JPH08253780A - 成形加工用潤滑処理アルミニウム板材 - Google Patents
成形加工用潤滑処理アルミニウム板材Info
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- JPH08253780A JPH08253780A JP7083129A JP8312995A JPH08253780A JP H08253780 A JPH08253780 A JP H08253780A JP 7083129 A JP7083129 A JP 7083129A JP 8312995 A JP8312995 A JP 8312995A JP H08253780 A JPH08253780 A JP H08253780A
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Abstract
mの固体潤滑剤粒子を含有する潤滑剤を塗布する。固体
潤滑剤としてはフッ化カーボン、四フッ化エチレン樹脂
が好ましく、潤滑剤のベース油としては低粘度鉱油、ス
テアリン酸n−ブチル、α−オレフィン、α−オレフィ
ンとアルコキシアルキルエステルの混合物が好適に使用
される。 【効果】 アルミニウム板を成形加工する場合、成形を
容易にするとともに、成形後の潤滑剤の洗浄行程の省略
または簡易化を可能とする潤滑処理アルミニウム板が提
供され、自動車用部品などの成形に有用である。
Description
ルミニウム板材、詳しくは、アルミニウム(アルミニウ
ム合金を含む、以下同じ)板を自動車用部品、家電用部
品などに成形加工する場合、成形性を向上させるため
に、表面に潤滑処理を施した成形加工用アルミニウム板
材に関する。
されていた自動車用部品、家電用部品にアルミニウム板
を適用しようとする場合、鋼と同様の高強度を有するア
ルミニウムが選択使用されるが、高強度アルミニウム合
金は一般に鋼より延性がわるく、鋼板に比べて深絞り性
などの成形性が劣るため、部品への成形加工が困難な場
合が少なくない。
品に成形する場合、成形性を向上させるために、予め表
面に潤滑剤を塗布したアルミニウム板を使用することが
行われており、発明者らは先に、下記(1)式で示され
るα−オレフィン40〜95%、下記(2)式で示され
るアルコキシアルキルエステル5〜60%からなる潤滑
剤を表面に塗布した潤滑処理アルミニウム板を提案し
た。(特開平5-98274 号公報) (1)CH2 =CH(CH2 )n CH3 (n=9〜2
7) (2)R1 COO(CH2 CH2 O)m R2 (R1 =C
n H2n+1、n=9〜17、R2 =Cn H2n+1、n=1〜
17、m=1〜20)
潤滑剤は、成形時アルミニウム板と工具との摩擦を効果
的に減少させるが、例えば複雑な形状の部品に成形する
場合には、なお肌荒れや割れなどの欠陥を生じることが
しばしば経験され、アルミニウム板に対してさらに安定
した潤滑性を与える潤滑処理が要望されている。
性の優れた成形加工用潤滑処理アルミニウム板を得るた
めに、先に提案した上記の潤滑剤処理アルミニウム板に
塗布された潤滑剤における問題点を究明し、ベース油、
添加剤などを多角的に見直した結果としてなされたもの
であり、その目的は、アルミニウム板に対して安定した
潤滑性を付与するとともに、成形後フロンや有機塩素系
溶剤などで脱脂する必要がなく、加熱除去または水洗浄
除去が可能な潤滑剤を塗布した成形加工用潤滑剤処理ア
ルミニウム板材を提供することにある。
めの本発明による成形加工用潤滑処理アルミニウム板材
は、アルミニウム板表面に、平均粒径が0.1〜5μm
の固体潤滑剤粒子を5〜80%含有する潤滑剤を500
〜3000mg/m2 塗布したことを構成上の基本的特
徴とする。
残部が低粘度鉱油またはステアリン酸n−ブチルからな
る潤滑剤を塗布したこと、固体潤滑剤粒子が四フッ化エ
チレン樹脂、残部が低粘度鉱油またはステアリン酸n−
ブチルからなる潤滑剤を塗布したことを第2、第3の特
徴とし、固体潤滑剤粒子として四フッ化エチレン樹脂5
〜30%を含有し、残部が次式で示されるα−オレフィ
ンからなる潤滑剤を500〜2000mg/m2 塗布す
ることを本発明構成上の第4の特徴とする。 CH2 =CH(CH2 )n CH3 (n=7〜11)
ン樹脂5〜20%を含有し、つぎの(1)式で示される
