JPH08253855A - ボイラーチューブへの皮膜形成方法 - Google Patents

ボイラーチューブへの皮膜形成方法

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JPH08253855A
JPH08253855A JP7054742A JP5474295A JPH08253855A JP H08253855 A JPH08253855 A JP H08253855A JP 7054742 A JP7054742 A JP 7054742A JP 5474295 A JP5474295 A JP 5474295A JP H08253855 A JPH08253855 A JP H08253855A
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boiler tube
spraying
flame
mixed gas
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JP7054742A
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Mitsumasa Sasaki
光正 佐々木
Masahiro Nakagawa
政宏 仲川
Keisuke Kamioka
啓介 上岡
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SURUZAA METEKO JAPAN KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 基材であるチューブとの密着性が高く、剥離
のない、高温での耐摩耗性および耐食性に優れた皮膜を
ボイラーチューブの表面に形成する方法を提供する。 【構成】 ボイラーのチューブの表面の一部あるいは全
部を、粗面化処理した後、マトリックス材:15〜50
重量%およびCr :50〜85重量%からなる
溶射材粉末を、高速ガス炎溶射法によりボイラーチュー
ブの表面に溶射することを特徴とするボイラーチューブ
への皮膜形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、微粉炭等の燃料の燃焼
により消耗するボイラーチューブの表面に、超高速炎に
て溶射粉末を加熱、溶融、音速以上に加速して衝突させ
皮膜を形成し、高温での耐摩耗生、耐食性を改良するこ
とのできる皮膜形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】主に微粉炭を燃料とする流動床式ボイラ
ーのボイラーチューブには、炭素鋼、合金鋼、ステンレ
ス鋼またはクラッド鋼管などが使用されている。
【0003】しかしながら、このようなボイラーチュー
ブは、表面温度300〜800℃で燃料に使用される微
分炭等の衝突により多大な摩耗を起こす。このように摩
耗が激しくチューブの減肉が早いと、その交換周期が短
く維持管理が大変であり、修理方法により効率が著しく
低下する。特に、ボイラーチューブを固定しているキャ
スタブル上面測のチューブ側面部は特に摩耗が激しく1
00μm/月の減肉を起こす。
【0004】これらチューブの摩耗を防止するために、
ボイラーチューブの表面にガス炎溶射法によるNi基自
溶性合金の溶射皮膜を形成し、1000℃以上に昇温す
るヒュージング処理をした皮膜を形成する方法、アーク
式溶射法によるステンレス皮膜を形成する方法、および
プラズマ溶射法によるNiCr合金(Ni:50〜80
重量%、Cr:20〜50重量%)皮膜を形成する方法
が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
技術のうち、ヒュージング処理法は密着強さの高い皮膜
を作るために、Ni基合金を用いてヒュージング処理す
る際に1000℃以上に昇温せねばならず、ボイラーチ
ューブに変形が生じるうえ、高温における硬さが不十分
で高温耐摩耗性が満足でない。また、プラズマ溶射法や
アーク式溶射法の場合は、粒子を溶射する時点で粒子表
面に酸化物を形成しやすく、粒子の飛行速度が不十分
で、密着強さが不足し、皮膜が剥離しやすいという欠点
がある。
【0006】本発明の課題は、基材であるチューブとの
