JPH0825403B2 - 4輪駆動車のトランスフア−構造 - Google Patents

4輪駆動車のトランスフア−構造

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JPH0825403B2
JPH0825403B2 JP359987A JP359987A JPH0825403B2 JP H0825403 B2 JPH0825403 B2 JP H0825403B2 JP 359987 A JP359987 A JP 359987A JP 359987 A JP359987 A JP 359987A JP H0825403 B2 JPH0825403 B2 JP H0825403B2
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center differential
wheel
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は前輪及び後輪を駆動するようにした4輪駆動
車、特に前、後輪間の回転速度差を吸収するセンタデフ
が備えられた4輪駆動車のトランスファー構造に関す
る。
(従来の技術) エンジンからトランスミッションを介して入力される
トルクにより前輪及び後輪を駆動するようにした4輪駆
動車においては、上記トランスミッションからのトルク
が入力される入力要素と、該要素に入力されたトルクを
分割して前輪及び後輪に夫々出力する第1,第2出力要素
とからなるセンタデフが備えられることがある。このセ
ンタデフは、コーナリング時に上記第1,第2出力要素が
差動動作して前、後輪間の回転速度差を吸収することに
より、所謂ブレーキング現象を解消してコーナリング時
の走行性を改善し、所謂フルタイムの4輪駆動を可能に
するものである。
一方、特開昭60−172764号公報によれば、ビスカスカ
ップリングを伝達トルク可変の動力伝達手段として用い
た所謂フルオートの4輪駆動車が示されている。このビ
スカスカップリングは、入、出力部材間にこれらの部材
に交互に結合された多数のプレートと配置すると共に、
これらのプレートの周囲に粘性流体を充填したものであ
る。そして、上記公報に示された4輪駆動車において
は、トランスミッション出力軸と前輪とを直接連結する
と共に、該トランスミッション出力軸と後輪とを上記の
如きビスカスカップリングを介して連結した構成とさ
れ、前、後輪間の回転速度差がなく或いは比較的小さな
場合には、上記ビスカスカップリングがトルクを伝達せ
ず或いは極く僅かしか伝達しないので、前輪のみが駆動
される2輪駆動状態で走行し、また上記回転速度差が大
きくなると、その差に応じてビスカスカップリングが後
輪へもトルクを伝達することにより、自動的に4輪駆動
状態に移行するようになっている。この4輪駆動車によ
れば、通常の走行時には2輪駆動車と同様の良好な燃費
性能が得られると共に、コーナリング時や前輪(駆動
輪)のスリップ時等には、ビスカスカップリングを介し
て後輪にもトルクが伝達されて、これらの場合における
安定した走行性が得られることになる。
ところで、この種の4輪駆動車の走行性を一層向上さ
せるため、上記の如きセンタデフを用いたフルタイムの
4輪駆動モードと、ビスカスカップリングを用いたフル
オートの4輪駆動モードとを兼備し、これらのモードを
路面状態等の走行条件や運転者の要求等に応じて選択で
きるようにすることが考えられる。このような4輪駆動
車のトランスファー構造としては、例えば第6図に示す
ような構成がある。
つまり、このトランスファー装置は、ダブルピニオン
型プラネタリ機構でなるセンタデフAと、ビスカスカッ
プリングBと、駆動モードの切換機構Cと、フロントデ
フDと、後輪用出力ギヤ列E1〜E4とを有し、トランスミ
ッションからの出力トルクがギヤF,Gを介してセンタデ
