JPH08253669A - ほこり付着性低下方法 - Google Patents

ほこり付着性低下方法

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JPH08253669A
JPH08253669A JP9863796A JP9863796A JPH08253669A JP H08253669 A JPH08253669 A JP H08253669A JP 9863796 A JP9863796 A JP 9863796A JP 9863796 A JP9863796 A JP 9863796A JP H08253669 A JPH08253669 A JP H08253669A
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定生 行本
Toshibumi Hirose
俊文 広瀬
Hiroshi Wakabayashi
宏 若林
Katsuhiko Isayama
克彦 諌山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アルキッド塗料の塗装性が改善され、かつ低
モジュラスの硬化物を与える反応性ケイ素基を有するオ
キシアルキレン系重合体を含有する組成物をうる。 【解決手段】 (A)ケイ素原子に結合した水酸基およ
び(または)加水分解性基を有し、シロキサン結合を形
成することにより架橋しうるケイ素含有基を少なくとも
1個有するオキシアルキレン系重合体100重量部、
(B)分子内に1個のシラノール基を有する化合物およ
び(または)水分と反応して分子内に1個のシラノール
基を有する化合物を生成しうる化合物0.1〜20重量
部および(C)空気酸化硬化型の不飽和基を含有する化
合物0.1〜20重量部からなる硬化性組成物を使用す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はケイ素原子に結合し
た水酸基および(または)加水分解性基を有し、シロキ
サン結合を形成することにより架橋しうるケイ素含有基
を有するオキシアルキレン系重合体を含有する硬化性組
成物に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】ケイ
素原子に結合した水酸基および(または)加水分解性基
を有し、シロキサン結合を形成することにより架橋しう
るケイ素含有基(以下、反応性ケイ素基ともいう)を有
するオキシアルキレン系重合体は特開昭52−7399
8号公報などに開示されており、その代表的な例は一般
式:
【0003】
【化1】
【0004】(式中、X´はメトキシ基などの加水分解
性基)で表わされる重合体である。
【0005】反応性ケイ素基を有するオキシアルキレン
系重合体は、室温硬化性シリコンゴムのように室温で空
気中の湿気などの作用で重合体間にシロキサン結合(S
i−O−Si)を形成することによって硬化し、ゴム状
硬化物を与える。この硬化物は大きい伸び、低いモジュ
ラス、大きい破断強度などのすぐれた引張特性、すぐれ
た接着性、塗料の塗装性などを有するため、シーラン
ト、接着剤などの用途に使用されている。
【0006】反応性ケイ素基を有するオキシアルキレン
系重合体の硬化物は上記のようなすぐれた特徴を有して
いるけれども、シーラントなどに用いられるばあいに
は、通常低いモジユラスを有することが望まれることが
多い。またこの硬化物は良好な塗料の塗装性を有するけ
れども、アルキッド塗料と呼ばれる塗料を用いたばあい
には、塗料が乾燥・硬化しにくいという欠点を有してい
る。さらにこの硬化物は表面にほこりが付着しやすく美
観を損うため、硬化物がシーラントや塗料として用いら
れることが困難なばあいもある。特開昭61−3406
6号公報に開示されているように、本発明者らは低いモ
ジュラスを有する反応性ケイ素基を有するオキシアルキ
レン系重合体の硬化物を与える組成物として、該重合体
と分子内に1個のシラノール基を有する化合物および
(または)水分と反応して分子内に1個のシラノール基
を有する化合物を生成しうる化合物(以下、1価シラノ
ール系化合物ともいう)からなる組成物を提案してい
る。
【0007】しかしながら該組成物の硬化物のアルキッ
ド塗料の塗装性やほこりの付着性は1価シラノール系化
合物なしの組成物の硬化物に比較し、さらに悪化する傾
向にある。
【0008】本発明の目的はアルキッド塗料の塗装性が
