JPH08251483A - 固体撮像装置 - Google Patents

固体撮像装置

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JPH08251483A
JPH08251483A JP7077123A JP7712395A JPH08251483A JP H08251483 A JPH08251483 A JP H08251483A JP 7077123 A JP7077123 A JP 7077123A JP 7712395 A JP7712395 A JP 7712395A JP H08251483 A JPH08251483 A JP H08251483A
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寿一 米山
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 映像信号のS/N比が良好にすることができ
る固体撮像装置を得る。 【構成】 複数の画素から別々の時点で出力される入射
光量および暗出力の和に応じた第1成分からなる電流信
号と暗出力に応じた第2成分からなる電流信号とのいず
れか一方を記憶する電流サンプルホールド手段と、次い
で画素から出力される第1成分からなる電流信号と第2
成分からなる電流信号とのいずれか他方と既に電流サン
プルホールド手段に記憶されている電流信号との減算に
よる入射光量に応じた成分からなる電流信号のみを順次
水平読出し線に読み出すためのスイッチング手段とを備
えた固体撮像装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、固体撮像装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】図7は、従来の一般的な固体撮像装置
(増幅型固体撮像装置を含む)の概略構成を示す模式回
路図である。図7の固体撮像装置では、説明のために4
つの画素が、2行2列のマトリクス状に配置された場合
を例示しており、ここでは、光電変換部を備えたMOS
型静電誘導トランジスタ(MOSSIT(以下、単に
「SITトランジスタ」という。))S101 ,S102
201 ,S202 を用いて、ソースフォロワによる信号読
み出し方式を用いている。
【0003】各SITトランジスタS101 ,S102 ,S
201 ,S202 のソースは、マトリクス配置の各列毎に垂
直ソースライン(垂直読出し線)2a,2bに共通に接
続されており、ドレインには、電源電圧VDSが共通に
接続されている。また、各SITトランジスタS101
102 ,S201 ,S202 のゲート電極は、マトリクス配
置の各行毎に垂直走査回路4によって走査されるクロッ
クライン20a,20bに共通接続され、前記垂直走査
回路4から送出される電圧駆動パルスφG1,φG2によっ
て行単位で駆動されるようになっている。
【0004】前記垂直ソースライン2aと2bは、一方
において、各列毎に光信号出力転送用MOSトランジス
タTS1 ,TS2 及び暗出力転送用MOSトランジスタ
TD 1 ,TD2 を介して光信号出力蓄積用コンデンサC
1 ,CS2 及び暗出力蓄積用コンデンサCD1 ,CD
2 に接続されており、これら蓄積用コンデンサ(CS
1 ,CS2 ,CD1 ,CD2 )は、水平読出し選択用M
OSトランジスタTHS1,THS2,THD1,THD2を経
て信号出力線(水平読出し線)16a及び暗出力線(水
平読出し線)16bに接続されている。
【0005】尚、一般的に、前記信号出力線16a及び
暗出力線16bには、寄生容量CHS,CHDが存在する。
また、この信号出力線16a及び暗出力線16bの一方
には、バッファアンプ17a,17bが接続されてい
る。
【0006】また、前記信号出力線16a及び暗出力線
16bの他方には、残留する映像信号をリセットする水
平読み出しリセット用MOSトランジスタTRHS,TR
HDのドレインが接続されており、この水平読み出しリセ
ット用MOSトランジスタTRHS,TRHDのゲート電極
にクロックライン18aを介して駆動パルス発生回路1
8から送出される駆動パルスφRSH が供給されたとき
に、該水平読み出しリセット用MOSトランジスタTR
HS,TRHDが動作するようになっている。
【0007】前記水平読出し選択用MOSトランジスタ
THS1,THD1のゲート電極は水平走査回路6の水平選
択信号ライン19aに、また前記水平読出し選択用MO
SトランジスタTHS2,THD2のゲート電極は水平走査
回路6の水平選択信号ライン19bにそれぞれ共通接続
され、該水平走査回路6から送出される駆動パルスφH
1,φH2によって水平読出しが制御されるようになって
いる。
【0008】前記光信号出力転送用MOSトランジスタ
TS1 ,TS2 の各ゲート電極には光信号用クロックラ
イン14aを介して駆動パルス発生回路14から送出さ
れる駆動パルスφTSが、又前記暗出力転送用MOSトラ
ンジスタTD1 ,TD2 の各ゲート電極には暗出力用ク
ロックライン15aを介して駆動パルス発生回路15か
ら送出される駆動パルスφTDが供給されるようになって
おり、それぞれの駆動パルスφTS,φTDによって、前記
光信号出力転送用MOSトランジスタTS1 ,TS2
び暗出力転送用MOSトランジスタTD1 ,TD2 が各
々予め定められた順序で交互に動作するようになってい
る。
【0009】前記垂直ソースライン2a及び2bは、他
方において、各列毎にリセット用MOSトランジスタT
V1,TRV2のドレインと、定電流源22a,22bと
に接続されており、各リセット用MOSトランジスタT
V1,TRV2のソースは接地され、各定電流源22a,
22bには電源電圧VCが供給されている。
【0010】尚、前記リセット用MOSトランジスタT
V1,TRV2のゲート電極は、クロックライン21aを
介して駆動パルス発生回路21に接続されており、該駆
動パルス発生回路21から送出される駆動パルスφRSV
が、前記リセット用MOSトランジスタTRV1,TRV2
のゲート電極に供給されると、このリセット用MOSト
ランジスタTRV1,TRV2が動作して、前記垂直ソース
ライン2a,2b及び光信号出力蓄積用コンデンサCS
1 ,CS2 及び暗出力蓄積用コンデンサCD1,CD2
のリセットを行うようになっている。
【0011】次に、図8に示すタイミングチャートを参
照しながら、図7において示した従来の固体撮像装置の
動作について説明する。先ず、図8に示すように、期間
11において、駆動パルスφTSをハイレベルにする。こ
の結果、既にハイレベルとなっている駆動パルスφRSV
によって導通状態にされているリセット用MOSトラン
ジスタTRV1,TRV2と同様に、光信号出力転送用MO
SトランジスタTS1,TS2 も導通状態とされる。
【0012】この結果、これらリセット用MOSトラン
ジスタTRV1,TRV2及び光信号出力転送用MOSトラ
ンジスタTS1 ,TS2 が導通し、光信号出力蓄積用コ
ンデンサCS1 ,CS2 に残留する信号電荷が垂直ソー
スライン2a,2bを介してリセット用MOSトランジ
スタTRV1,TRV2のソースから排出され、この光信号
出力蓄積用コンデンサCS1 ,CS2 は接地レベルにリ
セット(初期化)される。尚、このとき、SITトラン
ジスタS101 ,S102 ,S201 ,S202 のゲートは、光
電変換部によって光電変換された電荷が蓄積される状態
となっている。
【0013】次に、期間t12において、駆動パルスφRS
V をローレベルにしてリセット用MOSトランジスタT
V1,TRV2を遮断状態にするとともに、駆動パルスφ
G1の電圧を読出しレベルVG2 にして第1行目のSIT
トランジスタS101 ,S102を読み出し状態にする。
【0014】この結果、SITトランジスタS101 ,S
102 がソースフォロワ動作を行い、該SITトランジス
タS101 ,S102 のゲートに蓄積された電荷が垂直ソー
スライン2a,2bに読み出されるとともに、既にハイ
レベルとなっている駆動パルスφTSにより導通状態にあ
る光信号出力転送用MOSトランジスタTS1 ,TS2