密着性が高く、剥離のない、高温での耐摩耗性および耐
食性に優れた皮膜をボイラーチューブの表面に形成する
方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、基材であるボイラ
ーチューブの表面にCr32 を含むNi基溶射材粉
末を高速ガス炎溶射法にて皮膜を形成することにより、
上記課題を解決できることを見いだし、本発明を完成す
るに至った。
【0008】すなわち、本発明は、ボイラーのチューブ
の表面の一部あるいは全部を、粗面化処理した後、マト
リックス材:15〜50重量%およびCr :5
0〜85重量%からなる溶射材粉末を、高速ガス炎溶射
法によりボイラーチューブの表面に溶射することを特徴
とするボイラーチューブへの皮膜形成方法に関するもの
である。
【0009】本発明における、高速ガス炎溶射法とは、
高圧の燃焼ガスを用いて超高速炎を発生させ、この超高
速炎により溶射原料粉末を加熟、溶融、且つ加速し高速
で被溶射基材表面へと衝突させ被溶射基材表面に皮膜を
形成する方法である。
【0010】本発明方法の高速ガス炎溶射法において用
いられる燃焼ガスとは、酸素とプロピレンの混合ガス、
酸素とプロバンの混合ガス、酸素とエチレンの混合ガ
ス、酸素とアセチレンの混合ガス、酸素と水素の混合ガ
ス、酸索と灯油の混合ガス、または圧縮空気と灯油の混
合ガスから選ばれる1種である。
【0011】また、本発明方法の高速ガス炎溶射法の燃
焼条件としては、火炎温度を2300〜3000℃、火
炎速度を1000〜2500m/秒として、チューブ表
面と溶射ガンの距離を150〜450mmに保持すれば
よい。
【0012】皮膜を形成する前に、ボイラーチューブの
表面を、あらかじめ、グリットブラスト法または高圧水
噴射法により、粗さRa=5〜12にする粗面化処理を
行う。粗面化処理は、基材であるボイラーチューブの表
面のスケールを取り除き、清浄化し、さらに基材表面の
活性化を行い、密着面積を拡大、溶射皮膜との密着強さ
を高く維持するために、必要である。
【0013】本発明方法により溶射される溶射材粉末
は、マトリックス材:15〜50重量%とCr32
50〜85重量%からなる合金組成を有するものであ
る。マトリック材とCr32がこの範囲を超えると、も
ろく割れやすくい、または硬さが低く耐摩耗性が劣る点
で好ましくない。
【0014】溶射材粉末におけるマトリックス材として
は、Ni:60〜80重量%、Cr:10〜30重量
%、B:0〜6重量%、Si:0〜5重量%、W:0〜
5重量%、Cu:0〜5重量%、Mo:0〜8重量%、
C:0〜1重量%からなる合金組成を有することが好ま
しい。
【0015】このマトリックス材において、Ni基合金
は、Niが他の成分を固溶し炭化物などの化合物とのヌ
レ性に優れ強靭な母相になるが、60%末満では靭性が
落ち、また80%超では硬さが下がるためNiの組成は
60〜80%が好ましい。
【0016】CrはNiに固溶し且つ表面に酸化物(C
23)を形成し耐蝕性を向上させ、また高温での耐摩
耗性に優れた炭化物を形成する。Cr量が30%を超え
ると靭性が落ち、10%未満では硬さが下がるため10
〜30%が好ましい。
【0017】CはCr(主にCr32)、B(主にB4
C)、Si(SiC)、W(主にWC)、Mo(主にM
236)の炭化物を形成し硬さを向上させるが、1%
を超えると靭性が落ちるため、1%未満が好ましい。
【0018】B、SiおよびCuは母相の融点を下げ溶
射原料粉末粒子間の密着強さを向上させるが6%を超え
ろと靭性が落ちる。このことからBは6%以下、Siは
5%以下、Wは5%以下、Moは8%以下およびびCu
は5%以下が好ましい。
【0019】本発明方法において溶射される溶射材粉末
の粒度は、5〜55μmの範囲である。5μm未満で
は、粒子の溶融が著しく、酸化が多くなり、粒子間の密
着強さ、皮膜の耐食性が劣る点で好ましくなく、また5
5μmを超えると、粒子の未溶融が多くなり、粒子間に
気孔が残り、密着強さ、耐摩耗性が劣る点で好ましくな
い。
【0020】本発明方法により、ボイラーチューブの表
面に形成される皮膜は、硬さはHv450〜1000で
あり、特に600℃における高温硬さがHv600程度
であり、優れた硬度を有する。
【0021】なお、本発明方法によって皮膜が形成され