フAのリングギヤA1に入力されるようになっている。
そして、切換機構Cにおける第2,第3接続部材C2,C3
を接続すれば、センタデフAのキャリヤA2とフロントデ
フDのデフケースD1とが連結されて、上記センタデフA
のリングギヤA1に入力されたトルクがキャリヤA2とサン
ギヤA3とに分割される共に、キャリヤA2から出力される
トルクが切換機構C及びフロントデフDを介して左右の
前輪駆動軸H1,H2に伝達され、またサンギヤA3から出力
されるトルクが上記後輪用出力ギヤ列E1〜E4を介して後
輪用出力軸Iへ出力され、このようにして前、後輪とも
常時駆動され且つ上記センタデフAにより前、後輪間の
回転速度差が吸収されるフルタイムの4輪駆動モードが
得られる。
一方、上記切換機構Cの第1,第2接続部材C1,C2を接
続すれば、センタデフAのリングギヤA1とキャリヤA2
が結合されて該センタデフAがロックされると同時に、
キャリヤA2とフロントデフDとの間が遮断され、従って
リングギヤA1に入力されたトルクはサンギヤA3から後輪
用出力ギヤ列E1〜E4ないし後輪用出力軸I側へのみ出力
されることになる。そして、この場合においては、上記
切換機構Cにより遮断されたキャリヤA2とフロントデフ
DのデフケースD1との間にビスカスカップリングBが介
在することになり、キャリヤA2とデフケースD1との間、
換言すれば前、後輪間に回転速度差が生じた時に、該ビ
スカスカップリングBのアウタケースB1とインナケース
B2とが相対回転して該ビスカスカップリングBがトルク
を伝達することになる。このようにして、後輪のみが駆
動される2輪駆動状態から前、後輪とも駆動される4輪
駆動状態に自動的に移行するフルオートの4輪駆動モー
ドが得られる。
更に、従来例として、例えば特開昭60−99333号公報
に示されているように、上記の如きビスカスカップリン
グを前述のフルタイム4輪駆動車においてセンタデフの
差動制限手段として用いたものがある。これは、センタ
デフを備えたフルタイム4輪駆動車の場合、コーナリン
グ時に前、後輪間の回転速度差が過度に許容されてコー
ナリング走行が不安定となり、また前、後輪のいずれか
一方がスリップした時に他方の車輪にトルクが伝達され
なくなるといった問題に対処するもので、このような場
合に、ビスカスカップリングによりセンタデフの差動動
作を制限して前、後輪間の回転速度差の増大を抑制する
ことにより、コーナリング時の走行安定性を向上させ、
またスリップ状態からの脱出を可能とするものである。
(発明が解決しようとする問題点) ところで、第6図に示すようなフルタイム4輪駆動モ
ードとフルオート4輪駆動モードとを選択できるように
した4輪駆動車のトランスファー装置において、前、後
輪間に回転速度差が生じた時に一方の車輪にトルクを伝
達するビスカスカップリングをセンタデフの差動制限手
段として兼用することにより、フルタイム4輪駆動モー
ドでのコーナリング走行性の安定化等を図ることが考え
られる。この場合、1つのビスカスカップリングでフル
オート4輪駆動モードと、センタデフの差動制限機能を
備えたフルタイム4輪駆動モードとが得られることにな
り、コンパクトな構成で機能的に優れたトランスファー
装置が実現されることになる。
しかし、ビスカスカップリングがフルオート4輪駆動
モードで動力伝達手段として使用される場合と、フルタ
イム4輪駆動モードで差動制限手段として使用される場
合とでは必要とされる容量や特性が異なり、従って、上
記のように1つのビスカスカップリングを2つのモード
で兼用した場合、少なくとも一方のモードで走行性が要
求されるものと適合しない状態が生じる。
そこで、本発明は、センタデフの差動制限機能を有す
るフルタイム4輪駆動モードと、前、後輪間の回転速度
差に応じて2輪駆動状態から4輪駆動状態に移行するフ
ルオート4輪駆動モードとを選択できるようにすると共
