JPH0824813A - 送液口体 - Google Patents

送液口体

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JPH0824813A
JPH0824813A JP6164144A JP16414494A JPH0824813A JP H0824813 A JPH0824813 A JP H0824813A JP 6164144 A JP6164144 A JP 6164144A JP 16414494 A JP16414494 A JP 16414494A JP H0824813 A JPH0824813 A JP H0824813A
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mouthpiece
forceps channel
piston
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Takayuki Yokota
貴之 横田
Hisao Yabe
久雄 矢部
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Abstract

(57)【要約】 【目的】一定の流量で管路内に洗浄液等を送液でき、し
かも、管路内および管路開口部に取り付けられる口金の
外周面の両者を短時間で確実に洗浄消毒することができ
る送液口体の提供を目的としている。 【構成】管路内に液体を送液するために管路開口部に装
着される送液口体50において、管路側に取り付けられ
る口金部34と、送液用チューブ54を有し且つ前記口
金部34の外周に着脱自在に嵌着される接続具55と、
前記口金部34の外周面と前記接続具55の内周面との
間に液体流通用の通路を形成し、この通路を通じて流れ
る前記送液用チューブ54からの液体を前記接続具55
の外部に排出する手段X,Y,Zと、前記液体流通用の
通路に流路抵抗を付与する手段49とを具備したもので
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、管路内に液体を送液す
るために管路開口部に装着される送液口体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、管路内を洗浄消毒するために、こ
の管路の開口部に送液口体を装着し、この送液口体を介
して管路内に洗浄液あるいは消毒液等を送液することが
行なわれている。
【0003】例えば、医療分野で使用される内視鏡に
は、送気・送水チャンネル、吸引チャンネル、鉗子チャ
ンネルなどの各種のチャンネルが必要に応じて設けられ
ている。したがって、内視鏡を洗浄消毒する場合には、
これらの各チャンネル内も洗浄消毒する必要がある。
【0004】このようなチャンネルを洗浄消毒する場合
には、各チャンネルの開口部に設けられた口金の外周
に、洗浄液あるいは消毒液等を送液するための接続具を
例えばねじ止め等の手段によって装着し、これによっ
て、各チャンネル内に洗浄液や消毒液を送り込むように
している。すなわち、洗浄消毒時には、各チャンネルの
開口部に予め設けられている口金に送液用の接続具を着
脱自在に接続することによって送液口体を形成し、前記
接続具に接続された送液チューブからの洗浄液等を口金
を通じてチャンネル内に流し込むことによって、チャン
ネル内の洗浄消毒を行なうことができるようにしてい
る。
【0005】こうした送液口体にあっては、前記口金と
前記接続具との間に隙間を設け、この隙間を通じて洗浄
液の一部を管路外に排出することによって、チャンネル
の洗浄と合わせて前記口金の外周面の洗浄をも行なうこ
とができるようにしたものもある(特公平1−1736
5号公報等)。これは、通常汚れやすく洗浄しにくいと
されている口金の外周面を洗浄消毒できる点で有益であ
る。
【0006】図17は、チャンネルの洗浄と合わせて前
記口金の外周面の洗浄をも行なうことができる送液口体
の構造の一例を示すものである。この送液口体500
は、内視鏡のハウジング501に固定されたチャンネル
用口金502と、このチャンネル用口金502に螺着さ
れる接続具503とから構成されている。チャンネル用
口金502は、その内孔が内視鏡に設けられた図示しな
いチャンネルに連通しており、その外方突出先端にはフ
ランジ部504が一体に形成されている。また、フラン
ジ部504にはおねじ505が形成されている。一方、
接続具503の接続端部には、チャンネル用口金502
のおねじ505と螺合するめねじ506が設けられてい
る。
【0007】この構成では、めねじ506をおねじ50
5に螺合することによって接続具503をチャンネル用
口金502にねじ込んでいき、さらには、めねじ506
とおねじ505との螺合が外れるまで接続具503を回
し込んで、めねじ506の部位をおねじ505の下方に
落とし込んだ状態で、洗浄液の送液を行なう。この送液
は、接続具503に接続された送液チューブ507にシ
リンジを接続し、このシリンジからの洗浄液を送液チュ
ーブ507とチャンネル用口金502の内孔とを介して
チャンネル内に送液する。この時、洗浄液の一部がチャ
ンネル用口金502と接続具503との間の隙間を矢印
aのように流れて接続具503の外部へと排出される。
これにより、チャンネル口金502の外周面がここを流
れる洗浄液によって洗浄される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】一般に、内視鏡の各チ
ャンネルは、長尺であり、また、途中で分岐しているも
のもある。そのため、各チャンネル内の管路抵抗は大き
い。したがって、チャンネル用口金502と接続具50
3とが接することのない状態で洗浄を行なう第17図に
示すような送液口体では、チャンネル用口金502と接
続具503との間の隙間によって形成される流路が、チ
ャンネル用口金502の内孔からチャンネル内に至る流
路の管路抵抗に比べて小さくなっていしまい、送液チュ
ーブ507から送液される洗浄液の大部分がチャンネル
内に流れ込まずにチャンネル用口金502と接続具50
3との間の隙間へと流れてしまうといった事態が生じて
しまう。これでは、チャンネルの洗浄を主目的として行
なう送液作業の意味がなくなってしまうとともに、チャ
ンネル内の洗浄・消毒に長時間を要してしまう。
【0009】また、図17に示す構成では、洗浄時に、
チャンネル用口金502に対して接続具503が固定さ
れていないため、ここを流れる洗浄液の圧力によって接
続具503の位置がチャンネル用口金502に対して経
時的に変化してしまう。
【0010】すなわち、洗浄液(消毒液)を流すと、こ