る母材となるボイラーチューブは、炭素鋼鋼管、合金鋼
鋼管またはステンレス鋼管のいずれであっても、高温耐
摩耗性および耐食性に優れた皮膜を形成することができ
る。
【0022】次に、本発明に係る高速ガス炎溶射法の一
実施態様を図1に則して説明する。図1に、本発明の高
速ガス炎溶射を実施する溶射装置(溶射ガン)1の概略
構成を示し、説明する。溶射ガン1は中心部に溶射原料
粉末を投入する粉末投入ポート2が配置され、その回り
に同心円状に内方より外方へとノズルインサート3、シ
ェル4およびエアキャップ5が配置され、燃焼ガス通路
8および圧縮空気通路7および9を形成している。さら
にエアキャップ5の外側にエアキャップボディ6が配置
されている。溶射ガン1の構造は周知であり詳しい説明
は省略する。溶射原料粉末は、窒秦ガス等の不活性ガス
で搬送され前記粉末投入ポート2へと供給され、ポート
先瑞より燃焼炎中に噴出される。燃焼ガス通路8から供
給された高圧燃焼ガスはノズルインサート3およびシェ
ル4の先端外周部で燃焼する。燃焼炎は圧縮空気に包ま
れ高温高圧でエアキャップ5より噴出し円筒状の超高速
炎になる。この超高速炎によりポート2先端から噴出さ
れた溶射原料粉末は炎の中心部にて加熱され、溶融さ
れ、加速されて溶射ガン1より高速で噴出され、所定の
溶射距離(150〜450mm)に配置された基材10
へと衝突し、積層されて溶射皮膜11を形成する。
【0023】この溶射距離は150mm未満では粉末が
加速、加熟されず、また450mmを超えると一旦加
速、加熟された粉末の温度、速度が下がり且つ酸化物が
増加して、基材と粉末粒子、および粒子間の密着強さが
下がるため、好ましい溶射距離は150〜450mmで
ある。
【0024】本発明の高速ガス炎溶射法によると、粉末
粒子は炎温度が比較的低いため、酸化される程度が少な
く、高速(粒子速さ400〜800mm/秒)で基材1
00に衝突し、基材と粒子および粒子間において、アン
カー効果が促進され、密着強さが向上する。
【0025】
【実施例】
実施例1 マトリックス材にCr:20重量%、B:3重量%、S
i:3重量%、Mo:5重量%、Cu:5重量%、C:
0.5重量%および残部NiからなるNi基合金を用
い、このマトリックス材25重量%とCr32 が75
重量%からなる溶射原料の溶射材粉末(粒度5〜55μ
m)を使用した。
【0026】被溶射基材に、C:0.15重量%、S
i:0.3重量%、Mn:0.4重量%および残部Fe
からなるボイラー用炭素鋼鋼管(STB33)を使用し
た。
【0027】まず基材表面の粗面化のため、ブラスト処
理を行い、Ra7〜10に粗面処理した。
【0028】次いで、図1に示す溶射ガン1を使用して
粗面化された基材表面に、溶射距離250mmにて前記
溶射原料粉末を溶射した。燃焼ガスとしては1.21M
Pa、220SLMの酸素と、0.98MPa、710
SLMの水素との混合ガスを用い、さらに0.66MP
a、360SLMの圧縮空気を使用した。火炎温度は2
800℃、火炎速度は2100m/秒の条件で高速ガス
炎溶射を行った。
【0029】得られた皮膜の厚さは400μmであり、
硬さはHv1050であった。皮膜の高温(25〜90
0℃)硬さを測定した結果を図2に示す。また、耐高温
粒子摩耗試験を行った。その結果を図3に示す。この試
験は600℃に保持された基材の溶射皮膜に吐出圧力8
33kPa、吐出速度1500m/秒の高速炎に粒径3
0〜75μmのA123粒子を混入し、粒子吐出量80
g/分にて250mmの距離を隔てて衝突させて、90
秒ごとに摩耗減量を測定した。この摩耗量は、後で説明
する比較例1と比べると1/3にまで低下したことが図
3から理解できる。従って、本発明によれば、ボイラー
チューブの耐久寿命が著しく向上する。また、試験後の
断面組織の拡大写真を撮影したところ、試験前と変化が
みられず、耐食性にも優れていることが分かった。
【0030】実施例2 マトリックス材にCr:20重量%、Ni:残部からな
るNi基合金を用い、このマトリックス材20重量%と
Cr32 が80重量%の溶射原料粉末(粒度5〜35
μm)を使用した。
【0031】被溶射基材に、C:0.15重量%、S
i:0.3重量%、Mn:0.58重量%および残部F
eからなるボイラー用炭索鋼鋼管(STB45)を使用
