JP3784429B2 - セルフクリ−ニング性に優れた表面処理鋼板の製造方法 - Google Patents

セルフクリ−ニング性に優れた表面処理鋼板の製造方法 Download PDF

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【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、調理機器(例えば、ト−スタ−レンジやオ−ブンレンジ)、石油燃焼暖房機器、生ゴミ焼却機器などのようにタ−ル状炭素が付着し易い部位を有する機器の部材に好適な表面処理鋼板の製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】
ト−スタ−レンジやオ−ブンレンジ等の調理機器では、加熱調理の際に発生した油脂や煙の炭素が内箱の表面にタ−ル状になって強固に付着し、外観を著しく損ねる。従来、このタ−ル状付着物は洗剤等で除去していたが、繁雑であるとの理由で、近年では、付着油脂を熱で水や二酸化炭素に分解する触媒粉末のMn、Cu、Fe、Co、Ni等の各金属酸化物もしくはそれらの混合物などを分散添加した無機系皮膜を内箱表面に形成して、内箱にセルフクリ−ニング性を付与することが行われている。この無機系皮膜によるセルフクリ−ニング処理は調理機器と同様の問題を有する石油燃焼暖房機器の温風吹き出し口にも適用されている。
【0003】
しかし、このセルフクリ−ニング処理の無機系皮膜は、加工性に乏しいため、素材を内箱や温風吹き出し口などの部材に加工した後、処理液をスプレ−法やハケ塗り法で塗布して形成しなければならないため、処理作業に多大の労力と時間を要するものであった。また、無機系皮膜は粒状触媒が皮膜中に分散した状態で存在しているものであるため、添加触媒のうち、露出して触媒機能を発揮するものの割合は少なく、しかも、皮膜全面が触媒機能を有するものではなかった。
【0004】
そこで、添加触媒の多くに触媒機能を発揮させるために皮膜を多孔質にして、接触面積を広くしたり、添加触媒の濃度が皮膜内部から表面側に近づくに連れて高くする傾斜濃度にして、露出触媒を多くしたりすることが試みられている。前者の多孔質化の例としては、無機質耐熱塗料にシリコ−ンワニスなどの多孔質化剤を分散させて、焼付硬化時にその多孔質化剤を消失させ、皮膜を多孔質にする方法である(特開昭57−67667号、特開昭57−67668号)。また、後者の傾斜濃度化の例としては、ホ−ロ−、無機質塗料、シリコ−ン樹脂などの耐熱性皮膜に酸化触媒(例えば、白金アルミナ、酸化マンガン、酸化ニッケル)またはこれと重合阻止剤(例えば、水酸化アルミニウム、活性白土、メタ珪酸リチウム)等の触媒を添加して、それらが皮膜最下部から最上部に向かって増加させている(特開平1−104348号)。しかし、これらの方法によれば、皮膜のセルフクリ−ニング性は向上するが、触媒が粒状に分散しているには変わりなく、触媒の露出しない部分のセルフクリ−ニング性は依然として不十分である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、皮膜の形成を部材に加工後に個々に行う必要がなく、かつ、皮膜に触媒が微分散したセルフクリ−ニング性の優れた表面処理鋼板の製造方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、セルフクリ−ニング性の優れた表面処理鋼板を、モノメチルトリアルコキシシラン1モル当たり3モルの水を添加して、加水分解によりモノメチルシラノ−ルゾルとした後、イソシアネ−トとエポキシ樹脂を(イソシアネ−ト重量+エポキシ樹脂重量)/(モノメチルシラノ−ルゾルの不揮発分重量)=0.1〜0.5、かつ、(イソシアネ−ト基1当量当たりのイソシアネ−ト重量)/(エポキシ基1当量当たりのエポキシ樹脂重量)=0.5〜2.0の割合で添加するとともに、平均粒径0.1〜20μmのMoおよび/またはWの酸化物をゾル不揮発分に対して2〜30mass%添加して、鋼板の少なくとも片面に乾燥塗膜厚で1〜30μmになるように塗布し、その後、鋼板を到達板温で450〜750℃に10〜60分間加熱する方法および前記450〜750℃に加熱する前に鋼板を到達板温で140〜300℃に予備加熱する方法で製造するようにした。