の洗浄液の圧力によって、接続具503は、その接続端
509が内視鏡の外表面508に接する状態と、チャン
ネル口金502と全く接していない状態でその接続端5
09が内視鏡の外表面508から浮いてしまう状態と、
そのめねじ506がチャンネル用口金502のおねじ5
05と接触する状態との3つの状態に、その位置が経時
的に変化してしまう。そのため、チャンネル内に流れる
洗浄液(消毒液)の流量が前記3つの状態によって変化
してしまい、一定の流量で洗浄液(消毒液)をチャンネ
ル内に送ることができず、結果的にチャンネル内の洗浄
・消毒に長時間を要してしまうこととなる。
【0011】本発明は上記事情に着目してなされたもの
であり、その目的とするところは、一定の流量で管路内
に洗浄液等を送液でき、しかも、管路内および管路開口
部に取り付けられる口金の外周面の両者を短時間で確実
に洗浄消毒することができる送液口体を提供することに
ある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、管路内に液体を送液するために管路開口
部に装着される送液口体において、管路側に取り付けら
れる口金部と、送液用チューブを有し且つ前記口金部の
外周に着脱自在に嵌着される接続具と、前記口金部の外
周面と前記接続具の内周面との間に液体流通用の通路を
形成し、この通路を通じて流れる前記送液用チューブか
らの液体を前記接続具の外部に排出する手段と、前記液
体流通用の通路に流路抵抗を付与する手段とを具備した
ものである。
【0013】
【作用】上記構成では、前記口金部の外周面と前記接続
具の内周面との間に形成された液体流通用の通路に一定
の流路抵抗を付与することによって、前記液体流通用の
通路の流路抵抗を前記口金部から管路内に至る流路の抵
抗よりも大きくすることができる。したがって、送液用
チューブからの液体を管路内に十分に送液して管路内を
確実且つ短時間で洗浄等することができる。
【0014】また、洗浄液の一部は液体流通用の通路を
通じて前記口金部の外周面に沿って流れるため、前記口
金部の外周面も確実に洗浄することができる。さらに、
前記接続具は前記口金部に嵌着されているため、口金部
に対する接続具の位置が経時的に変化してしまうことが
なく、洗浄液等を一定流量で管路内に送液することがで
きる。
【0015】
【実施例】以下、図面を参照しつつ本発明の実施例につ
いて説明する。図1ないし図6は本発明の第1の実施例
を示すものである。図1は内視鏡1の全体構成を概略的
に示すものである。この内視鏡1は、操作部3と、この
操作部3に接続され患者の体内に挿入される挿入部2と
からその本体が構成されている。挿入部2の先端には遠
隔的に湾曲動作される湾曲部2aが設けられている。す
なわち、この湾曲部2aには図4に示す4本のアングル
ワイヤー262が連結されており、操作部3に設けられ
た図示しないアングルノブによってこれらのアングルワ
イヤー262を選択的に押し引き操作すると、湾曲部2
aが4方向に湾曲動作されるようになっている。また、
操作部3には先端にコネクタ10を有するユニバーサル
コード4が接続されている。
【0016】内視鏡1の内部には図示のごとく各種の管
路が組み込まれている。すなわち、挿入部2と操作部3
およびユニバーサルコード4とにわたって送気管路5と
送水管路6とが挿通配置されている。送気管路5と送水
管路6は、その先端同志が互いに合流して送気送水管路
36となって、挿入部2の先端に設けられた送気送水ノ
ズル7に連通した状態で接続されている。このノズル7
は、撮像用の固体撮像素子であるCCD8の前方に配置
された観察窓9の外表面に向けて設けられており、送気
送水ピストン31の操作によって洗浄水または空気を観
察窓9の外表面に噴き付けることができるようになって
いる。
【0017】送気管路5は、ユニバーサルコード4側に
配設される上流側送気管路5aと、挿入部2側に配設さ
れる下流側送気管路5bとから構成され、上流側送気管
路5aと下流側送気管路5bとは送気送水制御装置25
を介して互いに連通している。また、送水管路6は、上
流側送水管路6aと、挿入部2側に配設される下流側送
水管路6bとから構成され、上流側送水管路6aと下流
側送水管路6bとは送気送水制御装置25を介して互い
に連通している。なお、前記送気送水制御装置25は、
操作部3内に形成された送気送水シリンダ30と、この
送気送水シリンダ30に着脱可能に装着される送気送水
ピストン31とから構成されており、送気送水シリンダ
30内の送気送水ピストン31の軸心方向の摺動動作に
よって、上流側送気管路5aと下流側送気管路5bとの
連通状態および上流側送水管路6aと下流側送水管路6
bとの連通状態が切り換えられるようになっている。
【0018】ユニバーサルコード4のコネクタ10に
は、送気送水口金11、送気口金12、吸引口金13が
それぞれ設けられている。送気送水口金11には送気口
14と送水口15とが設けられており、送気口14には
上流側送気管路5aの端部が、また、送水口15には上
流側送水管路6aの端部がそれぞれ連通している。そし
て、送気口14と送水口15はそれぞれ送水タンク16
の送気チューブ17と送水チューブ18とにそれぞれ対
応して接続されるようになっている。
【0019】また、上流側送気管路5aは送気口14付
近で分岐して分岐管路5cを形成している。この分岐管
路5cは、送気口金12で開口しており、コネクタ10
を図示しない光源装置に接続すると、送気口金12を介
して光源装置内の送気ポンプに接続されるようになって
いる。
【0020】一方、吸引口金13には、ユニバーサルコ
ード4内に配設された下流側吸引管路19の一端が連結
されている。この下流側吸引管路19の他端は、吸引制
御装置20に連結されている。また、この吸引制御装置
20には上流側吸引管路21の一端が連結されている。
吸引制御装置20は、操作部3内に形成された吸引シリ
ンダ32と、この吸引シリンダ32に着脱可能に装着さ
れる吸引ピストン33とから構成されており、吸引ピス
トン33の押し込み操作によって上流側吸引管路21と
下流側吸引管路19との連通状態を制御できるようにな
っている。
【0021】また、上流側吸引管路21の他端は、挿入
部2および操作部3内に配設された処置具挿通用の鉗子
チャンネル22に連結部23で連結している。連結部2
3から操作部3側に延びる鉗子チャンネル22の一端側
は操作部3に設けられた鉗子挿入口24に連通してお
り、また、連結部23から挿入部2側に延びる鉗子チャ
ンネル22の他端側は挿入部2の先端面で開口してい
る。
【0022】前記鉗子挿入口24には送液口体50が設
けられている。以下、この送液口体50の構造を図2を
