平滑な面となるようにすることが必要で
あり、後退が不十分であったり、後退しすぎると、得ら
れた成形体の基材裏面に、この可動堰に対応する位置に
凹凸が生じる。可動堰後退後は、前記と同様に、非貼合
領域である表皮材部分を取り巻く残余の金型空間に溶融
状熱可塑性樹脂を射出供給し(図11)、金型空間を充
填して表皮材が貼合されていない部分について射出成形
する(図12)。射出成形後は前記したと同様にして溶
融状熱可塑性樹脂を冷却、固化させて成形体を金型から
取り出す。
【0013】かかる本発明に用いられる熱可塑性樹脂と
しては、プレス成形、射出成形、押し出し成形などで通
常使用されている樹脂であり、たとえばポリプロピレ
ン、ポリエチレン、アクリロニトリル−スチレン−ブタ
ジエンブロック共重合体、ポリスチレン、ナイロンなど
のポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ア
クリル樹脂、クリレートもしくはその共重合体、スチレ
ン−ブタジエンブロック共重合体などの一般的な熱可塑
性樹脂、EPMやEPDMなどの熱可塑性エラストマ
ー、これらの混合物、あるいはこれらを用いたポリマ−
アロイ等が挙げられ、これらは非発泡性であっても発泡
性であってもよい。また、これらの熱可塑性樹脂には必
要に応じて通常使用されるガラス繊維、各種の無機もし
くは有機フィラーなどの充填材が含有されていてもよ
く、もちろん、通常使用される各種の顔料、滑剤、帯電
防止剤、安定剤などの各種添加剤が配合されていてもよ
い。
【0014】また、表皮材としては各種の織布、編布、
不織布や熱可塑性樹脂もしくは熱可塑性エラストマーの
シートまたはフィルムの他、紙、金属箔、ネット状物、
あるいは熱可塑性樹脂や熱可塑性エラストマーの発泡シ
ートなど従来より知られている各種の表皮材が使用さ
れ、これら表皮材の表面には、目的に応じてシボなどの
凹凸模様、印刷や染色等で加飾されていてもい。また、
これら表皮材はそれぞれ単独で使用されるのみならず、
2種以上を接着剤等で積層した複合表皮材として使用す
ることもでき、特に、ポリプロピレン発泡シートなどの
発泡シートを裏打ち材としたポリ塩化ビニルシートやE
PDMなどの熱可塑性エラストマーシートは好んで用い
られる。これら表皮材の使用にあたっては、表皮材と熱
可塑性樹脂との接着性をあげるためによび加熱を行って
もよいし、表皮材貼合領域の形状に応じて予備賦形を行
ってもよい。
【0015】
【発明の効果】本発明の製造法によれば、部分的に表皮
材が貼合された多層成形体を製造するにあたり、表皮材
の位置づれを起こすことなく所定の位置に表皮材が貼合
され、しかも表皮材の損傷も少なく、表皮材が貼合され
ない樹脂部分においては光沢むらや小じわが生じること
なく、表面が均一で外観に優れた成形体が得られる。
【0016】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明がこれによって限定されるものでない
ことはいうまでもない。以下の例において使用した表皮
材および熱可塑性樹脂は次のとおりである。 表皮材:厚さ0.6mmのシボ付オレフィン系熱可塑性
エラストマーシートの裏面に、発泡倍率15倍で厚さ3
mmのポリプロピレン発泡シートを積層した複合表皮材 熱可塑性樹脂:住友化学社製ポリプロピレン樹脂(住友
ノーブレン BPZ5077)
【0017】実施例1 図3〜図7に示される工程に従って、図1にその外観が
示され、図2にその断面が示される製品形状となるよう
に設計されたキャビティ面をもつ雌雄両金型からなる一
対の金型を使用し、以下の方法により図1に示される製
品形状の表皮材が部分的に貼合された多層成形体を製造
した。この例において、供給する溶融状熱可塑性樹脂は
200℃であり、金型温度は40℃である。 可動型である雌金型(2)と固定型である雄金型
(1)からなる雌雄一対の金型を開放状態とし、所定の
寸法に裁断した表皮材(3)を、雄型(1)の所定のキ
ャビティ面に発泡シート側が接するように載置した。
(図 3) 雌金型(2)を降下させ、雌雄両金型間のキャビティ
クリアランスが30mmとなった位置で、樹脂通路
(6)を経由して樹脂供給口(5a)から表皮材(3)
と雄金型(1)のキャビティ面との間に、表皮材が貼合
される基材部分の樹脂量に相当する量の1.3重量倍で
あって、供給される全熱可塑性樹脂の内の35重量%に
相当する量の溶融状熱可塑性樹脂を供給する。(図4) 溶融樹脂供給後、樹脂供給口(5a)を閉鎖し、キャ