改善され、かつ低モジュラスの硬化物を与える反応性ケ
イ素基を有するオキシアルキレン系重合体を含有する組
成物をうることにある。
【0009】本発明の他の目的はほこりの付着性が改善
され、かつ低モジュラスの硬化物を与える反応性ケイ素
基を有するオキシアルキレン系重合体を含有する組成物
をうることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は(A)ケイ素原
子に結合した水酸基および(または)加水分解性基を有
し、シロキサン結合を形成することにより架橋しうるケ
イ素含有基を少なくとも1個有するオキシアルキレン系
重合体100部(重量部、以下同様)、(B)分子内に
1個のシラノール基を有する化合物および(または)水
分と反応して分子内に1個のシラノール基を有する化合
物を生成しうる化合物0.1〜20部および(C)空気
酸化硬化型の不飽和基を含有する化合物0.1〜20部
からなる硬化性組成物に関する。
【0011】空気酸化硬化型の不飽和基を含有する化合
物は空気中の酸素によって架橋反応などにより硬化する
化合物であり、硬化後は比較的剛直な硬化物となる。し
たがって、低いモジュラスを有する硬化物を与える硬化
性組成物をうることを目的とするばあいには、この組成
物中にモジュラスを高くすると考えられる空気酸化硬化
型の不飽和基を含有する化合物を添加することは、通常
ありえないことである。
【0012】しかしながら、本発明の組成物は空気酸化
硬化型の不飽和基を含有する化合物を添加しても、添加
しないばあいと比べて硬化物のモジュラスをほとんども
とのままに保ち、かつほこりの付着性が改善される。
【0013】さらに、本発明の組成物の硬化物はほこり
の付着性のみならず、アルキッド塗料の硬化性も改善し
うる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明に用いる反応性ケイ素基を
少なくとも1個有するオキシアルキレン系重合体(以
下、オキシアルキレン系重合体(A)という)は、特公
昭45−36319号、同46−12154号、同49
−32673号、特開昭50−156599号、同51
−73561号、同54−6096号、同55−821
23号、同55−123620号、同55−12512
1号、同55−131022号、同55−135135
号、同55−137129号の各公報などに提案されて
いる重合体である。
【0015】オキシアルキレン系重合体(A)の分子鎖
は、本質的に一般式: −R1−O− (式中、R1は炭素数1〜12の置換または非置換の2
価の炭化水素基)で示される繰返し単位を有するもので
ある。オキシアルキレン系重合体の主鎖は一般式:−R
1−O−で示される繰返し単位のみからなっていてもよ
いが、他の繰返し単位などを含有していてもよい。他の
繰返し単位などを含有するばあい、一般式:−R1−O
−で示される繰返し単位が重合体の60%(重量%、以
下同様)以上、さらには80%以上であるのが好まし
い。
【0016】R1としては、炭素数2〜5の置換または
非置換の2価の脂肪族炭化水素基、とくに炭素数3〜4
の脂肪族炭化水素基が好ましい。また、R1の具体例と
しては、
【0017】
【化2】
【0018】などがあげられるが、とくに
【0019】
【化3】
【0020】が好ましい。前記オキシアルキレン系重合
体(A)の分子鎖は1種だけの繰返し単位からなってい
てもよく、2種以上の繰返し単位からなっていてもよ
い。
【0021】オキシアルキレン系重合体(A)における
反応性ケイ素基はよく知られた官能基であり、室温にお
いても架橋しうるという特徴を有している。この反応性
ケイ素基の代表例としては、一般式(I):
【0022】
【化4】
【0023】(式中、R2は炭素数1〜40の1価の有
機基で、R2が2個以上存在するときR2は異なっていて
もよい、Xは水酸基または加水分解性基であり、Xが2
個以上存在するときXは異なっていてもよい、aは0、
1または2、bは0、1、2または3であり、かつb+
(aの総和)≧1、mは0〜19の整数であり、mが2
以上のばあい
【0024】
【化5】
【0025】におけるaは同じである必要はない)で表
わされる基があげられる。一般式(I)で表わされる反
応性ケイ素基のうちでは経済性などの点から一般式(I
I):
【0026】
【化6】
【0027】(式中、R2は前記に同じ、cは1、2ま
たは3)で表わされる基が好ましい。
