JP3228675B2 - プレス成形性及び耐食性に優れた有機複合被覆鋼板 - Google Patents

プレス成形性及び耐食性に優れた有機複合被覆鋼板

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JP3228675B2 JP06013096A JP6013096A JP3228675B2 JP 3228675 B2 JP3228675 B2 JP 3228675B2 JP 06013096 A JP06013096 A JP 06013096A JP 6013096 A JP6013096 A JP 6013096A JP 3228675 B2 JP3228675 B2 JP 3228675B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車車体や家電
製品等に使用される亜鉛系めっき鋼板をベースとした有
機複合被覆鋼板であって、プレス成形性と耐食性に優れ
た有機複合被覆鋼板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車車体のプレス加工工程では、作業
性、脱脂性、化成処理性が要求されるため高粘度のプレ
ス油を使用する例は少なく、一般には、塗布されている
防錆油がそのままプレス油として使用される。また、特
に車体外板のプレス加工においては、押しキズ防止のた
めに洗浄油(潤滑性は防錆油よりさらに劣る)が使用さ
れている。そのため、形状が複雑な部位等の加工ではプ
レス割れ等のトラブルを起こし易いという問題がある。
そこで、形状が複雑な部位等の加工においても安定した
プレス成形が可能となるような、優れたプレス成形性を
有する材料の開発が求められている。
【0003】一方、家電製品の分野では、材料はプレス
油を使用して成形加工され、加工後にフロン系の溶剤で
脱脂した後使用されることが多い。しかし、フロン系の
溶剤は地球のオゾン層破壊の原因となることや、プレス
油を使用する作業環境は作業者にとって劣悪であること
から、最近では無塗油でプレス成形可能な有機複合被覆
鋼板の開発が進められている。以上のような背景の下
で、従来、次のような有機複合被覆鋼板が提案されてい
る。
【0004】(1) 特開昭64−8033号公報には、Z
n−Ni合金めっき鋼板の表面にクロメート層を有し、
その上層に第2層としてシリカやクロム酸塩を含有した
アミン変性エポキシ樹脂からなる有機皮膜を被覆した有
機複合被覆鋼板が示されている。 (2) 特開平3−284942号公報には、合金化溶融亜
鉛めっき鋼板の耐パウダリング性及び耐フレーキング性
を改善するため、有機皮膜中にシリカやフッ素樹脂微粉
末を含有させた有機樹脂被覆合金化溶融亜鉛めっき鋼板
が示されている。
【0005】(3) 特開平5−255587号公報には、
冷延鋼板または亜鉛系めっき鋼板の表面に何らかの表面
処理を施し、その上層に水分散型ポリウレタン樹脂、シ
リカ、ポリオレフィン系ワックスおよび/またはフッ素
樹脂微粉末を含有した有機皮膜を有する有機複合被覆鋼
板が示されている。 (4) 特開平5−65666号公報には、亜鉛系めっき鋼
板の表面にクロメート層を有し、その上層に水性樹脂、
シリカ、極性基を付与した分子量1000〜4000、
軟化温度150℃以下のポリオレフィンワックスディス
パージョン(粒径3.0μm以下)及びテフロンディス
パージョン(粒径3.0μm以下)を含有した有機皮膜
を有する有機複合被覆鋼板が示されている。
【0006】(5) 特開平6−173037号公報には、
エーテルエステル型ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリ
カ及びポリオレフィンワックスを含有した有機皮膜を有
する有機複合被覆鋼板が示されている。 (6) 特開平6−57440号公報には、亜鉛系またはア
ルミ系めっき鋼板の表面にクロメート層を有し、その上
層にカルボキシル変性エポキシ樹脂またはポリビニルブ
チラール樹脂、シリカ、ポリエチレンワックス及びポリ
四フッ化エチレン樹脂微粉末を含有した有機皮膜を有す
る有機複合被覆鋼板が示されている。
【0007】(7) 特開平2−43040号公報には、亜
鉛系めっき鋼板の表面にクロメート層を有し、その上層
にカルボキシル変性エポキシ樹脂またはポリビニルブチ
ラール樹脂、シリカ、融点70℃以上のポリオレフィン
ワックス及びフッ素樹脂微粉末(粒径1.0〜7.0μ
m)を含有した有機皮膜を有する有機複合被覆鋼板が示
されている。 (8) 特開平3−2257号公報には、冷延鋼板または亜
鉛系めっき鋼板の表面にリン酸塩皮膜またはクロメート
皮膜を有し、その上層にエポキシ系樹脂、シリカ、11
0℃以上の融点を有するポリオレフィン系ワックス(平
均粒子径2.0〜5.0μm、比重0.94〜0.9
8)及びフッ素樹脂微粉末を含有した有機皮膜を有する
有機複合被覆鋼板が示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した(1)
〜(8)の有機複合被覆鋼板は、小物の絞り部品のような
絞りビードを付けない金型によるプレス成形性では優れ
た潤滑特性が得られるが、自動車の大物部品に代表され
るような絞りビードを付けた金型によるプレス成形では
十分な潤滑特性が得られず、優れたプレス成形性を得る
ことができない。
【0009】また、最近、腐食環境下に鉄錆が共存する
ような特殊な環境下での耐食性(耐もらい錆性)が問題
とされはじめている(CAMP-ISIJ Vol.5(1992),p.169
3)。すなわち、有機複合被覆鋼板をこのような環境下
で使用すると、鉄錆が有機皮膜の表面に付着して、有機
複合被覆鋼板本来の優れた耐食性を著しく低下させ、そ
の結果、有機皮膜を施していない亜鉛系めっき鋼板に対
する優位性を低下させるという問題が指摘され、このよ
うな耐もらい錆性の改善が求められているが、上記(1)
〜(8)の有機複合被覆鋼板の耐食性は十分なレベルには
ない。
【0010】耐もらい錆性の改善に関して「GALVATECH'
92, p372」では、有機樹脂中の架橋剤の添加量を減少
させて架橋密度を低下させた場合、有機複合被覆鋼板の
耐もらい錆性が低下したことが記載されているが、耐も
らい錆性を向上させるための具体的な手段については何
も示していない。本発明はこのような従来技術の問題に
鑑みなされたもので、有機皮膜による潤滑性の向上によ
り、自動車の大物部品に代表されるような絞りビードを
付けた金型によるプレス成形においても優れたプレス成
形性が得られ、且つ耐食性に優れた有機複合被覆鋼板を
提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは有機複合被
覆鋼板の皮膜構成、有機皮膜の膜厚、さらには有機複合
被覆鋼板のベースめっき鋼板の表面粗さとプレス成形性
および耐食性等との関係について鋭意検討を重ねた結
果、以下のような知見を得た。まず、耐もらい錆性の向
上については、硬化剤としてポリイソシアネート化合物
を使用すること、ポリイソシアネート化合物を多官能化
することにより有機皮膜を高架橋密度化すること、ま
た、防錆添加剤としてシリカと難溶性クロム酸塩を特定
の割合で複合添加することが、優れた耐もらい錆性を得
る上で非常に有効であることが判った。
【0012】さらに、自動車の大物部品に代表されるよ
うな絞りビードを付けた金型によるプレス成形の向上を
目的として、有機複合被覆鋼板の絞りビード付きプレス
成形における成形性劣化要因を調査したところ、有機複
合被覆鋼板はビード通過時の曲げ、曲げ戻し等の塑性変
形を伴う摺動によって有機皮膜が剥離し、ビード通過後
はめっき層の露出面積がビード通過前と比較して極端に
増加すること、このため、ビード通過後の摺動ではめっ
き層とプレス金型が直接接触する面積が極端に増加する
結果潤滑性が劣化し、良好なプレス成形性が得られない
ことが判明した。そこで、ビード通過後の鋼板の潤滑性
向上について、さらに検討を重ねた結果、潤滑性の向上
に関して以下の事実が判明した。
【0013】(1) 有機皮膜の膜厚をある膜厚Co以上と
することにより、ビード通過後も良好な潤滑性が得られ
る。 (2) 有機複合被覆鋼板のベースめっき鋼板の表面粗さと
有機皮膜中の潤滑剤含有量によって、ビード通過後も良
好な潤滑性を有するに最低限必要な有機皮膜の膜厚Co
は異なり、良好な潤滑性を有するに最低限必要な有機皮
膜の膜厚Coと、有機皮膜中の潤滑剤含有量および有機
複合被覆鋼板のベースめっき鋼板の表面粗さRaとの間
には、下記実験式(i)の関係が存在し、有機皮膜の膜厚
をこの膜厚Co以上とすることにより、良好な潤滑性が
得られる。 0.1[Ra3+1.5{2/(D+2)}+0.5]=Co … (i) 但し Ra:亜鉛系めっき鋼板表面の中心線平均粗さ
(μm) D:有機皮膜中の潤滑剤(不揮発分)の含有量(wt
%) Co:良好な潤滑性を有するために必要な最低膜厚(μ
m)
【0014】(3) 潤滑剤として添加されるポリオレフィ
ンワックスとしては、チーグラー系触媒を用いた配位ア
ニオン重合法により製造されたポリオレフィンワックス
が優れた潤滑性を有しており、なかでも特定の軟化点お
よび分子量を有するポリエチレンワックスを用いること
により潤滑性が格段に向上する。 (4) フッ素樹脂微粉末としては、四フッ化エチレン樹脂
微粉末が特に優れた潤滑性を有し、その中でも低分子量
の四フッ化エチレン樹脂微粉末が特に優れた潤滑性を示
し、さらには特定の融点を有する四フッ化エチレン樹脂
微粉末を用いることにより、潤滑性が格段に向上する。
【0015】本発明はこのような知見に基づきなされた
もので、以下のような構成からなることをその特徴とす
る。 (1) 亜鉛系めっき鋼板の表面に第1層として、付着
量が金属クロム換算で5〜200mg/m2のクロメー
ト層を有し、その上層に第2層として、下記(i)に示す
有機高分子樹脂と防錆添加剤とを不揮発分の重量割合
で、有機高分子樹脂:30〜80wt%、防錆添加剤:
3〜50wt%の割合で含有する有機皮膜を有し、該有
機皮膜の膜厚が下記(ii)を満足するプレス成形性及び耐
食性に優れた有機複合被覆鋼板。 (i) OH基またはCOOH基を有する基体樹脂[A]
(但し、エポキシ樹脂の末端に少なくとも1個の塩基性
窒素原子と、少なくとも2個の一級水酸基とを付加した
エポキシ樹脂は除く)100重量部(固形分)に対し、
ポリイソシアネート化合物[B]を5〜80重量部(固
形分)の割合で混合した有機高分子樹脂 (ii) 有機皮膜の膜厚が下記(1)式を満足する。 0.1(Ra3+2)≦C≦3.0 … (1) 但し C:有機皮膜の膜厚(μm) Ra:亜鉛系めっき鋼板表面の中心線平均粗さ(μm)
【0016】(2) 亜鉛系めっき鋼板の表面に第1層
として、付着量が金属クロム換算で5〜200mg/m
2のクロメート層を有し、その上層に第2層として、下
記(i)に示す有機高分子樹脂と下記(ii)に示す潤滑剤と
防錆添加剤とを不揮発分の重量割合で、有機高分子樹
脂:30〜80wt%、潤滑剤:50wt%以下(但
し、0wt%を含まない)、防錆添加剤:3〜50wt
%の割合で含有する有機皮膜を有し、該有機皮膜の膜厚
が下記(iii)を満足するプレス成形性及び耐食性に優
れた有機複合被覆鋼板。 (i) OH基またはCOOH基を有する基体樹脂[A]
(但し、エポキシ樹脂の末端に少なくとも1個の塩基性
窒素原子と、少なくとも2個の一級水酸基とを付加した
エポキシ樹脂は除く)100重量部(固形分)に対し、
ポリイソシアネート化合物[B]を5〜80重量部(固
形分)の割合で混合した有機高分子樹脂 (ii) フッ素樹脂微粉末、ポリオレフィンワックス、1
つの粒子中にポリオレフィンとフッ素樹脂とが混在して
含まれる潤滑剤、グラファイト、窒化ホウ素、フッ化カ
ーボンのなかから選ばれる少なくとも1種の潤滑剤 (iii) 有機皮膜の膜厚が下記(2)式を満足する。 0.1[Ra3+1.5{2/(D+2)}+0.5]≦C≦3.0 … (2) 但し C:有機皮膜の膜厚(μm) Ra:亜鉛系めっき鋼板表面の中心線平均粗さ(μm) D:有機皮膜中の潤滑剤(不揮発分)の含有量(wt
%)
【0017】(3) 上記(2)の有機複合被覆鋼板に
おいて、有機皮膜に含まれる潤滑剤が、ポリオレフィン
ワックス(E)とフッ素樹脂微粉末(F)が重量比でE
/F=90/10〜10/90の割合で混合された複合
潤滑剤であるプレス成形性及び耐食性に優れた有機複合
被覆鋼板。 (4) 上記(2)または(3)の有機複合被覆鋼板に
おいて、有機皮膜に含まれるポリオレフィンワックス
(E)がチーグラー系触媒を用いる配位アニオン重合法
により製造されたポリオレフィンワックスであるプレス
成形性及び耐食性に優れた有機複合被覆鋼板。 (5) 上記(2)〜(4)のいずれかの有機複合被覆
鋼板において、有機皮膜に含まれるポリオレフィンワッ
クス(E)が、平均分子量:700〜4500、軟化
点:100〜140℃のポリエチレンワックスであるプ
レス成形性及び耐食性に優れた有機複合被覆鋼板。
【0018】(6) 上記(2)〜(5)のいずれかの
有機複合被覆鋼板において、有機皮膜に含まれるフッ素
樹脂微粉末(F)が、下記(a)の条件を満足する四フッ
化エチレン樹脂微粉末であるプレス成形性及び耐食性に
優れた有機複合被覆鋼板。 (a) JIS K 7199に準拠したキャピラリーレオメ
ーターによる流れ特性試験方法において、下記測定条件
の下で測定された見掛けの溶融粘度が、見掛けの剪断速
度との間で下記(3)式を満足する。
【数3】 測定条件 試験温度:330℃ バレル直径:9.55mm キャピラリー寸法:直径d=1mm,長さ1=10mm キャピラリーの入口:フラット
【0019】(7) 上記(2)〜(6)のいずれかの
有機複合被覆鋼板において、有機皮膜に含まれるフッ素
樹脂微粉末(F)が融点:300〜330℃である四フ