参照しつつ説明する。なお、図2の(a)は鉗子挿入口
24に送液口体50を装着した状態における側断面図で
あり、図2の(b)は図2の(a)のKーK線あるいは
LーL線に沿う断面図である。
【0023】送液口体50は、操作部3に固定される鉗
子チャンネル口金34と、送液チューブ54を有し、鉗
子チャンネル口金34に着脱自在に装着される接続具5
5とから構成されている。また、接続具55の送液チュ
ーブ54には洗浄液や消毒液が入ったシリンジ35を着
脱可能に取り付けることができるようになっている。
【0024】鉗子チャンネル口金34は、内孔63を有
する略円筒状に形成されており、操作部3のハウジング
に嵌着された状態で操作部3から突出している。鉗子チ
ャンネル口金34は、その外周面に略角柱状(図面では
四角柱状)の突起49が設けられているとともに、径方
向に環状に突出するフランジ部51が先端に形成されて
いる。
【0025】前記突起49は1個もしくは複数個設けら
れている。図面では、鉗子チャンネル口金34の周方向
に沿って互いに等間隔に設けられた4つの突起49から
成る放射状突起群が鉗子チャンネル口金34の長手方向
に沿って上下に2つ設けられた構成となっている。すな
わち、鉗子チャンネル口金34の外周面には突起49が
合わせて8つ設けられていることになる。なお、これら
の突起49…の外形寸法は全て同一となっている。
【0026】一方、鉗子チャンネル口金34に装着され
る接続具55は、シリコンゴム、イソプレンゴム、フッ
素ゴム、ブタジエンゴム、天然ゴム、ポリウレタンゴム
等の弾性材からなる。この接続具55には前述したよう
に送液チューブ54が接続されている。
【0027】接続具55は、鉗子チャンネル口金34の
フランジ部51を遊嵌する筒状部56を有し、この筒状
部56の開口端部に内側に向かって突出する環状突出部
57が形成されている。この環状突出部57は鉗子チャ
ンネル口金34の外周面に設けられた前記突起49の端
面に外接する内径を有している。そして、環状突出部5
7が突起49の端面に外接した状態で、鉗子チャンネル
口金34と接続具55との間には一体の間隙が形成され
るようになっている。
【0028】すなわち、例えば、筒状部56の上端部内
面58とフランジ部51の上面59との間には距離Xの
間隙が形成され、フランジ部51の下面60と環状突出
部57の上面62との間には距離Yの間隙が形成され、
フランジ部51の側面と筒状部56の側部内面との間に
は距離Zの間隙が形成されている。また、この場合、環
状突出部57の下面80と操作部3のハウジング面53
との間にも距離Wの間隙を形成することができるように
なっている。
【0029】なお、このように環状突出部57を突起4
9の端面に外接させた状態で接続具55を鉗子チャンネ
ル口金34に装着させると、鉗子チャンネル口金34と
環状突出部57との間に4つの隙間66…が形成され
る。
【0030】次に、上記構成の送液口体50の作用につ
いて説明する。まず、接続具55を鉗子チャンネル口金
34に接続するには、筒状部56を弾性変形させて、環
状突出部57が鉗子チャンネル口金34のフランジ部5
1を乗り越えるように接続具55を強制的に押し込む。
その結果、環状突出部57の内周面が鉗子チャンネル口
金34の突起49の外周面に当接し、接続具55がフラ
ンジ部51を一定の距離(X,Y,Z)離間して包囲す
る状態となる。なお、この接続状態では、接続具55を
上方に真直ぐに引張っても、環状突出部57が口金フラ
ンジ部51に突き当たるから、接続具55が鉗子チャン
ネル口金34から抜けてしまうことはない。
【0031】そして、このような接続状態で、今度は、
洗浄液(消毒液でも良い。)の入ったシリンジ35(図
1参照)を送液チューブ54に接続して、洗浄液を接続
具55内に流し込むと、この洗浄液は接続具55内を図
中矢印bで示すように流れる。このように流し込まれた
洗浄液の一部は、矢印cで示すように鉗子チャンネル口
金34の内孔63に流れ込むとともに、他の一部はフラ
ンジ部51と接続具55との間を矢印dのように流れ
る。矢印dの方向に流れた洗浄液は、その後、突起49
が設けられた鉗子チャンネル口金34の外周面と環状突
出部57の内周面との間の隙間66を突起49を避けな
がら流れ落ちて、環状突出部57の下面80と操作部3
のハウジング面53との間を矢印eのように流れ出る。
【0032】このように、本実施例の送液口体50は、
環状突出部57を鉗子チャンネル口金34の突起49に
外接させてこの部位の流路抵抗を大きくすることによ
り、接続具55と鉗子チャンネル口金34との間の流路
の抵抗を鉗子チャンネル口金34内の流路(内孔63)
の抵抗よりも大きくしている。したがって、送液チュー
ブ54から接続具55内に流れ込む洗浄液は、鉗子チャ
ンネル口金34の内孔63に多量に流れる。つまり、洗
浄力を要求される鉗子チャンネル22内を優先的に洗浄
できる。そのため、鉗子チャンネル22内を短時間に洗
浄(消毒)できる。また、接続具55と鉗子チャンネル
口金34との間の流路にも、鉗子チャンネル口金34の
内孔63に流れ込む量よりは少量ではあるが、鉗子チャ
ンネル口金34の外周面を洗浄するに十分な量の洗浄液
が流れる。
【0033】つまり、本実施例の送液口体50によれ
ば、鉗子チャンネル22内を確実且つ短時間に洗浄(消
毒)することができるとともに、鉗子チャンネル口金3
4の外周面も十分に洗浄することができる。
【0034】なお、本実施例では、突起49の端面を完
全に洗浄することは難しいが、接続具55と鉗子チャン
ネル口金34との間の流路抵抗を余り小さくしない範囲
で、突起49の数を減らせば、その分、口金34の外面
を広範囲に洗浄・消毒することができる。
【0035】また、本実施例の送液口体50は、環状突
出部57を鉗子チャンネル口金34の突起49に外接さ
せることによって、接続具55が鉗子チャンネル口金3
4にある程度固定されるため、接続具55の位置が経時
的に極端に変化してしまうことがなく、鉗子チャンネル
口金34の内孔63を通じて鉗子チャンネル22内に洗
浄液をほぼ一定の流量で流すことができる。
【0036】また、本構成の場合、突起49を、鉗子チ
ャンネル口金34の外面ではなく、環状突出部57の内
面に設けても良い。図3は、挿入部2内に形成された鉗
子チャンネル22の先端部(図1のJ部)を示してい
る。図示のごとく、鉗子チャンネル22は、例えばPT
FE、ナイロン、ポリエチレン等の材質のチューブ25
0によって形成されている。チューブ250の外周には
その先端部を除いて保護チューブ266が被覆されてい
る。また、保護チューブ266が被覆されていないチュ
