JPH08252528A - 耐もらい錆性に優れた有機複合被覆鋼板 - Google Patents
耐もらい錆性に優れた有機複合被覆鋼板Info
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 耐もらい錆性に優れた有機複合被覆鋼板を提
供すること 【構成】 亜鉛系めっき鋼板の表面に所定の付着量のク
ロメート皮膜を有し、該クロメート皮膜の上部に、エポ
キシ樹脂の末端に少なくとも1個以上の塩基性窒素原子
と少なくとも2個以上の一級水酸基を付加せしめてなる
基体樹脂に、1分子中に少なくとも3個、好ましくは4
個以上、より好ましくは6個以上のイソシアネート基を
有する多官能ポリイソシアネート化合物(特に好ましく
は、ヘキサメチレンジイソシアネートの多官能体からな
る6官能ポリイソシアネート化合物)と、(基体樹脂+
多官能ポリイソシアネート化合物)/防錆添加剤の重量
比が90/10〜40/60の割合で添加された防錆添
加剤が配合された有機皮膜を膜厚0.2〜2.0μmの
厚さで有しいる有機複合被覆鋼板であり、防錆添加剤と
してはシリカ/難溶性クロム酸塩=35/5〜1/39
の重量比からなるシリカおよび難溶性クロム酸塩が好ま
しい。
供すること 【構成】 亜鉛系めっき鋼板の表面に所定の付着量のク
ロメート皮膜を有し、該クロメート皮膜の上部に、エポ
キシ樹脂の末端に少なくとも1個以上の塩基性窒素原子
と少なくとも2個以上の一級水酸基を付加せしめてなる
基体樹脂に、1分子中に少なくとも3個、好ましくは4
個以上、より好ましくは6個以上のイソシアネート基を
有する多官能ポリイソシアネート化合物(特に好ましく
は、ヘキサメチレンジイソシアネートの多官能体からな
る6官能ポリイソシアネート化合物)と、(基体樹脂+
多官能ポリイソシアネート化合物)/防錆添加剤の重量
比が90/10〜40/60の割合で添加された防錆添
加剤が配合された有機皮膜を膜厚0.2〜2.0μmの
厚さで有しいる有機複合被覆鋼板であり、防錆添加剤と
してはシリカ/難溶性クロム酸塩=35/5〜1/39
の重量比からなるシリカおよび難溶性クロム酸塩が好ま
しい。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車車体に好適な耐
もらい錆性に優れた有機複合被覆鋼板に関するものであ
る。
もらい錆性に優れた有機複合被覆鋼板に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、北米や北欧などの寒冷地では、冬
期に散布される道路凍結防止用の塩類による自動車車体
の腐食が大きな社会問題となっている。このため、自動
車車体の防錆対策の一つとして、従来の冷延鋼板に代わ
って耐食性に優れた表面処理鋼板を使用する傾向が強く
なりつつある。
期に散布される道路凍結防止用の塩類による自動車車体
の腐食が大きな社会問題となっている。このため、自動
車車体の防錆対策の一つとして、従来の冷延鋼板に代わ
って耐食性に優れた表面処理鋼板を使用する傾向が強く
なりつつある。
【0003】このような表面処理鋼板として、例えば特
開平4−322771号ではZn系めっき鋼板の表面に
クロメート皮膜を有し、その上層に1μm程度の膜厚の
有機樹脂皮膜を有する耐食性に優れた有機複合被覆鋼板
が提案されている。この特開平4−322771号に示
される有機複合被覆鋼板は、水系樹脂に対して硬化剤と
して一般のブロックイソシアネートを含有させるととも
に、SiO2,Cr2O3,Fe2O3,Fe3O4,Mg
O,ZrO2,SnO2及びAl2O3の中から選ばれる1
種以上の水分散型ゾルを含有させた水溶液を塗布し、乾
燥させることにより、耐食性、溶接性及び接着性に優れ
た樹脂皮膜を得ている。
開平4−322771号ではZn系めっき鋼板の表面に
クロメート皮膜を有し、その上層に1μm程度の膜厚の
有機樹脂皮膜を有する耐食性に優れた有機複合被覆鋼板
が提案されている。この特開平4−322771号に示
される有機複合被覆鋼板は、水系樹脂に対して硬化剤と
して一般のブロックイソシアネートを含有させるととも
に、SiO2,Cr2O3,Fe2O3,Fe3O4,Mg
O,ZrO2,SnO2及びAl2O3の中から選ばれる1
種以上の水分散型ゾルを含有させた水溶液を塗布し、乾
燥させることにより、耐食性、溶接性及び接着性に優れ
た樹脂皮膜を得ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一方、最近、腐食環境
下に鉄錆が共存する環境下での耐食性(以下、耐もらい
錆性という)が問題とされはじめている(CAMP-ISIJ vo
l.5(1992),p.1693)。すなわち、有機複合被覆鋼板をこ
のような環境下で使用すると鉄錆が樹脂皮膜の表面に付
着し、有機複合被覆鋼板本来の優れた耐食性を低下させ
るという問題が指摘されている。しかし、上述した特開
平4−322771号の有機複合被覆鋼板は、この耐も
らい錆性については必ずしも十分な性能を発揮できない
ことが判った。これは同被覆鋼板の有機皮膜は硬化剤が
必須成分として添加されておらず、また、添加したとし
ても公知の硬化剤では十分な架橋密度が得られていない
ためであると考えられる。
下に鉄錆が共存する環境下での耐食性(以下、耐もらい
錆性という)が問題とされはじめている(CAMP-ISIJ vo
l.5(1992),p.1693)。すなわち、有機複合被覆鋼板をこ
のような環境下で使用すると鉄錆が樹脂皮膜の表面に付
着し、有機複合被覆鋼板本来の優れた耐食性を低下させ
るという問題が指摘されている。しかし、上述した特開
平4−322771号の有機複合被覆鋼板は、この耐も
らい錆性については必ずしも十分な性能を発揮できない
ことが判った。これは同被覆鋼板の有機皮膜は硬化剤が
必須成分として添加されておらず、また、添加したとし
ても公知の硬化剤では十分な架橋密度が得られていない
ためであると考えられる。
【0005】なお、公知文献である「GALVATECH'92,p.3
72」では、樹脂皮膜中の硬化剤の添加量を減少させて架
橋密度を低下させた場合、有機複合被覆鋼板の耐もらい
錆性が低下することが記載されているが、耐もらい錆性
を向上させるための具体的な手段については何も示して
いない。本発明はこのような現状に鑑み、耐食性(耐穴
あき性)、塗料密着性等の特性とともに、耐もらい錆性
にも優れた有機複合被覆鋼板を提供することを目的とす
る。
72」では、樹脂皮膜中の硬化剤の添加量を減少させて架
橋密度を低下させた場合、有機複合被覆鋼板の耐もらい
錆性が低下することが記載されているが、耐もらい錆性
を向上させるための具体的な手段については何も示して
いない。本発明はこのような現状に鑑み、耐食性(耐穴
あき性)、塗料密着性等の特性とともに、耐もらい錆性
にも優れた有機複合被覆鋼板を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の有機複合被覆鋼
板は、上記の目的を達成するために本発明者らが鋭意検
討を重ねた結果、耐もらい錆性向上のためには、 硬化剤であるポリイソシアネート化合物の多官能化
による樹脂皮膜の高架橋密度化 防錆添加剤として、シリカと難溶性クロム酸塩の併
用 という2つの条件が極めて有効であることを見出し、な
されたものである。すなわち、本発明の有機複合被覆鋼
板は以下のような構成を有する。
板は、上記の目的を達成するために本発明者らが鋭意検
討を重ねた結果、耐もらい錆性向上のためには、 硬化剤であるポリイソシアネート化合物の多官能化
による樹脂皮膜の高架橋密度化 防錆添加剤として、シリカと難溶性クロム酸塩の併
用 という2つの条件が極めて有効であることを見出し、な
されたものである。すなわち、本発明の有機複合被覆鋼
板は以下のような構成を有する。
【0007】(1) Zn系めっき鋼板の表面に金属クロム
換算で付着量が5〜200mg/m2のクロメート皮膜
を形成し、その上層に、エチレン−アクリル酸共重合体
樹脂、スチレン−アクリル酸共重合体樹脂、ポリアクリ
ル酸およびその共重合体樹脂、ポリアクリル酸エステル
およびその共重合体樹脂、ポリメタクリル酸およびその
共重合体樹脂、ポリメタクリル酸エステルおよびその共
重合体樹脂の中から選ばれた1種または2種以上の水性
分散型樹脂[A]100重量部(固形分)に対して、1
分子中に少なくとも3個のイソシアネート基を有する多
官能ポリイソシアネート化合物[B]を5〜80重量部
(固形分)含有し、さらに防錆添加剤[C]を([A]
+[B])/[C]の重量比で90/10〜40/60
の割合で含有する水系塗料組成物を付着させて乾燥膜厚
が0.2〜3.0μmの樹脂皮膜を形成したことを特徴
とする耐もらい錆性に優れた有機複合被覆鋼板。
換算で付着量が5〜200mg/m2のクロメート皮膜
を形成し、その上層に、エチレン−アクリル酸共重合体
樹脂、スチレン−アクリル酸共重合体樹脂、ポリアクリ
ル酸およびその共重合体樹脂、ポリアクリル酸エステル
およびその共重合体樹脂、ポリメタクリル酸およびその
共重合体樹脂、ポリメタクリル酸エステルおよびその共
重合体樹脂の中から選ばれた1種または2種以上の水性
分散型樹脂[A]100重量部(固形分)に対して、1
分子中に少なくとも3個のイソシアネート基を有する多
官能ポリイソシアネート化合物[B]を5〜80重量部
(固形分)含有し、さらに防錆添加剤[C]を([A]
+[B])/[C]の重量比で90/10〜40/60
の割合で含有する水系塗料組成物を付着させて乾燥膜厚
が0.2〜3.0μmの樹脂皮膜を形成したことを特徴
とする耐もらい錆性に優れた有機複合被覆鋼板。
【0008】(2) 上記(1)の有機複合被覆鋼板におい
て、樹脂皮膜を構成する防錆添加剤[C]が、Cr
2O3,Fe2O3,Fe3O4,MgO,ZrO2,Sn