【0028】一般式(I)におけるXの1種である加水
分解性基の具体例としては、ハロゲン原子、水素原子、
アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、ア
ミノ基、アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、ア
ルケニルオキシ基などがあげられる。これらのうちでは
加水分解性がマイルドであるという点からメトキシ基、
エトキシ基などのアルコキシ基が好ましい。
【0029】また一般式(I)におけるR2としては、
炭素数1〜40の置換または非置換の炭化水素基やトリ
オルガノシロキシ基が例示されうる。R2の代表例とし
ては、たとえばメチル基、エチル基などのアルキル基、
シクロヘキシル基などのシクロアルキル基、フェニル基
などのアリール基、ベンジル基などのアラルキル基や、
トリメチルシロキシ基などの一般式: (R´)3SiO− (R´は炭素数1〜20の1価の有機基で、3個のR´
は同じである必要はない)で示されるトリオルガノシロ
キシ基などがあげられる。これらのうちではメチル基が
とくに好ましい。
【0030】オキシアルキレン系重合体(A)中の反応
性ケイ素基の個数は1個以上あればよいが、充分な硬化
性をうるという点からすると平均1.1個以上、さらに
は1.5〜4個が好ましい。また反応性ケイ素基はオキ
シアルキレン系重合体(A)の分子鎖末端に存在するの
が好ましい。
【0031】オキシアルキレン系重合体(A)の数平均
分子量は3,000〜30,000のものが好ましく、
5,000〜15,000のものがさらに好ましい。オ
キシアルキレン系重合体(A)は単独で使用してもよ
く、2種以上併用してもよい。
【0032】オキシアルキレン系重合体(A)は種々の
方法で製造することができる。このような方法の例とし
ては、ある官能基(Y基という)を有するオキシアルキ
レン系重合体とY基と反応しうる官能基(Y´基とい
う)および反応性ケイ素基を有する化合物とを反応さ
せ、反応性ケイ素基をオキシアルキレン系重合体中に導
入する方法があげられる。
【0033】このような方法の具体例として 不飽和基を有するオキシアルキレン系重合体とHSi
(OCH33のような加水分解性基を有するヒドロシラ
ン化合物とを、VIII族遷移金属化合物などを触媒として
反応(ヒドロシリル化)させる方法 (反応例)
【0034】
【化7】
【0035】不飽和基を有するオキシアルキレン系重
合体とHS(CH23Si(OCH33のようなメルカ
プト基および反応性ケイ素基を有する化合物とを付加反
応させる方法 イソシアネート基を有するオキシアルキレン系重合体
とH2N(CH23Si(OCH33のような活性水素
基および反応性ケイ素基を有する化合物とを反応させる
方法 (反応例)
【0036】
【化8】
【0037】水酸基を有するオキシアルキレン系重合
体とOCN(CH23Si(OCH33のようなイソシ
アネート基および反応性ケイ素基を有する化合物とを反
応させる方法 などがあげられる。これらの方法のなかでは不飽和基を
有するオキシアルキレン系重合体とヒドロシラン化合物
とを反応させる方法がよく用いられている。不飽和基を
有するオキシアルキレン系重合体は、特開昭54−60
97号公報に開示されているように、水酸基を有するオ
キシアルキレン系重合体の水酸基を利用して不飽和基を
導入する方法などによってうることができる。
【0038】本発明に用いるオキシアルキレン系重合体
(A)は上記の方法でえられたものに限定されるもので
はなく、他のいかなる方法でえられた重合体であっても
用いることができる。またオキシアルキレン系重合体
(A)の存在化にビニル単量体などの重合性単量体を重
合させてえられる重合体や、水酸基を有するオキシアル
キレン重合体の存在下に重合性単量体を重合させてえら
れる重合体にさらに反応性ケイ素基を導入した重合体の
ような重合体鎖などが変性された重合体も、本発明のオ
キシアルキレン系重合体(A)に包含される重合体であ
る。
【0039】本発明の組成物には、分子内に1個のシラ
ノ−ル基を有する化合物および(または)水分と反応し
て分子内に1個のシラノール基を有する化合物を生成し
うる化合物(1価シラノール系化合物)が用いられる。
この成分はオキシアルキレン系重合体(A)の硬化物の
モジュラスを低下させるという効果を有している。また
この成分は容易に入手することができ、かつ単にオキシ
