JPH0824819A - 廃棄物処理材および廃棄物処理方法 - Google Patents

廃棄物処理材および廃棄物処理方法

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JPH0824819A
JPH0824819A JP6166586A JP16658694A JPH0824819A JP H0824819 A JPH0824819 A JP H0824819A JP 6166586 A JP6166586 A JP 6166586A JP 16658694 A JP16658694 A JP 16658694A JP H0824819 A JPH0824819 A JP H0824819A
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JP
Japan
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weight
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waste treatment
treatment material
waste
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Application number
JP6166586A
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English (en)
Inventor
Takuji Nomura
卓司 野村
Masakazu Kamikita
正和 上北
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
Application filed by Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 廃棄物中に含まれる有害重金属、特にPb溶
出量を抑制することができ、しかも保存安定性に優れた
処理材を提供する。 【構成】 還元性金属10〜40重量部、固体酸60〜
90重量部、固結防止剤1〜20重量部を主たる構成成
分とする処理材であり、この処理材を処理すべき廃棄物
や飛灰とともに混合し、必要に応じて水を添加して混練
する。 【効果】 産業廃棄物中に含有されるPbをはじめ有害
重金属を安定化することができ、特に、ゴミ焼却炉から
排出されるアルカリ性の飛灰からのPb溶出を効果的に
抑制して安定化することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有害な重金属等を含有
する廃棄物を安定化処理するのに有効な、廃棄物処理材
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、有害な重金属等を含有する産業廃
棄物を処分する場合には、セメントと混合し、水を加え
て混練した後、養生固化して、有害重金属等の溶出を防
ぎ安定化する方法が用いられている。しかしながら、こ
のように単にセメントで固化する従来の処理方法には種
々の問題があり、用途を限定しなければ二次公害が発生
する恐れがある。また、都市ゴミ焼却炉で捕捉される飛
灰の場合にも、鉛(Pb)、カドミウム(Cd)、水銀
(Hg)、クロム(Cr)、銅(Cu)などの有害な重
金属が含まれている。この飛灰も、現在のところ主灰と
混ぜて埋め立てられたり、セメントで固化されたりして
いるが、セメントで固化してもPbの溶出等の問題があ
る。即ち、上記のセメントには、それ自体に、有害金属
であるPbが含有されており、セメントを採取する場所
(山)によってもPb含有量は異なるものの、今後Pb
溶出に対する規制が厳しくなれば、上記のような産業廃
棄物や飛灰の処理材として使用できなるなると一般に考
えられている。
【0003】更に、前記ゴミ焼却炉で捕捉される飛灰の
場合にあっては、最近は焼却時に発生する塩酸ガスの捕
捉のために消石灰や生石灰が吹き込まれ、これが飛灰中
に残存するために、鉛等の金属の溶出が抑制されず大き
な問題になろうとしている。このような飛灰に対しては
キレート化剤が試験的に使用されているが、飛灰の種類
によっては、とくにアルカリ性が高く鉛含有量の多い飛
灰に対しては飛灰の重量の6%以上加えないと規制値以
下に抑制されないものもあり、ランニングコストの面で
大きな負荷になると考えられる。今後、飛灰の無処理の
