以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態の詳細を説明する。
[1.第1実施形態]
図1は、第1形態に係る多関節ロボット1の概略図である。多関節ロボット1は、電源101と、制御部102と、ロボット本体103と、を含む。電源101とロボット本体103とは電源線111にて接続される。制御部102とロボット本体103とは制御線112にて接続される。図1では電源線111および制御線112をそれぞれ1つの線にて示しているが、複数の線が束ねられていてもよい。電源線111および制御線112の数はそれぞれ1以上であり、これらの数はロボット本体103の構成に依存する。
ロボット本体103は、ベース部200と、第1アーム部201と、第2アーム部202と、第3アーム部203と、第4アーム部204と、第5アーム部205と、第6アーム部206と、を含む。なお、「アーム部」という表現はロボットの説明の都合上の表現であり、実際にアーム状である必要はない。アーム部は、モータにより移動または回転する部位、すなわち、1つの部材または結合された複数の部材である。
ベース部200は、床に固定される。第1アーム部201内には第1モータ部211が配置される。ベース部200と第1アーム部201とは、第1モータ部211を介して接続される。第1モータ部211は、ベース部200に対して第1アーム部201を鉛直方向を向く軸J1を中心に回転する。
第2アーム部202内には第2モータ部212と第3モータ部213とが配置される。第1アーム部201と第2アーム部202とは第2モータ部212を介して接続される。第2モータ部212は、第1アーム部201に対して第2アーム部202を軸J1に垂直な軸J2を中心に回転する。第2アーム部202と第3アーム部203とは第3モータ部213を介して接続される。第3モータ部213は、第2アーム部202に対して第3アーム部203を軸J2に平行な軸J3を中心に回転する。
第3アーム部203内には第4モータ部214が配置される。第3アーム部203と第4アーム部204とは、第4モータ部214を介して接続される。第4モータ部214は、第3アーム部203に対して第4アーム部204を軸J3に垂直な軸J4を中心に回転する。
第4アーム部204内には第5モータ部215が配置される。第4アーム部204と第5アーム部205とは、第5モータ部215を介して接続される。第5モータ部215は、第4アーム部204に対して第5アーム部205を軸J4に垂直な軸J5を中心に回転する。
第5アーム部205内には第6モータ部216が配置される。第5アーム部205と第6アーム部206とは、第6モータ部216を介して接続される。第6モータ部216は、第5アーム部205に対して第6アーム部206を軸J5に垂直な軸J6を中心に回転する。第6アーム部206には、必要に応じてツールもしくはデバイスが装着される。
図2は、ロボット本体103の第5モータ部215と第6モータ部216とを含む部分を示す断面図である。第6モータ部216は、ロボット本体103において最も先端に位置するモータ部である。第5モータ部215は、ロボット本体103において先端から2番目に位置するモータ部である。第5モータ部215は、モータ225と、基板235と、を含む。第4アーム部204は、モータ225および基板235を収容する内部空間245を有する。第6モータ部216は、モータ226と、基板236と、を含む。モータ226は、ロボット本体103の多関節構造に含まれるモータのうち、最も先端側のモータである。第5アーム部205は、モータ226および基板236を収容する内部空間246を有する。
モータ225は、軸J5を中心に回転する回転軸505と、回転軸505と一体回転する回転子515と、筒状であり、回転子515を収容する固定子525と、固定子525を保持するハウジング535と、を備える。回転軸505は筒状であり、内部空間545を有する。内部空間545は、第4アーム部204の内部空間245と、第5アーム部205の内部空間246とに接続される。
電源線111および制御線112は、第3アーム部203側から第4アーム部204内を経由して内部空間245内の基板235に接続される。また、基板235から引き出される電源線111及び制御線112は、回転軸505の内部空間545を経由して内部空間246内の基板236に接続される。一部の線は基板を経由することなくモータの回転軸の内部空間に導かれてもよい。例えば、第6アーム部206に装着されるツールもしくはデバイスに制御信号あるいは電力を導く配線は、第5モータ部215の基板235に接続されることなくモータ225の回転軸505の内部空間545に挿入されてもよい。
基板235からは、ドライバ中間配線326が引き出される。ドライバ中間配線326は、回転軸505の内部空間545を経由して内部空間246内の基板236に接続される。
基板236には、発光素子406が設けられ、基板235には、受光素子405が設けられる。発光素子406は、軸J5と平行であり、且つ、回転軸505の内部空間545へ向かう方向に発光面を向けて配置される。受光素子405は、軸J5と平行であり、且つ、回転軸505の内部空間545へ向かう方向に受光面を向けて配置される。つまり、発光素子406と受光素子405とは、回転軸505の内部空間545を介して概ね対向する。
発光素子406から照射される光は、内部空間545を介して受光素子405によって受光される。つまり、内部空間545のうち、配線を除く空間を発光素子406からの照射光が通過し、受光素子405に到達する。発光素子406は、例えばLED(Light Emitting Diode)であり、拡散光を照射する。発光素子406から照射される光は、受光素子405に直接到達する他、回転軸505の内壁及び配線ケーブルの外面を反射し間接的に到達する。回転軸505の内壁及び配線ケーブルの外面の少なくとも一方は、反射率の高い材質によって構成されたり、反射率の高い塗料によって塗装されたりしてもよい。
発光素子406は、第5アーム部205の内部空間246に配置され、受光素子405は、第4アーム部204の内部空間245に配置される。発光素子406と受光素子405との間の空間は、発光素子406から出力される光信号316の伝送路である。つまり、回転軸505の内部空間545は、光信号316の伝送路に含まれる。なお、発光素子406を、回転軸505の内部空間545と第5アーム部205の内部空間246との境界面もしくは回転軸505の内部空間545内に位置するように設け、受光素子405を、回転軸505の内部空間545と第4アーム部204の内部空間245との境界面もしくは回転軸505の内部空間545内に位置するように設けることで、光信号316の伝送路を回転軸505の内部空間545だけに設けてもよい。