ッ化エチレン樹脂微粉末であるプレス成形性及び耐食性
に優れた有機複合被覆鋼板。 (8) 上記(2)の有機複合被覆鋼板において、有機
皮膜に含まれる潤滑剤が、1つの粒子中にポリオレフィ
ン(E′)とフッ素樹脂(F′)とが混在して含まれる
潤滑剤粒子からなる潤滑剤(G)、若しくは該潤滑剤
(G)とポリオレフィンワックス(E)および/または
フッ素樹脂微粉末(F)とが配合された複合潤滑剤であ
って、潤滑剤(G)を構成するポリオレフィン(E′)
及びフッ素樹脂(F′)、ポリオレフィンワックス
(E)及びフッ素樹脂微粉末(F)が下記重量比で配合
された潤滑剤若しくは複合潤滑剤であるプレス成形性及
び耐食性に優れた有機複合被覆鋼板。 (E+E′)/(F+F′)=10/90〜90/10
【0020】(9) 上記(8)の有機複合被覆鋼板に
おいて、有機皮膜に含まれる潤滑剤(G)を構成するポ
リオレフィン(E′)とポリオレフィンワックス(E)
が、チーグラー系触媒を用いる配位アニオン重合法によ
り製造されたポリオレフィンまたはポリオレフィンワッ
クスであるプレス成形性及び耐食性に優れた有機複合被
覆鋼板。 (10) 上記(8)または(9)の有機複合被覆鋼板
において、有機皮膜に含まれる潤滑剤(G)を構成する
ポリオレフィン(E′)とポリオレフィンワックス
(E)が、平均分子量:700〜4500、軟化点:1
00〜140℃のポリエチレンまたはポリエチレンワッ
クスであるプレス成形性及び耐食性に優れた有機複合被
覆鋼板。
【0021】(11) 上記(8)〜(10)のいずれ
かの有機複合被覆鋼板において、有機皮膜に含まれる潤
滑剤(G)を構成するフッ素樹脂(F′)とフッ素樹脂
微粉末(F)が、下記(a)の条件を満足する四フッ化エ
チレン樹脂または四フッ化エチレン樹脂微粉末であるプ
レス成形性及び耐食性に優れた有機複合被覆鋼板。 (a) JIS K 7199に準拠したキャピラリーレオメ
ーターによる流れ特性試験方法において、下記測定条件
の下で測定された見掛けの溶融粘度が、見掛けの剪断速
度との間で下記(3)式を満足する。
【数4】 測定条件 試験温度:330℃ バレル直径:9.55mm キャピラリー寸法:直径d=1mm,長さ1=10mm キャピラリーの入口:フラット
【0022】(12) 上記(8)〜(11)のいずれ
かの有機複合被覆鋼板において、有機皮膜に含まれる潤
滑剤(G)を構成するフッ素樹脂(F′)とフッ素樹脂
微粉末(F)が融点:300〜330℃の四フッ化エチ
レン樹脂または四フッ化エチレン樹脂微粉末であるプレ
ス成形性及び耐食性に優れた有機複合被覆鋼板。 (13) 上記(1)〜(12)のいずれかの有機複合
被覆鋼板において、有機皮膜に含まれる多官能ポリイソ
シアネート化合物が、1分子中に少なくとも3個のイソ
シアネート基を有する多官能ポリイソシアネート化合物
であるプレス成形性及び耐食性に優れた有機複合被覆鋼
板。 (14) 上記(1)〜(13)のいずれかの有機複合
被覆鋼板において、有機皮膜に含まれる多官能ポリイソ
シアネート化合物が、1分子中に少なくとも4個のイソ
シアネート基を有する多官能ポリイソシアネート化合物
であるプレス成形性及び耐食性に優れた有機複合被覆鋼
板。
【0023】(15) 上記(1)〜(12)のいずれ
かの有機複合被覆鋼板において、有機皮膜に含まれる多
官能ポリイソシアネート化合物が、1分子中に少なくと
も6個のイソシアネート基を有する多官能ポリイソシア
ネート化合物であるプレス成形性及び耐食性に優れた有
機複合被覆鋼板。 (16) 上記(1)〜(12)のいずれかの有機複合
被覆鋼板において、有機皮膜に含まれる多官能ポリイソ
シアネート化合物が、1分子中に少なくとも6個のイソ
シアネート基を有するヘキサメチレンジイソシアネート
の多官能体であるプレス成形性及び耐食性に優れた有機
複合被覆鋼板。
【0024】(17) 上記(1)〜(16)のいずれ
かの有機複合被覆鋼板において、OH基またはCOOH
基を有する基体樹脂が、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹
脂(但し、エポキシ樹脂の末端に少なくとも1個の塩基
性窒素原子と、少なくとも2個の一級水酸基とを付加し
たエポキシ樹脂は除く)及びポリヒドロキシポリエーテ
ル樹脂から選ばれた1種または2種以上の有機高分子樹
脂であるプレス成形性及び耐食性に優れた有機複合被覆
鋼板。 (18) 上記(1)〜(17)のいずれかの有機複合
被覆鋼板において、有機皮膜に含まれる防錆添加剤が、
シリカ及び/または難溶性クロム酸塩からなるプレス成
形性及び耐食性に優れた有機複合被覆鋼板。
【0025】(19) 上記(1)〜(17)のいずれ
かの有機複合被覆鋼板において、有機皮膜に含まれる防
錆添加剤が、重量比で下記割合のシリカ及び難溶性クロ
ム酸塩からなるプレス成形性及び耐食性に優れた有機複
合被覆鋼板。 シリカ/難溶性クロム酸塩=90/10〜2/98 (20) 上記(1)〜(19)のいずれかの有機複合
被覆鋼板において、有機皮膜の上層に第3層として、付
着量が0.01〜10g/m2の防錆油層を有してなる
プレス成形性及び耐食性に優れた有機複合被覆鋼板。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の詳細をその限定理
由とともに説明する。本発明で用いる亜鉛系めっき鋼板
の原板としては、一般加工用冷延鋼板(CQ)から深絞
り用冷延鋼板(DQ)、高深絞り用冷延鋼板(DD
Q)、超深絞り用冷延鋼板(EDDQ)に至る全ての軟
質加工用冷延鋼板が適用可能であり、また、電気めっき
に供される場合、焼鈍方法は箱焼鈍、連続焼鈍のいずれ
でもよい。また、原板としては焼付硬化性を有する比較
的強度レベルの低い高張力鋼板、390MPaを超える
一般の高張力鋼板、脱スケールした熱延鋼板等も用いる
ことができる。なお、高深絞り用冷延鋼板(DDQ)や
超深絞り用冷延鋼板(EDDQ)のようなプレス成形性
の優れた軟質加工用冷延鋼板を亜鉛系めっき鋼板の原板
として使用した場合には、特に優れた作用効果が得られ
る。
【0027】亜鉛系めっき鋼板のめっき層としては、Z
nめっき、Zn−Ni合金めっき(Ni含有率10〜1
5wt%)、Zn−Fe合金めっき(Fe含有率5〜2
5wt%またはFe含有率60〜90wt%)、Zn−
Mn合金めっき(Mn含有率30〜80wt%)、Zn
−Co合金めっき(Co含有率3〜15wt%)、Zn
−Cr合金めっき(Cr含有率5〜30wt%)、Zn
−Al合金めっき(Al含有率3〜60wt%)等が挙
げられる。また、耐食性向上を目的として、上記の各め
っき成分にCo、Fe、Ni、Cr等の合金元素、シリ
カ、アルミナ、難溶性クロム酸塩等の酸化物や塩類、ポ
リマー等を含有させることができる。
【0028】また、上記のめっき層のうち同種または異
種のものを2種以上めっきした複層めっきとすることも
できる。めっき方法としては、電解法、溶融法、気相法
のうち実施可能ないずれの方法を採用することもできる
が、素地鋼板の材質の選択性の面からは電解法が最も有
利である。めっき付着量としては、10g/m2未満で
は耐食性が劣るため問題がある。また、Zn−Ni合金
めっき、Zn−Fe合金めっき、Zn−Mn合金めっ
き、Zn−Co合金めっき、Zn−Cr合金めっきの場
合には、60g/m2を超えると耐パウダリング性が劣
るため、めっき付着量は10〜60g/m2とすること
が好ましく、また、より高度な耐食性、耐パウダリング
性を確保するためには、めっき付着量は15〜50g/
2とすることが好ましい。
【0029】さらに、Zn−Ni合金めっきについて
は、素地鋼板とZn−Ni合金めっき層との界面にNi
めっき層を設けることにより、優れた耐低温チッピング
性を確保することができる。このNiめっき層は、めっ
き付着量が0.05g/m2未満では十分な耐低温チッ
ピング性を得ることができず、一方、1g/m2を超え
ると耐パウダリング性が劣化するため、めっき付着量は
0.05〜1g/m2とすることが好ましく、また、よ
り高度な耐低温チッピング性及び耐パウダリング性を確
保するためには、0.1〜0.5g/m2とすることが
好ましい。
【0030】亜鉛系めっき鋼板の表面に形成されるクロ
メート層は、クロメート層中に含まれる6価のクロム酸
イオンによる不動態効果と、クロム酸イオンの還元生成
物である3価クロムのクロム水和酸化物皮膜が表面を被
覆することによりアノード面積が減少する効果、及び3
価クロムのクロム水和酸化物皮膜が水や酸素の拡散障壁
となる効果により鋼板の腐食を抑制する。このクロメー
ト層の付着量は、金属クロム換算で5〜200mg/m
2とする。付着量が5mg/m2未満では十分な耐食性が
得られず、一方、200mg/m2を超えると溶接性が
劣化する。また、より高度な耐食性、溶接性を得るため
には、10〜150mg/m2の範囲とすることが好ま
しい。
【0031】このクロメート層を形成するためのクロメ
ート処理としては、反応型、電解型、塗布型のいずれの
方法も適用可能である。耐食性の観点からは、クロメー
ト層中に6価のクロム酸イオンを多く含有する塗布型が
好ましい。塗布型クロメート処理としては、部分的に還
元されたクロム酸水溶液を主成分とし、これに下記(1)
〜(7)の成分の中から必要に応じて1種以上を添加した
処理液を亜鉛系めっき鋼板に塗布し、水洗することなく
乾燥させる。
【0032】(1) 水溶性または水分散性のアクリル樹
脂、ポリエステル樹脂等の有機樹脂 (2) シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア等の酸化
物コロイド類および/または粉末 (3) モリブデン酸、タングステン酸、バナジン酸等の酸
および/またはその塩類 (4) リン酸、ポリリン酸等のリン酸類 (5) ジルコニウムフッ化物、ケイフッ化物、チタンフッ
化物等のフッ化物 (6) 亜鉛イオン等の金属イオン (7) リン化鉄、アンチモンドープ型酸化錫等の導電性微
粉末 塗布型クロメート処理は、通常、ロールコーター法によ
り処理液を塗布するが、浸漬法やスプレー法により塗布
した後に、エアナイフ法やロール絞り法により塗布量を
調整することも可能である。
【0033】上記クロメート層の上層に第2層として形
成される有機皮膜は、クロメート層中の6価のクロム酸
イオンの腐食環境中への過剰な溶出を抑制して防食効果
を持続させるとともに、有機皮膜中に添加されたシリカ
や難溶性クロム酸塩等の防錆添加剤が耐食性をさらに向
上させる。また、有機皮膜中に添加された潤滑剤によ
り、プレス成形時の亜鉛系めっき鋼板の潤滑特性を向上
させる。この有機皮膜は、OH基またはCOOH基を有
する有機高分子樹脂を含有する樹脂液を塗布し、焼き付
けすることにより形成される。
【0034】OH基またはCOOH基を有する基体樹脂
としては、例えば、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂
(但し、エポキシ樹脂の末端に少なくとも1個の塩基性
窒素原子と、少なくとも2個の一級水酸基とを付加した
エポキシ樹脂は除く)、ポリヒドロキシポリエーテル樹
脂、アクリル系共重合体樹脂、エーテル−アクリル酸共
重合体樹脂、アルキッド樹脂、ポリブタジエン樹脂、フ
ェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミン樹脂、ポ
リフェニレン樹脂類及びこれらの樹脂の2種類以上の混
合若しくは付加縮合物などがあげられる。エポキシ樹脂
としては、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ノボ
ラック等をグリシジルエーテル化したエポキシ樹脂、ビ
スフェノールAにプロピレンオキサイド、エチレンオキ
サイドまたはポリアルキレングリコールを付加しグリシ
ジルエーテル化したエポキシ樹脂、さらには脂肪族エポ
キシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、ポリエーテル系エポキ
シ樹脂等を用いることができる。
【0035】これらエポキシ樹脂は、特に低温での硬化
を必要とする場合には数平均分子量1500以上のもの
が望ましい。なお、上記エポキシ樹脂は単独または異な
る種類のものを混合して使用することもできる。上記変
性エポキシ樹脂としては、上記エポキシ樹脂中のエポキ
シ基またはヒドロキシル基に各種変性剤を反応させた樹
脂が挙げられる。例えば、乾性油脂肪酸中のカルボキシ
ル基を反応させたエポキシエステル樹脂、アクリル酸、
メタクリル酸等で変性したエポキシアクリレート樹脂、
イソシアネート化合物を反応させたウレタン変性エポキ
シ樹脂、エポキシ樹脂にイソシアネート化合物を反応さ
せたウレタン変性エポキシ樹脂にアルカノールアミンを
付加したアミン付加ウレタン変性エポキシ樹脂等を挙げ
ることができる。
【0036】上記ポリヒドロキシポリエーテル樹脂は、
単核型若しくは2核型の2価フェノールもしくは単核型
と2価型との混合2価フェノールを、アルカリ触媒の存
在下にほぼ等モル量のエピハロヒドリンと重縮合させて
得られる重合体である。単核型2価フェノールの代表例
としてはレゾルシン、ハイドロキノンおよびカテコール
が挙げられ、2核型フェノールの代表例としてはビスフ
ェノールAが挙げられ、これらは単独で使用しても、あ
るいは2種以上併用してもよい。
【0037】上記アクリル系共重合体樹脂は、不飽和単
量体を用い、溶液重合法、エマルジョン重合法または懸
濁重合法等によって合成される樹脂であって、アクリル
酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリロトリル、
スチレン、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミ
ド、ビニルトルン等の単量体を1種または2種以上重合
することによって得られる。また、この樹脂を他のアル
