JPH0824661B2 - 食器洗浄機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は食器洗浄機に関する。

〔従来技術〕

食器洗浄機においては、従来、例えば実公昭59−8666
号公報にみられるように、外装の内部に横断面矩形の洗
浄庫が配設され、同洗浄庫内に庫内寸法と略同一寸法で
前記洗浄庫に設けた開口から出し入れ可能な食器収納用
ラックと同ラック内に収納した食器を噴射水流により回
転して洗浄（この明細書において、洗浄とは所謂洗浄の
みならず、すすぎをも含んでいる）する回転式ノズルが
それぞれ略水平状態にて配設されている。

〔発明が解決しようとする課題〕

ところで、従来の食器洗浄機においては、回転式ノズ
ルとして回転径が前記ラック寸法より小さいものが採用
されている。このため、ラックの四隅に回転式ノズルか
ら噴射される水流が届き難い部分が多くでき、当該四隅
部分のラック内に収納されている食器には洗浄液が行き
届かなかったり、噴射力が弱くて、食器を奇麗に洗浄す
ることができないことがある。

本発明は、上記した問題に対処すべくなされたもので
あり、回転式ノズルから噴射される水流がラックの四隅
にまで十分に行き届くようにして、ラック内全体の食器
を十分に洗浄することができる食器洗浄機を提供するこ
とを目的としている。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、本発明による食器洗浄機
においては、前記回転式ノズルの配設位置に対応して前
記洗浄庫の側壁を部分的に外方へ円弧状に膨出させ、同
膨出部分を前記ラックの配設位置にまで連続的に設ける
とともに、同膨出部分を前記ラックの寸法より大きい回
転式ノズルが通過可能とした。

〔発明の作用効果〕

上記のように構成した本発明による食器洗浄機におい
ては、ラックの四隅に形成される洗浄液が行き届き難い
部分の面積を極力小さくすることができて、同ラックの
四隅にまで洗浄液を十分に噴射させることができる。し
たがって、ラクの四隅に収納されている食器の洗い残し
が無くなって、食器全体を奇麗に洗浄することができ
る。

また、本発明による食器洗浄機においては、上記した
膨出部分を洗浄液が上下方向に通過可能であり、同膨出
部分を回転式ノズルが通過するときには同ノズルから噴
射する洗浄液が直接または膨出部分によってはね返され
て間接的にラックに導かれてラックの外側からも食器を
洗浄するため、洗浄効果が向上するとともに、膨出部分
を回転式ノズルが通過した後には膨出部分を通して残菜
が壁面に沿って流下する洗浄液とともにタンクへと落ち
るため、残菜が途中で溜まることがなくて衛生的に洗浄
処理することができる。

また、本発明による食器洗浄機は、回転式ノズルの配
設位置に対応して洗浄庫の側壁を部分的に外方へ円弧状
に膨出させ、同膨出部分をラックの配設位置にまで連続
的に設けるものであり、洗浄庫を必要箇所のみ外方へ膨
出するものであるため、洗浄庫の外方への膨出容積を小
さく抑えることができて当該食器洗浄機をコンパクトに
構成することができる。

〔実施例〕

以下に、本発明の実施例を図面に基いて説明する。

第１図及び第２図は本発明による食器洗浄機を示して
いて、同食器洗浄機においては外装10の内部に洗浄庫20
と洗浄液循環ポンプ30が設けられている。洗浄庫20は、
第２図にて示したように横断面形状が略矩形に形成され
ていて、内部には庫内巾寸法（Ｗ）と略同一巾寸法の食
器収納用ラック40と、同ラック40内に収納した食器類41
を噴射水流で洗浄する上下一対の回転式ノズル31,32が
それぞれ略水平状態にて配設されている。また、洗浄庫
20の前面には、ラック40を食器類41とともに出し入れす
るための開口21が設けられている。なお、開口21は下端
にて洗浄庫20に枢着されて前方へ開放される扉11によっ
て開閉されるようになっていて、同扉11は外装10と洗浄
庫20間の空間に設けた引張ばね12によって開閉が容易と
されている。