ーブ250の先端部の外周にはチャンネルパイプ251
が被嵌されている。そして、チャンネルパイプ251の
先端から延出するチューブ250の部位は、チャンネル
パイプ251の先端で外側に折り返されて、更にチャン
ネルパイプ251の外面に沿って反対側に延びている。
すなわち、チャンネルパイプ251の先端部がチューブ
250の先端部によって挟み込まれた状態になってい
る。この状態で、チューブ250の先端部は内視鏡挿入
部2の先端部を構成する先端カバー252のチューブ取
付溝254内に嵌め込まれている。
【0037】このように嵌め込まれた状態では、チュー
ブ250の内面と先端カバー252のチャンネル孔25
2aの内面とが面一となる。つまり、折り返されること
によって径方向に膨らんだチューブ250の先端部の外
径とチューブ取付溝254の内径とが略同一となってお
り、チューブ250の折り返し部250aをチューブ取
付溝254の奥端面に当接させ、チャンネルパイプ25
1に沿って折り返されたチューブ250の先端部位25
0bをチューブ取付溝254の周面に密着させた状態
で、鉗子チャンネル22の内面が段差のない平滑な面に
形成されるようになっているものである。なお、この場
合、チューブ取付溝254の周面とチャンネルパイプ2
51との間に形成される隙間には接着剤255が充填さ
れている。
【0038】このように、チャンネルパイプ251をチ
ューブ250によって覆い隠して鉗子チャンネル22の
内面を段差のない平滑な面に形成したことにより、従来
生じていた問題、すなわち、鉗子チャンネル22内に挿
通された図示しない処置具等がチャンネルパイプ251
に引掛かってしまうといった問題を解決することができ
る。つまり、チャンネルパイプ251に処置具等が引掛
からないから、処置具の挿通性が良好となるとともに、
チューブ250を損傷させないで済む。
【0039】図4は内視鏡1の挿入部2に設けられた湾
曲部2aの断面(図1のAーA線に沿う断面)を示して
いる。湾曲部2aは複数の湾曲駒260…を挿入部2の
長手方向に回動自在に連結して成る湾曲管269によっ
てその本体が構成されている。各湾曲駒260の内面に
は周方向に沿って等間隔に4つのガイド部材261が突
設されている。これらの各ガイド部材261の内孔には
アングルワイヤー262が挿通されている。すなわち、
4本のアングルワイヤー262が湾曲管269内に挿通
配置されている。湾曲管269の外周にはフッ素ゴムに
よって形成された外管263が被覆されている。
【0040】湾曲管269内には、図示しない撮像処理
装置に電気的に接続された撮像ユニット264と、2つ
の照明用ライトガイドファイバー265,265と、送
気送水管路36を形成する送気送水チューブ268と、
鉗子チャンネル22を形成するチューブ250とが内装
されている。この場合、チャンネルチューブ250の外
周に被覆された保護チューブ266の外面には撮像ユニ
ット264と干渉する部位に切り欠き267が設けられ
ている。この部位に切り欠き267を設けることによ
り、撮像ユニット264とチューブ250とを近接させ
て配置することができるため、湾曲部2aひいては挿入
部2の細径化を図ることができる。
【0041】図5は図4に示した撮像ユニット264の
要部構成を示すものである。図示のごとく、撮像ユニッ
ト264は、撮像用の固体撮像素子であるCCD8と、
このCCD8が電気的に接続される基板306とを有し
ている。撮像ユニット264には操作部3側に延びて図
示しない撮像処理装置につながるケーブル300が接続
されている。このケーブル300に内装された複数本の
リード線のうち、第1のリード線外皮301によって被
覆された第1のリード線302が、CCD8の第1の端
子303に半田等で電気的に接続されている。
【0042】また、ケーブル300に内装され第2のリ
ード線外皮304によって被覆された第2のリード線3
05は、基板306に半田等で電気的に接続されてい
る。基板306にはCCD8からの信号を処理するIC
307が半田等で電気的に接続されている。また、CC
D8の第2の端子308が基板306に電気的に接続さ
れている。したがって、CCD8の第2の端子308か
ら流れる信号はIC307で処理されるとともに、その
処理信号は第2のリード線305を介して前記撮像処理
装置へと伝送される。なお、IC307を湿気から守る
封止剤309がIC307を完全に覆っている。
【0043】基板306とCCD8とリード線302
(第1のリード線外皮301も含む。)は、前述したよ
うに互いに電気的に接続された状態で、電磁気波の進入
及び漏れを防ぐシールド枠310に内装されている。そ
して、基板306とCCD8とリード線302(30
1)は、シールド枠310との間の空間に例えばエポキ
シ樹脂系の固い充填剤311が満たされることにより一
体に固定されている。また、基板306よりも操作部3
側に位置する撮像ユニット264の部位、すなわち、第
1のリード線外皮301の一部と第2のリード線外皮3
04と第2のリード線305は、例えばシリコン樹脂系
の軟らかい被覆剤312によって覆われている。そし
て、このように、基板306とCCD8とリード線30
2とが充填剤311によって一体に固定され、第1のリ
ード線外皮301と第2のリード線外皮304と第2の
リード線305とが被覆剤312によって覆われた状態
で、撮像ユニット264はその略全体が熱収縮チューブ
313によって被覆されている。この場合、ケーブル3
00の先端部も被覆剤312によって覆われた状態で熱
収縮チューブ313により被覆される。
【0044】この構成では、熱収縮チューブ313内の
一部に軟らかい充填剤312を使用しているため、内視
鏡先端側の硬質部を短くでき、患者に対する挿入部2の
挿入を安全に行なうことができる。
【0045】次に、操作部3に設けられた吸引ピストン
33の構造について図6を参照しつつ説明する。吸引ピ
ストン33は、ピストン本体207と、このピストン本
体207の端部に着脱自在に取り付けられるピストン頭
部201と、ピストン支持体200とから構成されてい
る。
【0046】ピストン本体207は、操作部3に設けら
れた吸引シリンダ32(図1参照)内に嵌挿される円筒
形状のピストン部207aと、ピストン部207aと一
体に形成されピストン部207aよりも小径な棒状部材
としての柄部207bとから構成されている。
【0047】ピストン部207aにはその下端面から側
面へと貫通する逆L字状のピストン管路孔208が形成
されている。すなわち、このピストン管路孔208は、
ピストン部207aの下端面に形成された開口部からピ
ストン部207aの軸方向に沿って延びるとともに、そ