を介して、前記電荷(映像信号)が光信号出力蓄積用コ
ンデンサCS1 ,CS2 に蓄積される。尚、この映像信
号には、暗成分(D)と光信号成分(S)とを合わせた
成分が含まれており、以下、この映像信号を「合成電圧
信号(VD+VS)」と称す。
【0015】次に、期間t13において、駆動パルスφTS
をローレベルにして、光信号出力転送用MOSトランジ
スタTS1 ,TS2 を遮断状態にする。この結果、前記
合成電圧信号(VD+VS)が、前記光信号出力蓄積用
コンデンサCS1 ,CS2 に保持されたままの状態とな
る。
【0016】また、このとき(期間t13)、駆動パルス
φG1の電圧を設定レベルVG1 にして、第1行目のSI
TトランジスタS101 ,S102 の読み出し動作を停止す
る。また、駆動パルスφRSV をハイレベルにして、リセ
ット用MOSトランジスタTRV1,TRV2を導通状態に
する。この結果、垂直ソースライン2a,2bが接地さ
れる。
【0017】次に、期間t14において、駆動パルスφG1
の電圧をリセットレベルVG3 にする。この結果、既に
ハイレベルとなって導通状態とされているリセット用M
OSトランジスタTRV1,TRV2によって、第1行目の
SITトランジスタS101 ,S102 のリセット(初期
化)が行われる。尚、第1行目のSITトランジスタS
101 ,S102 のリセットが行われた後、駆動パルスφG1
の電圧を設定レベルVG1 にして、第1行目のSITト
ランジスタS101 ,S102 の動作を停止する。
【0018】次に、期間t15において、駆動パルスφTD
をハイレベルにして、暗出力転送用MOSトランジスタ
TD1 ,TD2 を導通状態にする。この結果、既にハイ
レベルとなって導通状態とされているリセット用MOS
トランジスタTRV1,TRV2と暗出力転送用MOSトラ
ンジスタTD1 ,TD2 が導通し、暗出力蓄積用コンデ
ンサCD1 ,CD2 に残留する信号電荷が垂直ソースラ
イン2a,2bを介してリセット用MOSトランジスタ
TRV1,TRV2のソースから排出され、この暗出力蓄積
用コンデンサCD1 ,CD2 は接地レベルにリセット
(初期化)される。
【0019】次に、期間t16において、駆動パルスφRS
V をローレベルにして、リセット用MOSトランジスタ
TRV1,TRV2を遮断状態にするとともに、駆動パルス
φG1の電圧を読出しレベルVG2 にして第1行目のSI
TトランジスタS101 ,S10 2 を読み出し状態にする。
【0020】この結果、SITトランジスタS101 ,S
102 がソースフォロワ動作を行い、SITトランジスタ
101 ,S102 のリセット後の映像信号が、垂直ソース
ライン2a,2bに読み出され、既にハイレベルとなっ
ている駆動パルスφTDにより導通状態にある暗出力転送
用MOSトランジスタTD1 ,TD2 を介して、前記映
像信号が暗出力蓄積用コンデンサCD1 ,CD2 に蓄積
される。尚、この映像信号には、暗成分(D)のみが含
まれており、以下、この映像信号を「暗電圧信号VD」
と称す。
【0021】次に、期間t16の終了時において、前記駆
動パルスφG1が設定レベルVG1 に、駆動パルスφTDが
ローレベルにされるとともに、駆動パルスφRSV がハイ
レベルにされる。この結果、第1行目のSITトランジ
スタS101 ,S102 が、再び光入射による電荷をゲート
に蓄積する状態にされるとともに、暗出力蓄積用コンデ
ンサCD1 ,CD2 が遮断状態にされ、該暗出力蓄積用
コンデンサCD1 ,CD2 に前記暗電圧信号VDが保持
された状態のままににされる。また、リセット用MOS
トランジスタTRV1,TRV2は導通状態とされる。
【0022】次に、期間t17において、先ず、水平走査
回路6から水平読出し選択用MOSトランジスタT
S1,THD1のゲート電極に駆動パルスφH1が印加され
る。この結果、水平読出し選択用MOSトランジスタT
S1,THD1が動作し、光信号出力蓄積用コンデンサC
1 に蓄積された合成電圧信号(VD+VS)は信号出
力線16aに、又暗出力蓄積用コンデンサCD1 に蓄積
された暗電圧信号VDは暗出力線16bに、それぞれ読
み出され、バッファアンプ17a及び17bを介して出
力端子VOに出力される。
【0023】尚、一般的に、信号出力線16a及び暗出
力線16bには寄生容量CHS,CHDが存在するため、合
成電圧信号(VD+VS)が信号出力線16aに、又暗
電圧信号VDが暗出力線16bに読み出されたとき、そ
れぞれの電圧信号((VD+VS),VD)の一部がこ
れら寄生容量CHS,CHDに保持され、前記信号出力線1
6a及び暗出力線16bに残留する。そのため、水平読
み出しリセット用MOSトランジスタTRHS,TRHD
駆動パルスφRSH を印加して、前記信号出力線16a及
び暗出力線16bの各々に残留する電圧信号((VD+
VS),VD)を排出し、前記信号出力線16a及び暗
出力線16bを接地レベルにリセット(初期化)する。
【0024】次に、再び水平走査回路6から水平読出し
選択用MOSトランジスタTHS2,THD2のゲート電極
に駆動パルスφH2が印加される。この結果、水平読出し
選択用MOSトランジスタTHS2,THD2が動作し、光
信号出力蓄積用コンデンサCS2 に蓄積された合成電圧
信号(VD+VS)は信号出力線16aに、又暗出力蓄
積用コンデンサCD2 に蓄積された暗電圧信号VDは暗
出力線16bに、それぞれ読み出され、バッファアンプ
17a及び17bを介して出力端子VOに出力される。
【0025】そして、水平読み出しリセット用MOSト
ランジスタTRHS,TRHDに駆動パルスφRSH を印加し
て、前記信号出力線16a及び暗出力線16bに残留す
る電圧信号((VD+VS)、VD)を排出し、前記信
号出力線16a及び暗出力線16bを接地レベルにリセ
ット(初期化)する。
【0026】以上のように、期間t17においては、水平
走査回路6から送出される駆動パルス(φH1,φH2)と
駆動パルスφRSH を順次交互にハイレベル,ローレベル
にして、水平読出し選択用MOSトランジスタTHS1
THD1,THS2,THD2を動作させ、光信号出力蓄積用
コンデンサCS1 ,CS2 及び暗出力蓄積用コンデンサ
CD1 ,CD2 の各々に蓄積された電圧信号((VD+
VS),VD)を信号出力線16a,暗出力線16b及
びバッファアンプ17a,17bを介して出力端子VO
に出力し、その後に、水平読み出しリセット用MOSト
ランジスタTRHS,TRHDを動作させ、前記信号出力線
16a及び暗出力線16bをリセット(初期化)してい
る。
【0027】尚、出力端子VOとバッファアンプ17a
及び17bの間には、減算処理アンプ17cが設けられ
ている。これは、信号出力線16aには合成電圧信号
(VS+VD)が読み出され、又暗出力線16bには暗
電圧信号VDが読み出されるため、これらを減算処理
((VS+VD)−VD)することによって、真の映像
信号(光電圧信号VS)のみを抽出するためである。
【0028】以上の動作を第2行目のSITトランジス
タS201 ,S202 について、同様に行うことにより(t
21〜t27)、所謂ラスタースキャンが行われる。
【0029】このようなソースフォロワによる読み出し
動作を行う固体撮像装置では、電荷をソースフォロワア
ンプで増幅して読み出すためS/N比が高く、映像信号
のリニアリティが良いほか、固定パターンノイズ(FP
N)の主原因である画素(SITトランジスタS101
102 ,S201 ,S202 )毎の閾値のばらつきが、暗電
圧信号VDを記憶する(CD1 ,CD2 )ことにより、
合成電圧信号(VS+VD)との差を取って簡単に除去
できるという利点を有している。
【0030】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の固体撮像装置においては、トランジスタ(S101
102 ,S201 ,S202 )によって増幅した電荷を電圧
として、そのまま水平読出し線(16a,16b)に読
出していたため、以下に示すような問題点が生じてい
る。
【0031】第1に、増幅した電荷(映像信号)の読出
し動作に時間がかかるという問題点がある。これは、水