ビティクリアランスが5mmになるまで雌金型(2)を
さらに降下させて型締する。(図5) この状態を維持するように型締圧を保圧しつつ、樹脂
供給口(5b、5c)を開いて非貼合領域の金型空間に
残余の溶融樹脂を射出供給し(図6)、金型空間を樹脂
で充填する。(図7) この状態を保持しつつ金型を冷却し、供給した溶融樹
脂を冷却、固化させたのち金型を開いて成形体を取り出
す。 かくして製造された図1に示される形状の表皮材部分貼
合多層成形体は、表皮材に位置づれや破れもなく、表皮
材非貼合部分においても小じわや光沢むらの少ない外観
の良好なものであった。
【0018】比較例1 実施例1の方法において、表皮材を雄型の所定のキャビ
ティ面に発泡シート側が接するように載置したのち、溶
融樹脂を供給することなくキャビティクリアランスが5
mmになるまで雌型を降下させ、この状態で、樹脂供給
口(5a)より所定量の溶融状熱可塑性樹脂の全量を密
閉状態のキャビティ内に射出供給し、射出成形を行なっ
た。このときの熱可塑性樹脂、供給樹脂温度、表皮材お
よび金型温度などの成形条件は実施例1と同じである。
得られた多層成形品は、表皮材部分に位置づれが生じて
所定の場所よりずれており、また表皮材表面のシボ模様
が部分的に消滅し、また、表面に発泡層の破壊に伴う凹
凸が生じるなど外観の悪いものであった。
【0019】比較例2 実施例1の方法において、表皮材を雄型の所定のキャビ
ティ面に発泡シート側が接するように載置したのち、キ
ャビティクリアランスが20mmになるまで雌型を降下
させた。この状態で樹脂供給口(5a)より、所定量の
溶融状熱可塑性樹脂の全量を表皮材と雄型のキャビティ
面との間に供給し、その後雌型をキャビティクリアラン
スが5mmになるまで降下させて型締し、プレス成形を
行なった。このときの熱可塑性樹脂、供給樹脂温度、表
皮材および金型温度などの成形条件は実施例1と同じで
ある。得られた多層成形品は、表皮材部分に位置づれも
なく、表皮材表面の外観も良好であったが、表皮材の貼
合されない樹脂部分の表面には光沢むらが生じた。
【0020】実施例2 図8〜図12に示される工程に従って、図1にその外観
が示され、図2にその断面が示される製品形状となるよ
うに設計されたキャビティ面をもつ雌雄両金型からなる
一対の金型を使用し、かつ表皮材周縁の全周にわたって
連続的で、油圧により金型の開閉方向に可能な可動堰を
型内に設けた雄金型を使用し、以下の方法により図1に
示される製品形状の表皮材が部分的に貼合された多層成
形体を製造した。この例において、使用する熱可塑性樹
脂、表皮材、熱可塑性樹脂の供給温度および金型温度は
いずれも実施例1と同じである。 可動型である雌金型(2)と固定型である雄金型
(1)からなる雌雄一対の金型を開放状態とし、雄型に
設けた可動堰(7)をその先端がキャビティ面から35
mmとなるまで突き出した。 所定の寸法に裁断した表皮材(3)を、可動堰に囲ま
れた雄型のキャビティ面に発泡シート側が接するように
載置した。(図8) 雌金型を可動堰を押し下げながら降下させ、雌雄両金
型間のキャビティクリアランスが30mmとなった位置
で、樹脂通路(6)を経由して樹脂供給口(5a)から
表皮材と可動堰に囲まれた雄金型のキャビティ面との間
に、表皮材が貼合される基材部分の樹脂量に相当する量
の1.05重量倍であって、供給される全熱可塑性樹脂
の内の28重量%に相当する量の溶融状熱可塑性樹脂を
供給する。(図9 ) 溶融樹脂供給後、樹脂供給口(5a)を閉鎖し、キャ
ビティクリアランスが5mmになるまで可動堰を押し下
げながら雌金型をさらに降下させて型締する。(図1
0) この状態を保持しながら、可動堰をその先端がキャビ
ティ面と等しくなるまで後退させて、型内に収納する。 型締圧を保ちつつ、樹脂供給口(5b、5c)を 開
いて非貼合領域の金型空間に残余の溶融樹脂を射出供給
し(図11)、金型空間を樹脂で充填する。(図12) この状態を保持しつつ金型を冷却し、供給した溶融樹
脂を冷却、固化させたのち金型を開いて成形体を取り出
す。 かくして製造された図1に示される形状の表皮材部分貼
合多層成形体は、表皮材に位置づれや破れもなく、表皮
材非貼合部分においても小じわや光沢むらの全く見られ
ない外観の良好なものであった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法で製造される成形体の例の外観図
である。
