JPH08253326A - 硫酸第二鉄溶液及び塩基性硫酸第二鉄溶液の製造方法 - Google Patents

硫酸第二鉄溶液及び塩基性硫酸第二鉄溶液の製造方法

Info

Publication number
JPH08253326A
JPH08253326A JP7054703A JP5470395A JPH08253326A JP H08253326 A JPH08253326 A JP H08253326A JP 7054703 A JP7054703 A JP 7054703A JP 5470395 A JP5470395 A JP 5470395A JP H08253326 A JPH08253326 A JP H08253326A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sulfate solution
ferric sulfate
solution
nitrogen
sulfuric acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP7054703A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3686446B2 (ja
Inventor
Koji Kuwata
幸治 桑田
Shigeto Kawatani
殖人 川谷
Tatsu Takahashi
達 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
YOKO YATSUKA KOGYO KK
Original Assignee
YOKO YATSUKA KOGYO KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by YOKO YATSUKA KOGYO KK filed Critical YOKO YATSUKA KOGYO KK
Priority to JP05470395A priority Critical patent/JP3686446B2/ja
Publication of JPH08253326A publication Critical patent/JPH08253326A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3686446B2 publication Critical patent/JP3686446B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A50/00TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE in human health protection, e.g. against extreme weather
    • Y02A50/20Air quality improvement or preservation, e.g. vehicle emission control or emission reduction by using catalytic converters