平読出し線に寄生容量(CHS,CHD)が存在するため、
映像信号(合成電圧信号(VD+VS)、暗電圧信号
(VD))を出力線に読み出す際に、前記寄生容量を充
電しなければならず、更にその後に、該寄生容量をリセ
ットしなければならないため、このリセット動作の時間
だけ読出し動作速度が遅くなるのである。
【0032】第2に、合成電圧信号(VD+VS)と、
暗電圧信号(VD)とをそれぞれ別々に出力するために
水平読出し線(16a,16b)が2系統(2本)設け
られているが、このためにバッファアンプ(17a,1
7b)を2つ設けなければならず、高価になるのみなら
ず、実効的なランダム雑音が、√2倍になるという問題
点が生じている。
【0033】第3に、従来の固体撮像装置においては、
水平読出し線(16a,16b)に寄生容量(CHS,C
HD)が存在するため、この寄生容量による電荷分配によ
って、信号線に読み出される映像信号(合成電圧信号
(VD+VS)、暗電圧信号(VD))の電圧が低下し
てしまうという問題点がある。
【0034】第4に、従来の固体撮像装置に設けられて
いるバッファアンプ(17a,17b)は、一般的に、
コンデンサ(CS1 ,CS2 ,CD1 ,CD2 )に蓄積
された電荷(映像信号)が減衰しないようにするため、
入力インピーダンスは高く設計されている。即ち、従来
の固体撮像装置に備えられているバッファアンプ(17
a,17b)は、映像信号のS/N比を良好にするため
に、入力インピーダンスは高くされている。
【0035】しかし、バッファアンプは、その性能を高
インピーダンスにすると外部からの誘導ノイズを受け易
くなり、結果的に映像信号のS/Nが悪くなり易いとい
う問題点が生じる。
【0036】本発明は、上記課題を鑑みて成されたもの
であり、映像信号のS/N比が良好にすることができる
固体撮像装置を得ることを目的とする。
【0037】また、本発明の別の目的は、映像信号の読
出し動作が速い固体撮像装置を得ることである。
【0038】また、本発明の別の目的は、映像信号のノ
イズ(雑音)成分を簡単に除去できる固体撮像装置を得
ることである。
【0039】また、本発明の別の目的は、誘導ノイズを
受けにくくすることができる固体撮像装置を得ることを
目的とする。
【0040】また、本発明の別の目的は、製造コストの
低減を図ることができる固体撮像装置を得ることを目的
とする。
【0041】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
係る固体撮像装置は、上記目的を達成するために、2次
元マトリクス状に配列され、入射光に応じた電荷を電流
信号に変換する複数の画素と、前記画素を前記マトリク
ス配列の各行毎に共通に順次列方向に走査して各画素か
らの電流信号を列毎に取り出すための複数の垂直読出し
線と、前記複数の垂直読出し線を行方向に走査して各行
毎の時系列的な電流信号を順次取り出すための水平読出
し線と、を備えた固体撮像装置であって、各垂直読出し
線には、各々に接続された画素が走査されたときに該画
素から出力される電流信号を記憶する電流サンプルホー
ルド手段がそれぞれ設けられ、各電流サンプルホールド
手段と水平読出し線との間には、各行毎の各画素を走査
することにより、各画素から入射光量および暗出力の和
に応じた第1成分からなる電流信号と暗出力に応じた第
2成分からなる電流信号とを別々の時点で出力させると
共に、前記電流サンプルホールド手段に、前記第1成分
からなる電流信号と第2成分からなる電流信号とのいず
れか一方を記憶させ、次いで画素から出力される第1成
分からなる電流信号と第2成分からなる電流信号とのい
ずれか他方と既に前記電流サンプルホールド手段に記憶
されている電流信号との減算による入射光量に応じた成
分からなる電流信号のみを順次前記水平読出し線に読み
出すためのスイッチング手段がそれぞれ設けられている
ことを特徴とするものである。
【0042】また、請求項2に記載の発明に係る固体撮
像装置では、請求項1に記載の固体撮像装置において、
前記複数の画素と前記サンプルホールド手段との間に、
前記画素から出力される電流信号の信号値の変動を抑制
する電流安定化手段が更に設けられていることを特徴と
するものである。
【0043】また、請求項3に記載の発明に係る固体撮
像装置では、請求項1に記載の固体撮像装置において、
前記画素が、入射光に応じた電荷を生成して蓄積する光
電変換素子と、制御領域に受け取った電荷に応じた電流
信号を生じる増幅素子と、光電変換素子で生成・蓄積さ
れた電荷を増幅素子の制御領域へ選択的に転送する転送
制御素子と、増幅素子の制御領域の電荷を選択的に初期
化するためのリセット素子とを含むことを特徴とするも
のである。
【0044】また、請求項4に記載の発明に係る固体撮
像装置では、請求項2に記載の固体撮像装置において、
前記電流安定化手段の出力端の平均電圧を、前記水平読
み出し線の出力端に印加されるバイアス電圧に等しくす
る手段が含まれていることを特徴とするものである。
【0045】
【作用】請求項1に記載の発明による固体撮像装置は、
複数の画素と、複数の垂直読出し線と、水平読出し線
と、電流サンプルホールド手段と、スイッチング手段と
から主に構成されている。
【0046】ここで、複数の画素は、2次元マトリクス
状に配列され、入射光に応じた電荷を電流信号に変換し
て出力する。複数の垂直読出し線は、前記画素を前記マ
トリクス配列の各行毎に共通に順次列方向に走査して各
画素からの電流信号を列毎に取り出す。水平読出し線
は、前記複数の垂直読出し線を行方向に走査して各行毎
の時系列的な電流信号を順次取り出す。
【0047】また、電流サンプルホールド手段は、各垂
直読出し線に設けられ、各垂直読み出し線の各々に接続
された画素が走査されたときに該画素から出力される電
流信号を記憶する。
【0048】また、スイッチング手段は、各行毎の各画
素が走査されることにより、各画素から入射光量および
暗出力の和に応じた第1成分からなる電流信号と暗出力
に応じた第2成分からなる電流信号とが別々の時点で出
力されると共に、前記電流サンプルホールド手段に、前
記第1成分からなる電流信号と第2成分からなる電流信
号とのいずれか一方が記憶され、次いで画素から出力さ
れる第1成分からなる電流信号と第2成分からなる電流
信号とのいずれか他方と既に前記電流サンプルホールド
手段に記憶されている電流信号との減算による入射光量
に応じた成分からなる電流信号のみを順次前記水平読出
し線に読み出す。
【0049】つまり、本発明においては、複数の画素か
ら、入射光量と暗出力との和に応じた第1成分からなる
電流信号と暗出力に応じた第2成分からなる電流信号と
のいずれか一方が出力され、出力された電流信号は電流
サンプルホールド手段に記憶される。
【0050】その後、続いて複数の画素から、入射光量
と暗出力との和に応じた第1成分からなる電流信号と暗
出力に応じた第2成分からなる電流信号とのいずれか他
方が出力されると、この出力された電流信号と前記電流
サンプルホールド手段に記憶されている電流信号とが、
減算されるように合成され、これにより入射光のみに応
じた成分からなる電圧信号のみが、前記スイッチング手
段の制御動作に伴って水平読出し線に読み出される。
【0051】即ち、電流サンプルホールド手段に記憶さ
れた電流信号を入射光量(S)と暗出力(D)との和に
応じた第1成分からなる電流信号(IS+ID)と、そ
の後に画素から出力される電流信号を暗出力(D)に応
じた第2成分からなる電流信号(ID)と仮定すると、
(IS+ID)−(ID)=(IS)なる減算が行わ
れ、入射光にのみ応じた成分(S)からなる電流信号
(IS)のみが、スイッチング手段の制御動作に伴っ
て、水平読出し線に読み出されるのである。
【0052】従って、水平読出し線に読み出される映像
信号が電流信号として読み出されるため、水平読出し線
に存在する寄生容量による電荷分配がなくなり、映像信
号のS/N比を向上させることが可能になる。
【0053】また、本発明においては、水平読出し線に
読み出される映像信号が電流信号であるため、映像信号
の読出し動作を速くすることが可能になる。
【0054】つまり、従来の固体撮像装置においては、