ままでの埋立処理は法的にも規制されるので有害な重金
属が再溶出しないように安定化することが可能な処理方
法が望まれていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
産業廃棄物や飛灰の処理の現状に鑑み、有害な重金属等
を含有する廃棄物を安定化処理するのに有効な、特に上
記のごとく焼却炉から排出されるアルカリ性の飛灰に含
まれる有害な重金属等が再溶出しないように安定化する
ことが可能で、かつ安価な廃棄物処理材を研究開発し、
固体酸からなる処理材が有望であることを知見した。し
かしながら、この処理材は、上記のような焼却炉で捕捉
されるアルカリ性飛灰中のPbの溶出を抑制するには有
効であるものの、Hg,Cdなどいくつかの有害重金属
の溶出を防止する効果は不十分であった。さらには、理
由は明らかではないが、そのまま放置すると処理材が固
まる(固結する)傾向があり、処理材の保存安定性の面
で問題があった。すなわち、処理材を製品として保存す
る場合や使用するためホッパー等に放置されている場合
に、それが長期にわたると処理材が固結して取り扱いが
非常に困難になる欠点があった。そこで本発明は、上記
のごとく焼却炉から排出されるアルカリ性の飛灰に含ま
れる有害な重金属等が再溶出しないように安定化するこ
とが可能であり、かつ保存安定性の改良された廃棄物処
理材を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な問題を解決するために鋭意検討した結果、この目的を
達成し得る廃棄物処理材を得るに至った。即ち、本発明
は還元性の金属と固体酸、または還元性の金属と固体酸
と固結防止剤を主たる構成成分としてなる廃棄物処理材
を内容とする。
【0006】先ず、本発明で使用される還元性の金属と
は、その金属が、処理すべき廃棄物中の有害な他の金属
イオンを還元する性質のある金属をいう。そして、本発
明に利用される還元性の金属の形態は特に規定しない
が、粉末状或いは粒子状が製造上好ましい。たとえば、
還元粉、噴霧粉、電解粉、粉砕粉、急冷凝固粉、合金
粉、複合粉、被覆粉などがある。また、金属の精錬工程
や金属の加工工程で得られる副産物(例えば、鉄の精錬
工程や加工工程で得られる製鋼クズについては、吹錬中
に発生するスラグの発散流出つまりスロッピングによっ
て飛散したくず、バグハウス中のダスト、金属鉄を含む
スラグ、ショットブラスターからの副産物など、粗粒ダ
ストなど)のように一般には製品にならない不純物を含
んでいるものでも良い。本発明で還元性の金属として使
用される金属は比較的卑な金属であることが好ましく、
この点からはFe,Sn,Zn,Mn,Si,Al,M
gなどが好ましい。これら還元性の金属の内でも、工業
的入手の容易性、価格、効果、安全性等を考慮すると
鉄、アルミニウムが好ましい例といえる。つまり、金属
ナトリウムや金属カリウムは、還元性金属であるが反応
性が高く発火の危険性があるので取扱いに注意が必要で
ある。また、亜鉛、クロム、鉛、銅などはそれ自身が有
害重金属であるので、汚染を引き起こす危険性が低い形
態をとっていることを確認する必要がある。従って、こ
れらと比較して取扱が容易で、かつ汚染を引き起こす可
能性がきわめて少ないという産業上の利点を考えると鉄
やアルミニウムが好ましく、より好ましくは鉄がよい。
もちろん、鉄、アルミニウム以外の金属であっても汚染
を引き起こす可能性が低いように加工されたり、取扱い
が容易になれば本発明における還元性の金属として利用
することができる。
【0007】前記のような還元性の金属の含有量は、処
理材中1〜40重量部が好ましく、さらには10〜40
重量部が好ましい。還元性の金属の種類、溶出を防止し
ようとする有害重金属の種類などによっても異なるが、
処理材中で還元性の金属の含有量が多すぎると相対的に
固体酸の含有量が減少し、特にPbに対する溶出防止効
果が減少して好ましくない。また、少なすぎるとHg,
Cdなどの重金属に対する溶出防止効果が充分でなく、
還元性金属を使用する効果が明確でなくなる。
【0008】次に、本発明で用いられる固体酸には、 (a)酸性白土、クラリット、ベントナイト、カオリ
ン、フラーズ・アース、モンモリロナイト、フロリジン
などの天然の粘土鉱物 (b)シリカゲルやアルミナに硫酸、リン酸、マロン酸
などを付着させたもの、石英砂を担体としたリン酸、ケ
イソウ土とリン酸のか焼合成物などの固型化酸 (c)陽イオン交換樹脂 (d)ZnO Al2 3 (またはこれを加熱処理した