O2,Al2O3の各水分散型ゾル、シリカ、難溶性クロ
ム酸塩の中から選ばれる1種または2種以上からなる耐
もらい錆性に優れた有機複合被覆鋼板。 (3) 上記(1)の有機複合被覆鋼板において、樹脂皮膜を
構成する防錆添加剤[C]が、下記重量比からなるシリ
カおよび難溶性クロム酸塩である耐もらい錆性に優れた
有機複合被覆鋼板。 シリカ/難溶性クロム酸塩=35/5〜1/39
て、樹脂皮膜を構成する防錆添加剤[C]が、Cr
2O3,Fe2O3,Fe3O4,MgO,ZrO2,Sn
O2,Al2O3の各水分散型ゾル、シリカ、難溶性クロ
ム酸塩の中から選ばれる1種または2種以上からなる耐
もらい錆性に優れた有機複合被覆鋼板。 (3) 上記(1)の有機複合被覆鋼板において、樹脂皮膜を
構成する防錆添加剤[C]が、下記重量比からなるシリ
カおよび難溶性クロム酸塩である耐もらい錆性に優れた
有機複合被覆鋼板。 シリカ/難溶性クロム酸塩=35/5〜1/39
【0009】(5) 上記(1)〜(3)の有機複合被覆鋼板にお
いて、多官能ポリイソシアネート化合物[B]が、1分
子中に少なくとも4個のイソシアネート基を有する多官
能ポリイソシアネート化合物である耐もらい錆性に優れ
た有機複合被覆鋼板。 (6) 上記(1)〜(3)の有機複合被覆鋼板において、多官能
ポリイソシアネート化合物[B]が、1分子中に少なく
とも6個のイソシアネート基を有する多官能ポリイソシ
アネート化合物である耐もらい錆性に優れた有機複合被
覆鋼板。 (7) 上記(1)〜(3)の有機複合被覆鋼板において、多官能
ポリイソシアネート化合物[B]が、1分子中に少なく
とも6個のイソシアネート基を有するヘキサメチレンジ
イソシアネートの多官能体である耐もらい錆性に優れた
有機複合被覆鋼板。
いて、多官能ポリイソシアネート化合物[B]が、1分
子中に少なくとも4個のイソシアネート基を有する多官
能ポリイソシアネート化合物である耐もらい錆性に優れ
た有機複合被覆鋼板。 (6) 上記(1)〜(3)の有機複合被覆鋼板において、多官能
ポリイソシアネート化合物[B]が、1分子中に少なく
とも6個のイソシアネート基を有する多官能ポリイソシ
アネート化合物である耐もらい錆性に優れた有機複合被
覆鋼板。 (7) 上記(1)〜(3)の有機複合被覆鋼板において、多官能
ポリイソシアネート化合物[B]が、1分子中に少なく
とも6個のイソシアネート基を有するヘキサメチレンジ
イソシアネートの多官能体である耐もらい錆性に優れた
有機複合被覆鋼板。
【0010】
【作用】亜鉛系めっき鋼板の表面に形成されたクロメー
ト皮膜の上層に第2層として形成された樹脂皮膜は、ク
ロメート皮膜中の6価のクロム酸イオンの腐食環境中へ
の過剰な溶出を抑制して防食効果を持続させる効果を有
するが、本発明では特に、水系樹脂に対して、硬化剤と
して1分子中に少なくとも3個のイソシアネート基を有
する多官能ポリイソシアネート化合物を反応させて形成
された高架橋密度の樹脂皮膜と、樹脂皮膜中に特定の比
率で添加された防錆添加剤の作用(特に、シリカと難溶
性クロム酸塩を複合添加した場合の相乗作用)によっ
て、従来の有機複合被覆鋼板と比較して耐もらい錆性を
著しく向上させたものである。
ト皮膜の上層に第2層として形成された樹脂皮膜は、ク
ロメート皮膜中の6価のクロム酸イオンの腐食環境中へ
の過剰な溶出を抑制して防食効果を持続させる効果を有
するが、本発明では特に、水系樹脂に対して、硬化剤と
して1分子中に少なくとも3個のイソシアネート基を有
する多官能ポリイソシアネート化合物を反応させて形成
された高架橋密度の樹脂皮膜と、樹脂皮膜中に特定の比
率で添加された防錆添加剤の作用(特に、シリカと難溶
性クロム酸塩を複合添加した場合の相乗作用)によっ
て、従来の有機複合被覆鋼板と比較して耐もらい錆性を
著しく向上させたものである。
【0011】以下、本発明の詳細とその限定理由を説明
する。ベースとなる亜鉛系めっき鋼板としては、亜鉛め
っき鋼板、Zn−Ni合金めっき鋼板、Zn−Fe合金
めっき鋼板、Zn−Mn合金めっき鋼板、Zn−Al合
金めっき鋼板、Zn−Cr合金めっき鋼板、Zn−Co
−Cr合金めっき鋼板、Zn−Cr−Ni合金めっき鋼
板、Zn−Cr−Fe合金めっき鋼板、さらにはこれら
に金属酸化物、難溶性クロム酸塩、ポリマー等を分散め
っきした亜鉛系複合めっき鋼板等を挙げることができ
る。また、上記のようなめっきのうち同種または異種の
ものを2層以上めっきした複層めっき鋼板であっもよ
い。めっき方法としては、電解法、溶融法、気相法のう
ち実施可能ないずれの方法を採用することもできるが、
下地の冷延鋼板の選択性からは、電解法が有利である。
する。ベースとなる亜鉛系めっき鋼板としては、亜鉛め
っき鋼板、Zn−Ni合金めっき鋼板、Zn−Fe合金
めっき鋼板、Zn−Mn合金めっき鋼板、Zn−Al合
金めっき鋼板、Zn−Cr合金めっき鋼板、Zn−Co
−Cr合金めっき鋼板、Zn−Cr−Ni合金めっき鋼
板、Zn−Cr−Fe合金めっき鋼板、さらにはこれら
に金属酸化物、難溶性クロム酸塩、ポリマー等を分散め
っきした亜鉛系複合めっき鋼板等を挙げることができ
る。また、上記のようなめっきのうち同種または異種の
ものを2層以上めっきした複層めっき鋼板であっもよ
い。めっき方法としては、電解法、溶融法、気相法のう
ち実施可能ないずれの方法を採用することもできるが、
下地の冷延鋼板の選択性からは、電解法が有利である。
【0012】上記の亜鉛系めっき鋼板の表面に形成され
るクロメート皮膜は、6価クロムのクロム酸イオンによ
る自己修復作用により亜鉛系めっき鋼板の腐食を抑制す
る。このクロメート皮膜は付着量が、金属クロム換算で
5mg/m2未満では十分な耐食性を期待することがで
きず、一方、200mg/m2を超えると溶接性が劣化
する。このためクロメート皮膜の付着量は金属クロム換
算で5〜200mg/m2とする。また、さらに高度な
耐食性、溶接性を満足させるためには、金属クロム換算
で20〜100mg/m2の範囲とすることが好まし
い。このクロメート皮膜を形成するためのクロメート処
理としては、反応型、電解型、塗布型のいずれの方法も
適用可能である。耐食性の観点からは、クロメート皮膜
中に6価クロムのクロム酸イオンを多く含有する塗布型
が好ましい。
るクロメート皮膜は、6価クロムのクロム酸イオンによ
る自己修復作用により亜鉛系めっき鋼板の腐食を抑制す
る。このクロメート皮膜は付着量が、金属クロム換算で
5mg/m2未満では十分な耐食性を期待することがで
きず、一方、200mg/m2を超えると溶接性が劣化
する。このためクロメート皮膜の付着量は金属クロム換
算で5〜200mg/m2とする。また、さらに高度な
耐食性、溶接性を満足させるためには、金属クロム換算
で20〜100mg/m2の範囲とすることが好まし
い。このクロメート皮膜を形成するためのクロメート処
理としては、反応型、電解型、塗布型のいずれの方法も
適用可能である。耐食性の観点からは、クロメート皮膜
中に6価クロムのクロム酸イオンを多く含有する塗布型
が好ましい。
【0013】塗布型クロメート処理は、部分的に還元さ
れたクロム酸水溶液を主成分とし、これに下記〜の
成分の中から必要に応じて1種以上を添加した処理液
を、亜鉛系めっき鋼板に塗布し、水洗することなく乾燥
させる。 水溶性または水分散性のアクリル樹脂、ポリエステル
樹脂等の有機樹脂 シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化亜鉛
等の酸化物のコロイド類および/または粉末 モリブデン酸、タングステン酸、バナジン酸等の酸お
よび/またはその塩類 りん酸、ポリりん酸等のりん酸類 ジルコニウムフッ化物、ケイフッ化物、チタンフッ化
物等のフッ化物 亜鉛イオン等の金属イオン りん化鉄、アンチモンドープ型酸化錫等の導電性微粉
末 フッ化水素 シランカップリング剤 塗布型クロメート処理は、通常、ロールコーター法によ
り処理液を塗布するが、浸漬法やスプレー法により塗布
した後に、エアナイフ法やロール絞り法により塗布量を
調整することも可能である。
れたクロム酸水溶液を主成分とし、これに下記〜の
成分の中から必要に応じて1種以上を添加した処理液
を、亜鉛系めっき鋼板に塗布し、水洗することなく乾燥
させる。 水溶性または水分散性のアクリル樹脂、ポリエステル
樹脂等の有機樹脂 シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化亜鉛
等の酸化物のコロイド類および/または粉末 モリブデン酸、タングステン酸、バナジン酸等の酸お
よび/またはその塩類 りん酸、ポリりん酸等のりん酸類 ジルコニウムフッ化物、ケイフッ化物、チタンフッ化
物等のフッ化物 亜鉛イオン等の金属イオン りん化鉄、アンチモンドープ型酸化錫等の導電性微粉
末 フッ化水素 シランカップリング剤 塗布型クロメート処理は、通常、ロールコーター法によ
り処理液を塗布するが、浸漬法やスプレー法により塗布
した後に、エアナイフ法やロール絞り法により塗布量を
調整することも可能である。
【0014】本発明に用いる基体樹脂としてはエチレン
−アクリル酸共重合体樹脂、スチレン−アクリル酸共重
合体樹脂、ポリアクリル酸及びその共重合体樹脂、ポリ
アクリル酸エステル及びその共重合体樹脂、ポリメタク
リル酸及びその共重合体樹脂、ポリメタクリル酸エステ
ル及びその共重合体樹脂の中から選ばれた1種または2
種以上の樹脂の水系樹脂分散体を使用することができ
る。また、これら樹脂にそれぞれOH基を有する単量体
の割合が5〜40%、COOH基を有する単量体の割合
が2〜20%とし、(OH基を有する単量体の重量/C
OOH基を有する単量体の重量)=0.5〜16となる
ように重合させた水系樹脂分散体を使用することもでき
る。
−アクリル酸共重合体樹脂、スチレン−アクリル酸共重
合体樹脂、ポリアクリル酸及びその共重合体樹脂、ポリ