キッド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などによっ
て変性させた樹脂とすることもできる。また、アルキッ
ド樹脂は、通常の合成方法によって得られる公知のもの
を使用することができ、例えば、油変性アルキッド樹
脂、ロジン変性アルキッド樹脂、フェノール変性アルキ
ッド樹脂、スチレン化アルキッド樹脂、シリコーン変性
アルキッド樹脂、アクリル変性アルキッド樹脂、オイル
フリーアルキッド樹脂(ポリエステル樹脂)などを挙げ
ることができる。
【0038】基体樹脂の硬化方法は、イソシアネートと
基体樹脂中の水酸基との間のウレタン化反応とすること
が好適ではあるが、皮膜形成前の塗料組成物を安定に保
存するためには硬化剤のイソシアネートを保護する必要
がある。イソシアネートの保護方法としては、加熱処理
時に保護基が脱離し、イソシアネート基が再生する保護
方法を採用できる。本発明で使用するポリイソシアネー
ト化合物は、1分子中に少なくとも2個のイソシアネー
ト基を有する脂肪族、脂環族(複素環を含む)または芳
香族イソシアネート化合物、若しくはそれらの化合物を
多価アルコールと部分的に反応せしめた化合物、若しく
はそれらの化合物のビューレットタイプ付加物、イソシ
アヌル環タイプ付加物等の化合物である。例えば、
【0039】 m−またはp−フェニレンジイソシア
ネート、2,4−または2,6−トリレンジイソシアネ
ート、またはp−キシリレンジイソシアネート、ヘキサ
メチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート、 トリフェニルメタン−4,4′,4″−トリイソシ
アネート、1,3,5−トリイソシアナトベンゼン、
2,4,6−トリイソシアナトトルエン、4,4′−ジ
メチルジフェニルメタン−2,2′,5,5′−テトラ
イソシアネート等の3個以上のイソシアネート基を有す
るポリイソシアネート化合物、
【0040】 上記の化合物の単独または混合と多
価アルコール(エチレングリコール、プロピレングリコ
ール等の2価アルコール類:グリセリン、トリメチロー
ルプロパン等の3価アルコール;ペンタエリスリトール
等の4価アルコール;ソルビトール、ジペンタエリスリ
トール等の6価アルコール等)との反応生成物で1分子
中に少なくとも2個のイソシアネート基が残存する化合
物、 ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイ
ソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシレンジ
イソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシ
アネート、4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルイ
ソシアネート)等のビューレットタイプ付加物、イソシ
アヌル環タイプ付加物、等がある。
【0041】特に、腐食環境中に鉄錆が共存し、有機皮
膜中の樹脂バリヤー性が腐食の抑制に大きく寄与する場
合には、1分子中に少なくとも3個のイソシアネート基
を有するポリイソシアネート化合物、より好ましくは4
個以上、さらに好ましくは6個以上のイソシアネート基
を有するポリイソシアネート化合物を硬化剤として用い
ることが好ましい。
【0042】このような1分子中に少なくとも3個のイ
ソシアネート基を有する多官能ポリイソシアネート化合
物としては、1分子中に3個以上のイソシアネート基を
有する化合物、少なくとも2個のイソシアネート基を有
するイソシアネート化合物を多価アルコールと反応せし
めた化合物、若しくはそれらのビューレットタイプ付加
物、イソシアヌル環タイプ付加物等の化合物がある。例
えば、トリフェニルメタン−4,4′,4′′−トリイ
ソシアネート、1,3,5−トリイソシアナトベンゼ
ン、2,4,6−トリイソシアナトトルエン、4,4′
−ジメチルジフェニルメタン−2,2′,5,5′−テ
トライソシアネート等の3個以上のイソシアネート基を
有するポリイソシアネート化合物;エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコー
ル、ポリアルキレングリコール、トリメチロールプロパ
ン、ヘキサントリオール等のポリオールの水酸基に対し
てイソシアネート基が過剰量となる量のポリイソシアネ
ート化合物を反応させてなる付加物;ヘキサメチレンジ
イソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリレ
ンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、
4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,
4′−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)
等のビューレットタイプ付加物、イソシアヌル環タイプ
付加物等がある。
【0043】上記ポリオールの水酸基に対してイソシア
ネート基が過剰量となる量のポリイソシアネート化合物
を反応させてなる付加物において、該ポリイソシアネー
ト化合物としては、上記3個以上のイソシアネート基を
有するポリイソシアネート化合物並びにヘキサメチレン
ジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシア
ネート、ダイマー酸ジイソシアネート、リジンジイソシ
アネート等の脂肪族ジイソシアネート化合物;イソホロ
ンジイソシアネート、4,4′−メチレンビス(シクロ
ヘキシルイソシアネート)、メチルシクロヘキサン−
2,4−(又は−2,6−)ジイソシアネート、1,3
−(又は1,4−)ジ(イソシアナトメチル)シクロヘ
キサン等の脂環族ジイソシアネート化合物;及びキシリ
レンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、m
−(又はp−)フェニレンジイソシアネート、ジフェニ
ルメタンジイソシアネート、ビス(4−イソシアナトフ
ェニル)スルホン等の芳香族ジイソシアネート化合物な
どを挙げることができる。
【0044】また、1分子中に少なくとも6個のイソシ
アネート基を有する多官能ポリイソシアネート化合物
(6官能ポリイソシアネート化合物)の中でも、特に、
ヘキサメチレンジイソシアネートの多官能体が耐もらい
錆性に最も有効である。なお、本発明で使用する多官能
ポリイソシアネート化合物は、1分子中のイソシアネー
ト基の数が異なる同属化合物の混合物であってもよい。
また、上記多官能ポリイソシアネート化合物の2種類以
上を併用してもよい。
【0045】先に述べたように皮膜形成物を安定に保存
するために硬化剤のイソシアネートを保護する方法とし
ては、加熱硬化時に保護基(ブロック剤)が脱離し、イ
ソシアネート基が再生する保護方法が採用でき、この保
護剤(ブロック剤)としては、例えば以下のようなもの
があり、これらの1種または2種以上と前記ポリイソシ
アネート化合物とを反応させることにより、少なくとも
常温下で安定に保護されたイソシアネート化合物を得る
ことができる。
【0046】(1) メタノール、エタノール、プロパノー
ル、ブタノール、オクチルアルコール等の脂肪族モノア
ルコール類 (2) エチレングリコールおよび/またはジエチレングリ
コールのモノエーテル類、例えば、メチル、エチル、プ
ロピル(n−,iso)、ブチル(n−,iso,sec)等の
モノエーテル類 (3) フェノール、クレゾール等のフェノール類 (4) アセトオキシム、メチルエチルケトンオキシム等の
オキシム類
【0047】硬化剤としてのポリイソシアネート化合物
(B)は、基体樹脂(A)100重量部(固形分)に対
して5〜80重量部(固形分)、好ましくは10〜50
重量部(固形分)の割合で配合する。硬化剤の配合量が
5重量部未満では、形成された皮膜の架橋密度が不十分
となり、耐もらい錆性の向上効果が小さい。一方、80
重量部を超えて配合すると、未反応の残留イソシアネー
トが吸水し、耐もらい錆性に効果がないばかりではな
く、逆に耐食性(耐穴あき性)や密着性が損なわれる。
このような理由から、ポリイソシアネート化合物の配合
量は、基体樹脂(A)100重量部に対して5〜80重
量部とする。
【0048】さらに、硬化剤としてメラミン、尿素およ
びベンゾグアナミンの中から選ばれた1種以上にホルム
アルデヒドを反応させてなるメチロール化合物の一部若
しくは全部に炭素数1〜5の1価アルコールを反応させ
てなるアルキルエーテル化アミノ樹脂を、イソシアネー
ト化合物と併用してもよい。なお、樹脂は以上のような
硬化剤で十分架橋するが、さらに低温架橋性を増大させ
るため、公知の硬化促進触媒を使用することが望まし
い。この硬化促進触媒としては、例えば、N−エチルモ
ルホリン、ジブチル錫ジラウレート、ナフテン酸コバル
ト、塩化第一スズ、ナフテン酸亜鉛、硝酸ビスマス等が
ある。
【0049】有機皮膜中の有機高分子樹脂の配合量は、
不揮発分の重量割合で30〜80wt%とする。有機高
分子樹脂の配合量が30wt%未満ではプレス成形性、
耐食性及び塗料密着性が劣化する。一方、80wt%を
超えると添加した潤滑剤や防錆添加剤の効果が十分発揮
されず、プレス成形性や耐食性が劣化する。また、より
高度なプレス成形性、耐食性及び塗料密着性を得るため
には、40〜70wt%の範囲とすることが好ましい。
【0050】有機皮膜に潤滑剤を添加することにより、
プレス成形性は格段に向上する。また、潤滑剤無添加の
有機皮膜と比較し、より低膜厚で良好なプレス成形性が
得られる。これは、有機皮膜中に潤滑剤が添加されるこ
とにより、有機皮膜自体の潤滑性が向上する結果、ビー
ド通過時に剥離せず残存した有機皮膜でも、十分な潤滑
性が付与できるためであると考えられる。有機皮膜中の
潤滑剤添加量が50wt%を超えるとカチオン電着塗料
との密着性が劣化するため、潤滑剤添加量は50wt%
以下とする。さらに、より高度なプレス成形性、塗料密
着性を得るためには、5〜40wt%の範囲とすること
が好ましい。
【0051】潤滑剤としては、フッ素樹脂微粉末(例え
ば、四フッ化エチレン樹脂、四フッ化エチレン−六フッ
化プロピレン共重合樹脂、四フッ化エチレン−パーフロ
ロアルキルビニルエーテル共重合樹脂、四フッ化エチレ
ン−エチレン共重合樹脂、三フッ化塩化エチレン樹脂、
フッ化ビニリデン樹脂等の微粉末)、ポリオレフィンワ
ックス(例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレ
ンワックス等)、1つの粒子中にポリオレフィンとフッ
素樹脂とが混在して含まれる潤滑剤、グラファイト、窒
化ホウ素、フッ化カーボンの中から選ばれる少なくとも
1種の潤滑剤を用いる。ここで、ポリオレフィンワック
ス(E)とフッ素樹脂微粉末(F)とを不揮発分の重量
比でE/F=90/10〜10/90の割合で複合添加
することにより、潤滑性は格段に向上する。
【0052】ポリオレフィンワックス(E)とフッ素樹
脂微粉末(F)とを複合添加することにより、優れた潤
滑性が得られるメカニズムは必ずしも明確ではないが、
ポリオレフィンワックスが摺動時に溶融軟化することに
よる半溶融性の潤滑機構を有し、一方、フッ素樹脂微粉
末の潤滑特性がC−F結合の小さい分極による弱い分子
間相互作用により自己潤滑性を有し、且つ劈開すること
による劈開性の潤滑機構を有していることから、このよ
うな潤滑機構が異なる潤滑剤を複合添加することによる
相乗効果により優れた潤滑性が得られるものと考えられ
る。
【0053】ポリオレフィンワックス(E)とフッ素樹
脂微粉末(F)の重量比は、E/F=90/10〜10
/90の範囲とする。ポリオレフィンワックス/フッ素
樹脂微粉末の重量比は10/90未満でも、また90/
10を超えても複合添加による相乗効果が不十分とな
り、十分な潤滑性が得られない。また、E/Fの重量比
は70/30〜30/70の範囲において特に優れた潤
滑性能が得られる。
【0054】本発明において、潤滑剤として使用するポ
リオレフィンワックスとしては、チーグラー系触媒を用
いる配位アニオン重合法により製造されたポリオレフィ
ンワックスが、特に潤滑性に優れているため好ましい。
ポリオレフィンワックスの主な製造方法としては以下の
ものがある。 (a) チーグラー系触媒を用いる配位アニオン重合法によ
り製造する方法 (b) ラジカル触媒を用いるラジカル重合法により製造す
る方法 (c) 一般成型用ポリオレフィンを熱分解する方法
【0055】これらのうち(b)及び(c)の方法で製造され
たポリオレフィンワックスは図1に示すような長鎖の分
岐を持つ枝分れ構造を有している。一方、(a)の方法に
より製造されたポリオレフィンワックスは、図2に示す
ように長鎖の分岐を有しておらず、直鎖状の構造を有し
ているため、有機皮膜中で長鎖の分岐による立体障害が
起こりにくい。このため、(b)または(c)の方法で製造さ
れたものと比較して有機皮膜の最表層に濃化しやすく、
工具とポリオレフィンワックスが直接接触する面積が増
加するため、(b)及び(c)の方法で製造されたポリオレフ
ィンワックスよりも優れた潤滑性を有するものと推定さ
れる。
【0056】また、潤滑剤として添加されるポリオレフ
ィンワックスとしては、先に述べたチーグラー系触媒を
用いる配位アニオン重合法により製造されたものを用い
ることが好ましいが、その中でも特に、ポリエチレンワ
ックスが最も潤滑性に優れているため好ましい。また、
ポリエチレンワックスの中でも、分子量700〜450
0、軟化点100℃〜140℃のものが特に優れた潤滑
性を示し、さらに分子量1000〜3500、軟化点1
10℃〜130℃のものが最も優れた潤滑性を示す。
【0057】図3に亜鉛系めっき鋼板(表4のNo.