【0007】
【作用】
本発明者らは、調理機器に付着した油脂を熱で水や二酸化炭素に分解する触媒について種々検討した結果、MoやWの酸化物が有効であることを見いだした。しかし、これらの酸化物の粉末をバインダ−中に分散させただけでは触媒の露出しない部分が多く存在し、セルフクリ−ニング性は従来のものと変わらないことが判明した。そこで、触媒を微細な状態で均一に分散させる方法を検討した結果、モノメチルシラノ−ルゾルにMoやWの酸化物粉末を添加して、鋼板に塗布した後、鋼板到達板温で450〜750℃に加熱すれば、モノメチルシラノ−ルは加熱重合して、耐熱性の酸化ケイ素皮膜になり、酸化物粉末は微細化して、皮膜中に均一に分散し、その結果、酸化物粉末の表面積は大きく、かつ、皮膜表面に緻密に露出して、優れたセルフクリ−ニング性を発揮することを見いだした。
【0008】
図1は酸化モリブデン粉末をモノメチルシラノ−ルゾルにその不揮発分に対して10mass%添加して、鋼板に乾燥皮膜で7μmになるように塗布して、到達板温で200℃に加熱して得られたモノメチルシリコ−ン樹脂複合皮膜とその鋼板を600℃で10分間加熱して、皮膜を酸化ケイ素皮膜にしたものの各皮膜をX線回折したチャ−トを示すものであるが、モノメチルシリコ−ン樹脂複合皮膜には酸化モリブデンのピ−クが認められるものの、酸化ケイ素皮膜には認められず、酸化モリブデンは拡散していることがわかる。図2は酸化タングステン粉末をモノメチルシラノ−ルゾルにその不揮発分に対して10mass%添加して、酸化モリブデン粉末添加の場合と同様に実験したX線回折のチャ−トを示したものであるが、鋼板を600℃に加熱して、皮膜を酸化ケイ素皮膜にしたものには酸化タングステンのピ−クが認められない。図3は図1のモノメチルシリコ−ン樹脂複合皮膜と酸化ケイ素皮膜のMoをEPMA分析した結果を示したものであるが、モリブデンは皮膜中に微細かつ均一に分散している。
【0009】
MoやWの酸化物を添加するモノメチルシラノ−ルゾルは、モノメチルトリアルコキシシラン1モル当たり3モルの水を添加して、加水分解することにより製造する。モノメチルトリアルコキシシランCH3Si(OR)3は加水分解すると、モノメチルトリシラノ−ルCH3Si(OH)3になるが、水酸基の一部が直ちに脱水縮合して、ゾル化する。このゾルは鋼板に塗布して、さらに脱水縮合させると、基本骨格が−O−(CH3)Si(−O−)−O−(CH3)Si(−O−)−で示される網状構造のモノメチルシリコ−ン樹脂皮膜になり、この皮膜を到達板温で450〜750℃に10〜60分間加熱すると、メチル基が燃焼除去され、酸化ケイ素皮膜になる。
【0010】
しかし、このようにして製造した鋼板は、酸化ケイ素皮膜の加工性が劣り、調理機器の内箱などの部材に加工した場合、皮膜が剥離してしまうという問題が生じた。この皮膜剥離は鋼板を高温に加熱するため、加熱前に樹脂などを添加しておいても、加熱中に燃焼してしまい、防止困難である。かかる対策としては鋼板を450〜750℃に加熱する前に加工し、その後加熱するしかないが、モノメチルシラノ−ルゾルを塗布、乾燥しただけのモノメチルシリコ−ン樹脂皮膜は加工性が劣り、例えば、180度折り曲げ試験で10t未満の折り曲げを施し、その折り曲げ部分をセロテ−プで剥離すると皮膜が剥離してしまうものであった。そこで、モノメチルシラノ−ルゾルにイソシアネ−トとエポキシ樹脂を添加したところ、皮膜は延性、強靭に富んだものになり、加工性が著しく向上することが判明したのである。モノメチルシラノ−ルゾルにイソシアネ−トとエポキシ樹脂を添加しても、それらは後に450〜750℃と高温に加熱され、燃焼除去されるので、皮膜は最終的に酸化ケイ素皮膜になる。
【0011】
