JPH08249647A - 磁気記録装置 - Google Patents

磁気記録装置

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JPH08249647A
JPH08249647A JP4523095A JP4523095A JPH08249647A JP H08249647 A JPH08249647 A JP H08249647A JP 4523095 A JP4523095 A JP 4523095A JP 4523095 A JP4523095 A JP 4523095A JP H08249647 A JPH08249647 A JP H08249647A
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magnetic
lubricant
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JP4523095A
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English (en)
Inventor
Shuji Imazeki
周治 今関
Takayuki Nakakawaji
孝行 中川路
Hisashi Morooka
寿至 師岡
Yuko Murakami
祐子 村上
Yutaka Ito
伊藤  豊
Saburo Shoji
三良 庄司
Heigo Ishihara
平吾 石原
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】磁気記録媒体の最外層として設けられる潤滑膜
を、まず磁気記録媒体面上に第1の層を形成後、一定時
間加熱し、次に第1の層と同一組成である第2の層を第
1の層上に形成した潤滑膜とする。 【効果】極低浮上もしくはコンタクトレコード方式の磁
気記録装置に適した連続摺動耐久性と低粘着性の両方で
優れた潤滑膜を提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、情報を記録する磁気記
録媒体と、磁気記録媒体に情報を記録/再生する磁気ヘ
ッドとからなる磁気記録装置における磁気記録媒体の潤
滑膜に係り、特に、磁気ヘッドと磁気記録媒体のそれぞ
れの表面の幾何学的平均面の最小間隔が50nm以下で
ある小型磁気記録装置における磁気記録媒体の潤滑膜に
関する。
【0002】
【従来の技術】記録/再生用の磁気ヘッドと磁気記録媒
体を主要構成要素とする磁気記録装置では、磁気ヘッド
と磁気記録媒体との間に摩擦力が発生し、磁気ヘッドお
よび磁気記録媒体の摩耗損傷の原因となる。摩耗損傷が
磁性層まで到達すると、磁性層に記録されている情報が
破壊される、いわゆるヘッドクラッシュ現象が発生する
ため、このヘッドクラッシュを防ぐことが磁気記録装置
の信頼性を確保する上で重要な課題となっている。ヘッ
ドクラッシュを防ぐには磁気記録媒体自体の耐摩耗性を
向上させる必要があり、そのため磁性層は、通常、炭
素,金属酸化物,炭化物、窒化物等からなる保護層によ
り被覆され、さらに保護層上には潤滑膜が形成される。
このような潤滑膜には低表面エネルギ,耐熱性,化学的
安定性、および潤滑性等の特性が要求され、米国特許第
3778308 号に記載されているパーフロロアルキルポリエ
ーテル系もしくはパーフロロアルキル系化合物が現在最
も多く使用されている。
【0003】現在主流となっている磁気記録装置では、
磁気ヘッドと磁気記録媒体面との間に一定間隔の空間を
形成して記録/再生を行う方式が用いられる。この一定
間隔は浮上量と呼ばれる。磁気記録媒体への記録密度を
高めるには磁気ヘッドの浮上量をより小さくする必要が
あるが、近年、磁気記録装置の高記録密度化が急ピッチ
で進んでいるため、浮上量も低下の一途をたどってい
る。さらに、近年、浮上量低下の極限として、磁気ヘッ
ドを磁気記録媒体に常時接触させながら記録/再生を行
う方式、いわゆる、コンタクトレコード方式も提唱され
るようになった。このように浮上量が低下してくると、
磁気ヘッドと磁気記録媒体面が接触摺動する時間が必然
的に増加するため、潤滑膜の連続摺動耐久性を高めて動
