JPH08245539A - アクリロニトリル二量体の製造方法 - Google Patents

アクリロニトリル二量体の製造方法

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JPH08245539A
JPH08245539A JP7055328A JP5532895A JPH08245539A JP H08245539 A JPH08245539 A JP H08245539A JP 7055328 A JP7055328 A JP 7055328A JP 5532895 A JP5532895 A JP 5532895A JP H08245539 A JPH08245539 A JP H08245539A
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JP
Japan
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ruthenium
chloro
cyclopentadienyl
acrylonitrile
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Withdrawn
Application number
JP7055328A
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English (en)
Inventor
Tomohiro Yorisue
友裕 頼末
Sadataka Kanejima
節隆 金島
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 プロピオニトリルの副生を抑え、優れた選択
率でアクリロニトリルの直鎖状二量体1,4−ジシアノ
−1−ブテンを製造する方法を提供する。 【構成】 ARuLn Xで表されるシクロペンタジエニ
ル基を有するルテニウム化合物(Aは特定構造のシクロ
ペンタジエニル基を表す。Lはジエン、一酸化炭素、イ
ソニトリル、ホスフィンから選ばれる中性配位子を表
す。nは0,1,2から選ばれる整数。Xはハロゲン原
子、水素原子、シアノ基、C1 〜C20の炭化水素基、ア
ミド基、アルコキシ基、シリル基、スルフィド基、スタ
ンニル基、セレニド基から選ばれる1価の配位子を表
す。)を触媒として用いることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ルテニウム化合物を触
媒として用い、アクリロニトリルを二量化して、6,6
−ナイロンや界面活性剤等の原料として有用な直鎖状二
量体1,4−ジシアノ−1−ブテンを製造する方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】ルテニウム化合物を用いるアクリロニト
リル二量体の製造方法として、従来より水素存在下で三
塩化ルテニウム、ジクロロトリス(トリフェニルホスフ
ィン)ルテニウム、トリス(アセチルアセトナト)ルテ
ニウム等とアクリロニトリルとを接触させる方法が知ら
れている(ケミカル・コミュニケーションズ(Che
m.Commun.)1967号357頁、ジャーナル
・オブ・オルガノメタリック・ケミストリー(J.Or
ganomet.Chem.)12号8頁(1968
年)、特公昭44−24585号公報、特公昭49−5
515号公報、特公昭54−12450号公報等)。し
かし、これらの方法はいずれも多量のプロピオニトリル
が副生するという問題点を有している。
【0003】これに対して、水素非存在下でルテニウム
化合物とアクリロニトリルを接触させてアクリロニトリ
ル二量体を製造する方法として、三塩化ルテニウムや
[Ru(NH3 5 (N2 )]2+等をシリカやアルミナ
等に支持された形で用い、反応を300〜600℃の温
度範囲で行う方法(特開昭51−146420号公
報)、三塩化ルテニウムを用い、トリブチル錫ハイドラ
イド、トリフェニル錫ハイドライド等の有機錫化合物を
添加して反応を行う方法(特開平6−9531号公
報)、酢酸ルテニウム、ジクロロテトラキス(ジメチル
スルホキシド)ルテニウム等を用い、酢酸、プロピオン
酸等のカルボン酸を添加して反応を行う方法(特開平5
−286918号公報、特開平6−92923号公報、
特開平6−145130号公報、特開平6−27983
7号公報)が知られている。しかしながらこれらの場合
においても、ルテニウム化合物を支持された形で用いる
方法及び有機錫化合物を添加する方法においては、やは
り多量のプロピオニトリルが副生するという問題が、カ
ルボン酸を用いる方法においてはカルボン酸シアノエス