した。まず基材表面の粗面化のため、ブラスト処理を行
い、Ra7〜10に粗面処理した。
【0032】次いで、図1に示す溶射ガン1を使用して
粗面化された基材表面に、溶射距離250mmにて前記
溶射原料粉末を溶射した。燃焼ガスとしては1.03M
Pa、265SLMの酸素と、0.69MPa、74S
LMのプロパンとの混合ガスを用い、さらにに0.52
MPa、350SLMの圧縮空気を使用した。火炎温温
度は2700℃、火炎速度1300m/秒の条件で高速
ガス炎溶射を行った。得られた皮膜の厚さは400μm
であり、硬さはHv890てあつた。
【0033】皮膜の高温(25〜900℃)硬さを測定
した結果を、図2に示す。また、前記同様に耐高温粒子
摩耗試験を行った。その結果を図3に示すが、本実施例
においても摩耗量は、後で説明する比較例1に比較する
と1/2にまで低下し、ボイラーチューブの耐久寿命を
著しく向上し得ることが分かった。
【0034】そこで実機の流動床ボイラーの著しく摩耗
の激しいキャスタブル上部のチューブに、上記厚さ40
0μmの溶射皮膜を形成したチューブを用い、1年間使
用した結果、皮膜厚さが200μm減少し、月平均16
μmの摩耗であった。従来品の月平均100μmの摩耗
に比べ1/6に減少した。
【0035】また、試験後の断面組織の拡大写真を撮影
したところ、試験前と変化がみられず、耐食性にも優れ
ていることが分かった。
【0036】実施例3 マトトリックス材にCr:20重量%および残部Niか
らなるNi基合金を用い、このマトリックス材:25重
量%とCr32 が75重量%の溶射原料の溶射材粉末
(粒度5〜45μm)を使用した。
【0037】被溶射基材として、C:0.15重量%、
Si:0.3重量%、Mn:0.4重量%および残部F
eからなるボイラー用炭素鋼鋼管(STB33)を使用
した。
【0038】まず基材表面の粗面化のため、ブラスト処
理を行い、Ra7〜10に粗面処理した。
【0039】次いで、図1に示す溶射ガン1を使用して
粗面化された基材表面に、溶射距離200mmにて前記
溶射原料粉末を溶射した。燃焼ガスとしては、0.93
MPa、265SLMの酸素と、0.52MPa、70
SLMのプロパンとの混合ガスを用い、さらに0.52
MPa、325SLMの圧縮空気を使用した。火炎温度
は2650℃、火炎速度1200m/秒であった。得ら
れた皮膜の厚さは400μmであり、硬さはHv700
であった。
【0040】皮膜の高温(25〜900℃)硬さを測定
した結果を、図2に示す。また、前記同様に耐高温粒子
摩耗試験を行った結果、この摩耗量は、後で説明する比
較例1に比べ低下したことが図3から理解できる。従っ
て本発明によれば、ボイラーチューブの耐久寿命が著し
く向上する。
【0041】また、試験後の断面組織の拡大写真を撮影
したところ、試験前と変化がみられず、耐食性にも優れ
ていることが分かった。
【0042】比較例1 前記Ni基自溶性合金(成分はCr:17重量%、B:
4重量%、Si:4重量%、Fe:4重量%、C:1重
量%および残部Ni)を用い、被溶射基材に、C:0.
15重量%、Si:0.3重量%、Mn:0.4重量%
および残部Feからなるボイラー用炭素鋼鋼管(STB
33)の表面に通常のガス炎溶射法によるNi基自溶性
合金の溶射皮膜を形成し1000℃以上に昇温するヒュ
ージング処理をした皮膜でその厚さは700μmてあ
り、硬さはHv700であった。この皮膜を用いて前記
耐高温粒子摩耗試験を行った。その結果として摩耗量を
図3に示し、本発明の高速ガス炎溶射法を用いて作製し
た皮膜と比較した。
【0043】実施例4 マトリックス材にCr:20重量%、Mo:5重量%お
よび残部NiからなるNi基合金を用い、このマトリッ
クス材400重量%とCr32 が60重量%の溶射原
料粉末(粒度5〜45μm)を使用した。
【0044】被溶射基材として、C:0.15重量%、
Si:0.3重量%、Mn:0.52重量%および残部
Feからなるボイラー用炭素鋼鋼管(STB35)を使
用した。
【0045】まず基材表面の粗面化のため、ブラスト処
理を行い、Ra6〜10に粗面処理した。
【0046】次いで、図1に示す溶射ガン1を使用して
粗面化された基材表面に、溶射距離230〜300mm
にて前記溶射原料粉末を溶射した。燃焼ガスとしては
1.03MPa、290SLMの酸素と、0.49MP