6)の表面に、第1層としてクロメート層を有し、第2
層として有機高分子樹脂(表5のNo.15)に防錆添
加剤(シリカ+難溶性クロム酸塩)及び製法と分子量の
異なるポリエチレンワックス(軟化点110℃〜130
℃)を添加した有機皮膜(膜厚0.8μm)を有する有
機複合被覆鋼板について、有機皮膜中に添加したポリエ
チレンワックスの分子量とプレス成形性との関係を示
す。なお、同図に示されるプレス成形性は、後述する実
施例でのプレス成形性の条件2(条件1よりも厳しいプ
レス成形条件)に相当する。
【0058】図4に亜鉛系めっき鋼板(表4のNo.
6)の表面に、第1層としてクロメート層を有し、第2
層として有機高分子樹脂(表5のNo.15)に、防錆
添加剤(シリカ+難溶性クロム酸塩)、四フッ化エチレ
ン樹脂微粉末(表7のNo.17)及び製法と分子量が
異なるポリエチレンワックス(軟化点110℃〜130
℃)を添加した有機皮膜(膜厚0.8μm)を有する有
機複合被覆鋼板について、有機皮膜中に添加したポリエ
チレンワックスの分子量とプレス成形性との関係を示
す。なお、同図に示されるプレス成形性は、後述する実
施例でのプレス成形性の条件2(条件1よりも厳しいプ
レス成形条件)に相当する。
【0059】図3および図4によれば、チーグラー系触
媒を用いる配位アニオン重合法により製造され、且つ分
子量が700〜4500のポリエチレンワックスを用い
た場合に優れたプレス成形性を示し、その中でも分子量
が1000〜3500ものが特に優れたプレス成形性を
示すことが判る。また、ポリエチレンワックスをフッ素
樹脂微粉末と複合添加することにより、プレス成形性が
格段に向上することが判る。
【0060】図5に亜鉛系めっき鋼板(表4のNo.
6)の表面に、第1層としてクロメート層を有し、第2
層として有機高分子樹脂(表5のNo.15)に防錆添
加剤(シリカ+難溶性クロム酸塩)及び製法と軟化点が
異なるポリエチレンワックス(分子量1000〜350
0)を添加した有機皮膜(膜厚0.8μm)を有する有
機複合被覆鋼板について、有機皮膜中に添加したポリエ
チレンワックスの軟化点とプレス成形性との関係を示
す。なお、図5に示されるプレス成形性も、後述する実
施例でのプレス成形性の条件2(条件1よりも厳しいプ
レス成形条件)に相当する。
【0061】図6に亜鉛系めっき鋼板(表4のNo.
6)の表面に、第1層としてクロメート層を有し、第2
層として有機高分子樹脂(表5のNo.15)に、防錆
添加剤(シリカ+難溶性クロム酸塩)、四フッ化エチレ
ン樹脂微粉末(表7のNo.17)及び製法と軟化点が
異なるポリエチレンワックス(分子量1000〜350
0)を添加した有機皮膜(膜厚0.8μm)を有する有
機複合被覆鋼板について、有機皮膜中に添加したポリエ
チレンワックスの軟化点とプレス成形性との関係を示
す。なお、図6に示されるプレス成形性は後述する実施
例でのプレス成形性の条件2(条件1よりも厳しいプレ
ス成形条件)に相当する。
【0062】図5及び図6によれば、チーグラー系触媒
を用いる配位アニオン重合法により製造され、且つ軟化
点100℃〜140℃のポリエチレンワックスを用いた
場合に優れたプレス成形性を示すことが判る。軟化点が
100℃未満では、摺動時にポリエチレンワックスが完
全に液化流動して塗布した油と混じり合ってしまい、ポ
リエチレンワックス本来の潤滑特性を発揮できず、この
ため十分なプレス成形性は得られない。一方、軟化点が
140℃を超えると、逆に摺動時に軟化しないためポリ
エチレンワックス本来の半溶融性の潤滑機構が機能せ
ず、この場合もプレス成形性は向上しない。また、図5
及び図6によれば軟化点110℃〜130℃のものが特
に優れたプレス成形性を示すことが判る。また、ポリエ
チレンワックスをフッ素樹脂微粉末と複合添加すること
によりプレス成形性が格段に向上することが判る。
【0063】なお、チーグラー系触媒を用いる配位ア
ニオン重合法により製造されたポリエチレンワックス
に、酸化によってカルボキシル基、水酸基またはカルボ
ニル基等の極性基を付与すること、同じく酸、エステ
ル、芳香族等により変性すること、チーグラー系触媒
を用いた配位アニオン重合の際にα−オレフィン等と共
重合させること、等によって製造されたポリエチレンワ
ックスでも、軟化点及び分子量が上記の範囲にあれば潤
滑性に何ら問題はなく、優れたプレス成形性を示す。
【0064】潤滑剤として使用するフッ素樹脂微粉末と
しては、分子量が小さい四フッ化エチレン樹脂微粉末が
潤滑特性に優れているため好ましい。四フッ化エチレン
樹脂微粉末は直接分子量を測定するのが困難であるた
め、JIS K 7199に規定されているキャピラリー
レオメーターによる流れ特性試験方法によって測定され
た見掛けの溶融粘度の見掛け剪断速度依存性を測定する
ことにより、分子量の目安とすることができる。或る見
掛けの剪断速度における見掛けの溶融粘度は分子量が大
きい程大きく、逆に分子量が小さくなると見掛けの溶融
粘度は小さくなる。
【0065】そして、JIS K 7199に準拠したキ
ャピラリーレオメーターによる流れ特性試験方法におい
て、下記測定条件の下で測定された見掛けの溶融粘度
が、見掛けの剪断速度との間で下記(3)式を満足する四
フッ化エチレン樹脂微粉末が、特に潤滑特性に優れてい
るため好ましい。
【数5】 測定条件 試験温度:330℃ バレル直径:9.55mm キャピラリー寸法:直径d=1mm,長さ1=10mm キャピラリーの入口:フラット
【0066】四フッ化エチレン樹脂微粉末は、その平均
粒子径が0.1〜6μmの範囲のものが特に好ましい。
平均粒子径が0.1μm未満の場合には、四フッ化エチ
レン樹脂微粉末が有機皮膜中に完全に隠薮され、十分な
潤滑性を発揮できない。一方、平均粒子径が6μm超で
は有機樹脂が四フッ化エチレン樹脂微粉末を保持できな
くなり、プレス成形時に欠落し易くなるため潤滑性が劣
る。また、この範囲の平均粒子径を有し且つ上記(3)式
を満足する四フッ化エチレン樹脂微粉末の中でも、融点
が300〜330℃の四フッ化エチレン樹脂微粉末が、
特にプレス成形性に優れている。
【0067】図7に、亜鉛系めっき鋼板(表4のNo.
6)の表面に第1層としてクロメート層を有し、第2層
として有機高分子樹脂(表5のNo.15)に防錆添加
剤(シリカ+難溶性クロム酸塩)及び上記(3)式を満足
した融点の異なる四フッ化エチレン樹脂微粉末(平均粒
子径3〜5μm)を添加した有機皮膜(膜厚0.8μ
m)を有する有機複合被覆鋼板と、亜鉛系めっき鋼板
(表4のNo.6)の表面に第1層としてクロメート層
を有し、第2層として有機高分子樹脂(表5のNo.1
5)に防錆添加剤(シリカ+難溶性クロム酸塩)、ポリ
エチレンワックス(表6のNo.3)及び(3)式を満足
した融点の異なる四フッ化エチレン樹脂微粉末(平均粒
子径3〜5μm)を添加した有機皮膜(膜厚0.8μ
m)を有する有機複合被覆鋼板について、有機皮膜中に
添加した四フッ化エチレン樹脂微粉末の融点とプレス成
形性との関係を示す。なお、図7に示されるプレス成形
性は、後述する実施例でのプレス成形性の条件2に相当
する。図7によれば、融点300〜330℃の範囲で優
れたプレス成形性が得られている。このため四フッ化エ
チレン樹脂微粉末としては、融点が300〜330℃の
ものを用いることが好ましい。
【0068】先に述べたように本発明の有機複合被覆鋼
板が塗油成形においても優れた潤滑性を示すのは、ポリ
オレフィンワックス(好ましくは、ポリエチレンワック
ス)とフッ素樹脂微粉末(好ましくは、4フッ化エチレ
ン樹脂微粉末)という潤滑機構が異なる潤滑剤を複合添
加することによって得られる相乗効果によるものであ
る。したがって、所謂メルトブレンドによって1つの粒
子中にポリオレフィン成分とフッ素樹脂成分とが混在す
るような形態に製造された潤滑剤粒子からなる潤滑剤を
用いた場合にも、上記ポリオレフィンワックスとフッ素
樹脂微粉末とを複合添加した場合と同等若しくはそれに
近い潤滑性が得られる。また、このような潤滑剤と上記
ポリオレフィンワックスおよび/またはフッ素樹脂微粉
末とを複合添加した場合も同様である。
【0069】そして、このように1つの粒子中にポリオ
レフィン(E′)とフッ素樹脂(F′)とが混在して含
まれる潤滑剤粒子からなる潤滑剤(G)を用いる場合、
若しくはこの潤滑剤(G)とポリオレフィンワックス
(E)および/またはフッ素樹脂微粉末(F)とを複合
添加して用いる場合には、潤滑剤(G)を構成するポリ
オレフィン(E′)及びフッ素樹脂(F′)、ポリオレ
フィンワックス(E)およびフッ素樹脂微粉末(F)の
配合割合は、重量比で(E+E′)/(F+F′)=1
0/90〜90/10とする。先に述べたE/Fの重量
比と同様、(E+E′)/(F+F′)の重量比が10
/90未満でも、また90/10を超えても複合添加に
よる相乗効果が不十分となり、十分な潤滑性が得られな
い。また、より優れた潤滑性を得るという観点からは、
上記の重量比は30/70〜70/30の範囲が特に好
ましい。
【0070】また、上記の1つの粒子中にポリオレフィ
ンとフッ素樹脂とが混在して含まれる潤滑剤粒子からな
る潤滑剤(G)についても、その構成成分であるポリオ
レフィンとフッ素樹脂の好ましい条件は先に述べたポリ
オレフィンワックスとフッ素樹脂微粉末と同様である。
すなわち、潤滑剤(G)を構成するフッ素樹脂は上記
(3)式を満足する見掛けの溶融粘度の見掛けの剪断速度
依存性を有する四フッ化エチレン樹脂であることが好ま
しく、また、同じく潤滑剤(G)を構成するポリオレフ
ィンはチーグラー系触媒を用いる配位アニオン重合法に
より製造されたものであることが好ましく、その中でも
特に、分子量:700〜4500、軟化点:100〜1
40℃、より望ましくは分子量:1000〜3500、
軟化点:110〜130℃のポリエチレンであることが
好ましい。
【0071】有機皮膜中の防錆添加剤の添加量は3〜5
0wt%とする。添加量が3wt%未満では耐もらい錆
性の向上効果が不十分であり、一方、50wt%を超え
るとプレス成形時に皮膜の剥離が起こりプレス成形性を
劣化させる。また、より高度な耐もらい錆性及びプレス
成形性を得るためには、5〜40wt%の範囲とするこ
とが好ましい。防錆添加剤としては、シリカ、難溶性ク
ロム酸塩、トリポリリン酸二水素アルミニウム、リンモ
リブデン酸アルミニウム、リン酸亜鉛等の微粉末やコロ
イドを使用することができるが、これらのうち耐食性の
観点からはシリカと難溶性クロム酸塩が最も好ましい。
シリカは腐食環境中に微量に溶解し、ケイ酸イオンが皮
膜形成型腐食抑制剤として機能することにより、防食効
果が発揮されるものと推定される。また、難溶性クロム
酸塩は腐食環境中で微量に溶解することにより、6価の
クロム酸イオンを放出し、クロメート層と同様のメカニ
ズムで亜鉛系めっき鋼板の腐食を抑制するものと考えら
れる。
【0072】また、シリカと難溶性クロム酸塩を複合添
加することによりさらに高度な耐食性を得ることが可能
となる。すなわち、有機皮膜中にシリカおよび難溶性ク
ロム酸塩をシリカ/難溶性クロム酸塩の重量比で90/
10〜2/98の範囲で添加することにより、両成分の
相乗的な防食効果によって最も優れた耐食性が得られ
る。シリカ/難溶性クロム酸塩の重量比が90/10を