摩擦係数や摩耗の低減をはかる必要がある。また、この
ような極低浮上方式あるいはコンタクトレコード方式を
とる磁気記録装置では、ディスクの面粗さやうねりが小
さくなるため、ヘッド/ディスク間で高い最大静止摩擦
力(以後、粘着と呼ぶ)が発生しやすくなる。粘着はディ
スクの起動不能やヘッドの損傷の原因となる。従って、
極低浮上方式あるいはコンタクトレコード方式をとる磁
気記録装置では、信頼性の観点から、潤滑膜の低粘着化
も必要となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように、極低浮上
方式あるいはコンタクトレコード方式をとる磁気記録装
置では、潤滑膜の連続摺動耐久性と低粘着性を両立させ
ることが必須となる。一般に、連続摺動耐久性と粘着性
は、潤滑膜の構造と構成材料の面からは相反する関係に
あり、単一成分から構成される潤滑膜では、通常その両
立は困難であると考えられている。例えば、潤滑膜の膜
厚が大きい場合には、連続摺動耐久性には有利である
が、粘着性に関しては不利となる。また、ある程度の吸
着力のある単一成分の潤滑剤からなる潤滑膜では、ディ
スク表面に強く吸着した潤滑剤以外に、潤滑膜の表層に
向かう程弱い吸着あるいは吸着せずに存在する潤滑剤
(以後、余剰潤滑剤と呼ぶ)が存在し、その量が多いほ
ど連続摺動耐久性には有利となる反面、粘着性に関して
は不利となると言われている。従って、単一成分から構
成される潤滑膜では、今後の、ヘッド浮上量がますます
低下した磁気記録装置で連続摺動信頼性を確保すること
に限界があると考えられている。
【0005】このような困難に対処するため、潤滑膜に
ついても様々な試みがなされている。例えば、複数の潤
滑剤を混合して使用することにより、単一成分の潤滑膜
では実現困難な高性能化ないし多機能化をはかることが
特開昭62−103828号公報、特開昭60−107732号公報に記
載されている。また、分子構造の異なる複数の潤滑剤を
それぞれ別個の層の形で積層させることにより、それぞ
れの潤滑剤の持つ特性の両立を図ろうとする試みも見ら
れる(米国特許4,529,659 号)。しかし、これらの方法
では複数の異なる潤滑剤を使うため、工程が複雑にな
り、コストも増大してしまうという問題がある。
【0006】また、潤滑剤と磁気記録媒体面との結合力
を高めて、摺動による潤滑膜の剥離を低減させ、連続摺
動耐久性の向上を図ろうという試みもある。例えば、潤
滑膜形成後に、加熱したり、紫外線を照射することはこ
の範疇に入る。また、潤滑剤分子の末端にトリエトキシ
シリル基のような、化学反応によって磁気記録媒体面に
強固に固着する官能基を導入することも同じ範疇に入
る。しかし、このような2次処理操作あるいは特殊官能
基導入により得られる性能向上は必ずしも大きくなく、
磁気ヘッドと磁気記録媒体のそれぞれの表面の幾何学的
平均面の最小間隔が50nm以下の磁気記録装置では、
上記手法により得られる連続摺動信頼性は十分ではな
い。
【0007】本発明の目的は、極低浮上もしくはコンタ
クトレコード方式に対応した連続摺動耐久性と低粘着性
の両方で優れた潤滑膜を、従来と同じく、単一成分によ
り、かつ、従来工程の大幅な変更やコストの大幅な増加
を伴うことなく提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、情報を
記録する磁気記録媒体と、前記磁気記録媒体に情報を記
録および再生する磁気ヘッドとを有し、前記磁気ヘッド
と前記磁気記録媒体のそれぞれの表面の幾何学的平均面
の最小間隔が50nm以下である磁気記録装置におい
て、前記磁気記録媒体の最外層として設けられる潤滑膜
を、まず前記磁気記録媒体面上に第1の層を形成後、一
定時間加熱し、次に第1の層と同一組成である第2の層
を第1の層上に形成してなる潤滑膜とすることにある。
本発明により、従来と同じく、単一成分により、かつ、
従来工程の大幅な変更やコストの大幅な増加を伴うこと
なく、従来工程の大幅な変更やコストの大幅な増加を伴
うことなく、既存材料を用いて、極低浮上もしくはコン
タクトレコード方式に対応した連続摺動耐久性と低粘着
性の両方で優れた潤滑膜を得ることができる。
【0009】本発明にかかわる潤滑膜は様々な方法によ