の途中からピストン部207aの側面に向かって径方向
に延びて側方に開口しているものである。
【0048】柄部207bの外周にはリング状のピスト
ン支持体200が嵌合されている。ピストン支持体20
0は、操作部3に設けられた図示しない吸引口金に取り
付けられるピストン外装体205を有しており、ピスト
ン外装体205を前記吸引口金に取り付けた状態で、ピ
ストン本体207を操作部3に対して支持する。
【0049】すなわち、ピストン支持体200は、その
中央部にピストン本体207の柄部207bを嵌挿可能
な通孔204を有しており、この通孔204を通じて柄
部207bが上下に摺動できるようになっている。ま
た、柄部207bの上方向への摺動は、柄部207bと
ピストン部207aとの境界部に形成された段部213
がピストン支持体200の下面に突き当たることによっ
て規制されるようになっている。すなわち、ピストン本
体207を上方向から支持して吸引シリンダ32に対す
るピストン部207aの抜けを防止している。
【0050】ピストン支持体200にはその周面から上
方に立ち上がるようにして形成された筒状部200aが
設けられている。また、この筒状部200aの外周面に
は例えばシリコンゴム等の弾性部材からなる筒状のピス
トン外装体205が被嵌されている。ピストン外装体2
05はその下端部がピストン支持体200の下方すなわ
ち筒状部200aの下方に突き出ており、その突き出た
下端部には径方向内側に突出する環状の係合部205a
が形成されている。そして、この係合部205aを操作
部3に設けられた吸引口金に係合させることによって吸
引ピストン33を吸引口金に対して取り付けることがで
きるようになっている。
【0051】ピストン本体207の柄部207bの上端
部には環状の頭部支持部材211が螺着されている。す
なわち、柄部207bの上端部外周面に形成された雄ね
じ209に頭部支持部材211の内周面に形成された雌
ねじ210を螺合させることによって、頭部支持部材2
11がピストン本体207の上端部に取り付けられるよ
うになっている。
【0052】また、頭部支持部材211には例えばシリ
コンゴム等の弾性材によって形成された有底円筒状のピ
ストン頭部201が着脱自在に嵌合されている。このピ
ストン頭部201の筒部201aは、その内径が頭部支
持部材211に外嵌し得る寸法に形成され、また、外径
がピストン支持体200の筒状部200aの内径よりも
小さく形成されている。
【0053】また、筒部201aにはその内周面から径
方向内側に突出する少なくとも1つの係止部214が設
けられている。この係止部214は、筒部201aを弾
性的に広げた状態でピストン頭部201を頭部支持部材
211に嵌合させた際に、頭部支持部材211の下面に
係止して、頭部支持部材211に対するピストン頭部2
01の抜けを防止する。
【0054】また、頭部支持部材211とピストン支持
体200との間には、ピストン本体207の柄部207
bの外周に巻装された状態で、コイルばね212が設け
られている。したがって、ピストン頭部201を把持し
てピストン本体207を押し込むと、頭部支持部材21
1がコイルばね212の付勢力を受けるため、摺動する
ピストン本体207を所定の位置で容易に保持すること
ができ、吸引ピストン33の操作性が向上する。
【0055】なお、筒部201aは、コイルばね212
を外側から覆うように十分長く下方に向けて延在してい
る。また、筒部201aには、ピストン頭部201を頭
部支持部材211から取り外すための取り外し孔215
が設けられている。すなわち、この取り外し孔215に
図示しないマイナスドライバー等を差し込んで筒部21
0aを弾性変形させた状態でピストン頭部201を図6
の矢印で示す上側方向に引き抜けば、頭部支持部材21
1からピストン頭部201を容易に取り外すことができ
るようになっている。
【0056】このような構成の吸引ピストン33は、ま
ず、ピストン外装体205を操作部3の吸引口金に取り
付けると、ピストン本体207のピストン部207aが
操作部3側に設けられた吸引シリンダ32内に嵌挿され
得る状態となる。この状態で、コイルばね212の付勢
力に抗してピストン本体207を下方に押し込むと、ピ
ストン部207aが吸引シリンダ32内で摺動し、ピス
トン管路孔208を介して下流側吸引管路19と上流側
吸引管路21とが連通する状態と、上流側吸引管路21
と下流側吸引管路19との連通状態が遮断される状態と
に切り換えられる。なお、吸引動作を常時行なっている
図示しない吸引ポンプに負担をかけないように、この吸
引ピストン33では、上流側吸引管路21と下流側吸引
管路19との連通状態が遮断された状態で、外気をピス
トン管路孔208内に取り込んで下流側吸引管路19と
外気とを連通させている。そのため、ピストン支持体2
00には、ピストン管路孔208側(ピストン支持体2
00の下側)とピストンの内部216(ピストン支持体
200の上側)とを連通させるリーク穴217が設けら
れている。
【0057】このように、上記構成の吸引ピストン33
は、コイルばね212がピストン頭部201で覆われて
いるため汚れにくい。たとえコイルばね212が汚れた
としても、洗浄・消毒の際に、マイナスドライバー等を
取り外し孔215に差し込むだけで容易にピストン頭部
201を取り外すことができるため、コイルばね212
を容易に洗浄することができる。なお、この際に、ピス
トンの内部216に存在する気泡も除去できる。洗浄・
消毒に時間のかかるピストンの内部216をこのように
短時間に且つ簡単に洗浄・消毒できる意義は大きい。
【0058】なお、以上説明した吸引ピストン33の構
造を前述した送気送水ピストン31に適用しても良い。
図7は上記構成の吸引ピストン33の変形例を示してい
る。この吸引ピストン33aは、図6に示す吸引ピスト
ン33から係止部214と取り外し孔215とを除去
し、ピストン頭部201を頭部支持部材211に接着固
定したものである。この構成では、筒部201aを矢印
fのように弾性変形させて筒状部200a内から筒部2
01aを点線のごとく抜き出した状態にすることができ
る。したがって、洗浄・消毒の際、筒部201aを矢印
fのように弾性変形させてピストンの内部216を露出
させた状態にすることができるため、洗浄・消毒性が良
好となる。また、ピストン頭部201が頭部支持部材2
11に固着されているため、ピストン頭部201を誤っ
てなくしてしまうことがない。
【0059】図8は本発明の第2の実施例を示すもので
ある。本実施例の送液口体50bでは、鉗子チャンネル
口金34の外周面に、第1の実施例のごとき突起49で
はなく、環状突出部57の内面と接する右ねじ又は左ね
