JPH08245923A - セルフクリ−ニング性に優れた表面処理鋼板 - Google Patents

セルフクリ−ニング性に優れた表面処理鋼板

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JPH08245923A
JPH08245923A JP7979995A JP7979995A JPH08245923A JP H08245923 A JPH08245923 A JP H08245923A JP 7979995 A JP7979995 A JP 7979995A JP 7979995 A JP7979995 A JP 7979995A JP H08245923 A JPH08245923 A JP H08245923A
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JP
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weight
isocyanate
sol
epoxy resin
film
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Withdrawn
Application number
JP7979995A
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English (en)
Inventor
Naotaka Minami
直孝 南
Masaji Hiraoka
正司 平岡
Keiji Izumi
圭二 和泉
Yukio Uchida
幸夫 内田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Nisshin Co Ltd
Original Assignee
Nisshin Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 加工するだけで部材を製造でき、かつ、皮
膜に触媒が微分散したセルフクリ−ニング性の優れた表
面処理鋼板を提供する。 【構成】 ポリスチレン換算で分子量が5000〜2
0000のモノメチルシラノ−ルゾルに、重量平均分子
量が1000〜3000のイソシアネ−トと重量平均分
子量が300〜800のエポキシ樹脂を、(イソシアネ
−ト重量+エポキシ樹脂重量)/(モノメチルシラノ−
ルゾルの不揮発分重量)=0.1〜0.5、かつ、(イソ
シアネ−ト基1当量当たりのイソシアネ−ト重量)/
(エポキシ基1当量当たりのエポキシ樹脂重量)=0.
5〜2.0の割合で添加するとともに、Mo、Wの有機
金属錯体もしくはヘテロポリ酸の1種以上をゾル不揮発
分に対して2〜30mass%添加して、鋼板の少なくとも
片面に乾燥塗膜厚で1〜30μmになるように塗布した
後、鋼板を到達板温で140〜300℃に加熱すること
により得られたものにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、調理機器(例えば、ト
−スタ−レンジやオ−ブンレンジ)、石油燃焼暖房機
器、生ゴミ焼却機器などのようにタ−ル状炭素が付着し
易い部位を有する機器の部材に好適な表面処理鋼板に関
する。
【0002】
【従来技術】ト−スタ−レンジやオ−ブンレンジ等の調
理機器では、加熱調理の際に発生した油脂や煙の炭素が
内箱の表面にタ−ル状になって強固に付着し、外観を著
しく損ねる。従来、このタ−ル状付着物は洗剤等で除去
していたが、繁雑であるとの理由で、近年では、付着油
脂を熱で水や二酸化炭素に分解する触媒粉末のMn、C
u、Fe、Co、Ni等の各金属酸化物もしくはそれら
の混合物などを分散添加した無機系皮膜を内箱表面に形
成して、内箱にセルフクリ−ニング性を付与することが
行われている。この無機系皮膜によるセルフクリ−ニン
グ処理は調理機器と同様の問題を有する石油燃焼暖房機
器の温風吹き出し口にも適用されている。
【0003】しかし、このセルフクリ−ニング処理の無
機系皮膜は、無機系塗料で網状酸化ケイ素皮膜やSi、
Ti、Al等の複合酸化物皮膜の中に触媒を分散したも