本発明で使用するモノメチルシラノ−ルゾルの分子量は、ポリスチレン換算で5000〜20000程度が望ましい。分子量が5000未満であると、皮膜厚を1μm以上にするのが困難であり、20000を超えると、ゾルが安定しない。また、モノメチルシラノ−ルゾルに添加するイソシアネ−トとエポキシ樹脂は(イソシアネ−ト重量+エポキシ樹脂重量)/(モノメチルシラノ−ルゾルの不揮発分重量)=0.1〜0.5、好ましくは0.2〜0.4になるようにする。この割合が0.1未満であると、加工密着性が向上せず、0.5を超えると、無機成分に対する有機成分の量が多くなるため、延性はあるが強度のない脆弱な皮膜になり、加工密着性が低下し、また、皮膜硬度、耐傷付き性等の皮膜物性も低下する。
【0012】
モノメチルシラノ−ルゾルにイソシアネ−トとエポキシ樹脂を添加すると、モノメチルシラノ−ルゾルの水酸基とイソシアネ−ト基、エポキシ基が、さらに、エポキシ樹脂中の水酸基とイソシアネ−ト基が反応した柔軟さと強靭さを有する複合皮膜になる。本発明者らはこの複合皮膜を形成するための適正割合について鋭意検討した結果、(イソシアネ−ト基1当量当たりのイソシアネ−ト重量)/(エポキシ基1当量当たりのエポキシ樹脂重量)=0.5〜2.0になるように添加すれば、加工密着性が良好になることを見いだした。これらの範囲であれば、加工密着性は良好で、これらの範囲から外れると加工密着性が低下する。加工密着性を十分良好にしたい場合には0.75〜1.33、より好ましくは0.8〜1.25である。
【0013】
イソシアネ−トの重量平均分子量は、1000〜3000が望ましい。1000未満では加工密着性の向上効果が小さく、3000を超えるとゾルが不安定になり、また、皮膜の延性は向上するものの、強度が低下して、皮膜が脆弱になり、加工密着性が低下する。さらに、調理機器などに使用して、400℃以上に加熱されると、皮膜密着性が低下してしまう。ゾルの安定性と皮膜強度を考慮した場合、1500〜2500にするのが好ましい。一方、エポキシ樹脂の重量平均分子量は300〜800にするのが望ましい。300未満であると、加工密着性の向上効果が小さいため、コイル巻取り時や切板のパイリング時に皮膜面がブロッキングを起こし易く、800を超えると、皮膜が緻密になり過ぎるため、加工密着性が低下するとともに、調理機器で400℃以上に加熱されると、皮膜密着性が低下してしまう。耐ブロッキング性と加工密着性を考慮した場合300〜500が好ましい。
【0014】
イソシアネ−トとしては、ヘキサメチレンジイソシアネ−ト(HDI)、ジフェニルメタンジイソシアネ−ト(MDI)、トリレンジイソシアネ−ト(TDI)、イソホロンジイソシアネ−ト(IPDI)のようなジイソシアネ−トもしくはポリイソシアネ−ト、あるいはこれらのイソシアネ−トをブロック化したブロックイソシアネ−トなどが挙げられる。また、エポキシ樹脂としてはビスフェノ−ル型、ノボラックフェノ−ル型等が挙げられる。
【0015】
モノメチルシラノ−ルゾルに添加するMoやWなどの酸化物粉末には、平均粒径が0.1〜20μmのものを使用する。平均粒径が0.1μm未満のものは製造困難で、価格も高く、20μmを超えると、加熱で皮膜に微細に分散させるのに長時間要する。価格、分散性を考慮した場合、1〜10μmにするのが好ましい。また、酸化物粉末のモノメチルシラノ−ルゾルへの添加はゾル不揮発分に対して2〜30mass%にする。添加量が2mass%未満であると、セルフクリ−ニング性向上効果が少なく、30mass%を超えると、皮膜が脆くなる。皮膜のセルフクリ−ニング性と加工密着性の両方を満足させる好ましい範囲は5〜20mass%である。
【0016】
鋼板へのゾルの塗布は、例えば、スプレ−法、ロ−ルコ−ト法、バ−コ−ト法などの公知方法でよいが、その塗布は乾燥皮膜厚で1〜30μmになるようにする。1μm未満では鋼板に均一に塗布することが困難で、鋼板の凹凸を被覆できず、30μmを超えると、酸化ケイ素皮膜にする際の加熱や冷却により鋼板と皮膜の熱膨張率の違いによるクラックが生じ、皮膜が剥離する。この塗布量は乾燥皮膜厚で5〜20μmにするのが好ましい。なお、ゾルの塗布はセルフクリ−ニング性の必要な鋼板の片面だけでもよいが、必要なら両面に施してもよい。
【0017】
