JPH08113731A - セルフクリ−ニング性に優れた表面処理鋼板 - Google Patents
セルフクリ−ニング性に優れた表面処理鋼板Info
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- JPH08113731A JPH08113731A JP27457994A JP27457994A JPH08113731A JP H08113731 A JPH08113731 A JP H08113731A JP 27457994 A JP27457994 A JP 27457994A JP 27457994 A JP27457994 A JP 27457994A JP H08113731 A JPH08113731 A JP H08113731A
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-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C23—COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
- C23C—COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
- C23C2222/00—Aspects relating to chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive medium
- C23C2222/20—Use of solutions containing silanes
Landscapes
- Laminated Bodies (AREA)
- Paints Or Removers (AREA)
- Chemical Treatment Of Metals (AREA)
- Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 皮膜全面が触媒機能を有するセルフクリ−ニ
ング性に優れた表面処理鋼板を提供する。 【構成】 Mo、Wの有機金属化合物もしくはヘテロポ
リ酸の1種以上を2〜30mass%含有したモノメチルシ
ラノ−ルゾルを鋼板に塗布し、鋼板の到達板温140〜
300℃に加熱することにより得られるモノメチルシリ
コ−ン樹脂複合皮膜を鋼板の少なくとも片面に1〜30
μm形成した。
ング性に優れた表面処理鋼板を提供する。 【構成】 Mo、Wの有機金属化合物もしくはヘテロポ
リ酸の1種以上を2〜30mass%含有したモノメチルシ
ラノ−ルゾルを鋼板に塗布し、鋼板の到達板温140〜
300℃に加熱することにより得られるモノメチルシリ
コ−ン樹脂複合皮膜を鋼板の少なくとも片面に1〜30
μm形成した。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、調理機器(例えば、ト
−スタ−レンジやオ−ブンレンジ)、石油燃焼暖房機
器、生ゴミ焼却機器などのようにタ−ル状炭素が付着し
易い部位を有する機器の部材に好適な表面処理鋼板に関
する。
−スタ−レンジやオ−ブンレンジ)、石油燃焼暖房機
器、生ゴミ焼却機器などのようにタ−ル状炭素が付着し
易い部位を有する機器の部材に好適な表面処理鋼板に関
する。
【0002】
【従来技術】ト−スタ−レンジやオ−ブンレンジ等の調
理機器では、加熱調理の際に発生した油脂や煙の炭素が
内箱の表面にタ−ル状になって強固に付着し、外観を著
しく損ねる。従来、このタ−ル状付着物は洗剤等で除去
していたが、繁雑であるとの理由で、近年では、付着油
脂を熱で水や二酸化炭素に分解する触媒粉末のMn、C
u、Fe、Co、Ni等の各金属酸化物もしくはそれら
の混合物などを分散添加した無機系皮膜を内箱表面に形
成して、内箱にセルフクリ−ニング性を付与することが
行われている。この無機系皮膜によるセルフクリ−ニン