のであるため、無機系皮膜は加工性に乏しい。このた
め、皮膜は素材を内箱や温風吹き出し口などの部材に加
工した後、処理液をスプレ−法やハケ塗り法で塗布して
形成しなければならないため、処理作業に多大の労力と
時間を要するものであった。また、無機系皮膜は粒状触
媒が皮膜中に分散した状態で存在しているものであるた
め、添加触媒のうち、露出して触媒機能を発揮するもの
の割合は少なく、しかも、皮膜全面が触媒機能を有する
ものではなかった。
【0004】そこで、添加触媒の多くに触媒機能を発揮
させるために皮膜を多孔質にして、接触面積を広くした
り、添加触媒の濃度が皮膜内部から表面側に近づくに連
れて高くする傾斜濃度にして、露出触媒を多くしたりす
ることが試みられている。前者の多孔質化の例として
は、無機質耐熱塗料にシリコ−ンワニスなどの多孔質化
剤を分散させて、焼付硬化時にその多孔質化剤を消失さ
せ、皮膜を多孔質にする方法である(特開昭57−67
667号、特開昭57−67668号)。また、後者の
傾斜濃度化の例としては、ホ−ロ−、無機質塗料、シリ
コ−ン樹脂などの耐熱性皮膜に酸化触媒(例えば、白金
アルミナ、酸化マンガン、酸化ニッケル)またはこれと
重合阻止剤(例えば、水酸化アルミニウム、活性白土、
メタ珪酸リチウム)等の触媒を添加して、それらが皮膜
最下部から最上部に向かって増加させている(特開平1
−104348号)。しかし、これらの方法によれば、
皮膜のセルフクリ−ニング性は向上するが、触媒が粒状
に分散しているには変わりなく、触媒の露出しない部分
のセルフクリ−ニング性は依然として不十分である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、皮膜の形成
を部材に加工後に個々に行う必要がなく、かつ、皮膜に
触媒を微分散させることのできるセルフクリ−ニング性
に優れた表面処理鋼板を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、セルフクリ−
ニング性に優れた表面処理鋼板を、ポリスチレン換算で
分子量が5000〜20000のモノメチルシラノ−ル
ゾルに、重量平均分子量が1000〜3000のイソシ
アネ−トと重量平均分子量が300〜800のエポキシ
樹脂を、(イソシアネ−ト重量+エポキシ樹脂重量)/
(モノメチルシラノ−ルゾルの不揮発分重量)=0.1
〜0.5、かつ、(イソシアネ−ト基1当量当たりのイ
ソシアネ−ト重量)/(エポキシ基1当量当たりのエポ
キシ樹脂重量)=0.5〜2.0の割合で添加するととも
に、Mo、Wの有機金属錯体もしくはヘテロポリ酸の1
種以上をゾル不揮発分に対して2〜30mass%添加し
て、鋼板の少なくとも片面に乾燥塗膜厚で1〜30μm
になるように塗布した後、鋼板を到達板温で140〜3
00℃に加熱したものにした。
【0007】
【作用】本発明者らは、調理機器に付着した油脂を熱で
水や二酸化炭素に分解する触媒について種々検討した結
果、MoやWの有機金属錯体もしくはヘテロポリ酸が有
効であることを見いだした。そして、これらの触媒をモ
ノメチルシラノ−ルゾルに添加して、鋼板に塗布した
後、鋼板到達板温で140〜300℃に加熱すれば、モ
ノメチルシラノ−ルは加熱重合して、耐熱性のモノメチ
ルシリコ−ン樹脂複合皮膜になり、かつ、触媒は微細化
して、皮膜中に均一に分散し、その結果、皮膜表面にも
緻密に露出して、優れたセルフクリ−ニング性を発揮す
ることを見いだした。
【0008】Mo、Wの有機金属錯体もしくはヘテロポ
リ酸は、結晶質であるが、それらをモノメチルシラノ−
ルゾルに添加して、鋼板に塗布し、鋼板の到達板温14
0〜300℃に加熱すると、非晶質皮膜になる。図1は
無添加モノメチルシラノ−ルゾル、アセチルアセトネ−
トモリブデン20mass%添加モノメチルシラノ−ルゾ
ル、ケイタングステン酸20mass%添加モノメチルシラ
ノ−ルゾルの各々を鋼板に乾燥皮膜で7μmになるよう
に塗布して、到達板温で200℃に加熱して得られたモ
ノメチルシリコ−ン樹脂複合皮膜をX線回折したチャ−
トを示すものであるが、各チャ−トはいずれも同じ回折
パタ−ンを示し、アセチルアセトネ−トモリブデンやケ
