以下、本発明に係るロボットの一実施例を図1〜図13によって詳細に説明する。ここでは本発明をスカラロボットに適用した例について説明する。
図1〜図3は本発明に係るロボットを示す図で、図1(A)は平面図、図1(B)は側面図、図2(A)は正面図、図2(B)は背面図、図3は斜視図である。図4は本発明に係るロボットの構成を示す側面図である。
図5は作動軸の支持部を拡大して示す断面図、図6は作動軸の上端部とコイル状部分の側面図、図7は作動軸の上端部とコイル状部分の正面図、図8は作動軸の上端部とコイル状部分とを破断して示す縦断面図、図9は図8におけるIX−IX線断面図で、同図中には、図8の破断位置をVIII−VIII線で示してある。図10は図7におけるX−X線断面図、図11は図6におけるXI−XI線断面図である。図12は第2のアームに装備されている各部品を示す斜視図、図13はキャプタイヤケーブルの断面図である。
これらの図において、符号1で示すものは、この実施例によるスカラロボットを示す。このスカラロボット1は、図1〜図4に示すように、基台2と、この基台2に水平方向へ揺動自在に支持された第1のアーム3と、この第1のアーム3の揺動端部に水平方向へ揺動自在に支持された第2のアーム4と、この第2のアーム4の揺動端部に回動自在かつ上下方向に移動自在に支持された中空な作動軸5と、この作動軸5を回動させる回動駆動装置6と、前記作動軸5を上下方向に移動させる昇降装置7と、図示していない工具を取付けるためのヘッド8などを備えている。また、このスカラロボット1は、クリーンルームでも使用することができるもので、第2のアーム4の上で作動軸5およびその周辺の部品を覆うカバー9を備えている。
前記基台2は、箱状に形成されており、図4に示すように、前記第1のアーム3を支持するとともに駆動するための第1のアーム用駆動装置11を備えている。この第1のアーム用駆動装置11は、モータ12と減速機13とから構成されている。モータ12および減速機13は、軸線方向が上下方向を指向するように設けられている。この減速機13は、ハーモニックドライブ(登録商標)と称して知られている減速機で、モータ12の回転軸12aの回転を減速して第1のアーム3に伝達する。前記モータ12のケーシングは基台2に支持され、モータ12の出力軸12aと減速機13の入力部材が連結されるとともに、減速機13の出力側部材すなわちケーシングは、第1のアーム3に支持されている。
この基台2の上端部であって前記減速機13と隣り合う位置には、フレキシブルチューブ14の一端部が回動自在に取付けられている。このフレキシブルチューブ14は、弾性変形が容易な合成樹脂材料によって形成されており、図4に示すように、側面視において逆U字状に湾曲した状態で基台2と第2のアーム4との間に架け渡されている。このフレキシブルチューブ14の内部には、図13に示すように、後述する3本の空気パイプ15や各種のケーブル16〜23を収容したキャプタイヤケーブル24と、後述する関節吸引用の2本の空気パイプ25,26とが挿通されている。
フレキシブルチューブ14の両端部は、図4に示すように、それぞれチューブ取付部材31,32を介して基台2および第2のアーム4に支持されている。これらのチューブ取付部材31,32は、基台2、第2のアーム4に支持、固定されており、フレキシブルチューブ14の端部を軸受31a,32aによって回動自在に支持している。すなわち、フレキシブルチューブ14は、基台2および第2のアーム4に回動自在に支持されている。
これに対して、フレキシブルチューブ14内に挿通されたキャプタイヤケーブル24の両端部は、基台2および第2のアーム4に固定部材33によって回動することができないように固定されている。
また、前記チューブ取付部材31の内部には、フレキシブルチューブ14内の空間34(図13参照)と基台2内の空間35(図4参照)とを連通するように空気通路36が形成され、前記チューブ取付部材32の内部には、フレキシブルチューブ14内の空間34と第2のアーム4内の空間37(図5参照)とを連通するように空気通路38が形成されている。
また、基台2の背面{図1(b)において右側の端面}には、図2(b)および図3に示すように、複数の配管接続用継手と複数のケーブルコネクタとが設けられている。複数の配管接続用継手としては、3個のヘッド用継手41と、2個の基台内吸引用継手42と、関節吸引用継手43とがある。
前記3個のヘッド用継手41は、前記ヘッド8に設けられている3個のユーザ配管用継手44(たとえば図3参照)にそれぞれ前記空気パイプ15(たとえば図5参照)によって接続されている。これらの3個のヘッド用継手41は、図示していない空気圧制御装置の空気パイプを着脱可能に取付けることができるように構成されている。
前記2個の基台内吸引用継手42は、それぞれ基台2内に開口している。これらの基台内吸引用継手42は、図示していない吸引装置の吸引用パイプが着脱可能に取付けられるように構成されている。これらの基台内吸引用継手42に吸引装置が接続されることによって、基台2内の粉塵などの微細な異物が空気とともに吸引されて吸引装置に排出される。
前記関節吸引用継手43は、図示していない吸引装置の吸引用パイプが着脱可能に取付けられるように構成されており、基台2内に設けられた空気パイプ45(図4参照)を介して前記第1のアーム3の支持部に連通されている。この空気パイプ45は、前記第1のアーム3の支持部となる基台2上部に接続されている。また、前記関節吸引用継手43は、前記フレキシブルチューブ14内に挿通された空気パイプ25,26を介して第1のアーム3によって支持される部分の後述する第2のアーム4下部と、作動軸5を支持する部分の第2のアーム4下部とに接続されている。関節吸引用継手43に吸引装置が接続されることによって、減速機13、減速機46(図4参照)、減速機47(図4および図5参照)のそれぞれにおいて、内部で生じた粉塵などの異物が空気とともに吸引されて吸引装置に排出される。
前記複数のケーブルコネクタとしては、このスカラロボット1に設けられている4個のモータに接続されたモータ用兼センサー用コネクタ48(図2参照)と、前記ヘッド8に設けられているユーザ配線用コネクタ49(図5参照)に後述するケーブルを介して接続された配線用コネクタ50とがある。基台2のこれらのコネクタ48,50に接続されたケーブルのうち、第2のアーム4側へ導かれるケーブルは、前記キャプタイヤケーブル24内に収容されている。
前記キャプタイヤケーブル24は、図13に示すように、3本の空気パイプ15と、1個の動力線ユニット16と、2個の信号線ユニット17,18と、3個のレゾルバ用配線ユニット19〜21と、2本のアース線22,23と、これらの空気パイプとケーブルとの周囲を覆う綿糸51および外皮52とから構成されている。このキャプタイヤケーブル24は、前記二つの固定部材33,33どうしの間において前記複数の空気パイプとケーブルとを一つに束ねるように形成されている。