図3は、ロボット本体103の第3モータ部213と第4モータ部214とを含む部分を示す図である。第4モータ部214は、ロボット本体103において先端から3番目に位置するモータ部である。第3モータ部213は、ロボット本体103において先端から4番目に位置するモータ部である。図2の場合と同様に、第3モータ部213は、モータ223と、基板233と、を含む。第2アーム部202は、モータ223および基板233を収容する内部空間243を有する。第4モータ部214は、モータ224と、基板234と、を含む。第3アーム部203は、モータ224および基板234を収容する内部空間244を有する。
モータ223は、軸J3を中心に回転する回転軸503と、回転軸503と一体回転する回転子513と、筒状であり、回転子513を収容する固定子523と、固定子523を保持するハウジング533と、を備える。回転軸503は筒状であり、内部空間543を有する。内部空間543は、第2アーム部202の内部空間243と、第3アーム部203の内部空間244とに接続される。
電源線111および制御線112は、第1アーム部201側から第2アーム部202内を経由して内部空間243内の基板233に接続される。また、基板233から引き出される電源線111及び制御線112は、回転軸503の内部空間543を経由して内部空間244内の基板234に接続される。さらに、基板234から引き出される電源線111及び制御線112は、モータ224の回転軸の図示しない内部空間を経由して第4アーム部204へと導かれる。
基板233からは、ドライバ中間配線324が引き出される。ドライバ中間配線324は、回転軸503の内部空間543を経由して内部空間244内の基板234に接続される。
基板234には、発光素子404が設けられ、基板233には、受光素子403が設けられる。発光素子404は、軸J3と平行であり、且つ、回転軸503の内部空間543へ向かう方向に発光面を向けて配置される。受光素子403は、軸J3と平行であり、且つ、回転軸503の内部空間543へ向かう方向に受光面を向けて配置される。つまり、発光素子404と受光素子403とは、回転軸503の内部空間543を介して概ね対向する。発光素子404から照射される光は、内部空間543を介して受光素子403によって受光される。
発光素子404から照射される光は、内部空間543を介して受光素子403によって受光される。つまり、内部空間543のうち、配線を除く空間を発光素子404からの照射光が通過し、受光素子403に到達する。発光素子404は、例えばLED(Light Emitting Diode)であり、拡散光を照射する。発光素子404から照射される光は、受光素子403に直接到達する他、回転軸503の内壁及び配線ケーブルの外面を反射し間接的に到達する。回転軸503の内壁及び配線ケーブルの外面の少なくとも一方は、反射率の高い材質によって構成されたり、反射率の高い塗料によって塗装されたりしてもよい。
発光素子404は、第3アーム部203の内部空間244に配置され、受光素子403は、第2アーム部202の内部空間243に配置される。発光素子404と受光素子403との間の空間は、発光素子404から出力される光信号314の伝送路である。つまり、回転軸503の内部空間543は、光信号314の伝送路に含まれる。なお、発光素子404を、回転軸503の内部空間543と第3アーム部203の内部空間244との境界面もしくは回転軸503の内部空間543内に位置するように設け、受光素子403を、回転軸503の内部空間543と第2アーム部202の内部空間243との境界面もしくは回転軸503の内部空間543内に位置するように設けることで、光信号314の伝送路を回転軸503の内部空間543だけに設けてもよい。
多関節ロボット1の第1モータ部211および第2モータ部212近傍の部位においても、図3に準じて各種配線が配置される。ただし、第1モータ部211および第2モータ部212では、ベース部200から先端部に向かう方向に関して、モータと基板との配置順序は図3の場合とは逆になる。
図4は、第5モータ部215および第6モータ部216の構成および配線の接続を示す図である。第5モータ部215は、モータ225と、ドライバ255と、センサ265と、サーボ回路275と、受光素子405と、バッファ415と、を含む。サーボ回路275は、2つのスイッチング信号生成回路285,286を含む。第6モータ部216は、モータ226と、ドライバ256と、センサ266と、発光素子406と、バッファ416と、を含む。ドライバ255、サーボ回路275、受光素子405およびバッファ415は、基板235に設けられる。ドライバ256、発光素子406及びバッファ416は、基板236に設けられる。
電源101からの電源線111は、モータの駆動に用いられるモータ電源線121と、基板に電力を供給する基板電源線122と、を含む。モータ電源線121は、ドライバ255,256に接続される。基板電源線122は、基板235,236に接続され、サーボ回路275、ドライバ255,256、受光素子405、発光素子406およびバッファ415,416に電力を供給する。基板電源線122とサーボ回路275、ドライバ255,256、受光素子405、発光素子406およびバッファ415,416のそれぞれとの接続の図示は省略している。以下の類似の図についても同様である。図4では、図示を簡略化するためにモータ電源線121および基板電源線122から配線が分岐して第5モータ部215および第6モータ部216に電力を供給するように示しているが、実際には、これらの電源線121,122は、基板235に接続された後、基板235から基板236に導かれる。もちろん、図4に示す通りに電源線は分岐してもよい。
制御部102からの制御線112は、第1モータ部211ないし第4モータ部214を順に経由して第5モータ部215のサーボ回路275に接続される。図4では制御線112を1つの線にて示しているが、本実施の形態では、EtherCAT(登録商標)にて制御情報が伝達されるため、正確には、制御線112は、往路と復路とを含む配線、または、ループ配線である。