Landscapes

  • Separation Of Suspended Particles By Flocculating Agents (AREA)
  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 短時間で酸化を終了させることができ、経済
的な不利を受けることがなく、エネルギー消費を極めて
少なくすることができ、装置を小型化することができ、
大気汚染を軽減することができるようにする。 【構成】 硫酸第一鉄溶液を含む硫酸酸性溶液中の第一
鉄イオンを窒素酸化物を触媒として酸化して硫酸第二鉄
溶液及び塩基性硫酸第二鉄溶液を製造する方法。硫酸酸
性溶液に窒素系酸化剤を添加すると共に硫酸酸性溶液を
エジェクターを介して循環させる。窒素系酸化剤による
第一鉄イオンの酸化で発生する窒素酸化物と高濃度酸素
とをエジェクターにより硫酸酸性溶液に吸引する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、凝集剤として使用され
る硫酸第二鉄溶液及び塩基性硫酸第二鉄溶液の製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】硫酸第二鉄溶液及び塩基性硫酸第二鉄は
凝集剤として優れた効果を発揮するものであり、従来よ
り下水処理場やし尿処理場などで幅広く利用されてい
る。この硫酸第二鉄溶液及び塩基性硫酸第二鉄の製造方
法としては次のような種々のものが提案されている。
【0003】特公昭51−17516号公報には、全鉄
分を50g/リットル以上含む硫酸第一鉄溶液の硫酸
を、硫酸第一鉄1モル当たり0.5モル未満になるよう
に調節して、空気中の酸素で直接酸化したり、或いは過
酸化水素や塩素酸ナトリウムや二酸化マンガン等の酸化
剤で酸化したり、或いは窒素酸化物を触媒として空気中
の酸素で酸化したりするポリ硫酸鉄溶液の製造法が記載
されている。
【0004】また特開昭61−286228号公報に
は、酸化鉄と濃度20〜65%の硫酸をSO4 /Feの
比が1.0〜3.0の割合に調製混合して75℃以上の
温度で溶解する第一工程と、第一工程で得られた硫酸鉄
中の第一鉄イオンを空気中の酸素で直接酸化したり、或
いは過酸化水素や塩素酸ナトリウムや二酸化マンガン等
の酸化剤で酸化したり、或いは窒素酸化物を触媒として
空気中の酸素で酸化したりする第二工程とを具備した鉄
系凝集剤の製造法が記載されている。
【0005】さらに特開平6−47205号公報には、
硫酸第二鉄溶液或いは硫酸と、含水三酸化二鉄とを10
0℃の温度で混合溶解することにより、硫酸第二鉄を部
分中和するようにした鉄系凝集剤の製造方法が記載され
ている。尚、上記第一鉄イオンを窒素酸化物を触媒とし
て空気中の酸素で酸化する方法では次のような反応が進
行して反応条件により、一般式〔Fe2 (OH)n (S
4 3-n/2 m (但し、n<2、m>10)で示され
る硫酸第二鉄及び塩基性硫酸第二鉄を生成する。 (1)2FeSO4 +H2 SO4 +NO2 →Fe2 (S
4 3 +NO+H2 O (2)2FeSO4 +NO2 +H2 O→2Fe(OH)
SO4 +NO (3)NO+1/2O2 →NO2 つまりこれら(1)(2)(3)の反応で、先ず気相に
おいてNOとO2 が反応してNO2 になり、次にこのN
2 が反応溶液中に拡散して液相中のFeSO 4 ,H2
SO4 と気液接触反応し、第一鉄イオンが酸化されて塩
基性硫酸第二鉄が生成されると考えられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし上記従来例にお
いて、硫酸や第一鉄イオンを空気中の酸素で直接酸化す
る方法は、空気中に窒素や不活性ガスが大量に含まれて
いるために、硫酸や第一鉄イオンと酸素とを効率よく接
触させることができず、硫酸や第一鉄イオンの酸化に多
大な時間(10時間以上)がかかるという問題があっ
た。
【0007】また過酸化水素や塩素酸ナトリウムや二酸
化マンガン等の酸化剤で酸化する方法は、酸化剤が高価
であるために経済的に不利であるという問題があった。
さらに硫酸第二鉄溶液或いは硫酸と、含水三酸化二鉄と
を100℃の温度で混合溶解する方法では、100℃と
いう高い温度を必要とするためにエネルギー消費が大き
くなるという問題があった。
【0008】また第一鉄イオンを窒素酸化物を触媒とし
て空気中の酸素で酸化する方法では、液相のFeS
4 ,H2 SO4 とNO2 との気液接触効率を上げるた
めに、ガラスフィルターや素焼円筒、泡鐘塔、スプレー
塔、充填塔などが用いられているが、気液接触効率が一
番高いガラスフィルターでさえ気液接触効率は50〜6
0%と低く(最低の充填塔では20%程度)、硫酸や第
一鉄イオンの酸化に多大な時間(10時間以上)がかか
るという問題があった。
【0009】またこの方法では酸化時間を短縮するため
に、窒素酸化物及び酸素の気相と硫酸第一鉄溶液の液相
の反応圧力を高めたり、反応温度を50〜90℃に高め
て窒素酸化物及び酸素の硫酸第一鉄溶液への接触溶解速
度を促進したり、攪拌機等による攪拌効果を高めたり、
装置を大型化することがおこなわれているが、これらい
ずれもが先ず気相においてNOとO2 を反応させてNO
2 を生成し、次にこのNO2 と液相中のFeSO4 ,H
2 SO4 とを気液接触反応させるようにした、気相反応
と気液接触反応が主体となっており、やはり酸化を短時
間で終了させることができないという問題があった。特
に窒素酸化物及び酸素の気相と硫酸第一鉄溶液の液相の
反応圧力を高めると、製造される硫酸第二鉄溶液及び塩
基性硫酸第二鉄溶液中に溶存する窒素酸化物(NOとN
2 )の量が増すと共にNOやNO2 などの窒素酸化物
が反応容器より漏洩する確率が高くなり、大気が汚染さ
れるという問題があった。
【0010】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、短時間で酸化を終了させることができ、経済的な
不利を受けることがなく、エネルギー消費が極めて少な
く、装置を小型化することができ、大気を汚染すること
がない硫酸第二鉄溶液及び塩基性硫酸第二鉄溶液の製造
方法を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明に係る硫酸第二鉄
溶液及び塩基性硫酸第二鉄溶液の製造方法は、硫酸第一
鉄溶液を含む硫酸酸性溶液中の第一鉄イオンを窒素酸化
物を触媒として酸化して硫酸第二鉄溶液及び塩基性硫酸
第二鉄溶液を製造する方法において、硫酸酸性溶液に窒
素系酸化剤を添加すると共に硫酸酸性溶液をエジェクタ