アルキレン系重合体(A)に添加するだけで上記の効果
がえられるというすぐれた特徴を有している。
【0040】1価シラノール系化合物のうちの1種であ
る、分子中に1個のシラノール基を有する化合物として
は、
【0041】
【化9】
【0042】を分子中に1個有する化合物である限りと
くに制限なく使用しうる。前記化合物の具体例として
は、たとえば
【0043】
【化10】
【0044】のような一般式: (R3)3SiOH (式中、R3は同種または異種の炭素数1〜20の置換
もしくは非置換のアルキル基またはアリール基)で表わ
される化合物、
【0045】
【化11】
【0046】
【化12】
【0047】のようなシラノール基を含有する環状ポリ
シロキサン化合物、
【0048】
【化13】
【0049】(式中、R3は前記と同じ、nは0または
1〜40の整数)のようなシラノール基を含有する鎖状
ポリシロキサン化合物などがあげられる。これらの化合
物のうちでは、
【0050】
【化14】
【0051】含量の高いものほど同一添加量での効果が
大きく、この点からは(CH33SiOH、(CH3
23SiOHなどが好ましい。また取扱い易さ、空気
中での安定性という点からは(C653SiOHが好
ましい。
【0052】水分と反応して分子内に1個のシラノール
基を有する化合物を生成しうる化合物としては、いわゆ
るシリル化剤として知られている
【0053】
【化15】
【0054】などがあげられ、好適に使用されうるが、
加水分解生成物の
【0055】
【化16】
【0056】含量が多いという点からは
【0057】
【化17】
【0058】がとくに好ましい。
【0059】これらの化合物が硬化物の引張り物性の改
善、すなわち低モジュラス・高伸び化に効果があるの
は、これらの化合物がオキシアルキレン系重合体(A)
中の反応性ケイ素基と反応し、キャッピングすることに
より該重合体硬化物の架橋点の数が減少し、架橋点間分
子量が増大し、結果として低モジュラス・高伸び化が達
成されるためと考えられる。
【0060】1価シラノール系化合物の添加量は、一般
にオキシアルキレン系重合体(A)100部に対して
0.1〜20部、好ましくは0.5〜10部であるが、オ
キシアルキレン系重合体(A)中に含有される反応性ケ
イ素基に対し、シラノール当量
【0061】
【化18】
【0062】で計算して添加量を決定することもでき
る。通常は反応性ケイ素基に対して、シラノール基当量
で0.1〜0.9倍になるようにすればよい。ただし、
該化合物により完全にキャップされずに残る反応性ケイ
素基の数が、オキシアルキレン系重合体(A)の分子内
に少なくとも1個は残るようにするのが好ましい。シラ
ノール基当量で0.9倍をこえて使用することも可能で
あるが、経済性からみて有利でない。
【0063】本発明に使用される分子内に空気酸化硬化
型の不飽和基を含有する化合物(以下、不飽和基含有化
合物という)としては、桐油、あまに油などで代表され
る乾性油や、該化合物を変性してえられる各種アルキッ
ド樹脂;乾性油により変性されたアクリル系重合体、エ
ポキシ系樹脂、シリコーン樹脂;1,2-ポリブタジエン、
1,4−ポリブタジエン、C5〜C6ジエンの重合体や共
重合体、さらには該重合体や共重合体の各種変性物(マ
レイン化変性物、ボイル油変性物など)などが具体例と
してあげられるが、これらのうちでは桐油、ジエン系重
合体のうちの液状物(液状ジエン系重合体)やその変性
物がとくに好ましい。
【0064】前記液状ジエン系重合体の具体例として
は、ブタジエン、クロロプレン、イソプレン、1,3−
ペンタジエンなどのジエン系化合物を重合または共重合
させてえられる液状重合体や、これらジエン系化合物と
共重合性を有するアクリロニトリル、スチレンなどの単
量体とをジエン系化合物が主体となるように共重合させ
てえられるNBR、SBRなどの液状重合体や、さらに
はそれらの各種変性物(マレイン化変性物、ボイル油変
性物など)などがあげられる。これらの液状ジエン系重
合体のうちでは液状ポリブタジエンが好ましく、液状−
1,2−ポリブタジエンがさらに好ましい。
【0065】空気酸化硬化型化合物は単独でも用いても
よく、2種以上併用してもよい。
【0066】空気酸化硬化型化合物の使用量はオキシア
ルキレン系重合体(A)100部に対して0.1〜20
部が好ましく、さらに好ましくは1〜10部である。前
記使用量が0.1部未満になると空気酸化硬化型化合物