もの:以下*と示す)、TiO 2*、CeO2 *、As
2 3 、V2 5 、SiO2 *、Sb2 5 、CaSO
4 、MnSO4 *、NiSO4 *、CuSO4 *、Co
SO4 、CdSO 4 *、SrSO4 、ZnSO4 *、M
gSO4 、FeSO4 *、加熱処理されたBaSO4
KHSO4 、K2 SO4 、(NH4 2 SO4 、Al2
(SO4 3 、Fe 2(SO4 3 、Cr2 (SO4
3 、Ca(NO3 2 ・4H2 O、Bi(NO3 3
5H2 O、Zn(NO3 2 ・6H2 O、Fe(N
3 3・9H2 O、CaCO3 、Zrリン酸塩、Ti
リン酸塩、AlPO4 、PbCl 2 、HgCl2 *、C
uCl2 *、AlCl3 *、SnCl2 *、CaC
2 、AgCl2 、H2 WO4 、AgClO4 、ZnS
*、CaS、Mg(ClO4 2 、珪酸アルミニウムな
どの無機化学薬品などが例示できる。
【0009】ここで固体酸を選択する場合、本発明の主
旨からなるべく安価なものを選択して使用することが好
ましいが、次の点を充分に考慮する必要がある。 (1)Pb、As、Hg、Cdなどの化合物は、場合に
よってはその成分自体が溶出規制有害重金属に該当して
いることがあるので、使用に際しては溶出試験により確
認を要する。 (2)処理する廃棄物によって最適な固体酸が異なるた
め、使用に際しては溶出試験により効果の確認を要す
る。 これらの点を考慮するとAl2 (SO4 3 、珪酸アル
ミニウム、AlPO4等が好ましい態様の一つである。
【0010】また、固体酸の使用量は処理する廃棄物と
目標とする溶出量によって設定する必要があるが、多く
の場合、処理材中60〜90重量部となる。また、固体
酸の形態はその反応性から粉末であることが好ましい。
なお、目的に応じて複数種の固体酸を用いることも本発
明の範ちゅうである。
【0011】更に、本発明で用いられる固結防止剤に
は、シリカゲル、ケイソウ土、ベントナイト、活性白
土、ステアリン酸塩、アルキルアミン酢酸塩、パーム
油、酸性白土、活性ボーキサイト、活性アルミナ、アク
リル樹脂、ポリビニルアセテート、ポリビニルブチラー
ル、パラフィン、イオウ、炭酸Ca、塩基性炭酸Mg、
リン酸Ca、カオリン、タルク、クエン酸鉄アンモニウ
ム、硫酸K、珪酸Alなどが例示できる。ここで、無機
物は粉体で混合することにより固結防止効果を発現する
が、有機物の多くは固体酸粉体にコーティングすること
によってはじめて効果を発現するため、必要に応じてス
プレーコーティング、浸漬法コーティングなどによって
固体酸粉体表面上にコーティングしなければならない。
上記固結防止剤のなかでも、活性白土、活性アルミナ、
ステアリン酸Ca、シリカゲルは価格、工業的入手の容
易性、コーティング不要なこと、固結防止効果の点で特
に有効であり、好ましい例といえる。また、上記固結防
止剤のうち2種以上を同時に使用することも本発明の範
ちゅうである。
【0012】前記のような固結防止剤の選択および使用
量は、廃棄物処理材に含まれる固体酸種と配合量に応じ
て適宜選択するが、固結防止性能が充分に発現するこ
と、および溶出防止性能を阻害しないことも重要であ
る。これらの点を考慮し、通常、還元性の金属と固体酸
との合計100重量部に対して1〜20重量部の割合で
固結防止剤を添加する。また、固結防止剤のうちベント
ナイト、酸性白土など固体酸としても位置づけられるも
のもあり、これらを使用することが溶出防止性能の点か
ら好ましい態様であることも付記しておく。
【0013】なお、上述した固体酸のすべてが固結する
ものではないが、固結するか否かはその組成のみによっ
て決まるものではなく、表面積、表面状態など様々な要
因に支配されるため、固結防止剤が必要な固体酸を区別
することは困難である。そのため、本来固結しにくい性
質の固体酸であっても、確実に固結を防止することを考
慮し本発明の固結防止剤を使用するは有意である。
【0014】本発明では、上記のような還元性の金属、
固体酸、固結防止剤の他に、還元剤、アロフェン、ベン
トナイトなどを含有させても良い。還元剤としては、チ
オ硫酸ナトリウム、チオ尿素、塩化第1鉄、硫酸第1
鉄、亜硫酸ナトリウム、ハイドロサルファイトなどがあ
る。上記の化合物を更に含有させると本発明の廃棄物処
理材において、還元剤は有害重金属を含有する廃棄物が
混合、混練された処理材を還元的な状態にすることが出