り磁気記録媒体上に形成することが可能である。具体的
には、浸漬法,LB法,スプレー法,スピンコート法,
キャスト法,真空蒸着法,分子線蒸着法等の方法を用い
ることができる。
【0010】本発明で用いる潤滑剤は、公知の潤滑剤か
ら選ぶことができる。具体的には、従来磁気ディスク用
の潤滑剤として用いられているパーフロロアルキルポリ
エーテル系もしくはパーフロロアルキル系の化合物など
をはじめとして広く選択することができる。さらに具体
的には、デュポン社製Krytox,ダイキン社製Demnum,モ
ンテフロズ社製Fomblin等(いずれも商品名)のパーフ
ロロアルキルポリエーテル系潤滑剤があげられ、これら
の誘導体も含まれる。末端基として、水酸基やカルボキ
シル基、あるいはこれらの塩などの親水性基を有するも
のが特に好ましい。
【0011】本発明において、第1の潤滑膜形成後に実
施する加熱は、用いる潤滑剤にもよるが、70℃〜20
0℃の範囲、好ましくは90℃〜170℃の範囲で実施
することが望ましい。第1の層を形成後、第2の層形成
前に、磁気ディスク表面に強く結合していない潤滑剤を
溶剤で洗い落しても得られる効果に大きな違いはない
が、第1の層を形成後に溶剤による洗浄を実施するかど
うかは、膜厚調整の観点から決定される。
【0012】本発明の磁気記録装置に適用される磁気記
録媒体は、直径が3.5 インチ以下であることが好まし
い。これより大きい場合には、磁気ヘッド表面との最小
間隔が50nm以下の磁気記録装置を形成し難しいから
である。
【0013】磁気記録媒体の構成は、非磁性支持体上に
少なくとも磁性層を有し、磁性層上、もしくは前記磁性
層上に保護膜を介して潤滑膜を形成したものが好まし
い。また、非磁性支持体と磁性層との間に下地層を介し
た構成の磁気記録媒体についても適用可能である。非磁
性支持体,磁性層,保護層は何等限定されるものではな
く、従来より知られているものが何でも使用できる。
【0014】
【作用】本発明による潤滑膜が、連続摺動耐久性と低粘
着性を両立させる理由は必ずしも明らかではないが、加
熱により磁気記録媒体面との結合力が高められた第1の
層が主に低粘着性に寄与し、また、相対的に流動性に高
い第2の層が主に連続摺動耐久性に寄与することによ
り、連続摺動耐久性と低粘着性を兼ね備えた潤滑膜が実
現されたものと推定される。
【0015】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明する。
【0016】(実施例1)表面を鏡面研磨した3.5 イ
ンチのアルミ合金基板上にNiP下地膜10μm,Cr
中間膜0.5μm ,Co−Cr−Pt60nm,カーボ
ン保護膜20nmを順に形成したスパッタ磁気ディスク
を準備した。なお、ディスク表面の面粗さは中心線平均
粗さでRa1.2nm である。次に、化1に示すフッ素
系潤滑剤(平均分子量4000)をフッ素系溶剤(住友
3M社製、PF5052)に0.01wt%の濃度で溶解させ
た溶液(a)を調製した。
【0017】
【化1】
【0018】(上記式中、φ1,φ2は、それぞれフェニ
レン基,フェニル基を表す。) この溶液中に磁気ディスクを浸漬することにより、潤滑
剤(1)を磁気ディスク上に塗布した(第1回目の塗
布)。塗布条件は、溶液中での滞留時間180秒、溶液
からの引上げ速度2.5mm/s とした。次にこの磁気デ
ィスクを110℃で2時間加熱した。次にこの磁気ディ
スクを再び溶液(a)に浸漬し、潤滑剤(1)の塗布を
行った。塗布条件は第1回目のときと同じとした。以上
の工程により形成された潤滑膜の全膜厚は2.2nmで
あった。
【0019】上記の潤滑膜を塗布した磁気ディスクの連
続摺動耐久性と低粘着性を確認するため、図1に示す実
験系において以下の測定を行った。図中、測定する磁気
ディスク5は、装置下部のモータと直結のスピンドル8
に取り付けられ、ディスク押さえ9で固定されている。
ヘッド・スライダ6は、ディスクの回転方向と順方向に
レール面が接するインラインタイプ(Al23TiC製
20T)のものであり、ロードセル10に接続されてい
るアーム7に固定されている。ロードセル10を固定し
ているステージ11は、半径方向に移動可能であり、各