グ処理は調理機器と同様の問題を有する石油燃焼暖房機
器の温風吹き出し口にも適用されている。
理機器では、加熱調理の際に発生した油脂や煙の炭素が
内箱の表面にタ−ル状になって強固に付着し、外観を著
しく損ねる。従来、このタ−ル状付着物は洗剤等で除去
していたが、繁雑であるとの理由で、近年では、付着油
脂を熱で水や二酸化炭素に分解する触媒粉末のMn、C
u、Fe、Co、Ni等の各金属酸化物もしくはそれら
の混合物などを分散添加した無機系皮膜を内箱表面に形
成して、内箱にセルフクリ−ニング性を付与することが
行われている。この無機系皮膜によるセルフクリ−ニン
グ処理は調理機器と同様の問題を有する石油燃焼暖房機
器の温風吹き出し口にも適用されている。
【0003】しかし、このセルフクリ−ニング処理の無
機系皮膜は、加工性に乏しいため、素材を内箱や温風吹
き出し口などの部材に加工した後、処理液をスプレ−法
やハケ塗り法で塗布して形成しなければならないため、
処理作業に多大の労力と時間を要するものであった。ま
た、無機系皮膜は粒状触媒が皮膜中に分散した状態で存
在しているものであるため、添加触媒のうち、露出して
触媒機能を発揮するものの割合は少なく、しかも、皮膜
全面が触媒機能を有するものではなかった。
機系皮膜は、加工性に乏しいため、素材を内箱や温風吹
き出し口などの部材に加工した後、処理液をスプレ−法
やハケ塗り法で塗布して形成しなければならないため、
処理作業に多大の労力と時間を要するものであった。ま
た、無機系皮膜は粒状触媒が皮膜中に分散した状態で存
在しているものであるため、添加触媒のうち、露出して
触媒機能を発揮するものの割合は少なく、しかも、皮膜
全面が触媒機能を有するものではなかった。
【0004】そこで、添加触媒の多くに触媒機能を発揮
させるために皮膜を多孔質にして、接触面積を広くした
り、添加触媒の濃度が皮膜内部から表面側に近づくに連
れて高くする傾斜濃度にして、露出触媒を多くしたりす
ることが試みられている。前者の多孔質化の例として
は、無機質耐熱塗料にシリコ−ンワニスなどの多孔質化
剤を分散させて、焼付硬化時にその多孔質化剤を消失さ
せ、皮膜を多孔質にする方法である(特開昭57−67
667号、特開昭57−67668号)。また、後者の
傾斜濃度化の例としては、ホ−ロ−、無機質塗料、シリ
コ−ン樹脂などの耐熱性皮膜に酸化触媒(例えば、白金
アルミナ、酸化マンガン、酸化ニッケル)またはこれと
重合阻止剤(例えば、水酸化アルミニウム、活性白土、
メタ珪酸リチウム)等の触媒を添加して、それらが皮膜
最下部から最上部に向かって増加させている(特開平1
−104348号)。しかし、これらの方法によれば、
皮膜のセルフクリ−ニング性は向上するが、触媒が粒状
に分散しているには変わりなく、触媒の露出しない部分
のセルフクリ−ニング性は依然として不十分である。
させるために皮膜を多孔質にして、接触面積を広くした
り、添加触媒の濃度が皮膜内部から表面側に近づくに連
れて高くする傾斜濃度にして、露出触媒を多くしたりす
ることが試みられている。前者の多孔質化の例として
は、無機質耐熱塗料にシリコ−ンワニスなどの多孔質化
剤を分散させて、焼付硬化時にその多孔質化剤を消失さ
せ、皮膜を多孔質にする方法である(特開昭57−67
667号、特開昭57−67668号)。また、後者の
傾斜濃度化の例としては、ホ−ロ−、無機質塗料、シリ
コ−ン樹脂などの耐熱性皮膜に酸化触媒(例えば、白金
アルミナ、酸化マンガン、酸化ニッケル)またはこれと
重合阻止剤(例えば、水酸化アルミニウム、活性白土、
メタ珪酸リチウム)等の触媒を添加して、それらが皮膜
最下部から最上部に向かって増加させている(特開平1
−104348号)。しかし、これらの方法によれば、
皮膜のセルフクリ−ニング性は向上するが、触媒が粒状
に分散しているには変わりなく、触媒の露出しない部分