【図2】図1の成形体のX−X断面を示す。
【図3】本発明の製造工程を示す金型断面の概略図であ
る。
【図4】本発明の製造工程を示す金型断面の概略図であ
る。
【図5】本発明の製造工程を示す金型断面の概略図であ
る。
【図6】本発明の製造工程を示す金型断面の概略図であ
る。
【図7】本発明の製造工程を示す金型断面の概略図であ
る。
【図8】本発明の、可動堰を用いた場合の製造工程を示
す金型断面の概略図である。
【図9】本発明の、可動堰を用いた場合の製造工程を示
す金型断面の概略図である。
【図10】本発明の、可動堰を用いた場合の製造工程を
示す金型断面の概略図である。
【図11】本発明の、可動堰を用いた場合の製造工程を
示す金型断面の概略図である。
【図12】本発明の、可動堰を用いた場合の製造工程を
示す金型断面の概略図である。
【符号の説明】
1:雄金型 2:雌金型 3:表皮材 4:溶融状熱可塑性樹脂 5:樹脂供給口 6:樹脂通路 7:可動堰 8:摺動装置 9:基材熱可塑性樹脂
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 後藤 覚 大阪府高槻市塚原2丁目10番1号 住友化 学工業株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】雌雄一対からなる金型を使用して、熱可塑
    性樹脂からなる基材の表面に表皮材が部分的に貼合され
    た多層成形体を製造する方法において、 1)開放状態にある雌雄両金型の所定の位置に表皮材を
    載置する工程、 2)表皮材と雌雄いずれかの金型の金型面との間に、供
    給する全溶融状熱可塑性樹脂量の内の、少なくとも表皮
    材が貼合される基材部分の樹脂量に相当する量の溶融状
    熱可塑性樹脂を供給し、樹脂の未供給部分の金型空間が
    密閉状態となり、かつキャビティクリアランスが最終製
    品厚になるまで表皮材と供給された樹脂を型締する工
    程、 3)キャビティクリアランスを保持しつつ、密閉状態の
    金型空間に残余の溶融状熱可塑性樹脂を射出供給する工
    程、 4)金型内で熱可塑性樹脂を冷却、固化させたのち、金
    型を開放状態にして成形体を取り出す工程、 からなることを特徴とする多層成形体の製造方法。
  2. 【請求項2】雌雄一対からなる金型を使用して、熱可塑
    性樹脂からなる基材の表面に表皮材が部分的に貼合され
    た多層成形体を製造する方法において、雌雄いずれかの
    金型に、キャビティ内に突出可能に型内を摺動し、表皮
    材の周縁部に沿って連続的もしくは不連続的な可動堰を
    設けた金型を使用し、 1)開放状態にある雌雄両金型の所定の位置に表皮材を
    載置する工程、 2)表皮材の周縁部に沿って可動堰をキャビティ内に突
    き出させる工程、 3)表皮材と雌雄いずれかの金型の金型面との間に、供
    給する全溶融状熱可塑性樹脂量の内の、少なくとも表皮
    材が貼合される基材部分の樹脂量に相当する量の溶融状
    熱可塑性樹脂を供給し、樹脂の未供給部分の金型空間が
    密閉状態となり、かつキャビティクリアランスが最終製
    品厚になるまで表皮材と供給された樹脂を型締する工
    程、 4)可動堰を型内に収納する工程、 5)キャビティクリアランスを保持しつつ、密閉状態の
    金型空間に残余の溶融状熱可塑性樹脂を射出供給する工
    程、 6)金型内で熱可塑性樹脂を冷却、固化させたのち、金
    型を開放状態にして成形体を取り出す工程、 からなることを特徴とする多層成形体の製造方法。
JP15849694A 1994-07-11 1994-07-11 多層成形体の製造方法 Pending JPH0825407A (ja)

Priority Applications (8)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15849694A JPH0825407A (ja) 1994-07-11 1994-07-11 多層成形体の製造方法
ES95110729T ES2169096T3 (es) 1994-07-11 1995-07-10 Procedimiento de fabricacion de un articulo moldeado de materia termoplastica y conjunto de molde asociado.
