JP2001179874A - リン酸亜鉛複合処理鋼板 - Google Patents

リン酸亜鉛複合処理鋼板

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JP2001179874A
JP2001179874A JP37490599A JP37490599A JP2001179874A JP 2001179874 A JP2001179874 A JP 2001179874A JP 37490599 A JP37490599 A JP 37490599A JP 37490599 A JP37490599 A JP 37490599A JP 2001179874 A JP2001179874 A JP 2001179874A
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zinc phosphate
steel sheet
corrosion resistance
lubricity
treated steel
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Kazuya Urata
和也 浦田
Takahiro Kubota
隆広 窪田
Tatsuya Miyoshi
達也 三好
Masaaki Yamashita
正明 山下
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Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐食性、耐パウダリング性、潤滑性、塗料密
着性および溶接性に優れ、尚且つクロムを含まない環境
調和型の表面処理鋼板を提供すること。 【解決方法】 亜鉛系めっき鋼板の表面に、第1層とし
てニッケル、マンガンおよびマグネシウムの中から選ば
れる少なくとも1種を含有する付着量0.2〜2.5g
/m2 のリン酸亜鉛複合皮膜層を有し、その上部に第2
層皮膜として下記(1)に示す有機樹脂を主成分とする
有機系皮膜を有することを特徴とする耐食性、耐パウダ
リング性、潤滑性、塗料密着性に優れたリン酸亜鉛複合
処理鋼板。 (1)エポキシ樹脂の末端に少なくとも1個の塩基性窒
素原子と少なくとも2個の1級水酸基とを付加した基体
樹脂100重量部(固形分)に対し、1分子中に少なく
とも2個のイソシアネート基を有するポリイソシアネー
ト化合物を5〜80重量部(固形分)の割合で混合した
エポキシ系樹脂。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車車体や家電
製品等に使用される亜鉛系めっき鋼板をベースとした、
リン酸亜鉛処理鋼板であって、耐食性、耐パウダリング
性、潤滑性、塗料密着性に優れ、尚且つクロム酸水溶液
によるシーリングを行わないため、環境にやさしい環境
調和型のリン酸亜鉛複合処理鋼板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車ボディ用表面処理鋼板とし
ては、電気Zn−Ni合金めっき鋼板、有機複合被覆鋼
板(電気Zn−Ni合金めっき鋼板+クロメート皮膜+
有機皮膜)、合金化溶融亜鉛めっき鋼板が利用されてい
るのが主流であった。しかし、近年、自動車メーカーで
は、コストダウンの観点からより安価な純亜鉛めっき鋼
板を自動車ボディ用鋼板として利用しようとする検討が
行われている。しかし、純亜鉛めっき鋼板は、めっき層
自体が軟らかく、融点が低いため、プレス成形時にめっ
きと工具が溶着しやすく、形状が複雑な部位の加工では
プレス割れ等が生じやすいといった問題があり、成形性
の優れた材料の開発が求められていた。そこで、下記の
ような技術が提案されている。
【0003】(1)特開平7−138764号公報(以
下、先行技術1と記す)には、亜鉛含有金属めっき鋼板
の表面に亜鉛とリンが特定重量比よりなり、且つ、特定
の金属を特定重量比含有するリン酸亜鉛皮膜層を有し、
その上層にさらに潤滑油層を有するリン酸亜鉛処理鋼板
が提案されている。
【0004】(2)特開平09−049086号公報
(以下、先行技術2と記す)には、電気亜鉛めっき鋼板
を、リン酸イオン、亜鉛イオン、マグネシウムイオン、
ニッケルイオン等を特定含有量で含有する処理液を用
い、特定処理条件で処理することを特徴とする高白色度
で塗装性に優れた電気めっき鋼板の製造方法が開示され
ている。
【0005】しかし、上記先行技術1、2で開示された
リン酸亜鉛処理鋼板は、ある程度の潤滑性の改善は認め
られるが、その向上効果は満足できるレベルのものでは
なく、また、リン酸亜鉛皮膜がポーラスな構造を有して
いるため、自動車ボディの合わせフランジ部やヘミング
部内部のように電着塗装が回りにくく、電着塗装後も鋼
板が剥き出しの状態で存在しやすい部位での耐食性は劣
ったものであった。さらに、上記先行技術2に開示され
た技術により製造される電気めっき鋼板は、自動車車体
用鋼板に施される2コート以上の多層塗膜下での塗料密
着性及び塗装後耐食性は充分なレベルのものではなかっ
た。
【0006】また、リン酸亜鉛処理鋼板の耐食性を向上
させる技術としては、従来、家電用鋼板分野でリン酸亜
鉛処理後、クロム酸系水溶液による封穴処理(シーリン
グ)といわれる後処理が行なわれていた。しかし、この
従来のリン酸亜鉛処理鋼板のシーリング技術では、環境
規制物質である6価クロムを含むことからクロムを含ま
ない技術の開発が望まれ、下記のような技術が提案され
ている。
【0007】(3)特開昭56−136979号公報
(以下、先行技術3と記す)には、冷延鋼板、亜鉛めっ
き鋼板にリン酸塩処理を施した後、直ちにキレート化剤
を主成分とする処理液で後処理する方法が提案されてい
る。
【0008】(4)特開平58−197284号公報
(以下、先行技術4と記す)には、亜鉛めっき鋼板にリ
ン酸塩処理を施した後、ポリアクリル酸と芳香族多価ア
ルコールを含む水溶液で処理することを特徴とする亜鉛
系めっき鋼板の塗装前処理方法が提案されている。
【0009】(5)特公昭63−4916号公報(以
下、先行技術5と記す)には、Zn−Ni合金めっき上
に1〜2g/mのリン酸塩皮膜を有し、さらにその上
層に5〜10μmの高分子皮膜を有する耐久性に優れた
複合めっき鋼板が提案されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した従来
のリン酸亜鉛処理鋼板には、それぞれ以下のような問題
がある。
【0011】すなわち、上記先行技術3、4に示される
リン酸亜鉛処理鋼板は、通常のリン酸亜鉛皮膜を使用し
ているため自動車用鋼板として要求されるレベルの塗料
密着性は有していない。また、これらの先行技術で開示
されている有機系シーリングでは、自動車車体の組み立
て工程(剪断→プレス→溶接→アルカリ脱脂→化成→電
着塗装→中・上塗り)で、アルカリまたは酸溶液との接
触により、皮膜が溶解あるいは劣化してしまうため、耐
食性は劣ったものであった。
【0012】上記先行技術5に示されるリン酸亜鉛処理
鋼板は、上記先行技術3、4と同様、通常のリン酸亜鉛
皮膜を使用しているため自動車用鋼板として要求される
レベルの塗料密着性は有していない。また、有機系皮膜
厚が5〜10μmと非常に厚いため、スポット溶接によ
る溶接が困難なだけでなく、プレス成形時のビード部で
の曲げ曲げ戻しにより、皮膜が容易に剥離し(すなわ
ち、耐パウダリング性に劣る)、この剥離物が潤滑性を
劣化させるため、プレス成形性も劣ったものであった。
【0013】このように、従来の技術では、耐食性、耐
パウダリング性、潤滑性、塗料密着性および溶接性の総
てを満足できるものではなかった。そこで、本発明は、
このような従来技術の問題に鑑みてなされたもので、耐
食性、耐パウダリング性、潤滑性、塗料密着性および溶
接性に優れ、尚且つクロムを含まない環境調和型の表面
処理鋼板を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、リン酸亜
鉛複合処理鋼板の皮膜構成とその耐食性、潤滑性、塗料
密着性および溶接性の関係に関して鋭意検討を重ねた結