ーを介して循環させ、窒素系酸化剤による第一鉄イオン
の酸化で発生する窒素酸化物と高濃度酸素とをエジェク
ターにより硫酸酸性溶液に吸引することを特徴とするも
のである。
【0012】本発明にあって、窒素系酸化剤を第一鉄イ
オンの酸化進行に応じて分割供給することが好ましい。
また本発明にあって、酸化反応を減圧下で進行させるこ
とが好ましい。また本発明にあって、酸化反応を室温か
ら50℃以下の低温で進行させることが好ましい。
【0013】また本発明にあって、酸化反応中及び酸化
反応後に容器に存在する窒素酸化物、或いは得られた硫
酸第二鉄溶液及び塩基性硫酸第二鉄溶液をパージした時
に発生する窒素酸化物を吸収処理することができる。以
下、本発明を詳述する。本発明に使用する硫酸酸性溶液
としては、廃硫酸或いは硫酸と硫酸第一鉄・七水塩等と
を混合して全鉄成分の濃度を50〜200g/リットル
以内とし、また硫酸濃度を下記反応式(4)で表される
FeSO4 に対してのH2 SO4 必要量の0〜100%
(モル%)範囲内に調製したものである。 (4)2FeSO4 +H2 SO4 +1/2O2 →Fe2
(SO4 3 +H2 O つまりFeSO4 :H2 SO4 =1:0〜0.5の割合
(モル比)で混合するのである。
【0014】上記硫酸酸性溶液は硫酸第一鉄の溶解度範
囲内であればそのまま使用することができるが、硫酸第
一鉄が溶解度以上の濃度である場合には、硫酸酸性溶液
として、上記硫酸第一鉄溶液と硫酸第二鉄溶液や塩基性
硫酸第二鉄溶液などとの混合溶液を用いることができ、
このように硫酸第一鉄と硫酸第二鉄溶液や塩基性硫酸第
二鉄溶液を混合すると、スラリー状の硫酸第一鉄溶液の
溶解度を上げることができる。
【0015】つまり図6に示すように硫酸第一鉄溶液中
の第一鉄イオン(Fe2+)の混合割合が減少してスラリ
ー濃度が小さくなり、硫酸第一鉄溶液のスラリーの溶解
度を上げることができる。そしてこのスラリーの溶解度
の上昇によってさらに第一鉄イオンの酸化効率を上げる
ことができる。また図6において、20℃の曲線(図6
に実線で示す)と40℃の曲線(図6に細い破線で示
す)と50℃の曲線(図6に太い破線で示す)を比較し
て判るように、スラリー濃度は同じFe2+の混合割合で
も温度が高いほど小さくなり温度が低いほど大きくな
る。従って温度が高いほどスラリーの溶解度を上げるこ
とができ、このスラリーの溶解度の上昇によってさらに
第一鉄イオンの酸化効率を上げることができる。
【0016】このように本発明に使用する硫酸酸性溶液
として硫酸第一鉄溶液と硫酸第二鉄溶液や塩基性硫酸第
二鉄溶液の混合溶液を用いると、装置の磨耗、配管内の
圧損、目詰まり等を防止することができる。また本発明
の窒素系酸化剤としては、亜硝酸塩、硝酸やその塩、N
2 などのガス状のものなどを使用することができる。
この窒素系酸化剤は第一鉄イオン1モルに対してNO2
が0.005〜0.1モルの範囲内であり、0.1モル
を越えると反応容器内の圧力上昇の主原因となり、0.
005モル未満であれば、酸化反応が遅くなる恐れがあ
る。
【0017】また本発明の高濃度酸素としては、液体酸
素より製造されたものを使用することができ、酸素濃度
が70%以上であることが望ましい。酸素濃度が70%
未満であれば、酸化を迅速にかつ効率よくおこなうこと
ができない恐れがある。そして上記硫酸酸性溶液に窒素
系酸化剤を添加し、この硫酸酸性溶液をエジェクターを
介して循環させて混合攪拌及び噴出をおこなう。この時
硫酸酸性溶液と窒素系酸化剤とが反応してNOとNO2
を生じるが、このNOとNO2 と上記高濃度酸素は硫酸
酸性溶液がエジェクターを通過する際に発生する吸引効
果(エジェクター効果)で硫酸酸性溶液中に微細粒泡と
なって吸引、混合、攪拌される。次に硫酸酸性溶液中の
NOと高濃度酸素が反応してNO2 が生成され、上記硫
酸酸性溶液と窒素系酸化剤が反応して生成されるNO2
及びNOと高濃度酸素が反応して生成されるNO2 とが
液相中のFeSO4 ,H2 SO4 と反応することによっ
て、第一鉄イオンが酸化されて第二鉄イオンとなり、上
記反応式(1)に基づいて硫酸第二鉄溶液が、上記反応
式(2)に基づいて塩基性硫酸第二鉄溶液がそれぞれ生
成される。
【0018】このように本発明では、硫酸酸性溶液と窒
素系酸化剤が反応して生成されるNO2 及びNOと高濃
度酸素が反応して生成されるNO2 とを、高濃度酸素と
ともにエジェクターの吸引、混合、噴出効果により微細
粒泡化して硫酸酸性溶液中に存在させることができ、N
2 と硫酸酸性溶液との接触面積を大きくして第一鉄イ
オンの酸化効率を高めることができる。そして本発明で
はこの酸化効率の向上によって、第一鉄イオンの接触酸
化効率を80〜99%(ほぼ100%)にすることがで
きる。
【0019】またエジェクターは減圧下(例えば100
mmHg)でも吸引、混合、噴出効果が低下することな
く用いることができるので、硫酸酸性溶液への窒素酸化
物(NOやNO2 )と高濃度酸素の吸引、混合、噴出を
確実におこなうことができる。またエジェクターは気液
接触装置等の大型の装置よりも小さいので、装置を小型
化することができる。
【0020】さらに本発明ではNO2 と硫酸酸性溶液中
との接触面積を大きくして第一鉄イオンの酸化効率を高
めることができるので、酸化反応温度(硫酸酸性溶液の
温度)を室温から50℃以下の低温に保持してもNO2
による第一鉄イオンの酸化効率が低下することがなく酸
化反応を進行させることができる。上記本発明において
は、窒素系酸化剤は第一鉄イオンの酸化反応の進行具合
に応じて添加量を調節することが好ましい。つまり上記
酸化反応が進んだ後期では、第一鉄イオンの存在が少な
くなりNOやNO2 の割合が増え、このNOやNO 2
2 Oと反応して硝酸を生じ、この硝酸により第一鉄イ
オンの酸化反応は平衡状態となって進行しなくなる恐れ
があり、そこで本発明では例えば反応初期に添加する全
窒素系酸化剤の60%、反応中期には30%、反応後期
には10%とすることができる。第一鉄イオンの酸化反
応の進行具合は、段階的に上昇する反応容器内の圧力を
測定することで把握することができる。
【0021】このように窒素系酸化剤の添加量を第一鉄
イオンの酸化反応の進行具合に応じて調節することによ
って、第一鉄イオンの酸化反応が平衡状態になって進行
しなくなるのを防止することができ、未酸化で残存しや
すい第一鉄イオンの酸化を容易におこなうことができ
る。また本発明では0〜700mmHg、好ましくは1
00〜600mmHgの減圧下で酸化反応を進行させる
ことができる。このように減圧下で酸化反応を進行させ
ることによって、製造される硫酸第二鉄溶液や塩基性硫