各回転式ノズル31,32は、洗浄庫20に回転自在に組付
けられていて、ポンプ30から導管33及び分岐管34を通し
て供給される洗浄液の圧力により回転しながら洗浄液を
ラック40内の食器類41に向けて噴出するようになってい
る。洗浄液は、洗浄工程の始めに供給装置（図示せず）
を通して所定量供給されて洗浄庫20の底部に設けたタン
ク22（その中間部には食器類41から洗い落された残菜を
取り除くためのフィルタＦが設けられている）に溜めら
れるようになっており、また洗浄工程の終りにタンク22
から排出装置（図示省略）によって当該食器洗浄機の外
へ排出されるようになっている。なお、洗浄液は、当該
食器洗浄機の外で加熱温水機（図示せず）により加熱さ
れて供給される場合と、タンク22内でヒータ（図示せ
ず）により加熱される場合がある。

次に、上記した洗浄庫20の詳細な構成を第３図を参照
して説明する（実際には、扉11との防水を目的とする
溝，リブ或いは各種部品の固定穴等が形成されている
が、図示すると複雑となり要部の理解がしにくくなるた
め、簡略化して図示してある）。洗浄庫20は、樹脂製で
上方部材20Aと下方部材20Bの上下二分割の構成とされて
いて、インロー部分20Cにてシールパッキン（図示せ
ず）を介して液密的に結合されるようになっている。上
方部材20Aは、上壁，左右両側壁及び後壁によって構成
されていて、上壁の中央にはノズル取付穴23が設けら
れ、また上壁の前縁には第１図及び第２図にて示したよ
うにノズルカバー24（第３図にては図示省略）が設けら
れている（上壁に一体的に形成しても、別体で形成した
後にねじにより上壁に取付けるようにしてもよい）。ノ
ズルカバー24は、上方の回転式ノズル31の前方を覆う高
さＨ（回転式ノズル31の下端と同じ又は若干低い位置ま
で延在させた高さ）に形成されていて、その中間部分が
回転式ノズル31の回転軌跡（第２図の仮想線）に沿った
曲面（多角形であってもよい）形状に形成されて左右両
側壁にまで延び左右両側壁を継いでいる。また、上方部
材20Aにおける左右両側壁の中間部には円弧状の膨出部
物25,25が上端から下端にまで形成されている。各膨出
部分25,25は、ラック40の巾寸法（Ｗ）より所定量大き
い回転径（第２図の仮想線）の回転式ノズル31が通過
（旋回）し得るように洗浄庫20の巾寸法（Ｗ）より外方
へ膨出することにより形成されている。

一方、下方部材庫20Bは、前壁，下壁，左右両側壁及
び後壁によって構成されていて、下壁の中央にはノズル
取付穴26が設けられ、また下壁の前方部分にはタンク22
が設けられている。また、下方部材20Bにおける左右両
側壁の中間部には円弧状の膨出部分27,27が上端から下
端にまで形成されるとともに、膨出部分27,27を除いて
前後一対のラック受け28〜28（これに仮想線にて示した
小巾で長尺なレール29が同レール上に突出しない小ねじ
29aによって取付けられることもある）が略水平状態に
形成されている。各膨出部分27,27は、ラック40の巾寸
法（Ｗ）より所定量大きい回転径の回転式ノズル32が通
過（旋回）し得るように洗浄庫20の巾寸法（Ｗ）より外
方へ膨出することにより形成されている。なお、第３図
の実施例においては、下方部材20Bにおける左右両側壁
に段部を形成して同段部をラック受け28〜28としたが、
第４図に示した実施例のように下方部材20Bにおける左
右両側壁の一部を突出させることによりラック受け28〜
28を形成することも可能である。

上記のように構成した本実施例においては、各回転式
ノズル31,32が回転する部位における洗浄庫20の左右両
側壁を外方へ円弧状に膨出させるとともに、同膨出部分
25,25・27,27をラック40の巾寸法（Ｗ）より回転径が所
定量大きい回転式ノズル31,32が通過可能としたため、
ラック40の四隅に形成される洗浄液が行き届き難い部分
の面積を極力小さくすることができて、同ラック40の四
隅にまで洗浄液を十分に噴射させることができる。した
がって、ラック40の四隅に収納されている食器類41の洗
い残しが無くなって、食器類41全体を奇麗に洗浄するこ
とができる。