果、以下のような知見を得た。 (1)耐食性、塗料密着性、潤滑性の向上には、第1層
として特定のリン酸亜鉛皮膜を形成させ、さらにリン酸
亜鉛皮膜の上層に特定のエポキシ樹脂と特定のポリイソ
シアネート化合物よりなる有機樹脂を主成分とする有機
系皮膜を設けた2層構造とすることが有効である。ま
た、多官能ポリイソシアネート中のイソシアネート基の
数を増加させることにより耐食性はさらに向上する。
【0015】(2)有機系皮膜に特定の防錆添加剤を特
定含有量で含有させることにより、潤滑性、塗料密着
性、溶接性を劣化させることなく耐食性はさらに向上す
る。
【0016】(3)有機系皮膜に特定の潤滑剤を特定含
有量で含有させることにより、耐食性、塗料密着性、溶
接性を劣化させることなく潤滑性はさらに向上する。
【0017】(4)第1層であるリン酸亜鉛複合皮膜の
付着量、第2層である有機系皮膜の付着量を最適化する
ことにより、潤滑性、耐食性、塗料密着性、溶接性およ
び耐パウダリング性が向上する。
【0018】本発明は、このような知見に基づきなされ
たものであり、以下のような構成からなることを特徴と
する。
【0019】すなわち、本発明は、亜鉛系めっき鋼板の
表面に、第1層としてニッケル、マンガンおよびマグネ
シウムの中から選ばれる少なくとも1種を含有する付着
量0.2〜2.5g/m2 のリン酸亜鉛複合皮膜層を有
し、その上部に第2層皮膜として下記(1)に示す有機
樹脂を主成分とする有機系皮膜を有することを特徴とす
る耐食性、耐パウダリング性、潤滑性、塗料密着性に優
れたリン酸亜鉛複合処理鋼板を提供する。 (1)エポキシ樹脂の末端に少なくとも1個の塩基性窒
素原子と少なくとも2個の1級水酸基とを付加した基体
樹脂100重量部(固形分)に対し、1分子中に少なく
とも2個のイソシアネート基を有するポリイソシアネー
ト化合物を5〜80重量部(固形分)の割合で混合した
エポキシ系樹脂。
【0020】本発明においては、前記リン酸亜鉛皮膜中
のニッケル、マンガンおよびマグネシウムの中から選ば
れる少なくとも1種の含有率が、トータルで0.5〜
8.5質量%であることが好ましい。また、前記有機系
皮膜が防錆添加剤および/または固体潤滑剤を含有する
ことが好ましい。さらに、防錆添加剤はシリカおよびリ
ン酸塩の中から選ばれる少なくとも1種であることが好
ましい。シリカとしては乾式シリカ又はCa交換シリカ
を含むことが好ましく、シリカの比表面積は20〜10
00m2 /gであることが好ましい。また、リン酸塩はカ
ルシウム、アルミニウムおよび亜鉛のリン酸塩の中から
選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
【0021】また、固体潤滑剤はポリエチレンワックス
(好適には、軟化点が100〜135℃である)、4フ
ッ化エチレン樹脂および窒化ホウ素の中から選ばれる少
なくとも1種であることが好ましく、またその平均粒子
径は0.05〜25μmであることが好ましい。
【0022】さらに、本発明においては、前記有機樹脂
(1)に含まれるポリイソシアネート化合物は、1分子
中に好ましくは3個以上、より好ましくは4個以上、さ
らに好ましくは6個以上のイソシアネート基を有する多
官能ポリイソシアネート化合物であり、1分子中に6個
以上のイソシアネート基を有するヘキサメチレンジイソ
シアネートの多官能体であってもよい。
【0023】本発明においては、前記有機系皮膜中に含
まれる防錆添加剤の含有量が、固形分で有機樹脂(1)
100重量部に対して1〜100重量部であることが好
ましく、また固体潤滑剤の含有量が、固形分で有機樹脂
(i)100重量部に対して1〜80重量部であること
が好ましい。
【0024】また、有機系皮膜の付着量が0.05〜
1.5m2 /gであることが好ましい。
【0025】また、最表層に、付着量0.01〜10g
/m2の防錆油膜層を有することが好ましい。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の詳細をその限定理
由とともに説明する。
【0027】本発明で用いる亜鉛系めっき鋼板の基板と
なる鋼板としては、一般加工用冷延鋼板(CQ)から深
絞り用冷延鋼板(DQ)、高深絞り用冷延鋼板(DD
Q)、超深絞り用冷延鋼板(EDDQ)に至る総ての軟
質加工用冷延鋼板、焼き付け硬化性を有する比較的強度
レベルの低い高張力鋼板から390MPaを超える一般
の高張力鋼板に至る総ての高張力鋼板、脱スケールした
熱延鋼板等が利用できる。
【0028】亜鉛系めっき鋼板のめっき層としては、Z
nめっき、Zn−Ni合金めっき(Ni含有率9〜15
質量%)。Zn−Fe合金めっき(Fe含有率5〜25
質量%または60〜90質量%)、Zn−Mn合金めっ
き(Mn含有率30〜80質量%)、Zn−Co合金め
っき(Co含有率0.5〜15質量%)、Zn−Cr合
金めっき(Cr含有率5〜30質量%)、Zn−Al合
金めっき(Al含有率3〜60質量%)等が挙げられ
る。また、上記の各めっき成分にCo、Fe、Ni、C
r等の合金元素、シリカ、アルミナ、難溶性クロム酸塩
等の酸化物や塩類、ポリマー等を含有させることができ
る。また、上記めっき層のうち同種または異種のものを
2種以上めっきした複層めっきとすることもできる。
【0029】めっき鋼板としては、鋼板面に予めNi等
の薄目付けめっきを施し、その上に上記のような各種め
っきを施したものであってもよい。
【0030】これらのめっきは、電解法、溶融法、気相
法の何れによっても形成することができる。
【0031】めっき付着量としては10g/m2 以上で
あることが好ましい。めっき付着量が10g/m2 未満
では耐食性が劣るため問題がある。また、Zn−Ni合
金めっき、Zn−Fe合金めっき、Zn−Mn合金めっ
き、Zn−Co合金めっき、Zn−Cr合金めっきの場
合は、60g/m2 を超えると耐パウダリング性が劣る
ため、めっき付着量は10〜60g/m2 とすることが
好ましい。さらにより高度な耐食性、耐パウダリング性
を確保するには、めっき付着量は15〜60g/m2
することが好ましい。
【0032】また、後述するリン酸亜鉛複合皮膜をめっ
き皮膜表面に形成した際に、皮膜欠陥やムラが生じない
ようにするため、必要に応じて、予めめっき皮膜表面に
アルカリ脱脂、溶剤脱脂、表面調整処理(例えば、
(1)Niイオン、Coイオン、Feイオン、Znイオ
ンの中から選ばれる少なくとも1種の金属イオンを含有
する酸性あるいはアルカリ性水溶液による処理、(2)
チタンコロイド水溶液に接触させる処理、(3)めっき
鋼板の表面に形成されている金属酸化物の上層を無機酸
類、有機酸類、EDTA、NTA等のキレート性化合物
を使用しエッチングする処理)等の処理を施しておくこ
とも可能である。以上、本発明の効果は、これらいずれ
の鋼板を基板とした場合でも得ることができる。
【0033】本発明に係るリン酸亜鉛複合処理鋼板は、
これら亜鉛系めっき鋼板の上部に、第1層としてリン酸
亜鉛皮膜を形成し、その上部に第2層として有機系皮膜
を形成したものである。第1層のリン酸亜鉛皮膜は、ア
ンカー効果により塗料密着性を向上させ、また、摺動時
に鋼板と工具との直接の接触を防止することにより潤滑
性の向上にも寄与する。
【0034】本発明においては、ニッケル、マンガン及
びマグネシウムの中から選ばれる少なくとも1種を含有
するリン酸亜鉛皮膜を用いる。この皮膜は、リン酸亜鉛
皮膜中の亜鉛の一部が該皮膜中に含有される上記金属と
置換した形で存在すると推定され、これにより初めて、
上層である有機系皮膜との相互作用が働き、優れた耐食
性、耐パウダリング性、潤滑性、塗料密着性が得られ
る。
【0035】リン酸亜鉛皮膜中のニッケル、マンガンお
よびマグネシウムの中から選ばれる少なくとも1種の好
ましい含有量は、トータルで0.5〜8.5質量%であ
る。該皮膜中におけるこれら金属の全含有量をかかる範
囲とすることにより耐食性、潤滑性、塗料密着性はさら
に向上する。また、特に優れた耐食性、塗料密着性を必
要とする場合、ニッケル、マンガン又はマグネシウムの
全含有量を2.5〜7質量%とすることがより好まし
い。さらに、この場合においてニッケルを1〜5.5質
量%の範囲で必須成分として含有させ、且つマンガン及