サーボ回路275には、制御線112を介して制御部102からモータ225,226の回転位置を指示する制御信号が入力される。なお、正確には、制御線112にて伝達される制御信号のうち、サーボ回路に対応するモータへの指示を示す部分がサーボ回路に入力されるが、以下の説明では、単に「サーボ回路に制御信号が入力される」と表現する。回転位置を指示する制御信号は、例えば、数値を示す。センサ265は、モータ225のロータの回転位置を検出し、位置信号をスイッチング信号生成回路285に入力する。スイッチング信号生成回路285は、制御信号およびセンサ265からの位置信号に基づいてドライバ255に入力されるUVW信号を生成する。UVW信号は、モータ225の巻線に与えられる電圧の変化を指示するスイッチング信号である。ドライバ255は複数のスイッチを含み、UVW信号に基づいてモータ225の巻線に与えられるU相、V相、W相の電圧をスイッチングする。典型的には、ドライバ255は、巻線に印加される電圧の極性を高速に反転させつつ切り替え時間を制御することにより、交番する電流を生成してモータ225を駆動する。スイッチング信号には電圧のON/OFFの指示が含まれてもよい。
センサ266は、モータ226の回転子の回転位置を検出し、位置信号を出力する。センサ266は、バッファ416を介して発光素子406に接続される。センサ266から出力される位置信号は電気信号であり、バッファ416によって整形及び増幅され、発光素子406に入力される。発光素子406は、電気信号を光信号316に変換し、光信号316を出力する。
基板235では、もう1つのスイッチング信号生成回路286が、バッファ415を介して受光素子405と接続される。発光素子406から出力される光信号316は、受光素子405に入力される。受光素子405は、光信号316を電気信号に変換し、当該電気信号を出力する。つまり、受光素子405からは、電気信号に復元された位置信号が出力される。受光素子405から出力される電気信号は、バッファ415によって整形及び増幅され、スイッチング信号生成回路286に入力される。
スイッチング信号生成回路286は、制御信号およびセンサ266からの位置信号に基づいてドライバ256に入力されるUVW信号を生成する。UVW信号を第5モータ部215と第6モータ部216との間で伝達するために、第5モータ部215と第6モータ部216との間には、スイッチング信号生成回路286からドライバ256にUVW信号を導くドライバ中間配線326が設けられる。UVW信号は、モータ226の巻線に与えられる電圧の変化を指示するスイッチング信号である。ドライバ256は複数のスイッチを含み、UVW信号に基づいてモータ226の巻線に与えられる電圧をスイッチングする。すなわち、巻線に与えられる電圧を変化させる。
つまり、第5モータ部215と第6モータ部216との間では、光信号316の伝送空間を通じて位置信号が伝送され、信号線であるドライバ中間配線326を通じてUVW信号が伝送される。
ここで、図2の第6アーム部206を「第1部位」、モータ226を「第1動力部」、第5アーム部205を「第2部位」、モータ225を「第2動力部」、発光素子406を「第1素子」、受光素子405を「第2素子」と捉えた場合、第1動力部は第1部位を駆動し、第2部位は第1動力部を収容し、第1部位と相対的に回転可能に連結され、第2動力部は第2部位を駆動する。第1素子及び第2素子は、第1動力部の制御に用いられる光信号の送受信が可能であり、第1素子は第2動力部に対して第1動力部と同一側に配置され、第2素子は第2動力部に対して第1動力部と反対側に配置される。第2動力部は筒状の回転軸を有し、回転軸の内部空間は光信号の伝送路の少なくとも一部である。
さらに、図4のセンサ266を「センサ」、スイッチング信号生成回路286を「制御回路」と捉えた場合、センサは第1動力部に取り付けられ、制御回路は第1動力部を制御する。センサは、第2動力部に対して第1素子と同一側に配置され、電気信号を第1素子に出力する。第1素子は、センサから出力される電気信号を光信号に変換し、変換された光信号を送信する発光素子である。第2素子は、第1素子から送信された光信号を受信し、受信された光信号を電気信号に変換する受光素子である。制御回路は、第2動力部に対して第2素子と同一側に配置され、第2素子から出力される電気信号に基づいて、第1動力部を制御する。
さらに、第4アーム部204を「第3部位」と捉えた場合、第3部位は第2部位と相対的に回転可能に連結される。第2部位は第1動力部を収容する第1空間(内部空間246)を有し、第3部位は第2動力部を収容する第2空間(内部空間245)を有する。制御回路は第2空間に収容される。
以上のように、第5モータ部215および第6モータ部216では、センサ266から出力される電気信号を、第6モータ部216に設けられる発光素子406によって光信号に変換して送信し、第5モータ部215に設けられる受光素子405によって光信号を受信する。これにより、第5モータ部215及び第6モータ部216間において、センサ266から出力される位置信号を伝送するための信号線を設ける必要がなく、配線数を削減することができる。
また、第5モータ部215および第6モータ部216では、サーボ回路275は一方の基板235のみに設けられる。これにより、2つのスイッチング信号生成回路285,286の共通の構成要素、例えば、制御信号の受信回路等を共用化でき、2つの基板235,236に個別に高価なサーボ回路を設ける場合に比べて多関節ロボット1全体の製造コストを削減することができる。
加えて、ロボット本体103の最も先端側の第6モータ部216に制御線112を接続する必要がないため、ロボット本体103の先端部における配線を簡素化することができる。なお、図4中に二点鎖線にて示すように、モータ電源線121および基板電源線122は、第6アーム部206に装着されるツールもしくはデバイスに電力を供給するために、第6アーム部206内へと導かれてもよい。制御線112に関しても、第6アーム部206に装着されるツールもしくはデバイスを制御するために、基板235からさらに先端に向かって引き出されてもよい。
図5は、第3モータ部213および第4モータ部214の構成および配線の接続を示す図である。第3モータ部213は、モータ223と、ドライバ253と、センサ263と、サーボ回路273と、受光素子403と、バッファ413と、を含む。サーボ回路273は、2つのスイッチング信号生成回路283,284を含む。第4モータ部214は、モータ224と、ドライバ254と、センサ264と、発光素子404と、バッファ414と、を含む。ドライバ253、サーボ回路273、受光素子403およびバッファ413は、基板233に設けられる。ドライバ254、発光素子404及びバッファ414は、基板234に設けられる。
