JPH0825153B2 - 産業用ロボットのアーム制御装置 - Google Patents

産業用ロボットのアーム制御装置

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JPH0825153B2
JPH0825153B2 JP5170691A JP17069193A JPH0825153B2 JP H0825153 B2 JPH0825153 B2 JP H0825153B2 JP 5170691 A JP5170691 A JP 5170691A JP 17069193 A JP17069193 A JP 17069193A JP H0825153 B2 JPH0825153 B2 JP H0825153B2
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motor
shaft
rotor
hollow
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弘 進藤
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Yamaha Motor Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、旋回可能なアームを備
えた産業用ロボットにおいて、そのアームの旋回を制御
する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば水平多関節型と称される産
業用ロボットでは、旋回可能に支持されたアームと駆動
モータとの間に、一段で高い減速比の得られる減速機を
介在させ、高回転数のモータ出力を動力伝達系の中で減
速して、低速、高トルクに変換してからアームに伝えて
いる。
【0003】ところが、減速機と駆動モータを組み合わ
せた従来の装置では、摩耗やバックラッシに伴う振動な
ど、減速機特有の問題があり、このため、アームの旋回
速度の高速化や機械的な位置決め精度の向上に自ずと限
界があった。
【0004】そこで、最近、上記アームを、二重構造の
固定子の間に回転子を配した高トルクダイレクトドライ
ブモータ(以下DDモータと称する)で直接駆動する、
いわゆるDD駆動方式のロボットが開発され、動作の高
速化と高精度化を初めとして、低騒音化およびメインテ
ナンスフリー化を一挙に解決できるものとして注目され
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、DD駆動方
式の場合、減速機が存在しないことから、動力伝達系の
フリクションが極端に少なく、このため、アームの旋回
中に、例えば停電等によりDDモーターの通電が遮断さ
れてしまうと、慣性によりアームがそのままの勢いで旋
回を続け、周囲部品やアームの作動範囲を決定するスト
ッパーに衝突して、思わぬトラブルを招く不具合があ
る。
【0006】また、DDモータの電源スイッチがOFF
とされている時に、アームが容易に振れ動いてしまい、
上記と同様に周囲部品やストッパーに衝突したり、旋回
の基準となるアームの原点位置がずれてしまう等の問題
がある。
【0007】そこで、上記DDモータへの通電停止時に
アームを制動するブレーキ手段を設けることが考えられ
る。この場合、充分な制動力をもたせるためにはブレー
キ手段がかなり大きなものとなるが、このブレーキ手段
がモータの上方やアームの近辺に余分なスペースをとる
と、ロボットのコンパクト化を阻害するとともに、ブレ
ーキ配設部分が他の部材と干渉したりこれを避けるため
にロボットの作動エリアが制限されたりするといった不
都合が生じる。従って、ブレーキ手段をコンパクトに組
み込むことが要求される。
【0008】さらに、この種のロボットにはアームの制
御等のためにエンコーダやその他のセンサ類、ストッパ
ー機構及び各種配管や配線等を配備する必要があるが、
これらのコンパクトにレイアウトすることが望まれる。
【0009】本発明は、上記の事情に鑑み、DDモータ