び/又はマグネシウムを全含有量0.5〜4質量%の範
囲で含有させることにより耐食性、塗料密着性は各段に
向上する。
【0036】また、第1層であるリン酸亜鉛複合皮膜の
付着量は、0.2〜2.5g/m2の範囲であることが
好ましい。付着量が0.2g/m2 未満では、塗料密着
性、耐食性が劣り、2.5g/m2 を超えると、摺動時
のパウダリングが多くなり潤滑性も劣化するのみでな
く、スポット溶接性にも劣る。潤滑性、塗料密着性、耐
食性、溶接性の観点からより好ましい付着量範囲は、
0.5〜2.0g/m2 であり、最も好ましくは0.7
〜1.5g/m2 である。
【0037】このリン酸亜鉛皮膜層を形成するリン酸亜
鉛処理法としては、反応型処理、塗布型処理、電解型処
理のいずれの方法によっても形成することが可能であ
る。
【0038】反応型処理としては、例えばめっき鋼板に
脱脂、水洗、表面調整処理を行った後に、リン酸イオ
ン、硝酸イオンおよび亜鉛イオンと共に、ニッケルイオ
ン、マンガンイオンおよびマグネシウムイオンの中から
選択される少なくとも1種を主成分とする水溶液に下記
(1)および(2)を必要に応じて添加した処理液に接
触させ、水洗、乾燥することによって形成することがで
きる。
【0039】(1)鉄イオン、コバルトイオンおよびカ
ルシウムイオンから選ばれる少なくとも1種 (2)過酸化物、フッ化物イオン、錯フッ化物イオンお
よび亜硝酸イオンから選ばれるすくなくとも一種 塗布型処理としては、リン酸イオン、硝酸イオンおよび
亜鉛イオンと共に、ニッケルイオン、マンガンイオンお
よびマグネシウムイオンの中から選ばれる少なくとも1
種を主成分とするリン酸亜鉛処理液を、めっき鋼板の少
なくとも片面に塗布する。塗布方法は任意でありロール
コーター法により塗布する他、浸漬法やスプレー法によ
り塗布した後に、エアーナイフ法やロール絞り法により
塗布量を調整することも可能である。リン酸亜鉛処理液
をめっき鋼板表面に塗布した後、ドライヤー、熱風炉、
高周波誘導加熱炉、赤外線炉を用いて乾燥することによ
りリン酸亜鉛皮膜を形成することができる。塗布型処理
により皮膜を形成させる場合の乾燥温度は、到達板温で
70〜400℃が好ましい。乾燥温度が70℃より低い
と皮膜の乾燥が不十分で皮膜のベタツキ、塗料密着性の
劣化のみでなく、第2層の有機系皮膜を形成したとき塗
膜のむらが生じる。また、到達板温が400℃を超える
とそれ以上の効果が得られず非経済であるだけでなく、
塗膜の欠陥が生じやすくなり耐食性に劣る。このような
観点からより好ましい焼き付け温度は100〜300
℃、さらに望ましくは120〜170℃である。
【0040】次に、リン酸亜鉛皮膜の上層に形成される
有機系皮膜について説明する。本発明において、上記リ
ン酸亜鉛皮膜の上部に形成される有機系皮膜は、エポキ
シ樹脂の末端に少なくとも1個の塩基性窒素原子と少な
くとも2個の1級水酸基とを付加した基体樹脂に対し、
1分子中に少なくとも2個のイソシアネート基を有する
多官能ポリイソシアネート化合物を特定の割合で混合し
たエポキシ系樹脂を主成分とする。このエポキシ系樹脂
を使用することにより初めて良好な塗料密着性、耐食性
が得られる。
【0041】有機皮膜に用いるエポキシ樹脂としては、
ビスフェノールAとエピクロロヒドリンとを縮合反応さ
せた縮合物を主体としたものが好ましい。エポキシ樹脂
としては、例えばエポキシ化油、エポキシポリブタジエ
ンのような脂肪族構造或いは脂環族構造のみからなるも
のがあるが、優れた耐食性を得るためには上記縮合物を
主体としたエポキシ樹脂を用いるのが好ましい。エポキ
シ樹脂としては、例えば、エピコート828、100
1、1004、1007、1009、1010(いずれ
もシェル化学社製)等を用いることができる。このエポ
キシ樹脂は、特に低温での硬化を必要とする場合には数
平均分子量1500以上のものが望ましい。なお、上記
エピコートは単独または異なる種類のものを混合して使
用することができる。
【0042】本発明における基体樹脂を形成するために
エポキシ樹脂に塩基性窒素原子と1級水酸基を導入する
には、例えば、アルカノールアミンおよび/またはアル
キルアルカノールアミンをエポキシ樹脂のオキシラン基
に付加せしめる方法を採ることができる。これらのアミ
ンとしては、例えばモノエタノールアミン、ジエタノー
ルアミン、ジメチルアミノエタノール、モノプロパノー
ルアミン、ジプロパノールアミン、ジブタノールアミン
等があり、これらのアミンを単独または混合して使用す
ることができる。
【0043】上記のような基体樹脂を用いる狙いは以下
のような点にある。すなわち、まず、ベース樹脂にビス
フェノールAとエピクロロヒドリンとの縮合反応からな
るエポキシ樹脂を用いることにより、自動車車体防錆用
として通常用いられているカチオン電着塗料との優れた
密着性が期待できる。また、樹脂構造としてエポキシ樹
脂の末端に少なくとも1個の塩基性窒素原子と少なくと
も2個の1級水酸基を導入することにより、(1)カチ
オン電着時に発生するアルカリによる皮膜破壊を防止
し、下地リン酸亜鉛およびカチオン電着塗膜との密着性
を安定化させ、(2)1級水酸基と後述するような選択
された有機溶媒組成が架橋剤(イソシアネート)との低
温反応性を高め、(3)さらに、エポキシ樹脂1分子中
に2モル以上の水酸基を導入することによって十分に緻
密な架橋構造の皮膜が得られる。2モル以下では十分な
架橋が得られない。
【0044】また、他の方法として、エポキシ樹脂を部
分的に他の化合物と変性してもよい。但し、この場合に
はエポキシ樹脂1分子中に平均2モル以上の1級水酸基
を含有させることが必要である。エポキシ樹脂を部分的
に変性させる方法には、例えば以下のようなものがあ
る。
【0045】(1)モノカルボン酸によるエステル化
(モノカルボン酸としては、例えばヤシ油脂肪酸、大豆
油脂肪酸、ヒマシ油脂肪酸等の飽和または不飽和脂肪
酸;酢酸、プロピオン酸、酪酸等の低分子脂肪族モノカ
ルボン酸;安息香酸等の芳香族モノカルボン酸等) (2)脂肪族または芳香族アミンによる変性(脂肪族ま
たは芳香族アミンとしては、モノメチルアミン、ジメチ
ルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、イソプ
ロピルアミン等の脂肪族アミン;アニリン等の芳香族ア
ミン等) (3)オキシ酸類による変性(オキシ酸類としては、乳
酸、γ−オキシプロピオン酸等)。
【0046】なお、ジカルボン酸(例えば、アジピン
酸、ゼバチン酸等)による変性方法もあるが、この方法
は、エポキシ樹脂が必要以上に高分子量化し過ぎるこ
と、さらには分子量分布を一定にコントロールすること
が反応制御上困難であること、耐食性の向上が認められ
ないこと等の理由から、本発明の皮膜を得るには適切と
はいえない。
【0047】本発明の有機皮膜の硬化方法は、基体樹脂
中の水酸基と硬化剤であるポリイソシアネート中のイソ
シアネート基との間のウレタン化反応とすることが好適
である。皮膜形成前の塗料組成物を安定に保存するため
には硬化剤のイソシアネートを保護する必要がある。イ
ソシアネートの保護方法としては、加熱処理時に保護基
が脱離し、イソシアネート基が再生する保護方法を採用
できる。
【0048】本発明に用いられるポリイソシアネート化
合物としては、耐食性向上の観点から1分子中に少なく
とも2個のイソシアネート基を有する脂肪族、脂環族
(複素環を含む)または芳香族イソシアネート化合物、
若しくはそれらの化合物を多価アルコールと部分的に反
応せしめた化合物、それらの化合物のビューレットタイ
プ付加物またはイソシアヌル環タイプ付加物等の化合物
等を挙げることができ、具体的には、(a) m−また
はp−フェニレンジイソシアネート、2,4−または
2,6−トリレンジイソシアネート、またはp−キシリ
レンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、ダイマー酸ジイソシアネート、イソホロンジイソシ
アネート、(b) トリフェニルメタン−4,4′,
4″−トリイソシアネート、1,3,5−トリイソシア
ナトベンゼン、2,4,6−トリイソシアナトトルエ
ン、4,4′−ジメチルジフェニルメタン−2,2′,