電源101からの電源線111は、モータの駆動に用いられるモータ電源線121と、基板に電力を供給する基板電源線122と、を含む。モータ電源線121は、ドライバ253,254に接続される。基板電源線122は、基板233,234に接続され、サーボ回路273、ドライバ253,254、受光素子403、発光素子404およびバッファ413,414に電力を供給する。図4と同様に図5においても、図示を簡略化するためにモータ電源線121および基板電源線122から配線が分岐して第3モータ部213および第4モータ部214に電力を供給するように示しているが、実際には、これらの電源線121,122は、基板233に接続された後、基板233から基板234に導かれる。図5に示す通りに電源線は分岐してもよい。
制御部102からの制御線112は、第1モータ部211および第2モータ部212を順に経由して第3モータ部213のサーボ回路273に接続される。サーボ回路273には、制御線112を介して制御部102からモータ223,224の回転位置を指示する制御信号が入力される。センサ263は、モータ223のロータの回転位置を検出し、位置信号をスイッチング信号生成回路283に入力する。スイッチング信号生成回路283は、制御信号およびセンサ263からの位置信号に基づいてドライバ253に入力されるUVW信号を生成する。UVW信号は、モータ223の巻線に与えられる電圧の変化を指示するスイッチング信号である。ドライバ253は複数のスイッチを含み、UVW信号に基づいてモータ223の巻線に与えられる電圧をスイッチングする。すなわち、巻線に与えられる電圧を変化させる。
センサ264は、モータ224のロータの回転位置を検出し、位置信号を出力する。センサ264は、バッファ414を介して発光素子404に接続される。センサ264から出力される位置信号は電気信号であり、バッファ414によって整形及び増幅され、発光素子404に入力される。発光素子404は、電気信号を光信号314に変換し、光信号314を出力する。
基板233では、もう1つのスイッチング信号生成回路284が、バッファ413を介して受光素子403と接続される。発光素子404から出力される光信号314は、受光素子403に入力される。受光素子403は、光信号314を電気信号に変換し、当該電気信号を出力する。つまり、受光素子403からは、電気信号に復元された位置信号が出力される。受光素子403から出力される電気信号は、バッファ413によって整形及び増幅され、スイッチング信号生成回路284に入力される。
スイッチング信号生成回路284は、制御信号およびセンサ264からの位置信号に基づいてドライバ254に入力されるUVW信号を生成する。UVW信号を第3モータ部213と第4モータ部214との間で伝達するために、第3モータ部213と第4モータ部214との間には、スイッチング信号生成回路284からドライバ254にUVW信号を導くドライバ中間配線324が設けられる。UVW信号は、モータ224の巻線に与えられる電圧の変化を指示するスイッチング信号である。ドライバ254は複数のスイッチを含み、UVW信号に基づいてモータ224の巻線に与えられる電圧をスイッチングする。すなわち、巻線に与えられる電圧を変化させる。
つまり、第3モータ部213と第4モータ部214との間では、光信号314の伝送空間を通じて位置信号が伝送され、信号線であるドライバ中間配線324を通じてUVW信号が伝送される。
ここで、図3の第4アーム部204を「第1部位」、モータ224を「第1動力部」、第3アーム部203を「第2部位」、モータ223を「第2動力部」、発光素子404を「第1素子」、受光素子403を「第2素子」と捉えた場合、第1動力部は第1部位を駆動し、第2部位は第1動力部を収容し、第1部位と相対的に回転可能に連結され、第2動力部は第2部位を駆動する。第1素子及び第2素子は、第1動力部の制御に用いられる光信号の送受信が可能であり、第1素子は第2動力部に対して第1動力部と同一側に配置され、第2素子は第2動力部に対して第1動力部と反対側に配置される。第2動力部は筒状の回転軸を有し、回転軸の内部空間は光信号の伝送路の少なくとも一部である。
さらに、図5のセンサ264を「センサ」、スイッチング信号生成回路284を「制御回路」と捉えた場合、センサは第1動力部に取り付けられ、制御回路は第1動力部を制御する。センサは、第2動力部に対して第1素子と同一側に配置され、電気信号を第1素子に出力する。第1素子は、センサから出力される電気信号を光信号に変換し、変換された光信号を送信する発光素子である。第2素子は、第1素子から送信された光信号を受信し、受信された光信号を電気信号に変換する受光素子である。制御回路は、第2動力部に対して第2素子と同一側に配置され、第2素子から出力される電気信号に基づいて、第1動力部を制御する。
さらに、第2アーム部202を「第3部位」と捉えた場合、第3部位は第2部位と相対的に回転可能に連結される。第2部位は第1動力部を収容する第1空間(内部空間244)を有し、第3部位は第2動力部を収容する第2空間(内部空間243)を有する。制御回路は第2空間に収容される。
以上のように、第3モータ部213および第4モータ部214では、センサ264から出力される電気信号を、第4モータ部214に設けられる発光素子404によって光信号に変換して送信し、第3モータ部213に設けられる受光素子403によって光信号を受信する。これにより、第3モータ部213及び第4モータ部214間において、センサ264から出力される位置信号を伝送するための信号線を設ける必要がなく、配線数を削減することができる。
また、第3モータ部213および第4モータ部214では、サーボ回路273は一方の基板233のみに設けられる。これにより、2つのスイッチング信号生成回路283,284の共通の構成要素、例えば、制御信号の受信回路等を共用化でき、2つの基板233,234に個別に高価なサーボ回路を設ける場合に比べて多関節ロボット1全体の製造コストを削減することができる。
また、制御線112を第4モータ部214に接続しない場合は、第4モータ部214の製造コストおよびロボット本体103の組み立てコストを削減することができる。
[1-1.変形例]