トラックでの評価が可能である。モータを回転させるこ
とによりヘッド・スライダ6と磁気ディスク5の間で発
生する摩擦力をロードセルで測定する。
【0020】連続摺動耐久性は、ヘッド・スライダをデ
ィスクに接触した状態で二十万回まで連続的に摺動さ
せ、その間の最大動摩擦係数とディスクがクラッシュす
る周回数を測定することにより評価した。ディスクのク
ラッシュは、潤滑膜の下地であるカーボン保護膜が完全
に摩耗し、磁性膜が露出した状態である。クラッシュが
発生すると目視により確認できる摺動痕が発生するの
で、その時点で実験を中止し、そこまでの周回数を記録
した。なお、二十万回以下でディスクがクラッシュした
場合の最大動摩擦係数は、ディスクがクラッシュした時
点までに測定された最大動摩擦係数を採用した。測定
は、ヘッドの押しつけ荷重5g,ディスク回転数150
rpm で行った。
【0021】粘着の測定はヘッド・スライダとディスク
を接触させた状態でディスクを低速で回転させ、回転直
後に発生する最大静止摩擦係数を測定した。測定は、ヘ
ッドの押しつけ荷重5g,ディスク回転数1rpm で行っ
た。
【0022】表1に上記の評価結果を示す。
【0023】
【表1】
【0024】(比較例1)実施例1と同じ磁気ディスク
を準備し、潤滑剤(1)を、実施例1の第1回目塗布と
全く同じ塗布条件で塗布した。但し、濃度は0.03w
t% とした。膜厚は2.3nm であった。塗布後の加
熱及び第2回目の潤滑剤塗布を行うことなく連続摺動耐
久性と粘着性の評価を実施例1と同様の方法で行った。
結果を表1に示す。表1より、実施例1の潤滑膜の方が
本比較例のそれよりも連続摺動耐久性,粘着性いずれに
おいても優れていることがわかる。
【0025】(実施例2)実施例1と同じ磁気ディスク
を準備し、化2に示すフッ素系潤滑剤を実施例1と同じ
溶剤に0.04wt %濃度で溶解させた溶液(b)中に
浸漬し、潤滑剤(2)を、磁気ディスク上に塗布した
(第1回目の塗布)。塗布条件は実施例1と同じとし
た。次にこの磁気ディスクを110℃で2時間加熱した
後、この磁気ディスクを再び溶液(b)に浸漬し、潤滑
剤(2)の第2回目の塗布を行った。塗布条件は第1回
目のときと同じとした。以上の工程により形成された潤
滑膜の全膜厚は2.3nm であった。
【0026】
【化2】
【0027】本実施例で作製した潤滑膜の連続摺動耐久
性と粘着性を実施例1と同様の方法で評価した。結果を
表1に示す。
【0028】(比較例2)実施例2と同じ磁気ディスク
を準備し、潤滑剤(2)を、実施例2の第1回目の塗布
と全く同じ塗布条件で塗布した。但し、濃度は0.1w
t% とした。膜厚は2.2nm であった。塗布後の加
熱及び第2回目の潤滑剤塗布を行うことなく連続摺動耐
久性と粘着性の評価を実施例2と同様の方法で行った。
結果を表1に示す。表1より、実施例2の潤滑膜の方が
本比較例のそれよりも連続摺動耐久性,粘着性いずれで
も優れていることがわかる。
【0029】(実施例3)実施例1と同じ磁気ディスク
を準備し、化3に示すフッ素系潤滑剤を実施例1と同じ
溶剤に0.02wt% の濃度で溶解させた溶液(c)中
に浸漬し、潤滑剤(3)を、磁気ディスク上に塗布した
(第1回目の塗布)。塗布条件は実施例1と同じとし
た。次にこの磁気ディスクを110℃で2時間加熱した
後、この磁気ディスクを再び溶液(c)に浸漬し、潤滑
剤(3)の第2回目の塗布を行った。塗布条件は第1回
目のときと同じとした。以上の工程により形成された潤
滑膜の全膜厚は2.4nm であった。
【0030】
【化3】 HO−CH2CF2(OCF2CF2)m(OCF2)nOCF2CH2−OH …(化3) 本実施例で作製した潤滑膜の連続摺動耐久性と粘着性を
実施例1と同様の方法で評価した。結果を表1に示す。
【0031】(比較例3)実施例3と同じ磁気ディスク
を準備し、潤滑剤(3)を、実施例3の第1回目の塗布
と全く同じ塗布条件で塗布した。但し、濃度は0.05
wt% とした。膜厚は2.4nm であった。塗布後の
加熱及び第2回目の潤滑剤塗布を行うことなく連続摺動
耐久性と粘着性の評価を実施例3と同様の方法で行っ
た。結果を表1に示す。表1より、実施例3の潤滑膜の