α−オレフィン60〜90%およびつぎの(2)式で示
されるアルコキシアルキルエステル5〜30%を含有し
てなる潤滑剤を500〜2000mg/m2 塗布するこ
とを本発明の第5の特徴とする。 (1)CH2 =CH(CH2 )n CH3 (n=7〜1
1) (2)R1 COO(CH2 CH2 O)m R2 (R1 :C
n H2n+1、n=9〜13、R2 :Cn H2n+1、 n=1〜
3、m=1〜5)
粘度鉱油、ステアリン酸n−ブチルが好ましく、また上
記のα−オレフィン、さらには上記(1)式で示される
α−オレフィンと上記(2)式で示されるアルコキシア
ルキルエステルの混合物も好適に使用される。α−オレ
フィンは、アルミニウムとの境界潤滑性に優れていると
ともに、特定のC数のものを選択使用することにより揮
発性を向上させ、成形後の潤滑剤の除去作用を促進させ
る。好ましいα−オレフィンとしては、1−デセン、1
−ドデセン、1−テトラデセンなどが挙げられ、これら
を単独または組み合わせて使用することができる。
ウム板に優れた潤滑性を付与するとともに、自己乳化性
を有し潤滑剤の洗浄性の向上に寄与する。例えば、カプ
リン酸2−メトキシエチル、カプリン酸2−エトキシエ
チル、ラウリン酸メチルエチレンオキサイド2モル付加
物、ラウリン酸プロピルエチレンオキサイド4モル付加
物、ミリスチン酸プロピルエチレンオキサイド5モル付
加物などが好適に用いられ、これらは単独または組み合
わせて使用するすることができる。
板表面に、平均粒径が0.1〜5μmの固体潤滑剤粒子
を5〜80%含有する潤滑剤を500〜3000mg/
m2塗布することにある。ベース油には低粘度鉱油また
はステアリン酸n−ブチルを使用するのが好ましく、固
体潤滑剤粒子はとしては、フッ化カーボンおよび四フッ
化エチレン樹脂が使用するのが好ましい。これらの固体
潤滑剤粒子は、アルミニウム板の成形加工時に、アルミ
ニウム板と成形ダイスの間にそれらの粒径に応じた隙間
を形成し、潤滑剤の膜厚を維持するとともに、摩擦係数
を低くし剪断抵抗を低減させる。
mの範囲が好ましく、0.1μm未満では、成形時滑り
部での潤滑剤の膜厚が薄くなり易いため摩擦係数の低減
効果が小さく、5μmを越えると、成形されるアルミニ
ウム表面に固体潤滑剤粒子が存在しない部分が増加する
ために摩擦係数が高くなり易い。
80%の範囲が好ましく、5%未満では摩擦係数の低減
効果が十分でなく、80%を越えて含有すると、潤滑剤
の流動性が低下し、滑り部への固体潤滑剤粒子の導入が
不十分となり易い。アルミニウム表面への潤滑剤の塗布
はロールコーターや静電塗布装置を使用して行われ、塗
布量は500〜3000mg/m2 の範囲が好ましい。
500mg/m2 未満の塗布では摩擦係数の低減効果が
小さく、3000mg/m2 を越えて塗布されると、成
形後の潤滑剤の水洗浄除去が困難となり易い。本発明に
よる潤滑剤は薄膜でも安定した潤滑性を示すので、軽度
の加工では塗布量が500mg/m2 でも十分な潤滑性
が得られる。
として四フッ化エチレン樹脂5〜30%を含有させ、残
部がn数7〜11の前記α−オレインからなる潤滑剤を
使用するものである。四フッ化エチレン樹脂の含有量が
30%を越えると、潤滑剤の流動性が低下して滑り部へ
の四フッ化エチレン樹脂粒子の導入が十分でなくなるた
め摩擦係数の減少効果が得られ難い。ベース油となるα
−オレフィンのn数が7未満では潤滑性が十分でなく、
7〜11の範囲で安定した潤滑性能が得られる。この実
施態様においては、アルミニウム板表面に対する潤滑剤
の塗布量を500〜2000mg/m2 の範囲とするの
が望ましい。
剤として四フッ化エチレン樹脂5〜20%を含有させ、
残部がn数7〜11の前記α−オレフィン60〜90%
と、R1 のn数が9〜13、R2 のn数が1〜3、mが
1〜5のアルコキシアルキルエステル5〜30%からな
る潤滑剤を使用するものである。四フッ化エチレン樹脂
の含有量が30%を越えると、潤滑剤の流動性が低下し
て、滑り部への四フッ化エチレン樹脂粒子の導入が十分
でなくなるため摩擦係数の減少効果が得られ難い。
アルコキシアルキルエステルにおけるR1 のn数が9〜
13、R2 のn数が1〜3、mが1〜5の範囲で、安定
した潤滑性が与えられる。アルコキシアルキルエステル
の含有量が5%未満では潤滑性が不足し、成形後水洗に