に、これらの両モードのいずれにおいても、夫々のモー
ドに応じた最適の走行性が得られるようにすることを目
的とする。
(問題点を解決するための手段) 本発明に係る4輪駆動車のトランスファー構造は、上
記目的達成のため次のように構成したことを特徴とす
る。
即ち、エンジンからトランスミッションを介してトル
クが入力されるセンタデフが備えられた構成において、
該センタデフの第1出力要素から前輪又は後輪のいずれ
か一方の車輪に至る第1伝動経路と、第2出力要素から
他方の車輪に至る断接可能な第2伝動経路とを設けると
共に、上記センタデフの入力要素及び第1,第2出力要素
のうちの2つの要素間に介設された第1ビスカスカップ
リングと、上記第2伝動経路に並列にセンタデフの第2
出力要素と他方の車輪との間に介設された第2ビスカス
カップリングとを備える。そして、上記第2伝動経路を
接続する状態と、センタデフの入力要素及び第1,第2出
力要素のうちの少なくとも2つを結合し且つ第2伝動経
路を遮断する状態とに切換える切換機構を備える。
(作用) 上記の構成によれば、切換機構により第2伝動経路を
接続した場合には、センタデフの入力要素に入力されて
第1,第2出力要素から夫々出力されるトルクが第1,第2
伝動経路を介して前、後輪の一方及び他方に夫々伝達さ
れることになり、前、後輪とも常時駆動されるフルタイ
ムの4輪駆動モードが得られることになる。そして、こ
の場合は、センタデフの2つの要素間に介設されたビス
カスカップリングが該センタデフの差動動作を制限し
て、前、後輪間の回転速度差が過度に許容されるのを阻
止する。
一方、上記切換機構により、センタデフの少なくとも
2つの要素を結合し且つ第2伝動経路を遮断すれば、セ
ンタデフをロックされると共に、該センタデフの第1出
力要素からの出力トルクが第1伝動経路により一方の車
輪に伝達され、且つ第2出力要素と他方の車輪とが第2
ビスカスカップリングを介して連結されることになる。
従って、前後輪間に回転速度差がない場合は、上記一方
の車輪のみが駆動される2輪駆動状態となると共に、
前、後輪間に回転速度差が生じれば、その差に応じて第
2ビスカスカップリングが他方の車輪にトルクを伝達し
て自動的に4輪駆動状態に移行することになり、フルオ
ートの4輪駆動モードが得られる。そして、特に上記の
構成によれば、上記の如き2種の4輪駆動モードにおい
て夫々使用される第1,第2ビスカスカップリングが備え
られているので、これらのビスカップリングの容量や特
性を両モードで夫々要求されるものに適合させて設定す
ることができ、従っていずれのモードにおいても最良の
走行性が得られることになる。
(実施例) 以下、本発明の実施例について説明する。
先ず、本実施例に係る4輪駆動車の全体構成を第1図
により説明すると、この4輪駆動車においては、車体前
部にエンジン1と、トランスミッション2と、トランス
ファー装置3とでなるパワープラントが搭載されてい
る。上記エンジン1は、その出力軸4が車体幅方向に延
びるように配置されている。また、トランスミッション
2も、クラッチ5を介して上記エンジン出力軸4に連結
される入力軸6及びこれに平行な出力軸7が車体幅方向
に延びるように配置されている。そして、該トランスミ
ッション2の入、出力軸6,7間には、選択的に動力伝達
状態とされる1〜5速及び後退速用の各ギヤ列81〜85,8
rが設けられており、且つ出力軸7の一端には該トラン
スミッション2からトランスファー装置3へトルクを伝
達する出力ギヤ9が設けられている。
一方、トランスファー装置3は、上記トランスミッシ
ョン2から入力されるトルクを選択された駆動モードや
走行状態に応じて分割して出力し、左右の前輪10,11を
駆動すると共に、車体前後方向に延びるプロペラ軸12、
リヤデフ13及び該リヤデフ13から左右に延びる後輪駆動
軸14,15を介して左右の後輪16,17を駆動するようになっ
ている。