じから成るおねじ52が形成されている。それ以外の構
成は第1の実施例と同一である。
【0060】この構成では、鉗子チャンネル口金34
は、そのおねじ52の山の頂点を除く全ての外周面が洗
浄・消毒される。このように、本構成では、接続具55
の内面と鉗子チャンネル口金34の外面との接触がおね
じ52の先端であるため、第1の実施例に比べて接続具
55と鉗子チャンネル口金34との接触面積が小さく、
鉗子チャンネル口金34の外周面をより広範囲に洗浄・
消毒することができる。
【0061】すなわち、第1の実施例では、接続具55
の内面と鉗子チャンネル口金34の外面との接触が、突
起49の端面によって行なわれていた、すなわち面接触
であったのに対し、本実施例では、接続具55の内面と
鉗子チャンネル口金34の外面との接触がおねじ52の
先端によって行なわれている、すなわち、線接触である
ため、第1の実施例に比べて広範囲に鉗子チャンネル口
金34を洗浄・消毒できる。
【0062】なお、本構成では、おねじ52を、鉗子チ
ャンネル口金34の外面ではなく、環状突出部57の内
面に設けても良い。図9は本発明の第3の実施例を示す
ものである。本実施例の送液口体50cでは、第2の実
施例に加えて、更に、環状突出部57の内周面にめねじ
68が設けられているものである。この場合、鉗子チャ
ンネル口金34の外周面に形成されるおねじ52を右ね
じによって構成し、環状突出部57のめねじ68をおね
じ52の外径と同径の内径で且つおねじ52と同ピッチ
の右ねじによって構成する。
【0063】なお、おねじ52を左ねじとし、めねじ6
8をおねじ52と同ピッチの左ねじとしても良く、ま
た、おねじ52とめねじ68のピッチを変えても良い。
さらに、おねじ52を一条ねじとし、めねじ68を多条
ねじとしても良く、また、その逆であっても良い。おね
じ52を右ねじとし、めねじ68を左ねじとしても、ま
た、逆に、おねじ52を左ねじとし、めねじ68を右ね
じとしても無論構わない。
【0064】おねじ52とめねじ68が同ピッチの右ね
じ又は左ねじ同志であった場合には、第1の実施例の効
果と同じであるが、めねじ52とおねじ68のピッチを
変えたり、或いは、一方を右ねじとし、他方を左ねじと
したり、更には、一方を一条ねじとし、他方を多条ねじ
とした場合には、おねじ52と環状突出部57の内周面
との接触がねじ同志の交点となるため、おねじ52と環
状突出部57の内周面との接触が螺旋状の線だった第1
の実施例に比べて、接続具55と鉗子チャンネル口金3
4との接触面積が小さくなり、鉗子チャンネル口金34
の外周面をより広範囲に洗浄・消毒することができる。
【0065】図10は本発明の第4の実施例を示すもの
である。本実施例の送液口体50dの鉗子チャンネル口
金34の外周面には、第1の実施例の突起49の代わり
に、略円錘形状の突起69が設けられている。この突起
69は、図10の(b)に示すように、鉗子チャンネル
口金34の周方向に沿って互いに等間隔に4つ設けられ
ている。
【0066】このような構成の送液口体50dは、第1
の実施例と同様の作用効果を奏するとともに、環状突出
部57と鉗子チャンネル口金34との接触が、第1の実
施例のような突起49による面接触ではなく、突起69
による点接触となるため、第1の実施例よりも広範囲に
鉗子チャンネル口金34の外周面を洗浄(消毒)するこ
とができる。
【0067】なお、本構成では、突起69を、鉗子チャ
ンネル口金34の外面ではなく、環状突出部57の内面
に設けても良い。図11は本発明の第5の実施例を示す
ものである。なお、図11の(a)は本実施例の送液口
体50eの側断面図、(b)は(a)のCーC線に沿う
断面図、(c)は(a)のDーD線に沿う断面図であ
る。
【0068】本実施例の送液口体50eは、第1の実施
例のように鉗子チャンネル口金34の外周の突起49を
用いて接続具55と鉗子チャンネル口金34とを接続し
ていたのと異なり、鉗子チャンネル口金34のフランジ
部51に接続具55を着脱自在に固定したものである。
すなわち、フランジ部51の上面と接続具55の上部内
面71とが当接するとともに、接続具55の環状突出部
57の上面73とフランジ部51の下面とが当接するこ
とによって、鉗子チャンネル口金34のフランジ部51
に接続具55が着脱自在に嵌着されるものである。ま
た、この固定状態では、接続具55の筒状部56と口金
フランジ51との間に空間70が形成されるようになっ
ている。
【0069】また、接続具55の上部内面71には液チ
ューブ54の内孔と空間70とを連通する複数の外側溝
72…が形成されている。これらの溝72…は、図11
の(b)に示すように、放射状に略等間隔に設けられて
いる。さらに、図11の(c)に示すように、環状突出
部57の上面73にも空間70と接続具55の外部とを
連通せしめる複数の内側溝74…が放射状に設けられて
いる。
【0070】なお、本実施例では、環状突出部57の内
面と接触する図10に示すような錘体状の突起69がフ
ランジ部51の周側面に設けられてあっても良い。本実
施例において、接続具55を鉗子チャンネル口金39に
接続するには、筒状部56を弾性変形させて、環状突出
部突57が鉗子チャンネル口金34のフランジ部51を
乗り越えるように接続具55を強制的に押し込む。その
結果、フランジ部51の上面と接続具55の上部内面7
1とが当接し、接続具55の環状突出部57の上面73
とフランジ部51の下面とが当接して、接続具55が鉗
子チャンネル口金30に対して上下方向に固定されると
ともに、接続具55の筒状部56と口金フランジ51と
の間に空間70が形成される。なお、フランジ部51の
周側面に突起69が形成されてあった場合には、接続具
55は、鉗子チャンネル口金30に対して左右方向にも
固定される。
【0071】この接続状態で、送液チューブ54を通じ
て接続具55内に洗浄液(もしくは消毒液)を流し込む
と、この洗浄液の一部は接続具55の外側溝72…、空
間70、内側溝74…を通じて接続具55の外部に流れ
出る。しかし、この場合、外側溝72…と空間70と内
側溝74…とによって形成される流路の抵抗は鉗子チャ
ンネル口金34の内孔63によって形成される流路の抵
抗に比べて非常に大きいため、送液チューブ54を通じ
て送られる洗浄液の大部分は鉗子チャンネル口金34の
内孔63へ向かって流れる。
【0072】このように、本実施例では、フランジ部5
1が接続具55によって上下から挟み込まれ、これによ
って、接続具55と鉗子チャンネル口金34とが接続固
定されているため、送液中に鉗子チャンネル口金34に
対する接続具55の位置が変化せず、洗浄液の流速が変