方が本比較例のそれよりも連続摺動耐久性,粘着性いず
れにおいても優れていることがわかる。
【0032】(実施例4)実施例1と同じ磁気ディスク
を準備し、下記構造式(4)に示すフッ素系潤滑剤を実
施例1と同じ溶剤に0.01wt% の濃度で溶解させた
溶液(d)中に浸漬し、潤滑剤(4)を、磁気ディスク
上に塗布した(第1回目の塗布)。塗布条件は実施例1
と同じとした。次にこの磁気ディスクを110℃で2時
間加熱した後、この磁気ディスクを再び溶液(d)に浸
漬し、潤滑剤(4)の第2回目の塗布を行った。塗布条
件は第1回目のときと同じとした。以上の工程により形
成された潤滑膜の全膜厚は2.3nm であった。
【0033】
【化4】
【0034】本実施例で作製した潤滑膜の連続摺動耐久
性と粘着性を実施例1と同様の方法で評価した。結果を
表1に示す。
【0035】(比較例4)実施例4と同じ磁気ディスク
を準備し、潤滑剤(4)を、実施例4の第1回目の塗布
と全く同じ塗布条件で塗布した。但し、濃度は0.03
wt% とした。膜厚は2.5nm であった。塗布後の
加熱及び第2回目の潤滑剤塗布を行うことなく連続摺動
耐久性と粘着性の評価を実施例4と同様の方法で行っ
た。結果を表1に示す。表1より、実施例4の潤滑膜の
方が本比較例のそれよりも連続摺動耐久性,粘着性いず
れにおいても優れていることがわかる。
【0036】(実施例5)実施例1と同じ磁気ディスク
を準備し、化5に示すフッ素系潤滑剤を実施例1と同じ
溶剤に0.01wt% の濃度で溶解させた溶液(e)中
に浸漬し、潤滑剤(5)を、磁気ディスク上に塗布した
(第1回目の塗布)。塗布条件は実施例1と同じとし
た。次にこの磁気ディスクを110℃で2時間加熱した
後、この磁気ディスクを再び溶液(e)に浸漬し、潤滑
剤(5)の第2回目の塗布を行った。塗布条件は第1回
目のときと同じとした。以上の工程により形成された潤
滑膜の全膜厚は2.2nm であった。
【0037】
【化5】
【0038】本実施例で作製した潤滑膜の連続摺動耐久
性と粘着性を実施例1と同様の方法で評価した。結果を
表1に示す。
【0039】(比較例5)実施例5と同じ磁気ディスク
を準備し、潤滑剤(5)を、実施例5の第1回目の塗布
と全く同じ塗布条件で塗布した。但し、濃度は0.03
wt% とした。膜厚は2.4nm であった。塗布後の
加熱及び第2回目の潤滑剤塗布を行うことなく連続摺動
耐久性と粘着性の評価を実施例5と同様の方法で行っ
た。結果を表1に示す。表1より、実施例5の潤滑膜の
方が本比較例のそれよりも連続摺動耐久性,粘着性いず
れにおいても優れていることがわかる。
【0040】(実施例6)実施例1と同じ磁気ディスク
を準備し、化6に示すフッ素系潤滑剤を実施例1と同じ
溶剤に0.01wt% の濃度で溶解させた溶液(f)中
に浸漬し、潤滑剤(6)を、磁気ディスク上に塗布した
(第1回目の塗布)。塗布条件は実施例1と同じとし
た。次にこの磁気ディスクを110℃で2時間加熱した
後、この磁気ディスクを再び溶液(f)に浸漬し、潤滑
剤(6)の第2回目の塗布を行った。塗布条件は第1回
目のときと同じとした。以上の工程により形成された潤
滑膜の全膜厚は2.1nm であった。
【0041】
【化6】 X2−OCH2CF2O(CF2CF2O)m(CF2O)nCF2CH2O−X2 …(化6) (上記式中、X2 はピペロニル基を示す。) 本実施例で作製した潤滑膜の連続摺動耐久性と粘着性を
実施例1と同様の方法で評価した。結果を表1に示す。
【0042】(比較例6)実施例6と同じ磁気ディスク
を準備し、潤滑剤(6)を、実施例6の第1回目の塗布
と全く同じ塗布条件で塗布した。但し、濃度は0.05
wt% とした。膜厚は2.3nm であった。塗布後の
加熱及び第2回目の潤滑剤塗布を行うことなく連続摺動
耐久性と粘着性の評価を実施例4と同様の方法で行っ
た。結果を表1に示す。表1より、実施例6の潤滑膜の
方が本比較例のそれよりも連続摺動耐久性,粘着性いず
れにおいても優れていることがわかる。
【0043】(実施例7)実施例1と同じ磁気ディスク
を準備し、化7に示すフッ素系潤滑剤を実施例1と同じ
溶剤に0.02wt% の濃度で溶解させた溶液(g)中
に浸漬し、潤滑剤(7)を、上記磁気ディスク上に塗布