水平読出し線に読み出す映像信号を電圧として読み出す
ようにしていたため、水平読出し線の寄生容量を無視す
ることができず、例えば映像信号を水平読出し線に読み
出す際には前記寄生容量を充電した後、該寄生容量に蓄
積された電荷をリセットしなければならないため、この
リセット動作の時間だけ読出し動作速度が遅くなるとい
う問題点が生じていたが、本発明においては、水平読み
出し線に読み出される映像信号が電流信号であるため、
寄生容量が存在しても、この寄生容量の充電やリセット
動作を行う必要がなくなり、映像信号の読出し動作を速
くすることが可能になる。
【0055】また、本発明では、複数の画素から出力さ
れる入射光量と暗出力との和に応じた第1成分からなる
電流信号と暗出力に応じた第2成分からなる電流信号と
を単純に重畳するだけで、入射光にのみ応じた成分から
なる電流信号(IS)のみを水平読出し線に読み出すこ
とが可能であるため、簡単に映像信号のノイズ(雑音)
成分を除去することが可能になるとともに、映像信号の
S/N比を良好にすることが可能になる。
【0056】更に、本発明においては、前記水平読出し
線に読み出される映像信号が電流信号として扱われるた
め、低入力インピーダンスの出力回路を用いることが可
能となり、出力される映像信号が外部からの誘導ノイズ
の影響を受けることがなくなる。また、従来の固体撮像
装置のように、バッファアンプを2つも設ける必要がな
く、コストの低減を図ることが可能になる。
【0057】請求項2に記載の発明による固体撮像装置
では、請求項1に記載の固体撮像装置において、前記画
素と前記サンプルホールド手段との間に、前記画素から
出力される電流信号の信号値の変動を抑制する電流安定
化手段が更に設けられている。
【0058】つまり、請求項1に記載の固体撮像装置で
は、電流サンプルホールド手段が画素から出力される電
流信号を記憶するときと、減算によって得られた入射光
に応じた成分からなる電流信号を水平読み出し線に読み
出すときにおいて、画素の出力端の電圧が異なる場合が
考えられる。
【0059】即ち、電流サンプルホールド手段が画素か
ら出力される電流信号を記憶するときの画素の出力端の
電圧は、電流サンプルホールド手段の入力端の電圧と等
しくなる。これは、画素の出力端と電流サンプルホール
ド手段の入力端とが導通するためである。
【0060】また、減算によって得られた入射光に応じ
た成分からなる電流信号を水平読み出し線に読み出すと
きの画素の出力端の電圧は、水平読み出し線の出力端に
印加されるバイアス電圧と等しくなる。これは、画素の
出力端と水平読み出し線とが導通するためである。
【0061】従って、電流サンプルホールド手段による
電流信号の記憶時と、水平読み出し線への読み出し時と
で異なるため、画素から出力される電流信号の信号値が
変動して、固定パターンノイズ等の発生原因となり、固
体撮像装置の性能(例えば、S/N比)の低下を招くこ
とが考えられるのである。
【0062】そこで、画素と電流サンプルホールド手段
との間に、電流安定手段を設け、電流サンプルホールド
手段による電流信号の記憶時と、水平読み出し線への読
み出し時において、前記画素の出力端の電圧が変動する
ことを防止している。
【0063】請求項3に記載の発明による固体撮像装置
では、請求項1に記載の固体撮像装置において、前記画
素は、例えば光電変換素子と、電流変換増幅素子と、転
送制御素子と、リセット素子とから構成される。
【0064】ここで、光電変換素子は、入射光に応じた
電荷を生成して蓄積する。電流変換増幅素子は、制御領
域に受け取った電荷に応じた電流信号を生じる。転送制
御素子は、光電変換素子で生成・蓄積された電荷を増幅
素子の制御領域へ選択的に転送する。リセット素子は、
増幅素子の制御領域の電荷を選択的に初期化する。
【0065】つまり、従来例において示したMOS型静
電誘導トランジスタ(MOSSIT)などでは、画素構
造上、合成電圧信号(VD+VS)と暗電圧信号(V
D)とを出力する間に画素のリセット(初期化)動作を
行うため、このリセット動作を行う時間だけ、映像信号
の読出し動作が遅くなるが、請求項3に記載の構成の画
素においては、入射光量及び暗出力の和に応じた第1成
分からなる電流信号と暗出力に応じた第2成分からなる
電流信号とを出力する間に、いわゆる画素のリセット
(初期化)動作をしなくても前記両信号を出力すること
ができるため、更に高速で、映像信号を読み出すことが
可能になる。
【0066】請求項4に記載の発明による固体撮像装置
では、請求項2に記載の固体撮像装置において、前記電
流安定化手段の出力端の平均電圧を、前記水平読み出し
線の出力端に印加されるバイアス電圧に等しくする手段
が含まれている。
【0067】つまり、最終的に、減算によって得られた
入射光に応じた成分からなる電流信号を水平読み出し線
に読み出すときには、電流安定化手段の出力端は、水平
読み出し線の出力端に印加されるバイアス電圧と等しく
なる。これは、電流安定化手段の出力端と水平読み出し
線とが導通するためである。また、前記電流安定化手段
を複数個備えた場合、各電流安定化手段の出力端の電圧
は、各電流安定化手段毎に異なる。
【0068】このため、電流安定化手段の出力端の電圧
が変動して、固定パターンノイズ等の発生原因となるこ
とが考えられる。
【0069】従って、電流安定化手段の出力端の平均電
圧を水平読み出し線の出力端に印加されるバイアス電圧
と等しくなるように、電流安定化手段の電圧を調節する
ことにより、電流安定化手段の出力端の電圧が変動する
ことを防止することが可能となる。
【0070】この結果、最終的に、減算によって得られ
た入射光に応じた成分からなる電流信号を水平読み出し
線に読み出すときでも、電流安定化手段の出力端の電圧
が変動しないため、固定パターンノイズ等の発生原因を
更に抑制することが可能になる。
【0071】
【実施例】図1は、本発明の一実施例に係る固体撮像装
置の概略構成を示す模式回路図である。図1に示す固体
撮像装置では、説明のために4つの画素1が、2行2列
のマトリクス状に配置された場合を例示しており、各画
素1は、入射光に応じた電荷を生成して蓄積するフォト
ダイオードPDと、制御領域に受け取った電荷に応じた
電流信号を出力する増幅用トランジスタ(本実施例にお
いてはNチャネル型JFET)QAと、前記フォトダイ
オードPDで生成・蓄積された電荷を増幅用トランジス
タQAの制御領域へ選択的に転送する転送用MOSトラ
ンジスタ(Pチャネル型)QTと、前記増幅用トランジ
スタQAの制御領域の電荷を選択的に初期化するための
リセット用MOSトランジスタ(Pチャネル型)QPと
から構成され、前記増幅用トランジスタQAによるソー
スフォロワ動作によって電流信号が読み出されるように
なっている。
【0072】各増幅用トランジスタQAのソースは、マ
トリクス配置の各列毎に垂直ソースライン2a,2bに
共通に接続されており、また、各増幅用トランジスタQ
Aのドレイン及びフォトダイオードPDのカソード端子
には電源電圧VDDが全画素共通に印加されている。ま
た、フォトダイオードPDのアノード端子及び各増幅用
トランジスタQAのゲート電極は、それぞれ転送用MO
SトランジスタQTのソース・ドレインに接続されてい
る。
【0073】転送用MOSトランジスタQTのゲート電
極は、マトリクス配置の各行毎に垂直走査回路4に接続
されるクロックライン3a,3bに共通接続され、前記
垂直走査回路4から送出される駆動パルスφT1,φT
2によって該転送用MOSトランジスタQTが各行毎に
順次動作するようになっている。
【0074】リセット用MOSトランジスタQPのドレ
インは、マトリクス配置の各行毎に垂直走査回路4に接
続されたクロックライン5a,5bに共通接続されてお
り、また、該リセット用MOSトランジスタQPのゲー
ト電極は、行ライン6aを介して駆動パルス発生回路6
に全画素共通に接続されている。また、リセット用MO
SトランジスタQPのソースは、転送用MOSトランジ
スタQTのソースと共有になっている。そして、このリ
セット用MOSトランジスタQPのゲート電極に前記駆
動パルス発生回路6から送出される駆動パルスφRGに
よって、このリセット用MOSトランジスタQPが動作