酸第二鉄溶液中に溶存する窒素酸化物(NOやNO2
の量を少なくすることができると共に、反応過程で発生
するNOやNO2 が反応容器より漏洩しなくなって大気
を汚染しないようにすることができる。
【0022】また本発明では室温から50℃以下の低温
に保持して酸化反応を進行させることができる。このよ
うに低温に保持して酸化反応を進行させることによっ
て、酸化反応の進行を促進するために温度を上げる必要
がなくなって、エネルギーの消費を少なくすることがで
きる。そして上記のように酸化反応温度を室温から50
℃以下の低温に保持し、反応容器内を減圧状態にするこ
とによって、酸化反応により温度が上昇して反応容器内
の気体(NOやNO2 やO2 )の体積膨張がおこらない
ようにして反応容器内の圧力が高くならないようにする
ことができ、減圧状態及び製造条件の安定化を図ること
ができる。また窒素酸化物(NOX )や硝酸の発生を抑
えることもできる。
【0023】また本発明では、硫酸酸性溶液に窒素系酸
化剤を添加することで発生するNO 2 、及び硫酸酸性溶
液に窒素系酸化剤を添加することで発生するNOと高濃
度酸素とが反応して生成されるNO2 をエジェクターを
用いて硫酸酸性溶液中に吸引したので、上記NO2 を酸
化剤として繰り返し利用することができる。本発明にあ
って、気相に残存するNO及びNO2 は再び次の反応過
程の窒素酸化物の供給源としてリサイクルされるが、製
造された硫酸第二鉄溶液及び塩基性硫酸第二鉄溶液中の
NO及びNO2 を除去するために空気等でパージ(浄
化)するときにもNOやNO2 が発生することになる。
そこで本発明ではこのNOやNO2 を減圧下で湿式吸収
法にて吸収液に吸収させて再利用することができる。例
えば吸収液として硫酸第一鉄溶液を用いると、NOがF
eSO4 に錯塩として吸収除去されてFe(NO)SO
4 が生成されることになり、このFe(NO)SO4
含有する溶液は上記硫酸酸性溶液等の鉄原料としてリサ
イクルされる。または吸収液としてアルカリ水溶液、ア
ルカリ性過酸化水素水、アルカリ性次亜塩素酸ナトリウ
ム等を用いると、NOやNO2 が酸化吸収除去されて亜
硝酸塩や硝酸塩を生じることになり、この亜硝酸塩や硝
酸塩は窒素系酸化剤(窒素系酸化物触媒)としてリサイ
クルされる。
【0024】次に本発明で使用する装置を説明する。図
1には装置の一例が示してあり、1がエジェクター、2
が反応容器である。反応容器2とエジェクター1とは溶
液流通管10と気体流通管11、及び循環管12とで接
続してある。3は循環管12の途中に介在させてあるポ
ンプである。4は気体流通管11に接続される酸素供給
管である。5は反応容器2と接続され硫酸第一鉄溶液及
び窒素系酸化剤を供給するための供給管である。6は一
端を反応容器2と接続され他端が真空減圧装置に接続さ
れる吸引管である。7は循環管12と接続され、硫酸第
二鉄溶液を取り出すための系外排出管である。8は反応
容器2内に配置され、冷却水や加温水を流通させるため
の温度調節管である。9は反応容器2内の圧力や温度を
測定する圧力温度計である。
【0025】このような装置を用いて本発明を実施する
に当たっては、先ず反応容器2内に供給管5を通じて硫
酸酸性溶液を供給する。次に吸引管6を通じて反応容器
2内の空気などを抜いて圧力を100〜600mmHg
程度にまで減圧する。次に供給管5を通じて反応容器2
内に窒素系酸化剤を供給する。そしてポンプ3を駆動さ
せて硫酸酸性溶液と窒素系酸化剤の混合溶液13を昇圧
し、循環管12及びエジェクター1及び溶液流通管10
を介して循環させる。このように混合溶液13を循環さ
せると、エジェクター1を通過する際に生じる吸引効果
で、反応容器2内で発生する窒素酸化物14(矢印で示
す)が気体流通管11を介してエジェクター1内に吸引
されて混合溶液13と接触し、溶液流通管10を介して
反応容器2内の混合溶液13内に混合噴出されると共
に、酸素が酸素供給管4より気体流通管11に供給され
てエジェクター1内に吸引され混合溶液13と接触し、
溶液流通管10を介して反応容器2内の混合溶液13内
に混合噴出される。そして上記のように硫酸酸性溶液中
の第一鉄イオンが酸化されて反応が終了して硫酸第二鉄
溶液及び塩基性硫酸第二鉄溶液が生成されると、ポンプ
3を介して系外排出管7より取り出されるものである。
また反応容器2内の圧力は上昇する傾向にあるが最終的
に100〜600mmHg程度にまで戻される。
【0026】上記装置において反応容器2内の温度は、
温度調節管8を通じて供給される冷却水や加温水で室温
から50℃以下の低温に保持されており、反応容器2内
の減圧状態と製造(反応)条件の安定化を図ることがで
きるようになっている。また酸化反応の開始時に反応容
器2内の圧力を100mmHg程度にまで減圧してある
ので、反応容器2内の圧力は酸化反応進行過程において
常に減圧状態を保つことができ、酸化反応過程において
発生するNOやNO2 の漏洩をなくすことができ、大気
汚染の防止を図ることができる。
【0027】尚、上記反応容器2内の気相部分(混合溶
液13以外の空間)と液相部分(混合溶液13が占める
部分)の容積比率は気相/液相=9/1〜1/9程度、
好ましくは2/1〜1/2程度にするとよい。容積比率
が1/9よりも小さくなると圧力上昇の原因となり、9
よりも大きくなると製造効率を上げるために装置を大型
化しなければならなくなる。また上記装置にはエジェク
ター1を大型化したり、エジェクター1を二機以上具備
してもよく、このことで反応時間を短くすることができ
る。
【0028】図2には装置の他例が示してある。30は
吸収容器、31はエジェクターであって、吸収容器30
とエジェクター31とは溶液流通管32と循環管34と
で接続してある。35は循環管34の途中に介在させて
あるポンプである。38は一端がエジェクター31、他
端が上記反応容器2にそれぞれ接続される気体分配管で
ある。36は一端が上記気体流通管11、他端が吸収容
器30にそれぞれ接続される配送管である。39a、3
9b、39cはバルブである。また吸収容器30内には
吸収液37が貯留してある。
【0029】この装置にあっては、上記と同様にして混
合溶液13の反応を開始し、反応過程において何らかの
条件により、例えば各装置部分の故障及び異常時、また
窒素系酸化剤の過剰添加等によって反応容器2内の圧力
上昇がある場合に、バルブ39aを開くと共に吸収容器
30側のポンプ35を駆動させて吸収液37を循環管3
4とエジェクター31と溶液流通管32を介して循環さ
せるようにする。そして吸収液37がエジェクター31
を通過する際に生じる吸引効果で気体分配管38を介し