EP95110729A EP0692362B1 (en) 1994-07-11 1995-07-10 Method for producing thermoplastic resin molded article and mold assembly therefor
KR1019950020205A KR100382259B1 (ko) 1994-07-11 1995-07-10 열가소성수지성형체의제조방법및성형장치
DE69524488T DE69524488T2 (de) 1994-07-11 1995-07-10 Verfahren zur Herstellung eines thermoplastischen Kunststoffgegenstandes und Formzusammenbau dafür
CA002154435A CA2154435C (en) 1994-07-11 1995-07-10 Method for producing thermoplastic resin molded article and mold assembly therefor
CN95107564A CN1080176C (zh) 1994-07-11 1995-07-11 热塑性树脂模塑制品的生产方法及用于该方法的组装模具
TW084107220A TW353045B (en) 1994-07-11 1995-07-12 Method for producing thermoplastic resin molded article and mold assembly therefor

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15849694A JPH0825407A (ja) 1994-07-11 1994-07-11 多層成形体の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0825407A true JPH0825407A (ja) 1996-01-30

Family

ID=15673013

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP15849694A Pending JPH0825407A (ja) 1994-07-11 1994-07-11 多層成形体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0825407A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6846169B2 (en) 2001-03-30 2005-01-25 Sumitomo Chemical Company, Ltd. Mold for producing a multilayer molded article and a method for producing a multilayer molded article
JP2020116799A (ja) * 2019-01-22 2020-08-06 マツダ株式会社 発泡樹脂成形品の成形方法及び成形装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6846169B2 (en) 2001-03-30 2005-01-25 Sumitomo Chemical Company, Ltd. Mold for producing a multilayer molded article and a method for producing a multilayer molded article
US7235206B2 (en) 2001-03-30 2007-06-26 Sumitomo Chemcial Company, Limited Mold for producing a multilayer molded article and a method for producing a multilayer molded article
JP2020116799A (ja) * 2019-01-22 2020-08-06 マツダ株式会社 発泡樹脂成形品の成形方法及び成形装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH08118387A (ja) 熱可塑性樹脂成形体の製造方法
EP0692362B1 (en) Method for producing thermoplastic resin molded article and mold assembly therefor
JP3358277B2 (ja) 多層成形体の製造方法
JPH01198314A (ja) 複合成形体の製造方法及びその製造装置
US5804117A (en) Molding method for resin articles
US6331263B1 (en) Method for producing laminated moldings
US6197245B1 (en) Process for producing hollow resin molded article
JP3371315B2 (ja) 中空部を有する熱可塑性樹脂成形体の製造法
JP2008030300A (ja) 2色成形品及びその成形方法
JP4461518B2 (ja) 熱可塑性樹脂成形体製造用金型および熱可塑性樹脂成形体の製造方法
JPH0825407A (ja) 多層成形体の製造方法
JP2001287237A (ja) 貼合成形品の射出成形方法
JPH07195430A (ja) 複合表皮一体成形方法及びその装置
JP3160293B2 (ja) 積層成形品の製造方法
JP3357229B2 (ja) 積層成形品および自動車用空調機の気流制御弁の製造方法
JP3377010B2 (ja) 薄肉成形品の製造方法
EP0884156B1 (en) Process for producing thermoplastic resin hollow molded articles
JP3524984B2 (ja) 複合型樹脂成形品の製造方法及び樹脂成形用金型装置
JPH0939012A (ja) 積層成形品の製造方法および金型
JPH11314227A (ja) 多層成形品の製造方法
JP3527575B2 (ja) 二層成形品の製造方法及びそれに用いる金型
JP3858408B2 (ja) 多層成形品成形用金型
JP2932930B2 (ja) 樹脂製品の成形方法及び成形用金型装置
JPH08197575A (ja) 樹脂成形方法
JPH1177711A (ja) 積層体の製造方法