アクリル酸エステル及びその共重合体樹脂、ポリメタク
リル酸及びその共重合体樹脂、ポリメタクリル酸エステ
ル及びその共重合体樹脂の中から選ばれた1種または2
種以上の樹脂の水系樹脂分散体を使用することができ
る。また、これら樹脂にそれぞれOH基を有する単量体
の割合が5〜40%、COOH基を有する単量体の割合
が2〜20%とし、(OH基を有する単量体の重量/C
OOH基を有する単量体の重量)=0.5〜16となる
ように重合させた水系樹脂分散体を使用することもでき
る。
【0015】本発明では、上記の水分散型樹脂[A]に
硬化剤を必須成分として添加し、且つこの硬化剤として
特定の多官能ポリイソシアネート化合物[B]を添加
し、基体樹脂中の水酸基とポリイソシアネート中のイソ
シアネート基との間でウレタン化反応を生じさせる。
硬化剤を必須成分として添加し、且つこの硬化剤として
特定の多官能ポリイソシアネート化合物[B]を添加
し、基体樹脂中の水酸基とポリイソシアネート中のイソ
シアネート基との間でウレタン化反応を生じさせる。
【0016】本発明の樹脂皮膜に硬化剤として用いられ
るポリイソシアネート化合物は、耐もらい錆性向上の目
的から、1分子中に3個以上のイソシアネート基(これ
らのイソシアネート基はブロックしてあってもよい)を
有する多官能ポリイソシアネート化合物とする。すなわ
ち、1分子中に1個のイソシアネート基を有するモノイ
ソシアネート化合物或いは1分子中に2個のイソシアネ
ート基を有するジイソシアネート化合物では、樹脂皮膜
に十分な耐もらい錆性を付与することができない。これ
に対して本発明では、1分子中に3個以上のイソシアネ
ート基を有する多官能ポリイソシアネート化合物、より
好ましくは4個以上、さらに好ましくは6個以上のイソ
シアネート基を有する多官能ポリイソシアネート化合物
が、モノイソシアネート化合物やジイソシアネート化合
物よりも格段に優れた耐もらい錆性を付与できることを
見出したものである。
るポリイソシアネート化合物は、耐もらい錆性向上の目
的から、1分子中に3個以上のイソシアネート基(これ
らのイソシアネート基はブロックしてあってもよい)を
有する多官能ポリイソシアネート化合物とする。すなわ
ち、1分子中に1個のイソシアネート基を有するモノイ
ソシアネート化合物或いは1分子中に2個のイソシアネ
ート基を有するジイソシアネート化合物では、樹脂皮膜
に十分な耐もらい錆性を付与することができない。これ
に対して本発明では、1分子中に3個以上のイソシアネ
ート基を有する多官能ポリイソシアネート化合物、より
好ましくは4個以上、さらに好ましくは6個以上のイソ
シアネート基を有する多官能ポリイソシアネート化合物
が、モノイソシアネート化合物やジイソシアネート化合
物よりも格段に優れた耐もらい錆性を付与できることを
見出したものである。
【0017】また、1分子中に6個以上のイソシアネー
ト基を有する多官能ポリイソシアネート化合物(6官能
ポリイソシアネート化合物)の中でも、特にヘキサメチ
レンジイソシアネートの多官能体が耐もらい錆性に最も
有効である。なお、本発明で用いる多官能ポリイソシア
ネート化合物は、1分子中のイソシアネート基の数が異
なる同属化合物の混合物であってもよい。また、上記多
官能ポリイソシアネート化合物を2種類以上併用しても
よい。
ト基を有する多官能ポリイソシアネート化合物(6官能
ポリイソシアネート化合物)の中でも、特にヘキサメチ
レンジイソシアネートの多官能体が耐もらい錆性に最も
有効である。なお、本発明で用いる多官能ポリイソシア
ネート化合物は、1分子中のイソシアネート基の数が異
なる同属化合物の混合物であってもよい。また、上記多
官能ポリイソシアネート化合物を2種類以上併用しても
よい。
【0018】このような1分子中に3個以上のイソシア
ネート基を有する多官能ポリイソシアネート化合物とし
ては、1分子中に3個以上のイソシアネート基を有する
化合物、少なくとも2個のイソシアネート基を有するイ
ソシアネート化合物を多価アルコールと反応させた化合
物、若しくはそれらのビューレットタイプ付加物、イソ
シアヌル環タイプ付加物等の化合物がある。例えば、ト
リフェニルメタン−4,4′、4″−トリイソシアネー
ト、1,3,5−トリイソシアナトベンゼン、2,4,
6−トリイソシアナトトルエン、4,4′−ジメチルジ
フェニルメタン−2,2′、5,5′−テトライソシア
ネート等の3個以上のイソシアネート基を有するポリイ
ソシアネート化合物;エチレングリコール、プロピレン
グリコール、1,4−ブチレングリコール、ポリアルキ
レングリコール、トリメチロールプロパン、ヘキサント
リオール等のポリオールの水酸基に対してイソシアネー
ト基が過剰量になる量のポリイソシアネート化合物を反
応させてなる付加物;ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシア
ネート、キシリレンジイソシアネート、4,4′−ジフ
ェニルメタンジイソシアネート、4,4′−メチレンビ
ス(シクロヘキシルイソシアネート)等のビューレット
タイプ付加物またはイソシアヌル環タイプ付加物等があ
る。
ネート基を有する多官能ポリイソシアネート化合物とし
ては、1分子中に3個以上のイソシアネート基を有する
化合物、少なくとも2個のイソシアネート基を有するイ
ソシアネート化合物を多価アルコールと反応させた化合
物、若しくはそれらのビューレットタイプ付加物、イソ
シアヌル環タイプ付加物等の化合物がある。例えば、ト
リフェニルメタン−4,4′、4″−トリイソシアネー
ト、1,3,5−トリイソシアナトベンゼン、2,4,
6−トリイソシアナトトルエン、4,4′−ジメチルジ
フェニルメタン−2,2′、5,5′−テトライソシア
ネート等の3個以上のイソシアネート基を有するポリイ
ソシアネート化合物;エチレングリコール、プロピレン
グリコール、1,4−ブチレングリコール、ポリアルキ
レングリコール、トリメチロールプロパン、ヘキサント
リオール等のポリオールの水酸基に対してイソシアネー
ト基が過剰量になる量のポリイソシアネート化合物を反
応させてなる付加物;ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシア
ネート、キシリレンジイソシアネート、4,4′−ジフ
ェニルメタンジイソシアネート、4,4′−メチレンビ
ス(シクロヘキシルイソシアネート)等のビューレット
タイプ付加物またはイソシアヌル環タイプ付加物等があ
る。
【0019】上記ポリオールの水酸基に対してイソシア
ネート基が過剰量となる量のポリイソシアネート化合物
を反応させてなる付加物において、該ポリイソシアネー
ト化合物としては、上記3個以上のイソシアネート基を
有するポリイソシアネート化合物並びにヘキサメチレン
ジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシア
ネート、ダイマー酸ジイソシアネート、リジンジイソシ
アネート等の脂肪族ジイソシアネート化合物;イソホロ
ンジイソシアネート、4,4′−メチレンビス(シクロ
ヘキシルイソシアネート)、メチルシクロヘキサン−
2,4−(又は−2,6−)ジイソシアネート、1,3
−(又は1,4−)ジ(イソシアナトメチル)シクロヘ
キサン等の脂環族ジイソシアネート化合物;及びキシリ
レンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、m
−(又はp−)フェニレンジイソシアネート、ジフェニ
ルメタンジイソシアネート、ビス(4−イソシアナトフ
ェニル)スルホン等の芳香族ジイソシアネート化合物等
を挙げることができる。
ネート基が過剰量となる量のポリイソシアネート化合物
を反応させてなる付加物において、該ポリイソシアネー
ト化合物としては、上記3個以上のイソシアネート基を
有するポリイソシアネート化合物並びにヘキサメチレン
ジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシア
ネート、ダイマー酸ジイソシアネート、リジンジイソシ
アネート等の脂肪族ジイソシアネート化合物;イソホロ
ンジイソシアネート、4,4′−メチレンビス(シクロ
ヘキシルイソシアネート)、メチルシクロヘキサン−
2,4−(又は−2,6−)ジイソシアネート、1,3
−(又は1,4−)ジ(イソシアナトメチル)シクロヘ
キサン等の脂環族ジイソシアネート化合物;及びキシリ
レンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、m
−(又はp−)フェニレンジイソシアネート、ジフェニ
ルメタンジイソシアネート、ビス(4−イソシアナトフ
ェニル)スルホン等の芳香族ジイソシアネート化合物等
を挙げることができる。
【0020】皮膜形成用の樹脂組成物を安定に保存する
ためには、硬化剤のイソシアネートを保護する必要があ
る。この方法としては、加熱硬化時に保護基(ブロック
剤)が脱離し、イソシアネート基が再生する保護方法が
採用できる。この保護剤(ブロック剤)としては、例え
ば、 (1) メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノー
ル、オクチルアルコール等の脂肪族モノアルコール類 (2) エチレングリコールおよび/またはジエチレングリ
コールのモノエーテル類、例えばメチル、エチル、プロ
ピル(n−,iso)、ブチル(n−,iso,sec)等のモ
ノエーテル (3) フェノール、クレゾール等の芳香族アルコール (4) アセトオキシム、メチルエチルケトンオキシム等の
オキシム 等があり、これらの1種または2種以上と前記イソシア
ネート化合物とを反応させることにより、少なくとも常
温下で安定に保護されたイソシアネート化合物を得る。
ためには、硬化剤のイソシアネートを保護する必要があ