て反応容器2内から圧力の上昇の主原因である窒素酸化
物や未反応酸素をエジェクター31に吸引し、吸収液3
7に吸引して接触、混合、噴出される。
【0030】このように反応容器2内で発生した余剰の
窒素酸化物や未反応酸素を吸収液37に湿式吸収法にて
吸収させることによって、例えば吸収液37として硫酸
第一鉄溶液を用いると、NOが硫酸第一溶液に錯塩とし
て吸収除去されてFe(NO)SO4 が生成されること
になり、このFe(NO)SO4 を含有する溶液は本発
明の硫酸酸性溶液等の鉄原料としてリサイクルすること
ができる。
【0031】また吸収液37としてアルカリ水溶液、ア
ルカリ性過酸化水素水、アルカリ性次亜塩素酸ナトリウ
ム等を用いると、NOやNO2 が酸化吸収除去されて亜
硝酸塩や硝酸塩を生じることになり、この亜硝酸塩や硝
酸塩は窒素系酸化剤(窒素系酸化物触媒)としてリサイ
クルすることができる。また反応容器2内の余剰の窒素
酸化物や未反応酸素を低減させることで、反応容器2内
の圧力を常に減圧を保持した状態で反応容器2内の酸化
反応を進行させることができる。尚、吸収液37で吸収
することができなかった窒素酸化物や未反応酸素や吸収
液37と窒素酸化物の反応で新たに発生する窒素酸化物
は、バルブ39b、39cを配送管36を通じてエジェ
クター1に返送される。
【0032】図3には上記方法で製造された硫酸第二鉄
溶液及び塩基性硫酸第二鉄溶液47をパージする際に用
いられるガス処理装置が示してある。図中において40
はパージ用容器、41はエジェクターであって、パージ
用容器40とエジェクター41とは溶液流通管42と循
環管43とで接続してある。44は循環管43の途中に
介在させてあるポンプである。45はエジェクター41
に接続されるパージ用空気供給管である。46は一端が
パージ用容器40、他端が吸収装置Aのエジェクター5
1に接続される放出管である。48は圧力温度計であ
る。49a、49bはバルブである。
【0033】吸収装置Aは、濃度が5%程度の硫酸第一
鉄溶液などの吸収液56が貯留される容器50と、溶液
流通管52と循環管53とで容器50と接続されるエジ
ェクター51と、循環管53の途中に介在させてあるポ
ンプ54と、圧力温度計55と、高濃度酸素の供給管5
9と、循環管53の途中に設けられた排出部53aから
構成されている。また容器50には上記パージ用空気供
給管45と放出管46に接続される戻し管57が設けて
あると共に、戻し管57には吸収装置Bのエジェクター
61と接続される送り管58が接続してある。50a、
50bはバルブである。
【0034】吸収装置Bは、濃度が5%程度のアルカリ
性過酸化水素水などの吸収液66が貯留される容器60
と、溶液流通管62と循環管63とで容器60と接続さ
れるエジェクター61と、循環管63の途中に介在させ
てあるポンプ64と、圧力温度計65と、高濃度酸素の
供給管69と、循環管63の途中に設けられた排出部6
3aから構成されている。また容器60には上記戻し管
57に接続される戻し管67が設けてあると共に、戻し
管67には吸収装置Cのエジェクター71と接続される
送り管68が接続してある。60a、60bはバルブで
ある。
【0035】吸収装置Cは、濃度が2%程度の水酸化ナ
トリウム溶液などの吸収液76が貯留される容器70
と、溶液流通管72と循環管73とで容器70と接続さ
れるエジェクター71と、循環管73の途中に介在させ
てあるポンプ74と、圧力温度計75と、高濃度酸素の
供給管79と、循環管73の途中に設けられた排出部7
3aから構成されている。また容器70には上記戻し管
67に接続される戻し管77が設けてあると共に、戻し
管77には吸収装置Cから外部に排気するための排気管
78が接続してある。70a、70bはバルブである。
【0036】このような装置を用いて硫酸第二鉄溶液及
び塩基性硫酸第二鉄溶液をパージするにあたっては、バ
ルブ49aを開くと共にポンプ44を駆動させて硫酸第
二鉄溶液及び塩基性硫酸第二鉄溶液47を昇圧し、循環
管43及びエジェクター41及び溶液流通管42を介し
て循環させる。このように硫酸第二鉄溶液及び塩基性硫
酸第二鉄溶液47を循環させると、エジェクター41を
通過する際に生じる吸引効果で、パージ用空気供給管4
5を介して空気がエジェクター41内に吸引され、硫酸
第二鉄溶液及び塩基性硫酸第二鉄溶液47内に空気が吸
入され、硫酸第二鉄溶液及び塩基性硫酸第二鉄溶液47
中のNOやNO2 が空気により追い出され放出されるこ
とによって、窒素酸化物の含有量の少ない硫酸第二鉄溶
液及び塩基性硫酸第二鉄溶液が得られる。
【0037】上記反応においてパージ用容器40内には
放出されたNOやNO2 などの窒素酸化物が存在してい
るが、この窒素酸化物は吸収装置A、B、Cで吸収され
る。つまりバルブ49b、50b、60b、を開放する
と共に各ポンプ54、64、74を駆動させて各吸収液
56、66、76を循環管53、63、73と各エジェ
クター51、61、71と各溶液流通管52、62、7
2を介して循環させることによって、吸収液56、6
6、76が各エジェクター51、61、71を通過する
際に生じる吸引効果で、パージ用容器40より放出され
た窒素酸化物及び酸素供給管59、69、79を介して
供給される酸素を放出管46、送り管58、68を介し
て吸収装置A、B、Cに順送りして吸収液56、66、
76で吸収処理し、最後にバルブ70bを開いて排気管
78を通じて外部に放出される。
【0038】そして1パージ(上記窒素酸化物の吸収過
程の1周期)で窒素酸化物が吸収されなかった場合に
は、バルブ49を閉めてパージ用空気供給管45を閉鎖
すると共にバルブ50a、60a、70aを開けて戻し
管57、または戻し管67、或いは戻し管77を連通状
態にして、1パージで吸収されなかった窒素酸化物を吸
収装置A、B、Cに循環させ、上記吸収処理と同様にし
て窒素酸化物を吸収液56、66、76に吸収させるこ
とができる。
【0039】このように硫酸第二鉄溶液及び塩基性硫酸
第二鉄溶液をパージする際に発生するNOやNO2 の窒
素酸化物は吸収装置A、B、Cで吸収されることにな
り、窒素酸化物を大気中に放出することがなく、従って
大気汚染の防止を図ることができる。また酸素を供給し
つつ上記吸収をおこなうので、発生するNOを最も吸収
効率のよいNO2 として吸収液に吸収することができ
る。また吸収装置A、B、Cの吸収液56、66、76
はそれぞれ排出部53a、63a、73aから吸収液の
種類によって鉄原料や窒素系酸化剤として取り出してリ
サイクルすることができる。
【0040】尚、吸収装置の数は三台に限定されるもの