のセルフクリ−ニング性は依然として不十分である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、皮膜に触媒
が微分散したセルフクリ−ニング性の優れた表面処理鋼
板を提供するものである。
が微分散したセルフクリ−ニング性の優れた表面処理鋼
板を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、Mo、Wの有
機金属化合物もしくはヘテロポリ酸の1種以上を2〜3
0mass%含有したモノメチルシラノ−ルゾルを鋼板に塗
布し、鋼板の到達板温140〜300℃に加熱すること
により得られるモノメチルシリコ−ン樹脂複合皮膜を鋼
板の少なくとも片面に1〜30μm形成した。
機金属化合物もしくはヘテロポリ酸の1種以上を2〜3
0mass%含有したモノメチルシラノ−ルゾルを鋼板に塗
布し、鋼板の到達板温140〜300℃に加熱すること
により得られるモノメチルシリコ−ン樹脂複合皮膜を鋼
板の少なくとも片面に1〜30μm形成した。
【0007】
【作用】Mo、Wの有機金属化合物もしくはヘテロポリ
酸は、結晶質であるが、それらをモノメチルシラノ−ル
ゾルに添加して、鋼板に塗布し、鋼板の到達板温140
〜300℃に加熱すると、非晶質皮膜になる。図1は無
添加モノメチルシラノ−ルゾル、アセチルアセトネ−ト
モリブデン20mass%添加モノメチルシラノ−ルゾル、
ケイタングステン酸20mass%添加モノメチルシラノ−
ルゾルの各々を鋼板に乾燥皮膜で7μmになるように塗
布して、到達板温で200℃に加熱して得られたモノメ
チルシリコ−ン樹脂複合皮膜をX線回折したチャ−トを
示すものであるが、各チャ−トはいずれも同じ回折パタ
−ンを示し、アセチルアセトネ−トモリブデンやケイタ
ングステン酸によるピ−クは認められない。
酸は、結晶質であるが、それらをモノメチルシラノ−ル
ゾルに添加して、鋼板に塗布し、鋼板の到達板温140
〜300℃に加熱すると、非晶質皮膜になる。図1は無
添加モノメチルシラノ−ルゾル、アセチルアセトネ−ト
モリブデン20mass%添加モノメチルシラノ−ルゾル、
ケイタングステン酸20mass%添加モノメチルシラノ−
ルゾルの各々を鋼板に乾燥皮膜で7μmになるように塗
布して、到達板温で200℃に加熱して得られたモノメ
チルシリコ−ン樹脂複合皮膜をX線回折したチャ−トを
示すものであるが、各チャ−トはいずれも同じ回折パタ
−ンを示し、アセチルアセトネ−トモリブデンやケイタ
ングステン酸によるピ−クは認められない。
【0008】また、図2は、ケイモリブデン酸10mass
%添加モノメチルシラノ−ルゾルを鋼板に乾燥皮膜で7
μmになるように塗布して、到達板温で200℃に加熱
して得られたモノメチルシリコ−ン樹脂複合皮膜のモリ
ブデン分布状態を示すX線写真であるが、モリブデンは
皮膜中に均一に微分散している。従って、触媒の露出面
積が広くなるとともに、皮膜全表面積に占める触媒露出
部分の面積は大きくなり、セルフクリ−ニング性が向上
する。
%添加モノメチルシラノ−ルゾルを鋼板に乾燥皮膜で7
μmになるように塗布して、到達板温で200℃に加熱
して得られたモノメチルシリコ−ン樹脂複合皮膜のモリ
ブデン分布状態を示すX線写真であるが、モリブデンは
皮膜中に均一に微分散している。従って、触媒の露出面
積が広くなるとともに、皮膜全表面積に占める触媒露出
部分の面積は大きくなり、セルフクリ−ニング性が向上
する。
【0009】モノメチルシラノ−ルゾルへのMo、Wの
有機金属化合物もしくはヘテロポリ酸の添加量は、2ma
ss%未満であると、セルフクリ−ニング性向上効果が少
なく、30mass%を超えると、皮膜が脆くなるので、添
加量は2〜30mass%、好ましくは10〜20mass%に
する。また、鋼板への塗布後のモノメチルシラノ−ルゾ
ルの加熱は140℃未満であると、皮膜中に溶剤が残
り、架橋が不十分となるため、コイル巻取時あるいは切
板のパイリング時に皮膜面がブロッキングを起こし、3