センサから出力される位置信号に代えて、スイッチング信号生成回路から出力されるUVWを光信号として伝送してもよい。図6は、第1実施形態の変形例におけるロボット本体103の第5モータ部215と第6モータ部216とを含む部分を示す断面図である。本例では、基板235に、受光素子405に代えて発光素子445が設けられ、基板236に、発光素子406に代えて受光素子446が設けられる。発光素子445は、軸J5と平行であり、且つ、回転軸505の内部空間545へ向かう方向に発光面を向けて配置される。受光素子446は、軸J5と平行であり、且つ、回転軸505の内部空間545へ向かう方向に受光面を向けて配置される。つまり、発光素子445と受光素子446とは、回転軸505の内部空間545を介して概ね対向する。
図7は、第1実施形態の変形例における第5モータ部215および第6モータ部216の構成および配線の接続を示す図である。本例では、第6モータ部216のセンサ266と、第5モータ部215のスイッチング信号生成回路286とが信号線を含むセンサ中間配線346により接続され、センサ266から出力される位置信号がセンサ中間配線346によってスイッチング信号生成回路286へ伝送される。
第5モータ部215には、発光素子445及びバッファ455が設けられ、スイッチング信号生成回路286がバッファ455を介して発光素子445に接続される。スイッチング信号生成回路286からはモータ226を制御するための電気信号であるUVW信号が出力され、バッファ455によって整形、増幅された後、発光素子445に入力される。発光素子445は、入力された電気信号を光信号336に変換し、当該光信号336を送信する。発光素子445およびバッファ455は、基板235に設けられる。
第6モータ部216には、受光素子446及びバッファ456が設けられ、ドライバ256がバッファ456を介して受光素子446に接続される。発光素子445から送信された光信号336は、受光素子446によって受信される。受光素子446は、受信した光信号336を電気信号であるUVW信号に変換する。受光素子446から出力されるUVW信号は、バッファ456によって整形、増幅された後、ドライバ256に入力される。受光素子446およびバッファ456は、基板236に設けられる。
ここで、第6アーム部206を「第1部位」、モータ226を「第1動力部」、第5アーム部205を「第2部位」、モータ225を「第2動力部」、受光素子446を「第1素子」、発光素子445を「第2素子」と捉えた場合、第1動力部は第1部位を駆動し、第2部位は第1動力部を収容し、第1部位と相対的に回転可能に連結され、第2動力部は第2部位を駆動する。第1素子及び第2素子は、第1動力部の制御に用いられる光信号の送受信が可能であり、第1素子は第2動力部に対して第1動力部と同一側に配置され、第2素子は第2動力部に対して第1動力部と反対側に配置される。第2動力部は筒状の回転軸を有し、回転軸の内部空間は光信号の伝送路の少なくとも一部である。
さらに、図7のスイッチング信号生成回路286を「制御回路」、ドライバ256を「駆動回路」と捉えた場合、制御回路は第1動力部を制御するための制御信号を出力し、駆動回路は制御回路から出力される制御信号に基づいて、第1動力部を駆動する。制御回路は、第2動力部に対して第2素子と同一側に配置され、電気信号である制御信号を第2素子に出力する。第2素子は、制御回路から出力される制御信号を光信号に変換し、変換された光信号を送信する発光素子である。第1素子は、第2素子から送信された光信号を受信し、受信された光信号を制御信号に変換し、制御信号を駆動回路に出力する受光素子である。駆動回路は、第2動力部に対して第1素子と同一側に配置される。
さらに、第4アーム部204を「第3部位」と捉えた場合、第3部位は第2部位と相対的に回転可能に連結される。第2部位は第1動力部を収容する第1空間(内部空間246)を有し、第3部位は第2動力部を収容する第2空間(内部空間245)を有する。制御回路は第2空間に収容される。
以上のように構成することで、第5モータ部215及び第6モータ部216間において、モータ226を制御するためのUVW信号を伝送するための信号線を設ける必要がなく、配線数を削減することができる。
なお、第3モータ部213に、受光素子403に代えて発光素子を設け、第4モータ部214に、発光素子404に代えて受光素子を設け、センサ264から出力される位置信号に代えて、スイッチング信号生成回路284から出力されるUVWを光信号として伝送してもよい。
また、例えば第5モータ部215に発光素子445及び受光素子405を設け、第6モータ部216に発光素子406及び受光素子446を設け、センサ266から出力される位置信号と、スイッチング信号生成回路286から出力されるUVW信号との両方を光信号として伝送してもよい。第3モータ部213及び第4モータ部214についても同様である。
[2.第2実施形態]
図8は、第2実施形態に係る多関節ロボット1の第5モータ部215および第6モータ部216の構成および配線の接続を示す図である。第5モータ部215は、モータ225と、ドライバ255と、2つのセンサ265a,265bと、サーボ回路275と、受光素子405と、バッファ415と、デマルチプレクサ425とを含む。サーボ回路275は、2つのスイッチング信号生成回路285,286を含む。第6モータ部216は、モータ226と、ドライバ256と、2つのセンサ266a,266bと、発光素子406と、バッファ416と、マルチプレクサ426とを含む。ドライバ255、サーボ回路275、受光素子405、バッファ415及びデマルチプレクサ425は、基板235に設けられる。ドライバ256、発光素子406、バッファ416及びマルチプレクサ426は、基板236に設けられる。
センサ265a,265bのそれぞれは、モータ225の回転子515の回転位置を検出し、位置信号をスイッチング信号生成回路285に入力する。また、一方のセンサ265aが回転子515の回転位置を検出し、他方のセンサ265bが回転位置以外の物理量、例えば、モータの温度等を検出してもよい。スイッチング信号生成回路285は、制御信号およびセンサ265a,265bからの信号に基づいてドライバ255に入力されるUVW信号を生成する。ドライバ255は複数のスイッチを含み、UVW信号に基づいてモータ225の巻線に与えられる電圧をスイッチングする。すなわち、巻線に与えられる電圧を変化させる。
センサ266a,266bは、モータ226の回転子の回転位置を検出し、位置信号を出力する。センサ266a,266bのそれぞれは、マルチプレクサ426に接続される。マルチプレクサ426は、センサ266aから出力される電気信号である第1位置信号と、センサ266bから出力される電気信号である第2位置信号とを1つの電気信号である多重化信号として出力する。マルチプレクサ426は、図示しない制御部から与えられる選択制御信号にしたがい、第1位置信号及び第2位置信号の1つを選択し、出力信号とする。マルチプレクサ426は、このような選択を切り替えることで、第1位置信号と第2位置信号とを時分割多重化する多重化処理を実行する。