次に、第2図により該トランスファー装置3の構成を
説明すると、該装置3は、同一軸線上で車体幅方向に配
置されて左右両側方に延びる左右の前輪駆動軸21,22
と、これらの後方に平行に配置された中間軸23と、車体
前後方向に配置されて後方に延びる後輪用出力軸24とを
有する。そして、左右の前輪駆動軸21,22が第1図に示
す前輪10,11に、後輪用出力軸24がプロペラ軸12に夫々
連結されている。
また、上記左右の前輪駆動軸21,22の対向端部周囲に
は傘歯車式のフロントデフ30が配置されていると共に、
左前輪駆動軸21上にはセンタデフ40と第1,第2ビスカス
カップリング50,60とが配設されている。
上記フロントデフ30は、左右の前輪駆動軸21,22上に
回転自在に嵌合支持されたデフケース31と、該ケース31
内において前輪駆動軸21,22の軸線に直交する方向に架
設されたピニオンシャフト32と、該シャフト32に回転自
在に支持された一対のピニオンギヤ33,34と、両ピニオ
ンギヤ33,34に噛合された左右一対の出力ギヤ35,36とで
構成され、両出力ギヤ35,36に左右の前輪駆動軸21,22の
端部が夫々結合されている。
また、上記センタデフ40は、この実施例の場合、ダブ
ルピニオン型プラネタリギヤ機構で構成され、第3図に
示すように、サンギヤ41と、該ギヤ41の周囲に配置され
てこれに噛合う複数の第1ピニオンギヤ42…42と、各第
1ピニオンギヤ42…42に夫々噛み合う複数の第2ピニオ
ンギヤ43…43と、これらのピニオンギヤ42…42,43…43
を夫々ピニオンシャフト44…44,45…45を介して支持す
るキャリヤ46と、第2ピニオンギヤ43…43の外側に配置
されてこれらに噛合うリングギヤ47とで構成されてい
る。そして、第2図に示すようにリングギヤ47の外周囲
に入力ギヤ70が設けられ、該ギヤ70が上記トランスミッ
ション出力ギヤ9に噛合されている。
更に、上記第1,第2ビスカスカップリング50,60は、
夫々、アウタケース51,61と、インナケース52,62と、両
ケース51,52間及び61,62間に配置されてこれらに交互に
結合された多数のプレート53…53、63…63とを有し、こ
れらのプレート53…53、63…63の周囲に粘性流体を充填
した構成とされている。そして、第1ビスカスカップリ
ング50のアウタケース51が上記センタデフ40のサンギヤ
41に、インナケース52が同じくセンタデフ40のキャリヤ
46に夫々結合されており、また第2ビスカスカップリン
グ60のアウタケース61がセンタデフ40のキャリヤ46に、
インナケース62が上記フロントデフ30のデフケース31に
夫々結合されている。
また、上記センタデフ40のサンギヤ41には一体的に後
輪用第1出力ギヤ71が設けられていると共に、該ギヤ72
に噛合う後輪用第2出力ギヤ72が上記中間軸23の一端部
に設けられており、且つ該中間軸23の他端部と上記後輪
用出力軸24の端部には互いに噛合う一対の傘歯車でなる
後輪用第3,第4出力ギヤ73,74が夫々固設されている。
以上の構成に加えて、上記前輪駆動軸21,22の軸線上
には、当該トランスファー装置3内のトルク伝達経路を
切換える切換機構80が設けられている。この切換機構80
は、センタデフ40のリングギヤ47(入力ギヤ70)に一体
の第1スプライン81と、該センタデフ40のキャリヤ46に
一体の第2スプライン82と、上記フロントデフ30のデフ
ケース31に一体の第3スプライン83とをこの順序で並設
すると共に、これらのスプライン81〜83に跨ってスリー
ブ84をスライド可能に嵌合した構成とされている。そし
て、該スリーブ84を図示のように右側にスライドさせた
状態では、上記第2,第3スプライン82,83を介してセン
タデフ40のキャリヤ46とフロントデフ30のデフケース31
とが結合され、またスリーブ84を図示の位置から左側に