る。この方法としては、加熱硬化時に保護基(ブロック
剤)が脱離し、イソシアネート基が再生する保護方法が
採用できる。この保護剤(ブロック剤)としては、例え
ば、 (1) メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノー
ル、オクチルアルコール等の脂肪族モノアルコール類 (2) エチレングリコールおよび/またはジエチレングリ
コールのモノエーテル類、例えばメチル、エチル、プロ
ピル(n−,iso)、ブチル(n−,iso,sec)等のモ
ノエーテル (3) フェノール、クレゾール等の芳香族アルコール (4) アセトオキシム、メチルエチルケトンオキシム等の
オキシム 等があり、これらの1種または2種以上と前記イソシア
ネート化合物とを反応させることにより、少なくとも常
温下で安定に保護されたイソシアネート化合物を得る。
【0021】このような硬化剤としての多官能ポリイソ
シアネート化合物は、基体樹脂である水性分散型樹脂
[A]100重量部(固形分)に対して5〜80重量部
(固形分)、好ましくは10〜50重量部の割合で配合
する。硬化剤の配合量が5重量部未満では形成された皮
膜の架橋密度が不十分となり、耐もらい錆性の向上効果
が小さい。一方、80重量部を超えて配合すると、未反
応の残留イソシアネートが吸水し、耐もらい錆性に効果
がないばかりでなく、逆に耐食性(耐穴あき性)や密着
性を損なう。
シアネート化合物は、基体樹脂である水性分散型樹脂
[A]100重量部(固形分)に対して5〜80重量部
(固形分)、好ましくは10〜50重量部の割合で配合
する。硬化剤の配合量が5重量部未満では形成された皮
膜の架橋密度が不十分となり、耐もらい錆性の向上効果
が小さい。一方、80重量部を超えて配合すると、未反
応の残留イソシアネートが吸水し、耐もらい錆性に効果
がないばかりでなく、逆に耐食性(耐穴あき性)や密着
性を損なう。
【0022】さらに、架橋剤として、フェノール樹脂、
メラミン、尿素およびベンゾグアナミンの中から選ばれ
た1種以上にホルムアルデヒドを反応させてなるメチロ
ール化合物の一部若しくは全部に炭素数1〜5の1価ア
ルコールを反応させてなるアルキルエーテル化アミノ樹
脂を、上記多官能ポリイソシアネート化合物と併用して
もよい。
メラミン、尿素およびベンゾグアナミンの中から選ばれ
た1種以上にホルムアルデヒドを反応させてなるメチロ
ール化合物の一部若しくは全部に炭素数1〜5の1価ア
ルコールを反応させてなるアルキルエーテル化アミノ樹
脂を、上記多官能ポリイソシアネート化合物と併用して
もよい。
【0023】なお、樹脂は以上のような架橋剤で十分に
架橋するが、さらに低温架橋性を増大させるため、公知
の硬化促進触媒を使用することが望ましい。この硬化促
進触媒としては、例えば、N−エチルモルホリン、ジブ
チル錫ジラウレート、ナフテン酸コバルト、塩化第一ス
ズ、ナフテン酸亜鉛、硝酸ビスマス等を用いることがで
きる。また、付着性など若干の物性向上を狙いとして、
上記樹脂組成物に公知のアクリル、アルキッド、ポリエ
ステル等の樹脂を添加することもできる。また、付着性
など若干の物性向上を狙いとして、上記樹脂組成物に公
知のアクリル、アルキッド、ポリエステル等の樹脂を併
用することもできる。
架橋するが、さらに低温架橋性を増大させるため、公知
の硬化促進触媒を使用することが望ましい。この硬化促
進触媒としては、例えば、N−エチルモルホリン、ジブ
チル錫ジラウレート、ナフテン酸コバルト、塩化第一ス
ズ、ナフテン酸亜鉛、硝酸ビスマス等を用いることがで
きる。また、付着性など若干の物性向上を狙いとして、
上記樹脂組成物に公知のアクリル、アルキッド、ポリエ
ステル等の樹脂を添加することもできる。また、付着性
など若干の物性向上を狙いとして、上記樹脂組成物に公
知のアクリル、アルキッド、ポリエステル等の樹脂を併
用することもできる。
【0024】本発明では樹脂皮膜中に防錆添加剤[C]
を添加するが、この防錆添加剤[C]としては、2mμ
〜12mμ程度の粒径を有するCr2O3,Fe2O3,F
e3O4,MgO,ZrO2,SnO2,Al2O3の各水分
散型ゾル、シリカ、難溶性クロム酸塩の1種または2種
以上を単独または複合して用いることができる。Cr2
O3,Fe2O3,Fe3O4,MgO,ZrO2,Sn
O2,Al2O3,SiO2の水分散ゾルは水系塗料組成物
中で安定に分散し、皮膜中で均一に分散して耐食性を向
上させる。シリカとしては、シリカゾルやそれ以外のフ
ュームドシリカ等を使用することができる。これらのシ
リカは、亜鉛系めっき鋼板の腐食生成物のうち腐食の抑
制に有効な塩基性塩化亜鉛の生成を促進させる効果を有
するほか、腐食環境中に微量に溶解することにより、ケ
イ酸イオンが皮膜形成型腐食抑制剤として機能すること
により、防食効果が発揮されるものと推定される。
を添加するが、この防錆添加剤[C]としては、2mμ
〜12mμ程度の粒径を有するCr2O3,Fe2O3,F
e3O4,MgO,ZrO2,SnO2,Al2O3の各水分
散型ゾル、シリカ、難溶性クロム酸塩の1種または2種
以上を単独または複合して用いることができる。Cr2
O3,Fe2O3,Fe3O4,MgO,ZrO2,Sn
O2,Al2O3,SiO2の水分散ゾルは水系塗料組成物
中で安定に分散し、皮膜中で均一に分散して耐食性を向
上させる。シリカとしては、シリカゾルやそれ以外のフ
ュームドシリカ等を使用することができる。これらのシ
リカは、亜鉛系めっき鋼板の腐食生成物のうち腐食の抑
制に有効な塩基性塩化亜鉛の生成を促進させる効果を有
するほか、腐食環境中に微量に溶解することにより、ケ
イ酸イオンが皮膜形成型腐食抑制剤として機能すること
により、防食効果が発揮されるものと推定される。
【0025】使用できるシリカの具体例としては、乾式
シリカ(例えば、日本アエロジル(株)製のAEROS
IL 130、AEROSIL 200、AEROSIL
300、AEROSIL 380、沈降法湿式シリカ
(例えば、徳山曹達(株)製T−32(S)、K−4
1,F−80等)、ゲル法湿式シリカ(例えば、富士デ
ヴィソン化学(株)製サイロイド244、サイロイド1
50、サイロイド72、サイロイド65、SHIELD
EX等)等を挙げることができる。また、上記のシリカ
を2種以上を混合して使用することができる。
シリカ(例えば、日本アエロジル(株)製のAEROS
IL 130、AEROSIL 200、AEROSIL
300、AEROSIL 380、沈降法湿式シリカ
(例えば、徳山曹達(株)製T−32(S)、K−4
1,F−80等)、ゲル法湿式シリカ(例えば、富士デ
ヴィソン化学(株)製サイロイド244、サイロイド1
50、サイロイド72、サイロイド65、SHIELD
EX等)等を挙げることができる。また、上記のシリカ
を2種以上を混合して使用することができる。
【0026】また、有機皮膜中に添加された難溶性クロ
ム酸塩は、腐食環境中で微量に溶解することにより、6
価のクロム酸イオンを放出し、クロメート皮膜と同様の
機構で亜鉛系めっき鋼板の腐食を抑制するものと考えら
れる。本発明で使用する難溶性クロム酸塩としては、ク
ロム酸バリウム(BaCrO4)、クロム酸ストロンチ
ウム(SrCrO4)、クロム酸カルシウム(CaCr
O4)、クロム酸亜鉛(ZnCrO4・4Zn(O
H)2)、クロム酸亜鉛カリウム(K2O・4ZnO・4
CrO3・3H2O)、クロム酸鉛(PbCrO4)等の
微粉末を使用することができる。また、上記の難溶性ク
ロム酸塩を2種以上混合して使用することも可能であ
る。但し、耐食性の観点からは、長期にわたってクロム
酸イオンによる自己修復効果の期待できるクロム酸バリ
ウム、クロム酸ストロンチウムを使用することが好まし
い。また、自動車の塗装前処理工程において、有機皮膜
中からの水可溶性クロムの溶出をできるだけ少なくする
という観点からは、水に対する溶解度の小さいクロム酸
バリウムが好ましい。
ム酸塩は、腐食環境中で微量に溶解することにより、6
価のクロム酸イオンを放出し、クロメート皮膜と同様の
機構で亜鉛系めっき鋼板の腐食を抑制するものと考えら
れる。本発明で使用する難溶性クロム酸塩としては、ク
ロム酸バリウム(BaCrO4)、クロム酸ストロンチ
ウム(SrCrO4)、クロム酸カルシウム(CaCr
O4)、クロム酸亜鉛(ZnCrO4・4Zn(O
H)2)、クロム酸亜鉛カリウム(K2O・4ZnO・4
CrO3・3H2O)、クロム酸鉛(PbCrO4)等の
微粉末を使用することができる。また、上記の難溶性ク
ロム酸塩を2種以上混合して使用することも可能であ
る。但し、耐食性の観点からは、長期にわたってクロム
酸イオンによる自己修復効果の期待できるクロム酸バリ
ウム、クロム酸ストロンチウムを使用することが好まし
い。また、自動車の塗装前処理工程において、有機皮膜
中からの水可溶性クロムの溶出をできるだけ少なくする
という観点からは、水に対する溶解度の小さいクロム酸
バリウムが好ましい。
【0027】本発明では、上述した特定の基体樹脂と多
官能ポリイソシアネート化合物からなる樹脂組成物中
に、シリカおよび難溶性クロム酸塩を特定の比率で配合
することにより、双方の防食効果の相乗効果によって、
最も優れた耐もらい錆性を実現できる。すなわち、シリ
カおよび難溶性クロム酸塩が不揮発分の重量比で、 (水性分散型樹脂[A]+多官能ポリイソシアネート
化合物[B])/(シリカ+難溶性クロム酸塩=90/
10〜40/60 シリカ/難溶性クロム酸塩=35/5〜1/39 の割合で配合された場合に、最も優れた耐食性を得るこ
とが可能となる。ここで、(水性分散型樹脂[A]+多
官能ポリイソシアネート化合物[B])/(シリカ+難
溶性クロム酸塩)が90/10を超えると、シリカおよ
び難溶性クロム酸塩による防食効果が十分に発揮されな
いため耐もらい錆性が劣る。一方、40/60未満であ