ではなく、台数を増やすことも可能である。以下本発明
を実施例によって詳述する。 (実施例1)硫酸酸性溶液としては、T−Feの濃度が
190g/リットル、T−SO4 の濃度が465g/リ
ットルの硫酸第一鉄溶液を使用した。窒素系酸化剤とし
ては二酸化窒素ナトリウム(NaNO2 )の濃度が10
5g/リットルの水溶液を使用した。吸収液としてはア
ルカリ性過酸化水素水(NaOHの濃度が5%、H2
2 の濃度が3%)を使用した。装置としては図2に示す
ものを用いた。
【0041】そして上記硫酸第一鉄溶液500リットル
を供給管5を通じて反応容器2内に供給すると共に吸引
管6を通じて反応容器2内の空気を抜いて絶対圧力10
0mmHgにした。次に窒素系酸化剤を供給管5を通じ
て反応容器2内に徐々に添加した。この窒素系酸化剤は
40リットルを連続的に一時間で均等に添加した。次に
ポンプ3を駆動させて硫酸第一鉄溶液と窒素系酸化剤の
混合溶液13を循環させた。これと同時にエジェクター
1を介して高濃度酸素及び窒素酸化物を混合溶液13に
吸入した。また反応開始時の混合溶液13(反応容器)
の温度は22℃であった。
【0042】反応開始後2時間で反応容器2内の絶対圧
力が760mmHgに達したので、吸収容器30内に貯
留された吸収液37をポンプ35で昇圧して循環させ、
反応容器2内の窒素酸化物を吸収し、反応容器2内の絶
対圧力を700mmHgに保持した。反応開始後8時間
で硫酸第一鉄溶液中の第一鉄イオンの酸化が終了した。
酸化率は99%であり、Fe3+の濃度が176g/リッ
トル、T−SO4 の濃度が430g/リットルの塩基性
硫酸第二鉄溶液を得た。塩基性硫酸第二鉄溶液中のNO
3 の濃度は5200mg/リットルであった。
【0043】反応終了時の混合溶液13(反応容器)の
温度は49℃であった。エジェクター1による混合溶液
13の循環液量は200リットル/minであり、また
エジェクター1による窒素酸化物と高濃度酸素の吸引ガ
ス流量は100リットル/minであった。、また消費
された高濃度酸素の量は10500リットルであり、必
要酸素理論量の約1.1倍であった。
【0044】(実施例2)硫酸第一鉄溶液、窒素系酸化
剤、吸収液、及び装置は上記実施例1と同様のものを使
用した。そして上記硫酸第一鉄溶液500リットルを供
給管5を通じて反応容器2内に供給すると共に吸引管6
を通じて反応容器2内の空気を抜いて減圧状態にした。
次に窒素系酸化剤を供給管5を通じて反応容器2内に徐
々に添加した。この窒素系酸化剤は40リットルを反応
初期に60%(24リットル)、反応中期に30%(1
2リットル)、反応後期に10%(4リットル)を添加
した。次にポンプ3を駆動させて硫酸第一鉄溶液と窒素
系酸化剤の混合溶液13を循環させた。これと同時にエ
ジェクター1を介して高濃度酸素及び窒素酸化物が混合
溶液13に吸入された。また反応開始時から反応終了時
まで混合溶液13(反応容器)の温度を45℃に保持し
た。また反応初期において絶対圧力360mmHgにな
るように高濃度酸素の供給量を調節し、反応中期以後は
反応容器2内の圧力を610mmHgに保つように高濃
度酸素の供給量を調節したり、吸収液37で窒素酸化物
を吸収した。
【0045】反応開始後7時間で硫酸第一鉄溶液中の第
一鉄イオンの酸化が終了した。酸化率は100%であ
り、Fe3+の濃度が176g/リットル、T−SO4
濃度が430g/リットルの塩基性硫酸第二鉄溶液を得
た。塩基性硫酸第二鉄溶液中のNO3 の濃度は4200
mg/リットルであった。またエジェクター1による混
合溶液13の循環液量は200リットル/minであ
り、またエジェクター1による窒素酸化物と高濃度酸素
の吸引ガス流量は100リットル/minであった。ま
た消費された高濃度酸素の量は10500リットルであ
り、必要酸素理論量の約1.1倍であった。
【0046】(実施例3)硫酸酸性溶液としては、T−
Feの濃度が150g/リットル、T−SO4 の濃度が
392g/リットルの硫酸第一鉄溶液を使用した。その
他は実施例1と同様にして硫酸第二鉄溶液を得た。 (実施例4)実施例2の反応終了後塩基性硫酸第二鉄溶
液を排出し、反応容器2内に新たに上記と同様の硫酸第
一鉄溶液を供給し、反応容器2内に残留した窒素酸化物
を利用して実施例2と同様の操作をおこない、塩基性硫
酸第二鉄溶液を得た。
【0047】この実施例では残留した窒素酸化物を利用
して実施例2の塩基性硫酸第二鉄溶液と同様なものが得
られた。 (実施例5)図2に示す装置2の循環管12にエジェク
ターをもう1基増設し、実施例2と同様の操作をおこな
った。2基のエジェクターの混合溶液13の循環液量は
400リットル/minであった。
【0048】この実施例では反応時間を4時間にするこ
とができた。 (実施例6)上記実施例1、2で製造された塩基性硫酸
第二鉄溶液を図3に示す装置でパージした。吸収液56
としては硫酸第一鉄溶液(FeSO4 の濃度が5%、H
2 SO4 の濃度が1%)を使用し、吸収液66としては
アルカリ性過酸化水素水(NaOHの濃度が5%、H2
2 の濃度が3%)を使用し、吸収液76としては水酸
化ナトリウム溶液(NaOHの濃度が2%)を使用し
た。
【0049】この実施例において排気管78から排気さ
れるNO及びNO2 はJISの化学発光測定法を用いて
も検出限界値以下であり、非常に小さいものであった。
また吸収液56は鉄原料として、また吸収液66、76
は亜硝酸塩及び硝酸塩としてリサイクルすることができ
た。 (比較例)硫酸第一鉄溶液と窒素系酸化剤としては上記
実施例1と同様のものを使用した。
【0050】そしてこの硫酸第一鉄溶液500リットル
を80℃まで加熱し、窒素系酸化剤を50リットルを徐
々に添加して20時間空気酸化をおこない、酸化率90
%の塩基性硫酸第二鉄溶液を得た。この比較例の塩基性
硫酸第二鉄溶液について、還元蒸留−中和滴定法によっ
て溶液中のNO3 の濃度を測定すると、8500mg/
リットルであった。
【0051】上記実施例1、2について、市販のポリ硫
酸第二鉄(商品名「ポリテツ」(登録商標)日鉄鉱業
(株)社製)と周知の凝集比較試験をおこなったが、実
施例1、2とも市販のポリ硫酸第二鉄と同等の性能を有
するものであった。また実施例1、2、比較例について
単位酸素供給量当たりの酸化率を求め、次式Aより接触
酸化効率を求めた。
【0052】 接触酸化効率(%)=酸化率(%)/理論酸化率(%)×100 …A 上記酸化率及び接触酸化効率の結果を表1に示すと共に
図4に酸素供給量と酸化率との関係を示すグラフ、図5
に酸素供給量と接触酸化効率との関係を示すグラフを示
した。尚、図4において実線は理論値、細い破線は実施