スライドさせれば、第1,第2スプライン81,82を介して
センタデフ40のリングギヤ47とキャリヤ46とが結合され
るようになっている。
次に、この実施例の作用を説明する。
先ず、切換機構80におけるスリーブ84を第2図に示す
ように右側にスライドさせて第2,第3スプライン82,8
3、即ちセンタデフ40のキャリヤ46とフロントデフ30の
デフケース31とを結合した状態においては、トランスミ
ッション出力ギヤ9から入力ギヤ70を介してセンタデフ
40のリングギヤ47に入力されたトルクが該センタデフ40
のサンギヤ41とキャリヤ46とに分割される。そして、サ
ンギヤ41側に分割されたトルクは、後輪用第1,第2出力
ギヤ71,72、中間軸23、後輪用第3,第4出力ギヤ73,74及
び後輪用出力軸24でなる伝動経路(以下、第1伝動経路
という)を経て当該トランスファー装置3から出力され
ると共に、更に第1図に示すプロペラ軸12及びリヤデフ
13を介して左右の後輪駆動軸14,15に伝達され、左右の
後輪16,17を駆動する。また、キャリヤ46側に分割され
たトルクは、該キャリヤ46から上記切換機構80及びフロ
ントデフ30を介して左右の前輪駆動軸21,22に至る伝動
経路(以下、第2伝動経路という)を経て、第1図に示
す左右の前輪10,11に伝達され、これらの前輪10,11を駆
動する。その場合に、上記センタデフ40においては、リ
ングギヤ47とサンギヤ41の径の比を例えば2:1に設定す
れば、リングギヤ47に入力されたトルクがキャリヤ46と
サンギヤ41とに均等に分割されるので、前、後輪へのト
ルク配分が1:1となる。
このようにして、上記切換機構80のスリーブ84が右側
にスライドされている場合は、エンジン1ないしトラン
スミッション2の出力トルクがセンタデフ40によって分
割されて、左右の前輪10,11及び左右の後輪16,17を夫々
駆動するフルタイム4輪駆動の状態となる。そして、こ
の場合においては、上記センタデフ40のサンギヤ41にア
ウタケース51が、キャリヤ46にインナケース52が夫々結
合された第1ビスカスカップリング50が、上記サンギヤ
41から後輪16,17に至る第1伝動経路と、切換機構80に
より接続されてキャリヤ46から前輪10,11に至る第2伝
動経路との間に介在することになり、上記サンギヤ41と
キャリヤ46との間、もしくは後輪16,17と前輪10,11との
間に回転速度差が生じた時に、該第1ビスカスカップリ
ング50のアウタケース51とインナケース52とが相対回転
する。そのため、前、後輪間の回転速度差が大きくなっ
てくると、該第1ビスカスカップリング50の作用でセン
タデフ40の差動動作が制限されて、前、後輪間の回転速
度差の増大が抑制されることになり、これによりコーナ
リング時に前、後輪間の回転速度差が過度に許容される
ことによる走行状態の不安定化が防止され、また前輪又
は後輪のいずれか一方の車輪がスリップした時に他方の
車輪にトルクが伝達されてスリップ状態からの脱出が可
能となる。尚、この場合、第2ビスカスカップリング60
は、アウタケース61及びインナケース62が夫々結合され
たセンタデフ40のキャリヤ46とフロントデフ30のデフケ
ース31とが上記切換機構80によって結合されているの
で、全体が一体化されて非作動の状態となる。
一方、上記切換機構80におけるスリーブ84を第2図に
示す位置から左側にスライドさせて第1,第2スプライン
81,82を結合すると、センタデフ40のリングギヤ47とキ
ャリヤ46とが結合されるため、該センタデフ40がロック
されて全体が一体回転することになる。そのため、トラ
ンスミッション出力ギヤ9から入力ギヤ70を介してセン
タデフ40のリングギヤ70(及びキャリヤ46)に入力され
るトルクは、該センタデフ40で分割されることなく、サ
ンギヤ41からそのまま出力され、上記後輪用第1,第2出
力ギヤ71,72、中間軸23、後輪用第3,第4出力ギヤ73,7