前記動力線ユニット16は、後述する第2のアーム用駆動装置53のモータ54(図4参照)、回動駆動装置6のモータ55(図4参照)、昇降装置7のモータ56(図4参照)に給電するための9本のケーブル16aと、芯となるパイプ16bとを備えている。
前記2個の信号線ユニット17,18は、それぞれ内部に13本のケーブル57を備えている。
これら26本のケーブル57のうち、2本のケーブル57a,57aは、昇降装置7のブレーキ(図示せず)に接続され、4本のケーブル57bは、第2のアーム4に設けられた原点センサ(図示せず)に接続されている。26本のケーブルのうち、他の20本のケーブル57cは、後述するように作動軸5の内部を通してヘッド8のユーザ配線用コネクタ49に接続されている。
ケーブル57を有する2個の信号線ユニット17,18は、それぞれシールド17a,18aによって覆われている。これらのシールド17a,18aは、互いに接続され、1本の配線として前記20本のケーブル57cと共にヘッド8のユーザ配線用コネクタ49に接続されている。すなわち、ユーザ配線用コネクタ49には合計21本のケーブルが接続されている。以下においては、ユーザ配線用コネクタ49に接続される21本のケーブルをケーブル58という。
3個のレゾルバ用配線ユニット19〜21には、3対のツイストペア線計6本のケーブル59が収容されている。レゾルバ用配線ユニット19のケーブル59は、前記モータ54のレゾルバ(図示せず)に接続されている。レゾルバ用配線ユニット20のケーブル59は、前記モータ55のレゾルバ(図示せず)に接続されている。レゾルバ用配線ユニット21のケーブル59は、前記モータ56のレゾルバ(図示せず)に接続されている。
前記第1のアーム3は、図示してはいないが、内部に空間を有する箱状に形成されている。この第1のアーム3は、図4に示すように、一端部に前記減速機13が接続されるとともに、他端部に第2のアーム用駆動装置53の減速機46が接続されており、第2のアーム用駆動装置53を介して第2のアーム4を揺動自在に支持している。
第2のアーム用駆動装置53は、第2のアーム4を支持するとともに駆動するためのもので、モータ54と減速機46とから構成されている。これらのモータ54および減速機46は、軸線方向が上下方向を指向するように設けられている。この減速機46は、ハーモニックドライブ(登録商標)と称して知られている減速機で、モータ54のケーシングは第2のアーム4に支持され、モータ54の出力軸54aと減速機46の入力部材が連結されるとともに、減速機46の出力側部材すなわちケーシングは、第1のアーム3に支持されている。
前記第2のアーム4下部には、前記基台2の関節吸引用継手43に一端部が接続された空気パイプ25の他端部が接続されている。この空気パイプ25は、この減速機46内で生じた粉塵などを空気とともに吸引する。
前記第2のアーム4は、図4に示すように、前記第2のアーム用駆動装置53のモータ54が設けられた揺動基部から水平方向に延びる細長い箱状に形成されている。第2のアーム4の揺動端部には、前記回動駆動装置6が設けられ、第2のアーム4の中間部分であって、前記回動駆動装置6より揺動基部側には、前記昇降装置7が設けられている。さらに、第2のアーム4における前記昇降装置7より揺動基部側には、後述する配管等保持装置61の2本の支柱62,63が立設されている。
これらの支柱62,63は、それぞれ丸棒状に形成されており、上下方向に延びる状態で第2のアーム4に取付けられている。これら2本の支柱62,63は、第2のアーム4の長手方向とは直交する水平方向(幅方向)に所定の間隔をおいて並べられている。これらの支柱62,63と、前記昇降装置7および作動軸5の上部は、第2のアーム4の上に設けられたカバー9の中に収容されている。第2のアーム4における前記支柱62,63と前記モータ54との間には前記チューブ取付部材32が設けられている。
第2のアーム4の上に設けられた前記カバー9は、第2のアーム4から上方に突出する作動軸5、後述する昇降装置7および配管等保持装置61などを周囲の四方と上方とから囲むように構成されている。
このカバー9は、図1〜図3、図6、図9および図11に示すように、前記2本の支柱62,63を第2のアーム4の揺動基部側から覆うように形成された後側カバー64と、この後側カバー64の開口部分を閉塞する前側カバー65とから構成されており、第2のアーム4の上に設けられた支持用プレート66(図5参照)に上方から取付けられている。
前記後側カバー64と前側カバー65との接続部分の構造は、図9に示すように、後側カバー64の開口縁部に設けられた接続用フランジ64aと、前側カバー65の開口縁部に設けられた接続用フランジ65aとをシール材67を挟んで重ね、これらのフランジ64a,65aを複数の接続用ねじ68によって互いに締め付けた構造が採られている。
また、後側カバー64と前側カバー65とを支持用プレート66に取付ける部分の構造は、後側カバー64の下端部に設けられた取付用フランジ64b(図9参照)と、前側カバー65の下端部に設けられた取付用フランジ65b(図5および図9参照)とをそれぞれ支持用プレート66の上面にシール材67(図5参照)を挟んで重ね、これらのフランジ64b,65bを固定用ねじ69(図5参照)によって支持用プレート66に締め付けた構造が採られている。前記シール材67は、気密性が高くなるように、いわゆる独立発泡タイプのものが用いられている。
この実施例によるカバー9においては、後側カバー64と前側カバー65を接続したまま一体として第2のアーム4から取り外すことができる。さらに、全ての接続用ねじ68を取り外した後、後側カバー64と前側カバー65の何れか一方あるいは両方の固定用ねじ69を取り外すこともできる。この実施例においては、前側カバー65を後側カバー64および第2のアーム4から取り外すことにより、後側カバー64より前側カバー65の方が第2のアーム4の長尺方向に長いので、第2のアーム4上に位置する部品が全て露出するとともに、チューブ取付部材32やフレキシブルチューブ14が邪魔にならないので、メンテナンスを容易に行うことができる。しかも、カバー9の上方近傍に他の装置(図示せず)や作業室の天井が位置していたとしても、前側カバー65を第2のアーム4の先端側に取外すことができるから、この場合でもメンテナンスを容易に行うことができる。
このカバー9の内部の空間70と、第2のアーム4の内部の空間37とは、図5に示すように、前記支持用プレート66と第2のアーム4の上壁4aとを貫通するように形成された連通路71によって互いに連通されている。図5に示す連通路71は、後述する昇降装置7のモータ56の周囲に形成されているが、この実施例とは異なる位置に形成することができる。