ると、水性分散型樹脂のバインダーとしての効果が不十
分となり、塗料密着性が劣化する。また、シリカ/難溶
性クロム酸塩が35/5を超えても、また、1/39未
満でも相乗効果が不十分となり、耐もらい錆性がやや劣
化する。
官能ポリイソシアネート化合物からなる樹脂組成物中
に、シリカおよび難溶性クロム酸塩を特定の比率で配合
することにより、双方の防食効果の相乗効果によって、
最も優れた耐もらい錆性を実現できる。すなわち、シリ
カおよび難溶性クロム酸塩が不揮発分の重量比で、 (水性分散型樹脂[A]+多官能ポリイソシアネート
化合物[B])/(シリカ+難溶性クロム酸塩=90/
10〜40/60 シリカ/難溶性クロム酸塩=35/5〜1/39 の割合で配合された場合に、最も優れた耐食性を得るこ
とが可能となる。ここで、(水性分散型樹脂[A]+多
官能ポリイソシアネート化合物[B])/(シリカ+難
溶性クロム酸塩)が90/10を超えると、シリカおよ
び難溶性クロム酸塩による防食効果が十分に発揮されな
いため耐もらい錆性が劣る。一方、40/60未満であ
ると、水性分散型樹脂のバインダーとしての効果が不十
分となり、塗料密着性が劣化する。また、シリカ/難溶
性クロム酸塩が35/5を超えても、また、1/39未
満でも相乗効果が不十分となり、耐もらい錆性がやや劣
化する。
【0028】以上のように、シリカは安定な腐食生成物
の生成を促進する効果によってもらい錆による腐食を抑
制し、一方、難溶性クロム酸塩はもらい錆によって形成
された有機皮膜の欠陥部を6価のクロム酸イオンの効果
によって補修する作用をするものであり、このようなも
らい錆による腐食の抑制機構が異なるシリカと難溶性ク
ロム酸塩とを併用することによって、はじめて優れた耐
もらい錆性を達成できたものである。
の生成を促進する効果によってもらい錆による腐食を抑
制し、一方、難溶性クロム酸塩はもらい錆によって形成
された有機皮膜の欠陥部を6価のクロム酸イオンの効果
によって補修する作用をするものであり、このようなも
らい錆による腐食の抑制機構が異なるシリカと難溶性ク
ロム酸塩とを併用することによって、はじめて優れた耐
もらい錆性を達成できたものである。
【0029】図1に、上述した特定の基体樹脂とイソホ
ロンジイソシアネート系の6官能ポリイソシアネート化
合物とからなる有機樹脂(表2のNo.2)に、シリカ
と難溶性クロム酸塩をその比率を変えて添加した場合
の、通常の未塗装耐食性(耐穴あき性試験200サイク
ル後の評価)および耐もらい錆性(耐もらい錆性試験7
サイクル後の評価)とシリカ/難溶性クロム酸塩の重量
比との関係について示す。これによれば、シリカ/難溶
性クロム酸塩の重量比が35/5を超えると耐もらい錆
性が劣化し、一方、1/39未満では通常の未塗装耐食
性(耐穴あき性)が劣化する。したがって、シリカ/難
溶性クロム酸塩の配合比は35/5〜1/39が好し
く、また、特に耐もらい錆性を重視する場合には20/
20〜1/39の範囲とすることが、さらに最も優れた
耐食性(耐もらい錆性及び耐穴あき性)を得るためには
20/20〜5/35の範囲とすることが好ましいこと
が判る。また、図2には、比較のために硬化剤として従
来のジイソシアネート化合物(HMDI)を用いた場合
の耐もらい錆性とシリカ/難溶性クロム酸塩の重量比と
の関係を示す。図1、図2から、本発明は多官能ポリイ
ソシアネート化合物と特定比率のシリカおよび難溶性ク
ロム酸塩の配合による相乗効果によってはじめて達成で
きたものであることが判る。
ロンジイソシアネート系の6官能ポリイソシアネート化
合物とからなる有機樹脂(表2のNo.2)に、シリカ
と難溶性クロム酸塩をその比率を変えて添加した場合
の、通常の未塗装耐食性(耐穴あき性試験200サイク
ル後の評価)および耐もらい錆性(耐もらい錆性試験7
サイクル後の評価)とシリカ/難溶性クロム酸塩の重量
比との関係について示す。これによれば、シリカ/難溶
性クロム酸塩の重量比が35/5を超えると耐もらい錆
性が劣化し、一方、1/39未満では通常の未塗装耐食
性(耐穴あき性)が劣化する。したがって、シリカ/難
溶性クロム酸塩の配合比は35/5〜1/39が好し
く、また、特に耐もらい錆性を重視する場合には20/
20〜1/39の範囲とすることが、さらに最も優れた
耐食性(耐もらい錆性及び耐穴あき性)を得るためには
20/20〜5/35の範囲とすることが好ましいこと
が判る。また、図2には、比較のために硬化剤として従
来のジイソシアネート化合物(HMDI)を用いた場合
の耐もらい錆性とシリカ/難溶性クロム酸塩の重量比と
の関係を示す。図1、図2から、本発明は多官能ポリイ
ソシアネート化合物と特定比率のシリカおよび難溶性ク
ロム酸塩の配合による相乗効果によってはじめて達成で
きたものであることが判る。
【0030】さらに、図4に、硬化剤としてヘキサメチ
レンジイソシアネート系の6官能ポリイソシアネート化
合物を用いた場合の、未塗装耐食性(耐穴あき性試験2
00サイクル後の評価)および耐もらい錆性(耐もらい
錆性試験15サイクル後の評価)とシリカ/難溶性クロ
ム酸塩の重量比との関係について示す。これによれば、
イソホロンジイソシアネート系の6官能ポリイソシアネ
ート化合物を用いた場合と同様、シリカ/難溶性クロム
酸塩の配合比は35/5〜1/39が好しく、また、特
に耐もらい錆性を重視する場合には20/20〜1/3
9の範囲とすることが、さらに最も優れた耐食性(耐も
らい錆性及び耐穴あき性)を得るためには20/20〜
5/35の範囲とすることが好ましいことが判る。
レンジイソシアネート系の6官能ポリイソシアネート化
合物を用いた場合の、未塗装耐食性(耐穴あき性試験2
00サイクル後の評価)および耐もらい錆性(耐もらい
錆性試験15サイクル後の評価)とシリカ/難溶性クロ
ム酸塩の重量比との関係について示す。これによれば、
イソホロンジイソシアネート系の6官能ポリイソシアネ
ート化合物を用いた場合と同様、シリカ/難溶性クロム
酸塩の配合比は35/5〜1/39が好しく、また、特
に耐もらい錆性を重視する場合には20/20〜1/3
9の範囲とすることが、さらに最も優れた耐食性(耐も
らい錆性及び耐穴あき性)を得るためには20/20〜
5/35の範囲とすることが好ましいことが判る。
【0031】さらに、後述する実施例(例えば、No.
74とNo.77の比較)の記載から明らかなように、
ヘキサメチレンジイソシアネート系の6官能ポリイソシ
アネート化合物とイソホロンジイソシアネート系の6官
能ポリイソシアネート化合物とを較べた場合、シリカ/
難溶性クロム酸塩の配合比を同一とした場合には、ヘキ
サメチレンジイソシアネート系の6官能ポリイソシアネ
ート化合物を用いた方がより優れた耐もらい錆性が得ら
れる。
74とNo.77の比較)の記載から明らかなように、
ヘキサメチレンジイソシアネート系の6官能ポリイソシ
アネート化合物とイソホロンジイソシアネート系の6官
能ポリイソシアネート化合物とを較べた場合、シリカ/
難溶性クロム酸塩の配合比を同一とした場合には、ヘキ
サメチレンジイソシアネート系の6官能ポリイソシアネ
ート化合物を用いた方がより優れた耐もらい錆性が得ら
れる。
【0032】なお、本発明では、上記のシリカおよび難
溶性クロム酸塩が樹脂組成物中への主な添加剤成分とな
るが、その他にもシランカップリング剤、着色顔料(例
えば、縮合多環系有機顔料、フタロシアニン系有機顔料
等)、着色染料(例えば、アゾ系染料、アゾ系金属錯塩
染料等)、防錆顔料(例えば、トリポリりん酸二水素ア
ルミニウム、りんモリブデン酸アルミニウム、りん酸亜
鉛等)、導電顔料(例えば、りん化鉄、アンチモンドー
プ型酸化錫等)、界面活性剤等から1種以上をさらに配
合することも可能である。また、特に潤滑剤として以下
の中から1種以上を添加することにより、加工性を向上
させることができる。 ポリオレフィンワックス(ポリエチレンワックス、ポ
リプロピレンワックス等) フッ素樹脂(四フッ化エチレン樹脂、四フッ化エチレ
ン−六フッ化プロピレン共重合樹脂、フッ化エチレン−
パーフロロアルキルビニルエーテル共重合樹脂、四フッ
化エチレン−エチレン共重合樹脂、三フッ化塩化エチレ
ン樹脂、フッ化ビニレデン樹脂等) グラファイト 二硫化モリブデン 窒化ホウ素 また上記のうちフッ素樹脂とポリエチレンワックスとを
併用してもよい。
溶性クロム酸塩が樹脂組成物中への主な添加剤成分とな
るが、その他にもシランカップリング剤、着色顔料(例
えば、縮合多環系有機顔料、フタロシアニン系有機顔料
等)、着色染料(例えば、アゾ系染料、アゾ系金属錯塩
染料等)、防錆顔料(例えば、トリポリりん酸二水素ア
ルミニウム、りんモリブデン酸アルミニウム、りん酸亜
鉛等)、導電顔料(例えば、りん化鉄、アンチモンドー
プ型酸化錫等)、界面活性剤等から1種以上をさらに配
合することも可能である。また、特に潤滑剤として以下
の中から1種以上を添加することにより、加工性を向上
させることができる。 ポリオレフィンワックス(ポリエチレンワックス、ポ
リプロピレンワックス等) フッ素樹脂(四フッ化エチレン樹脂、四フッ化エチレ
ン−六フッ化プロピレン共重合樹脂、フッ化エチレン−
パーフロロアルキルビニルエーテル共重合樹脂、四フッ
化エチレン−エチレン共重合樹脂、三フッ化塩化エチレ
ン樹脂、フッ化ビニレデン樹脂等) グラファイト 二硫化モリブデン 窒化ホウ素 また上記のうちフッ素樹脂とポリエチレンワックスとを
併用してもよい。
【0033】上述したような有機皮膜はクロメート皮膜
上に0.2〜3.0μm、好ましくは0.5〜2.0μ
mの膜厚で形成させる。膜厚が0.2μm未満である
と、十分な耐もらい錆性が得られず、一方、3.0μm
を超えると溶接性(特に連続打点性)が低下する。図3
に、有機被膜の膜厚とスポット溶接性(連続打点性)と
の関係を調べた結果を示す。これによれば、膜厚が3.