4、後輪用出力軸24でなる第1伝動経路を介して後輪16,
17に伝達される。また、この場合は、上記切換機構80の
第2,第3スプライン82,83が分離されて、センタデフ40
のキャリヤ46からフロントデフ30及び前輪駆動軸21,22
を介して前輪10,11に至る第2伝動経路が遮断される。
従って、この場合は、基本的には後輪16,17のみが駆動
される2輪駆動状態となる。然して、上記第2伝動経路
を構成するセンタデフ40のキャリヤ46とフロントデフ30
のデフケース31とには、第2ビスカスカップリング60の
アウタケース61とインナケース62とが夫々結合されてい
るので、上記のように第2伝動経路が切換機構80により
遮断された時に、この第2ビスカスカップリング60がセ
ンタデフ40のキャリヤ46とフロントデフ30ないし左右の
前輪10,11とを連結することになる。そのため、前、後
輪間に回転速度差が生じると、この回転速度差が第2ビ
スカスカップリング60に入力されて該カップリング60が
トルクを伝達することになり、その結果、一体化された
センタデフ40からの出力トルクが第1伝動経路を介して
後輪16,17に伝達されると同時に、該第2ビスカスカッ
プリング60を介して前輪10,11にも伝達されることにな
る。このようにして、後輪16,17のみが駆動される2輪
駆動状態から前、後輪の回転速度差に応じて前輪10,11
も駆動されて、自動的に4輪駆動状態に移行するフルオ
ートの4輪駆動モードが得られることになり、通常の走
行時には燃費の良い2輪駆動走行が行われると共に、コ
ーナリング時や駆動輪(後輪)のスリップ時には4輪駆
動状態となって走行安定性か向上することになる。尚、
この場合は、センタデフ40がロックされているので、該
センタデフ40のサンギヤ41とキャリヤ46とにアウタケー
ス51及びインナケース52が夫々結合された第1ビスカス
カップリング50は、全体が一体化して非作動の状態とな
る。
以上のように、このトランスファー装置3によれば、
切換機構80のスリーブ84をスライドさせることにより、
センタデフ40の差動制限機能を有するフルタイム4輪駆
動モードとフルオート4輪駆動モードとが選択的に得ら
れることになるが、その場合に、両モードで第1,第2ビ
スカスカップリング50,60が使い分けられるので、これ
らのビスカスカップリング50,60の容量や特性を夫々の
モードに最も適合したものに設定することが可能とな
る。つまり、例えば第4図に示すように、フルタイム4
輪駆動モードでセンタデフ40の差動制限用として用いら
れる第1ビスカスカップリング50については、回転速度
差の増大に対する伝達トルクの増大率が比較的小さいも
のを用いて、センタデフ40の差動動作が必要以上に制限
されることがないようにし、またフルオート4輪駆動モ
ード使用される第2ビスカスカップリング60について
は、回転速度差の増大に対する伝達トルクの増大率が比
較的大きなものを用いて、前、後輪間に回転速度差が生
じた時に、前輪10,11にも確実にトルクが伝達されるよ
うにするといったことが可能となり、これにより、いず
れのモードにおいても、要求に適合した最良の走行性が
得られることになる。
ここで、切換機構80の構造に改良を加えて、スリーブ
84により第1,第2,第3スプライン81,82,83を同時に結合
し得るようにすれば、センタデフ40がロックされると共
に、該センタデフ40のキャリヤ46から前輪10,11に至る
第2伝動経路が接続されて、入力トルクが該センタデフ
40のサンギヤ41から第1伝動経路を介して後輪16,17に
伝達されると同時に、キャリヤ46もしくはリングギヤ47
から上記第2伝動経路により切換機構80及びフロントデ
フ30を介して前輪10,11にも直接伝達されることにな
り、前、後輪が共にトランスミッション2に直結した状
態で駆動される直結4輪駆動モードが得られる。また、