によって直接駆動されるアームが通電遮断時に不必要に
動くのを防止するためのブレーキ手段を装備し、とくに
このブレーキ手段とセンサ類、ストッパー機構、配管及
び配線等をコンパクトに組込むことができる産業用ロボ
ットのアーム制御装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、旋回可能に支持されたアームを、内側固
定子と外側固定子との間に回転子を配した高トルクダイ
レクトドライブモータで直接旋回駆動する産業用ロボッ
トにおいて、上記高トルクダイレクトドライブモータを
ベース上に設置し、このモータの回転子とこのモータの
上方に位置する上記アームとを、回転子の上端から上方
に延びる連結用部材を介して連結するとともに、連結用
部材に固着されモータ中心部を貫通してモータ下方にま
で延びる中空軸を設け、この中空軸の下端部を上記ベー
スに形成した収納部に突入させ、この収納部内に、中空
軸の周囲に張り出して中空軸に固着された摩擦板とこの
摩擦板に対向してエアシリンダにより作動されるブレー
キパッドとからなって、上記モータへの通電が遮断され
たときに作動するブレーキ手段を配設するとともに、上
記収納部内におけるブレーキ手段配設箇所の近傍の中空
軸周囲に、エンコーダと、アーム旋回位置検出用のセン
サ装置と、アームのオーバーラン防止用のストッパー機
構とを配設し、かつ、上記アームに装備された可動部の
駆動手段及び検出手段からの配管並びに配線を上記中空
軸を通して上記収納部内に導き、上記収納部の周壁に内
部配管・配線と外部配管・配線とを連結するためのコネ
クタを設けたものである。
【0011】
【作用】上記構成によれば、DDモータによりアームが
旋回運動されている際に、DDモータへの通電が遮断さ
れると、ブレーキ手段を通じてアームの旋回を阻止する
制動力が付与されることから、アームが慣性によって動
き続けることがなく、周囲部品やストッパーとの衝突を
回避することができる。
【0012】しかも、DDモータとアームとの間の連結
用部材部材に固着されてモータ中心部を貫通する中空軸
が、モータ下方にまで導出されて、ベースに形成された
収納部に突入し、この部分に上記ブレーキ手段やエンコ
ーダ、センサ装置及びストッパー機構等が配設されてい
るため、これらブレーキ手段等が外部に余分な場所をと
ることなくモータ下方のベース部分にコンパクトに組込
まれる。さらに、上記中空軸が上記配管及び配線のレイ
アウトにも利用される。
【0013】
【実施例】本発明の一実施例を、水平多関節型の産業用
ロボットに適用した図1乃至図6に基づいて説明する。
【0014】図1中、1は円筒状のベースであり、その
上面には第1のダイレクトドライブモータ2(以下、第
1DDモータと称する)が固定されている。第1DDモ
ータ2は低回転で高トルクを発生させるため、そのハウ
ジング3の内側に大径の外側固定子4とこれより小径の
内側固定子5とが同軸状に配置されており、これら両固
定子4,5の間に回転子6が配置されている。回転子6
の上端面には回転力を取り出す出力フランジ7が連結さ
れ、この出力フランジ7は内側固定子5を支持する中空
のモータ軸8の外周に軸受9を介して軸支されている。
【0015】そして、この出力フランジ7の上面には、
円筒上のブラケット10が連結されている。ブラケット
10の底面中央部には、中空軸11が連結されており、
この中空軸11はモータ軸8の内側を同軸状に貫通して
第1DDモータ2の下方にまで延出され、その下端部が
ベース1の内側に突入している。このベース1は、第1
DDモータ2等を支持するとともに、後記ブレーキ手段
等を収納するための収納部を構成している。
【0016】また、ブラケット10は第1DDモータ2
から垂直に立設されてベースマストを兼用しており、そ
の上端部には円筒状のカバー13を介して第1のアーム
14が固定されている。こうして、連結用部材としての
ブラケット10及びカバー13を介し、第1DDモータ
2の回転子6に第1のアーム14が連結されている。こ
の第1のアーム14は中空の箱形構造をなして水平に延