イタングステン酸によるピ−クは認められない。なお、
触媒の添加量はいずれもモノメチルシラノ−ルゾルの不
揮発分に対してである。
【0009】また、図2は、ケイモリブデン酸を同様に
10mass%添加したモノメチルシラノ−ルゾルを鋼板に
乾燥皮膜で7μmになるように塗布して、到達板温で2
00℃に加熱して得られたモノメチルシリコ−ン樹脂複
合皮膜のモリブデン分布状態を示すX線写真であるが、
モリブデンは皮膜中に均一に微分散している。従って、
触媒の露出面積が広くなるとともに、皮膜全表面積に占
める触媒露出部分の面積は大きくなり、セルフクリ−ニ
ング性が向上する。
【0010】MoやWの有機金属錯体もしくはヘテロポ
リ酸を添加するモノメチルシラノ−ルゾルは、モノメチ
ルトリアルコキシシラン1モル当たり3モルの水を添加
して、加水分解することにより製造したものである。モ
ノメチルトリアルコキシシランCH3Si(OR)3は加
水分解すると、モノメチルトリシラノ−ルCH3Si
(OH)3になるが、水酸基の一部が直ちに脱水縮合し
て、ゾル化する。このゾルは鋼板に塗布して、到達板温
で140〜300℃に加熱することによりさらに脱水縮
合させると、基本骨格が−O−(CH3)Si(−O
−)−O−(CH3)Si(−O−)−で示される網状
構造のモノメチルシリコ−ン樹脂皮膜になる。
【0011】しかし、このようにして製造した鋼板のモ
ノメチルシリコ−ン樹脂皮膜は加工性が劣り、例えば、
180度折り曲げ試験で10t未満の折り曲げを施し、
その折り曲げ部分をセロテ−プで剥離すると皮膜が剥離
してしまうものであった。そこで、モノメチルシラノ−
ルゾルにイソシアネ−トとエポキシ樹脂を添加したとこ
ろ、皮膜は延性、強靭に富んだものになり、加工性が著
しく向上することが判明したのである。
【0012】本発明で使用するモノメチルシラノ−ルゾ
ルの分子量は、ポリスチレン換算で5000〜2000
0程度が望ましい。分子量が5000未満であると、皮
膜厚を1μm以上にするのが困難であり、20000を
超えると、ゾルが安定しない。また、モノメチルシラノ
−ルゾルに添加するイソシアネ−トとエポキシ樹脂は
(イソシアネ−ト重量+エポキシ樹脂重量)/(モノメ
チルシラノ−ルゾルの不揮発分重量)=0.1〜0.5、
好ましくは0.2〜0.4になるようにする。この割合が
0.1未満であると、加工密着性が向上せず、0.5を超
えると、無機成分に対する有機成分の量が多くなるた
め、延性はあるが強度のない脆弱な皮膜になり、加工密
着性が低下し、また、皮膜硬度、耐傷付き性等の皮膜物
性も低下する。
【0013】モノメチルシラノ−ルゾルにイソシアネ−
トとエポキシ樹脂を添加すると、モノメチルシラノ−ル
ゾルの水酸基とイソシアネ−ト基、エポキシ基が、さら
に、エポキシ樹脂中の水酸基とイソシアネ−ト基が反応
した柔軟さと強靭さを有する複合皮膜になる。本発明者
らはこの複合皮膜を形成するための適性割合について鋭
意検討した結果、(イソシアネ−ト基1当量当たりのイ
ソシアネ−ト重量)/(エポキシ基1当量当たりのエポ
キシ樹脂重量)=0.5〜2.0になるように添加すれ
ば、加工密着性が良好になることを見いだした。これら
の範囲であれば、加工密着性は良好で、これらの範囲か
ら外れると加工密着性が低下する。加工密着性を十分良
好にしたい場合には0.75〜1.33、より好ましくは
0.8〜1.25である。
【0014】イソシアネ−トの重量平均分子量は、10
00〜3000が望ましい。1000未満では加工密着
性の向上効果が小さく、3000を超えるとゾルが不安
定になり、また、皮膜の延性は向上するものの、強度が
低下して、皮膜が脆弱になり、加工密着性が低下する。
さらに、調理機器などに使用して、400℃以上に加熱
されると、皮膜密着性が低下してしまう。ゾルの安定性
と皮膜強度を考慮した場合、1500〜2500にする
のが好ましい。一方、エポキシ樹脂の重量平均分子量は
300〜800、好ましくは300〜500にするのが
望ましい。300未満であると、加工密着性の向上効果
が小さいため、コイル巻取り時や切板のパイリング時に
皮膜面がブロッキングを起こし易く、800を超える