切換機構80の第1,第2,第3スプライン81,82,83間を全く
結合しない状態を取り得るように構成すれば、トランス
ミッション2と、前輪10,11と、後輪16,17とを完全に分
離することが可能となって、例えば前輪10,11を浮かし
た状態での被けん引時に、後輪16,17のみが自由に回転
して、けん引抵抗が軽減されることになる。
次に、第5図に示す本発明の第2実施例について説明
する。
この実施例に係るトランスファー装置3aにおいても、
センタデフ40aのサンギヤ41aに一体に後輪用第1出力ギ
ヤ71aが設けられ、該ギヤ71aから後輪用第2出力ギヤ72
a、中間軸23a及び後輪用第3,第4出力ギヤ73a,74aを介
して後輪用出力軸24aに至る第1伝動経路が設けられて
いると共に、センタデフ40aのサンギヤ41aとキャリヤ46
aとの間、及び該キャリヤ46aとフロントデフ30aのデフ
ケース31aとの間に、第1,第2ビスカスカップリング50
a,60aが夫々介設されている。そして、この実施例にお
いては、切換機構80aがセンタデフ40aのサンギヤ41aに
一体の第1スプライン81aと、キャリヤ46aに一体の第2
スプライン82aと、フロントデフ30aのデフケース31aに
一体の第3スプライン83aとをスリーブ84aによって選択
的に結合するように構成されている。
このトランスファー装置3aによれば、切換機構80aの
スリーブ84aを図示のように左側にスライドさせた状態
では、トランスミッション出力ギヤ9aから入力ギヤ70a
を介してセンタデフ40aのリングギヤ47aに入力されたト
ルクがサンギヤ41aとキャリヤ46aとに分割されて、サン
ギヤ41a側に出力されたトルクが後輪用第1出力ギヤ71a
ないし後輪用出力軸24aでなる第1伝動経路を介して後
輪に伝達され、またキャリヤ46a側に出力されたトルク
が、該キャリア46aから上記切換機構80a、フロントデフ
30a及び前輪駆動軸21a,22aでなる第2伝動経路を介して
左右の前輪に伝達され、フルタイムの4輪駆動モードが
得られる。そして、この場合においては、上記第1,第2
伝動経路を夫々構成するセンタデフ40aのサンギヤ41aと
キャリヤ46aとの間に第1ビスカスカップリング50aが介
在することになって、前、後輪間に回転速度差が生じた
時に、該第1ビスカスカップリング50aがセンタデフ40a
の差動動作を制限することにより、上記回転速度差が過
度に許容されることが防止される。
また、切換機構80aのスリーブ84aを図示の位置から右
側にスライドさせれば、センタデフ40aのサンギヤ41aと
キャリヤ46aとが結合されることにより該センタデフ40a
がロックされると共に、キャリヤ46aから切換機構80a及
びフロントデフ30aを介して前輪に至る第2伝動経路が
遮断される。そのため、センタデフ40aのリングギヤ47a
に入力されたトルクは分割されることなく、そのままサ
ンギヤ41aから上記第1伝動経路を介して後輪に伝達さ
れることになるが、この時、該センタデフ40aのキャリ
ヤ46aとフロントデフ30aないし前輪とが第2ビスカスカ
ップリング60aを介して連結されることになる。従っ
て、この場合には、前、後輪間に回転速度差がなければ
後輪のみが駆動される2輪駆動状態となり、また前、後
輪間に回転速度差が生じると上記第2ビスカスカップリ
ング60aを介して前輪にもトルクが伝達されることにな
って、フルオートの4輪駆動モードが得られることにな
る。
尚、この実施例においても、切換機構80aの第1,第2,
第3スプライン81a,82a,83aの全てを同時に結合し得る
ように構成すれば、トランスミッションと前、後輪とが
直接連結される直結4輪駆動状態が得られ、また上記第
1〜第3スプライン81a〜83a間を全く結合しない状態を
取り得るようにすれば、トランスミッションと前輪と後
輪とを完全に分離することが可能となる。