びており、上記第1DDモータ2の出力フランジ7に直
結されて、上記モータ軸8の軸心を通るX軸を中心に旋
回される。
【0017】第1のアーム14の先端部下面には、下方
に突出する円筒状のブラケット15が固定されており、
このブラケット15の内側には軸受16を介して中空の
従動軸17が軸支されている。従動軸17の下端部には
第2のアーム18が連結されており、この第2のアーム
18は中空の箱形構造をなすとともに、上記第1のアー
ム14の下側において、水平方向に延びている。
【0018】また、上記カバー13の内側には、第2の
アーム18を駆動する第2のダイレクトドライブモータ
20(以下、第2DDモータと称する)が配置されてい
る。第2DDモータ20はブラケット10の上端部にカ
バー13とともに固定されており、このため、当実施例
の場合は、ベース1上に各アーム14,18の駆動用の
DDモータ2,20が同軸状に積み重ねて配置されてい
る。
【0019】なお、第2DDモータ20は第1DDモー
タ2と共通の構成をなすため、同一構成部分については
同一番号を付し、その説明を省略する。
【0020】第2DDモータ20の出力フランジ7に
は、中空の駆動軸21が連結されており、この駆動軸2
1はモータ軸8に対し同軸状に位置している。そして、
この駆動軸21および従動軸17の上端部は第1のアー
ム14内に導出されており、これら各軸21,17の導
出端に固定したプーリ22,23間にはベルト24が架
設されている。従って、第2DDモータ20の駆動力
は、ベルト24を介して第2のアーム18に伝達され、
この第2のアーム18は従動軸17の軸心を通るY軸を
中心に旋回される。
【0021】なお、上記従動軸17は第1のアーム14
と第2のアーム18の重合部分の略中央部に位置してお
り、その上下端部が両方のアーム14,18の内部空間
に開口している。
【0022】第2のアーム18の先端部には、筒状のケ
ーシング25が上下方向に貫通して設けられており、こ
のケーシング25の内側には円筒状の筒体26が軸受2
7を介して挿通されている。筒体26の内側には中空円
筒状のボールスプライン軸29が挿通されており、この
ボールスプライン軸29の下端部には可動筒30が同軸
状に連結されている。可動筒30はケーシング25の下
端部に連なるシリンダ31内を挿通されており、この可
動筒30の下端部はシール32を介してシリンダ31の
下端開口部から導出されているとともに、この導出端に
は支持軸33が取付けられている。また、ボールスプラ
イン軸29の内側には、上方からボールねじ34が噛み
合っており、このボールねじ34の上端部は一段で高い
減速比の得られる減速機35を介してサーボモータ36
に連なっている。従って、サーボモータ36によりボー
ルねじ34が回転されると、ボールスプライン軸29が
上下方向にスライドし、支持軸33が上下方向のZ軸に
沿って昇降動される。
【0023】第2のアーム18の内部には、ボールスプ
ライン軸29と直交する方向に沿って他のサーボモータ
37が収容されており、このサーボモータ37は一段で
高い減速比の得られる減速機38を介してべベルギヤ3
9を駆動している。このべベルギヤ39はボールスプラ
イン軸29の外周に設けた他のべベルギヤ40に噛み合
っており、このべベルギヤ40とボールスプライン軸2
9との間には、ボールスプライン軸29の軸方向への摺
動は許容するが、軸回り方向への回動を伝える軸受部材
41が介在されている。従って、サーボモータ37の駆
動力がべベルギヤ39,40および軸受部材41を介し
てボールスプライン軸29に伝わると、上記支持軸33
がボールスプライン軸29の軸回り方向に沿うR軸回り
に回転される。
【0024】このようにべベルギヤ39,40を用いて
サーボモータ37の駆動力を支持軸33に伝えるように
すれば、この動力伝達経路をモータ軸やボールスプライ
ン軸29の回りにコンパクトに組み込むことができ、第
2のアーム18の内部空間に収めることができる。よっ
て、べベルギヤ39,40の噛み合い部分から外方にオ
イルが飛散することもなく、クリーンルームでの使用が