超えても、また、2/98未満でも相乗効果が不十分と
なり、耐食性がやや劣る。
【0073】図8に有機皮膜中に硬化剤としてヘキサメ
チレンジイソシアネート系の6官能ポリイソシアネート
化合物を添加し、且つ防錆添加剤としてシリカと難溶性
クロム酸塩を重量比を変えて添加した有機複合被覆鋼板
について、シリカ/難溶性クロム酸塩の重量比と未塗装
耐食性(耐穴あき性試験200サイクル後の評価)及び
耐もらい錆性(耐もらい錆性試験15サイクル後の評
価)との関係について示す。なお、同図に示される耐も
らい錆性は、後述する実施例での耐もらい錆性の条件2
(条件1よりも厳しい耐もらい錆性試験条件)に相当す
る。
【0074】図8によれば、シリカ/難溶性クロム酸塩
の重量比が90/10を超えると耐もらい錆性が劣化
し、一方、2/98未満では通常の未塗装耐食性(耐穴
あき性)が劣化している。したがって、シリカ/難溶性
クロム酸塩の配合比は90/10〜2/98、望ましく
は50/50〜10/70とすることが好ましい。
【0075】さらに、後述する実施例(No.1とN
o.307)から明らかなように、ヘキサメチレンジイ
ソシアネート系の6官能ポリイソシアネート化合物とイ
ソホロンジイソシアネート系の6官能ポリイソシアネー
ト化合物とを比べた場合、シリカ/難溶性クロム酸塩の
配合比を同一とした場合には、ヘキサメチレンジイソシ
アネート系の6官能ポリイソシアネート化合物を用いた
方がより優れた耐もらい錆性が得られる。
【0076】本発明で使用するシリカとしては、乾式シ
リカ(例えば、日本アエロジル(株)製のAEROSI
L 130、AEROSIL 200、AEROSIL
300、AEROSIL 380、AEROSIL R9
72、AEROSIL R811、AEROSIL R8
05等)、オルガノシリカゾル(例えば、日産化学工業
(株)製のMA−CT、IPA−ST、NBA−ST、
IBA−ST、EG−ST、XBA−ST、ETC−S
T、DMAC−ST等)、沈降法湿式シリカ(例えば、
徳山曹逹(株)製のT−32(S)、K−41、F−8
0等)、ゲル法湿式シリカ(例えば、富士デヴィソン化
学(株)製のサイロイド244、サイロイド150、サ
イロイド72、サイロイド65、SHIELDEX等)
等を使用することができる。また、上記のシリカを2種
以上混合して使用することも可能である。
【0077】シリカには親水性シリカと疎水性シリカと
がある。これらのうち親水性シリカでも耐もらい錆性の
向上効果は期待できるが、疎水性シリカのほうが耐もら
い錆性を顕著に向上させる。親水性シリカは、その表面
が水酸基(
【化1】 )で覆われており、親水性を示す。このシラノール基は
反応性に富むため各種有機化合物と反応しやすく、シリ
カ表面を有機化することができる。一方、疎水性シリカ
は、このような親水性シリカ表面のシラノール基の一部
または大部分をメチル基やアルキル基で置換反応させ、
シリカ表面に疎水化させたものである。
【0078】疎水性シリカの製法は多種多様であり、そ
の代表的なものとして、アルコール類、ケトン類、エス
テル類等の有機溶剤、シラン類、シラザン類、ポリシロ
キサン類等の反応であり、反応の方法としては、有機溶
媒中における反応加圧法、触媒加熱法等がある。シリカ
は優れた防食効果を有しているが、先に述べたように親
水性シリカよりも疎水性シリカのほうが耐もらい錆性を
向上させる効果が大きい。親水性シリカはその強い親水
性のために鉄錆中の鉄イオンや鉄の酸化物の浸透を招き
やすく、これが耐もらい錆性向上に効果が少ない理由で
あると推定される。このため本発明においては、防錆添
加剤としては疎水性シリカを用いるほうが好ましい。
【0079】本発明で使用する難溶性クロム酸塩として
は、クロム酸バリウム(BaCrO4)、クロム酸スト
ロンチウム(SrCrO4)、クロム酸カルシウム(C
aCrO4)、クロム酸亜鉛(ZnCrO4・4Zn(O
H)2)、クロム酸亜鉛カリウム(K2O・4ZnO・4
CrO3・3H2O)、クロム酸鉛(PbCrO4)等の
微粉末が使用できる。また、上記の難溶性クロム酸塩を
2種以上混合して使用することも可能である。但し、耐
食性の観点からは、長期にわたって6価のクロム酸イオ
ンによる自己修復効果の期待できるクロム酸バリウム、
クロム酸ストロンチウムを使用することが好ましい。
【0080】また、自動車の塗装前処理工程において、
有機皮膜中に添加した難溶性クロム酸塩からの水可溶性
クロムの溶出をできるだけ少なくするという観点から
は、水に対する溶解度の小さいクロム酸バリウムを用い
ることが好ましい。難溶性クロム酸塩の平均粒子径とし
ては0.1〜1.0μmの範囲が好ましい。平均粒子径
が0.1μm未満では難溶性クロム酸塩の水に対する溶
解性が過剰となるため、6価のクロム酸イオンによる自
己修復効果の持続性が無くなり、一方、1μmを超える
と電着塗装面の平滑性が低下し鮮映性が劣化する傾向が
あるためである。
【0081】なお、本発明では上記の潤滑剤および防錆
添加剤が樹脂組成物中への主たる添加成分となるが、そ
の他にも導電性物質(例えば、リン化鉄、グラファイ
ト、アンチモンドープ型酸化錫、アンチモンドープ型酸
化錫被覆酸化チタン、アンチモンドープ型酸化インジウ
ム、カーボンブラック、チタンブラック、金属粉末
等)、シランカップリング剤、着色顔料(例えば、縮合
多環系有機顔料、フタロシアニン系有機顔料等)、着色
染料(例えば、アゾ系染料、アゾ系金属錯塩染料等)、
界面活性剤等の1種以上を配合することも可能である。
【0082】有機皮膜は、クロメート皮膜上に下記(2)
式を満足する範囲の膜厚で形成される。 0.1[Ra3+1.5{2/(D+2)}+0.5]≦C≦3.0 … (2) 但し C:有機皮膜の膜厚(μm) Ra:亜鉛系めっき鋼板表面の中心線平均粗さ(μm) D:有機皮膜中の潤滑剤(不揮発分)の含有量(wt
%) 0≦D≦50
【0083】まず、有機皮膜の下限値はビード通過後の
潤滑性から規定される。前述したように、自動車の大物
部品に代表されるような絞りビードを付けた金型による
プレス成形の向上を目的として、有機複合被覆鋼板のビ
ード付きプレス成形における成形性劣化要因を調査した
ところ、有機複合被覆鋼板はビード通過時の曲げ、曲げ
戻し等の塑性変形を伴う摺動によって有機皮膜が剥離を
起こし、ビード通過後は、ビード通過前と比較してめっ
き層がより多く露出した状態となり、めっき層とプレス
金型が直接接触する面積がビード通過前と比較して極端
に増加する。その結果、ビード通過後は潤滑性が劣化
し、良好なプレス成形性が得られないことが判明した。
そこで、本発明者らは、ビード通過後の鋼板の潤滑性を
向上させるために、有機複合被覆鋼板のベースめっき鋼
板の表面粗さRa(中心線平均粗さ)、有機皮膜中の潤
滑剤含有量D、有機皮膜の膜厚Cとビード通過後の潤滑
性との関係について検討を行った。
【0084】図9〜図15に、表面粗さの異なる亜鉛系
めっき(表3のNo.1)鋼板の表面に、第1層として
クロメート層を有し、第2層として有機高分子樹脂(表
5ののNo.15)に防錆添加剤(シリカ+難溶性クロ
ム酸塩)と、潤滑剤(四フッ化エチレン樹脂微粉末(表
7のNo.17)+ポリオレフィンワックス(表6のN
o.3)):0〜50%を添加した有機皮膜(膜厚0.
05〜4.0μm)を有する有機複合被覆鋼板につい
て、有機複合被覆鋼板のベースめっき鋼板の表面粗さR
a、有機皮膜中の潤滑剤含有量D及び有機皮膜の膜厚C
とビード通過後の潤滑性との関係を調査した結果の一例
を示す。これによると、有機皮膜の膜厚をある一定値C
o以上とすることによりビード通過後の潤滑性は向上
し、また、有機複合被覆鋼板のベースめっき鋼板の表面
粗さRa、有機皮膜中の潤滑剤含有量Dによって、ビー
ド通過後も良好な潤滑性を有するに最低限必要な有機皮
膜の膜厚Coが異なることを見い出した。すなわち、ベ
ースめっき鋼板の表面粗さRaが細かくなるか、潤滑剤
含有量Dが多くなるほど、ビード通過後も良好な潤滑性
を得るために最低限必要な有機皮膜の膜厚Coは低下す
る。
【0085】そして、これらの実験結果から、有機複合
被覆鋼板のベースめっき鋼板の表面粗さRa、有機皮膜
中の潤滑剤含有量C、ビード通過後も良好な潤滑性を有
するに最低限必要な有機皮膜の膜厚Coの実験結果を回
帰分析した結果、良好な潤滑性を有するに必要な有機複
合被覆鋼板の最低膜厚Co、有機皮膜中の潤滑剤含有量
Dおよびそのベースめっき鋼板の表面粗さRaとの間
に、下記実験式(i)の関係が存在することを見い出
し、これを有機皮膜の下限膜厚とした。 0.1[Ra3+1.5{2/(D+2)}+0.5]=Co … (i) 但し Ra:亜鉛系めっき鋼板表面の中心線平均粗さ
(μm) D:有機皮膜中の潤滑剤(不揮発分)の含有量(wt
%) Co:良好な潤滑性を有するために最低限必要な膜厚
(μm)
【0086】このように有機皮膜の下限膜厚がベースめ
っき鋼板の表面粗さに依存するのは、有機皮膜が同じ場
合でも、ベースめっき鋼板の表面粗さによって有機皮膜
にかかる力が異なるためであると考えられる。これを図
16に示す模式図に基づいて説明すると、有機皮膜にビ
ードにより一定荷重が加えられた場合、表面粗さが粗い
ものは表面の凸部分に荷重が局所的に集中するため、表
面粗さが小さいものと比較して有機皮膜に非常に大きな
面圧がかかることになる。その結果、皮膜の剥離が生じ
やすくなり、良好な潤滑性を有するに最低限必要な膜厚
は、表面粗さが増加するにしたがって増加するものと考
えられる。なお、潤滑剤添加の効果は、有機皮膜自体の
潤滑性が向上することにより、ビード通過時に剥離せず
に残存した有機皮膜でも十分な潤滑性が付与できるため
であると考えられる。
【0087】一方、有機皮膜の膜厚Cの上限値は溶接性
から規定され、有機皮膜の膜厚が3μmを超えると溶接
性(特に連続打点性)が低下する。図17に有機皮膜の
膜厚Cとスポット溶接性(連続打点性)との関係を調べ
た結果を示す。これによれば、膜厚が3.0μmを超え
るとスポット溶接性が低下することが判る。図18及び
図19に本発明が規定する有機皮膜の膜厚の範囲を示
す。有機皮膜を得る場合、通常はロールコーター法によ
り塗料組成物を塗布するが、浸漬法やスプレー法により
塗布した後に、エアーナイフ法やロール絞り法により塗
布量を調整することも可能である。
【0088】また、塗料組成物を塗布した後の加熱処理
は、熱風炉、高周波誘導加熱炉、赤外線炉等を用いて行
うことができる。加熱処理は、到達板温で80℃〜25
0℃、好ましくは100℃〜200℃の範囲で行うこと
が望ましい。加熱温度が80℃未満では皮膜の架橋が進
まないため十分な耐食性を得ることができない。一方、
250℃を超える高温焼付になると耐食性が劣化する。
これは、クロメート皮膜成分中に含まれる水分の揮散
と、水酸基(
【化2】 )どうしの脱水縮合反応の急速な進行とにより、クロメ
ート皮膜のクラック発生による皮膜の破壊が進行し、ま
た、6価クロムの還元が進んで6価クロムの不動態化作
用が低減すること等によるものと推定される。
【0089】なお、本発明をBH性を有する亜鉛系めっ
き鋼板に適用する場合には、170℃以下の加熱処理が
好ましい。また、自動車車体にはカチオン電着塗装が施
されるが、クロメート皮膜+有機皮膜の湿潤電気抵抗が
200kΩ/cm2を超えるとカチオン電着塗装が適切