来ると考えられる。前記還元剤の中では、チオ硫酸ナト
リウム、チオ尿素がより好ましい。アロフェンやベント
ナイトには物理的吸着作用があると考えられる。ゼオラ
イトや活性炭なども本発明の効果を増すために加えるこ
とができる。従って、還元性の金属と固体酸、または還
元性金属と固体酸と固結防止剤を主としてなる処理材
に、更に上記の群から選ばれた化合物を加えることで一
層の重金属の安定化効果が期待できる。
【0015】次に本発明に係る廃棄物処理材の作製方法
について説明する。この処理材は、還元性の金属と固体
酸、またはこれらと固結防止材を主として予め混合され
る。混合の仕方とか順序については特に制限はない。な
お、処理材の保存に当たっては、セメントと同程度に水
分の混合を出来るだけ避けるのがよい。
【0016】次に、本発明に係る処理材と廃棄物との混
合方法について説明する。本発明の効果を充分に達成す
るためには、処理材と廃棄物が充分に混合されることが
重要であるが、混合の具体的方法については制限はな
い。また、必要に応じて水を添加、混練することが好ま
しい。一般的には、上記混合と混練を同一機械を用いて
行うことが工数低減のために好ましく、廃棄物と処理材
を混練器(または混合器)に投入して混合した後、水を
添加して混練し、処理物を排出する。また、廃棄物と処
理材と水の混合順序は任意に選択することができるが、
均一な混合のためには、上記の如く廃棄物と処理材とを
混合した後、水を添加、混練するのが最も好ましい。ま
た、廃棄物と処理材の混合割合は、適宜溶出試験を行っ
て廃棄物の有害金属含有量、形態、溶出許容値によって
決定する必要があるが、廃棄物100重量部に対し5〜
60重量部、特に10〜30重量部が一般的である。
【0017】
【作用】廃棄物焼却飛灰中のPbはアルカリ雰囲気下で
溶出しやすいことが一般的に知られているが、都市ごみ
の焼却炉などでは稼働中に発生する塩酸ガス量を制御す
る目的で消石灰を吹き込んでいるため、このような運転
条件下で生成する電気集塵機補集飛灰やバグフィルター
補集飛灰は特にPb溶出量が多い。これに対し本発明の
処理材は、固体酸の効果によりアルカリ雰囲気をより中
性に近づけるためPb溶出量を減少しうるとの発想に基
づき開発されたものであるが、予想通りのPbの溶出量
を抑制する効果は確認されものの必ずしもPHが低下す
るとは限らず、作用機構に関しては不明な点が多いのが
現状である。一方、Hg,Cdなどの有害重金属はアル
カリ雰囲気で溶出しにくい傾向があるため、一概には言
えないものの上記固体酸の添加は好ましくない場合があ
る。本発明ではこれを補完する目的で添加されるのが還
元性の金属であって、還元性の金属が有害重金属イオン
を還元し、その表面に有害重金属を析出、固定化せしめ
る効果があるものと考えられる。また、固結防止剤の固
結防止機構についての詳細は不明であるが、緩衝作用、
吸湿作用、防湿作用、流動性の付与などによるものと推
定できる。
【0018】
【発明の効果】本発明の廃棄物処理材は、有害重金属を
含有する産業廃棄物や都市ゴミの焼却炉から排出される
EP灰やバグ灰(特に、消石灰や生石灰を吹き込んだE
P灰やバグ灰)を処理した場合には、有害重金属、特に
Pbが効率よく安定化され、溶出量が減少し、安定化処
理に非常に有効なものであり、かつ保存安定性に優れた
ものである。しかも、この処理材は、従来の処理材にお
いては主たる構成成分であったセメントを使用しないこ
とから、セメント中に含まれることのあるPbの溶出と
いった問題が発生するおそれもなく、将来、Pbの溶出
が更に厳しく規制されて廃棄物の処理材としてセメント
の使用が制限された場合には、特に有用な処理材とな
る。
【0019】
【実施例】以下に実施例および比較例を挙げて本発明を
更に具体的に説明するが、本発明は、これに限定される
ものではない。
【0020】(比較例1)都市ゴミ焼却施設で生成する
バグフィルター補集飛灰の成分分析を行ったところ、P
b6530ppm、Hg9.42ppmであった。この
飛灰を用いて無処理のまま環境庁告示13号(日本)の
溶出試験を行ったところ、Pb溶出量は240ppm、
Hg溶出量は0.016ppm、PHは12.6であっ
た。
【0021】(比較例2)比較例1の飛灰50gと普通
ポルトランドセメント15gを混合したものに水を約3
0g添加、混練したものを7日間養生し、環境庁告示1
3号(日本)による溶出試験を行ったところPb溶出量
は10ppm、Hg溶出量は0.005ppmであっ
た。