化しない。したがって、鉗子チャンネル22に一定の流
速で洗浄液等を送液することができる。したがって、鉗
子チャンネル22を短時間で洗浄(消毒)することがで
きる。
【0073】なお、本実施例では外側溝72…や内側溝
74…の数を多くすれば、鉗子チャンネル口金34のフ
ランジ部51をより広範囲に洗浄(消毒)することがで
きる。また、フランジ部51の周側面に突起69が形成
されてあった場合には、接続具55が鉗子チャンネル口
金30に対して左右方向にも固定されて、接続具55と
鉗子チャンネル口金34との接続固定がより確実になさ
れるため、鉗子チャンネル22内を流れる洗浄液(消毒
液)の流量はより安定したものとなる。
【0074】図12は、本発明の第6の実施例を示すも
のである。なお、図12の(a)は本実施例の送液口体
50fの側断面図、(b)は(a)のEーE線に沿う断
面図、(c)は(a)のFーF線に沿う断面図である。
【0075】本実施例の送液口体50fは、前述した第
5の実施例の構成に加え、接続具55の上部内面71
に、鉗子チャンネル口金34の内孔63と同軸の環状溝
75を一環又は複数環設けたものである。
【0076】この構成では、環状溝75にも洗浄液や消
毒液が流れるから、第5の実施例よりも鉗子チャンネル
口金34のフランジ部51をより広範囲に洗浄(消毒)
することができる(薬液の触れない箇所を減らすことが
できる。) なお、前記環状溝75は、環状突出部57の上面73に
設けられてあっても良く、また、接続具55の上部内面
71及び環状突出部57の上面73の両方に設けられて
あっても良い。接続具55の上部内面71及び環状突出
部57の上面73の両方に設ければ、フランジ部51と
薬液との接触面積が大きくなるため、フランジ部51の
洗浄面積が広がる。
【0077】図13は、本発明の第7の実施例を示すも
のである。なお、図12の(a)は本実施例の送液口体
50gの側断面図、(b)は(a)のGーG線に沿う断
面図、(c)は(a)のHーH線に沿う断面図である。
【0078】本実施例の送液口体50gは、第5の実施
例の外側溝72の代わりに、送液チューブ54内と空間
70とを連通する渦溝76を接続具55の上部内面71
に少なくとも1つ有している。無論、この渦溝76は、
環状突出部57の上面73に設けられてあっても良く、
また、接続具55の上部内面71及び環状突出部57の
上面73の両方に設けられてあっても良い。この構成で
も、第5の実施例と同様の作用効果を得ることができ
る。
【0079】なお、第5ないし第7の実施例では、接続
具55の上部内面71及び環状突出部57の上面73に
溝72,74を形成することによって鉗子チャンネル口
金34の外側に流路を形成したが、接続具55の上部内
面71及び環状突出部57の上面73に溝72,74を
形成するのではなく、四角柱等の略角柱の突起を設ける
ことによって流路を形成しても良い。無論、この突起
は、円錐等の略角錘体の突起であっても良い。この場
合、突起の数を少なくするほどフランジ部51の外面と
薬液との接触面積が大きくなり、洗浄・消毒効果が向上
する。また、突起を略角錘体に形成した場合には、接続
具55と鉗子チャンネル口金34との接触が面から点と
なり、広範な洗浄・消毒を行なうことができる。
【0080】図14は、本発明の第8の実施例を示すも
のである。本実施例の送液口体50hは、接続具55が
ステンレスの金属によって形成されており、鉗子チャン
ネル口金34の先端にフランジ部51が形成されていな
い。
【0081】鉗子チャンネル口金34の端部外周にはお
ねじ77が形成され、接続具55の環状突出部57の内
面にはおねじ77と螺合するめねじ78が形成されてい
る。この場合、おねじ77の外径は接続具55の筒状部
56の内径と同一になっている。
【0082】また、図14の(b)に示すように、接続
具55の上部内面71には複数の外側溝72…が放射状
に略等間隔に設けられている。これらの外側溝72…
は、めねじ78とおねじ77とを螺合するとともにこれ
らのねじ77,78同志が互いに外れるまで接続具55
を鉗子チャンネル口金34に対してねじ込んだ際に、互
いに当接する鉗子チャンネル口金34の先端面と接続具
55の上部内面71との間に洗浄液の流通路となる所定
の空間を形成する。
【0083】上記構成の場合、鉗子チャンネル口金34
のおねじ77に接続具55のめねじ78を螺合させた後
にこれらのねじ77,78同志が互いに外れるまで接続
具55を回し込んだ状態では、接続具55を上方に真直
ぐに引張っても、めねじ78がおねじ部77に突き当た
るため、接続具55は外れない。このような状態で、送
液チューブ54を通じて洗浄液(消毒液)を流すと、こ
の洗浄液の一部は、外側溝72を通じて鉗子チャンネル
口金34を径方向外側へと流れ、おねじ77と筒状部5
6との間の隙間およびめねじ78と鉗子チャンネル口金
34との間の隙間を通って、接続具55の外部へと流出
する。無論、本実施例の場合も、ねじ77,78によっ
て形成される抵抗のため、送液チューブ54を通じて送
られる洗浄液の大部分が鉗子チャンネル口金34の内孔
63へ向かって流れる。
【0084】このように、本実施例の送液口体50hに
よれば、鉗子チャンネル口金34の外周面のうち、外側
溝72と対応する上面部位と、ねじ77,78の山の頂
点を除く全ての周側面部位とが洗浄・消毒されるととも
に、鉗子チャンネル口金34の内孔63を通じて鉗子チ
ャンネル22が十分に洗浄・消毒される。また、上記各
実施例と異なり、接続具55が金属によって形成されて
いるため、接続具55が鉗子チャンネル口金34から外
れにくい。
【0085】なお、本構成では、おねじ77とめねじ7
8のねじの頭をカットしても良い。この場合、ねじ山と
接触する部位がなくなるため、鉗子チャンネル口金34
の外面をより広範囲に洗浄・消毒できる。また、接続具
55の上部内面71に形成される溝72は図14に示す
ような形状に限らず、例えば図11ないし図13に示す
ような形状に形成しても良い。すなわち、渦溝76にし
たり、環状溝75を付加したり、あるいは突起を設けて
溝を形成するなど、洗浄液が通過可能な形状であれば何
でも良い。ただし、洗浄液の大部分が鉗子チャンネル口
金34の内孔63に流れるような流路抵抗を確保する必
要がある。
【0086】図15は、本発明の第9の実施例を示すも
のである。本実施例の送液口体50iは、第5の実施例
のように接続具55に溝72,74を設けずに、接続具
55を鉗子チャンネル口金34のフランジ部51に隙間
なく嵌着させて成るものである。ただし、送液チューブ
54からの洗浄液(消毒液)の流路を形成するために、
接続具55をスチレンブタジエンゴム、アクリルニトリ