前記回動駆動装置6は、図5に示すように、作動軸5が貫通するモータ55と減速機47とを備えている。前記作動軸5は、いわゆるボールスプライン軸からなり、図示してはいないが、外周部に複数の縦溝が形成されている。
前記モータ55は、第2のアーム4に固定されたモータケース72と、このモータケース72に軸受73によって回転自在に支持された円筒状の回転軸74と、この回転軸74に設けられたロータ75と、このロータ75の外周面に対向し、モータケース72の内側に固定されるステータ(図示せず)および回転検出用レゾルバ(図示せず)などによって構成されている。この実施例によるモータ55の上端部は、第2のアーム4の上に設けられている支持用プレート66の開口66aを通して前記カバー9内に突出している。
前記減速機47は、ハーモニックドライブ(登録商標)と称して知られている減速機で、前記回転軸74の下端部に接続されたウェーブジェネレータ76と、このウェーブジェネレータ76が嵌合するサークラースプライン77と、このサークラースプライン77と接続された筒状出力軸78を備えている。この筒状出力軸78の下端部には、前記作動軸5に上下方向に移動自在かつ回転方向には連結固定された状態で嵌合されたボールスプラインナット80が取付けられている。
このボールスプラインナット80は、前記作動軸5が貫通するように筒状に形成されており、図示してはいないが、前記作動軸5の縦溝に係合する多数のボールが内部を循環するように構成されている。すなわち、この実施例による作動軸5は、前記ボールスプラインナット80と、回動駆動装置6とを介して第2のアーム4の揺動端部に上下方向に移動自在に支持されている。
この回動駆動装置6のモータ55が回転することにより、減速機47の筒状出力軸78が回転し、この回転がボールスプラインナット80を介して作動軸5に伝達されて作動軸5が回転する。ボールスプラインナット80は、作動軸5に上下方向に移動自在に嵌合されているから、後述する昇降装置7による作動軸5の昇降動作を妨げることはない。
前記筒状出力軸78の下端部と前記ヘッド8との間には、図5に示すように、ゴム材料によって蛇腹状に形成された作動軸カバー81が取付けられている。
この作動軸カバー81は、前記筒状出力軸78と前記ヘッド8と一体的に回転するとともに、作動軸5の昇降動作により上下方向に伸縮する。作動軸カバー81は、ボールスプラインナット80と作動軸5との嵌合部分で発生した粉塵などが周囲に飛散するのを防ぐためのものである。この作動軸カバー81の上端部は、筒状出力軸78の下面に気密状態となるように固定され、下端部は、前記ヘッド8の上面に気密状態となるように固定されている。
前記昇降装置7は、図4に示すように、前記第2のアーム4に取付けられたモータ56と、このモータ56の回転軸56aに結合されたボールねじ軸82と、このボールねじ軸82に螺合されたボールねじナット83と、このボールねじナット83と前記作動軸5とを連結する連結部材84とから構成されている。
前記モータ56は、軸線方向が上下方向を指向するように第2のアーム4に支持、固定されている。この実施例によるモータ56の下端部は、第2のアーム4から下方に突出している。この突出部は、図5に示すように、第2のアーム4の下端部に取付けられたモータカバー85によって覆われている。
前記ボールねじ軸82は、図4、図9および図11に示すように、前記作動軸5と前記支柱62,63との間であって、第2のアーム4の幅方向(揺動方向とは略直交するような方向)の中央部に位置付けられている。
前記連結部材84は、図8および図9に示すように、金属材料によって第2のアーム4の長手方向に長い板状に形成されている。この連結部材84の一端部は、前記ボールねじナット83の軸心部分が貫通する状態でボールねじナット83が連結固定されて一体化されている。
連結部材84の他端部は、図8に示すように、作動軸5の上端部が貫通するように形成されている。この連結部材84の他端部は、前記貫通部分に上方から軸受86が嵌合されており、この軸受86によって作動軸5を回動自在に支持している。この軸受86の内輪は、連結部材84より下側に位置するように作動軸5に嵌合させた作動軸側プーリ87によって下方への移動が規制されている。
この内輪と前記作動軸側プーリ87とは、作動軸5に螺着したロックナット88により内輪を下方へ押圧することによって、作動軸5に固定されている。一方、軸受86の外輪は連結部材84の嵌合穴に圧入されるとともに、連結部材84の上に固定された固定板89(図8および図9参照)によって連結部材84に上方へ外れることがないように固定されている。すなわち、連結部材84は、作動軸5が連結部材84に対して上下方向へ移動するのを規制しながら作動軸5を回転自在に支持している。このため、この昇降装置7においては、ボールねじ軸82が回転してボールねじナット83が上下方向に移動することによって、作動軸5がボールねじナット83と同期して上下方向に移動する。
前記連結部材84の下側に位置する作動軸側プーリ87は、作動軸5の回動可能な角度を予め定めた角度に規制するためのもので、歯付きプーリからなり、図8および図11に示すように、歯付きベルト90によってストッパ側歯付きプーリ91に連結されている。
前記ストッパ側歯付きプーリ91の外径は、前記作動軸側歯付きプーリ87の外径の約2倍に形成されている。このストッパ側歯付きプーリ91は、前記連結部材84の下端部に突設された支軸92に軸受93によって回転自在に支持されている。
前記支軸92の軸心は、図11に示すように、作動軸5の軸心とボールねじ軸82の軸心とを結ぶ仮装線Lから側方にずれた位置に位置付けられている。この実施例によるストッパ側歯付きプーリ91は、図8に示すように、外周部がボールねじナット83の下方に臨むように位置付けられている。
このストッパ側歯付きプーリ91の外周部の上には、図6、図7、図9および図11に示すように、ボルトからなる移動規制用のピン94が立設されている。このピン94は、ストッパ側歯付きプーリ91が回転することによって、ボールねじナット83の下端部に取付けられたプラスチック製のリング95(図8および図11参照)に当接するように構成されている。このピン94が前記リング95に当接することによって、ストッパ側歯付きプーリ91の回転が規制され、これに伴って作動軸5の回転が規制される。
前記ストッパ側歯付きプーリ91によって、本発明でいう作動軸5と一体に回動する回転体が構成され、前記ピン94によって、本発明でいう突片が構成されている。また、前記リング95によって、本発明でいうストッパーが構成されている。
これらの歯付きプーリ87,91、ピン94およびリング95からなる回転規制構造は、作動軸5が原点位置から平面視において時計方向に315°または反時計方向に315°回転することによって、ピン94がリング95に当たり、作動軸5の回転が規制されるように構成されている。