0μmを超えるとスポット溶接性が低下することが判
る。
上に0.2〜3.0μm、好ましくは0.5〜2.0μ
mの膜厚で形成させる。膜厚が0.2μm未満である
と、十分な耐もらい錆性が得られず、一方、3.0μm
を超えると溶接性(特に連続打点性)が低下する。図3
に、有機被膜の膜厚とスポット溶接性(連続打点性)と
の関係を調べた結果を示す。これによれば、膜厚が3.
0μmを超えるとスポット溶接性が低下することが判
る。
【0034】上記の塗料組成物を亜鉛系めっき鋼板に塗
布する方法としては、通常、ロールコーター法により塗
料組成物を塗布するが、浸漬法やスプレー法により塗布
した後に、エアナイフ法やロール絞り法により塗布量を
調整することも可能である。また、塗料組成物を塗布し
た後の加熱処理方法としては、熱風炉、高周波誘導加熱
炉、赤外線炉等を用いることができる。加熱処理は、到
達板温で80〜250℃、好ましくは100〜200℃
の範囲で行うことが望ましい。さらに本発明をBH鋼板
に適用する場合には、150℃以下の加熱処理が望まし
い。本発明鋼板はこのような低温焼付により得られると
いう大きな特徴がある。
布する方法としては、通常、ロールコーター法により塗
料組成物を塗布するが、浸漬法やスプレー法により塗布
した後に、エアナイフ法やロール絞り法により塗布量を
調整することも可能である。また、塗料組成物を塗布し
た後の加熱処理方法としては、熱風炉、高周波誘導加熱
炉、赤外線炉等を用いることができる。加熱処理は、到
達板温で80〜250℃、好ましくは100〜200℃
の範囲で行うことが望ましい。さらに本発明をBH鋼板
に適用する場合には、150℃以下の加熱処理が望まし
い。本発明鋼板はこのような低温焼付により得られると
いう大きな特徴がある。
【0035】この焼付温度が80℃未満では皮膜の架橋
が進まず、十分な耐食性を得ることができず、一方、2
50℃を超える高温焼付になると、耐食性が劣化してく
る。これは250℃を超える高温焼付では、クロメート
皮膜成分中に含有される水分の揮散と、水酸基(
が進まず、十分な耐食性を得ることができず、一方、2
50℃を超える高温焼付になると、耐食性が劣化してく
る。これは250℃を超える高温焼付では、クロメート
皮膜成分中に含有される水分の揮散と、水酸基(
【化1】 )どうしの脱水縮合反応の急速な進行とにより、クロメ
ート皮膜のクラック発生によるクロメート皮膜の破壊が
進行し、また、6価クロムの還元が進んで6価クロムの
不働態化作用が低減すること等によるものと推定され
る。なお、自動車車体にはカチオン電着塗装が施される
が、クロメート皮膜+有機皮膜の湿潤電気抵抗が200
kΩ/cm2を超えるとカチオン電着塗装がうまく形成
されないという問題があり、このため自動車車体を主た
る用途とする本発明鋼板では、クロメート皮膜+樹脂組
成物皮膜の湿潤抵抗を200kΩ/cm2以下に抑える
よう両皮膜を形成させることが好ましい。
ート皮膜のクラック発生によるクロメート皮膜の破壊が
進行し、また、6価クロムの還元が進んで6価クロムの
不働態化作用が低減すること等によるものと推定され
る。なお、自動車車体にはカチオン電着塗装が施される
が、クロメート皮膜+有機皮膜の湿潤電気抵抗が200
kΩ/cm2を超えるとカチオン電着塗装がうまく形成
されないという問題があり、このため自動車車体を主た
る用途とする本発明鋼板では、クロメート皮膜+樹脂組
成物皮膜の湿潤抵抗を200kΩ/cm2以下に抑える
よう両皮膜を形成させることが好ましい。
【0036】本発明は、以上述べたような皮膜構造を両
面または片面に有する鋼板を含むものである。本発明鋼
板の態様としては、例えば以下のようなものがある。 (1)片面…メッキ皮膜−クロメート皮膜−有機皮膜 片面…Fe面 (2)片面…メッキ皮膜−クロメート皮膜−有機皮膜 片面…メッキ皮膜 (3)両面…メッキ皮膜−クロメート皮膜−有機皮膜 なお、本発明の有機複合被覆鋼板は自動車用に限らず、
家電、建材等の用途にも用いることができる。
面または片面に有する鋼板を含むものである。本発明鋼
板の態様としては、例えば以下のようなものがある。 (1)片面…メッキ皮膜−クロメート皮膜−有機皮膜 片面…Fe面 (2)片面…メッキ皮膜−クロメート皮膜−有機皮膜 片面…メッキ皮膜 (3)両面…メッキ皮膜−クロメート皮膜−有機皮膜 なお、本発明の有機複合被覆鋼板は自動車用に限らず、
家電、建材等の用途にも用いることができる。
【0037】
【実施例】自動車車体用の有機複合被覆鋼板として、亜
鉛系めっき鋼板をアルカリ脱脂後、水洗・乾燥し、クロ
メート処理を施し、次いで、塗料組成物をロールコータ
ーにより塗布し、焼き付けた。得られた有機複合被服鋼
板について、耐穴あき性、耐もらい錆性、塗料密着性お
よび溶接性の各試験を行った。その結果を表5〜表16
に示す。なお、本実施例の製造条件は、以下の通りであ
る。 (1)亜鉛系めっき鋼板 厚さ0.8mm、表面粗さ(Ra)1.0μmの冷延鋼
板に各種亜鉛系めっきを施し、処理原板として用いた。
(表1参照)
鉛系めっき鋼板をアルカリ脱脂後、水洗・乾燥し、クロ
メート処理を施し、次いで、塗料組成物をロールコータ
ーにより塗布し、焼き付けた。得られた有機複合被服鋼
板について、耐穴あき性、耐もらい錆性、塗料密着性お
よび溶接性の各試験を行った。その結果を表5〜表16
に示す。なお、本実施例の製造条件は、以下の通りであ
る。 (1)亜鉛系めっき鋼板 厚さ0.8mm、表面粗さ(Ra)1.0μmの冷延鋼
板に各種亜鉛系めっきを施し、処理原板として用いた。
(表1参照)
【0038】(2)クロメート処理 塗布型クロメート処理 下記に示す液組成のクロメート処理液をロールコーター
により塗布し、水洗することなく乾燥させた。クロメー
ト層の付着量は、ロールコーターのピックアップロール
とアプリケーターロールの周速比を変化させ調整した。 無水クロム酸:20g/l りん酸イオン:4g/l ジルコニウムフッ化物イオン:1g/l 亜鉛イオン:1g/l 6価クロム/3価クロム:3/3(重量比) 無水クロム酸/ジルコニウムフッ化物イオン:20/1
(重量比)
により塗布し、水洗することなく乾燥させた。クロメー
ト層の付着量は、ロールコーターのピックアップロール
とアプリケーターロールの周速比を変化させ調整した。 無水クロム酸:20g/l りん酸イオン:4g/l ジルコニウムフッ化物イオン:1g/l 亜鉛イオン:1g/l 6価クロム/3価クロム:3/3(重量比) 無水クロム酸/ジルコニウムフッ化物イオン:20/1
(重量比)
【0039】 電解クロメート処理 無水クロム酸30g/l、硫酸0.2g/l、浴温40
℃の処理液を用いて、電流密度10A/dmで、亜鉛系
めっき鋼板に陰極電解処理を行い、水洗・乾燥した。ク
ロメート層の付着量は、陰極電解処理の通電量を制御す
ることにより調整した。 反応型クロメート処理 無水クロム酸30g/l、りん酸10g/l、NaF
0.5g/l、K2TiF64g/l、浴温60℃の処理
液を用いて、亜鉛系めっき鋼板にスプレー処理し、水洗
・乾燥した。クロメート層の付着量は、処理時間を変化
させ調整した。
℃の処理液を用いて、電流密度10A/dmで、亜鉛系
めっき鋼板に陰極電解処理を行い、水洗・乾燥した。ク
ロメート層の付着量は、陰極電解処理の通電量を制御す
ることにより調整した。 反応型クロメート処理 無水クロム酸30g/l、りん酸10g/l、NaF
0.5g/l、K2TiF64g/l、浴温60℃の処理
液を用いて、亜鉛系めっき鋼板にスプレー処理し、水洗
・乾燥した。クロメート層の付着量は、処理時間を変化
させ調整した。
【0040】(3)有機樹脂 表2に、使用した有機樹脂を示す。なお、同表に示す基
体樹脂(水性分散型樹脂)および硬化剤(ポリイソシア
ネート)の種類及び合成例を以下に示す。 〔基体樹脂〕 A1:エチレン−アクリル酸共重合体樹脂 A2:スチレン−アクリル酸共樹合体樹脂 A3:ポリアクリル酸樹脂 A4:ポリアクリル酸エステル樹脂 A5:OH基を有する単量体が15%、COOH基を有
する単量体が5%で、且つ(OH基を有する単量体の重
量/COOH基を有する単量体の重量)=3となるよう
に共重合したエチレン−アクリル酸共重合体樹脂
体樹脂(水性分散型樹脂)および硬化剤(ポリイソシア
ネート)の種類及び合成例を以下に示す。 〔基体樹脂〕 A1:エチレン−アクリル酸共重合体樹脂 A2:スチレン−アクリル酸共樹合体樹脂 A3:ポリアクリル酸樹脂 A4:ポリアクリル酸エステル樹脂 A5:OH基を有する単量体が15%、COOH基を有
する単量体が5%で、且つ(OH基を有する単量体の重
量/COOH基を有する単量体の重量)=3となるよう
に共重合したエチレン−アクリル酸共重合体樹脂
【0041】〔硬化剤〕 (1)6官能イソシアネート(硬化剤B1) 温度計、撹拌器および滴下ロート付還流冷却器を付属し
てある反応装置にイソホロンジイソシアネート222部
とメチルイソブチルケトン34部を秤取し、均一に溶解
した後、メチルエチルケトンオキシム87部を前記滴下
ロートから、70℃に保持した撹拌状態のイソシアネー