ル・ブタジエンゴム、ネオプレン等の多孔性ゴムによっ
て形成したものである。
【0087】この構成では、送液チューブ54を通じて
洗浄液(消毒液)を流すと、接続具55の多数の孔81
に洗浄液が流れ込むため、鉗子チャンネル口金34と接
続具55との間に洗浄液が流れるだけでなく、接続具5
5の孔81が抵抗となって、鉗子チャンネル口金34の
内孔63の方に多量の洗浄液が流れる。第5の実施例に
比べて接続具55の構造が簡単になるので、接続具55
の製造が簡単となる。
【0088】図16は、本発明の第10の実施例を示す
ものである。本実施例の送液口体50jは、第2の実施
例と第5の実施例とを組み合わせたものである。すなわ
ち、接続具55の上部内面71に液チューブ54の内孔
と空間70とを連通する放射状の複数の外側溝72…が
形成され、環状突出部57の上面73に空間70と接続
具55の外部とを連通せしめる複数の内側溝74…が放
射状に設けられ、また、鉗子チャンネル口金34の外周
面に環状突出部57の内面と接する右ねじ又は左ねじか
ら成るおねじ52が形成されているものである。
【0089】この構成では、第2の実施例の効果に加
え、さらに、洗浄液・消毒液が一定流量で流れるといっ
た第5の実施例の効果も奏する。以上説明してきた各実
施例は、鉗子チャンネル22に通じる送液口体に限ら
ず、吸引管路19,21や送気送水管路5,6に通じる
開口部に装着される送液口体に適用しても良い。また、
第10の実施例のように各実施例を組み合わせることに
よって送液口体を構成しても良い。
【0090】なお、以上説明してきた態様により、以下
の項で示す各種の構成が得られる。 1.管路内に液体を送液するために管路開口部に装着さ
れる送液口体において、管路側に取り付けられる口金部
と、送液用チューブを有し且つ前記口金部の外周に着脱
自在に嵌着される接続具と、前記口金部の外周面と前記
接続具の内周面との間に液体流通用の通路を形成し、こ
の通路を通じて流れる前記送液用チューブからの液体を
前記接続具の外部に排出する手段と、前記液体流通用の
通路に流路抵抗を付与する手段とを具備することを特徴
とする送液口体。
【0091】2.前記接続具を前記口金部に固定するた
めの手段を前記接続具に設けたことを特徴とする第1項
に記載の送液口体。この第2項の構成によれば、口金部
に対する接続具の位置変化を確実に防止でき、口金部と
接続具との間の距離は常に一定となる。したがって、洗
浄・消毒時、一定量の洗浄液(消毒液)を管路内および
前記液体流通用の通路内に流すことができる。その結
果、管路内のみならず口金部の外周面(無論、接続部の
内周面も)を短時間で確実に洗浄消毒することができ
る。
【0092】3.前記液体流通用の通路への流路抵抗の
付与は、口金部の外面と接続具の内面とを接触させるこ
とによって行なわれることを特徴とする第1項に記載の
送液口体。
【0093】4.口金部の外面と接続具の内面との接触
は、口金部の外面と接続具の内面の少なくとも一方に凸
部を設けることによって行なわれることを特徴とする第
3項に記載の送液口体。
【0094】5.前記凸部の端面を頂点としたことを特
徴とする第4項に記載の送液口体。第5項の構成では、
口金部の外面と接続具の内面との接触を点接触とするこ
とにより、口金部の外面をより広範囲に洗浄消毒するこ
とができる。
【0095】
【発明の効果】上説明したように、本発明の送液口体に
よれば、一定の流量で管路内に洗浄液等を送液でき、し
かも、管路内および管路開口部に取り付けられる口金の
外周面の両者を短時間で確実に洗浄消毒することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の送液口体が装着される内視鏡の内部管
路の構成を示す概略図である。
【図2】(a)は本発明の第1の実施例に係る送液口体
の側断面図、(b)は(a)のK−K線及びL−L線に
沿う断面図である。
【図3】図1の内視鏡挿入部の鉗子用チャンネル先端部
の断面図である。
【図4】図1のA−A線に沿う縦断面図である。
【図5】図1の内視鏡挿入部に設けられた撮像ユニット
の断面図である。
【図6】図1の内視鏡操作部に設けられた吸引ピストン
の断面図である。
【図7】図6の吸引ピストンの変形例を示す断面図であ
る。
【図8】本発明の第2の実施例に係る送液口体の側断面
図である。
【図9】本発明の第3の実施例に係る送液口体の側断面
図である。
【図10】(a)は本発明の第4の実施例に係る送液口
体の側断面図、(b)は(a)のB−B線に沿う断面図
である。
【図11】(a)は本発明の第5の実施例に係る送液口
体の側断面図、(b)は(a)のC−C線に沿う断面
図、(c)は(a)のD−D線に沿う断面図である。
【図12】(a)は本発明の第6の実施例に係る送液口
体の側断面図、(b)は(a)のE−E線に沿う断面
図、(c)は(a)のF−F線に沿う断面図である。
【図13】(a)は本発明の第7の実施例に係る送液口
体の側断面図、(b)は(a)のG−G線に沿う断面
図、(c)は(a)のH−H線に沿う断面図である。
【図14】(a)は本発明の第8の実施例に係る送液口
体の側断面図、(b)は(a)のI−I線に沿う断面図
である。
【図15】本発明の第9の実施例に係る送液口体の側断
面図である。
【図16】本発明の第10の実施例に係る送液口体の側
断面図である。
【図17】従来の送液口体の一例を示す側断面図であ
る。
【符号の説明】
34…口金部、49,69…突起(流路抵抗付与手
段)、50,50b,50c,50d,50e,50
f,50g,50h,50i,50j…送液口体、5
2,77…おねじ(流路抵抗付与手段)、54…送液チ
ューブ、55…接続具、68,78…めねじ(流路抵抗
付与手段)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F16L 55/07 E

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 管路内に液体を送液するために管路開口
    部に装着される送液口体において、管路側に取り付けら
    れる口金部と、送液用チューブを有し且つ前記口金部の
    外周に着脱自在に嵌着される接続具と、前記口金部の外
    周面と前記接続具の内周面との間に液体流通用の通路を
    形成し、この通路を通じて流れる前記送液用チューブか
    らの液体を前記接続具の外部に排出する手段と、前記液
    体流通用の通路に流路抵抗を付与する手段とを具備する
    ことを特徴とする送液口体。
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