00℃を超えると、皮膜が緻密になり過ぎるため、加工
密着性の低下を起こすので、140〜300℃にする。
なお、モノメチルシラノ−ルゾルの分子量はポリスチレ
ン換算で5000〜20000程度が望ましい。500
0未満であると、皮膜厚を1μm以上にするのが困難で
あり、20000を超えると、ゾルが安定しない。
有機金属化合物もしくはヘテロポリ酸の添加量は、2ma
ss%未満であると、セルフクリ−ニング性向上効果が少
なく、30mass%を超えると、皮膜が脆くなるので、添
加量は2〜30mass%、好ましくは10〜20mass%に
する。また、鋼板への塗布後のモノメチルシラノ−ルゾ
ルの加熱は140℃未満であると、皮膜中に溶剤が残
り、架橋が不十分となるため、コイル巻取時あるいは切
板のパイリング時に皮膜面がブロッキングを起こし、3
00℃を超えると、皮膜が緻密になり過ぎるため、加工
密着性の低下を起こすので、140〜300℃にする。
なお、モノメチルシラノ−ルゾルの分子量はポリスチレ
ン換算で5000〜20000程度が望ましい。500
0未満であると、皮膜厚を1μm以上にするのが困難で
あり、20000を超えると、ゾルが安定しない。
【0010】モノメチルシリコ−ン樹脂複合皮膜は、加
工性を有するが、さらに柔軟にして、高度の加工に耐え
るようにするにはイソシアネ−ト変性するとよい。イソ
シアネ−ト変性すると、モノメチルシリコ−ン樹脂の未
反応シラノ−ル基同士がイソシアネ−トで架橋されるた
め、皮膜に伸縮性が付与され、加工性が向上する。この
イソシアネ−ト変性量は複合皮膜100重量部に対して
イソシアネ−トが10重量部未満であると、皮膜柔軟効
果が乏しく、40重量部を超えると、皮膜が脆弱にな
り、密着性が低下するので、10〜40重量部にする。
工性を有するが、さらに柔軟にして、高度の加工に耐え
るようにするにはイソシアネ−ト変性するとよい。イソ
シアネ−ト変性すると、モノメチルシリコ−ン樹脂の未
反応シラノ−ル基同士がイソシアネ−トで架橋されるた
め、皮膜に伸縮性が付与され、加工性が向上する。この
イソシアネ−ト変性量は複合皮膜100重量部に対して
イソシアネ−トが10重量部未満であると、皮膜柔軟効
果が乏しく、40重量部を超えると、皮膜が脆弱にな
り、密着性が低下するので、10〜40重量部にする。
【0011】イソシアネ−トとしては、ヘキサメチレン
ジイソシアネ−ト(HDI)、ジフェニルメタンジイソ
シアネ−ト(MDI)、トリレンジイソシアネ−ト(T
DI)、イソホロンジイソシアネ−ト(IPDI)のよ
うなジイソシアネ−トもしくはポリイソシアネ−ト、あ
るいはこれらのイソシアネ−トをブロック化したブロッ
クイソシアネ−トなどが挙げられる。
ジイソシアネ−ト(HDI)、ジフェニルメタンジイソ
シアネ−ト(MDI)、トリレンジイソシアネ−ト(T
DI)、イソホロンジイソシアネ−ト(IPDI)のよ
うなジイソシアネ−トもしくはポリイソシアネ−ト、あ
るいはこれらのイソシアネ−トをブロック化したブロッ
クイソシアネ−トなどが挙げられる。
【0012】皮膜厚は、1〜30μmにする。1μm未
満では、鋼板に均一に塗布することが困難で、ピンホ−
ルが発生して、鋼板の凹凸を十分被覆できず、30μm
を超えると、皮膜形成時の加熱、冷却の際に皮膜と鋼板
の熱膨張率の違いによりクラックが生じ、皮膜剥離が発
生する。
満では、鋼板に均一に塗布することが困難で、ピンホ−
ルが発生して、鋼板の凹凸を十分被覆できず、30μm
を超えると、皮膜形成時の加熱、冷却の際に皮膜と鋼板
の熱膨張率の違いによりクラックが生じ、皮膜剥離が発
生する。
【0013】皮膜には、意匠性、発熱、皮膜の強化等を
向上させるために、顔料、高周波損失剤、骨材等の添加
物を含有させることも可能である。顔料としては、例え
ば、Mn、Fe、Cr、Ni、Co、Ti、Si、Al
等の酸化物または複合酸化物あるいはAl粉のような金
属粉末が挙げられる。また、高周波損失剤としてはZn