を用いる目的であるほこり付着性やアルキッド系塗料の
乾燥性の改善が充分でなくなり、20部をこえると硬化物
の引張り特性などが損なわれる傾向が生ずる。
【0067】本発明の組成物には、必要に応じて、硬化
促進剤、可塑剤、充填剤、その他の添加剤などを加えて
使用してもよい。
【0068】本発明に使用しうる硬化促進剤としては、
たとえば有機スズ化合物、酸性リン酸エステル、酸性リ
ン酸エステルとアミンとの反応物、飽和または不飽和の
多価カルボン酸またはその酸無水物、有機チタネート化
合物などがあげられる。
【0069】前記有機スズ化合物の具体例としては、ジ
ブチルスズジラウレート、ジオクチルスズジマレエー
ト、ジブチルスズフタレート、オクチル酸スズ、ジブチ
ルスズメトキシドなどがあげられる。
【0070】また前記酸性リン酸エステルとは、
【0071】
【化19】
【0072】部分を含むリン酸エステルのことであり、
たとえば
【0073】
【化20】
【0074】(式中、dは1または2、R4は有機基を
示す)で示される有機酸性リン酸エステルなど、具体的
には
【0075】
【化21】
【0076】
【化22】
【0077】などがあげられる。
【0078】さらに前記有機チタネート化合物として
は、たとえばテトラブチルチタネート、テトライソプロ
ピルチタネート、トリエタノールアミンチタネートなど
のチタン酸エステルがあげられる。
【0079】硬化促進剤を用いるばあいの使用量はオキ
シアルキレン系重合体(A)100部に対し0.1〜1
0部の範囲で用いるのが好ましい。
【0080】本発明に使用しうる可塑剤として、一般に
よく用いられるジオクチルフタレートなどの低分子可塑
剤、高分子可塑剤あるいは高粘度可塑剤を用いることが
できる。これらのなかでは高分子可塑剤や高粘度可塑剤
を用いると低分子可塑剤を用いたばあいより本発明の組
成物の硬化物へのアルキッド塗料の塗装性がきわめてす
ぐれたものになる。
【0081】前記低分子可塑剤の具体例としては、ジブ
チルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジ(2-エチル
ヘキシル)フタレート、ブチルベンジルフタレート、ブ
チルフタリルブチルグリコレートなどのフタル酸エステ
ル類;ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケートな
どの非芳香族2塩基酸エステル類;トリクレンジルホス
フェート、トリブチルホスフェートなどのリン酸エステ
ル類などをあげることができる。
【0082】前記高分子可塑剤としては、分子量500
〜15,000、さらには750〜12,500、とく
には1,000〜10,000のものが好ましい。
【0083】このような高分子可塑剤の具体例として
は、たとえば2塩基酸と2価アルコールとのポリエステ
ル類などのポリエステル系可塑剤;ポリプロピレングリ
コールやその誘導体などのポリエーテル類;ポリ−α−
メチルスチレン、ポリスチレンなどのポリスチレン類;
ポリブタジエン、ブタジエン−アクリロニトリル共重合
体、ポリクロロプレン、ポリイソプレンなどのポリジエ
ン類;ポリブテン、水添ポリブテンなどのポリオレフィ
ン類などがあげられるが、これらに限定されるものでは
ない。これらの中ではポリエステル系可塑剤、ポリエー
テル類、ポリスチレン類、ポリブタジエン、ポリブテン
など、とくにポリエーテル類は、アルキッド系塗料の乾
燥性を改善しうる点以外にオキシアルキレン系重合体
(A)との相溶性がよい、組成物の粘度を低下させ、作
業性にすぐれる、硬化物を低弾性率化、高伸び化しうる
などの点から好ましい可塑剤である。
【0084】前記ポリエーテル類のうちでは数平均分子
量4,500以上のものが好ましく、5,000〜1
0,000のものがことに好ましい。
【0085】また分子末端の数が少ないか、分子末端に
水酸基の少ないものが、塗装されたアルキッド系塗料の
乾燥性がよくなるという点から好ましく、分子末端に実
質的に水酸基を含有しないものがさらに好ましい。同様
の理由から、末端がアルキルエーテル基、アリルエーテ
ル基、アリールエーテル基などになっているものがより
好ましい。さらに、数平均分子量1,000以下の成分
の割合が10%(GPC法により測定した値からの割
合、以下同様)以下のものが、アルキッド系塗料の乾燥
性がよくなるため好ましく、5%以下であるのがことに
好ましい。また、ポリエーテル類の分子量は、分布の狭