するようになっている。
【0075】前記垂直ソースライン2a,2bは、出力
側(負荷側(紙面の上方))において、各列毎に出力ス
イッチ用MOSトランジスタQO1 ,QO2 に接続され
ており、該出力スイッチ用MOSトランジスタQO1
QO2 は、水平読み出し用MOSトランジスタQH1
QH2 、シャント用MOSトランジスタQX1 ,QX2
を各々経て水平読み出し線7a,7bに接続されてい
る。尚、前記水平読み出し線7a,7bと出力端子VO
との間には、画素1からから送出される電流信号を増幅
する出力増幅用回路8が接続されている。
【0076】前記出力スイッチ用MOSトランジスタQ
1 ,QO2 のゲート電極は、クロックライン10aを
介して駆動パルス発生回路10と接続されており、該駆
動パルス発生回路10から送出される駆動パルスφOS
が、前記出力スイッチ用MOSトランジスタQO1 ,Q
2 のゲート電極に与えられると、この出力スイッチ用
MOSトランジスタQO1 ,QO2 が動作するようにな
っている。
【0077】前記水平読み出し用MOSトランジスタQ
1 ,QH2 の各ゲート電極は、水平走査回路6に接続
された水平選択信号ライン6a1 ,6a2 と接続してお
り、前記水平走査回路6から送出される駆動パルスφH
1,φH2によって水平読出しが制御されるようになっ
ている。
【0078】尚、前記水平選択信号ライン6a1 ,6a
2 には、前記シャント用MOSトランジスタQX1 ,Q
2 のゲート電極と接続した反転用インバータ11a,
11bが接続されており、この反転用インバータ11
a,11bは、前記水平走査回路6から駆動パルスφH
1,φH2が送出されていないときに、前記シャント用
MOSトランジスタQX1 ,QX2 のゲート電極に電圧
を与えて、該シャント用MOSトランジスタQX1 ,Q
2 を動作するようになっている。
【0079】また、前記垂直ソースライン2a,2bに
は、各列毎に電流サンプルホールド回路(電流サンプル
ホールド手段)CSH1 ,CSH2 が接続されている。
この電流サンプルホールド回路CSH1 ,CSH2 は、
クロックライン9aを介して駆動パルス発生回路9に接
続されており、該駆動パルス発生回路9から送出される
駆動パルスφSHが与えられると前記電流サンプルホー
ルド回路CSH1 ,CSH2 の動作が開始されるように
なっている。
【0080】図3は、電流サンプルホールド回路の動作
を説明するための概略構成を示す模式回路図である。
尚、図3においては、説明を容易にするため、図1にお
いて示した4つの画素のうちの一つの画素と電流サンプ
ルホールド回路CSH1 との接続状態だけを示してあ
る。
【0081】図3に示すように、電流サンプルホールド
回路CSH1 は、定電流用MOSトランジスタQD(N
チャネル)と、サンプルホールドスイッチ用MOSトラ
ンジスタQSと、電圧蓄積用コンデンサCD(蓄積容
量)とから構成されている。尚、図3において、図1と
同一部分については同一符号を付し説明を省略する。ま
た、図3に示す画素1のリセット用MOSトランジスタ
QPのドレインは、模式回路図の簡略化のため、電源電
圧VPに接続されている。
【0082】サンプルホールドスイッチ用MOSトラン
ジスタQSのゲート電極はクロックライン9aを介して
駆動パルス発生回路9に接続されており、ドレインは定
電流用MOSトランジスタQDのドレインに接続され、
ソースは定電流用MOSトランジスタQDのゲート電極
と電圧蓄積用コンデンサCDの一方の電極に接続されて
いる。
【0083】また、定電流用MOSトランジスタQDの
ソースは、電源電圧に接続されており、電圧蓄積用コン
デンサCDの他方の電極も電源電圧に接続されている。
【0084】次に、図3を参照しながら、電流サンプル
ホールド回路CSH1 の動作について説明する。先ず、
駆動パルスφRGをリセット用MOSトランジスタQP
のゲート電極に与え、リセット用MOSトランジスタQ
Pを導通状態(オン状態)にすると、増幅用トランジス
タQAのゲート(制御領域)が、電源電圧VPの電圧レ
ベルにバイアスされる。
【0085】次に、リセット用MOSトランジスタQP
のゲート電極に駆動パルスφRGを与えることを停止し
て、リセット用MOSトランジスタQPを非導通状態
(オフ状態)にしても、増幅用トランジスタQAのゲー
ト(制御領域)は、ゲート寄生容量の効果で前記電源電
圧VPの電圧レベルにバイアスされたままの状態となっ
ている。
【0086】このように、増幅用トランジスタQAのゲ
ート(制御領域)を電源電圧VPの電圧レベルにバイア
スして、リセット用MOSトランジスタQPを非導通状
態(オフ状態)にしても、増幅用トランジスタQAのゲ
ート(制御領域)が電源電圧VPの電圧レベルにバイア
スされたままの状態になることを一般に画素1の「リセ
ット(初期化)」と称するが、リセット用MOSトラン
ジスタQPを非導通状態(オフ状態)にしたとき、増幅
用トランジスタQAのゲート(制御領域)には、リセッ
ト用MOSトランジスタQPの熱雑音が、リセット雑音
(いわゆるKTC雑音)として加算される。
【0087】即ち、増幅用トランジスタQAのゲート
(制御領域)がリセットされたとき、増幅用トランジス
タQAのゲート電圧VGDは、以下の式のように表され
る。 VGD=VP+VN… 但し、VN=(KT/C)1/2 K:ボルツマン定数 T:絶対温度 C:ゲート容量
【0088】そして、このとき、増幅用トランジスタQ
Aのソースから暗成分(D)のみを含む暗電流信号が流
れる。尚、以下説明の便宜上、暗電流信号を「暗電流I
D」と称す。
【0089】次に、電流サンプルホールド回路CSH1
のサンプルホールドスイッチ用MOSトランジスタQS
のゲート電極に駆動パルスφSHを与え、該サンプルホ
ールドスイッチ用MOSトランジスタQSを導通状態
(オン状態)にすると、増幅用トランジスタQAのソー
スから暗電流IDが、垂直ソースライン2aを介して定
電流用MOSトランジスタQDのドレイン及びサンプル
ホールドスイッチ用MOSトランジスタQSに向かって
流れる。以下、説明の便宜上、定電流用MOSトランジ
スタQDのドレインに向かって流れる暗電流IDを暗電
流ID1 、サンプルホールドスイッチ用MOSトランジ
スタQSに向かって流れる暗電流IDを暗電流ID2
する。
【0090】また、サンプルホールドスイッチ用MOS
トランジスタQSに向かって流れた暗電流ID2 は、更
にこのサンプルホールドスイッチ用MOSトランジスタ
QSを介して電圧蓄積用コンデンサCDに充電される。
【0091】電圧蓄積用コンデンサCDは、定電流用M
OSトランジスタQDのゲート電極に接続されている。
サンプルホールドスイッチ用MOSトランジスタQSに
向かって流れた暗電流ID2 は、定電流用MOSトラン
ジスタQDのドレインに向かって流れた暗電流ID1
増幅用トランジスタQAのソースから流れた暗電流ID
に等しくなるまで電圧蓄積用コンデンサCDに流れ、そ
の後自動的にゼロになる。
【0092】この結果、定電流用MOSトランジスタQ
Dのゲート(制御領域)は自動的にバイアスされて平衡
状態になり、また、この時の定電流用MOSトランジス
タQDのゲート電圧は電圧蓄積用コンデンサCDに蓄積
される。従って、サンプルホールドスイッチ用MOSト
ランジスタQSのゲート電極に駆動パルスφSHを与え
ることを停止して、サンプルホールドスイッチ用MOS
トランジスタQSを非導通状態(オフ状態)にしても、
定電流用MOSトランジスタQDのゲート電圧は変化し
ないため、該定電流用MOSトランジスタQDのドレイ
ンからソースには暗電流IDが流れ続ける。
【0093】即ち、定電流用MOSトランジスタQDの
ゲート・ソース間電圧が電圧蓄積用コンデンサCDによ
って一定に保持されるため、ゲート・ソース間電圧が一
定であるならば、ドレイン電流の値が変化することはな
い。従って、定電流用MOSトランジスタQDのドレイ
ンからソースには暗電流IDが流れ続ける。つまり、暗
電流IDは、ドレイン電流として、電流サンプルホール
ド回路CSH1 に記憶されたのである。
【0094】次に、転送用MOSトランジスタQTのゲ
ート電極に駆動パルスφTを与え、転送用MOSトラン