−Niフェライトが、骨材としてはチタン酸カリウム繊
維などが挙げられる。これらの添加物は単独もしくは複
合添加してよいが、添加量は5〜20mass%にするのが
好ましい。5mass%未満であると、添加効果が小さく、
20mass%を超えると、皮膜が脆くなる。また、大きさ
は平均粒径で0.01〜20μmにするのが好ましい。
0.01μm未満では、微粒子にするのに高価となり、
20μmを超えると、皮膜中に分散しにくくなる。
向上させるために、顔料、高周波損失剤、骨材等の添加
物を含有させることも可能である。顔料としては、例え
ば、Mn、Fe、Cr、Ni、Co、Ti、Si、Al
等の酸化物または複合酸化物あるいはAl粉のような金
属粉末が挙げられる。また、高周波損失剤としてはZn
−Niフェライトが、骨材としてはチタン酸カリウム繊
維などが挙げられる。これらの添加物は単独もしくは複
合添加してよいが、添加量は5〜20mass%にするのが
好ましい。5mass%未満であると、添加効果が小さく、
20mass%を超えると、皮膜が脆くなる。また、大きさ
は平均粒径で0.01〜20μmにするのが好ましい。
0.01μm未満では、微粒子にするのに高価となり、
20μmを超えると、皮膜中に分散しにくくなる。
【0014】基材鋼板は、とくに限定はないが、耐熱性
を備えたもの、例えば、アルミめっき鋼板、ステンレス
鋼板などが望ましい。
を備えたもの、例えば、アルミめっき鋼板、ステンレス
鋼板などが望ましい。
【0015】本発明の鋼板は、モノメチルトリアルコキ
シシランに1モル当たり3モルの水を添加して、加水分
解によりモノメチルシラノ−ルとした後、MoやWの有
機金属化合物やヘテロポリ酸を添加して、これを鋼板の
少なくとも片面に塗布し、140〜300℃で1〜10
分間加熱することにより製造できる。モノメチルシラノ
−ルはゾル溶液であるので、鋼板に乾燥皮膜厚で1〜3
0μmになるように塗布でき、塗布後を加熱すると、有
機金属化合物やヘテロポリ酸がモノメチルシリコ−ン樹
脂皮膜中に微分散した状態になる。MoやWの有機金属
化合物としては、ナフテン酸塩、オクチル酸塩、アセチ
ルアセトネ−ト錯塩が挙げられ、ヘテロポリ酸としては
ケイモリブデン酸、ケイタングステン酸が挙げられる。
シシランに1モル当たり3モルの水を添加して、加水分
解によりモノメチルシラノ−ルとした後、MoやWの有
機金属化合物やヘテロポリ酸を添加して、これを鋼板の
少なくとも片面に塗布し、140〜300℃で1〜10
分間加熱することにより製造できる。モノメチルシラノ
−ルはゾル溶液であるので、鋼板に乾燥皮膜厚で1〜3
0μmになるように塗布でき、塗布後を加熱すると、有
機金属化合物やヘテロポリ酸がモノメチルシリコ−ン樹
脂皮膜中に微分散した状態になる。MoやWの有機金属
化合物としては、ナフテン酸塩、オクチル酸塩、アセチ
ルアセトネ−ト錯塩が挙げられ、ヘテロポリ酸としては
ケイモリブデン酸、ケイタングステン酸が挙げられる。
【0016】
【実施例】モノメチルトリアルコキシシランを1モル当
たり3モルの水で加水分解して、モノメチルシラノ−ル
(分子量;ポリスチレン換算で約10000)にした
後、MoやWの有機金属化合物、ヘテロポリ酸あるいは
これらの2種以上を添加して、ゾル溶液を調製した。ま
た、このゾル溶液を分別して、イソシアネ−トを添加
し、イソシアネ−ト変性した。次に、これらの溶液をS
US304ステンレス鋼板(板厚0.4mm、2B仕上
げ)にバ−コ−ト法で塗布して、200℃で1分間加熱
し、皮膜を硬化させた。表1にゾル溶液組成と皮膜厚を
示す。また、表2に鋼板を冷却させ、次の試験を実施し
た結果を示す。
たり3モルの水で加水分解して、モノメチルシラノ−ル
(分子量;ポリスチレン換算で約10000)にした
後、MoやWの有機金属化合物、ヘテロポリ酸あるいは
これらの2種以上を添加して、ゾル溶液を調製した。ま
た、このゾル溶液を分別して、イソシアネ−トを添加