に形成されないという問題があり、このため自動車車体
を主たる用途とする本発明鋼板では、クロメート+有機
皮膜の湿潤抵抗を200kΩ/cm2以下に抑えるよう
両皮膜を形成させることが好ましい。
【0090】本発明は、以上述べたような皮膜構造を両
面または片面に有する鋼板を含むものである。したがっ
て、本発明の態様としては例えば以下のようなものがあ
る。 (1) 片面:めっき層−クロメート層−有機皮膜,片面:
Fe面 (2) 片面:めっき層−クロメート層−有機皮膜,片面:
めっき面 (3) 片面:めっき層−クロメート層−有機皮膜,片面…
めっき層−クロメート層 (4) 両面:めっき層−クロメート層−有機皮膜 なお、本発明の有機複合被覆鋼板は自動車用に限らず、
家電や建材等の用途にも適用できる。
【0091】有機皮膜上には第3層として防錆油層を設
けることができ、この防錆油としては、錆止め添加剤
(例えば、油溶性界面活性剤)、石油系基剤(例えば、
鉱油、溶剤)、油膜調整剤(例えば、鉱油、結晶性物
質、粘調物質)、酸化防止剤(例えば、フェノール系酸
化防止剤)、潤滑剤(例えば、極圧添加剤)を主な構成
成分とした、通常の防錆油、洗浄防錆油、潤滑防錆油等
が挙げられる。通常の防錆油としては、基剤を石油系溶
剤に溶解・分解させた指紋除去型防錆油、溶剤希釈型防
錆油、ペトロラクタム、ワックスを基剤とした潤滑油型
防錆油、気化性防錆油等が挙げられる。
【0092】防錆油膜の付着量は0.01〜10g/m
2とする。付着量が0.01g/m2未満では鋼板と金型
との凝着が起こりやすく、プレス成形性が劣る傾向があ
る。一方、10g/m2を超えると、塗装の前処理工程
における脱脂時に防錆油を完全に除去することが困難と
なる。より高度なプレス成形性及び脱脂性を得るために
は、付着量を0.05〜5g/m2の範囲とすることが
好ましい。
【0093】
【実施例】亜鉛系めっき鋼板をアルカリ脱脂及び水洗、
乾燥した後、クロメート処理を施し、次いで、塗料組成
物をロールコーターにより塗布し、焼き付けた後、防錆
油または洗浄油を塗布した。このようにして得られた有
機複合被覆鋼板について、潤滑性、プレス成形性、耐パ
ウダリング性、耐食性(耐穴あき性)、耐もらい錆性、
塗料密着性、溶接性の各試験を行った。
【0094】(1) 亜鉛系めっき鋼板 (1-1) めっき用素材鋼板 表1および表2に本実施例で使用しためっき用素材鋼板
(板厚0.8mm)を示す。 (1-2) 亜鉛系めっき 表3に本実施例で使用した亜鉛系めっき鋼板のめっき組
成およびめっき付着量を示す。 (1-3) 亜鉛系めっき鋼板 表4に本実施例で使用した亜鉛系めっき鋼板をその表面
粗さ(中心線平均粗さRa)とともに示す。
【0095】(2) クロメート処理 (a) 塗布型クロメート処理:下記に示す液組成のクロメ
ート処理液をロールコーターにより塗布し、水洗するこ
となく乾燥させた。クロメート層の付着量は、ロールコ
ーターのピックアップロールとアプリケーターロールの
周速比を変化させて調整した。 無水クロム酸:20g/L リン酸イオン:4g/L ジルコニウムフッ化物イオン:1g/L 亜鉛イオン:1g/L 6価クロム酸イオン/3価クロム酸イオン:3/3(重
量比) 無水クロム酸/ジルコニウムフッ化物イオン:20/1
(重量比)
【0096】(b) 電解クロメート処理:無水クロム酸:
30g/L、硫酸:0.2g/L、浴温:40℃の処理
液を用いて、電流密度:10A/dm2で亜鉛系めっき
鋼板に陰極電解処理を行ない、水洗、乾燥した。クロメ
ート層の付着量は陰極電解処理の通電量を制御すること
により調整した。 (c) 反応型クロメート処理:無水クロム酸:30g/
L、リン酸:10g/L、NaF:0.5g/L、K2
TiF6:4g/L、浴温:60℃の処理液を用いて亜
鉛系めっき鋼板にスプレー処理し、水洗、乾燥した。ク
ロメート層の付着量は処理時間を変化させ調整した。
【0097】(3) 有機樹脂 表5に有機皮膜に用いた有機樹脂(基体樹脂+硬化剤)
を示す。なお、同表に示す基体樹脂A〜Gと硬化剤a〜
e(ポリイソシアネート化合物)は下記に示す方法で作
成した。 〔基体樹脂の合成例〕 1.樹脂A 一般的な樹脂である油化シェルエポキシ社製エピコート
1007(分子量2900)を、キシレン/メチルエチ
ルケトン=6/4(重量比)混合溶媒に溶解させ、固形
分20重量%の樹脂液Aを調整した。 2.樹脂B ポリヒドロキシポリエーテル樹脂として、市販の東都化
成(株)製フェノキシ樹脂フェノトートYP−50(分
子量36,000)を、酢酸セロソルブ/シクロヘキサ
ノン=1/1(重量比)混合溶媒に溶解させ、固形分2
0重量%の樹脂液Bを調整した。
【0098】3.樹脂C (I)イソシアネート化合物の製造 還流冷却器、撹拌器、温度計および窒素ガス吹き込み装
置を付した反応装置にヘキサメチレンジイソシアネー
ト:168部、メチルイソブチルケトン:213部を取
り均一に溶解し、80℃に昇温後、トリメチロールプロ
パン45部を1時間かけて徐々に滴下し、さらに120
℃、4時間反応させ、不揮発分50%のイソシアネート
化合物を得た。この化合物Xのイソシアネート当量は7
1であった。 (II)樹脂Cの製造 還流冷却器、撹拌器、温度計および窒素ガス吹き込み装
置を付した反応装置に、エピコート1007(油化シェ
ルエポキシ(株)製:エポキシ当量2000)2000
部とトルエン1000部を加え、80℃まで昇温し、均
一溶解させた。次に、このイソシアネート化合物X60
0部(固形分)を1時間かけて徐々に滴下し、さらに8
0℃で3時間反応させた。反応の終点は赤外分光光度計
によりイソシアネート基の吸収(
【数6】 )が消滅する点とした。このようにしてエポキシ当量が
2600のウレタン化エポキシ樹脂が得られた。続い
て、このウレタン化エポキシ樹脂にジエタノールアミン
105部を添加し、80℃で2時間反応させ、樹脂Cを
得た。
【0099】4.樹脂D 撹拌装置、還流冷却器、温度計、液体滴下装置を付属し
てある反応装置にエピコート1009(油化学シェルエ
ポキシ(株)製のエポキシ樹脂:分子量約3750)1
880g(0.5モル)とメチルイソブチルケトン/キ
シレン=1/1(重量比)の混合溶媒1000gを加え
た後、撹拌加熱し、溶媒の沸点下で均一に溶解した。そ
の後、70℃まで冷却し、液体滴下装置に分取したジ
(n−プロパノール)アミン70gを30分間を要して
滴下した。この間、反応温度を70℃に保持した。滴下
終了後120℃で2時間保持し、反応を完結せしめた。
このようにして得られた樹脂Dの有効成分は66%であ
った。
【0100】5.樹脂E ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(ナガセ
化成工業(株)製、商品名『デナコールEX−83
0』、エポキシ当量262)100gとビスフェノール
A型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ(株)製、商品
名『エピコート1001』、エポキシ当量500)10
0gとの混合物にビスフェノールA50gを加え、15
0℃で6時間反応させ、未反応のフェノール性水酸基が
消滅したことを確認後、キシロール125g、メチルエ
チルケトン125gを加え、冷却し生成物Xを得た。次
に、生成物Xを80℃に加熱後、トリレンジイソシアネ
ート20gを1時間にわたって滴下しつつ反応させた。
滴下終了後、さらに、3時間にわたり80℃で保温しな
がら反応させた。反応の終点は、赤外分光光度計によ
り、イソシアネート基の吸収(
【数7】 )が消滅する点とした。これによりエポキシ当量が17
85のウレタン化エポキシ樹脂が得られた。続いて、ジ
エタノールアミン14.7gを添加し80℃で2時間反
応させ、樹脂Eを得た。
【0101】6.樹脂F (I)イソシアネート化合物の製造 還流冷却器、撹拌器、温度計および窒素ガス吹き込み装
置を付した反応装置にヘキサメチレンジイソシアネート
168部、メチルイソブチルケトン168部を取り均一
に溶解し80℃に昇温後、メチルエチルケトンオキシム
87部とメチルイソブチルケトン87部の溶液を1時間
かけて徐々に滴下し、さらに80℃で3時間反応させ、
不揮発分50%のイソシアネート化合物を得た。この化
合物Xのイソシアネート当量は510であった。 (II)樹脂Fの製造 還流冷却器、撹拌器、温度計および窒素ガス吹き込み装
置を付した反応装置に、エピコート1001(油化シェ
ルエポキシ(株)製:エポキシ当量500)250部を
キシロール50部およびセロソルブアセテート63部に
溶解した後、アゼライン酸39.2部およびジエタノー
ルアミン4.3部を加え、145℃で6時間反応させ、
樹脂固形分の酸価が1.1になったところでキシロール
110部およびメチルエチルケトン68部を加え冷却し
た。次に、イソシアネート化合物X200部(固形分)
およびセロソルブアセテート200部を加え、100℃
で3時間反応させたところでイソプロピルアルコール1
00部を加え、冷却してウレタン化エポキシエステル樹
脂Fを得た。
【0102】7.樹脂G OH基を有する単量体が15%、COOH基を有する単
量体が5%で、且つ(OH基を有する単量体の重量/C
OOH基を有する単量体の重量)=3となるように共重
合したエチレン−アクリル酸共重合体樹脂
【0103】〔硬化剤〕 (a) 6官能イソシアネート(硬化剤a) 温度計、撹拌器および滴下ロート付還流冷却器を付属し
てある反応容器にイソホロンジイソシアネート222部
とメチルイソブチルケトン34部を秤取し、均一に溶解
した後、メチルエチルケトンオキシム87部を前記滴下
ロートから、70℃に保持した撹拌状態のイソシアネー
ト溶液中に2時間を要して滴下した。その後、ソルビト
ール30.4部を加えて120℃に昇温し、120℃で
反応させた。その後、この反応物のIR測定をし、
【数8】 のイソシアネート基による吸収がないことを確認し、ブ
チルセロソルブ50.4部を加え、硬化剤aを得た。こ
の硬化剤aの有効成分は80%であった。
【0104】(b) 4官能イソシアネート(硬化剤b) 温度計、撹拌器および滴下ロート付還流冷却器を付属し
てある反応容器にイソホロンジイソシアネート222部
とメチルイソブチルケトン34部を秤取し、均一に溶解
した後、メチルエチルケトンオキシム87部を前記滴下
ロートから、70℃に保持した撹拌状態のイソシアネー
ト溶液中に2時間を要して滴下した。その後、ペンタエ
リスリトール34部を加えて120℃に昇温し、120
℃で反応させた。その後、この反応物のIR測定をし、
【数9】 のイソシアネート基による吸収がないことを確認し、ブ
チルセロソルブ52部を加え、硬化剤bを得た。この硬
化剤bの有効成分は80%であった。
【0105】(c) 3官能イソシアネート(硬化剤c) 温度計、撹拌器および滴下ロート付還流冷却器を付属し
てある反応容器にデュラネートTPA−100(HMD
Iのイソシアヌル環タイプ;旭化成(株)製)550部
とメチルイソブチルケトン34部を秤取し、均一に溶解
した後、メチルエチルケトンオキシム270部を前記滴
下ロートから、70℃に保持した撹拌状態のイソシアネ
ート溶液中に2時間を要して滴下した。その後、この反
応物のIR測定をし、
【数10】 のイソシアネート基による吸収がないことを確認し、ブ