ト溶液中に2時間要して滴下した。その後、ソルビトー
ル30.4部を加えて120℃に昇温し、120℃で反
応させた。その後、この反応物のIR測定をし、
てある反応装置にイソホロンジイソシアネート222部
とメチルイソブチルケトン34部を秤取し、均一に溶解
した後、メチルエチルケトンオキシム87部を前記滴下
ロートから、70℃に保持した撹拌状態のイソシアネー
ト溶液中に2時間要して滴下した。その後、ソルビトー
ル30.4部を加えて120℃に昇温し、120℃で反
応させた。その後、この反応物のIR測定をし、
【数1】 のイソシアネート基による吸収がないことを確認し、ブ
チルセロソルブ50.4部を加え、硬化剤B1を得た。こ
の硬化剤B1の有効成分は80%であった。
チルセロソルブ50.4部を加え、硬化剤B1を得た。こ
の硬化剤B1の有効成分は80%であった。
【0042】(2)4官能イソシアネート(硬化剤B2) 温度計、撹拌器および滴下ロート付還流冷却器を付属し
てある反応装置にイソホロンジイソシアネート222部
とメチルイソブチルケトン34部を秤取し、均一に溶解
した後、メチルエチルケトンオキシム87部を前記滴下
ロートから、70℃に保持した撹拌状態のイソシアネー
ト溶液中に2時間要して滴下した。その後、ペンタエリ
スリトール34部を加えて120℃に昇温し、120℃
で反応させた。その後、この反応物のIR測定をし、
てある反応装置にイソホロンジイソシアネート222部
とメチルイソブチルケトン34部を秤取し、均一に溶解
した後、メチルエチルケトンオキシム87部を前記滴下
ロートから、70℃に保持した撹拌状態のイソシアネー
ト溶液中に2時間要して滴下した。その後、ペンタエリ
スリトール34部を加えて120℃に昇温し、120℃
で反応させた。その後、この反応物のIR測定をし、
【数2】 のイソシアネート基による吸収がないことを確認し、ブ
チルセロソルブ52部を加え、硬化剤B2を得た。この硬
化剤B2の有効成分は80%であった。
チルセロソルブ52部を加え、硬化剤B2を得た。この硬
化剤B2の有効成分は80%であった。
【0043】(3)3官能イソシアネート(硬化剤B3) 温度計、撹拌器および滴下ロート付還流冷却器を付属し
てある反応装置にデュラネートTPA−100(HMD
Iのイソシアヌル環タイプ;旭化成(株)製)550部
とメチルイソブチルケトン34部を秤取し、均一に溶解
した後、メチルエチルケトンオキシム270部を前記滴
下ロートから、70℃に保持した撹拌状態のイソシアネ
ート溶液中に2時間を要して滴下した。その後、この反
応物のIR測定をし、
てある反応装置にデュラネートTPA−100(HMD
Iのイソシアヌル環タイプ;旭化成(株)製)550部
とメチルイソブチルケトン34部を秤取し、均一に溶解
した後、メチルエチルケトンオキシム270部を前記滴
下ロートから、70℃に保持した撹拌状態のイソシアネ
ート溶液中に2時間を要して滴下した。その後、この反
応物のIR測定をし、
【数3】 のイソシアネート基による吸収がないことを確認し、ブ
チルセロソルブ47部を加え、硬化剤B3を得た。この硬
化剤B3の有効成分は90%であった。
チルセロソルブ47部を加え、硬化剤B3を得た。この硬
化剤B3の有効成分は90%であった。
【0044】(4)2官能イソシアネート(硬化剤B4) タケネートB−870N(IPDIのMEKオキシムブ
ロック体;武田薬品工業(株)製)を硬化剤B4として用
いた。 (5)ヘキサメチレンジイソシアネート系6官能イソシ
アネート(硬化剤B5) ヘキサメチレンジイソシアネート系の6官能イソシアネ
ート化合物であるデュラネートMF−B80M(HMD
I系の6官能イソシアネートのオキシムブロック体:旭
化成工業(株)製)を硬化剤B5として用いた。
ロック体;武田薬品工業(株)製)を硬化剤B4として用
いた。 (5)ヘキサメチレンジイソシアネート系6官能イソシ
アネート(硬化剤B5) ヘキサメチレンジイソシアネート系の6官能イソシアネ
ート化合物であるデュラネートMF−B80M(HMD
I系の6官能イソシアネートのオキシムブロック体:旭
化成工業(株)製)を硬化剤B5として用いた。
【0045】なお、各特性の評価方法は以下の通りであ
る。 (a)耐食性試験(耐穴あき性) 無塗装の試験片のエッジ部と裏面をテープシールした
後、試験片の下半面にクロスカットを入れ、下記の複合
腐食試験サイクルの腐食促進試験を施し、200サイク
ル後の腐食の進行程度で評価した。 5%NaCl噴霧・35℃(4時間) ↓ 乾燥・60℃(2時間) ↓ 95%RH湿潤・50℃(4時間) なお、評価基準は以下の通りである。 ◎ :赤錆発生なし ○+:赤錆面積率5%未満 ○ :赤錆面積率5%以上、10%未満 ○−:赤錆面積率10%以上、20%未満 △ :赤錆面積率20%以上、50%未満 × :赤錆面積率50%以上
る。 (a)耐食性試験(耐穴あき性) 無塗装の試験片のエッジ部と裏面をテープシールした
後、試験片の下半面にクロスカットを入れ、下記の複合
腐食試験サイクルの腐食促進試験を施し、200サイク
ル後の腐食の進行程度で評価した。 5%NaCl噴霧・35℃(4時間) ↓ 乾燥・60℃(2時間) ↓ 95%RH湿潤・50℃(4時間) なお、評価基準は以下の通りである。 ◎ :赤錆発生なし ○+:赤錆面積率5%未満 ○ :赤錆面積率5%以上、10%未満 ○−:赤錆面積率10%以上、20%未満 △ :赤錆面積率20%以上、50%未満 × :赤錆面積率50%以上
【0046】(b)耐もらい錆性 無塗装の試験片のエッジ部と裏面をテープシールした
後、下記の鉄錆共存下の複合腐食試験サイクルによる促
進腐食試験を行い、実施例No.1〜73については7
サイクル後の錆発生程度を、また、実施例No.74〜
132については15サイクル後の錆発生程度を、それ
ぞれ評価した。 鉄錆共存下(*注)5%NaCl浸漬・50℃(18時間) ↓ 95%RH湿潤・50℃(3時間) ↓ 乾燥・60℃(3時間) (*注)鉄錆の供給方法:塩水1l当り10cm2の面
積の冷延鋼板を浸漬した。 なお、評価基準は以下の通りである。 ◎ :赤錆発生なし ○ :赤錆面積率10%未満 ○−:赤錆面積率10%以上、20%未満 △ :赤錆面積率20%以上、50%未満 × :赤錆面積率50%以上
後、下記の鉄錆共存下の複合腐食試験サイクルによる促
進腐食試験を行い、実施例No.1〜73については7
サイクル後の錆発生程度を、また、実施例No.74〜
132については15サイクル後の錆発生程度を、それ
ぞれ評価した。 鉄錆共存下(*注)5%NaCl浸漬・50℃(18時間) ↓ 95%RH湿潤・50℃(3時間) ↓ 乾燥・60℃(3時間) (*注)鉄錆の供給方法:塩水1l当り10cm2の面
積の冷延鋼板を浸漬した。 なお、評価基準は以下の通りである。 ◎ :赤錆発生なし ○ :赤錆面積率10%未満 ○−:赤錆面積率10%以上、20%未満 △ :赤錆面積率20%以上、50%未満 × :赤錆面積率50%以上
【0047】(c)塗料密着性 試験片をアルカリ脱脂した後、日本ペイント(株)U−
600で電着塗装(膜厚25μm)を行い、次いで関西
ペイント(株)製ルーガベークB−531で上塗り塗装
(膜厚35μm)を行った。これらの試験を40℃のイ
オン交換水中に240時間浸漬した。次いで試験片を取
り出し、24時間室温で放置した後、塗膜に2mm間隔
の碁盤目を100個刻み、接着テープを粘着・剥離し
て、塗膜の剥離率で評価した。その評価基準は以下の通
りである。 ◎:剥離なし ○:剥離率3%未満 △:剥離率3%以上、10%未満 ×:剥離率10%以上
600で電着塗装(膜厚25μm)を行い、次いで関西
ペイント(株)製ルーガベークB−531で上塗り塗装
(膜厚35μm)を行った。これらの試験を40℃のイ
オン交換水中に240時間浸漬した。次いで試験片を取
り出し、24時間室温で放置した後、塗膜に2mm間隔
の碁盤目を100個刻み、接着テープを粘着・剥離し
て、塗膜の剥離率で評価した。その評価基準は以下の通
りである。 ◎:剥離なし ○:剥離率3%未満 △:剥離率3%以上、10%未満 ×:剥離率10%以上
【0048】(d)溶接性 CF型電極、加圧力200kgf、通電時間10サイク
ル/50Hz、溶接電流10kAで連続打点性の試験を
行い、連続打点数で評価した。その評価基準は以下の通
りである。 ◎:2000点以上 ○:1000点以上、2000点未満 ×:1000点未満
ル/50Hz、溶接電流10kAで連続打点性の試験を
行い、連続打点数で評価した。その評価基準は以下の通
りである。 ◎:2000点以上 ○:1000点以上、2000点未満 ×:1000点未満
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】
【表3】
【0052】
【表4】
【0053】
【表5】
【0054】
【表6】
【0055】
【表7】
【0056】
【表8】
【0057】
【表9】
【0058】
【表10】
【0059】
【表11】
【0060】
【表12】
【0061】
【表13】