テルが副生するという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は従来技術の問
題点を解決するためになされたもので、ルテニウム化合
物を触媒として用い、プロピオニトリルの副生を抑え、
優れた選択率でアクリロニトリルの直鎖状二量体1,4
−ジシアノ−1−ブテンを製造する方法を提供すること
を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
を達成するために鋭意研究し、本発明を完成した。すな
わち、本発明は下記一般式(I)で表される、シクロペ
ンタジエニル基を有するルテニウム化合物を触媒として
用いることを特徴とするアクリロニトリル二量体の製造
方法である。
【0006】ARuLn X (I) A:シクロペンタジエニル基(下記一般式(II))。 [C5 5 - (II) (Rは水素原子もしくはC1 〜C20の炭化水素基であ
り、5個のRは同一であっても互いに異なっていてもよ
く、また炭素原子を介して互いに結ばれていてもよ
い。) L:ジエン、一酸化炭素、イソニトリル、ホスフィンか
ら選ばれる中性配位子。 n:0,1,2から選ばれる整数。 X:ハロゲン原子、水素原子、シアノ基、C1 〜C20
炭化水素基、アミド基、アルコキシ基、シリル基、スル
フィド基、スタンニル基、セレニド基から選ばれる1価
の配位子。
【0007】以下、本発明の方法を更に詳しく説明す
る。一般式(I)で表されるルテニウム化合物におい
て、Aは下記一般式(II) [C5 5 - (II) で表されるシクロペンタジエニル基を意味する。式中、
Rは水素原子もしくはC 1 〜C20の炭化水素基である。
5個のRは同一であっても互いに異なっていてもよく、
また炭素原子を介して互いに結ばれていてもよい。その
具体例としては、シクロペンタジエニル基、メチルシク
ロペンタジエニル基、ジメチルシクロペンタジエニル
基、トリメチルシクロペンタジエニル基、ペンタメチル
シクロペンタジエニル基、ブチルシクロペンタジエニル
基、インデニル基、トリメチルインデニル基、ヘプタメ
チルインデニル基、テトラヒドロインデニル基、フルオ
レニル基、メチルフルオレニル基、ノナメチルフルオレ
ニル基、オクタヒドロフルオレニル基等を挙げることが
できる。
【0008】式(I)中のLは、ジエン、一酸化炭素、
イソニトリル、ホスフィンから選ばれる中性配位子を意
味する。その具体例としては、1,5−シクロオクタジ
エン、3,7−ジメチル−1,5−シクロオクタジエ
ン、2,5−ノルボルナジエン等の非共役ジエン、ブタ
ジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン等の共役ジ
エン、一酸化炭素、メチルイソニトリル、ブチルイソニ
トリル等のイソニトリル、トリエチルホスフィン、トリ
フェニルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、ジ
メチルフェニルホスフィン、トリイソプロピルホスフィ
ン、トリシクロヘキシルホスフィン等のモノホスフィ
ン、1,2−ジフェニルホスフィノエタン、1,3−ジ
フェニルホスフィノプロパン、1,4−ジフェニルホス
フィノブタン等のジホスフィン等の中性配位子を挙げる
ことができる。これらの中性配位子のうち、特に好まし
くは非共役ジエンもしくは共役ジエンである。また、式
中のnは0,1,2から選ばれる整数を表す。nが2の
場合は2個の中性配位子は同じであってもよく、互いに
異なっていてもよい。
【0009】式(I)中のXは、ハロゲン原子、水素原
子、シアノ基、C1 〜C20の炭化水素基、アミド基、ア
ルコキシ基、シリル基、スルフィド基、スタンニル基、
セレニド基から選ばれる1価の配位子を意味する。その
具体例としてはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素のハロゲン
原子、水素原子、シアノ基、メチル基、エチル基、フェ
ニル基、ベンジル基、フェニルエチニル基等のC1 〜C
12の炭化水素基、メチルアミド基、ブチルアミド基等の
アミド基、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基等のア
ルコキシ基、トリクロロシリル基、トリメチルシリル基
等のシリル基、メチルスルフィド基、フェニルスルフィ
ド基等のスルフィド基、トリクロロスタンニル基、トリ
メチルスタンニル基等のスタンニル基、フェニルセレニ
ド基等のセレニド基等の1価の配位子を挙げることがで
きる。これらの1価の配位子のうち、特に好ましくはハ
ロゲン原子である。
【0010】下記に式(I)として用いることができる
ルテニウム化合物について具体名を示す。ヒドリド(シ
クロペンタジエニル)ビス(トリフェニルホスフィン)