ジスタQTを導通状態(オン状態)にして、フォトダイ
オードPDに蓄積された電荷を増幅用トランジスタQA
のゲート(制御領域)に転送すると、増幅用トランジス
タQAのソースから暗成分(D)と光信号成分(S)と
を含む合成電流信号が流れる。尚、以下説明の便宜上、
合成電流信号を「合成電流(ID+IS)」と称す。
【0095】つまり、増幅用トランジスタQAのゲート
(制御領域)に電荷を転送すると、この増幅用トランジ
スタQAのゲート電圧VGSは、以下の式のように表さ
れる。 VGS=VGD+VS… ここで、VGD:増幅用トランジスタQAのゲートに電荷
を転送する前のゲート電圧(式参照)。 VS=QSIG /CG 但し、QSIG :電荷(信号電荷) CG :ゲート容量
【0096】この結果、増幅用トランジスタQAのドレ
インに流れるドレイン電流ISSは、以下の式のように
表される。 ISS=ID+IS… 但し、IS:光信号成分(S)のみを含む電流信号(以
下、「光信号電流」と称す。)
【0097】即ち、前記電荷転送後の増幅用トランジス
タQAのドレインに流れるドレイン電流ISSは、暗電流
IDに光信号電流ISが加算された合成電流(ID+I
S)が流れるのである。従って、増幅用トランジスタQ
Aのソースからも合成電流(ID+IS)が流れる。
【0098】そして、前記合成電流(ID+IS)を電
流サンプルホールド回路CSH1 に流すと、電流サンプ
ルホールド回路CSH1 には暗電流IDしか流れないた
め、結局、負荷側(OUT)には暗電流(ID)の除去
された光信号電流ISのみが流れるようになる。
【0099】即ち、電流サンプルホールド回路CSH1
の定電流用MOSトランジスタQDのゲート・ソース間
電圧は、暗電流IDを流すためだけの電圧値とされてい
るため、電流サンプルホールド回路CSH1 には合成電
流(ID+IS)のうちの光信号電流ISは流れないの
である。
【0100】次に、図2に示すパルスタイミングチャー
トを参照しながら、図1に示す固体撮像装置の動作につ
いて説明する。図2において、期間T11は、第1行目
の画素1のリセット期間である。この期間T11におい
ては、駆動パルス発生回路6から送出される駆動パルス
φRGがローレベルになって、全画素1のリセット用M
OSトランジスタQPが導通状態(オン状態)になる
が、垂直走査回路4からリセット用MOSトランジスタ
QPへ送出される駆動パルスがφRD1であるため、第
1行目の画素1が選択される。また、垂直走査回路4か
ら送出される駆動パルスφRD1がハイレベルのときの
電圧レベルがVPHであるため、この電圧レベルVPH
が前記リセット用MOSトランジスタQPを介して増幅
用トランジスタQAのゲート(制御領域)に印加され
る。
【0101】この結果、図1に示す増幅用トランジスタ
QAのゲート(制御領域)は、駆動パルスφRD1によ
る電圧レベルVPH(図2参照)にバイアスされて、リ
セット(初期化)され、増幅用トランジスタQAのソー
スから垂直ソースライン2a,2bにリセット雑音を含
む暗電流IDが出力される。
【0102】また、この期間T11(図2参照)におい
ては、駆動パルス発生回路10から送出される駆動パル
スφOSがローレベルになって、出力スイッチ用MOS
トランジスタQO1 ,QO2 が非導通状態(オフ状態)
になる。また、駆動パルス発生回路9から送出される駆
動パルスφSHがハイレベルになって、図3において説
明したサンプルホールドスイッチ用MOSトランジスタ
QSが導通状態(オン状態)にされる。
【0103】この結果、図3において説明したように、
暗電流IDが、定電流用MOSトランジスタQDのドレ
イン及びサンプルホールドスイッチ用MOSトランジス
タQSに向かって流れ、定電流用MOSトランジスタQ
Dのゲート(制御領域)が自動的にバイアスされて平衡
状態になるとともに、この時の定電流用MOSトランジ
スタQDのゲート電圧が電圧蓄積用コンデンサCDに蓄
積される状態になり、電流サンプルホールド回路CHS
1 ,CHS2 が前記暗電流IDを記憶するための動作を
開始する。
【0104】尚、この期間T11においては、垂直走査
回路4から送出される駆動パルスφRD2(図2参照)
はローレベルであり、第2行目の画素1は、非選択とさ
れるが、このとき、増幅用トランジスタQAのゲート
(制御領域)は、いわゆるピンチオフ電圧以下の電圧レ
ベルVPL(図2参照)に深くバイアスされてカットオ
フとされている。
【0105】次に、期間T12は、電流サンプルホール
ド回路CHS1 ,CHS2 が前記暗電流IDの記憶を完
了する期間であり、この期間T12においては、駆動パ
ルス発生回路9から送出される駆動パルスφSHがロー
レベルになって、図3において説明したサンプルホール
ドスイッチ用MOSトランジスタQSが非導通状態(オ
フ状態)にされ、前記暗電流IDが電流サンプルホール
ド回路CHS1 ,CHS2 に取り込まれ、暗電流IDの
記憶を完了する。
【0106】また、この期間T12においては、駆動パ
ルス発生回路10から送出される駆動パルスφOSがハ
イレベルになって、出力スイッチ用MOSトランジスタ
QO1 ,QO2 が導通状態(オン状態)になる。尚、図
2に示す期間T11,T12からも分かるように、駆動
パルス発生回路10から送出される駆動パルスφOS
と、駆動パルス発生回路9から送出される駆動パルスφ
SHとは相補的に動作するようになっている。
【0107】次に、期間T13は、フォトダイオードP
Dに蓄積された電荷を増幅用トランジスタQAに転送す
る期間であり、この期間T13においては、垂直走査回
路4から送出される駆動パルスφT1がローレベルとな
って、転送用MOSトランジスタQTが導通状態(オン
状態)となる。
【0108】この結果、フォトダイオードPDに蓄積さ
れた電荷は、転送用MOSトランジスタQTを介して増
幅用トランジスタQAのゲート(制御領域)に転送され
る。そして、転送された電荷は、増幅用トランジスタQ
Aによって合成電流(ID+IS)に変換されて、増幅
され、ソースから垂直ソースライン2a,2bに出力さ
れるが、この合成電流(ID+IS)のうちの暗電流I
Dは、電流サンプルホールド回路CSH1 ,CSH2
取り込まれるため、出力側には光信号電流ISだけが流
れる。
【0109】次に、期間T14は、水平読出し期間であ
り、この期間T14においては、水平走査回路4から出
力される駆動パルスφH1,φH2が順次ローレベルに
なって、水平読み出し用MOSトランジスタQH1 ,Q
2 が順次走査され、暗電流IDが除去された光信号電
流ISのみが出力増幅用回路8を介して出力端子VOか
ら出力される。
【0110】尚、この期間T14において、例えば水平
読み出し用MOSトランジスタQH1 が駆動パルスφH
1によって走査されている時には、反転用インバータ1
1bが作動して、シャント用MOSトランジスタQX2
がバイアス電源VRと導通し、増幅用トランジスタQA
から出力される光信号電流ISの飽和を防止している。
勿論、水平読み出し用MOSトランジスタQH2 が駆動
パルスφH2によって走査されている時には、反転用イ
ンバータ11aが作動して、シャント用MOSトランジ
スタQX1 がバイアス電源VRと導通し、増幅用トラン
ジスタQAから出力される光信号電流ISの飽和が防止
される。
【0111】以上の動作を第2行目の画素1について行
うことにより、全ての画素1から得られる映像信号をS
/N比の良好な映像信号とすることができる。
【0112】図4は、本発明の第2の実施例に係る固体
撮像装置の概略構成を示す模式回路図である。図1に示
す第1の実施例に係る固体撮像装置との相違点は、図4
に示すように、画素1と電流サンプルホールド回路CH
1 ,CHS2 との間の垂直ソースライン2a,2b
に、電流(例えば、合成電流(ID+IS))の電流値
(信号値)の変動を抑制する電流安定化素子(電流安定
化手段)QB1 ,QB2が備えられている点である。
【0113】これは、図1に示す第1の実施例に係る固
体撮像装置では、暗電流IDを電流サンプルホールド回
路CSH1 ,CSH2 に記憶させるときに、増幅用トラ
ンジスタQAのソースは、電流サンプルホールド回路C