チルセロソルブ47部を加え、硬化剤cを得た。この硬
化剤cの有効成分は90%であった。
【0106】(d) 2官能イソシアネート(硬化剤d) タケネートB−870N(IPDIのMEKオキシムブ
ロック体;武田薬品工業(株)製)を硬化剤dとして用
いた。
【0107】(e) ヘキサメチレンジイソシアネート系6
官能イソシアネート(硬化剤e) ヘキサメチレンジイソシアネート系の6官能イソシアネ
ート化合物であるデュラネートMF−B80M(HMD
I系の6官能イソシアネートのオキシムブロック体:旭
化成工業(株)製)を硬化剤eとして用いた。
【0108】(4) 潤滑剤 表6〜表8に本実施例で有機皮膜中に添加した潤滑剤を
示す。なお、図20は表7に記載されたNo.18、N
o.19、No.21〜No.28のフッ素樹脂微粉末
のキャピラリーレオメーターによる流れ特性試験方法
(JIS K 7199に準拠)によって測定された見掛
けの溶融粘度を示している。この結果に基づき、各フッ
素樹脂微粉末が先に述べた(3)式の条件を満足している
か否かを表7に示した。なお、表7のNo.17、N
o.29のフッ素樹脂微粉末は、見掛けの溶融粘度が試
験装置の測定限界を超える程度に十分に低く、したがっ
て(3)式の条件を満足していた。また、表7のNo.2
0のフッ素樹脂微粉末は、測定条件よりも融点が高いた
め完全に溶融せず、したがって(3)式の条件を満足して
いなかった。
【0109】(5) 防錆添加剤 表9、表10に本実施例で有機皮膜中に添加した防錆添
加剤を示す。 (6) 塗料組成物 上記の有機樹脂に潤滑剤および防錆添加剤をサンドミル
を用いて分散させ、塗料組成物を作成した。塗料組成物
の構成を表11〜表20に示す。 (7) 防錆油 表21に本実施例で用いた防錆油を示す。
【0110】以上のようにして作成した有機複合被覆鋼
板の構成およびそれらの潤滑性、ビード付きハット成形
性、プレス成形性(深絞り成形性)、耐パウダリング
性、耐食性(耐穴あき性)、耐もらい錆性、塗料密着性
及び溶接性の評価結果を表22〜表59に示す。なお、
各特性の評価方法は以下の通りである。
【0111】(a) 潤滑性(ドロービード後摩擦) 供試材を28.5mm幅に剪断し、図21に示すような
ドロービード試験(3角ビード、ビードの先端半径:
0.5mm、ビード高さ:4mm、押しつけ力:500
kgf、引き抜き速度:200mm/min)を行なっ
た後、ビードにより摺動を受けた面を対象面として、図
22に示す平板摺動試験(ビード:3×10mm、押し
付け力:400Kgf、引き抜き速度:1.0m/se
c)を行い、その時の引き抜き力(F)を測定し、摩擦
係数(μ=F/400)を測定した。なお、評価基準は
以下の通りである。 ◎ :0.06未満 ○+:0.06以上、0.08未満 ○ :0.08以上、0.12未満 △ :0.12以上、0.13未満 × :0.13以上
【0112】(b)ビード付きハット型成形試験 供試材を280×60mmに剪断し、図23に示すビー
ド付きハット型成形試験を下記条件で行い、しわ押さえ
圧(以下、BHFという)を変化させることにより、割
れが初めて生じたBHFを破断限界BHFとして測定
し、材質レベルの異なる冷延鋼板(板厚:0.8mm)
の破断限界BHFと比較した。 試験条件 パンチ径:角筒100mm、パンチ肩半径5mm、 ダイス:ビード半径5mm、ビード高さ2mm、 ブランク:280×60mm 成形高さ:50mm なお、評価基準は以下の通りである。 ◎ :超深絞り用冷延鋼板(表1のNo.8)より優れ
る。 ○+:超深絞り用冷延鋼板(表1のNo.8)と同等。 ○ :高深絞り用冷延鋼板(表1のNo.6)と同等。 △ :深絞り用冷延鋼板(表1のNo.4)と同等。 × :一般加工用冷延鋼板(表1のNo.1)と同等あ
るいはそれより劣る。
【0113】(c) プレス成形性 (条件1)供試材を直径115φの円形に加工し、パン
チ直径:50mm、パンチ肩半径5mm、ダイス直径:
53mm、ダイス肩半径5mm、BHF:3.5トンで
円筒深絞り成形を行ない、割れが発生した時点の深絞り
成形高さを測定し、材質レベルの異なる冷延鋼板(板
厚:0.8mm)の深絞り成形高さと比較した。 (条件2)供試材を直径115φの円形に加工し、パン
チ直径:50mm、パンチ肩半径5mm、ダイス直径:
53mm、ダイス肩半径3mm、BHF:5.0トンで
円筒深絞り成形を行ない、割れが発生した時点の深絞り
成形高さを測定し、材質レベルの異なる冷延鋼板(板
厚:0.8mm)の深絞り成形高さと比較した。条件1
及び条件2における評価基準は以下の通りである。 ◎ :超深絞り用冷延鋼板(表1のNo.8)より優れ
る。 ○+:超深絞り用冷延鋼板(表1のNo.8)と同等。 ○ :高深絞り用冷延鋼板(表1のNo.6)と同等。 △ :深絞り用冷延鋼板(表1のNo.4)と同等。 × :一般加工用冷延鋼板(表1のNo.1)と同等或
いはそれより劣る。
【0114】なお、実施例No.1、No.4〜No.
16に関しては、材質の影響をより顕著に見るため、本
実施例の(条件2)の下での成形高さを、材質レベルの
異なる冷延鋼板(板厚:0.8mm)の(条件1)の測
定条件下での深絞り成形高さと比較した。 5:条件1の下での超深絞り用冷延鋼板(表1のNo.
8)より優れる。 4:条件1の下での超深絞り用冷延鋼板(表1のNo.
8)と同等。 3:条件1の下での高深絞り用冷延鋼板(表1のNo.
6)と同等。 2:条件1の下での深絞り用冷延鋼板(表1のNo.
4)と同等。 1:条件1の下での一般加工用冷延鋼板(表1のNo.
1)と同等あるいはそれより劣る。 (実施例中には、プレス成形性の条件2の欄に、上記5
〜1の指数を◎〜×の評価とともに記載した)
【0115】(d) 耐パウダリング性 供試材を30mm幅に剪断し、ビードの先端半径:0.
5mm、ビード高さ:4mm、押し付け力;500kg
f、引き抜き速度:200mm/minで図21に示す
ドロービードテストを行なった後、ビード部で摺動を受
けた部分を接着テープで剥離し、テスト前後の単位面積
当たりのめっき剥離量を測定した。その評価基準は以下
の通りである。 ◎ :2g/m2未満 ○ :2g/m2以上、3g/m2未満 ○−:3g/m2以上、4g/m2未満 △ :4g/m2以上、6g/m2未満 × :6g/m2以上
【0116】(e) 耐食性(耐穴あき性) 供試材を日本パーカライジング(株)製FCL−446
0(標準条件)で脱脂処理し、端部及び裏面をテープシ
ールした後、試験片の下半面にカッターナイフでクロス
カットを入れ、下記の複合腐食試験サイクルの腐食促進
試験を施し、200サイクル後の赤錆発生程度で評価し
た。 5%NaCl噴霧、35℃、4時間 ↓ 乾燥、60℃、2時間 ↓ 95%RH湿潤、50℃、4時間 なお、評価基準は以下の通りである。 ◎ :赤錆発生無し ○+:赤錆面積率5%未満 ○ :赤錆面積率5%以上、10%未満 ○−:赤錆面積率10%以上、20%未満 △ :赤錆面積率20%以上、50%未満 × :赤錆面積率50%以上
【0117】(f) 耐もらい錆性 供試材を日本パーカライジング(株)製FCL−446
0(標準条件)で脱脂処理し、端部及び裏面をテープシ
ールした後、下記の鉄錆共存下の複合腐食試験サイクル
の腐食促進試験を施し、7サイクル後(条件1)及び1
5サイクル後(条件2)の赤錆発生程度で評価した。 鉄錆共存下(*注)5%NaCl浸漬、50℃、18時間 ↓ 95%RH湿潤、50℃、3時間 ↓ 乾燥、60℃、3時間 (*注) 鉄錆の供給方法:塩水1.0L当たり10cm2の面積の冷延鋼板 を浸漬した。 なお、評価基準は以下の通りである。 ◎ :赤錆発生無し ○+:赤錆面積率5%未満 ○ :赤錆面積率5%以上、10%未満 ○−:赤錆面積率10%以上、20%未満 △ :赤錆面積率20%以上、50%未満 × :赤錆面積率50%以上
【0118】(g) 塗料密着性 供試材に日本ペイント(株)製U−600で電着塗装
(25μm)を行ない、次いで関西ペイント(株)製K
PX−36で中塗り塗装(30μm)を行ない、さらに
関西ペイント(株)製ルーガーベークB−531で上塗
り塗装(35μm)を行なった。これらの供試材を40
℃のイオン交換水中に240時間浸漬した後、試験片を
取り出し、24時間室温で放置した後、塗膜に2mm間
隔の碁盤目を100個刻み、接着テープを粘着・剥離し
て、塗膜の残存率で評価した。その評価基準は以下の通
りである。 ◎:剥離無し ○:剥離率3%未満 △:剥離率3%以上、10%未満 ×:剥離率10%以上
【0119】(h) 溶接性 電極として、先端径6mmのDR型アルミナ分散銅を用
い、加圧力:200kgf、通電時間:10サイクル/
50Hz、溶接電流;10kAで連続打点性の試験を行
ない、連続打点数で評価した。その評価基準は以下の通
りである。 ◎:3000点以上 ○:2000点以上、3000点未満 △:1000点以上、2000点未満 ×:1000点未満
【0120】
【表1】
【0121】
【表2】
【0122】
【表3】
【0123】
【表4】
【0124】
【表5】
【0125】
【表6】
【0126】
【表7】
【0127】
【表8】
【0128】
【表9】
【0129】
【表10】
【0130】
【表11】
【0131】
【表12】
【0132】
【表13】
【0133】
【表14】
【0134】
【表15】
【0135】
【表16】
【0136】
【表17】
【0137】
【表18】
【0138】
【表19】
【0139】
【表20】
【0140】表11〜表20中に記載された*1〜*6
は、以下の内容を示す。 *1:表5に記載の有機樹脂No. *2:不揮発分の重量% *3:表6〜表8に記載の潤滑剤No. *4:不揮発分の重量比 *5:表9に記載の防錆添加剤No. *6:表10に記載の防錆添加剤No.
【0141】
【表21】
【0142】
【表22】
【0143】
【表23】
【0144】
【表24】
【0145】
【表25】
【0146】
【表26】
【0147】
【表27】
【0148】
【表28】
【0149】
【表29】
【0150】
【表30】
【0151】
【表31】
【0152】
【表32】
【0153】
【表33】
【0154】
【表34】
【0155】
【表35】
【0156】
【表36】
【0157】
【表37】
【0158】
【表38】
【0159】
【表39】
【0160】
【表40】
【0161】
【表41】
【0162】
【表42】
【0163】
【表43】
【0164】
【表44】
【0165】
【表45】
【0166】
【表46】
【0167】
【表47】
【0168】
【表48】
【0169】
【表49】
【0170】
【表50】
【0171】
【表51】
【0172】
【表52】
【0173】
【表53】
【0174】
【表54】
【0175】
【表55】
【0176】
【表56】
【0177】
【表57】
【0178】
【表58】
【0179】
【表59】
【0180】表22〜表59中に記載された*1〜*5
は、以下の内容を示す。 *1:発…本発明例,比…比較例 *2:表4に記載のめっき鋼板No. *3:金属クロム換算のクロメート付着量(mg/
2) *4:表11〜表20に記載の塗料組成物No. *5:表21に記載の防錆油No.