可能となる。また、これとは逆に上記べベルギヤ39,
40の噛み合い部分に外方から異物が入り込むこともな
く、塵埃の多い作業環境での使用も可能となる。
【0025】また、当実施例の場合、上記支持軸33に
はエアーチャック45が取付けられている。このエアー
チャック45はチャックを開作動させるエアー導入口4
6と閉作動させるエアー導入口47とを備え、これら導
入口46,47にはそれぞれエアーホース48,48が
接続されている。エアーホース48,48は第2のアー
ム18の先端部下面に設けた通孔49を経て、この第2
のアーム18の内部空間に導入された後、従動軸17の
内側を通して第1のアーム14の内部空間に導入されて
おり、さらに、ここから駆動軸21、第2DDモータ2
0のモータ軸8、ブラケット10および第1DDモータ
2の中空軸11の内側を通して、ベース1の周面に設け
たコネクタ50に接続されている。このコネクタ50に
は、エアーホース48,48とエアー供給源53とを結
ぶ外部エアー配管51,51が連なっており、これら外
部エアー配管51,51には開閉弁52,52が設けら
れている。従って、この開閉弁52,52を選択的に開
閉することで、エアーチャック45が開閉作動される。
【0026】また、上記二つのサーボモータ36,37
はコンピュータ55からの指令により回転角度および回
転方向が制御され、このモータ36,37に制御信号を
送る信号コードや電源コードを初めとして、上記支持軸
33の昇降動および回転の基準となる原点位置を検出す
る近接スイッチ58,59からの信号コード56は、エ
アーホース48と同様に両方のアーム14,18および
DDモータ2,20の内部を通してコネクタ57に接続
されている。
【0027】一方、第1DDモータ2の回転子6と一体
に回転する中空軸11には、ベース1内に導出された下
部外周部分にスリーブ60が固定されており、このスリ
ーブ60にはエンコーダ61が取付けられている。エン
コーダ61はスリーブ60と一体に回転する回転板62
の外周部に多数の磁極を間隔を存して配置し、この磁極
をセンサ61aで検出することで、上記回転子6の回転
位置を磁気的に割り出しており、このエンコーダ61か
らの信号は第1DDモータ2の磁極制御と回転位置制御
のために、上記コンピュータ55を介して第1DDモー
タ2にフィードバックされる。
【0028】なお、このエンコーダ61や第1DDモー
タ2への配線(図示せず)は、中空軸11の内部を通し
てコネクタ50に導かれ、ここから外部配線を介してコ
ンピュータ55や電源63に接続されている。
【0029】また、中空軸11の下端部外周には、第1
のアーム14の旋回範囲を制御するためのセンサ装置6
4が設けられている。このセンサ装置64は中空軸11
の下端部外周面に配置した位置検出用の突起65a,6
5b,65cと、この突起65a,65b,65cを検
出する近接スイッチ66a,66bとで構成され、上記
突起65a〜65cが中空軸11の外周面に嵌合固定し
たリング67に突設されているとともに、近接スイッチ
66a,66bがリング67に対し放射状に配置されて
いる。そして、上記第1のアーム14は図6に示すよう
に、旋回の基準となる原点位置SからX軸の軸回り方向
両側に一定角度θ1 、θ2 旋回運動するものであり、上
記突起65aが原点位置Sに位置するとともに、突起6
5bが一方側の旋回限界位置Aに、同じく突起65cが
他方側の旋回限界位置Bにそれぞれ配置されている。ま
た、上記近接スイッチ66aが原点位置Sの突起65a
に対応するとともに、他の近接スイッチ66bがリング
67上において旋回限界位置A,Bの突起65b,65
cに対応するようになっており、これら近接スイッチ6
6a,66bからの信号は第1のアーム14の旋回位置
制御のために、上記コンピュータ55を介して第1DD
モータ2にフィードバックされる。
【0030】第1のアーム14の内部には、第2のアー
ム18の旋回範囲を制御するセンサ装置72が設けられ
ている。このセンサ装置72は、上記第1のアーム14