と、皮膜が緻密になり過ぎるため、加工密着性が低下す
るとともに、調理機器で400℃以上に加熱されると、
皮膜密着性が低下してしまう。
【0015】イソシアネ−トとしては、ヘキサメチレン
ジイソシアネ−ト(HDI)、ジフェニルメタンジイソ
シアネ−ト(MDI)、トリレンジイソシアネ−ト(T
DI)、イソホロンジイソシアネ−ト(IPDI)のよ
うなジイソシアネ−トもしくはポリイソシアネ−ト、あ
るいはこれらのイソシアネ−トをブロック化したブロッ
クイソシアネ−トなどが挙げられる。また、エポキシ樹
脂としてはビスフェノ−ル型、ノボラックフェノ−ル型
等が挙げられる。
【0016】モノメチルシラノ−ルゾルに添加するMo
やWの有機金属錯体としては、ナフテン酸塩、オクチル
酸塩、アセチルアセトネ−ト錯塩が挙げられ、ヘテロポ
リ酸としてはケイモリブデン酸、ケイタングステン酸が
挙げられるが、これらのゾルへの添加はゾル不揮発分に
対して2〜30mass%にする。添加量が2mass%未満で
あると、セルフクリ−ニング性向上効果が少なく、30
mass%を超えると、皮膜が脆くなる。皮膜のセルフクリ
−ニング性と加工密着性の両方を満足させる好ましい範
囲は5〜20mass%である。
【0017】鋼板へのゾルの塗布は、例えば、スプレ−
法、ロ−ルコ−ト法、バ−コ−ト法などの公知方法でよ
いが、その塗布は乾燥皮膜厚で1〜30μmになるよう
にする。1μm未満では鋼板に均一に塗布することが困
難で、鋼板の凹凸を被覆できず、30μmを超えると、
酸化ケイ素皮膜にする際の加熱や冷却により鋼板と皮膜
の熱膨張率の違いによるクラックが生じ、皮膜が剥離す
る。この塗布量は乾燥皮膜厚で5〜20μmにするのが
好ましい。なお、ゾルの塗布はセルフクリ−ニング性の
必要な鋼板の片面だけでもよいが、必要なら両面に施し
てもよい。
【0018】鋼板への塗布後は、140〜300℃に加
熱して、鋼板を加工しても、モノメチルシリコ−ン樹脂
皮膜が剥離したり、損傷したりしないようにする。この
加熱は140℃未満であると、皮膜中に溶剤が残り、架
橋が不十分となるため、コイル巻取時あるいは切板のパ
イリング時に皮膜面がブロッキングを起こし、300℃
を超えると、皮膜が緻密になり過ぎるため、加工密着性
の低下を起こす。ブロッキングと加工密着性を考慮した
場合、170〜250℃にするのが好ましい。この温度
にするには、炉温200〜300℃で45〜75秒間鋼
板を加熱すればよい。
【0019】皮膜には、意匠性、発熱、皮膜の強度等を
向上させるために、顔料、高周波損失剤、骨材等の添加
物を含有させることも可能である。顔料としては、例え
ば、Mn、Fe、Cr、Ni、Co、Ti、Si、Al
等の酸化物または複合酸化物あるいはAl粉のような金
属粉末が挙げられる。また、高周波損失剤としてはZn
−Niフェライトが、骨材としてはチタン酸カリウム繊
維などが挙げられる。これらの添加物は単独もしくは複
合添加してもよいが、その添加は触媒、イソシアネ−
ト、エポキシ樹脂等の添加時に行い、添加量は5〜20
mass%にするのが好ましい。5mass%未満であると、添
加効果が小さく、20mass%を超えると、皮膜が脆くな
る。また、大きさは平均粒径で0.1〜20μmにする
のが好ましい。0.1μm未満では、微粒子にするのに
高価となり、20μmを超えると、皮膜中に分散しにく
くなる。
【0020】基材鋼板は、とくに限定はないが、耐熱性
を備えたもの、例えば、アルミニウムめっき鋼板、ステ
ンレス鋼板などが望ましい。
【0021】
【実施例】
実施例1 モノメチルトリアルコキシシランを1モル当たり3モル
の水で加水分解して、モノメチルシラノ−ルゾル(分子
量;ポリスチレン換算で約10000)にした後、イソ
シアネ−ト(ヘキサメチレンジイソシアネ−ト、重量平
均分子量:390〜4340)とエポキシ樹脂(ビスフ
ェノ−ルA型、重量平均分子量:310〜2440)を
(イソシアネ−ト重量+エポキシ樹脂重量)/(モノメ
チルシラノ−ルゾルの不揮発分重量)=0.3、(イソ
シアネ−ト基1当量当たりのイソシアネ−ト重量)/
(エポキシ基1当量当たりのエポキシ樹脂重量)=1.