5,5′−テトライソシアネート等の3個以上のイソシ
アネート基を有するポリイソシアネート化合物、(c)
上記(a)の化合物の単独または混合と多価アルコー
ル(エチレングリコール、プロピレングリコール等の2
価アルコール類;グリセリン、トリメチロールプロパン
等の3価アルコール;ペンタエリスリトール等の4価ア
ルコール;ソルビトール、ジペンタエリスリトール等の
6価アルコール等)との反応生成物で1分子中に少なく
とも2個のイソシアネート基が残存する化合物、(d)
ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソ
シアネート、トリレンジイソシアネート、キシレンジイ
ソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシア
ネート、4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルイソ
シアネート)等のビューレットタイプ付加物、イソシア
ヌル環タイプ付加物、等がある。
【0049】すなわち、1分子中に1個のイソシアネー
ト基を有するモノイソシアネート化合物では、十分な耐
食性を付与することができない。特に、腐食環境中に鉄
錆が共存するような厳しい腐食環境下、あるいは有機皮
膜付着量が0.6g/m2 以下の低付着量下では、有機
皮膜中の樹脂のバリアー性が腐食の抑制に特に大きく寄
与し、その場合、1分子中に少なくとも3個のイソシア
ネート基を有する多官能ポリイソシアネート化合物、よ
り好ましくは4個以上、さらに好ましくは6個以上のイ
ソシアネート基を有する多官能ポリイソシアネート化合
物を使用することにより、優れた耐食性を付与できる。
【0050】このような1分子中に少なくとも3個のイ
ソシアネート基を有する多官能ポリイソシアネート化合
物としては、1分子中に3個以上のイソシアネート基を
有する化合物、少なくとも2個のイソシアネート基を有
するイソシアネート化合物を多価アルコールと反応せし
めた化合物、若しくはそれらのビューレットタイプ付加
物、イソシアヌル環タイプ付加物等の化合物がある。例
えば、トリフェニルメタン−4,4′,4″−トリイソ
シアネート、1,3,5−トリイソシアナトベンゼン、
2,4,6−トリイソシアナトトルエン、4,4′−ジ
メチルフェニルメタン−2,2′,5,5′−テトライ
ソシアネート等の3個以上のイソシアネート基を有する
ポリイソシアネート化合物;エチレングリコール、プロ
ピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、ポリ
アルキレングリコール、トリメチロールプロパン、ヘキ
サントリオール等のポリオールの水酸基に対してイソシ
アネート基が過剰量となる量のポリイソシアネート化合
物を反応させてなる付加物;ヘキサメチレンジイソシア
ネート、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソ
シアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4′−
ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4′−メチレ
ンビス(シクロヘキシルイソシアネート)等のビューレ
ットタイプ付加物、イソシアヌル環タイプ付加物等があ
る。
【0051】上記ポリオールの水酸基に対してイソシア
ネート基が過剰量となる量のポリイソシアネート化合物
を反応させてなる付加物において、該ポリイソシアネー
ト化合物としては、上記3個以上のイソシアネート基を
有するポリイソシアネート化合物並びにヘキサメチレン
ジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシア
ネート、ダイマー酸ジイソシアネート、リジンジイソシ
アネート等の脂肪族ジイソシアネート化合物;イソホロ
ンジイソシアネート、4,4′−メチレンビス(シクロ
ヘキシルイソシアネート)、メチルシクロヘキサン−
2,4−(又は−2,6−)ジイソシアネート、1,3
−(又は1,4−)ジ(イソシアナトメチル)シクロヘ
キサン等の脂環族ジイソシアネート化合物;及びキシリ
レンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、m
−(またはp−)フェニレンジイソシアネート、ジフェ
ニルメタンジイソシアネート、ビス(4−イソシアナト
フェニル)スルホン等の芳香族ジイソシアネート化合物
などを挙げることができる。
【0052】また、1分子中に少なくとも6個のイソシ
アネート基を有する多官能ポリイソシアネート化合物
(6官能ポリイソシアネート化合物)の中でも、特に、
ヘキサメチレンジイソシアネートの多官能体が耐食性の
向上に最も有効である。なお、本発明で使用する多官能
ポリイソシアネート化合物は、1分子中のイソシアネー
ト基の数が異なる同属化合物の混合物であってもよい。
また、上記多官能ポリイソシアネート化合物の2種類以
上を併用してもよい。
【0053】先に述べたように皮膜形成物を安定に保存
するために硬化剤のイソシアネートを保護する方法とし
ては、加熱硬化時に保護基(ブロック剤)が脱離し、イ
ソシアネート基が再生する保護方法が採用でき、この保
護剤(ブロック剤)としては、例えば以下のようなもの
があり、これらの1種または2種以上と前記ポリイソシ
アネート化合物とを反応させることにより、少なくとも
常温下で安定に保護されたイソシアネート化合物を得る
ことができる。
【0054】(1)メタノール、エタノール、プロパノ
ール、ブタノール、オクチルアルコール等の脂肪族モノ
アルコール類 (2)エチレングリコールおよび/またはジエチレング
リコールのモノエーテル類、例えば、メチル、エチル、
プロピル(n-,iso-)、ブチル(n-,iso-,s
ec-)等のモノエーテル類 (3)フェノール、クレゾール等のフェノール類 (4)アセトオキシム、メチルエチルケトンオキシム等
のオキシム類 硬化剤としてのポリイソシアネート化合物は、基体樹脂
100重量部(固形分)に対して5〜80重量部(固形
分)、好ましくは10〜40重量部(固形分)の割合で
配合する。硬化剤の配合量が5重量部未満では、形成さ
れた皮膜の架橋密度が不十分となり、耐食性の向上効果
が小さい。一方80重量部を超えて配合すると、未反応
の残留イソシアネートが吸水し、耐食性、塗料密着性が
劣化する。
【0055】さらに、架橋剤としてメラミン、尿素およ
びベンゾグアナミンの中から選ばれた1種以上にホルム
アルデヒドを反応させてなるメチロール化合物の一部若
しくは全部に炭素数1〜5の1価のアルコールを反応さ
せてなるアルキルエーテル化アミノ樹脂を、イソシアネ
ート化合物と併用してもよい。なお、樹脂は以上のよう
な架橋剤で十分架橋するが、さらに低温架橋性を増大さ
せるため、公知の硬化促進触媒を使用することが望まし
い。この硬化促進触媒としては、例えば、N−エチルモ
ルホリン、ジブチル錫ジラウレート、ナフテン酸コバル
ト、塩化第一スズ、ナフテン酸亜鉛、硫酸ビスマス等が
ある。また、付着性など若干の物性向上を狙いとして、
上記樹脂組成物に公知のアクリル、アルキッド、ポリエ
ステル等の樹脂を併用することもできる。
【0056】本発明の皮膜形成組成物は、基体樹脂であ
るエポキシ樹脂の塩基を低分子酸で中和し、水分散若し
くは水溶性組成物として使用することも可能であるが、
板温で250℃以下の低温乾燥、特に170℃以下の極
低温乾燥を必要とするようなBH鋼板用皮膜材として使
用する場合には、そのような中和操作を行わず、有機溶
剤に溶解せしめた組成物として使用するのがより望まし
い。すなわち、水分散若しくは水溶性組成物では、水溶
化のために必要とされる酸性化合物が皮膜中で塩を形成
し、湿潤環境下で水分を皮膜中および皮膜下に吸収し易
く、また低温乾燥条件では十分に強固な皮膜を得ること
ができない等の理由により、耐食性、密着性がやや劣る
傾向がある。
【0057】この有機溶剤種としては、通例塗料業界で
使用する有機溶媒の1種または2種以上の混合溶剤が使
用できるが、その目的のためには高沸点のアルコール系
溶媒は避けるのが好ましい。これには例えば、エチレン