いもの、すなわち
【0086】
【外1】
【0087】が小さいものが低分子量成分の割合が少な
いので塗装されたアルキッド系塗料の乾燥性がよくなる
という点から好ましく、
【0088】
【外2】
【0089】が2以下のものがより好ましく、1.6以
下のものがさらに好ましい。
【0090】このようなポリエーテル類の具体例として
は、たとえば数平均分子量が4000以上であり、分子
量分布が狭いか、分子量1,000以下の含量が少ない
ポリオキシプロピレングリコール、該ポリオキシプロピ
レングリコールの片末端、好ましくは両末端がアルキル
エーテル結合、アルキルフェニルエーテル結合、アルケ
ニルエーテル結合、アリルエーテル結合などにより水酸
基が封鎖されているもの、ウレタン結合、エステル結
合、尿素結合、アミド結合、カーボネート結合などの結
合によりアルキル基、アリール基、アルケニル基などの
基で水酸基が封鎖されているものなどがあげられるが、
これらに限定されるものではない。
【0091】前記高粘度可塑剤は25℃での粘度が8P
程度以上、好ましくは20〜300P程度であるかぎり
分子量などにはとくに限定はないが、一般に分子量が増
加するにしたがって粘度も増加するため、通常、高分子
可塑剤の多くは高粘度可塑剤ともなる。
【0092】高分子可塑剤以外の高粘度可塑剤の具体例
としては、たとえばトリアリールジエタン、その異性体
混合物、1−フェニル−1−キシリルエタン、塩素化パ
ラフィンなどがあげられるが、これらに限定されるもの
ではない。これらのうちではトリアリールジエタン、そ
の異性体混合物などが好ましい。
【0093】前記可塑剤は単独で使用してもよく、2種
以上併用してもよい。なお、それら可塑剤はオキシアル
キレン系重合体(A)製造時に溶剤などとして配合して
おいてもよい。
【0094】可塑剤を使用するばあい、使用量はオキシ
アルキレン系重合体(A)100部に対して1〜150
部が好ましく、さらに好ましくは10〜120部、とく
に好ましくは20〜100部である。
【0095】前記充填剤としては、たとえば重質炭酸カ
ルシウム、軽質炭酸カルシウム、膠質炭酸カルシウム、
カオリン、タルク、シリカ、酸化チタン、ケイ酸アルミ
ニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、カーボンブラッ
クなどがあげられる。
【0096】充填剤を用いるばあい、その使用量はオキ
シアルキレン系重合体(A)100部に対して10〜3
00部の範囲が好ましい。
【0097】前記その他の添加剤としては、たとえば水
添ヒマシ油、有機ベントナイトなどのタレ防止剤、着色
剤、老化防止剤、接着付与剤などがあげられる。
【0098】このようにしてえられる本発明の組成物
は、接着剤、粘着剤、塗料、塗膜防水剤、密封材組成
物、型取り用材料、注型ゴム材料、発泡材料などとして
有用に使用することができる。
【0099】たとえば建築用シーリング剤として適用す
るばあい、本発明に用いる組成物に炭酸カルシウム、タ
ルク、カオリンなどの無機充填剤を通常10〜300部
加え、さらに必要に応じて酸化チタン、カーボンブラッ
クなどの顔料や紫外線吸収剤、ラジカル連鎖禁止剤など
の老化防止剤を適当量加えたのち、ニーダーやペイント
ロールなどで充分均一に混練したものを施工して空気中
の湿気にさらすことによって硬化させ、良好な特性を示
すゴム弾性体がえられる。
【0100】
【実施例】次に本発明の組成物を実施例に基づき具体的
に説明する。
【0101】合成例1 アリルエーテル基を全末端の97%に導入した平均分子
量約8000のポリオキシプロピレン系重合体800g
を撹拌機付耐圧反応容器に入れ、メチルジメトキシシラ
ン19gを加えた。ついで塩化白金酸触媒溶液(H2
tCl6・6H2Oの8.9gをイソプロピルアルコール
18mlおよびテトラヒドロフラン160mlに溶解さ
せた溶液)0.34mlを加えたのち80℃で6時間反
応させた。
【0102】反応溶液中の残存水素化ケイ素基の量をI
Rスペクトル分析法により定量したところ、ほとんど残
存していなかった。またNMR法により反応性ケイ素基
の定量をしたところ、分子末端に
【0103】
【化23】
【0104】を1分子当り約1.7個有するポリオキシ
プロピレン系重合体がえられた。
【0105】実施例1〜8および比較例1〜2 合成例1で合成した重合体100gに、充填剤として炭
酸カルシウム(白石工業(株)製、商品名CCR)12