し、イソシアネ−ト変性した。次に、これらの溶液をS
US304ステンレス鋼板(板厚0.4mm、2B仕上
げ)にバ−コ−ト法で塗布して、200℃で1分間加熱
し、皮膜を硬化させた。表1にゾル溶液組成と皮膜厚を
示す。また、表2に鋼板を冷却させ、次の試験を実施し
た結果を示す。
【0017】(1)密着性試験 試験片にカッタ−で素地鋼板にまで達するゴバン目の切
り込みを入れて、セロハンテ−プを貼付け後剥離するテ
−ピング剥離を実施し、皮膜剥離が全く認められないも
のを記号○、皮膜剥離が僅かでも認められたものを記号
×の基準で評価した。 (2)加熱後密着性試験 試験片(寸法100×70mm)を600℃のオ−ブン
中で100時間加熱して、取り出し、冷却した後、試験
片にセロハンテ−プを貼付け後剥離するテ−ピング剥離
を実施して、皮膜剥離が全く認められないものを記号
○、皮膜剥離が僅かでも認められたものを記号×の基準
で評価した。
り込みを入れて、セロハンテ−プを貼付け後剥離するテ
−ピング剥離を実施し、皮膜剥離が全く認められないも
のを記号○、皮膜剥離が僅かでも認められたものを記号
×の基準で評価した。 (2)加熱後密着性試験 試験片(寸法100×70mm)を600℃のオ−ブン
中で100時間加熱して、取り出し、冷却した後、試験
片にセロハンテ−プを貼付け後剥離するテ−ピング剥離
を実施して、皮膜剥離が全く認められないものを記号
○、皮膜剥離が僅かでも認められたものを記号×の基準
で評価した。
【0018】(3)加工性試験 試験片(寸法100×70mm)に180度折り曲げ加
工(6t、10t)を施して、加工部にセロハンテ−プ
を貼付け後剥離するテ−ピング剥離を実施し、皮膜剥離
が全く認められないものを記号○、皮膜剥離が僅かでも
認められたものを記号×の基準で評価した。 (4)セルフクリ−ニング性試験 試験片(寸法100×70mm)の表面にオリ−ブ油を
部分的に12〜20箇所塗布し、400℃のオ−ブン中
で60分間加熱し、取り出し後オリ−ブ油が完全に消失
したものを記号○、僅かでも残存したものを記号×で評
価した。
工(6t、10t)を施して、加工部にセロハンテ−プ
を貼付け後剥離するテ−ピング剥離を実施し、皮膜剥離
が全く認められないものを記号○、皮膜剥離が僅かでも
認められたものを記号×の基準で評価した。 (4)セルフクリ−ニング性試験 試験片(寸法100×70mm)の表面にオリ−ブ油を
部分的に12〜20箇所塗布し、400℃のオ−ブン中
で60分間加熱し、取り出し後オリ−ブ油が完全に消失
したものを記号○、僅かでも残存したものを記号×で評
価した。
【0019】
【表1】 (注1)イソシアネ−トの種類のHDIはヘキサメチレ
ンジイソシアネ−ト、TDIはトリレンジイソシアネ−
トである。 (注2)イソシアネ−ト添加量は複合皮膜100重量部
に対する重量部である。
ンジイソシアネ−ト、TDIはトリレンジイソシアネ−
トである。 (注2)イソシアネ−ト添加量は複合皮膜100重量部
に対する重量部である。
【0020】
【表2】 (注)比較例2のセルフクリ−ニング性は皮膜剥離のた
め、実験不能。
め、実験不能。
【0021】
【発明の効果】以上のように、本発明の表面処理鋼板
は、皮膜中に触媒が均一に微分散しているので、ほぼ皮
膜全面が触媒機能を有する。
は、皮膜中に触媒が均一に微分散しているので、ほぼ皮
膜全面が触媒機能を有する。
【図1】は、無添加モノメチルシラノ−ルゾル溶液、ア
セチルアセトネ−トモリブデン20mass%添加モノメチ
ルシラノ−ルゾル溶液、ケイタングステン酸20mass%
添加モノメチルシラノ−ルゾル溶液を各々鋼板に塗布し
た後加熱して得られたモノメチルシリコ−ン樹脂複合皮
膜のX線回折チャ−トを示すものである。
セチルアセトネ−トモリブデン20mass%添加モノメチ
ルシラノ−ルゾル溶液、ケイタングステン酸20mass%
添加モノメチルシラノ−ルゾル溶液を各々鋼板に塗布し