【0181】
【発明の効果】以上述べた本発明の有機複合被覆鋼板
は、優れたプレス成形性と耐食性を示し、しかも塗料密
着性及び溶接性等の諸特性にも優れていることから、自
動車用、家電用および建材用表面処理鋼板として極めて
有用なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】ラジカル触媒を用いるラジカル重合法により製
造されたポリエチレンワックスまたは一般成型用ポリエ
チレンを熱分解することにより製造されたポリエチレン
ワックスの分子構造モデル
【図2】チーグラー系触媒を用いる配位アニオン重合法
により製造されたポリエチレンワックスの分子構造モデ
【図3】有機皮膜中に添加されたポリエチレンワックス
の平均分子量と有機複合被覆鋼板のプレス成形性との関
係を示すグラフ
【図4】有機皮膜中に添加されたポリエチレンワックス
の平均分子量と有機複合被覆鋼板のプレス成形性との関
係を示すグラフ
【図5】有機皮膜中に添加されたポリエチレンワックス
の軟化点と有機複合被覆鋼板のプレス成形性との関係を
示すグラフ
【図6】有機皮膜中に添加されたポリエチレンワックス
の軟化点と有機複合被覆鋼板のプレス成形性との関係を
示すグラフ
【図7】有機皮膜中に添加された四フッ化エチレン樹脂
微粉末の融点と有機複合被覆鋼板のプレス成形性との関
係を示すグラフ
【図8】有機皮膜中に添加されたシリカ及び難溶性クロ
ム酸塩の重量比と有機複合被覆鋼板の通常の未塗装耐食
性(耐穴あき性)及び耐もらい錆性との関係を示すグラ
【図9】有機皮膜中の潤滑剤含有量が0%である有機複
合被覆鋼板のビード通過後の潤滑性を、ベースめっき鋼
板の表面粗さと有機皮膜厚との関係で示すグラフ
【図10】有機皮膜中の潤滑剤含有量が2%である有機
複合被覆鋼板のビード通過後の潤滑性を、ベースめっき
鋼板の表面粗さと有機皮膜厚との関係で示すグラフ
【図11】有機皮膜中の潤滑剤含有量が3%である有機
複合被覆鋼板のビード通過後の潤滑性を、ベースめっき
鋼板の表面粗さと有機皮膜厚との関係で示すグラフ
【図12】有機皮膜中の潤滑剤含有量が5%である有機
複合被覆鋼板のビード通過後の潤滑性を、ベースめっき
鋼板の表面粗さと有機皮膜厚との関係で示すグラフ
【図13】有機皮膜中の潤滑剤含有量が10%である有
機複合被覆鋼板のビード通過後の潤滑性を、ベースめっ
き鋼板の表面粗さと有機皮膜厚との関係で示すグラフ
【図14】有機皮膜中の潤滑剤含有量が18%である有
機複合被覆鋼板のビード通過後の潤滑性を、ベースめっ
き鋼板の表面粗さと有機皮膜厚との関係で示すグラフ
【図15】有機皮膜中の潤滑剤含有量が50%である有
機複合被覆鋼板のビード通過後の潤滑性を、ベースめっ
き鋼板の表面粗さと有機皮膜厚との関係で示すグラフ
【図16】有機複合被覆鋼板のベースめっき鋼板の表面
粗さと有機皮膜の膜厚との関係モデル図
【図17】有機複合被覆鋼板の有機皮膜の膜厚と溶接性
の関係を示すグラフ
【図18】有機皮膜中に潤滑剤を添加しない有機複合被
覆鋼板において、本発明の規定する有機皮膜の膜厚の範
囲をベースめっき鋼板の表面粗さとの関係で示すグラフ
【図19】有機皮膜中に潤滑剤を添加した有機複合被覆
鋼板において、本発明の規定する有機皮膜の膜厚の範囲
をベースめっき鋼板の表面粗さとの関係で示すグラフ
【図20】JIS K 7199に準拠したキャピラリー
レオメーターによる流れ特性試験方法によって測定され
た、表7に記載の四フッ化エチレン樹脂の見掛けの溶融
粘度を見掛けの剪断速度との関係で示すグラフ
【図21】実施例で行なったドロービード試験方法を示
す説明図
【図22】実施例で行なった平板摺動試験方法を示す説
明図
【図23】実施例で行なったハット型成形試験方法を示
す説明図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B32B 15/08 B32B 15/08 G C23C 22/24 C23C 22/24 28/00 28/00 C (72)発明者 窪田 隆広 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 山下 正明 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 佐藤 健太郎 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 春田 泰彦 神奈川県平塚市東八幡4丁目17番1号 関西ペイント株式会社内 (56)参考文献 特開 平8−216332(JP,A) 特開 平8−118869(JP,A) 特開 平8−118870(JP,A) 特開 平4−94770(JP,A) 特開 平2−274532(JP,A) 特開 平4−381(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B05D 7/14 B05D 3/10 B05D 7/24 302 B32B 15/08 C23C 22/24 C23C 28/00 C09D 201/02,5/08

Claims (20)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 亜鉛系めっき鋼板の表面に第1層とし
    て、付着量が金属クロム換算で5〜200mg/m2
    クロメート層を有し、その上層に第2層として、下記
    (i)に示す有機高分子樹脂と防錆添加剤とを不揮発分の
    重量割合で、有機高分子樹脂:30〜80wt%、防錆
    添加剤:3〜50wt%の割合で含有する有機皮膜を有
    し、該有機皮膜の膜厚が下記(ii)を満足するプレス成形
    性及び耐食性に優れた有機複合被覆鋼板。 (i) OH基またはCOOH基を有する基体樹脂[A]
    (但し、エポキシ樹脂の末端に少なくとも1個の塩基性
    窒素原子と、少なくとも2個の一級水酸基とを付加した
    エポキシ樹脂は除く)100重量部(固形分)に対し、
    ポリイソシアネート化合物[B]を5〜80重量部(固
    形分)の割合で混合した有機高分子樹脂 (ii) 有機皮膜の膜厚が下記(1)式を満足する。 0.1(Ra3+2)≦C≦3.0 … (1) 但し C:有機皮膜の膜厚(μm) Ra:亜鉛系めっき鋼板表面の中心線平均粗さ(μm)
  2. 【請求項2】 亜鉛系めっき鋼板の表面に第1層とし
    て、付着量が金属クロム換算で5〜200mg/m2
    クロメート層を有し、その上層に第2層として、下記
    (i)に示す有機高分子樹脂と下記(ii)に示す潤滑剤と防
    錆添加剤とを不揮発分の重量割合で、有機高分子樹脂:
    30〜80wt%、潤滑剤:50wt%以下(但し、0
    wt%を含まない)、防錆添加剤:3〜50wt%の割
    合で含有する有機皮膜を有し、該有機皮膜の膜厚が下記
    (iii)を満足するプレス成形性及び耐食性に優れた有
    機複合被覆鋼板。 (i) OH基またはCOOH基を有する基体樹脂[A]
    (但し、エポキシ樹脂の末端に少なくとも1個の塩基性
    窒素原子と、少なくとも2個の一級水酸基とを付加した
    エポキシ樹脂は除く)100重量部(固形分)に対し、
    ポリイソシアネート化合物[B]を5〜80重量部(固
    形分)の割合で混合した有機高分子樹脂 (ii) フッ素樹脂微粉末、ポリオレフィンワックス、1
    つの粒子中にポリオレフィンとフッ素樹脂とが混在して
    含まれる潤滑剤、グラファイト、窒化ホウ素、フッ化カ
    ーボンのなかから選ばれる少なくとも1種の潤滑剤 (iii) 有機皮膜の膜厚が下記(2)式を満足する。 0.1[Ra3+1.5{2/(D+2)}+0.5]≦C≦3.0 … (2) 但し C:有機皮膜の膜厚(μm) Ra:亜鉛系めっき鋼板表面の中心線平均粗さ(μm) D:有機皮膜中の潤滑剤(不揮発分)の含有量(wt
    %)
  3. 【請求項3】 有機皮膜に含まれる潤滑剤が、ポリオレ
    フィンワックス(E)とフッ素樹脂微粉末(F)が重量
    比でE/F=90/10〜10/90の割合で混合され
    た複合潤滑剤である請求項2に記載のプレス成形性及び
    耐食性に優れた有機複合被覆鋼板。
  4. 【請求項4】 有機皮膜に含まれるポリオレフィンワッ
    クス(E)がチーグラー系触媒を用いる配位アニオン重
    合法により製造されたポリオレフィンワックスである請
    求項2または3に記載のプレス成形性及び耐食性に優れ
    た有機複合被覆鋼板。
  5. 【請求項5】 有機皮膜に含まれるポリオレフィンワッ
    クス(E)が、平均分子量:700〜4500、軟化
    点:100〜140℃のポリエチレンワックスである請
    求項2、3または4に記載のプレス成形性及び耐食性に
    優れた有機複合被覆鋼板。
  6. 【請求項6】 有機皮膜に含まれるフッ素樹脂微粉末
    (F)が、下記(a)の条件を満足する四フッ化エチレン
    樹脂微粉末である請求項2、3、4または5に記載のプ
    レス成形性及び耐食性に優れた有機複合被覆鋼板。 (a) JIS K 7199に準拠したキャピラリーレオメ
    ーターによる流れ特性試験方法において、下記測定条件
    の下で測定された見掛けの溶融粘度が、見掛けの剪断速
    度との間で下記(3)式を満足する。 【数1】 測定条件 試験温度:330℃ バレル直径:9.55mm キャピラリー寸法:直径d=1mm,長さ1=10mm キャピラリーの入口:フラット
  7. 【請求項7】 有機皮膜に含まれるフッ素樹脂微粉末
    (F)が融点:300〜330℃である四フッ化エチレ
    ン樹脂微粉末である請求項2、3、4、5または6に記
    載のプレス成形性及び耐食性に優れた有機複合被覆鋼
    板。
  8. 【請求項8】 有機皮膜に含まれる潤滑剤が、1つの粒
    子中にポリオレフィン(E′)とフッ素樹脂(F′)と
    が混在して含まれる潤滑剤粒子からなる潤滑剤(G)、
    若しくは該潤滑剤(G)とポリオレフィンワックス
    (E)および/またはフッ素樹脂微粉末(F)とが配合
    された複合潤滑剤であって、潤滑剤(G)を構成するポ
    リオレフィン(E′)及びフッ素樹脂(F′)、ポリオ
    レフィンワックス(E)及びフッ素樹脂微粉末(F)が
    下記重量比で配合された潤滑剤若しくは複合潤滑剤であ
    る請求項2に記載のプレス成形性及び耐食性に優れた有
    機複合被覆鋼板。 (E+E′)/(F+F′)=10/90〜90/10
  9. 【請求項9】 有機皮膜に含まれる潤滑剤(G)を構成
    するポリオレフィン(E′)とポリオレフィンワックス
    (E)が、チーグラー系触媒を用いる配位アニオン重合
    法により製造されたポリオレフィンまたはポリオレフィ
    ンワックスである請求項8に記載のプレス成形性及び耐
    食性に優れた有機複合被覆鋼板。
  10. 【請求項10】 有機皮膜に含まれる潤滑剤(G)を構
    成するポリオレフィン(E′)とポリオレフィンワック
    ス(E)が、平均分子量:700〜4500、軟化点:
    100〜140℃のポリエチレンまたはポリエチレンワ
    ックスである請求項8または9に記載のプレス成形性及
    び耐食性に優れた有機複合被覆鋼板。
  11. 【請求項11】 有機皮膜に含まれる潤滑剤(G)を構
    成するフッ素樹脂(F′)とフッ素樹脂微粉末(F)
    が、下記(a)の条件を満足する四フッ化エチレン樹脂ま
    たは四フッ化エチレン樹脂微粉末である請求項8、9ま
    たは10に記載のプレス成形性及び耐食性に優れた有機
    複合被覆鋼板。 (a) JIS K 7199に準拠したキャピラリーレオメ
    ーターによる流れ特性試験方法において、下記測定条件
    の下で測定された見掛けの溶融粘度が、見掛けの剪断速
    度との間で下記(3)式を満足する。 【数2】 測定条件 試験温度:330℃ バレル直径:9.55mm キャピラリー寸法:直径d=1mm,長さ1=10mm キャピラリーの入口:フラット
  12. 【請求項12】 有機皮膜に含まれる潤滑剤(G)を構
    成するフッ素樹脂(F′)とフッ素樹脂微粉末(F)が
    融点:300〜330℃の四フッ化エチレン樹脂または
    四フッ化エチレン樹脂微粉末である請求項8、9、10
    または11に記載のプレス成形性及び耐食性に優れた有
    機複合被覆鋼板。
  13. 【請求項13】 有機皮膜に含まれる多官能ポリイソシ
    アネート化合物が、1分子中に少なくとも3個のイソシ
    アネート基を有する多官能ポリイソシアネート化合物で
    ある請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、1
    0、11または12に記載のプレス成形性及び耐食性に
    優れた有機複合被覆鋼板。
  14. 【請求項14】 有機皮膜に含まれる多官能ポリイソシ
    アネート化合物が、1分子中に少なくとも4個のイソシ
    アネート基を有する多官能ポリイソシアネート化合物で
    ある請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、1
    0、11または12に記載のプレス成形性及び耐食性に
    優れた有機複合被覆鋼板。
  15. 【請求項15】 有機皮膜に含まれる多官能ポリイソシ
    アネート化合物が、1分子中に少なくとも6個のイソシ
    アネート基を有する多官能ポリイソシアネート化合物で
    ある請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、1
    0、11または12に記載のプレス成形性及び耐食性に
    優れた有機複合被覆鋼板。
  16. 【請求項16】 有機皮膜に含まれる多官能ポリイソシ
    アネート化合物が、1分子中に少なくとも6個のイソシ
    アネート基を有するヘキサメチレンジイソシアネートの
    多官能体である請求項1、2、3、4、5、6、7、
    8、9、10、11または12に記載のプレス成形性及
    び耐食性に優れた有機複合被覆鋼板。
  17. 【請求項17】 OH基またはCOOH基を有する基体
    樹脂が、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂(但し、エポ
    キシ樹脂の末端に少なくとも1個の塩基性窒素原子と、
    少なくとも2個の一級水酸基とを付加したエポキシ樹脂
    は除く)及びポリヒドロキシポリエーテル樹脂から選ば
    れた1種または2種以上の有機高分子樹脂である請求項
    1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、1
    2、13、14、15または16に記載のプレス成形性
    及び耐食性に優れた有機複合被覆鋼板。
  18. 【請求項18】 有機皮膜に含まれる防錆添加剤が、シ
    リカ及び/または難溶性クロム酸塩からなる請求項1、
    2、3、4、5、6、7、8、9、11、12、13、
    14、15、16または17に記載のプレス成形性及び
    耐食性に優れた有機複合被覆鋼板。
  19. 【請求項19】 有機皮膜に含まれる防錆添加剤が、重
    量比で下記割合のシリカ及び難溶性クロム酸塩からなる
    請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、1
    1、12、13、14、15、16または17に記載の
    プレス成形性及び耐食性に優れた有機複合被覆鋼板。 シリカ/難溶性クロム酸塩=90/10〜2/98
  20. 【請求項20】 有機皮膜の上層に第3層として、付着
    量が0.01〜10g/m2の防錆油層を有してなる請
    求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、1
    1、12、13、14、15、16、17、18または
    19に記載のプレス成形性及び耐食性に優れた有機複合
    被覆鋼板。
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