JPS627718Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は蛇口内に取付けて使用されるコマパツ
キンを利用した吸気弁に関するものである。

一般にこの種の吸気弁は、不凍水抜栓と一緒に
使用されるものであり、不凍水抜栓は、例えば各
家庭に対しての以込管に止水栓として取付けて使
用され、水道不使用の場合に止水栓を閉めると引
込管から蛇口に至るまでの水道管内の水が不凍水
抜栓から排出されて凍結による水道管の破裂を防
止するようになつているのである。

このような構造の吸気弁としては例えば実公昭
56−37018号公報のものが公知であるが、この吸
気弁はコマ内に凹部を設け、該凹部内にフロート
弁を収納し、フロート弁の浮力により常時は吸気
孔を閉塞する構造のものであるが、この種のフロ
ート弁は小型で軽量であるため、水の表面張力に
よつて吸着し易いものであり、上部或は下部への
吸着によつて動作しない場合もあり、構造が複雑
な割には信頼性がない欠点がある。

本考案はこのような実情に鑑みなされたもので
あつて、その目的は構造が簡単で且つ確実な動作
が望める蛇口用吸気弁を提供しようとするもので
ある。

以下本考案を図示の実施例により更に詳しく説
明すると、１は水道の蛇口であり、該蛇口の給水
側２と吐出側３との間に仕切壁４が設けられ、該
仕切壁に流出孔５が形成されると共に、該流出孔
の上部周縁に弁座６が設けられている。

この弁座に当接するコマ本体７は、上部芯棒８
とフランジ部９と下部芯棒１０とからなり、下部
芯棒１０に嵌着させたパツキン１１が弁座６に直
接当接して止水を行うものである。

このようなコマ式の弁体はおいて、フランジ部
９の周面に沿つて下方にわずかに垂下させた筒状
部９ａを一体に形成すると共にフランジ部９の上
面から下面に貫通する複数個の貫通孔１２が設け
られている。この貫通孔は上面から軸心に向うよ
う多少斜めに設けてあり、下部の開口部が下部芯
棒１０に近くなるようにしてある。この下部開口
部に臨んで空気室１３が形成されるように、パツ
キン１１の上面を少しえぐり取つてあり、このえ
ぐり取られた部分にリング状の突起１４を形成し
て水圧が掛つた時に貫通孔１３への水の流れ込み
を阻止するように形成してある。更に、パツキン
１１は芯棒１０への嵌着が遊嵌状態にあり、芯棒
の周面において前記空気室１３につながる通路１
５が形成され、この通路が空気吸入路になるので
ある。尚、パツキン１１が芯棒１０から抜け出さ
ないように座金１６とナツト１７とにより取付け
てある。

このように構成した本考案の吸気弁は、通常使
用時にあつて給水側２に所定の水圧があれば、第
２図に示したようにパツキン１１が水圧により押
圧されて空気室１３を押し潰し、貫通孔１２を塞
いでいるので、蛇口の栓を閉めた時には貫通孔を
介して吐出側３に漏水せず、通常の止水栓と同じ
ように作用し、給水側２に水圧がなくなつた時、
即ち不凍水抜栓等を閉めて引込管の内部の水を排
出し、給水側の水圧が減少した時には、パツキン
１１の弾性により第１図に示した位置に戻り、貫
通孔１２が空気室１３と連通し、通路１５を介し
て給水側２に空気が取り入れられ、引込管内の水
を速かに排出させて凍結を防止するのである。

以上説明したように本考案に係る蛇口吸気弁
は、コマ本体のフランジ部に貫通孔を設けるこ
と、パツキンの上部に空気室を形成するためのえ
ぐり取り部を設けたこと、下部芯棒の周面に通路
を設けたことにより給水側の水圧を敏感に察知し
て吸気弁の開閉を行うものであり、パツキン自体
の弾性がそのまま利用されているのだけの簡単な
構成でありながら確実な動作をし、信頼性に富む
と云う優れた効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る吸気弁を備えた蛇口の断
面図、第２図は同吸気弁の要部のみを示す断面図
である。 １……蛇口、２……給水側、３……吐出側、４
……仕切壁、５……流出孔、６……弁座、７……
コマ本体、８……上部芯棒、９……フランジ部、
１０……下部芯棒、１１……パツキン、１２……
貫通孔、１３……空気室、１４……突起、１５…
…通路、１６……座金、１７……ナツト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. コマ本体の下部芯棒にパツキンを挿着した弁構
   造において、コマのフランジ部に上下に貫通する
   複数個の小孔を設け、該小孔の下部が開口する部
   分に空気室が形成されるようにパツキンの上部を
   えぐり取り、該空気室につながる通路が芯棒の周
   面に形成されるようにパツキンを芯棒に対して遊
   嵌させたことを特徴とする蛇口用吸気弁。