更に、上記各実施例においては、切換機構80,80aをス
プライン式の噛合クラッチで構成したが、例えば油圧ク
ラッチを用いて構成してもよく、要するにこの切換機構
は、センタデフのロックを解除して第2伝動経路を接続
した状態と、センタデフをロックして第2伝動経路を遮
断した状態とに切換えることができるものであればよ
い。
(発明の効果) 以上のように本発明に係る4輪駆動車のトランスファ
ー構造によれば、センタデフの差動制限機能を有するフ
ルタイム4輪駆動モードと、前、後輪間の回転速度差に
応じて2輪駆動状態から4輪駆動状態に自動的に移行す
るフルオート4輪駆動モードとが選択できることにな
り、これらのモードを適切に選択することにより、常に
路面状態等の走行条件に適合した走行性が得られること
になる。そして、特に本発明によれば、上記のような2
種の駆動モードの夫々において異なるビスカスカップリ
ングが使用されるので、これらのビスカスカップリング
の容量や特性を各駆動モードで要求されるものに夫々適
合させて設定することが可能となり、従って、いずれの
駆動モードにおいても最適の駆動状態ないし走行性が得
られることになる。
【図面の簡単な説明】
第1〜5図は本発明の実施例を示すもので、第1図は第
1実施例に係る4輪駆動車の全体構成を示す骨子図、第
2図はその要部の骨子図、第3図は該実施例におけるセ
ンタデフの構成を示す概略図、第4図は該実施例におけ
る第1,第2ビスカスカップリングの特性を示すグラフ、
第5図は第2実施例に係る4輪駆動車の要部を示す骨子
図である。また、第6図は本発明の前提となるトランス
ファー構造の一例を示す骨子図である。 1……エンジン、2……トランスミッション、3,3a……
トランスファー装置、40,40a……センタデフ、47,47a
(リングギヤ)……入力要素、41,41a(サンギヤ)……
第1出力要素、46,46a(キャリヤ)……第2出力要素、
50,50a……第1ビスカスカップリング、60,60a……第2
ビスカスカップリング、80,80a……切換機構。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1つの入力要素と2つの出力要素とを有
    し、上記入力要素にエンジンからトランスミッションを
    介してトルクが入力されるセンタデフを有する4輪駆動
    車のトランスファー構造であって、上記センタデフの第
    1出力要素から前輪又は後輪のいずれか一方の車輪に至
    る第1伝動経路と、第2出力要素から前輪又は後輪の他
    方の車輪に至る断接可能とされた第2伝動経路とが設け
    られていると共に、上記センタデフの入力要素及び第1,
    第2出力要素のうちの2つの要素間に介設された第1ビ
    スカスカップリングと、上記第2伝動経路に並列にセン
    タデフの第2出力要素と上記他方の車輪との間に介設さ
    れた第2ビスカスカップリングとが備えられ、且つ上記
    第2伝動経路を接続して、センタデフの第1,第2出力要
    素からの各出力トルクを一方及び他方の車輪に夫々第1,
    第2伝動経路を介して伝達し、且つ前、後輪間の回転速
    度差が上記第1ビスカスカップリングに入力される状態
    と、センタデフの入力要素と第1,第2出力要素のうちの
    少なくとも2つの要素を結合して該センタデフをロック
    し且つ上記第2伝動経路を遮断して、第1出力要素から
    の出力トルクを第1伝動経路により一方の車輪に伝達す
    ると同時に、第2出力要素と他方の車輪とを第2ビスカ
    ップリングを介して接続する状態とに切換えるの切換機
    構が備えられていることを特徴とする4輪駆動車のトラ
    ンスファー構造。
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