のセンサ装置64の構成と同様であるが、第2のアーム
18の原点位置検出用の突起73aを備えたリング75
を従動軸17の上端部に固定するとともに、第2のアー
ム18の旋回限界位置検出用の突起73b,73cを備
えたリング76を駆動軸21の上端部に固定し、これに
応じて突起73a〜73cを検出する近接スイッチ74
a,74bを、両軸17,21のまわりに振り分けて設
けた点が異なっている。
【0031】このようにすれば、片方の軸17または2
1に複数のリング75,76を重ねて設ける必要がない
ため、軸方向の取付けスペースを少なくすることがで
き、第1のアーム14の厚みを薄くできる等、コンパク
ト化が可能となる。
【0032】しかも、第2のアーム18の原点位置検出
用の突起73aを、第2のアーム18と一体に回転する
従動軸17側に設ければ、実際に旋回する側の中心部分
で旋回の基準となる原点位置を決めることができる。こ
のため、たとえベルト24とプーリ23との間にスリッ
プが生じたとしても、第2のDDモータ20には突起7
3aを検出する近接スイッチ74aからのフィードバッ
クがかかっているから、スリップとは無関係に第2のD
Dモータ20を回転制御することができ、高精度の位置
決めを行える。
【0033】なお、従動軸17上のプーリ23のボス部
23aには、第2DDモータ20の回転子6の回転位置
を検出するエンコーダ70が取付けられており、このエ
ンコーダ70や近接スイッチ74a,74bへの配線7
7は、第1のアーム14の内部空間から第2DDモータ
20および第1DDモータ2の内側を通してコネクタ5
7に導かれ、ここから外部配線を介してコンピュータ5
5に接続されている。
【0034】また、当実施例の場合、第1のアーム14
の底面には、近接スイッチ74bになんらかのトラブル
が生じて、第2のアーム18が旋回限界位置を超えた際
に、プーリ22に設けたボルト78が当接するゴム製の
ストッパー79が固定されており、このストッパー79
とボルト78との当接により、第2のアーム18のオー
バーランが阻止される。
【0035】ところで、上記中空軸11と一体に回転す
るスリーブ60の外周には、フランジ状に張り出す摩擦
板80が一体に形成されており、この摩擦板80はエン
コーダ61とリング67との間に位置している。また、
ベース1の内部にはブラケット81を介してエアーシリ
ンダ82が支持されており、そのピストン83に連なる
ピストンロッド83aの先端には、合成樹脂製のブレー
キパッド84が取付けられている。ブレーキパッド84
は摩擦板80の外周部下方に対向されているとともに、
リターンばね90によって摩擦板80から離間する方向
に常時付勢されており、当実施例の場合は、上記摩擦板
80とブレーキパッド84が第1のアーム14に制動力
を付与するブレーキ手段92を構成している。
【0036】エアーシリンダ82に連なるエア配管85
はコネクタ50に連なっており、このコネクタ50には
上記エアー供給源53とエアー配管85とを結ぶ外部配
管86が接続されている。この外部配管86の途中に
は、常開形の電磁弁87およびレギュレータ88が設け
られており、この電磁弁87の駆動部89はロボットの
電源スイッチ(図示せず)と連動するスイッチ91を介
して電源63に接続されている。
【0037】なお、上記ベース1の内面には、近接スイ
ッチ66bに何等かのトラブルが生じて、第1のアーム
14が旋回限界位置を越えた際に、摩擦板80に設けた
ボルト95が当接するゴム製のストッパー96が固定さ
れており、このストッパー96とボルト95とからなる
ストッパー機構により、第1のアーム14のオーバーラ
ンが阻止されるようになっている。
【0038】このような構成において、ロボットの電源
スイッチが投入されると、スイッチ91が連動して投入
されるので、電磁弁87が閉じ、エアーシリンダ82へ
のエアー供給が断たれる。このため、ピストンロッド8
3がリターンばね90の付勢力により没入して、ブレー
キパッド84が摩擦板80から離間し、第1DDモータ
2の回転子6は回転可能な状態に保たれる。