SH1 ,CSH2 内の定電流用MOSトランジスタQD
のドレインと導通しているため(図3参照)、増幅用ト
ランジスタQAのソース電圧は、電流サンプルホールド
回路CSH1 ,CSH2 内の定電流用MOSトランジス
タQDのゲート電圧と等しくなる。
【0114】また、図1に示す第1の実施例に係る固体
撮像装置では、水平走査回路6の走査による光信号電流
ISの読出し時には、増幅用トランジスタQAのソース
は、出力端子VOと導通するため、増幅用トランジスタ
QAのソース電圧は、出力増幅用回路8のバイアス電圧
VRと等しくなる。
【0115】このため、図1に示す第1の実施例に係る
固体撮像装置では、増幅用トランジスタQAのソース電
圧が、電流サンプルホールド回路CSH1 ,CSH2
よる暗電流IDの記憶時と、光信号電流ISの読出し時
とで異なってしまい、この電圧の変動が、そのまま、前
記増幅用トランジスタQAのソースから出力される合成
電流(ID+IS)に重畳され、固定パターンノイズ
(FPN)の発生原因になってしまう場合が考えられる
のである。
【0116】従って、図4に示す第2の実施例に係る固
体撮像装置では、画素1と電流サンプルホールド回路C
HS1 ,CHS2 との間の垂直ソースライン2a,2b
に、電流の電流値の変動を抑制する電流安定化素子QB
1 ,QB2 を設けけることにより、固定パターンノイズ
(FPN)の発生原因を抑制できる。
【0117】図5(A)は、電流安定化素子の動作を説
明するための概略構成を示す模式回路図である。尚、図
5(A)においては、説明を容易にするため、図4にお
いて示した4つの画素のうちの一つの画素と電流サンプ
ルホールド回路CSH1 と電流安定化素子QB1 との接
続状態だけを示して以下に説明する。また、図5(A)
において、図3と同一部分には同一符号を付し説明を省
略する。
【0118】図5(A)に示すように、電流安定化素子
QB1 は、Nチャネル型増幅用トランジスタQAやNチ
ャネル型定電流用MOSトランジスタQDとは、逆極性
のPチャネルの素子を用いている。
【0119】つまり、電流安定化素子QB1 のソース
は、垂直ソースライン2aを介して画素1の増幅用トラ
ンジスタQAのソースに接続されており、又電流安定化
素子QB1 のドレインは、電流サンプルホールド回路C
SH1 の定電流用MOSトランジスタQDのドレインと
接続している。
【0120】従って、画素1(増幅用トランジスタQ
A)から出力される暗電流ID又は合成電流(ID+I
S)は、電流安定化素子QB1 のソースから入力され、
該電流安定化素子QB1 のドレインから電流ホールドサ
ンプル回路CSH1 へ出力される。
【0121】このように、画素1から出力される電流を
電流安定化素子QB1 のドレインから出力するようにす
ると、前記電流はドレイン電圧の変動による影響を受け
難くなるため、固定パターンノイズを大幅に減少するこ
とができる。
【0122】即ち、電界効果トランジスタ(FET)の
ドレインに流れるドレイン電流は、ゲート・ソース間の
電圧で決定され、ドレイン電圧の電圧変動による影響は
小さい。従って、電流安定化素子QB1 のゲート・ソー
ス間の電圧をバイアス電圧VBを操作して、予め定めら
れた一定の値に保持(固定)しておくことにより、該電
流安定化素子QB1 のドレインから出力される合成電流
(ID+IS)の電流値が変動することが防止されるの
である。
【0123】この結果、たとえ、増幅用トランジスタQ
Aのソース電圧が、電流サンプルホールド回路CSH
1 ,CSH2 による暗電流IDの記憶時と、光信号電流
ISの読出し時とで異なっても、電流安定化素子QB1
を経由した合成電流(ID+IS)の電流値が変動する
ことが防止され、固定パターンノイズを大幅に減少する
ことができる。
【0124】尚、現実的には、前記画素1から出力され
る信号電流は、前記電流安定化素子QB1 ,QB2 のド
レイン電圧の影響を若干は受けるので、固定パターンノ
イズはわずかであるが残ってしまう。これは、各電流安
定化素子QB1 ,QB2 毎にドレイン電圧が異なるた
め、及び各電流安定化素子QB1 ,QB2 のドレイン
は、水平走査回路6の走査による光信号電流ISの読出
し時に、出力端子VOと導通するため、各電流安定化素
子QB1 ,QB2 のドレイン電圧は、出力増幅用回路8
のバイアス電圧VRと等しくなるためである。
【0125】従って、このような場合には、図4にも示
すように、電流安定化素子QB1 ,QB2 のゲート電極
と水平ライン12aを介して接続されたゲートバイアス
電圧VBを調節して、各電流安定化素子QB1 ,QB2
毎に異なるドレイン電圧の平均電圧を出力増幅用回路8
のバイアス電圧VRに等しくすると、このわずかに残る
固定パターンノイズを更に低減することができる。
【0126】図5(B)は、本発明の第3の実施例に係
る固体撮像装置の画素部の概略構成を示す模式回路図で
ある。尚、図5(A)と同様に、説明を容易にするた
め、複数の画素のうちの一つの画素と電流サンプルホー
ルド回路CSH1 と電流安定化素子QB1 との接続状態
だけを示している。また、図5(B)において、図5
(A)と同一部分には同一符号を付し説明を省略する。
【0127】この第3の実施例に係る固体撮像装置と、
第1,第2の実施例に係る固体撮像装置との相違点は、
画素1の増幅用トランジスタQAのドレインから前記暗
電流ID及び合成電流(ID+IS)を出力するように
している点である。即ち、図5(B)に示すように、電
流サンプルホールド回路CSH1 は、電流安定化素子Q
1 を介して画素1の増幅用トランジスタQAのドレイ
ンに接続されている。
【0128】図5(B)に示すように、画素1の増幅用
トランジスタQAのドレインから前記暗電流ID及び合
成電流(ID+IS)を出力するようにすると、電界効
果トランジスタ(FET)のドレインに流れるドレイン
電流は、ゲート・ソース間の電圧で決定され、ドレイン
電圧の電圧変動による影響は小さいため、固定パターン
ノイズの発生を更に低減することができる。尚、図5
(B)に示す増幅用トランジスタQAから出力される暗
電流ID及び合成電流(ID+IS)は、図5(A)に
示す場合に比べ、極性が逆になるため定電流用MOSト
ランジスタQDは、Pチャネル型を使用している。
【0129】従って、図5(B)に示すように、画素1
の増幅用トランジスタQAのドレインから前記暗電流I
D及び合成電流(ID+IS)を出力する場合には、前
述のように電圧変動による出力電流の影響は小さいの
で、電流安定化素子QB1 は必ずしも必要ではない。
【0130】しかしながら、一般的な固体撮像装置にお
いては、画素サイズを小さくするためにデザインルール
で許容される最小寸法のトランジスターが使用され、い
わゆる狭チャンネル効果によってドレイン電流がドレイ
ン電圧の影響を受けやすくなる。
【0131】そこで、このような場合には電流安定化素
子QB1 を設け、電流安定化素子QB1 を各垂直ソース
ライン2a,2bに一個づつ設けることにより、画素の
寸法を大きくすることができ、狭チャンネル効果の影響
を軽減することができる。
【0132】尚、上記各実施例においては、容量結合に
よって前記増幅用トランジスタQAの制御領域を制御す
るためのゲート電極を備えていない画素1を例としてい
るが、前記ゲート電極を備えている画素も同様に適用で
きることは言うまでもない。
【0133】また、上記実施例においては、画素1の増
幅部(増幅用トランジスタQA)をJFETとして用い
た場合を例として説明したが、本発明はこれに限定され
るものではなく、MOSトランジスタや、バイポーラト
ランジスタであっても、ゲートやベースなどの制御電極
の電圧でドレインあるいはコレクタ、ソースあるいはエ
ミッタなどの出力電流を制御できる素子であれば同様に
適用でき、それらを混在使用しても良い。また、CMD
やAMI等の増幅型固体撮像装置も同様に適用すること
ができる。
【0134】図6は、本発明の第4の実施例に係る固体
撮像装置の概略構成を示す模式回路図である。上記各実
施例との相違点は、各画素に光電変換部を備えたMOS
型静電誘導トランジスタ(MOSSIT(以下、単に
「SITトランジスタ」という。))S11,S12