グリコール若しくはジエチレングリコール、モノアルキ
ルエーテル類、C5 以上の1級水酸基を有するアルコー
ル類が挙げられる。このような溶剤は、皮膜の硬化反応
を阻害する。推奨される溶剤としては、炭化水素系、ケ
トン系、エステル系、エーテル系溶剤が挙げられ、ま
た、低分子C4 以下のアルコール類、若しくは2級、3
級の水酸基を有するアルコール類も好適である。
【0058】本発明では、有機系皮膜中に、必要に応じ
て防錆添加剤または固体潤滑剤を配合させることがで
き、あるいは双方を併用して配合することもできる。防
錆添加剤の配合は、特に優れた耐食性が必要とされる場
合に有効である。本発明の使用に好適な防錆添加剤とし
ては、シリカ、リン酸塩、モリブデン酸塩、リンモリブ
デン酸塩(例えば、リンモリブデン酸アルミニウム
等)、有機リン酸およびその塩(例えば、フィチン酸、
ホスホン酸およびこれらの金属塩、アルカリ金属塩、ア
ルカリ土類金属塩)、有機インヒビター(例えば、ヒド
ラジン誘導体、チオール化合物)等が挙げられ、これら
の1種または2種以上を使用できる。
【0059】これらの中でも、シリカ及びリン酸塩の中
から選ばれる少なくとも1種を使用することがより好適
である。本発明で使用し得るシリカとしては、乾式シリ
カ(例えば、日本アエロジル(株)製のAEROSIL
130,AEROSIL 200,AEROSIL3
00,AEROSIL 380,AEROSIL R9
72,AEROSILR811,AEROSIL R8
05等)、オルガノシリカゾル(例えば、日産化学工業
(株)製のMA−CT、IPA−ST、NBA−ST、
IBA−ST、EG−ST、XBA−ST、ETC−S
T、DMAC−ST等)、沈降法湿式シリカ(例えば、
徳山曹達(株)製のT−32(S)、K−41、F−8
0等)、ゲル法湿式シリカ(例えば、富士デヴィソン
(株)製のサイロイド244、サイロイド150、サイ
ロイド72、サイロイド65、SHIELDEX等)等
を挙げることができる。中でも、耐食性の観点から乾式
シリカを使用することが好ましい。
【0060】また、本発明においては、シリカの防食効
果をさらに向上させる方法として、シリカを腐食抑制作
用を有するカチオン(例えば、カルシウム、亜鉛、コバ
ルト、鉛、ストロンチウム、リチウム、バリウム、マン
ガン等)によりイオン交換したシリカを用いることがで
きる。これらのカチオンは、腐食環境中においてプロト
ンとイオン交換し、シリカから放出されることにより、
金属表面で安定な腐食生成物を形成し、腐食を抑制する
ものと考えられる。なかでも、カルシウムによりイオン
交換したカルシウム交換シリカが耐食性の観点から最も
好ましい。
【0061】シリカは、比表面積が20〜1000m2
/g(BET法)の範囲のものが好ましい。比表面積が
20m2 /g未満では耐食性の向上効果が乏しく、10
00m2 /gを超えるとシリカを添加した塗料組成物の
チキソトロピー性が強くなり、ロールコーター等で塗布
する際の作業性が低下する。
【0062】また、本発明で用い得るリン酸塩とは、リ
ン酸イオンの骨格や縮合度等に限定されるものでなく、
正塩、二水素塩、一水素塩あるいは亜リン酸塩のいずれ
でもよく、さらに、正塩は、オルトリン酸塩の他、ポリ
リン酸塩等の総ての縮合リン酸塩を含むものとする(例
えば、リン酸亜鉛、リン酸カルシウム、リン酸二水素ア
ルミニウム、亜リン酸亜鉛等)。これらの中でも亜鉛、
カルシウム、アルミニウムのリン酸塩の中から選ばれる
少なくとも1種をより好適に使用することができる。ま
た、上記シリカおよびリン酸塩を併用して配合すること
により、特に優れた耐食性を得ることができる。
【0063】本発明では、有機皮膜中に固体潤滑剤を配
合させることにより、さらに優れた潤滑性を付与するこ
とができる。
【0064】本発明で使用し得る固体潤滑剤としては、
例えば以下のようなものが挙げられる。
【0065】(1)ポリオレフィンワックス、パラフィ
ンワックス:例えばポリエチレンワックス、合成パラフ
ィン、天然パラフィン、マイクロワックス、塩素化炭化
水素等 (2)フッ素樹脂系ワックス:例えばポリフルオロエチ
レン樹脂(ポリ4フッ化エチレン樹脂等)、ポリフッ化
ビニル樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂等 (3)脂肪酸アミド系化合物:例えば、ステアリン酸ア
ミド、パルミチン酸アミド、メチレンビスステアロアミ
ド、エチレンビスステアロアミド、オレイン酸アミド、
エシル酸アミド、アルキレンビス脂肪酸アミド等 (4)金属石けん類:例えば、ステアリン酸カルシウ
ム、ステアリン酸鉛、ラウリン酸カルシウム、パルミチ
ン酸カルシウム等 (5)金属硫化物:例えば、二硫化モリブデン、二硫化
タングステン等 (6)その他:例えば、グラファイト、フッ化黒鉛、窒
化ホウ素等 特に優れた潤滑性を必要とする場合には、ポリエチレン
ワックス、ポリ4フッ化エチレン樹脂、窒化ホウ素の中
から選ばれる少なくとも1種を使用することが好まし
い。またポリエチレンワックスとポリ4フッ化エチレン
樹脂を併用することにより、特に優れた潤滑性が得られ
る。
【0066】本発明において固体潤滑剤の平均粒子径
は、0.05〜25μmとすることが好ましい。平均粒
子径が0.05μm未満であると、潤滑剤の表面濃化に
より、有機皮膜最表層に占める潤滑剤の占有面積が多く
なり塗料密着性を劣化させる。一方で、平均粒子径が2
5μmを超えると、有機皮膜から潤滑剤の脱落により、
所定の潤滑性が得られず、耐食性にも劣る。特に優れた
塗料密着性、耐食性、湿潤性、耐パウダリング性を得る
には平均粒子径は1〜15μmがより好ましく、3〜1
0μmが最も好ましい。
【0067】またポリエチレンワックスの軟化点を10
0℃〜135℃、さらに好ましくは110℃〜130℃
とすることにより、潤滑性、耐パウダリング性はさらに
向上する。
【0068】有機系皮膜中に含まれ得る潤滑剤および/
または防錆添加剤の含有量は、防錆添加剤が有機樹脂
(1)100重量部(固形分)に対して1〜100重量
部(固形分)であり、固体潤滑剤は有機樹脂(1)10
0重量部(固形分)に対して1〜80重量部(固形分)
とすることが好ましい。防錆添加剤の含有量が有機樹脂
(1)100重量部に対して1重量部未満では、耐食性
の向上効果が十分ではなく、100重量部を超えると塗
料密着性、潤滑性が劣化する。塗料密着性、潤滑性、耐
食性の観点から特に好ましい配合量は、10〜80重量
部、さらに望ましくは20〜70重量部である。一方、
固体潤滑剤の含有量が有機樹脂(1)100重量部に対
して1重量部未満では、潤滑性の向上効果が十分ではな
く、80重量部を超えると塗料密着性、耐食性が劣化す
る。塗料密着性、潤滑性、耐食性の観点から特に好まし
い配合量は、5〜50重量部、さらに望ましくは15〜
35重量部である。
【0069】本発明では、防錆添加剤と固体潤滑剤を併
用させることも可能であり、両者を併用させることによ
りより優れた品質性能が得られる。
【0070】また、本発明の有機系皮膜は前述した有機
樹脂と、必要に応じて防錆添加剤および/または固体潤
滑剤が主たる成分となるが、その他にも、品質性能に悪
影響を及ぼさないかぎりにおいては、前述した樹脂以外
の有機樹脂(例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ア
ルキド系樹脂、フッ素系樹脂、アクリルシリコーン樹
脂、シリコーン樹脂、フェノール系樹脂、メラニン系樹
脂、アミノ系樹脂)、アルミナ、ジルコニア等の酸化物
微粒子、導電性物質、着色顔料(例えば、縮合多環系有
機顔料、フタロシアニン系有機顔料等)、着色染料(例
えば、アゾ系染料、アゾ系金属錯塩染料等)、成膜助
剤、分散性向上剤、消泡剤等の1種または2種以上を配
合することも可能である。
【0071】有機系皮膜の皮膜付着量は0.05〜1.
5g/m2 とすることが好ましい。皮膜付着量が0.0
5g/m2 未満では、耐食性、潤滑性が劣り、1.5g
/m 2 を超えると溶接性が劣化する。潤滑性、耐食性、
染料密着性、溶接性の観点から、特に好ましい付着量は
0.2〜1.0g/m2 であり、さらに好ましくは0.