【0039】ところで、第1DDモータ2の駆動力によ
って第1のアーム14が旋回している際に、例えば停電
等により第1のDDモータ2への通電が急激に遮断され
ると、電磁弁87の駆動部89への通電が断たれる。す
ると、この電磁弁87は閉状態から直ちに開状態に移行
し、エアーシリンダ82にエアーが供給されるから、ピ
ストンロッド83がリターンばね90の付勢力に打ち勝
って摩擦板80側に突出し、ブレーキパッド84が回転
中の摩擦板80に圧接する。このため、摩擦板80を通
じて第1のアーム14の動力伝達経路に制動力が付与さ
れ、第1のアーム14の旋回が停止される。
【0040】従って、先端に第2のアーム18を有して
旋回半径の大きな第1のアーム14が慣性によってその
まま動き続けることはなく、これら第1および第2のア
ーム14,18と周囲部品との衝突や、ボルト95とス
トッパー96との衝突を回避でき、これらの不所望な損
傷は勿論のこと、衝突時の衝撃にもとづくトラブルの発
生を未然に防止できる。
【0041】一方、ロボットの電源スイッチがOFFと
されている際には、電磁弁87の駆動部89にも通電が
なされないから、電磁弁87は開状態を維持し、エアー
シリンダ82にはエアーが供給され続ける。このため、
上記と同様にブレーキパッド84が摩擦板80に圧接す
るから、この摩擦板80を通じて第1のアーム14の動
力伝達経路に制動力が付与され、第1のアーム14は固
定状態に保持される。
【0042】よって、電源OFF時に、第1のアーム1
4に外力が加わったとしても、この第1のアーム14が
振れ動いてしまうことはなく、周囲部品との衝突や旋回
の基準となる原点位置のずれを未然に防止できる。
【0043】また、第1DDモータ2は低回転で高トル
クを発生させる都合上、固定子4,5が二重構造となっ
てモータ外形が大きいので、この第1DDモータ2の中
空軸11を利用してエンコーダ61の回転板62を取付
ければ、この回転板62の周囲に大きなスペースを確保
することができ、その分、回転板62の外径を大きくで
きる。このため、回転板62の外周部分に、より多くの
回転角度割り出し用の磁極を配置することができ、この
磁極間のピッチが細かくなって回転角度の割り出し制度
が向上する。それとともに、第1DDモータ2の径が大
きいことを利用して、摩擦板80の外径も大きくするこ
とができるから、ブレーキパッド84との接触面積も充
分に確保することができ、強大な制動力が得られる。
【0044】なお、上述した実施例では、エアーシリン
ダにエアーを供給することでブレーキパッドを摩擦板に
圧接させ、その解除をリターンばねによって行うように
したが、これとは逆に、ブレーキパッドをばねによって
上記摩擦板に圧接する方向に付勢しておき、電源ON時
にエアーシリンダにエアーを供給して、ブレーキパッド
をばねの付勢力に抗して復帰させるようにしても良い。
【0045】このようにすれば、エアーの供給経路に何
等かのトラブルが生じたとしても、第1のアームに制動
力を付与させることができる。
【0046】また、第1DDモータ2の回転子6及び第
1のアーム14と一体に回転する中空軸11が下方に延
出し、ベース1に形成した収納部に中空軸11の下端部
が突入した状態で、この収納部内で中空軸11の下端部
に対して上記ブレーキ手段92、エンコーダ61、セン
サ装置64及びストッパー機構等が配設されるいる。従
って、第1のアーム14の制動を行なうブレーキ装置や
第1のアーム14の制御に関わるエンコーダ61、セン
サ装置64及びストッパー機構等を、第1DDモータ2
の下方のベース部分にコンパクトに組込むことができ
る。
【0047】さらに上記中空軸11は、配管48や配線
56,57を上記コネクタ50,57に接続するために
ベース1の収納部内に導く部材としても利用されてい
る。
【0048】なお、上述の実施例において、第1のアー
ムにのみ制動力を付与させたのは、図3中に旋回軌跡K
で示すように、第1のアームが旋回すると第2のアーム
を含めたアーム全体の旋回半径が大きくなって周囲部品
と接触する機会が多くなるのに対し、第1アームを停止