【0022】(比較例3)硫酸Al(八代化学製)を安
定化処理材として用いた。ここで、硫酸Alには製造工
程が同一で生産ロットのみ異なる2種のものを使用し
た。以降、一方のロットの硫酸Alを使用した試験およ
び試験結果を比較例3−1、もう一方のロットの硫酸A
lを使用したものを比較例3−2とする。比較例1の飛
灰50gと上記処理材(硫酸Al)7.5gを混合した
ものに水を約30g添加、混練したものを1日間静置
し、環境庁告示13号(日本)による溶出試験を行っ
た。結果を表1に示す。固結試験は、処理材約200g
を500mlポリ容器に入れ、5kgの荷重を上部より
印加した状態で3日および18日間放置し、その後目開
き2mmメッシュのふるい上に処理材を取り出してふる
いにかけ、ふるい上に残った処理材(固まり)の量を測
定することによって実施した。固まり量の最初の重量に
対する比率(%)表示で表1に結果を示す(比率が低い
ほど良好)。
【0023】比較例3−1と3−2の比較から、同じ生
産者による硫酸Alでもロットが異なることによって固
結試験結果が大きく異なることがわかる。これは微妙な
生産条件または保管条件が表面状態などに影響を及ぼし
た結果と考えられるが、現在のところその詳細は不明で
ある。以下に述べる実施例では、本発明の効果を顕著に
示すため比較例3−2に使用した硫酸Alと同じ、すな
わち固結しやすいロットの硫酸Alを使用した。
【0024】(実施例1)硫酸Al(八代化学製)と鉄
粉(和光純薬製)をそれぞれ重量比で80:20の比率
で配合、混合したものを安定化処理材として作製した。
比較例1の飛灰50gと処理材9.4gを混合したもの
に水を約30g添加、混練したものを1日間静置し、環
境庁告示13号(日本)による溶出試験を行った。溶出
試験結果と固結試験の結果を表1中、実施例1−1に示
す。
【0025】また、硫酸Al(八代化学製)とAl粉
(和光純薬製)をそれぞれ重量比で80:20の比率で
配合、混合したものを安定化処理材として使用した他は
実施例1−1と同様な試験を行った。溶出試験結果と固
結試験の結果を表1中、実施例1−2に示す。
【0026】(実施例2)硫酸Al(八代化学製)と鉄
粉(和光純薬製)と活性白土(和光純薬製)をそれぞれ
重量比で80:20:10の比率で配合、混合したもの
を安定化処理材として作製した。比較例1の飛灰50g
と処理材10.3gを混合したものに水を約30g添
加、混練したものを1日間静置し、環境庁告示13号
(日本)による溶出試験を行った。溶出試験結果と固結
試験の結果を表1中、実施例2−1に示す。
【0027】また、硫酸Al(八代化学製)とAl粉
(和光純薬製)と活性白土(和光純薬製)をそれぞれ重
量比で80:20:10の比率で配合、混合したものを
安定化処理材として使用した他は実施例2−1と同様な
試験を行った。溶出試験結果と固結試験の結果を表1
中、実施例2−2に示す。
【0028】
【表1】
【0029】以上の比較例と実施例の結果から、比較例
1の無処理の場合に比べ、比較例2のセメント処理はP
b溶出量を大幅に抑制してはいるものの、固体酸として
硫酸Alを使用した比較例3−1、3−2では検出限界
以下(0.1ppm以下)にでき、Pb溶出抑制効果に
ついての固体酸の使用の有意差は明白である。しかしな
がら、上述のごとく固結することがあり問題がある。さ
らに、比較例3の固体酸だけの場合にはHgの溶出量は
充分に抑制されておらず問題である。これに対し、還元
性の金属と固体酸とからなる本発明に係る処理材を用い
た実施例1−1、1−2では、Pbの溶出抑制効果だけ
でなくHgの溶出も比較的3に比べ大幅に抑制されてお
り、本発明の効果が明白である。さらに固結防止材を含
有する実施例2−1、2−2では固結試験の結果も良好
であり、本発明の効果が明白である。なお、比較例3、
実施例1、2の処理材に含まれる硫酸Alの灰50gに
対する量はすべて7.5gとなるように設定している。
【0030】以上の比較例、実施例の結果より、本発明
の処理材の有害重金属の溶出防止性能および固結防止効
果(保存安定性)が示され、本発明の廃棄物処理材の効
果が明らかとなった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B09B 3/00 301 N 304 G

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 還元性の金属と固体酸を主たる構成成分