3〜0.7g/m2 である。
【0072】本発明の有機系皮膜の形成方法は、前記有
機樹脂と必要に応じて防錆添加剤および/または潤滑剤
を主成分とする染料組成物を、前述のリン酸亜鉛皮膜が
形成された鋼板の少なくとも片面の表面に塗布し、乾燥
させることにより皮膜を形成する。なお、塗料組成物を
塗布する前にリン酸亜鉛皮膜が形成された鋼板に水洗、
乾燥等の前処理を任意に行うことは可能である。染料組
成物を鋼板に塗布する方法は任意である。通常はロール
コーター法により塗布するが、浸漬法やスプレー法によ
り塗布した後に、エアーナイフ法やロール絞り法により
塗布量を調整することも可能である。また、塗料組成物
を塗布した後の乾燥は、ドライヤー、熱風炉、高周波誘
導加熱炉、赤外線炉を用いて行なうことができる。
【0073】乾燥温度は、到達板温で50〜250℃が
好ましい。乾燥温度が50℃より低いと皮膜の乾燥が不
十分で皮膜にベタツキを生じ、乾燥後のロールタッチ時
に皮膜が損傷し塗料密着性、耐食性、潤滑性が劣ったも
のとなる。一方、到達板温が250℃を越えると、それ
以上の効果が得られず、製造コストの面で不利となる。
このような観点からより好ましい焼き付け温度は80〜
200℃、さらに望ましくは100〜170℃である。
【0074】本発明は、以上述べたような皮膜構造を両
面または片面に有する鋼板を含むものである。したがっ
て、本発明の態様としては、例えば以下のようなものが
ある。
【0075】(1)片面…鋼板表面+リン酸亜鉛複合皮
膜+有機系皮膜、 片面…鋼板表面+リン酸亜鉛複合皮膜 (2)片面…鋼板表面+リン酸亜鉛複合皮膜+有機系皮
膜、 片面…鋼板表面 (3)両面…鋼板表面+リン酸亜鉛複合皮膜+有機系皮
膜 また、本発明では、有機系皮膜層のさらに上層に第3層
として防錆油層を設けることもできる。この防錆油とし
ては、錆止め添加剤(例えば、油溶性界面活性剤)、石
油系基剤(例えば、鉱油、溶剤)、油膜調整剤(例え
ば、鉱油、結晶性物質、粘調物質)、酸化防止剤(例え
ば、フェノール系酸化防止剤)、潤滑剤(例えば、極圧
添加剤)を主な構成成分とした、通常の防錆油、洗浄防
錆油、潤滑防錆油等が挙げられる。通常の防錆油として
は、基剤を石油系溶剤に溶解・分解させた指紋除去型防
錆油、溶剤希釈型防錆油、ペトロラクタム、ワックスを
基剤とした潤滑油型防錆油、気化性防錆油等が挙げられ
る。
【0076】防錆油膜の付着量としては0.01〜10
g/m2 とすることが好ましい。付着量が0.01g/
2 未満では防錆油を付着させた効果は得られず、付着
量が10g/m2 を超えると脱脂不良となり塗料密着性
におとる。より優れた耐食性、塗料密着性、を得るため
には、付着量を0.5〜3g/m2 とすることがより好
ましい。
【0077】なお、本発明の表面処理鋼板は自動車、家
電用途に限らず、建材等の用途にも適用できる。
【0078】
【実施例】板厚0.7mm、表面粗さ(Ra)1.0μ
mの冷延鋼板を使用し、これに亜鉛系めっきを施しめっ
き鋼板を作成した。
【0079】この、めっき鋼板をアルカリ脱脂および水
洗、表面調整処理を行った後、リン酸亜鉛処理液に接触
させ、水洗、乾燥しリン酸亜鉛処理鋼板を作成した。次
いでこのリン酸亜鉛処理鋼板に塗料組成物をロールコー
ターにより塗布し、水洗することなく乾燥した後、防錆
油または洗浄油を塗布した。このようにして得られた表
面処理鋼板について、潤滑性、耐パウダリング性、耐食
性、塗料密着性、溶接性の各試験を行った。具体的な条
件は下記に示すとおりである。
【0080】(1)めっき鋼板 本実施例に使用した亜鉛系めっき鋼板のめっき種、およ
びめっき付着量を表2に示す。
【0081】(2)リン酸亜鉛複合処理 前記、めっき鋼板に脱脂、水洗を行い表面を清浄にした
後、表面調整液、リン酸亜鉛処理液の薬液組成、処理温
度、処理時間を調整し、付着量、皮膜組成の異なる表3
に示されるリン酸亜鉛処理鋼板を作成した。
【0082】下記にリン酸亜鉛処理鋼板の製造方法の一
例を示す。
【0083】[リン酸亜鉛複合被覆鋼板1]脱脂(FC
L4480(日本パーカライジング(株)製)、18g
/リットル、45℃、120秒スプレー)、次いで水洗
(20秒、スプレー)を施しためっき鋼板(表2のA)
に、50℃に昇温した後掲の表1に示すリン酸亜鉛処理
液1に10秒浸漬し、水洗、乾燥を行いリン酸亜鉛複合
被覆鋼板1を作成した。
【0084】[リン酸亜鉛複合被覆鋼板2]脱脂(FC
L4480(日本パーカライジング(株)製)、18g
/リットル、45℃、120秒スプレー)、次いで水洗
(20秒、スプレー)を施しためっき鋼板(表2のB)
に、表面調整処理(プレパレンZ(日本パーカライジン
グ(株)製)、1.5g/リットル、室温、2秒スプレ
ー)した後、45℃に昇温した後掲の表1に示すリン酸
塩処理液2に1秒浸漬し、水洗、乾燥を行いリン酸亜鉛
複合被覆鋼板2を作成した。
【0085】[リン酸亜鉛複合被覆鋼板3]前記リン酸
亜鉛複合被覆鋼板2のめっき鋼板として(表2のB)の
代わりに(表2のC)を用い、リン酸亜鉛処理液2への
浸漬時間を4秒とする以外はリン酸亜鉛複合被覆鋼板2
と同一の処理を行った。
【0086】[リン酸亜鉛複合被覆鋼板5]脱脂(FC
L4480(日本パーカライジング(株)製)、18g
/リットル、45℃、120秒スプレー)、次いで水洗
(20秒、スプレー)を施しためっき鋼板(表2のB)
に、表面調整処理(プレパレンZN(日本パーカライジ
ング(株)製)、1.5g/リットル、室温、2秒スプ
レー)した後、60℃に昇温した後掲の表1に示すリン
酸塩処理液3により4秒間スプレー処理し、水洗、乾燥
を行いリン酸亜鉛複合被覆鋼板5を作成した。
【0087】
【表1】
【0088】(3)塗料組成物 (3−1)有機樹脂 表4に有機皮膜に用いた有機樹脂(1)(基体樹脂+硬
化剤)を示す。なお、同表に示す基体樹脂A、Bと硬化
剤a〜e(ポリイソシアネート化合物)は下記に示す方
法で作成した。
【0089】[基体樹脂] (I)還流冷却器、撹拌装置、温度計および窒素ガス吹
込み装置を付属してある反応装置にエピコート1004
(シェル化学(株)製エポキシ樹脂;分子量約160
0)1600gにペラルゴン酸(試薬)57g、キシレ
ン80gを加え、170℃で反応させた。その後、減圧
下でキシレンを除去し、反応中間体[A]を得た。
【0090】(II)撹拌装置、還流冷却器、温度計、液
体滴下装置を付属してある反応装置にエピコート100
9(シェル化学(株)製エポキシ樹脂;分子量約375
0)1880g(0.5モル)とメチルイソブチルケト
ン/キシレン=1/1(重量比)の混合溶媒1000g
を加えた後、撹拌加熱し、溶媒の沸点下で均一に溶解し
た。その後、70℃まで冷却し、液体滴下装置に分取し
たジ(n−プロパノール)アミン70gを30分間を要
して滴下した。この間、反応温度を70℃に保持した。
滴下終了後120℃で2時間保持し、反応を完結させ
た。得られた反応物を樹脂Aとする。樹脂Aの有効成分
は66%である。
【0091】(III)上記(II)と同じ反応装置に
(I)で得た反応中間体[A]1650gとキシレン1
000gを秤取し、100℃に加熱し、これに液体滴下
装置に分取したジエタノールアミン65gとモノエタノ
ールアミン30gとを30分間要して滴下した。その後
120℃で2時間保持し、反応を完結させた。得られた
反応生成物を樹脂Bとする。樹脂Bの有効成分は63%
であった。
【0092】[硬化剤] (a)6官能イソシアネート(硬化剤a) 温度計、撹拌器および滴下ロート付還流冷却器を付属し
てある反応容器にイソホロンジイソシアネート222重
量部とメチルイソブチルケトン34重量部を秤取し、均
一に溶解した後、メチルエチルケトンオキシム87重量
部を前記滴下ロートから、70℃に保持した撹拌状態の
イソシアネート溶液中に2時間を要して滴下した。その
後、ソルビトール30.4重量部を加えて120℃に昇
温し、120℃で反応させた。その後、この反応物のI
R測定をし、 2250〜2270cm-1 のイソシアネート基による吸収がないことを確認し、ブ