した(第1回目の塗布)。塗布条件は実施例1と同じと
した。次にこの磁気ディスクを110℃で2時間加熱し
た後、この磁気ディスクを再び溶液(g)に浸漬し、潤
滑剤(7)の第2回目の塗布を行った。塗布条件は第1
回目のときと同じとした。以上の工程により形成された
潤滑膜の全膜厚は2.0nm であった。
【0044】
【化7】 CH3OOCCF2O(CF2CF2O)m(CF2O)nCF2COOCH3 …(化7) 本実施例で作製した潤滑膜の連続摺動耐久性と粘着性を
実施例1と同様の方法で評価した。結果を表1に示す。
【0045】(比較例7)実施例7と同じ磁気ディスク
を準備し、潤滑剤(7)を、実施例7の第1回目の塗布
と全く同じ塗布条件で塗布した。但し、濃度は0.1w
t% とした。膜厚は2.2nm であった。塗布後の加
熱及び第2回目の潤滑剤塗布を行うことなく連続摺動耐
久性と粘着性の評価を実施例4と同様の方法で行った。
結果を表1に示す。表1より、実施例7の潤滑膜の方が
本比較例のそれよりも連続摺動耐久性,粘着性いずれに
おいても優れていることがわかる。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、極低浮上もしくはコン
タクトレコード方式の磁気記録装置に適した連続摺動耐
久性と低粘着性の両方で優れた潤滑膜を提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】磁気ディスク装置起動開始直後に発生する最大
静止摩擦力(粘着)と磁気ディスク作動中に発生する動摩
擦力と摩耗(連続摺動耐久性)を測定する評価装置の断面
図。
【図2】図1の平面図。
【符号の説明】
5…磁気ディスク、6…ヘッド・スライダ、7…アー
ム、8…スピンドル、9…ディスク押さえ、10…ロー
ドセル、11…ステージ、12…ジンバル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村上 祐子 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 伊藤 豊 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 庄司 三良 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 石原 平吾 神奈川県小田原市国府津2880番地 株式会 社日立製作所ストレージシステム事業部内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】情報を記録する磁気記録媒体と、前記磁気
    記録媒体に情報を記録および再生する磁気ヘッドとを有
    し、前記磁気ヘッドと前記磁気記録媒体のそれぞれの表
    面の幾何学的平均面の最小間隔が50nm以下である磁
    気記録装置において、前記磁気記録媒体の潤滑膜が、前
    記磁気記録媒体面上に第1の層を形成後、一定時間加熱
    し、次に前記第1の層と同一組成である第2の層を第1
    の層上に形成してなる膜であることを特徴とする磁気記
    録装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、一つの磁気記録媒体面
    の情報を記録再生する磁気ヘッドが一つであり、かつ磁
    気記録媒体の直径が3.5 インチ以下である磁気記録装
    置。
JP4523095A 1995-03-06 1995-03-06 磁気記録装置 Pending JPH08249647A (ja)

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JP4523095A JPH08249647A (ja) 1995-03-06 1995-03-06 磁気記録装置

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JP4523095A JPH08249647A (ja) 1995-03-06 1995-03-06 磁気記録装置

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