前記作動軸5の下端部には、図5に示すように、他の部分より径が小さくなるように取付座96が形成されている。この取付座96には、上述したようにヘッド8が取付けられている。このヘッド8は、図5に示すように、内部に空間97が形成された円板状に形成されている。
このヘッド8の下端部には、工具等の作業用具や、チャック、作業アーム等の作業用装置などの作業部材(図示せず)を取り付けるための取付座98が形成されている。また、このヘッド8の外周部には、3個のユーザ配管用継手44とユーザ配線用コネクタ49とがヘッド8の外に露出するように取付けられている。前記ユーザ配管用継手44によって、本発明でいう配管接続用継手が構成され、前記ユーザ配線用コネクタ49によって、本発明でいう接続用端子が構成されている。
前記3個のユーザ配管用継手44は、作業用装置の空気配管部に接続された配管(図示せず)が着脱可能に取付けられるように構成されている。これらのユーザ配管用継手44には、前記基台2から前記キャプタイヤケーブル24によって第2のアーム4側に導かれた3本の空気パイプ15が接続されている。これらの空気パイプ15は、図4に示すように、後述する配管等保持装置61によって保持された状態で第2のアーム4内から作動軸5の上端部に導かれ、さらに、作動軸5の中空部内を通してヘッド8に導かれている。
前記ユーザ配線用コネクタ49は、作業用装置のケーブルに接続された作業用装置側コネクタ99(図5参照)が着脱可能に取付けられるように構成されている。また、このユーザ配線用コネクタ49には、前記基台2から前記キャプタイヤケーブル24によって第2のアーム4側に導かれた合計21本のケーブル58が接続されている。これらのケーブル58は、前記空気パイプ15と同様に、配管等保持装置61によって保持された状態で第2のアーム4内から作動軸5の上端部に導かれ、さらに、作動軸5の中空部内を通してヘッド8に導かれている。
ヘッド8に取付けられる作業用装置としては、たとえばエアチャック(図示せず)がある。このエアチャックをヘッド8に取付ける場合、チャック駆動用の空気パイプがヘッド8のユーザ配管用継手44に接続され、チャック開閉検出用センサの信号線がユーザ配線用コネクタ49に接続される。
前記配管等保持装置61は、前記作動軸5が回動したり昇降することにより前記3本の空気パイプ15と21本のケーブル58とが損傷するのを防ぎながら、これらの空気パイプ15とケーブル58とを保持するものである。
前記3本の空気パイプ15は、それぞれ合成樹脂によって形成されている。これらの空気パイプ15における前記第2のアーム4内に位置する部分と、前記ヘッド8の近傍に位置する部分との間の部分は、互いに溶着されており、1本の空気用集合パイプ101(図8参照)として形成されている。
空気パイプ15は、所定の弾性を有する材料によって形成されている。ここでいう所定の弾性とは、前記空気用集合パイプ101を後述するように巻回させることによって形成したコイルがねじり方向に弾性変形可能であってかつ初期の形状を維持可能な弾性である。
一方、21本のケーブル58は、7本ずつ3組に分けられ、各組毎に合成樹脂製のケーブル用パイプ102(図10参照)の中に挿通されている。この実施例によるケーブル用パイプ102は、前記空気パイプ15と同じ材料によって内径および外径が等しくなるように形成されている。これらのケーブル58が前記ケーブル用パイプ102に挿通される範囲は、この実施例では作動軸5の上方近傍から第2のアーム4内に至る範囲である。
このようにケーブル58が7本ずつ挿通された3本のケーブル用パイプ102は、互いに溶着されており、図8に示すように、1本のケーブル用集合パイプ103として形成されている。なお、図8、図9および図11においては、前記ケーブル用パイプ102の破断部が描かれているが、これらの図においては、パイプ内に挿通されたケーブル58を省略してある。
すなわち、この実施例による配管等保持装置61は、前記1本の空気用集合パイプ101と、1本のケーブル用集合パイプ103とを作動軸5と第2のアーム4との間で保持している。以下においては、前記空気用集合パイプ101と前記ケーブル用集合パイプ103との両方を対象として説明する場合は、これらを単に配管等104(図8参照)という。
前記配管等保持装置61は、前記配管等104が作動軸5の回動と昇降とを許容する余裕をもつように、配管等104をコイル状に巻回させた状態で保持している。この実施例による配管等保持装置61は、パイプ101,103の一部をコイル状に形成することで、作動軸5の回転に対してパイプ101,103が損傷を受けなくする余裕部111と、パイプ101,103の一部をコイル状に形成することで、作動軸5の昇降に対してパイプ101,103が損傷を受けなくする余裕部112を支持保持する。
これら二箇所の余裕部111,112のうち、一方の余裕部111(以下、この余裕部を作動軸側余裕部111という)は、作動軸5の上方に形成され、他方の余裕部112(以下、この余裕部を支柱側余裕部112という)は、前記支柱62,63が貫通するように支柱62,63の周囲に形成されている。
前記作動軸側余裕部111は、図4、図7および図8に示すように、作動軸5の上端部から上方に導出された配管等104によって形成された下側コイル状部分113および上側コイル状部分114とによって構成されている。これらの下側コイル状部分113と上側コイル状部分114とは、前記作動軸5の軸線を中心としたコイル状に形成されている。これらのコイル状部分113,114の下端部は、後述する下部支持部材115に支持され、コイル状部分113,114の上端部は、後述する上部支持部材116によって支持されている。
前記下側コイル状部分113と上側コイル状部分114とは、前記作動軸5と軸線方向に並ぶ位置(作動軸5の上方近傍)において、前記作動軸5の軸線に沿って一列に並ぶように配設されている。下側コイル状部分113は、作動軸5の上方近傍に位置付けられ、上側コイル状部分114は、前記下側コイル状部分113の上方近傍に位置付けられている。この上側コイル状部分114の下端部と作動軸5との間の部分114a(図8参照)は、上下方向に直線状に形成されており、下側コイル状部分113の中心部に挿通されている。
これらのコイル状部分113,114は、後述する下部支持部材115と上部支持部材116とにより支持されることによって、作動軸5と同一軸線上に保持されている。下側コイル状部分113の下端部と、上側コイル状部分114の下端部および前記直線状部分114aとは、後述する下部支持部材115に支持されている。一方、下側コイル状部分113の上端部と上側コイル状部分114の上端部とは、後述する上部支持部材116に支持されている。
前記下側コイル状部分113は、図8に示すように、配管等104のうち前記空気用集合パイプ101によって形成され、上側コイル状部分114は、前記ケーブル用集合パイプ103によって形成されている。