    としてなることを特徴とする廃棄物処理材。
  2. 【請求項2】 還元性の金属と固体酸と固結防止剤を主
    たる構成成分としてなることを特徴とする廃棄物処理
    材。
  3. 【請求項3】 還元性の金属を10〜40重量部、固体
    酸を60〜90重量部含有してなる請求項1または請求
    項2記載の廃棄物処理材。
  4. 【請求項4】 還元性の金属と固体酸の合成100重量
    部に対して、固結防止剤を1〜20重量部含有してなる
    請求項2記載の廃棄物処理材。
  5. 【請求項5】 還元性の金属が鉄粉またはアルミニウム
    粉である請求項1〜請求項4のいずれかに記載の廃棄物
    処理材。
  6. 【請求項6】 固体酸が、リン酸アルミニウム、珪酸ア
    ルミニウム、またはリン酸アルミニウムの中から選ばれ
    た1種または2種以上である請求項1〜請求項4のいず
    れかに記載の廃棄物処理材。
  7. 【請求項7】 固結防止剤が活性白土、活性アルミナ、
    ステアリン酸Ca、シリカゲルの中から選ばれた1種ま
    たは2種以上である請求項2〜請求項6のいずれかに記
    載の廃棄物処理材。
  8. 【請求項8】 還元剤、アロフェン、ベントナイトを更
    に含有してなる請求項1〜請求項6のいずれかに記載の
    廃棄物処理材。
  9. 【請求項9】 還元剤がチオ硫酸ナトリウム、またはチ
    オ尿素である請求項8記載の廃棄物処理材。
  10. 【請求項10】 ゼオライトまたは活性炭を更に含有し
    てなる請求項8または請求項9記載の廃棄物処理材。
  11. 【請求項11】 硫酸アルミニウム80重量部と、鉄粉
    20重量部とからなる廃棄物処理材。
  12. 【請求項12】 硫酸アルミニウム80重量部と、アル
    ミニウム粉20重量部とからなる廃棄物処理材。
  13. 【請求項13】 硫酸アルミニウム80重量部と、鉄粉
    20重量部と、活性白土10重量部とからなる廃棄物処
    理材。
  14. 【請求項14】 硫酸アルミニウム80重量部と、アル
    ミニウム粉20重量部と、活性白土10重量部とからな
    る廃棄物処理材。
  15. 【請求項15】 アルカリ性の飛灰を、還元性の金属と
    固体酸を主たる構成成分としてなる処理材とともに混合
    し、必要に応じて水を添加したものを混練することを特
    徴とする廃棄物処理方法。
  16. 【請求項16】 アルカリ性の飛灰を、硫酸アルミニウ
    ム80重量部と、鉄粉20重量部とからなる廃棄物処理
    材とともに混合し、必要に応じて水を添加したものを混
    練することを特徴とする廃棄物処理方法。
  17. 【請求項17】 アルカリ性の飛灰を、硫酸アルミニウ
    ム80重量部と、アルミニウム粉20重量部とからなる
    廃棄物処理材とともに混合し、必要に応じて水を添加し
    たものを混練することを特徴とする廃棄物処理方法。
  18. 【請求項18】 アルカリ性の飛灰を、還元性の金属と
    固体酸と固結防止剤を主たる構成成分としてなる処理材
    とともに混合し、必要に応じて水を添加したものを混練
    することを特徴とする廃棄物処理方法。
  19. 【請求項19】 アルカリ性の飛灰を、硫酸アルミニウ
    ム80重量部と、鉄粉20重量部と、活性白土10重量
    部とからなる廃棄物処理材とともに混合し、必要に応じ
    て水を添加したものを混練することを特徴とする廃棄物
    処理方法。
  20. 【請求項20】 アルカリ性の飛灰を、硫酸アルミニウ
    ム80重量部と、アルミニウム粉20重量部と、活性白
    土10重量部とからなる廃棄物処理材とともに混合し、
    必要に応じて水を添加したものを混練することを特徴と
    する廃棄物処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006110411A (ja) * 2004-10-12 2006-04-27 Nippon Steel Corp 重金属の溶出低減方法
JP2006181432A (ja) * 2004-12-27 2006-07-13 Kyushu Institute Of Technology 廃棄物の処理方法及び廃棄物処理用吸着材

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