マルチプレクサ426の出力側は、バッファ416を介して発光素子406に接続される。マルチプレクサ426から出力される多重化信号は、バッファ416によって整形及び増幅され、発光素子406に入力される。発光素子406は、電気信号である多重化信号を光信号316に変換し、光信号316を出力する。
基板235では、もう1つのスイッチング信号生成回路286が、デマルチプレクサ425の出力側に2本の信号線435a,435bによって接続される。デマルチプレクサ425の入力側は、バッファ415を介して受光素子405と接続される。発光素子406から出力される光信号316は、受光素子405に入力される。受光素子405は、光信号316を電気信号に変換し、当該電気信号を出力する。つまり、受光素子405からは、電気信号に復元された多重化信号が出力される。受光素子405から出力される多重化信号は、バッファ415によって整形及び増幅され、デマルチプレクサ425に入力される。
デマルチプレクサ425は、入力された多重化信号から第1位置信号と第2位置信号とを抽出し、第1位置信号を信号線435aから出力し、第2位置信号を信号線435bから出力する。デマルチプレクサ425は、図示しない制御部から与えられる選択制御信号にしたがい、信号線435a,435bの1つを選択し、入力信号を選択された信号線から出力する。デマルチプレクサ425は、このような選択を切り替えることで、多重化信号から第1位置信号と第2位置信号とを抽出する。デマルチプレクサ425から出力される第1位置信号及び第2位置信号は、スイッチング信号生成回路286に入力される。
スイッチング信号生成回路286は、制御信号と、センサ266a,266bからの第1位置信号及び第2位置信号とに基づいてドライバ256に入力されるUVW信号を生成する。
なお、本実施形態に係る多関節ロボット1のその他の構成は、第1実施形態に係る多関節ロボット1の構成と同様であるので、同一構成要素には同一符号を付し、説明を省略する。
また、上記の例では第6モータ部216に2つのセンサ266a,266bを設ける構成としたが、3以上のセンサを設け、各センサから出力される電気信号をマルチプレクサ426の時分割多重化処理によって1つの多重化信号として出力してもよい。この場合、デマルチプレクサ425が多重化信号からセンサの数に応じた電気信号を抽出する。
ここで、第6アーム部206を「第1部位」、モータ226を「第1動力部」、第5アーム部205を「第2部位」、モータ225を「第2動力部」、発光素子406を「第1素子」、受光素子405を「第2素子」、スイッチング信号生成回路286を「制御回路」、マルチプレクサ426を「第1信号処理回路」、デマルチプレクサ425を「第2信号処理回路」、センサ266aを「第1センサ」、センサ266bを「第2センサ」と捉えた場合、第1信号処理回路は、第2動力部に対して第1素子と同一側に配置される。第1信号処理回路は、第1センサから出力される第1電気信号(第1位置信号)と、第2センサから出力される第2電気信号(第2位置信号)との多重化処理を実行し、多重化処理によって得られる多重化信号を出力する。第1素子は、第1信号処理回路から出力される多重化信号を光信号に変換し、第2素子は、受信された光信号を多重化信号に変換する。第2信号処理回路は、第2動力部に対して第2素子と同一側に配置される。第2信号処理回路は、第2素子から出力される多重化信号から、第1電気信号及び第2電気信号を抽出する。制御回路は、第2信号処理回路から出力される第1電気信号及び第2電気信号に基づいて、第1動力部を制御する。
多関節ロボット1の第3モータ部213及び第4モータ部214、並びに、第1モータ部211および第2モータ部212においても、上記と同様に複数のセンサからの電気信号を多重化した多重化信号を光信号によって伝送する構成としてもよい。
[2-1.変形例]
マルチプレクサ426に代えて、第1位置信号及び第2位置信号に対して、時分割多重化以外、例えば、周波数分割多重化、符号分割多重化等を施す信号処理回路を設けてもよい。この場合、デマルチプレクサ425に代えて、多重化に対応した逆多重化処理を実行する信号処理回路を設ける。
また、マルチプレクサ426は、第1位置信号の情報のヘッダとしてセンサ266aを示す第1識別情報を付加し、第2位置信号の情報のヘッダとしてセンサ266bを示す第2識別情報を付加した多重化信号を生成してもよい。この場合、デマルチプレクサ425は、多重化信号の中から、ヘッダに第1識別情報を含む情報を第1位置信号として出力し、ヘッダに第2識別情報を含む情報を第2位置信号として出力する。また、この場合、デマルチプレクサ425を設けず、スイッチング信号生成回路286に多重化信号を入力し、スイッチング信号生成回路286において、第1識別情報に続く情報を第1位置信号として抽出し、第2識別情報に続く情報を第2位置信号として抽出してもよい。
[3.第3実施形態]
図9は、第3実施形態に係るロボット本体103の第5モータ部215と第6モータ部216とを含む部分を示す断面図である。本実施形態に係る多関節ロボット1では、基板235に、2つの受光素子405a,405bが設けられ、基板236に、2つの発光素子406a,406bが設けられる。発光素子406a,406bのそれぞれは、軸J5と平行であり、且つ、回転軸505の内部空間545へ向かう方向に発光面を向けて配置される。受光素子405a,405bのそれぞれは、軸J5と平行であり、且つ、回転軸505の内部空間545へ向かう方向に受光面を向けて配置される。つまり、発光素子406a,406bと受光素子405a,405bとは、回転軸505の内部空間545を介して概ね対向する。
図10は、第3実施形態に係る多関節ロボット1の第5モータ部215および第6モータ部216の構成および配線の接続を示す図である。第5モータ部215は、モータ225と、ドライバ255と、2つのセンサ265a,265bと、サーボ回路275と、2つの受光素子405a,405bと、2つのバッファ415a,415bとを含む。第6モータ部216は、モータ226と、ドライバ256と、2つのセンサ266a,266bと、2つの発光素子406a,406bと、2つのバッファ416a,416bとを含む。ドライバ255、サーボ回路275、受光素子405a,405b、及びバッファ415a,415bは、基板235に設けられる。ドライバ256、発光素子406a,406b、及びバッファ416a,416bは、基板236に設けられる。