これらの下側コイル状部分113と上側コイル状部分114とは、このスカラロボット1に装着される以前に所定のコイル状に成形されている。すなわち、これらのコイル状部分は、空気用集合パイプ101およびケーブル用集合パイプ103を型(図示せず)にコイル状に巻き付けて加熱することにより熱変形させ、その後冷却することによってコイルの形状を維持するように形成されている。
この実施例においては、下側コイル状部分113と上側コイル状部分114とでは、集合パイプ101,103を巻回させる方向が逆になっている。下側コイル状部分113は、上方から見て時計方向に回りながら下がるように形成されている。上側コイル状部分114は、上方から見て反時計方向に回りながら下がるように形成されている。
前記下部支持部材115は、図7および図8に示すように、作動軸5の上端部にこれを緊縛する状態で固定された筒状の支持用ボス121と、このボス121の上端部に固定された下部円板122と、この下部円板122の軸心部に立設された2本の支持棒123と、これらの支持棒123の上端部に固定された上部円板124とによって構成されている。
前記下側コイル状部分113は、前記下部円板122と上部円板124との間に位置付けられ、前記上側コイル状部分114は、前記上部円板124の上に位置付けられている。すなわち、下部円板122は、下側コイル状部分113の下方への移動を規制し、上部円板124は、下側コイル状部分113の上方への移動と、上側コイル状部分114の下方への移動とを規制している。なお、上側コイル状部分114の上方への移動は、後述する上部支持部材116に設けられたフランジ付きの軸部材125(図8参照)によって規制されている。
前記下部円板122の中心部には、図10に示すように、前記両コイル状部分113,114を構成する3本の空気パイプ15と、ケーブル58が挿通された3本のケーブル用パイプ102とが嵌合されている。これらのパイプ15,102は、空気パイプ15の周囲にケーブル用パイプ102を組合わせた状態で下部円板122の貫通穴122aに嵌合している。この貫通穴122aの開口面積は、6本のパイプ15,102の横断面積より僅かに小さく形成されている。このため、これら6本のパイプ15,102は、前記貫通穴122aに通されることによって径方向に圧縮され、下部円板122に対して水平方向と上下方向との両方に移動することができなくなる。
前記3本の空気パイプ15は、図8に示すように、この下部円板122と前記支持用ボス121とを貫通して作動軸5内に挿入されている。一方、ケーブル58が挿通された3本のケーブル用パイプ102は、下部円板122を貫通して支持用ボス121の上端部内まで延びている。このパイプ102内のケーブル58は、このパイプ102の下端から下方に導出されており、支持用ボス121内と作動軸5内とを通して上述したようにヘッド8に導かれている。
作動軸5内に挿通された3本の空気パイプ15とケーブル58との下端部は、前記ヘッド8のユーザ配管用継手44とユーザ配線用コネクタ49とに接続されている。このため、作動軸5内に挿通された空気パイプ15とケーブル58とは、作動軸5と一体に回動することになり、作動軸5の内壁に摺接するようなことはない。
前記3本の空気パイプ15(前記下側コイル状部分113の下端部)と、3本のケーブル用パイプ102(前記直線状部分114a)とは、前記下部円板122の上方近傍において結束用バンド126(図8参照)によって2本の支持棒123に括り付けられている。また、3本のケーブル用パイプ102(前記直線状部分114a)は、図7および図8に示すように、上部円板124の下方近傍において結束用バンド127によって3本の支持棒123に括り付けられている。
前記下部円板122の上には、図7に示すように、下側コイル状部分113の下端部を固定するための支持片128が立設されている。この支持片128には、下側コイル状部分113の下端部に巻き付けられたバンド129が固定されている。
前記支持棒123は、図7に示すように、水平方向から見てL字状に形成されており、固定用ボルト130によって下部円板122に固定されている。
前記上部円板124は、下側コイル状部分113と上側コイル状部分114との間を仕切るためのもので、前記支持棒123の上端部に載せられた状態で固定用ボルト(図示せず)によって固定されている。この上部円板124には、図8に示すように、上側コイル状部分114の下端部から下方に延びる前記直線状部分114aを通すための穴124aが穿設されている。また、この上部円板124には、図7に示すように、上側コイル状部分114の下端部に巻き付けたバンド131が固定されている。
すなわち、この上側コイル状部分114の下端部と、上述した下側コイル状部分113の下端部とは、それぞれ下部支持部材115に固定されており、この下部支持部材115を介して作動軸5に一体に回動するように支持されている。
前記上部支持部材116は、図4、図6、図9および図12に示すように、空気用集合パイプ101における前記下側コイル状部分113から支柱62側へ延びる水平部分101aを支持するとともに、ケーブル用集合パイプ103における前記上側コイル状部分114から支柱63側へ延びる水平部分103aを支持している。この上部支持部材116によって、本発明でいう支持部材が構成されている。
この上部支持部材116は、図8に示すように、連結部材84の上面に取付けられている。上部支持部材116が取付けられる位置は、前記連結部材84における作動軸5とボールねじ軸82との間である。この上部支持部材116は、金属製の板を上面視でコの字状に折り曲げた形状をし、上下方向に延びる左右の上下方向延在部116aと、中央部において上下方向に延びて前記下側コイル状部分113と上側コイル状部分114とに対向する平坦面116d(図6〜図8参照)と、さらに左右の上下方向延在部116aにおいてそれぞれ前記二本の支柱62,63に向けて延びる二つのパイプ支持部116b,116cとから構成されている。
前記上下方向延在部116aは、図8に示すように、連結部材84から前記上側コイル状部分114の上端と略同じ高さまで延びるように形成されている。
この上下方向延在部116aの上端部分には、図8に示すように、上側コイル状部分114の上方に延びる上部支持板132が設けられている。この上部支持板132には、上側コイル状部分114の上方に配置されるフランジ133を有する軸部材125が取付けられている。この軸部材125は、前記上側コイル状部分114が横方向に遊動するのを防ぐ芯として機能するものである。