a、83SLMのプロピレンとの混合ガスを用い、さら
にに0.52MPa、390SLMの圧縮空気を使用し
た。火炎温度は2700℃、火炎速度1400m/秒で
あった。
【0047】得られた皮膜の厚さは400μmであり、
硬さはHv730であった。皮膜の高温(25〜900
℃)硬さを測定した結果を、図2に示す。また、前記耐
高温粒子摩耗試験を行った結果、摩耗量は前記で説明し
た比較例1に比ベると2/3にまで低下したことが図3
から理解でき、本実施例においてもボイラーチューブの
耐久寿命が向上し得ることが分かつた。
【0048】そこで実機の石炭焚き放射形ボイラーの著
しく摩耗の激しいデスラガー周辺に、ブラスト処理を行
いRa5〜11に粗面化して、上記粉末材料を厚さ40
0μmの溶射皮膜を形成したチューブを用いた。3年間
使用した結果、皮膜厚さの減少は0〜30μmであり、
摩耗量は正確に確認できないほど少なかった。
【0049】また、試験後の断面組織の拡大写真を撮影
したところ、試験前と変化がみられず、耐食性にも優れ
ていることが分かった。
【0050】
【発明の効果】本発明により、ボイラーチューブ表面
に、耐高温摩耗性および耐食性に優れた皮膜を形成でき
るため、本発明方法により得たボイラーチューブを、微
粉炭を燃料とする流動床式ボイラー等の摩耗の激しいた
ボイラーに用いることにより、ボイラーチューブの耐久
寿命が著しく向上し、維持管理に要するコストの大幅な
削減が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】溶射装置の概略構成図。
【図2】溶射皮膜の温度と皮膜硬さの関係を示すグラ
フ。
【図3】耐高温粒子摩耗試験における、溶射皮膜の高温
粒子噴き付け時間と重量減の関係を示すグラフ。
【符号の説明】
1 溶射ガン 2 溶射材粉末投入ポート 3 ノズルインサート 4 シェル 5 エアキャップ 6 エアキャップボディ 7 圧縮空気通路 8 燃焼ガス通路 9 圧縮空気通路 10 被溶射基材 11 溶射皮膜

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ボイラーのチューブの表面の一部あるい
    は全部を、粗面化処理した後、マトリックス材:15〜
    50重量%およびCr32 :50〜85重量%からなる
    溶射材粉末を、高速ガス炎溶射法によりボイラーチュー
    ブの表面に溶射することを特徴とするボイラーチューブ
    への皮膜形成方法。
  2. 【請求項2】 粗面化処理が、グリットブラスト法また
    は高圧水噴射法により処理面の粗さをRa=5〜12に
    することを特徴とする請求項1記載のボイラーチューブ
    ヘの皮膜形成方法。
  3. 【請求項3】 高速ガス炎溶射に用いる燃焼ガスが、酸
    素とプロピレンの混合ガス、酸素とプロバンの混合ガ
    ス、酸素とエチレンの混合ガス、酸素とアセチレンの混
    合ガス、酸素と水素の混合ガス、酸索と灯油の混合ガ
    ス、または圧縮空気と灯油の混合ガスから選ばれる1種
    であることを特徴とする請求項1または2記載のボイラ
    ーチューブヘの皮膜形成方法。
  4. 【請求項4】 高速ガス炎溶射の条件が、火炎温度を2
    300〜3000℃で、火炎速度を1000〜2500
    m/秒にて、チューブ表面との距離を150〜450m
    mで溶射することを特徴とすることを特徴とする請求項
    1、2または3記載のボイラーチューブヘの皮膜形成方
    法。
  5. 【請求項5】 溶射材粉末のマトリックス材が、Ni:
    60〜80重量%、Cr:10〜30重量%、B:0〜
    6重量%、Si:0〜5重量%、W:0〜5重量%、C
    u:0〜5重量%、Mo:0〜8重量%、C:0〜1重
    量%からなる合金組成を有することを特徴とする請求項
    1、2、3または4記載のボイラーチューブへの皮膜形
    成方法。
  6. 【請求項6】 溶射材粉末の粒度が5〜55μmの範囲
    であることを特徴とする請求項1、2、3、4または5
    記載のボイラーチューブヘの皮膜形成方法。
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