鋼板への塗布後は、まず140〜300℃に加熱して、鋼板を加工しても、モノメチルシリコ−ン樹脂皮膜が剥離したり、損傷したりしないようにする。この加熱は140℃未満であると、皮膜中に溶剤が残り、架橋が不十分となるため、コイル巻取時あるいは切板のパイリング時に皮膜面がブロッキングを起こし、300℃を超えると、皮膜が緻密になり過ぎるため、加工密着性の低下を起こす。鋼板の加工後は450〜750℃で10〜60分間加熱して、モノメチルシリコ−ン樹脂皮膜を酸化ケイ素皮膜にする。この加熱は温度が450℃未満であると、酸化物粉末の分散に長時間を要するため、実用的でなく、750℃を超えると、基材鋼板が受ける熱履歴が大きくなるため、皮膜の密着性が低下する。また、加熱時間は10分未満であると、温度を750℃に上昇させても、酸化物粉末の分散が難しく、60分を超えると、基材鋼板が受ける熱履歴が大きくなるため、皮膜の密着性が低下してしまう。
【0018】
皮膜には、意匠性、発熱、皮膜の強度等を向上させるために、顔料、高周波損失剤、骨材等の添加物を含有させることも可能である。顔料としては、例えば、Mn、Fe、Cr、Ni、Co、Ti、Si、Al等の酸化物または複合酸化物あるいはAl粉のような金属粉末が挙げられる。また、高周波損失剤としてはZn−Niフェライトが、骨材としてはチタン酸カリウム繊維などが挙げられる。これらの添加物は単独もしくは複合添加してもよいが、その添加は酸化物粉末の添加時またはイソシアネ−トやエポキシ樹脂の添加時に行い、添加量は5〜20mass%にするのが好ましい。5mass%未満であると、添加効果が小さく、20mass%を超えると、皮膜が脆くなる。また、大きさは平均粒径で0.1〜20μmにするのが好ましい。0.1μm未満では、微粒子にするのに高価となり、20μmを超えると、皮膜中に分散しにくくなる。
【0019】
基材鋼板は、とくに限定はないが、耐熱性を備えたもの、例えば、アルミニウムめっき鋼板、ステンレス鋼板などが望ましい。
【0020】
【実施例】
実施例1
モノメチルトリアルコキシシランを1モル当たり3モルの水で加水分解して、モノメチルシラノ−ルゾル(分子量;ポリスチレン換算で約10000)にした後、イソシアネ−ト(ヘキサメチレンジイソシアネ−ト、イソシアネ−ト当量:650、重量平均分子量:1860)とエポキシ樹脂(ビスフェノ−ルA型、エポキシ当量:170、重量平均分子量:380)を(イソシアネ−ト重量+エポキシ樹脂重量)/(モノメチルシラノ−ルゾルの不揮発分重量)=0.2、(イソシアネ−ト基1当量当たりのイソシアネ−ト重量)/(エポキシ基1当量当たりのエポキシ樹脂重量)=1の割合で添加するとともに、Mo、Wの酸化物の1種または2種を添加した。次に、この溶液をSUS304ステンレス鋼板(板厚0.4mm、2B仕上げ)にバ−コ−ト法で塗布して、到達板温で450〜750℃に10〜60分間加熱して、皮膜を酸化ケイ素皮膜にした。そして、得られた鋼板に次の試験を実施した。表1に試験結果を示す。
【0021】
(1)密着性試験
試験片にカッタ−で素地鋼板にまで達するゴバン目の切り込みを入れて、セロハンテ−プを貼付け後剥離するテ−ピング剥離を実施し、皮膜剥離が全く認められないものを記号◎、皮膜剥離が極僅かでも認められたものを記号○、かなり皮膜剥離が認められたものを記号△、皮膜剥離が顕著に認められたものを記号×の基準で評価した。
【0022】
(2)セルフクリ−ニング性試験
試験片(寸法100×70mm)の表面にオリ−ブ油を部分的に12〜20箇所塗布し、400℃のオ−ブン中で60分間加熱し、取り出し後オリ−ブ油が完全に消失したものを記号◎、僅かに残存したものを記号○、かなり残存したものを記号×で評価した。
【0023】
【表1】
Figure 0003784429
(注1)酸化物添加量はゾルの不揮発分に対してである。
(注2)比較例1は皮膜剥離のため、性能試験実験不能。
【0024】
実施例2