前記下側コイル状部分113の上端部の空気用集合パイプ101と、上側コイル状部分114の上端部のケーブル用集合パイプ103パイプとは、図7に示すように、第2のアーム4の先端側から見て第2のアーム4の幅方向の外側に向けて導出されている。これらの導出部分は、前記パイプ支持部116b,116cに結束用バンド134によって取付けられて支持されている。この結束用バンド134による取付構造は、図6に示すように、空気用集合パイプ101やケーブル用集合パイプ103を屈曲変形することなく略水平に保持するために、これらのパイプ101,103をそれぞれ保護用パイプ135に挿通し、この保護用パイプ135をパイプ支持部116b,116cに結束用バンド134で括り付けた構造が採られている。
この実施例のように下側コイル状部分113の上端部の空気用集合パイプ101と、上側コイル状部分114の上端部のケーブル用集合パイプ103とを第2のアーム4の幅方向の外側において支柱62,63に導くことによって、これらのパイプが連結部材84の上方を横切るようなことがなくなる。このため、上下のコイル状部分113,114と支柱62,63との間に、パイプとの接触を避けながら前記上部支持部材116を上下方向に延びるように設けることができた。
下側コイル状部分113から支柱62側に延びた空気用集合パイプ101の水平方向延在部101aを支持するパイプ支持部116bは、前記上下方向延在部116aの上下方向の中間部に位置付けられている。一方、上側コイル状部分114から支柱63側に延びたケーブル用集合パイプ103の水平方向延在部103aを支持するパイプ支持部116cは、前記上下方向延在部116aの上端部に位置付けられている。
このように上部支持部材116に空気用集合パイプ101とケーブル用集合パイプ103とが支持されることによって、下側コイル状部分113の上端部と上側コイル状部分114の上端部とが上部支持部材116、取付部材84、作動軸5、作動軸5の支持機構及び昇降装置7を介して第2のアーム4にR軸方向(上下軸回りに回転する方向)に回動することがないように支持されている。
このため、下側コイル状部分113と、上側コイル状部分114とは、作動軸5が第2のアーム4に対して回動することによって捩られ、作動軸5の回動を許容するように弾性変形する。下側コイル状部分113と上側コイル状部分114の外径は、この弾性変形により増大または減少する。すなわち、作動軸5が上面視で例えば右回転すると、右ねじ状にコイル形成された下側コイル状部分113の径が減少する一方、左ねじ状にコイル形成された上側コイル状部分114の径が増大する。
この実施例では、下側コイル状部分113と上側コイル状部分114の周囲に移動規制用の3枚のプレート141〜143(図6〜図10および図12参照)が設けられている。これらのプレート141〜143は、下側コイル状部分113と上側コイル状部分114とがカバー9に上下方向に速い速度で摺動するのを防ぐためのものである。下側コイル状部分113と上側コイル状部分114は、第2のアーム4が急旋回しているときに作動軸5が速い速度で昇降しながら回動するような場合は、上下方向に速い速度で移動しながら、外径が増大するとともに遠心力によって横方向に突出するようになる。この実施例によれば、このような場合、下側コイル状部分113と上側コイル状部分114は、プレート141〜143に当たるだけでこれらのプレート141〜143と一体的に昇降する。すなわち、下側コイル状部分113と上側コイル状部分114を形成するパイプがカバー9の内面に衝突しながら上下方向に速い速度で摺動して摩耗粉が発生するのをプレート141〜143によって防いでいる。
これらのプレート141〜143は、上下方向に長い長方形状の板によって形成されており、下側コイル状部分113と上側コイル状部分114とを第2のアーム4の先端側と、幅方向の両側とから囲むような位置に配設されている。これらのプレート141〜143の下端部は、前記連結部材84に固定され、上端部は、前記上部支持部材116の上端部に設けられた軸部材125に固定されている。なお、下側コイル状部分113と上側コイル状部分114とが第2のアーム4の基端部側へ移動するような場合は、上部支持部材116の上下方向延在部116aによってこの移動が規制される。
前記支柱側余裕部112は、図4および図12に示すように、前記2本の支柱62,63と、これらの支柱62,63のうち第2のアーム4の先端側から見て右側(図7参照)に位置する第1の支柱62に巻回された空気用集合パイプ101からなる第1の支柱側コイル状部分145と、他方の第2の支柱63に巻回されたケーブル用集合パイプ103からなる第2の支柱側コイル状部分146とによって構成されている。
前記2本の支柱62,63は、本発明でいう保持部材の一部を構成するもので、アルミニウム合金によって中空な丸棒状に形成されている。これらの支柱62,63の外周面には、第1、第2のコイル状部分145,146のパイプ101,103が接触したときに滑り易くなり、摩耗粉などが発生することがないように、シリコングリス(図示せず)が塗布されている。
第1の支柱側コイル状部分145は、図12に示すように、上方から見て反時計方向に回ることによって下がるように第1の支柱62に巻回されている。第2の支柱側コイル状部分146は、第1の支柱側コイル状部分145とは逆方向に巻回されており、上方から見て時計方向に回ることによって下がるように第2の支柱63に巻回されている。
すなわち、これら第1、第2の支柱側コイル状部分145,146は、第1、第2の支柱62,63が中心部を貫通する状態でこれら第1、第2の支柱62,63に保持されている。
前記第1の支柱側コイル状部分145と第1の支柱62との間と、第2の支柱側コイル状部分146と第2の支柱63との間とには、これらのコイル状部分145,146のパイプ101,103が支柱62,63に対して容易に移動することができるように、作動軸5が最高位置まで上昇しコイル状部分145,146が最大に伸長した状態において、隙間が設けられている。
これらの第1、第2の支柱側コイル状部分145,146を形成する空気用集合パイプ101とケーブル用集合パイプ103とは、前記下側コイル状部分113と上側コイル状部分114とを形成するパイプと同じものである。このため、この第1、第2の支柱側コイル状部分145,146は、コイルの軸線方向に弾性変形可能であってかつ初期の形状に復帰可能な弾性を有するように形成されている。
この実施例による第1、第2の支柱側コイル状部分145,146は、前記下側コイル状部分113および上側コイル状部分114と同様に、空気用集合パイプ101およびケーブル用集合パイプ103を型(図示せず)にコイル状に巻き付けて加熱することにより熱変形させ、その後冷却することによってコイルの形状を維持するように形成されている。
第1の支柱側コイル状部分145の下端部と第2の支柱側コイル状部分146の下端部とは、第1、第2の支柱62,63の下端部(基端部)に結束用バンド147(図4参照)によって固定されている。このため、第1、第2の支柱側コイル状部分145,146の下端部は、第2のアーム4に移動することがないように支持されている。
