JPH082478Y2 - 消火ポンプユニット用呼水槽 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は消火ポンプユニット用呼水槽に関し、特に、
ポンプ本体に接続される逃し管および内部の水を外部に
流出可能なオーバーフロー管を備えた消火ポンプユニッ
ト用呼水槽に関する。

〔従来の技術〕

従来の消火ポンプユニット用呼水槽には、第３図に例
示するような一般的な構成のもの（以下第１従来例とい
う）と、第4,5図に例示するような満水警報付のもの
（以下第２従来例という）とがある。

上記第１従来例においては、一方の壁部にはポンプ
（図示略）からの逃し管（曲管状端部のみを示す）ａお
よびポンプへの送水口ｂが、他方の壁部には給水用ボー
ルタップｃおよびオーバーフロー管ｄがそれぞれ設けら
れている。そして、通常は給水用ボールタップｃにより
水位が所定レベルL₀に維持されており、運転時に逃し管
ａから流入する水により水位が放水レベルL₁を超えて上
昇したときは、この超過分がオーバーフロー管ｄから外
部に流出されるようになっている。

また、上記第２実施例においては、ボールタップｃの
故障などで給水が止まらないため水位が警報レベルL₂以
上に上昇したとき警報するものであるから、逃し管ａか
ら流入する水が槽内に流入しないように、付設された延
長管ｅを介してオーバーフロー管ｄに直接流入させるよ
うになっている。

〔考案が解決しようとする課題〕

上記第１従来例においては、運転時に逃し管ａから槽
内に流入する水により水位が放水レベルL₁以上に上昇し
たとき、ボールタップｃが大きな浮力により故障につな
がる悪影響を受ける恐れがある。

また、上記第２従来例においては、壁部に溶接される
ソケットｆを介して延長管ｅをネジ接続しなければなら
ないため製造には多くの手数を要し、コスト増が不可避
である。

さらに、これら両方式の呼水槽を同一形式に統一しよ
うとすれば、一般的なものにも満水警報付用のものを当
てざるを得なくなるためにコスト的に不利になってしま
う。

本考案は上述のような問題点を解決するためになされ
たもので、１種類でありながらそのままで一般的および
満水警報付の両方式に適用可能で、しかも構造が簡単で
低コストな消火ポンプユニット用呼水槽を提供すること
を目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、ポンプ本体に接続される逃し管および内部
の水を外部に流出可能なオーバーフロー管が連結された
消火ポンプユニット用呼水槽において、上記逃し管の流
出端およびオーバーフロー管の流入端を上記逃し管が貫
通する壁部の内側近傍で相互に対向位置させることを特
徴とするものである。

〔作用〕

本考案は上述のように構成されているので、上記一般
的な呼水槽に適用した場合には逃し管から流入する水が
直接オーバーフロー管に導かれるから水位が適正な設定
レベル以上に上昇することがなく、ボールタップに過大
な浮力が作用するのが防止される。

また、上記満水警報呼水槽に適用した場合にも前者に
おけると同様に逃し管から流入する水によって水位が影
響されることがないから満水警報が確実に行われ、かつ
上記第２従来例におけるような延長管の付設を要しない
から低コストで容易に製造可能である。

しかも、上述のように同等な構成のままで上記一般的
な呼水槽および満水警報付呼水槽のいずれにも適用可能
である。

〔実施例〕

以下、本考案について図示の一実施例を参照しながら
説明する。

第１図および第２図において、呼水槽の本体１は相対
向する壁部2,3および底部４を有して上方に開口する箱
状をなしており、必要に応じ上端開口部を閉鎖する適宜
蓋体（図示略）が設けられる。また、後述するように給
水口５および送水口６が設けられるとともに逃し管７お
よびオーバーフロー管８が連結されている。

上記給水口５は図示省略した給水管に接続され、水面
に浮上するボール９と連携してボールタップを構成し、
本体１内の水位が所定レベルL₀まで上昇したとき給水を
停止するようになっている。また、上記送水口６は図示
省略したポンプ本体と接続され、このポンプ本体に呼び
水を供給し得るようになっている。

上記逃し管７は一端が上記ポンプ本体に接続されると
ともに、他端側には本体１の一方の壁部２を貫通する曲
管部10を備え、その先端部には下向きに開口する流出端
11が設けられている。また、上記オーバーフロー管８は
一端に設けられた流入端12を有するとともに他端が本体
１の底部４を貫通している。そして、上記逃し管７の流
出端11とオーバーフロー管８の流入端12とは、逃し管７
が貫通する一方の壁部２の内側近傍で相互に対向位置し
ており、逃し管７から流出する全ての水を、オーバーフ
ロー管８を介して本体１の外部（たとえば貯水槽など）
に導くようになっている。

上記実施例においては、たとえば上記ポンプ本体の吸
込管側フート弁などの漏洩により本体１内の水位が所定
レベルL₀以下に低下しても、ボール９が下降することに
より給水口５を介して水が補給され、これにより水位が
上記所定レベルL₀まで上昇すれば給水が停止される。し
たがって、槽内水位は常時所定レベルL₀に維持されてお
り、ポンプ本体には所要量の呼び水が供給されている。

もし、上記ボールタップの故障などにより水位が異常
に上昇した場合には、水位が上記オーバーフロー管８の
流入端12に対応する放水レベルL₁を超える部分はこのオ
ーバーフロー管８を介して本体１の外部に流出される
が、要すれば上記ボール９と連携する適宜スイッチ手段
または、その他の適宜警報手段を予め併設しておくこと
により、水位が警報レベルL₂以上に上昇したとき所望の
警報を出させるようにすることも可能である。

また、上記ポンプ本体の運転時に逃し管７から水が流
出すると、その水は全てオーバーフロー管８を介して本
体１の外部に流出されるから、本体１内における水位に
影響を及ぼすようなことはない。

さらに、逃し管７の流出端11およびオーバーフロー管
８の流入端12を逃し管７が貫通する壁部２の内側近傍で
相互に対向位置させるようにしたので、上記第２実施例
におけるような延長管ｅやソケットｆなどを設ける必要
がなく、構造が簡単であるとともに低コストで製造する
ことができる。

すなわち、上述のように構成された呼水槽は、満水警
報手段の有無とは無関係にいずれの方式の呼水槽にもそ
のままで適用可能である。そして、逃し管７からの水に
よる水位の上昇がないから、満水警報手段を有しない一
般的構成の場合にもボールタップに対し故障の原因にな
るような過大な浮力が作用することがない。また、低コ
ストで満水警報付とすることが可能である。

なお、本考案は上記実施例のみに限定されるものでは
なく、その要旨とするところの範囲内で種々の変更ない
し応用が可能である。

〔考案の効果〕

本考案によれば、上述のように１種類でありながらそ
のままで一般的および満水警報付の両方式に適用可能
で、しかも構造が簡単で低コストな消火ポンプユニット
用呼水槽を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す切欠側面図、第２図は
同例の上面図、第３図は一般的な従来例を示す切欠側面
図、第４図は満水警報付の従来例を示す切欠側面図、第
５図は同例の上面図である。 １…本体、2,3…壁部、７…逃し管、８…オーバーフロ
ー管、11…流出端、12…流入端。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ポンプ本体に接続される逃し管および内部
   の水を外部に流出可能なオーバーフロー管が連結された
   消火ポンプユニット用呼水槽において、上記逃し管の流
   出端およびオーバーフロー管の流入端を上記逃し管が貫
   通する壁部の内側近傍で相互に対向位置させることを特
   徴とする消火ポンプユニット用呼水槽。