た後加熱して得られたモノメチルシリコ−ン樹脂複合皮
膜のX線回折チャ−トを示すものである。
【図2】は、ケイタングステン酸10mass%添加モノメ
チルシラノ−ルゾル溶液を鋼板に塗布した後加熱して得
られたモノメチルシリコ−ン樹脂複合皮膜のモリブデン
分布状態を示すX線写真である。
チルシラノ−ルゾル溶液を鋼板に塗布した後加熱して得
られたモノメチルシリコ−ン樹脂複合皮膜のモリブデン
分布状態を示すX線写真である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年11月25日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項2
【補正方法】変更
【補正内容】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 175/04 PHW 183/04 PMT C23C 22/40 22/74 (72)発明者 内田 幸夫 大阪府堺市石津西町5番地 日新製鋼株式 会社鉄鋼研究所表面処理研究部内
Claims (2)
- 【請求項1】 Mo、Wの有機金属化合物もしくはヘ
テロポリ酸の1種以上を2〜30mass%含有したモノメ
チルシラノ−ルゾルを鋼板に塗布し、鋼板の到達板温1
40〜300℃に加熱することにより得られるモノメチ
ルシリコ−ン樹脂複合皮膜を鋼板の少なくとも片面に1
〜30μm形成したことを特徴とするセルフクリ−ニン
グ性に優れた表面処理鋼板。 - 【請求項2】 モノメチルシリコ−ン樹脂複合皮膜が
複合皮膜100重量部に対してイソシアネ−トを10〜
40mass%含有するイソシアネ−ト変性樹脂であること
を特徴とする請求項1に記載のセルフクリ−ニング性に
優れた表面処理鋼板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27457994A JPH08113731A (ja) | 1994-10-13 | 1994-10-13 | セルフクリ−ニング性に優れた表面処理鋼板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27457994A JPH08113731A (ja) | 1994-10-13 | 1994-10-13 | セルフクリ−ニング性に優れた表面処理鋼板 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08113731A true JPH08113731A (ja) | 1996-05-07 |
Family
ID=17543717
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27457994A Withdrawn JPH08113731A (ja) | 1994-10-13 | 1994-10-13 | セルフクリ−ニング性に優れた表面処理鋼板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08113731A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019142999A (ja) * | 2018-02-16 | 2019-08-29 | 関西ペイント株式会社 | 水性2液型ポリウレタン塗料組成物 |
-
1994
- 1994-10-13 JP JP27457994A patent/JPH08113731A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019142999A (ja) * | 2018-02-16 | 2019-08-29 | 関西ペイント株式会社 | 水性2液型ポリウレタン塗料組成物 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20020115 |