一方、第1の支柱側コイル状部分145の上端部と、第2の支柱側コイル状部分1466の上端部とは、作動軸5と一体に昇降するようにそれぞれ水平に延び、前記パイプ支持部116b,116cに結束用バンド134で保持される前記下側コイル状部分113、前記上側コイル状部分114に連なり一体化されている。すなわち、第1、第2の支柱側コイル状部分145,146は、作動軸5が図4に示した上昇位置から下がることによって圧縮され、作動軸5が上昇することによって伸長する。
第1の支柱側コイル状部分145を形成した空気用集合パイプ101は、図4に示すように、第2のアーム4の内部に上方から挿入され、第2のアーム4内を通して前記キャプタイヤケーブル24内に導かれている。
第2の支柱側コイル状部分146を形成したケーブル用集合パイプ103は、図示してはいないが、第2のアーム4の内部に上方から挿入され、第2のアーム4内でケーブル58が導出されている。
すなわち、ケーブル用集合パイプ103の3本のケーブル用パイプ102の一端は、第2のアーム4の中で開口している。このパイプ102から導出されたケーブル58(合計21本のケーブル)は、第2のアーム4内を通して前記キャプタイヤケーブル24内に導かれている。
空気用集合パイプ101とケーブル58とは、前記上部支持部材116と基台2との間で前記支柱62,63、チューブ取付部材32、フレキシブルチューブ14およびチューブ取付部材31によって保持されている。この実施例においては、前記前記支柱62,63、チューブ取付部材31,32およびフレキシブルチューブ14などによって本発明でいう保持部材が構成されている。
上述したように構成されたスカラロボット1は、前記ヘッド8に作業用装置を取付け、この作業用装置に設けられている配管と装置側コネクタ99などをヘッド8のユーザ配管用継手44とユーザ配線用コネクタ49とに接続した状態で使用する。
また、このスカラロボット1は、基台2上部内部や第2のアーム4の前後の各下部内部の空気を吸引することで、各関節部分を構成する減速機13,46,47内部で生じる粉塵などの異物を空気とともに吸引するようにしている。
基台2内の空間35は、前記フレキシブルチューブ14の内部の空間34と、第2のアーム4の内部の空間37とを介してカバー9内の空間70に連通されている。このため、上述したように基台2内の空気が吸引されて基台2内が負圧になることによって、この負圧が前記カバー9内の空間70にまで導かれる。この結果、回動駆動装置6や昇降装置7が動作することによって発生する摩耗粉は、カバー9の外に出ることはなく、カバー9内から第2のアーム4内の空間37、フレキシブルチューブ14内の空間34および基台2内の空間35を介して吸引装置側に排出される。
前記ヘッド8に装着した作業用装置を用いて作業を行うときに作動軸5が第2のアーム4に対して回動する場合は、前記下側コイル状部分113と前記上側コイル状部分114とが捩られ、作動軸5の回る方向に対応してこれらのコイル状部分113,114の径が増大または減少する。このため、作動軸5が回動したときに空気パイプ15とケーブル58とが捩れて損傷するのを防ぐことができる。
また、作動軸5が昇降する場合は、前記第1の支柱側コイル状部分145と第2の支柱側コイル状部分146とが圧縮または伸長する。このため、作動軸5が昇降したときに空気パイプ15とケーブル58とが引っ張られて損傷するようなことがない。
前記作動軸5の回動を許容するための前記下側コイル状部分113と上側コイル状部分114とは、下端部が作動軸5に支持されるとともに上端部がR方向において第2のアーム4に支持されているから、第2のアーム4が急速に揺動したとしても大きく振られるようなことはなく、作動軸5の軸線上に保持される。また、前記下側コイル状部分113を構成する空気用集合パイプ101(空気パイプ15)と、上側コイル状部分114を構成するケーブル用集合パイプ103(ケーブル58)とは、上部支持部材116と基台2とに間で前記支柱62,63、チューブ取付部材31,32およびフレキシブルチューブ14などによって保持されているから、第2のアーム4が急速に揺動したとしても第2のアーム4と一体に揺動する。
したがって、この実施例によれば、空気用集合パイプ101とケーブル用集合パイプ103と周辺の装置(図示せず)などとの間の隙間を従来のロボットに較べて狭くすることができる。このため、この実施例によれば、作動軸5を貫通する空気パイプ15とケーブル58とが作動軸5の回動により損傷するのを防ぐ構成を採りながら、設置スペースが狭くてよいスカラロボット1を製造することができる。
この実施例によるスカラロボット1においては、下側コイル状部分113および上側コイル状部分114が作動軸5と軸線方向に並べられている。このため、この実施例によれば、下側コイル状部分113と上側コイル状部分114の内径を設定するに当たって作動軸5の外径の影響を受けることはないから、下側コイル状部分113と上側コイル状部分114とを径方向にコンパクトに形成することができる。
この実施例によるスカラロボット1は、下側コイル状部分113と上側コイル状部分114とが軸線方向に並べられている。このため、この実施例によれば、複数の配管等104、すなわち空気用集合パイプ101とケーブル用集合パイプ103とによって一つのコイル状部分を形成する場合に較べて、コイル状部分の外径を小さく形成することができる。
また、下側コイル状部分113は、中心部に通された上側コイル状部分114の直線状部分114aが実質的に芯の一部として機能し、作動軸5と同一軸線上に保持されている。このため、この実施例によれば、下側コイル状部分113を作動軸5と同一軸線上に保持するに当たって、専ら芯として機能する部材は不要になる。このため、下部支持部材115の下部円板122と上部円板124とを接続する支持棒123は、前記直線状部分114aと協働して芯の機能をもつように形成すればよいから、この支持棒123を必要最小限の剛性を有するように細く形成することができる。
この実施例によるスカラロボット1は、パイプ101,103の巻回する方向が互いに逆方向となる下側コイル状部分113と上側コイル状部分114とを備えている。このため、この実施例によれば、一方のコイル状部分の径が拡がるときは他方のコイル状部分の径が小さくなるから、前記コイル状部分が弾性変形することにより作動軸5に加えられる反力は、作動軸5が一方に回るときと、これとは逆方向に回るときとで等しくなる。したがって、この実施例によるスカラロボット1の動作は、パイプ類に起因する負荷変動がなく作動軸5の回る方向の影響を受けることはない。