0の割合で添加するとともに、ケイモリブデン酸をゾル
不揮発分に対して5mass%添加した。次に、このゾルを
SUS304ステンレス鋼板(板厚0.4mm、2B仕
上げ)にバ−コ−ト法で乾燥塗膜厚が5μmになるよう
に塗布して、到達板温で170℃に加熱した。そして、
得られた鋼板に次の試験を実施した。表1に試験結果を
示す。
【0022】(1)加工密着性試験 試験片(寸法100×70mm)にカッタ−で素地鋼板
にまで達するゴバン目の切り込みを入れて、セロハンテ
−プを貼付け後剥離するテ−ピング剥離を実施し、皮膜
剥離が全く認められないものを記号◎、皮膜剥離が極僅
かでも認められたものを記号○、かなり皮膜剥離が認め
られたものを記号△、皮膜剥離が顕著に認められたもの
を記号×の基準で評価した。
【0023】(2)セルフクリ−ニング性試験 試験片(寸法100×70mm)の表面にオリ−ブ油を
部分的に12〜20箇所塗布し、400℃のオ−ブン中
で60分間加熱し、取り出し後オリ−ブ油が完全に消失
したものを記号◎、極僅かに消失したものを記号○、か
なり残存したものを記号×で評価した。
【0024】
【表1】
【0025】実施例2 実施例1において、イソシアネ−ト、エポキシ樹脂とし
て、重量平均分子量が表1のNo.2のものを用いて、
両者のゾル不揮発分に対する添加量と両者の添加割合を
種々変更し、また、ゾルへのケイモリブデン酸添加量を
10mass%に増量した。そして、試験として、次の試験
を追加した。表2に試験結果を示す。
【0026】(3)耐傷付き性試験 試験片(寸法100×70mm)を600℃のオ−ブン
中で100時間加熱して、取り出し後、コインスクラッ
チ試験を実施し、傷が鋼板にまで達しないものを記号
◎、鋼板が僅かに露出したものを記号○、鋼板が露出し
たものを記号×で評価した。
【0027】
【表2】 (注)添加量および添加割合のAは(イソシアネ−ト重
量+エポキシ樹脂重量)/(モノメチルシラノ−ルゾル
の不揮発分重量)の割合で、Bは(イソシアネ−ト基1
当量当たりのイソシアネ−ト重量)/(エポキシ基1当
量当たりのエポキシ樹脂重量)の割合である。
【0028】実施例3 実施例2の表2、No.14の組成のゾルをSUS30
4ステンレス鋼板(板厚0.4mm、2B仕上げ)にバ
−コ−ト法で種々の乾燥塗膜厚になるように塗布して、
到達板温で170℃に加熱し、皮膜を硬化させた。そし
て、試験として、次の加熱密着性試験を実施した。表3
に試験結果を示す。
【0029】(4)加熱密着性試験 上記耐傷付き性試験で600℃に加熱後の試験片にセロ
ハンテ−プを貼付け後剥離するテ−ピング剥離を実施し
て、皮膜剥離が全く認められないものを記号◎、皮膜剥
離が極僅かに認められたものを記号○、皮膜剥離がかな
り認められたものを記号△、皮膜剥離が顕著に認められ
たものを記号×の基準で評価した。
【0030】
【表3】
【0031】実施例4 実施例2の表2、No.14の組成のゾルにおいて、ケ
イモリブデン酸の代わりにアセチルアセトネ−トモリブ
デンを同量添加して、SUS304ステンレス鋼板(板
厚0.4mm、2B仕上げ)にバ−コ−ト法により乾燥
塗膜厚で5μmになるように塗布し、種々の温度で加熱
硬化させた。そして、実施例1の加工密着性試験、セル
フクリ−ニング性試験を行うとともに、次の耐ブロッキ
ング性試験を実施した。表4に試験結果を示す。
【0032】(5)耐ブロッキング性試験 試験片(寸法100×70mm)の皮膜面を合わせて、
30kg/cm2の面圧をかけ、50℃の恒温室中に2
4時間放置した後、ブロッキングが全く認められないも
のを記号◎、ブロッキングが極僅かに認められたものを
記号○、ブロッキングがかなり認められたものを記号×
で評価した。
【0033】
【表4】
【0034】実施例5 モノメチルトリアルコキシシラン1モル当たり3モルの