21,S22を用いている点である。尚、上記各実施例と
同一部分については同一符号を付し説明を省略する。
【0135】また、図6に示す固体撮像装置は、従来例
において説明した固体撮像装置(図7参照)に、本発明
の要部である電流サンプルホールド回路CSH1 ,CS
2と電流安定化素子QB1 ,QB2 を設けた装置であ
る。従って、図7と同一部分については同一符号を付し
説明を省略する。尚、従来例においては、所謂電圧信号
処理方式を採用していたため、SITトランジスタS
101 ,S102 ,S201 ,S202 からは電圧信号が出力さ
れていたが、このSITトランジスタも当然に電流(電
流信号)増幅素子としても動作する。
【0136】図6に示す固体撮像装置では、画素S11
12,S21,S22がSITトランジスタであるため、上
記各実施例のように、暗電流IDを出力した後に、合成
電流(ID+IS)を出力することは困難である。そこ
で、SITトランジスタを画素として用いた場合には、
従来例と同様に、先ず、垂直走査回路4によって選択さ
れた行の画素に対して読出しレベルVG2 の駆動パルス
φGを与えて、選択された画素から光信号電流ISと暗
電流IDとの合成信号電流(IS+ID)を垂直ソース
ライン2a,2bに出力して電流ホールド回路CSH
1 ,CSH2 に記憶させる。
【0137】次に、垂直走査回路4によって選択された
行の画素に対してリセットレベルVG3 の駆動パルスφ
Gを与えるとともに、駆動パルスφRVを高レベルにし
てリセット用MOSトランジスタTRV1 ,TRV2 を導通
状態(オン状態)にして、ソースライン2a,2bを接
地して前記画素のリセットを行う。
【0138】次に、リセット用MOSトランジスタT
RV1 ,TRV2 を非導通状態(オフ状態)にして駆動パル
スφGを再び読出しレベルVG2 にして、画素のリセッ
ト後の暗電流IDを出力する。
【0139】この結果、画素S11,S12,S21,S22
ら暗電流IDが出力されるが、電流サンプルホールド回
路CSH1 ,CSH2 は合成信号電流(IS+ID)を
記憶しているため、前記暗電流IDは、負荷側(VO)
から電流ホールド回路CSH1 ,CSH2 へ向かって流
れる光信号電流ISと合わさって電流ホールド回路CS
1 ,CSH2 へ流れる。
【0140】従って、光信号電流ISの極性は、第1,
第2の実施例とは逆になるが、信号成分だけを読み出す
ことができる。即ち、負荷側から見れば、電流ホールド
回路CSH1 ,CSH2 へ向かって流れた電流量が光信
号電流ISとなるのである。
【0141】
【発明の効果】本発明は以上説明したとおり、増幅され
た電荷(映像信号)を電流(電流信号)として扱ってい
るため、固定パターンノイズの発生が低減され、映像信
号のS/N比を良好にすることができるという効果があ
る。
【0142】また、本発明では、増幅された電荷(映像
信号)を電流に変換して読出し動作を行うこととしたた
め、映像信号の読出し動作を速くすることができるとい
う効果もある。
【0143】また、本発明では、増幅された電荷(映像
信号)を電流(電流信号)に変換して読出し動作を行う
こととしたため、出力増幅用の増幅回路を低入力インピ
ーダンスの増幅回路にすることができ、誘導ノイズの軽
減を容易に行うことができるという効果もある。
【0144】また、本発明では、電流サンプルホールド
手段を備え、映像信号のノイズ(雑音)成分を除去した
映像信号(電流信号)のみを出力するため、低入力イン
ピーダンスの増幅回路を1つ設ければよく、従来のよう
に2つ増幅用のアンプを設ける必要がなくなり、装置の
製造コストの低減を図ることができるという効果もあ
る。
【0145】また、本発明では、電流サンプルホールド
手段を備えているため、簡単に映像信号(電流信号)の
ノイズ(雑音)成分を除去できるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る固体撮像装置の概略構
成を示す模式回路図である。
【図2】図1に示す本発明の一実施例に係る固体撮像装
置の動作を説明するためのパルスタイミングチャートで
ある。
【図3】電流サンプルホールド手段の動作を説明するた
めの概略構成を示す模式回路図である。
【図4】本発明の第2の実施例に係る固体撮像装置の概
略構成を示す模式回路図である。
【図5】(A)は、電流安定化手段の動作を説明するた
めの概略構成を示す模式回路図である。(B)は、本発
明の第3の実施例に係る固体撮像装置の画素部の概略構
成を示す模式回路図である。
【図6】本発明の第4の実施例に係る固体撮像装置の概
略構成を示す模式回路図である。
【図7】従来の一般的な固体撮像装置の概略構成を示す
模式回路図である。
【図8】図7に示す従来の固体撮像装置の動作を説明す
るためのタイミングチャートでる。
【符号の説明】
PD:フォトダイオード(光電変換素子) QA:電流増幅用トランジスタ(電流変換増幅素子) QT:転送用MOSトランジスタ(転送制御素子) QP:リセット用MOSトランジスタ(リセット素子) CSH1 ,CSH2 :電流サンプルホールド回路(電流
サンプルホールド手段) QB1 ,QB2 :電流安定化素子(電流安定化手段)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2次元マトリクス状に配列され、入射光
    に応じた電荷を電流信号に変換する複数の画素と、 前記画素を前記マトリクス配列の各行毎に共通に順次列
    方向に走査して各画素からの電流信号を列毎に取り出す
    ための複数の垂直読出し線と、 前記複数の垂直読出し線を行方向に走査して各行毎の時
    系列的な電流信号を順次取り出すための水平読出し線
    と、を備えた固体撮像装置であって、 各垂直読出し線には、各々に接続された画素が走査され
    たときに該画素から出力される電流信号を記憶する電流
    サンプルホールド手段がそれぞれ設けられ、 各電流サンプルホールド手段と水平読出し線との間に
    は、各行毎の各画素を走査することにより、各画素から
    入射光量および暗出力の和に応じた第1成分からなる電
    流信号と暗出力に応じた第2成分からなる電流信号とを
    別々の時点で出力させると共に、前記電流サンプルホー
    ルド手段に、前記第1成分からなる電流信号と第2成分
    からなる電流信号とのいずれか一方を記憶させ、次いで
    画素から出力される第1成分からなる電流信号と第2成
    分からなる電流信号とのいずれか他方と既に前記電流サ
    ンプルホールド手段に記憶されている電流信号との減算
    による入射光量に応じた成分からなる電流信号のみを順
    次前記水平読出し線に読み出すためのスイッチング手段
    がそれぞれ設けられていることを特徴とする固体撮像装
    置。
  2. 【請求項2】 前記画素と前記サンプルホールド手段と
    の間に、前記画素から出力される電流信号の信号値の変
    動を抑制する電流安定化手段が更に設けられていること
    を特徴とする請求項1に記載の固体撮像装置。
  3. 【請求項3】 前記画素が、 入射光に応じた電荷を生成して蓄積する光電変換素子
    と、 制御領域に受け取った電荷に応じた電流信号を生じる増
    幅素子と、 光電変換素子で生成・蓄積された電荷を増幅素子の制御
    領域へ選択的に転送する転送制御素子と、 増幅素子の制御領域の電荷を選択的に初期化するための
    リセット素子とを含むことを特徴とする請求項1に記載
    の固体撮像装置。
  4. 【請求項4】 前記電流安定化手段の出力端の平均電圧
    を、前記水平読み出し線の出力端に印加されるバイアス
    電圧に等しくする手段が含まれていることを特徴とする
    請求項2に記載の固体撮像装置。
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JP2014075620A (ja) * 2012-10-02 2014-04-24 Canon Inc 撮像装置、撮像装置の駆動方法

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