例1の値、太い破線は実施例2の値、一点鎖線は比較例
の値を示す。また図5において実線は実施例1の値、細
い破線は実施例2の値、二点鎖線は比較例の値を示す。
【0053】
【表1】
【0054】表1において実施例1、2と比較例とを対
比すると、同量の酸素供給量であっても、実施例1、2
の方が比較例よりも酸化率が高く、接触酸化効率も向上
しているのが判る。即ち実施例1、2の方が比較例より
も酸化を効率よく行うことができると言える。また実施
例1と実施例2とを比較すると、実施例2の方が実施例
1よりも酸化率及び接触酸化効率の値が良いことが判
る。即ち実施例2のように窒素系酸化剤を分割供給する
と第一鉄イオンの酸化率及び接触酸化効率を向上させる
ことができると言える。
【0055】
【発明の効果】上記のように本発明は、硫酸第一鉄溶液
を含む硫酸酸性溶液中の第一鉄イオンを窒素酸化物を触
媒として酸化して硫酸第二鉄溶液及び塩基性硫酸第二鉄
溶液を製造する方法において、硫酸酸性溶液に窒素系酸
化剤を添加すると共に硫酸酸性溶液をエジェクターを介
して循環させ、窒素系酸化剤よる第一鉄イオンの酸化で
発生する窒素酸化物と高濃度酸素とをエジェクターによ
り硫酸酸性溶液に吸引したので、硫酸酸性溶液と窒素系
酸化剤が反応して生成されるNO2 及びNOと高濃度酸
素が反応して生成されるNO2 とを、高濃度酸素ととも
にエジェクターの吸引、混合、噴出効果により微細粒泡
化して硫酸酸性溶液中に存在させることができ、NO2
と硫酸酸性溶液との接触面積を大きくして第一鉄イオン
の酸化効率を高めることができ、短時間で第一鉄イオン
の酸化を終了させることができるものである。また上記
のように第一鉄イオンの酸化効率を高めることができる
ので、高価な窒素系酸化剤を多量に使うことがなくな
り、経済的な不利を受けることがないようにすることが
できるものである。
【0056】また本発明は、窒素系酸化剤を第一鉄イオ
ンの酸化進行に応じて分割供給したので、窒素系酸化剤
の過剰添加を防止することができると共に、第一鉄イオ
ンの酸化反応が平衡状態になって進行しなくなるのを防
止することができ、酸化効率を向上させて未酸化の第一
鉄イオンが残存しないようにすることができるものであ
る。
【0057】また本発明は、酸化反応を減圧下で進行さ
せたので、製造される硫酸第二鉄溶液や塩基性硫酸第二
鉄溶液中に溶存する窒素酸化物(NOやNO2 )の量を
少なくすることができると共に、反応過程で発生するN
OやNO2 が反応容器より漏洩しなくなって大気を汚染
しないようにすることができるものである。さらに本発
明は、酸化反応を室温から50℃以下の低温で進行させ
たので、エネルギー消費を極めて少なくすることができ
ると共に減圧状態と製造条件の安定化を図ることができ
るものである。
【0058】さらに本発明は、酸化反応中及び酸化反応
後に容器に存在する窒素酸化物、或いは得られた硫酸第
二鉄溶液及び塩基性硫酸第二鉄溶液をパージした時に発
生する窒素酸化物を吸収液に吸収処理したので、吸収液
に窒素酸化物を吸収させて鉄原料や窒素系酸化剤を生成
することができ、吸収液を鉄原料や窒素系酸化剤として
リサイクルすることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用する装置の一例を示す概略図であ
る。
【図2】同上の装置の他例を示す概略図である。
【図3】同上のガス処理装置を示す概略図である。
【図4】理論と実施例1、2と比較例における酸素供給
量と酸化率との関係を示すグラフである。
【図5】実施例1、2と比較例における酸素供給量と接
触酸化効率との関係を示すグラフである。
【図6】硫酸第二鉄溶液や塩基性硫酸第二鉄溶液の混合
割合と、スラリー濃度の関係を示すグラフである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硫酸第一鉄溶液を含む硫酸酸性溶液中の
    第一鉄イオンを窒素酸化物を触媒として酸化して硫酸第
    二鉄溶液及び塩基性硫酸第二鉄溶液を製造する方法にお
    いて、硫酸酸性溶液に窒素系酸化剤を添加すると共に硫
    酸酸性溶液をエジェクターを介して循環させ、窒素系酸
    化剤による第一鉄イオンの酸化で発生する窒素酸化物と
    高濃度酸素とをエジェクターにより硫酸酸性溶液に吸引
    することを特徴とする硫酸第二鉄溶液及び塩基性硫酸第
    二鉄溶液の製造方法。
  2. 【請求項2】 窒素系酸化剤を第一鉄イオンの酸化進行
    に応じて分割供給することを特徴とする請求項1に記載
    の硫酸第二鉄溶液及び塩基性硫酸第二鉄溶液の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 酸化反応を減圧下で進行させることを特
    徴とする請求項1又は2に記載の硫酸第二鉄溶液及び塩
    基性硫酸第二鉄溶液の製造方法。
  4. 【請求項4】 酸化反応を室温から50℃以下の低温で
    進行させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか
    に記載の硫酸第二鉄溶液及び塩基性硫酸第二鉄溶液の製
    造方法。
  5. 【請求項5】 酸化反応中及び酸化反応後に容器に存在
    する窒素酸化物、或いは得られた硫酸第二鉄溶液及び塩
    基性硫酸第二鉄溶液をパージした時に発生する窒素酸化
    物を吸収液に吸収処理することを特徴とする請求項1乃
    至4のいずれかに記載の硫酸第二鉄溶液及び塩基性硫酸
    第二鉄溶液の製造方法。
JP05470395A 1995-03-14 1995-03-14 硫酸第二鉄溶液及び塩基性硫酸第二鉄溶液の製造方法 Expired - Lifetime JP3686446B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP05470395A JP3686446B2 (ja) 1995-03-14 1995-03-14 硫酸第二鉄溶液及び塩基性硫酸第二鉄溶液の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP05470395A JP3686446B2 (ja) 1995-03-14 1995-03-14 硫酸第二鉄溶液及び塩基性硫酸第二鉄溶液の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08253326A true JPH08253326A (ja) 1996-10-01
JP3686446B2 JP3686446B2 (ja) 2005-08-24