センサ266aはバッファ416aを介して発光素子406aに接続される。センサ266aから出力される第1位置信号は電気信号であり、バッファ416aによって整形及び増幅され、発光素子406aに入力される。発光素子406aは、電気信号を光信号316aに変換し、光信号316aを出力する。
センサ266bはバッファ416bを介して発光素子406bに接続される。センサ266bから出力される第2位置信号は電気信号であり、バッファ416bによって整形及び増幅され、発光素子406bに入力される。発光素子406bは、電気信号を光信号316bに変換し、光信号316bを出力する。
基板235では、スイッチング信号生成回路286が、バッファ415aを介して受光素子405aと接続され、バッファ415bを介して受光素子405bと接続される。発光素子406aから出力される光信号316aは、受光素子405aに入力される。受光素子405aは、光信号316aを電気信号に変換し、当該電気信号を出力する。つまり、受光素子405aからは、電気信号に復元された第1位置信号が出力される。受光素子405aから出力される電気信号は、バッファ415aによって整形及び増幅され、スイッチング信号生成回路286に入力される。
発光素子406bから出力される光信号316bは、受光素子405bに入力される。受光素子405bは、光信号316bを電気信号に変換し、当該電気信号を出力する。つまり、受光素子405bからは、電気信号に復元された第2位置信号が出力される。受光素子405bから出力される電気信号は、バッファ415bによって整形及び増幅され、スイッチング信号生成回路286に入力される。
再び図9を参照する。発光素子406a,406bは、それぞれ異なる色(すなわち、波長)の光を照射することにより、波長分割多重化によって光信号316a,316bを送信してもよい。この場合、受光素子405aは、発光素子406aが照射する波長の光を受光可能とし、受光素子405bは、発光素子406bが照射する波長の光を受光可能とする。これにより、発光素子406a,406bから同時に光信号316a,316bを送信することができる。
また、発光素子406a,406bは、異なるタイミングで光信号316a,316bを送信してもよい。これにより時分割多重化によって光信号316a,316bを送信することができる。この場合、発光素子406a,406bの発光波長を同一とし、受光素子405a,405bの受光波長を同一とすることができる。
なお、本実施形態に係る多関節ロボット1のその他の構成は、第2実施形態に係る多関節ロボット1の構成と同様であるので、同一構成要素には同一符号を付し、説明を省略する。
また、上記の例では第6モータ部216に2つのセンサ266a,266bを設ける構成としたが、3以上のセンサを設け、センサと同数の発光素子を第6モータ部216に設けて、各センサから出力される電気信号を各発光素子によって光信号に変換し、各光信号を送信してもよい。この場合、第5モータ部215に発光素子と同数の受光素子を設け、各受光素子が、対応する発光素子から送信された光信号を受信し、電気信号へそれぞれ変換し、スイッチング信号生成回路286に各電気信号を出力する。
ここで、第6アーム部206を「第1部位」、モータ226を「第1動力部」、第5アーム部205を「第2部位」、モータ225を「第2動力部」、スイッチング信号生成回路286を「制御回路」、センサ266aを「第1センサ」、センサ266bを「第2センサ」、発光素子406aを「第1発光素子」、発光素子406bを「第2発光素子」、受光素子405aを「第1受光素子」、受光素子405bを「第2受光素子」と捉えた場合、第1センサは第1電気信号を第1発光素子に出力し、第2センサは第2電気信号を第2発光素子に出力する。第1発光素子は、第1電気信号を第1光信号(光信号316a)に変換し、第1光信号を送信する。第2発光素子は、第2電気信号を第2光信号(光信号316b)に変換し、第2光信号を送信する。第1受光素子は、第1光信号を受信し、受信された第1光信号を第1電気信号に変換する。第2受光素子は、第2光信号を受信し、受信された第2光信号を第2電気信号に変換する。制御回路は、第1受光素子及び第2受光素子のそれぞれから出力される第1電気信号及び第2電気信号のそれぞれに基づいて、第1動力部を制御する。
多関節ロボット1の第3モータ部213及び第4モータ部214、並びに、第1モータ部211および第2モータ部212においても、上記と同様に複数のセンサからの電気信号それぞれを複数の発光素子によって光信号に変換し、複数の受光素子によって各光信号を受信する構成としてもよい。
[3-1.変形例]
図11は、第3実施形態の変形例におけるロボット本体103の第5モータ部215と第6モータ部216とを含む部分を示す断面図である。本例では、発光素子406a,406bが、基板235ではなく、回転軸505に固定された保持部材555に取り付けられる。これにより、発光素子406a,406bが、回転軸505と一体回転する。即ち、発光素子406a,406bは、受光素子405a,405bと一体回転する。
発光素子406a,406bは、モータ225の回転によって基板235と相対的に回転する。このため、発光素子406a,406bのそれぞれは、フレキシブルな信号線466a,466bによって基板235に接続される。これにより、発光素子406a,406bと基板235との相対的な位置が変化しても、発光素子406a,406bと基板235との接続状態が維持される。
発光素子406aは、対応する受光素子405aと対向する。発光素子406bは、対応する受光素子405bと対向する。回転軸505の内部空間545を含む光信号の伝送空間を分割する分割板565が設けられる。分割板565は、内部空間545を、発光素子406aが送信する光信号の伝送路である第1空間545aと、発光素子406bが送信する光信号の伝送路である第2空間545bとに分割する。
これにより、発光素子406a,406bそれぞれから照射される光の混合が防止される。したがって、時分割多重化、周波数分割多重化、符号分割多重化等の多重化処理を施すことなく、発光素子406a,406bのそれぞれから光信号を送信し、受光素子405a,405bのそれぞれによって光信号を受信することができる。