実施例1のモノメチルシラノ−ルゾル、イソシアネ−ト、エポキシ樹脂を用いて、(イソシアネ−ト重量+エポキシ樹脂重量)/(モノメチルシラノ−ルゾルの不揮発分重量)、(イソシアネ−ト基1当量当たりのイソシアネ−ト重量)/(エポキシ基1当量当たりのエポキシ樹脂重量)の割合を変えたゾルにMo、Wの酸化物の1種または2種を添加した。次に、この溶液をSUS304ステンレス鋼板(板厚0.4mm、2B仕上げ)にバ−コ−ト法で乾燥塗膜厚が7μm一定になるように塗布して、到達板温で170℃に加熱し、皮膜を硬化させた。ここで、皮膜を硬化させた鋼板に次の試験を実施して、実施後に450〜750℃に10〜100分間加熱して、皮膜を酸化ケイ素皮膜にした。そして、得られた鋼板に実施例1と同様の試験を実施した。表2に試験結果を示す。
【0025】
(3)加工密着性試験
試験片(寸法100×70mm)に180度折り曲げ加工(3t)を施して、加工部にセロハンテ−プを貼付け後剥離するテ−ピング剥離を実施し、皮膜剥離が全く認められないものを記号◎、皮膜剥離が極僅かに認められたものを記号○、皮膜剥離がかなり認められたものを記号△、皮膜剥離が顕著に認められたものを記号×の基準で評価した。
【0026】
【表2】
Figure 0003784429
(注)イソシアネ−ト、エポキシ樹脂の添加でAは(イソシアネ−ト重量+エポキシ樹脂重量)/(モノメチルシラノ−ルゾルの不揮発分重量)の割合で、Bは(イソシアネ−ト基1当量当たりのイソシアネ−ト重量)/(エポキシ基1当量当たりのエポキシ樹脂重量)の割合である。
【0027】
【発明の効果】
以上のように、本発明法による表面処理鋼板は、製造途中の140〜300℃での予備加熱完了後に加工すれば、皮膜の加工性が良いので、部材に加工後1個ずつ形成する必要はなく、生産性が高い。また、皮膜中に触媒を均一に微分散させた表面処理鋼板を製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、酸化モリブデン10mass%添加モノメチルシラノ−ルゾル溶液を鋼板に塗布して、予備加熱により乾燥したモノメチルシリコ−ン樹脂複合皮膜と、この皮膜を600℃で10分間加熱した酸化ケイ素複合皮膜をX線回折したチャ−トを示すものである。
【図2】は、酸化タングステン10mass%添加モノメチルシラノ−ルゾル溶液を鋼板に塗布して、予備加熱により乾燥したモノメチルシリコ−ン樹脂複合皮膜と、この皮膜を600℃で10分間加熱した酸化ケイ素複合皮膜をX線回折したチャ−トを示すものである。
【図3】は、酸化モリブデン10mass%添加モノメチルシラノ−ルゾル溶液を鋼板に塗布して、予備加熱により乾燥したモノメチルシリコ−ン樹脂複合皮膜と、この皮膜を600℃で10分間加熱した酸化ケイ素複合皮膜のX線写真である。

Claims (3)

  1. モノメチルトリアルコキシシラン1モル当たり3モルの水を添加して、加水分解によりモノメチルシラノ−ルゾルとした後、イソシアネ−トとエポキシ樹脂を(イソシアネ−ト重量+エポキシ樹脂重量)/(モノメチルシラノ−ルゾルの不揮発分重量)=0.1〜0.5、かつ、(イソシアネ−ト基1当量当たりのイソシアネ−ト重量)/(エポキシ基1当量当たりのエポキシ樹脂重量)=0.5〜2.0の割合で添加するとともに、平均粒径0.1〜20μmのMoおよび/またはWの酸化物をゾル不揮発分に対して2〜30mass%添加して、鋼板の少なくとも片面に乾燥塗膜厚で1〜30μmになるように塗布し、その後、鋼板を到達板温で450〜750℃に10〜60分間加熱することを特徴とするセルフクリ−ニング性に優れた表面処理鋼板の製造方法。
  2. モノメチルシラノ−ルの分子量がポリスチレン換算で5000〜20000、イソシアネ−トの重量平均分子量が1000〜3000、エポキシ樹脂の重量平均分子量が300〜800であることを特徴とする請求項1に記載のセルフクリ−ニング性に優れた表面処理鋼板の製造方法。
  3. 請求項1または2において、450〜750℃に加熱する前に鋼板を到達板温で140〜300℃に予備加熱することを特徴とするセルフクリ−ニング性に優れた表面処理鋼板の製造方法。
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