0g、二酸化チタン(石原産業(株)製、商品名R82
0)20g、接着付与剤としてアミノシラン(信越化学
工業(株)製、商品名KBM602)2g、硬化促進剤
としてジブチルスズジアセチルアセトナート(日東化成
(株)製、商品名U−220)2g、可塑剤、1価シラ
ノール系化合物および空気酸化硬化型化合物として表1
に示すものをそれぞれ50g、2gおよび5gを加え、
3本ペイントロールにて充分混練混合したのち、厚さ3
mmのシート状物を作製した。
【0106】えられたシート状物を23℃で1日硬化さ
せたのち、アルキッドペイントを2種(オランダのSi
kkens社製のもので商品名Rubbol AZおよ
びロックペイント(株)製のもので商品名ロックコー
ト)硬化物表面に別々に塗布し、23℃で表1に示す日
数おいたばあいのペイントの硬化性をしらべた。結果を
空気酸化硬化型化合物を添加しないばあいとともに表1
に示す。
【0107】なお、表1中のポリエーテルは両末端がア
リルエーテル基で、
【0108】
【外3】
【0109】のオキシプロピレン重合体、DOPは大八
化学(株)製のジ(2−エチルヘキシル)フタレート
(MW391)である。
【0110】また、表1中の評価の5は塗布したペイン
トが完全に硬化しこと、4は塗布したペイントが硬化す
るが、表面にべたつきが少し残ること、3は塗布面に指
をつけるとわずかにペイントが指先につくこと、2は一
部硬化してきているが、塗布面に指をつけるとペイント
が指先につくこと、1は塗布したペイントが増粘してき
ていること、0は塗布したペイントにまったく変化がな
い(未硬化である)ことを表わす。
【0111】つぎに同様にしてえられたシート状物を2
3℃で1日間養生したのち屋外に暴露し(南面45度傾
斜)、ほこりの付着状態を観察した。結果を空気酸化硬
化型化合物を添加しないばあいとともに表1に示す。
【0112】なお、表1中のほこり付着性評価における
○はほこりがほとんど付着しない、△はほこりが少し付
着する、×はほこりがかなり付着するを表わす。
【0113】また、JIS A 5758に準拠してH
型引張り特性(基材はガラス)をしらべた。結果を表1
に示す。
【0114】
【表1】
【0115】
【発明の効果】本発明の組成物は硬化物のモジュラスを
低いままに保ち、表面へ塗装したアルキッド塗料の硬化
性およびほこり付着性を改善することができる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年5月17日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の名称
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の名称】 ほこり付着性低下方法
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正内容】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はケイ素原子に結合し
た水酸基および(または)加水分解性基を有し、シロキ
サン結合を形成することにより架橋しうるケイ素含有基
を有するオキシアルキレン系重合体を含有する硬化性組
成物の硬化物の表面のほこり付着性を低下させる方法
関する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】本発明の目的はアルキッド塗料の塗装性が
改善され、かつ低モジュラスの硬化物を与える反応性ケ
イ素基を有するオキシアルキレン系重合体を含有する
化性組成物の硬化物の表面のほこり付着性を低下させる
方法をうることにある。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】削除
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は(A)ケイ素原
子に結合した水酸基および(または)加水分解性基を有
し、シロキサン結合を形成することにより架橋しうるケ
イ素含有基を少なくとも1個有するオキシアルキレン系
重合体100部(重量部、以下同様)に対し、(B)分
子内に1個のシラノール基を有する化合物および(また
は)水分と反応して分子内に1個のシラノール基を有す
る化合物を生成しうる化合物0.1〜20部および
(C)空気酸化硬化型の不飽和基を含有する化合物0.