チルセロソルブ50.4重量部を加え、硬化剤aを得
た。この硬化剤aの有効成分は80%であった。
【0093】(b)4官能イソシアネート(硬化剤b) 温度計、撹拌器および滴下ロート付還流冷却器を付属し
てある反応容器にイソホロンジイソシアネート222重
量部とメチルイソブチルケトン34重量部を秤取し、均
一に溶解した後、メチルエチルケトンオキシム87重量
部を前記滴下ロートから、70℃に保持した撹拌状態の
イソシアネート溶液中に2時間を要して滴下した。その
後、ペンタエリスリトール34重量部を加えて120℃
に昇温し、120℃で反応させた。その後、この反応物
のIR測定をし、 2250〜2270cm-1 のイソシアネート基による吸収がないことを確認し、ブ
チルセロソルブ52重量部を加え、硬化剤bを得た。こ
の硬化剤bの有効成分は80%であった。
【0094】(c)3官能イソシアネート(硬化剤c) 温度計、撹拌器および滴下ロート付還流冷却器を付属し
てある反応容器にデュラネートTPA−100(HMD
Iのイソシアヌル環タイプ;旭化成(株)製)550重
量部とメチルイソブチルケトン34重量部を秤取し、均
一に溶解した後、メチルエチルケトンオキシム270重
量部を前記滴下ロートから、70℃に保持した撹拌状態
のイソシアネート溶液中に2時間を要して滴下した。そ
の後、この反応物のIR測定をし、 2250〜2270cm-1 のイソシアネート基による吸収がないことを確認し、ブ
チルセロソルブ47重量部を加え、硬化剤cを得た。こ
の硬化剤cの有効成分は90%であった。
【0095】(d)2官能イソシアネート(硬化剤d) タケネートB−870N(IPDIのMEKオキシムブ
ロック体;武田薬品工業(株)製)を硬化剤dとして用
いた。
【0096】(e)ヘキサメチレンジイソシアネート系
6官能イソシアネート(硬化剤e) ヘキサメチレンジイソシアネート系の6官能イソシアネ
ート化合物であるデュラネートMF−B80M(HMD
I系の6官能イソシアネートのオキシムブロック体:旭
化成工業(株)製)を硬化剤eとして用いた。
【0097】(3−2)防錆添加剤 塗料組成物に使用した防錆添加剤を表5に示す。
【0098】(3−3)潤滑剤 塗料組成物に使用した固体潤滑剤を表6に示す。
【0099】(3−4)塗料組成物 本実施例で使用した塗料組成物を表7に示す。
【0100】(4)防錆油 表8に本実施例で用いた防錆油を示す。
【0101】
【表2】
【0102】
【表3】
【0103】
【表4】
【0104】
【表5】
【0105】
【表6】
【0106】
【表7】
【0107】
【表8】
【0108】
【表9】
【0109】以上の様にして作成した表面処理鋼板の構
成および、潤滑性、耐パウダリング性、耐食性、塗料密
着性、の評価結果を表9に示す。
【0110】なお、各特性の評価方法は以下の通りであ
る。
【0111】潤滑性 下記摺動条件での引き抜き力を測定し、摩擦係数=(引
抜き力)/(加圧力)により評価した。その評価基準は
下記の通りである。
【0112】 (摺動条件) 工具接触面積:50mm×10mm 工具材質:SKD11 加圧力 :400kgf 摺動速度:0.2m/min (評価基準) ◎:0.15以下 ○:0.15超0.17以下 △:0.17超0.20以下 ×:0.20超耐パウダリング性 供試材を30mm幅に剪断し、ビードの先端半径:0.
5mm、ビード高さ:4mm、押し付け力:500kg
f、引き抜き速度:200mm/minでドロービード
テストを行った後、ビード部で摺動を受けた部分を接着
テープで剥離し、テスト前後の単位面積当たりのめっき
剥離量を測定した。その評価基準は以下の通りである。
【0113】 ◎:2g/m2 未満 ○+:2g/m2 以上、3g/m2 未満 ○:3g/m2 以上、4g/m2 未満 △:4g/m2 以上、6g/m2 未満 ×:6g/m2 以上耐食性 1)無塗装耐食性 供試材に脱脂(日本パーカライジング(株)製FCL4
460(45℃、120秒浸漬))を行い、端部および
裏面をテープシールした後、下記の複合腐食試験サイク
ルの腐食促進試験を施し、6サイクル後の赤錆発生程度
で評価した。なお、評価基準を下記に示す。
【0114】(複合腐食試験サイクル) 塩水噴霧 35℃ 4時間 →乾燥 60℃ 2時間 →95%RH湿潤 50℃ 4時間 (評価基準) ◎:赤錆発生無し ○+:赤錆面積率25%未満 ○:赤錆面積率25%以上、50%未満 △:赤錆面積率50%以上、75%未満 ×:赤錆面積率75%以上 2)塗装後耐食性 供試材に下記に示す3コート塗装を行った後、カッター
ナイフでクロスカットし、端部および裏面をテープシー
ルした後、下記の複合腐食試験サイクルの腐食促進試験
を施し、300サイクル後のクロスカット部から片側膨
れ幅で評価した。なお、評価基準を下記に示す。
【0115】 (塗装(3コート)) リン酸亜鉛処理:SD6500MZ(標準条件) 電着塗装 :V20 膜厚20μm 中塗り塗装 :OTO870(ホワイトカラーシーラー) 膜厚35μm 上塗り塗装 :OTO647PT(シャストホワイト) 膜厚35μm (複合腐食試験サイクル) 塩水噴霧10分→乾燥155分→湿潤75分→乾燥16
0分→湿潤80分 (評価基準) ◎:3mm未満 ○+:3mm以上、4mm未満 ○:4mm以上、5mm未満 △:5mm以上、6mm未満 ×:6mm以上塗装性 1)塗料密着性1 試験片に脱脂を行った後、市販塗料デリコン700で3
0μmの塗装を施し、この試験片を沸騰水に120分浸
漬後、塗膜に1mm間隔のゴバン目を100個刻み、5
mmのエリクセン押し出し加工を行い、加工部を接着テ
ープを粘着・剥離して塗膜の残存率で評価した。その評
価基準は下記の通りである。
【0116】 ◎:剥離無し ○:剥離率3%未満 △:剥離率3%以上、10%未満 ×:剥離率10%以上 2)塗料密着性2 供試材に、下記1に示す3コート塗装を行った後、塗装
後24時間以上経時させた後、50℃のイオン交換水中
に240時間浸漬した後、試験片を取り出し、取り出し
直後30分以内に、塗膜に1mm間隔のゴバン目を10
0個刻み、接着テープを粘着、剥離して塗膜の残存率で
評価した。その評価基準は下記に示す。
【0117】 (塗装(3コート)) リン酸亜鉛処理:SD6500MZ(標準条件) 電着塗装 :V20 膜厚20μm 中塗り塗装 :OTO870(ホワイトカラーシーラー) 膜厚35μm 上塗り塗装 :OTO647PT(シャストホワイト) 膜厚35μm (評価基準) ◎:剥離無し ○:剥離率3%未満 △:剥離率3%以上、10%未満 ×:剥離率10%以上溶接性 先端径4.5mmのCF型電極、加圧力250kgf、
スクイズ時間:36サイクル/60Hz、通電時間14
サイクル/60Hz、溶接電流:チリ発生直前電流値で
供試材と軟鋼板をそれぞれ25点ずつ溶接する混合打点
による連続打点試験を行い、連続打点性で評価した。そ
の評価基準は以下の通りである。
【0118】 ◎:1500点以上 ○:1000点以上1500点未満 △:500点以上1000点未満 ×:500点未満
【0119】
【表10】
【0120】
【表11】
【0121】
【表12】
【0122】
【表13】
【0123】
【表14】
【0124】
【表15】
【0125】
【表16】
【0126】
【発明の効果】以上述べたように、本発明のリン酸塩複
合被覆鋼板は、優れた潤滑性、耐食性を示し、しかも塗
料密着性、溶接性にも優れていることから、自動車用、
家電用および建材用表面処理鋼板として極めて有用なも