また、本実施例においては、ラック40を支承するラッ
ク受けとして、膨出部分27,27を除いた前後一対のラッ
ク受け28〜28を採用したため、膨出部分27,27を洗浄液
が上下方向に可能であり、膨出部分27,27を回転式ノズ
ル32が通過するときには同ノズル32から噴出する洗浄液
が直接または膨出部分27,27によってはね返されて間接
的にラック40に導かれてラック40の外側からも食器類41
を洗浄するため、洗浄効果が向上するとともに、膨出部
分27,27を回転式ノズル32が通過した後には膨出部分27,
27を通して残菜が壁面に沿って流下する洗浄液とともに
タンク22へと落ちてラック受け28〜28上に溜ることが少
なくなり、衛生的に洗浄処理することができる。なお、
前後一対のラック受け28〜28にレール29を取付けた場合
には、レール29上を滑らせてラック40を出し入れするこ
とができ、ラック40の出し入れを容易とすることができ
る。

更に、本実施例においては、ノズルカバー24を設けた
ため、食器類41と上方の回転式ノズル31との当接を防止
することができて両者を保護することができることは勿
論のこと、洗浄庫20内に入れられる食器類41の高さを制
限することができて、回転式ノズル31と食器類41の干渉
を防止することができ、回転式ノズル31の的確な回転を
保証して確実な洗浄力を確保することができる。また、
下方の回転式ノズル32から開口21の上方に向けて噴射さ
れて上方の回転式ノズル31に当接し同ノズルにより接線
方向に飛ばされる洗浄絵を回転側の側壁に向けて導くこ
とができて、扉11の内壁に沿って流下する流量を減ずる
ことができ、扉11部分からの洩れを防ぐことができる。

上記実施例においては、洗浄庫20の上下に回転式ノズ
ル31,32を備えた食器洗浄機に本発明を実施したが、本
発明は第５図〜第７図にて示した食器洗浄機、すなわち
洗浄庫20の下部にのみ回転式ノズル32を備えた食器洗浄
機にも同様に実施できるものである。なお、第５図〜第
７図にて示した食器洗浄機の各部の構成は第１図〜第３
図に示した食器洗浄機の各部の構成と実質的に同じであ
るため、同一構成に同一符号を付してその説明は省略す
る。

また、上記した各実施例においては、上下部材20Aと
下方部材20B（又は下方部材20Bのみ）における左右両側
壁の上端から下端まで全体的に膨出部分を形成したが、
回転式ノズル31,32の配設位置に対応して洗浄庫20の側
壁を部分的に外方へ円弧状に膨出させ、同膨出部分をラ
ック40の配設位置にまで連続的に設けることによって
も、上記各実施例の膨出部分と実質的に同じ作用効果が
得られるため、そのように構成して本発明を実施するこ
とも可能である。この場合には、洗浄庫20の外方への膨
出容積を必要最小限に抑えることができて当該食器洗浄
機をコンパクトに構成することができる。なお、洗浄庫
20の形状によっては後壁に膨出部分を形成して実施する
こともあり得る。

更に、上記した各実施例においては、洗浄庫20を上下
に二分割された樹脂成形品で構成したが、同洗浄庫はス
テンレス板を継ぎ合せて構成して実施することも可能で
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による食器洗浄機の一実施例を示す縦断
側面図、第２図は同横断平面図、第３図は第１図及び第
２図に示した洗浄庫の拡大分解斜視図、第４図は同変形
例を示す拡大分解斜視図、第５図は本発明による食器洗
浄機の他の実施例を示す縦断側面図、第６図は同横断平
面図、第７図は第５図及び第６図に示した洗浄庫の拡大
分解斜視図である。 符号の説明 10……外装、20……洗浄庫、21……開口、25,27……膨
出部分、31,32……回転式ノズル、40……食器収納用ラ
ック、41……食器類。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】外装の内部に横断面矩形の洗浄庫が配設さ
   れ、同洗浄庫内に庫内寸法と略同一寸法で前記洗浄庫に
   設けた開口から出し入れ可能な食器収納用ラックと同ラ
   ック内に収納した食器を噴射水流により回転して洗浄す
   る回転式ノズルがそれぞれ略水平状態にて配設されてな
   る食器洗浄機において、前記回転式ノズルの配設位置に
   対応して前記洗浄庫の側壁を部分的に外方へ円弧状に膨
   出させ、同膨出部分を前記ラックの配設位置にまで連続
   的に設けるとともに、同膨出部分を前記ラックの寸法よ
   り大きい回転式ノズルが通過可能としたことを特徴とす
   る食器洗浄機。