1〜20部を添加することを特徴とするケイ素原子に結
合した水酸基および(または)加水分解性基を有し、シ
ロキサン結合を形成することにより架橋しうるケイ素含
有基を少なくとも1個有するオキシアルキレン系重合体
を含有する硬化性組成物の硬化物の表面のほこり付着性
低下方法に関する。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】しかしながら、本発明における硬化性組成
物は空気酸化硬化型の不飽和基を含有する化合物を添加
しても、添加しないばあいと比べて硬化物のモジュラス
をほとんどもとのままに保ち、かつほこりの付着性が改
善される。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】さらに、本発明における硬化性組成物の硬
化物はほこりの付着性のみならず、アルキッド塗料の硬
化性も改善しうる。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】(式中、R2 およびXは前記に同じ、cは
1、2または3)で表わされる基が好ましい。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0039
【補正方法】変更
【補正内容】
【0039】本発明における硬化性組成物には、分子内
に1個のシラノ−ル基を有する化合物および(または)
水分と反応して分子内に1個のシラノール基を有する化
合物を生成しうる化合物(1価シラノール系化合物)が
用いられる。この成分はオキシアルキレン系重合体
(A)の硬化物のモジュラスを低下させるという効果を
有している。またこの成分は容易に入手することがで
き、かつ単にオキシアルキレン系重合体(A)に添加す
るだけで上記の効果がえられるというすぐれた特徴を有
している。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0059
【補正方法】変更
【補正内容】
【0059】これらの化合物が硬化性組成物の硬化物の
引張り物性の改善、すなわち低モジュラス・高伸び化に
効果があるのは、これらの化合物がオキシアルキレン系
重合体(A)中の反応性ケイ素基と反応し、キャッピン
グすることにより該重合体硬化物中での架橋点の数が
減少し、架橋点間分子量が増大し、結果として低モジュ
ラス・高伸び化が達成されるためと考えられる。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0067
【補正方法】変更
【補正内容】
【0067】本発明における硬化性組成物には、必要に
応じて、硬化促進剤、可塑剤、充填剤、その他の添加剤
などを加えて使用してもよい。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0080
【補正方法】変更
【補正内容】
【0080】本発明に使用しうる可塑剤として、一般に
よく用いられるジオクチルフタレートなどの低分子可塑
剤、高分子可塑剤あるいは高粘度可塑剤を用いることが
できる。これらのなかでは高分子可塑剤や高粘度可塑剤
を用いると低分子可塑剤を用いたばあいより本発明にお
ける硬化性組成物の硬化物へのアルキッド塗料の塗装性
がきわめてすぐれたものになる。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0098
【補正方法】変更
【補正内容】
【0098】このようにしてえられる本発明における硬
化性組成物は、接着剤、粘着剤、塗料、塗膜防水剤、密
封材組成物、型取り用材料、注型ゴム材料、発泡材料な
どとして有用に使用することができる。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0115
【補正方法】変更
【補正内容】
【0115】
【発明の効果】本発明における硬化性組成物硬化物
用いることにより、この硬化物のほこり付着性を低下さ
せることができる。さらに、この硬化物によれば、モジ
ュラスを低いままに保ち、表面へ塗装したアルキッド塗
料の硬化性を改善し、ほこり付着性を低下させることが
できる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ケイ素原子に結合した水酸基およ
    び(または)加水分解性基を有し、シロキサン結合を形
    成することにより架橋しうるケイ素含有基を少なくとも
    1個有するオキシアルキレン系重合体100重量部、
    (B)分子内に1個のシラノール基を有する化合物およ
    び(または)水分と反応して分子内に1個のシラノール
    基を有する化合物を生成しうる化合物0.1〜20重量
    部および(C)空気酸化硬化型の不飽和基を含有する化
    合物0.1〜20重量部からなる硬化性組成物。
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