また、第5モータ部215に3以上のセンサを設けた場合、センサと同数の発光素子を設け、発光素子と同数の受光素子が第6モータ部216に設けることができる。この場合、対応する発光素子と受光素子とが互いに対向して配置される。回転軸505の内部空間545に複数(発光素子と受光素子との対の数より1少ない数)の分割板が配置され、内部空間545が分割される。各分割板は、軸J5と平行に配置され、各分割空間が、発光素子と受光素子との対による光信号の伝送路となる。
[4.第4実施形態]
本実施形態に係る多関節ロボット1は、第2実施形態に係る多関節ロボット1と同様の構成を基本構成とし、UVW信号を光信号として伝送するための構成を設ける。
図12は、本実施形態に係るロボット本体103の第5モータ部215と第6モータ部216とを含む部分を示す断面図である。基板235に、受光素子405と、発光素子445とが設けられ、基板236に、発光素子406と、受光素子446とが設けられる。
発光素子406は、軸J5と平行であり、且つ、回転軸505の内部空間545へ向かう方向に発光面を向けて配置される。受光素子405は、軸J5と平行であり、且つ、回転軸505の内部空間545へ向かう方向に受光面を向けて配置される。つまり、発光素子406と受光素子405とは、回転軸505の内部空間545を介して概ね対向する。
発光素子445は、軸J5と平行であり、且つ、回転軸505の内部空間545へ向かう方向に発光面を向けて配置される。受光素子446は、軸J5と平行であり、且つ、回転軸505の内部空間545へ向かう方向に受光面を向けて配置される。つまり、発光素子445と受光素子446とは、回転軸505の内部空間545を介して概ね対向する。
図13は、本実施形態に係る多関節ロボット1の第5モータ部215および第6モータ部216の構成および配線の接続を示す図である。第5モータ部215は、モータ225と、ドライバ255と、2つのセンサ265a,265bと、サーボ回路275と、受光素子405と、発光素子445と、バッファ415,455と、デマルチプレクサ425とを含む。第6モータ部216は、モータ226と、ドライバ256と、2つのセンサ266a,266bと、発光素子406と、受光素子446と、バッファ416,456と、マルチプレクサ426とを含む。ドライバ255、サーボ回路275、受光素子405、発光素子445、バッファ415,455及びデマルチプレクサ425は、基板235に設けられる。ドライバ256、発光素子406、受光素子446、バッファ416,456及びマルチプレクサ426は、基板236に設けられる。
第5モータ部215には、発光素子445及びバッファ455が設けられ、スイッチング信号生成回路286がバッファ455を介して発光素子445に接続される。スイッチング信号生成回路286からはモータ226を制御するための電気信号であるUVW信号が出力され、バッファ455によって整形、増幅された後、発光素子445に入力される。発光素子445は、入力された電気信号を光信号336に変換し、当該光信号336を送信する。
第6モータ部216には、受光素子446及びバッファ456が設けられ、ドライバ256がバッファ456を介して受光素子446に接続される。発光素子445から送信された光信号336は、受光素子456によって受信される。受光素子456は、受信した光信号336を電気信号であるUVW信号に変換する。受光素子456から出力されるUVW信号は、バッファ456によって整形、増幅された後、ドライバ256に入力される。
なお、本実施形態に係る多関節ロボット1のその他の構成は、第2実施形態に係る多関節ロボット1の構成と同様であるので、同一構成要素には同一符号を付し、説明を省略する。
回転軸505の内部空間545を含む光信号の伝送空間において、互いに反対向きの光信号316,336が伝送される。光信号316,336が混合しないようにするため、例えば、発光素子406が光信号316を送信するタイミングと、発光素子445が光信号336を送信するタイミングとを異ならせる。また、例えば、発光素子406,445は、それぞれ異なる色(すなわち、波長)の光を照射することにより、波長分割多重化によって光信号316,336を送信してもよい。この場合、受光素子405は、発光素子406が照射する波長の光を受光可能とし、受光素子446は、発光素子445が照射する波長の光を受光可能とする。これにより、発光素子406,445から同時に光信号316,336を送信することができる。
また、図11と同様に、発光素子406が送信する光信号316の伝送空間と、発光素子445が送信する光信号336の伝送空間とを分割板によって分割してもよい。これにより、時分割多重化、周波数分割多重化、符号分割多重化等の多重化処理を施すことなく、発光素子406,445のそれぞれから光信号316,336を送信し、受光素子405a,405bのそれぞれによって光信号316,336を受信することができる。
ここで、図12の第6アーム部206を「第1部位」、モータ226を「第1動力部」、第5アーム部205を「第2部位」、モータ225を「第2動力部」、発光素子406を「第1素子」、受光素子405を「第2素子」と捉えた場合、第1動力部は第1部位を駆動し、第2部位は第1動力部を収容し、第1部位と相対的に回転可能に連結され、第2動力部は第2部位を駆動する。第1素子及び第2素子は、第1動力部の制御に用いられる光信号の送受信が可能であり、第1素子は第2動力部に対して第1動力部と同一側に配置され、第2素子は第2動力部に対して第1動力部と反対側に配置される。第2動力部は筒状の回転軸を有し、回転軸の内部空間は光信号の伝送路の少なくとも一部である。
また、第6アーム部206を「第1部位」、モータ226を「第1動力部」、第5アーム部205を「第2部位」、モータ225を「第2動力部」、受光素子446を「第1素子」、発光素子445を「第2素子」と捉えた場合、第1動力部は第1部位を駆動し、第2部位は第1動力部を収容し、第1部位と相対的に回転可能に連結され、第2動力部は第2部位を駆動する。第1素子及び第2素子は、第1動力部の制御に用いられる光信号の送受信が可能であり、第1素子は第2動力部に対して第1動力部と同一側に配置され、第2素子は第2動力部に対して第1動力部と反対側に配置される。第2動力部は筒状の回転軸を有し、回転軸の内部空間は光信号の伝送路の少なくとも一部である。
以上のように構成することで、第5モータ部215及び第6モータ部216間において、モータ226を制御するためのUVW信号を伝送するための信号線を設ける必要がなく、配線数を削減することができる。
[5.補記]
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。