のである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三好 達也 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 山下 正明 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 Fターム(参考) 4D075 AE03 BB75X CA09 CA13 CA33 CA43 DA06 DB02 DC12 EA37 EB13 EB16 EB33 EB38 EB53 EB56 EB57 EC01 EC03 EC10 EC15 EC53 EC54 4F100 AA04C AA04D AA04H AA09H AA20D AA20H AB03B AB09C AB14 AB16C AB18A AB31 AH01E AH08H AJ11H AK04D AK04H AK18D AK18H AK51D AK53D AL05D AL06D BA04 BA05 BA07 BA10B BA10D CA02 CA14D CA30D DE01D DE01H EH71A GB07 GB32 GB48 JA04D JA04H JA13C JA13D JA13E JA20D JA20H JB02 JB02E JK06 JL00 JL08H YY00C YY00D YY00E YY00H 4K026 AA02 AA07 AA09 AA12 AA13 AA22 BA01 BA04 BA12 BB04 BB06 BB08 BB10 CA16 CA18 CA23 CA39 CA41 DA15 DA16 EB08

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 亜鉛系めっき鋼板の表面に、第1層とし
    てニッケル、マンガンおよびマグネシウムの中から選ば
    れる少なくとも1種を含有する付着量0.2〜2.5g
    /m2 のリン酸亜鉛複合皮膜層を有し、その上部に第2
    層皮膜として下記(1)に示す有機樹脂を主成分とする
    有機系皮膜を有することを特徴とする耐食性、耐パウダ
    リング性、潤滑性、塗料密着性に優れたリン酸亜鉛複合
    処理鋼板。 (1)エポキシ樹脂の末端に少なくとも1個の塩基性窒
    素原子と少なくとも2個の1級水酸基とを付加した基体
    樹脂100重量部(固形分)に対し、1分子中に少なく
    とも2個のイソシアネート基を有するポリイソシアネー
    ト化合物を5〜80重量部(固形分)の割合で混合した
    エポキシ系樹脂。
  2. 【請求項2】 第1層であるリン酸亜鉛皮膜中にニッケ
    ル、マンガンおよびマグネシウムの中から選ばれる少な
    くとも1種を含有し、その含有率がトータルで0.5〜
    8.5質量%であることを特徴とする請求項1に記載の
    耐食性、耐パウダリング性、潤滑性、塗料密着性に優れ
    たリン酸亜鉛複合処理鋼板。
  3. 【請求項3】 第2層である有機系皮膜が固体潤滑剤お
    よび/または防錆添加剤を含有することを特徴とする請
    求項1または2に記載の耐食性、耐パウダリング性、潤
    滑性、塗料密着性に優れたリン酸亜鉛複合処理鋼板。
  4. 【請求項4】 防錆添加剤がシリカおよびリン酸塩の中
    から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請
    求項3に記載の耐食性、耐パウダリング性、潤滑性、塗
    料密着性に優れたリン酸亜鉛複合処理鋼板。
  5. 【請求項5】 シリカとして乾式シリカを含むことを特
    徴とする請求項4に記載の耐食性、耐パウダリング性、
    潤滑性、塗料密着性に優れたリン酸亜鉛複合処理鋼板。
  6. 【請求項6】 シリカとしてCa交換シリカを含むこと
    を特徴とする請求項4に記載の耐食性、耐パウダリング
    性、潤滑性、塗料密着性に優れたリン酸亜鉛複合処理鋼
    板。
  7. 【請求項7】 シリカの比表面積が20〜1000m2
    /gであることを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項
    に記載の耐食性、耐パウダリング、潤滑性、塗料密着性
    に優れたリン酸亜鉛複合処理鋼板。
  8. 【請求項8】 リン酸塩がカルシウム、アルミニウムお
    よび亜鉛のリン酸塩の中から選ばれる少なくも1種であ
    ることを特徴とする請求項4〜7に記載の耐食性、耐パ
    ウダリング性、潤滑性、塗料密着性に優れたリン酸亜鉛
    複合処理鋼板。
  9. 【請求項9】 固体潤滑剤がポリエチレンワックス、4
    フッ化エチレン樹脂、窒化ホウ素の中から選ばれる少な
    くとも1種であることを特徴とする請求項3〜8のいず
    れか1項に記載の耐食性、耐パウダリング性、潤滑性、
    塗料密着性に優れたリン酸亜鉛複合処理鋼板。
  10. 【請求項10】 固体潤滑剤の平均粒子径が0.05〜
    25μmであることを特徴とする請求項3〜9に記載の
    耐食性、耐パウダリング、潤滑性、塗料密着性に優れた
    リン酸亜鉛複合処理鋼板。
  11. 【請求項11】 ポリエチレンワックスの軟化点が10
    0℃〜135℃であることを特徴とする請求項9または
    10に記載の耐食性、耐パウダリング性、潤滑性、塗料
    密着性に優れたリン酸亜鉛複合処理鋼板。
  12. 【請求項12】 有機樹脂(1)に含まれるポリイソシ
    アネート化合物が、1分子中に少なくとも3個のイソシ
    アネート基を有する多官能ポリイソシアネート化合物で
    あることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に
    記載の耐食性、耐パウダリング性、潤滑性、塗料密着性
    優れたリン酸亜鉛複合処理鋼板。
  13. 【請求項13】 有機樹脂(1)に含まれる多官能ポリ
    イソシアネート化合物が、1分子中に少なくとも4個の
    イソシアネート基を有する多官能ポリイソシアネート化
    合物であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか
    1項に記載の耐食性、耐パウダリング性、潤滑性、塗料
    密着性に優れたリン酸亜鉛複合処理鋼板。
  14. 【請求項14】 有機樹脂(1)に含まれる多官能ポリ
    イソシアネート化合物が、1分子中に少なくとも6個の
    イソシアネート基を有する多官能ポリイソシアネート化
    合物であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか
    1項に記載の耐食性、耐パウダリング性、潤滑性、塗料
    密着性に優れたリン酸亜鉛複合処理鋼板。
  15. 【請求項15】 有機樹脂(1)に含まれる多官能ポリ
    イソシアネート化合物が、1分子中に少なくとも6個の
    イソシアネート基を有するヘキサメチレンジイソシアネ
    ートの多官能体であることを特徴とする請求項1〜11
    のいずれか1項に記載の耐食性、耐パウダリング性、潤
    滑性、塗料密着性に優れたリン酸亜鉛複合処理鋼板。
  16. 【請求項16】 有機系皮膜中に含まれる防錆添加剤の
    含有量が、固形分で有機樹脂(1)100重量部に対し
    て1〜100重量部であることを特徴とする請求項3〜
    15のいずれか1項に記載の耐食性、耐パウダリング
    性、潤滑性、塗料密着性に優れたリン酸亜鉛複合処理鋼
    板。
  17. 【請求項17】 有機系皮膜中に含まれる固体潤滑剤の
    含有量が、固形分で有機樹脂(i)100重量部に対し
    て1〜80重量部であることを特徴とする請求項3〜1
    6のいずれか1項に記載の耐食性、耐パウダリング性、
    潤滑性、塗料密着性に優れたリン酸亜鉛複合処理鋼板。
  18. 【請求項18】 有機系皮膜の付着量が0.05〜1.
    5m2 /gであることを特徴とする請求項1〜17のいず
    れか1項に記載の耐食性、潤滑性、塗料密着性に優れた
    リン酸亜鉛複合処理鋼板。
  19. 【請求項19】 最表層に、付着量0.01〜10g/
    2の防錆油膜層を有することを特徴とする請求項1〜
    18のいずれか1項に記載の耐食性、潤滑性、塗料密着
    性に優れたリン酸亜鉛複合処理鋼板。
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