この実施例によるスカラロボット1においては、上側コイル状部分114を形成するに当たって、ケーブル58が合成樹脂製のケーブル用パイプ102に挿通されている。このため、この実施例によれば、上側コイル状部分114を形成するために必要な弾性はケーブル用パイプ102によって得られるから、ケーブル58として多種多様なものを使用することができる。
この実施例によるスカラロボット1においては、ヘッド8にユーザ配管用継手44とユーザ配線用コネクタ49とが設けられている。このため、この実施例によれば、空気圧や電力、センサなどの電子部品などが必要な工具を簡単に取付けたり取外すことができるから、使用者が作動軸5に配管やケーブルを通す作業を行う必要はない。
この実施例によるスカラロボット1においては、作動軸5と一体に回転するストッパ側歯付きプーリ91と、この歯付きプーリ91に設けたピン94が接触するリング95とを備えている。このため、この実施例によれば、作動軸5の回動角度を所定の角度に規制することができるから、下側コイル状部分113と上側コイル状部分114とが過度に捩られるのを防ぐことができる。
作動軸5に設けたピンを第2のアーム4側のストッパーに当接させる構造を採る場合は、作動軸5を360°以上回転させることは困難であるが、この実施例の構造を採ることにより、作動軸5を360°より大きく回転させることができる。
実際のロボットを用いた作業では、工具のワークに対する回転方向の角度を一定に保持させながら、第2のアーム4を旋回させるような場合がある。このような場合、作動軸5は360°以上回転する必要がある。この実施例によるスカラロボット1によれば、このような動作が可能である。
この実施例によるスカラロボット1は、第1、第2のアーム3,4が水平方向に揺動する構成が採られているが、本発明は、このような限定にとらわれることはなく、第1、第2のアーム3,4の揺動する方向は適宜変更することができる。また、作動軸5の移動する方向も上下方向に限定されることはなく、適宜変更することができる。
この実施例によるスカラロボット1は、第1のアーム3と第2のアーム4とを備えているが、作動軸5を支持するためのアームの数は、たとえば1本でもよいし、3本以上でもよい。
この実施例では作動軸5の回動を許容できるようにするために二つのコイル状部分(下側コイル状部分113と上側コイル状部分114)を使用しているが、このコイル状部分の数は1個でもよいし、3個以上でもよい。なお、支柱62,63の数は、このコイル状部分の数にあわせて1本または3本以上とすることが望ましい。このようにコイル状部分の数を増大させるに当たっては、作動軸5が回動するときに反力のバランスをとるために、配管等104およびコイル状部分の数を偶数とし、半分のコイル状部分と、他の半分のコイル状部分とで配管等104の巻回する方向を逆方向とすることが望ましい。
また、作動軸5の回動を許容するためのコイル状部分(下側コイル状部分113と上側コイル状部分114)は、作動軸5が中心部を貫通するように作動軸5の周囲に位置付けることもできる。
この実施例では、空気パイプ15とケーブル58との両方が作動軸5を貫通する例を示したが、空気パイプ15とケーブル58のうち何れか一方のみを作動軸5内に挿通させることができる。また、ケーブル58としては、電力供給用ケーブルあるいは通信用ケーブルのうち少なくとも何れか一方を使用することができる。
この実施例による昇降装置7は、作動軸5とは別のボールねじ軸82を使用する構成が採られているが、昇降装置7としては、作動軸5をボールねじ軸として構成し、作動軸5を直接駆動する構成を採ることができる。この場合は、作動軸5が貫通するようにモータを構成してこのモータを第2のアーム4に支持させ、このモータにボールねじナット83を取付ける。この構成を採ることにより昇降専用のボールねじ軸82が不要になるから、支柱62,63を3本並べることが可能になり、配管等104の本数をさらに増やすことがでできる。
この実施例では昇降装置7のボールねじ軸82が作動軸5と支柱62,63との間に位置する例を示したが、前記ボールねじ軸82と支柱62,63の位置を入れ替え、作動軸5とボールねじ軸82との間に支柱62,63を位置付ける構成を採ることもできる。
この実施例では、ヘッド8にユーザ配管用継手44とユーザ配線用コネクタ49との両方を設ける例を示したが、ヘッド8には、作動軸5内に空気パイプ15のみが挿通される場合は、ユーザ配管用継手44のみを設け、作動軸5内にケーブル58のみが挿通される場合には、ユーザ配線用コネクタ49のみを設けることができる。
この実施例によるスカラロボット1は、空気パイプ15とケーブル58とが工場出荷時に予め装備されているものである。しかし、本発明に係るロボットは、工場出荷時には空気パイプ15とケーブル58とが装備されていない状態のものも含む。この場合は、使用者が空気パイプ15とケーブル58とを作動軸5に挿通させ、配管等保持装置61に保持させる。なお、空気パイプ15の配管作業と、ケーブル58の配線作業とを容易行うことができるように、これらの空気パイプ15、ケーブル58の中間部分に配管継手(図示せず)やコネクタ(図示せず)を設けることができる。
この場合は、空気パイプ15とケーブル58とをそれぞれ作動軸5側の半部と基台2側の半部とに分断して形成し、これらの空気パイプ15の半部どうしとケーブル58の半部どうしを第2のアーム4内で接続する。
この実施例では、カバー9内や各減速機13,46,47の近傍の空気を吸引する例を示したが、クリーンルームで使用しない場合は空気を吸引しなくてもよい。また、この実施例によるスカラロボット1によれば、第2のアーム4の上に位置する部品の略全てがカバー9で覆われているから、カバー9内の空気を吸引しなくても摩耗粉がカバー9の外に飛散し難くなる。
この実施例によるスカラロボット1においては、フレキシブルチューブ14が基台2と第2のアーム4との間に架け渡されているが、このフレキシブルチューブ14は、基台2とカバー9との間に架け渡すことができる。この構成を採る場合は、カバー9にフレキシブルチューブ14を取付けるための段部を突設する。これとともに、この構成を採る場合は、第2のアーム4が急速に揺動したときにフレキシブルチューブ14が横に振られるようなことがないように、フレキシブルチューブ14の空中を延びる部分をステーなどによって第1のアーム3または第2のアーム4に支持させる。
1…スカラロボット、3…第1のアーム、4…第2のアーム、5…作動軸、6…回動駆動装置、7…昇降装置、14…フレキシブルチューブ、15…空気パイプ、31,32…チューブ取付部材、58…ケーブル、62…第1の支柱、63…第2の支柱、87…作動軸側歯付きプーリ、91…ストッパ側歯付きプーリ、94…ピン、95…リング、101…空気用集合パイプ、103…ケーブル用集合パイプ、113…下側コイル状部分、114…上側コイル状部分、114a…直線状部分、115…作動軸側支持部材、116…アーム側支持部材、145…第1の支柱側コイル状部分、146…第2の支柱側コイル状部分。