させれば第2のアームだけの旋回半径は比較的小さくな
るからであり、重量面やスペース的な問題を解決できれ
ば、第2のアームの動力伝達経路にもブレーキ手段を設
置しておいても良い。
【0049】
【発明の効果】以上説明した本発明によれば、モータへ
の通電が遮断されたときに作動するブレーキ手段が設け
られているため、アームの旋回中に、DDモータへの通
電が断たれても、アームが慣性によって動き続けること
はなく、このため、アームと周囲部品との衝突を回避す
ることができ、思わぬトラブルの発生を未然に防止でき
る。また、電源OFF時においても、アームには制動力
が付与されるから、アームに外力が加わったとしても、
このアームが振れ動いてしまうことはなく、旋回の基準
となる原点位置のずれを防止でき、高精度な位置制御が
可能となる。
【0050】しかも、モータの回転子およびアームと一
体に回転する中空軸をモータの下方に延出させ、モータ
を支持するベースに形成された収納部内に上記中空軸の
下端部を突入させた状態で、この収納部内にブレーキ手
段を配置しているので、外部に余分なスペースをとるこ
となくブレーキ手段を組込むことができる。さらにブレ
ーキ手段に加え、エンコーダ、センサ装置、ストッパー
機構等も上記収納部内にコンパクトに配置することがで
き、また、中空軸を利用して、配管や配線等も合理的に
レイアウトすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるロボットにおけるベー
ス、第1,第2DDモータおよび第1のアームの基端側
を含む部分の断面図である。
【図2】同ロボットにおける第2DDモータ、第1のア
ームおよび第2のアームの基端側を含む部分の断面図で
ある。
【図3】同ロボットにおける第2のアームの先端側およ
びこれに取付けられた部材を含む部分の断面図である。
【図4】同ロボットの全体概略図である。
【図5】図1中のV−V線方向から見た矢視図である。
【図6】アームの旋回範囲を示す平面図である。
【符号の説明】
1 ベース 2 ダイレクトドライブモータ(第1DDモータ) 4 外側固定子 5 内側固定子 6 回転子 11 中空軸 14 アーム 50,57 コネクタ 61 エンコーダ 64 センサ装置 80 摩擦板 82 エアシリンダ 84 ブレーキパッド 92 ブレーキ手段

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 旋回可能に支持されたアームを、内側固
    定子と外側固定子との間に回転子を配した高トルクダイ
    レクトドライブモータで直接旋回駆動する産業用ロボッ
    トにおいて、上記高トルクダイレクトドライブモータを
    ベース上に設置し、このモータの回転子とこのモータの
    上方に位置する上記アームとを、回転子の上端から上方
    に延びる連結用部材を介して連結するとともに、連結用
    部材に固着されモータ中心部を貫通してモータ下方にま
    で延びる中空軸を設け、この中空軸の下端部を上記ベー
    スに形成した収納部に突入させ、この収納部内に、中空
    軸の周囲に張り出して中空軸に固着された摩擦板とこの
    摩擦板に対向してエアシリンダにより作動されるブレー
    キパッドとからなって、上記モータへの通電が遮断され
    たときに作動するブレーキ手段を配設するとともに、上
    記収納部内におけるブレーキ手段配設箇所の近傍の中空
    軸周囲に、エンコーダと、アーム旋回位置検出用のセン
    サ装置と、アームのオーバーラン防止用のストッパー機
    構とを配設し、かつ、上記アームに装備された可動部の
    駆動手段及び検出手段からの配管並びに配線を上記中空
    軸を通して上記収納部内に導き、上記収納部の周壁に内
    部配管・配線と外部配管・配線とを連結するためのコネ
    クタを設けたことを特徴とする産業用ロボットのアーム
    制御装置。
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