水を添加して、モノメチルシラノ−ルゾル(分子量:ポ
リスチレン換算約10000)にした後、イソシアネ−
ト(ヘキサメチレンジイソシアネ−ト、重量平均分子
量:1860)、エポキシ樹脂(ビスフェノ−ルA型、
重量平均分子量:380)を添加し、その後、Mo、W
の有機金属錯体、ヘテロポリ酸の1種または2種を添加
した。次に、このゾルをSUS304ステンレス鋼板
(板厚0.4mm、2B仕上げ)にバ−コ−ト法で乾燥
塗膜厚が7μm一定になるように塗布して、到達板温で
170℃に加熱し、皮膜を硬化させた。表5にゾル組成
と乾燥皮膜厚を示す。また。表6に実施例1の加工密着
性試験、セルフクリ−ニング性試験と実施例3の加熱密
着性試験を実施した結果を示す。
【0035】
【表5】 (注)イソシアネ−ト、エポキシ樹脂の添加でAは(イ
ソシアネ−ト重量+エポキシ樹脂重量)/(モノメチル
シラノ−ルゾルの不揮発分重量)の割合で、Bは(イソ
シアネ−ト基1当量当たりのイソシアネ−ト重量)/
(エポキシ基1当量当たりのエポキシ樹脂重量)の割合
である。
【0036】
【表6】 (注)比較例42の加熱密着性、セルフクリ−ニング性
は皮膜剥離のため、試験不能であった。
【0037】
【発明の効果】以上のように、本発明の表面処理鋼板
は、皮膜の加工性が良いので、部材に加工後1個ずつ形
成する必要はなく、生産性が高い。また、触媒が皮膜中
に均一に微分散しているので、ほぼ皮膜全面が触媒機能
を有し、セルフクリ−ニング性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、無添加モノメチルシラノ−ルゾル溶液、ア
セチルアセトネ−トモリブデン20mass%添加モノメチ
ルシラノ−ルゾル溶液、ケイタングステン酸20mass%
添加モノメチルシラノ−ルゾル溶液を各々鋼板に塗布し
た後加熱して得られたモノメチルシリコ−ン樹脂複合皮
膜のX線回折チャ−トを示すものである。
【図2】は、ケイモリブデン酸10mass%添加モノメチ
ルシラノ−ルゾル溶液を鋼板に塗布した後加熱して得ら
れたモノメチルシリコ−ン樹脂複合皮膜のモリブデン分
布状態を示すX線写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 163/00 PJX C09D 163/00 PJX PKP PKP 175/00 PHP 175/00 PHP (72)発明者 内田 幸夫 大阪府堺市石津西町5番地 日新製鋼株式 会社鉄鋼研究所表面処理研究部内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリスチレン換算で分子量が5000
    〜20000のモノメチルシラノ−ルゾルに、重量平均
    分子量が1000〜3000のイソシアネ−トと重量平
    均分子量が300〜800のエポキシ樹脂を、(イソシ
    アネ−ト重量+エポキシ樹脂重量)/(モノメチルシラ
    ノ−ルゾルの不揮発分重量)=0.1〜0.5、かつ、
    (イソシアネ−ト基1当量当たりのイソシアネ−ト重
    量)/(エポキシ基1当量当たりのエポキシ樹脂重量)
    =0.5〜2.0の割合で添加するとともに、Mo、Wの
    有機金属錯体もしくはヘテロポリ酸の1種以上をゾル不
    揮発分に対して2〜30mass%添加して、鋼板の少なく
    とも片面に乾燥塗膜厚で1〜30μmになるように塗布
    した後、鋼板を到達板温で140〜300℃に加熱した
    ことを特徴とするセルフクリ−ニング性に優れた表面処
    理鋼板。
JP7979995A 1995-03-10 1995-03-10 セルフクリ−ニング性に優れた表面処理鋼板 Withdrawn JPH08245923A (ja)

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