Family

ID=12978166

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP05470395A Expired - Lifetime JP3686446B2 (ja) 1995-03-14 1995-03-14 硫酸第二鉄溶液及び塩基性硫酸第二鉄溶液の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3686446B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101403942B1 (ko) * 2011-11-17 2014-06-09 주식회사 워켐 폐수 및 폐기물로부터 제이철염의 제조방법
CN111672276A (zh) * 2020-06-01 2020-09-18 深圳市长隆科技有限公司 一种聚合硫酸铁生产过程中废气的资源化利用工艺

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS50106897A (ja) * 1974-01-31 1975-08-22
JPH02191541A (ja) * 1989-01-20 1990-07-27 Sugita Seisen Kojo:Kk 液体の酸化方法とその装置

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS50106897A (ja) * 1974-01-31 1975-08-22
JPH02191541A (ja) * 1989-01-20 1990-07-27 Sugita Seisen Kojo:Kk 液体の酸化方法とその装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101403942B1 (ko) * 2011-11-17 2014-06-09 주식회사 워켐 폐수 및 폐기물로부터 제이철염의 제조방법
CN111672276A (zh) * 2020-06-01 2020-09-18 深圳市长隆科技有限公司 一种聚合硫酸铁生产过程中废气的资源化利用工艺

Also Published As

Publication number Publication date
JP3686446B2 (ja) 2005-08-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN101543723A (zh) 一种含酸性气体的氮氧化物废气处理装置及工艺
JP3660709B2 (ja) 硫酸第二鉄溶液及び塩基性硫酸第二鉄溶液の製造装置
JP2014189471A (ja) 一酸化窒素ガスの回収装置
JPH02191541A (ja) 液体の酸化方法とその装置
JPH08253326A (ja) 硫酸第二鉄溶液及び塩基性硫酸第二鉄溶液の製造方法
CN107398165A (zh) 一种锅炉烟气的脱硫脱硝工艺
CN111068476A (zh) 硝酸溶解金属过程中nox尾气的处理装置、方法及终端
JP2004033910A (ja) 有機酸洗浄排液の処理方法および装置
CN217092820U (zh) 一种含NOx尾气常温脱硝装置
JP3586557B2 (ja) ポリ硫酸第2鉄を効率的に製造する方法
CN106673175A (zh) 一种利用氯气氧化深度处理有机废水的方法
CN112960760B (zh) 羟基自由基的制备装置及其制备方法、羟基自由基溶液
JP3482132B2 (ja) ポリ硫酸第2鉄製造装置
CN113735318A (zh) 一种多相芬顿反应强化剂及其在污水处理方法中的应用
JP2001348346A (ja) メタン発酵ガスの浄化方法
JP2003236594A (ja) 汚泥の処理装置
US1039325A (en) Process of making nitrates and nitric acid.
JP3586563B2 (ja) ポリ硫酸第2鉄の効率的製造方法
CN110237673A (zh) 氯酸钠与石灰石混合浆液同时脱硫脱硝方法
KR100242413B1 (ko) 오존수 제조방법 및 그 장치
KR100613727B1 (ko) 비촉매 산화처리법을 이용한 세정 폐액의 연속 처리방법 및 장치
CN214914893U (zh) 一种湿法脱硫多级深度氧化装置
JPH10141648A (ja) ガス窒化排ガス処理方法およびその装置
JP3522082B2 (ja) 湿式脱硝方法
US5271915A (en) Method for processing nitrogen oxide gas

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040922

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050201

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050404

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050510

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050603

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110610

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120610

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130610

Year of fee payment: 8

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term