よる潤滑剤の除去が困難となる。アルコキシアルキルエ
ステルの含有量が30%を越えるとα−オレフィンの含
有量が減少して潤滑性が低下する。本実施態様において
も、潤滑剤の塗布量を500〜2000mg/m2 の範
囲とするのが好ましい。
を潤滑剤中に含有させることにより、成形加工時アルミ
ニウム板と成形用ダイスとの間に粒子の径に応じた隙間
が形成されて潤滑剤の膜厚が維持されるとともに、固体
潤滑剤粒子の含有量を特定の範囲に規制することによっ
て潤滑剤に適度の流動性が与えられ摩擦係数が減少す
る。潤滑剤のベース油として低粘度鉱油、ステアリン酸
n−ブチル、α−オレフィン、アルコキシアルキルエス
テルを使用することにより、成形後の潤滑剤の水洗浄
性、加熱除去性が向上する。
明する。 実施例1 Al−Mg系アルミニウム合金、JIS5182合金の
板材(調質:軟化(O)材、寸法:長さ200mm、幅
30mm、厚さ1mm)の表面に、フッ化カーボンを含
有させた表1に示す潤滑剤を塗布し、図1に示すよう
に、アルミニウム板Sを板押え治具2で支持し、ポンチ
1で成形する試験装置を使用してU字曲げ試験を行い、
板押え力(H)とポンチ荷重(P)から摩擦係数を求
め、潤滑剤の潤滑性能を評価した。なお、板押え力
(H)は3000〜9000N、滑り速度は4mm/s
で、P=A+2μHの関係から摩擦係数μを求めた。結
果を表1に示す。
0℃のリン酸ソーダの2%溶液中に2分間浸漬した後、
水洗し、水洗後の水濡れ面積の大小から脱脂性(潤滑剤
の除去容易性)を評価した。結果を表1に示す。表1に
示されるように、本発明に従う試験材はいずれも、摩擦
係数が0.20以下の優れた潤滑性を示し、脱脂後の水
濡れ性も80%以上で、良好な脱脂性を示した。
例1と同様フッ化カーボンを含有させた表2に示す潤滑
剤を塗布し、実施例と同様に潤滑性および脱脂性を評価
した。結果を表2に示す。なお、表2において、本発明
の条件を外れたものには下線を付した。
剤の塗布量が少ないため摩擦係数が高く、No.2は塗布量
が多過ぎるため脱脂性が劣る。No.3はフッ化カーボンの
含有量が少なく、No.4はフッ化カーボンの含有量が多過
ぎ、No.5はフッ化カーボンの粒径が小さく、No.6はフッ
化カーボンの粒径が本発明の範囲を越えているため、い
ずれも摩擦係数が高くなっている。
潤滑材粒子として四フッ化エチレン樹脂粒子を含有させ
た表3に示される潤滑剤を塗布し、実施例1と同様に潤
滑性および脱脂性を評価した。結果を表3に示す。表3
に示されるように、本発明に従う試験材はいずれも、摩
擦係数が0.20以下の優れた潤滑性能をそなえ、水濡
れ性80%以上の良好な脱脂性を示した。
例2と同様、四フッ化エチレン樹脂粒子を含有させた表
4に示される潤滑剤を塗布し、実施例1と同様に潤滑性
および脱脂性を評価した。結果を表4に示す。なお、表
4において、本発明の条件を外れたものには下線を付し
た。
剤の塗布量が少ないため摩擦係数が高く、No.8は塗布量
が多過ぎるため脱脂性が劣る。No.9は四フッ化エチレン
樹脂の含有量が少なく、No.10 はその含有量が多過ぎ、
No.11 は四フッ化エチレン樹脂の粒径が小さく、またN
o.12 は四フッ化エチレン樹脂の粒径が本発明の範囲を
越えているため、いずれも摩擦係数が高い。
に示される組成を有する潤滑剤を塗布し、実施例1と同
様に、潤滑性および脱脂性を評価した。また、潤滑剤を
塗布した板材を10℃/minの昇温速度で加熱して、
加熱による潤滑剤の減量が70%に達する温度を測定
し、潤滑剤の揮発性も評価した。評価結果を表6に示
す。表6にみられるように、本発明に従う試験材はいず
れも、摩擦係数が0.20以下の優れた潤滑性能を有
し、水濡れ性は80%以上で良好な脱脂性を示し、加熱
減量が70%に達する加熱温度は200℃以下であり、
潤滑剤の揮発性も優れていた。
に示される組成を有する潤滑剤を塗布し、実施例3と同
様に、潤滑剤の潤滑性、脱脂性および揮発性を評価し
た。評価結果を表8に示す。なお、表7において、本発
明の条件を外れるものには下線を付した。
滑剤の塗布量が少ないため摩擦係数が高く、No.14 はα
−オレフィンのC数が小さいため摩擦係数の低減効果が
小さい。No.15 は四フッ化エチレン樹脂粒子の径が小さ
く、No.16 は粒径が大き過ぎるため、いずれも摩擦係数
が高くなっている。No.17 は潤滑剤の塗布量が多過ぎる