【0062】
【表14】
【0063】
【表15】
【0064】
【表16】
【0065】*1 発:本発明例、比:比較例 *2 表1に記載のめっき鋼板のNo. *3 金属クロム換算のクロメート付着量 *4 表2に記載の有機樹脂のNo. *5 表3に記載の防錆添加剤のNo. *6 表4に記載の難溶性クロム酸塩のNo. *7 不揮発分の重量比(SiO2等とは表3に記載の
防錆添加剤を指す) *8 不揮発分の重量比(SiO2等とは表3に記載の
防錆添加剤を指す)
防錆添加剤を指す) *8 不揮発分の重量比(SiO2等とは表3に記載の
防錆添加剤を指す)
【0066】以上の実施例からも明らかなように、本発
明の有機複合被覆鋼板は優れた耐もらい錆性を示す。ま
た、特に硬化剤として1分子中に少なくとも4個、好ま
しくは6個以上のイソシアネート基を有する多官能ポリ
イソシアネートを用いた場合に、より優れた耐もらい錆
性を示すこと、さらに、実施例No.74と実施例N
o.77を比較すると、硬化剤としてヘキサメチレンジ
イソシアネート系の6官能ポリイソシアネート化合物を
用いた方が、イソホロンジイソシアネート系の6官能ポ
リイソシアネート化合物を用いるよりも優れた耐もらい
錆性が得られることが判る。
明の有機複合被覆鋼板は優れた耐もらい錆性を示す。ま
た、特に硬化剤として1分子中に少なくとも4個、好ま
しくは6個以上のイソシアネート基を有する多官能ポリ
イソシアネートを用いた場合に、より優れた耐もらい錆
性を示すこと、さらに、実施例No.74と実施例N
o.77を比較すると、硬化剤としてヘキサメチレンジ
イソシアネート系の6官能ポリイソシアネート化合物を
用いた方が、イソホロンジイソシアネート系の6官能ポ
リイソシアネート化合物を用いるよりも優れた耐もらい
錆性が得られることが判る。
【0067】
【発明の効果】以上述べた本発明の有機複合被覆鋼板は
耐もらい錆性及び耐穴あき性に優れ、また、塗料密着性
及び溶接性にも優れているため、特に自動車車体用の表
面処理鋼板として極めて有用である。
耐もらい錆性及び耐穴あき性に優れ、また、塗料密着性
及び溶接性にも優れているため、特に自動車車体用の表
面処理鋼板として極めて有用である。
【図1】本発明が規定する特定の基体樹脂と多官能ポリ
イソシアネート化合物(イソホロンジイソシアネート系
の6官能ポリイソシアネート化合物)とからなる有機樹
脂中にシリカと難溶性クロム酸塩を比率を変えて添加し
た場合の、シリカ/難溶性クロム酸塩の重量比と通常の
未塗装耐食性および耐もらい錆性(耐もらい錆性試験7
サイクル後の評価)との関係を示すグラフ
イソシアネート化合物(イソホロンジイソシアネート系
の6官能ポリイソシアネート化合物)とからなる有機樹
脂中にシリカと難溶性クロム酸塩を比率を変えて添加し
た場合の、シリカ/難溶性クロム酸塩の重量比と通常の
未塗装耐食性および耐もらい錆性(耐もらい錆性試験7
サイクル後の評価)との関係を示すグラフ
【図2】硬化剤として従来のジイソシアネート化合物を
用いた有機樹脂中にシリカと難溶性クロム酸塩を比率を
変えて添加した場合の、シリカ/難溶性クロム酸塩の重
量比と耐もらい錆性との関係を示すグラフ
用いた有機樹脂中にシリカと難溶性クロム酸塩を比率を
変えて添加した場合の、シリカ/難溶性クロム酸塩の重
量比と耐もらい錆性との関係を示すグラフ
【図3】有機皮膜の膜厚と溶接性との関係を示すグラフ
【図4】本発明が規定する特定の基体樹脂とヘキサメチ
レンジイソシアネート系の6官能ポリイソシアネート化
合物とからなる有機樹脂中にシリカと難溶性クロム酸塩
を比率を変えて添加した場合の、シリカ/難溶性クロム
酸塩の重量比と通常の未塗装耐食性および耐もらい錆性
(耐もらい錆性試験15サイクル後の評価)との関係を
示すグラフ
レンジイソシアネート系の6官能ポリイソシアネート化
合物とからなる有機樹脂中にシリカと難溶性クロム酸塩
を比率を変えて添加した場合の、シリカ/難溶性クロム
酸塩の重量比と通常の未塗装耐食性および耐もらい錆性
(耐もらい錆性試験15サイクル後の評価)との関係を
示すグラフ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 15/08 B32B 15/08 G C23C 22/24 C23C 22/24 28/00 28/00 C
Claims (6)
- 【請求項1】 Zn系めっき鋼板の表面に金属クロム換
算で付着量が5〜200mg/m2のクロメート皮膜を
形成し、その上層に、エチレン−アクリル酸共重合体樹
脂、スチレン−アクリル酸共重合体樹脂、ポリアクリル
酸およびその共重合体樹脂、ポリアクリル酸エステルお
よびその共重合体樹脂、ポリメタクリル酸およびその共
重合体樹脂、ポリメタクリル酸エステルおよびその共重
合体樹脂の中から選ばれた1種または2種以上の水性分
散型樹脂[A]100重量部(固形分)に対して、1分
子中に少なくとも3個のイソシアネート基を有する多官
能ポリイソシアネート化合物[B]を5〜80重量部
(固形分)含有し、さらに防錆添加剤[C]を([A]
+[B])/[C]の重量比で90/10〜40/60
の割合で含有する水系塗料組成物を付着させて乾燥膜厚
が0.2〜3.0μmの樹脂皮膜を形成したことを特徴
とする耐もらい錆性に優れた有機複合被覆鋼板。 - 【請求項2】 樹脂皮膜を構成する防錆添加剤[C]
が、Cr2O3,Fe2O3,Fe3O4,MgO,Zr
O2,SnO2,Al2O3の各水分散型ゾル、シリカ、難
溶性クロム酸塩の中から選ばれる1種または2種以上か
らなる請求項1に記載の耐もらい錆性に優れた有機複合
被覆鋼板。 - 【請求項3】 樹脂皮膜を構成する防錆添加剤[C]
が、下記重量比からなるシリカおよび難溶性クロム酸塩
である請求項1に記載の耐もらい錆性に優れた有機複合
被覆鋼板。 シリカ/難溶性クロム酸塩=35/5〜1/39 - 【請求項4】 多官能ポリイソシアネート化合物[B]
が、1分子中に少なくとも4個のイソシアネート基を有
する多官能ポリイソシアネート化合物である請求項1、
2または3に記載の耐もらい錆性に優れた有機複合被覆
鋼板。 - 【請求項5】 多官能ポリイソシアネート化合物[B]
が、1分子中に少なくとも6個のイソシアネート基を有
する多官能ポリイソシアネート化合物である請求項1、
2または3に記載の耐もらい錆性に優れた有機複合被覆
鋼板。 - 【請求項6】 多官能ポリイソシアネート化合物[B]
が、1分子中に少なくとも6個のイソシアネート基を有
するヘキサメチレンジイソシアネートの多官能体である
請求項1、2または3に記載の耐もらい錆性に優れた有
機複合被覆鋼板。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08474195A JP3259585B2 (ja) | 1995-03-16 | 1995-03-16 | 耐もらい錆性に優れた有機複合被覆鋼板 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08474195A JP3259585B2 (ja) | 1995-03-16 | 1995-03-16 | 耐もらい錆性に優れた有機複合被覆鋼板 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08252528A true JPH08252528A (ja) | 1996-10-01 |
JP3259585B2 JP3259585B2 (ja) | 2002-02-25 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP08474195A Expired - Fee Related JP3259585B2 (ja) | 1995-03-16 | 1995-03-16 | 耐もらい錆性に優れた有機複合被覆鋼板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3259585B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003261829A (ja) * | 2002-03-08 | 2003-09-19 | Du Pont Mitsui Polychem Co Ltd | プレコートメタル用塗料組成物 |
CN103506264A (zh) * | 2012-06-28 | 2014-01-15 | 吉家银 | 一种不生锈表面处理喷涂配方 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4923489B2 (ja) | 2005-09-05 | 2012-04-25 | 三菱電機株式会社 | 半導体レーザ装置 |
-
1995
- 1995-03-16 JP JP08474195A patent/JP3259585B2/ja not_active Expired - Fee Related
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