ため脱脂性、揮発性ともに劣る。No.18 はアルコキシア
ルキルエステルのC数が小さいため摩擦係数が高く、N
o.19 〜21は、アルコキシアルキルエステルのC数、m
数が大きいため揮発性がわるい。
ニウム板を成形加工する場合、成形を容易にするととも
に、成形後における潤滑剤の洗浄工程の省略または簡易
化を可能とする成形加工用潤滑処理アルミニウム板が提
供され、自動車用部品あるいは家電用部品の成形にきわ
めて有用である。
るU字曲げ試験の概要を示す断面図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 アルミニウム板の表面に、平均粒径が
0.1〜5μmの固体潤滑剤粒子を5〜80%(重量
%、以下同じ)含有する潤滑剤を500〜3000mg
/m2 塗布したことを特徴とする成形加工用潤滑処理ア
ルミニウム板材。 - 【請求項2】 固体潤滑剤粒子がフッ化カーボン、残部
が低粘度鉱油またはステアリン酸n−ブチルからなる潤
滑剤を塗布したことを特徴とする請求項1記載の成形加
工用潤滑処理アルミニウム板材。 - 【請求項3】 固体潤滑剤粒子が四フッ化エチレン樹
脂、残部が低粘度鉱油またはステアリン酸n−ブチルか
らなる潤滑剤を塗布したことを特徴とする請求項1記載
の成形加工用潤滑処理アルミニウム板材。 - 【請求項4】 アルミニウム板の表面に、平均粒径が
0.1〜5μmの四フッ化エチレン樹脂粒子を5〜30
%含有し、残部が下記の式で示されるα−オレフィンか
らなる潤滑剤を500〜2000mg/m2 塗布したこ
とを特徴とする成形加工用潤滑処理アルミニウム板材。 CH2 =CH(CH2 )n CH3 (n=7〜11) - 【請求項5】 アルミニウム板の表面に、平均粒径が
0.1〜5μmの四フッ化エチレン樹脂粒子を5〜20
%含有し、下記(1)式で示されるα−オレフィン60
〜90%と下記(2)式で示されるアルコキシアルキル
エステル5〜30%とを含有してなる潤滑剤を500〜
2000mg/m2 塗布したことを特徴とする成形加工
用潤滑処理アルミニウム板材。 (1)CH2 =CH(CH2 )n CH3 (n=7〜1
1) (2)R1 COO(CH2 CH2 O)m R2 R1 :Cn H2n+1(n=9〜13) R2 :Cn H2n+1(n=1〜3) m=1〜5
Priority Applications (1)
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JP08312995A JP3948572B2 (ja) | 1995-03-15 | 1995-03-15 | 成形加工用潤滑処理アルミニウム板材 |
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JP08312995A Expired - Lifetime JP3948572B2 (ja) | 1995-03-15 | 1995-03-15 | 成形加工用潤滑処理アルミニウム板材 |
Country Status (1)
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Cited By (3)
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---|---|---|---|---|
JP2002322487A (ja) * | 2001-04-26 | 2002-11-08 | Idemitsu Kosan Co Ltd | 金属加工用潤滑油組成物 |
WO2021145405A1 (ja) * | 2020-01-15 | 2021-07-22 | 出光興産株式会社 | 潤滑油組成物 |
CN114555257A (zh) * | 2019-10-11 | 2022-05-27 | 株式会社天田集团 | 弯曲加工系统以及供脂单元 |
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-
1995
- 1995-03-15 JP JP08312995A patent/JP3948572B2/ja not_active Expired - Lifetime
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