ルテニウム、ブロモ(シクロペンタジエニル)ビス(ト
リフェニルホスフィン)ルテニウム、クロロ(シクロペ
ンタジエニル)ビス(トリフェニルホスフィン)ルテニ
ウム、シアノ(シクロペンタジエニル)ビス(トリフェ
ニルホスフィン)ルテニウム、クロロカルボニル(シク
ロペンタジエニル)(トリフェニルホスフィン)ルテニ
ウム、クロロジカルボニル(シクロペンタジエニル)ル
テニウム、トリクロロスタンニルジカルボニル(シクロ
ペンタジエニル)ルテニウム、フェニルスルフィドジカ
ルボニル(シクロペンタジエニル)ルテニウム、クロロ
(シクロペンタジエニル)(ブチルイソニトリル)(ト
リフェニルホスフィン)ルテニウム、ヒドリド(シクロ
ペンタジエニル)(1,5−シクロオクタジエン)ルテ
ニウム、クロロ(シクロペンタジエニル)(1,5−シ
クロオクタジエン)ルテニウム、ブロモ(シクロペンタ
ジエニル)(1,5−シクロオクタジエン)ルテニウ
ム、クロロ(シクロペンタジエニル)(ブタジエン)ル
テニウム、クロロ(シクロペンタジエニル)(イソプレ
ン)ルテニウム、クロロ(シクロペンタジエニル)
(1,3−ペンタジエン)ルテニウム、ブロモ(シクロ
ペンタジエニル)(ブタジエン)ルテニウム、ブロモ
(シクロペンタジエニル)(イソプレン)ルテニウム、
ブロモ(シクロペンタジエニル)(1,3−ペンタジエ
ン)ルテニウム、クロロジカルボニル(ジメチルシクロ
ペンタジエニル)ルテニウム、クロロ(ジメチルシクロ
ペンタジエニル)(1,5−シクロオクタジエン)ルテ
ニウム、クロロジカルボニル(ブチルシクロペンタジエ
ニル)ルテニウム、クロロ(ブチルシクロペンタジエニ
ル)(1,5−シクロオクタジエン)ルテニウム、クロ
ロジカルボニル(ペンタメチルシクロペンタジエニル)
ルテニウム、ヨードジカルボニル(ペンタメチルシクロ
ペンタジエニル)ルテニウム、クロロ(ペンタメチルシ
クロペンタジエニル)ビス(ブチルイソニトリル)ルテ
ニウム、クロロ(ペンタメチルシクロペンタジエニル)
(1,5−シクロオクタジエン)ルテニウム、ブロモ
(ペンタメチルシクロペンタジエニル)(1,5−シク
ロオクタジエン)ルテニウム、クロロ(ペンタメチルシ
クロペンタジエニル)(3,7−ジメチル−1,5−シ
クロオクタジエン)ルテニウム、クロロ(ペンタメチル
シクロペンタジエニル)(2,5−ノルボルナジエン)
ルテニウム、クロロ(ペンタメチルシクロペンタジエニ
ル)(ブタジエン)ルテニウム、クロロ(ペンタメチル
シクロペンタジエニル)(イソプレン)ルテニウム、ク
ロロ(ペンタメチルシクロペンタジエニル)(1,3−
ペンタジエン)ルテニウム、ブロモ(ペンタメチルシク
ロペンタジエニル)(ブタジエン)ルテニウム、ブロモ
(ペンタメチルシクロペンタジエニル)(イソプレン)
ルテニウム、ブロモ(ペンタメチルシクロペンタジエニ
ル)(1,3−ペンタジエン)ルテニウム、クロロ(ペ
ンタメチルシクロペンタジエニル)ビス(メチルジフェ
ニルホスフィン)ルテニウム、クロロ(ペンタメチルシ
クロペンタジエニル)ビス(ジメチルフェニルホスフィ
ン)ルテニウム、クロロ(ペンタメチルシクロペンタジ
エニル)ビス(トリエチルホスフィン)ルテニウム、シ
アノ(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ビス(トリ
メチルホスフィン)ルテニウム、クロロ(ペンタメチル
シクロペンタジエニル)(1,2−ジホスフィノエタ
ン)ルテニウム、クロロ(ペンタメチルシクロペンタジ
エニル)(1,3−ジホスフィノプロパン)ルテニウ
ム、クロロ(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ルテ
ニウム、メトキシ(ペンタメチルシクロペンタジエニ
ル)ルテニウム、メチルアミド(ペンタメチルシクロペ
ンタジエニル)ルテニウム、フェニルスルフィド(ペン
タメチルシクロペンタジエニル)ルテニウム、クロロ
(インデニル)ビス(トリフェニルホスフィン)ルテニ
ウム、ヨードジカルボニル(インデニル)ルテニウム、
クロロ(インデニル)(1,5−シクロオクタジエン)
ルテニウム、クロロ(インデニル)(ブタジエン)ルテ
ニウム、クロロ(トリメチルインデニル)(1,5−シ
クロオクタジエン)ルテニウム、クロロ(トリメチルイ
ンデニル)(ブタジエン)ルテニウム、クロロ(ヘプタ
メチルインデニル)(1,5−シクロオクタジエン)ル
テニウム、クロロ(ヘプタメチルインデニル)(ブタジ
エン)ルテニウム、クロロ(テトラヒドロインデニル)
(1,5−シクロオクタジエン)ルテニウム、クロロ
(テトラヒドロインデニル)(ブタジエン)ルテニウ
ム、クロロジカルボニル(フルオレニル)ルテニウム、
クロロ(フルオレニル)(1,5−シクロオクタジエ
ン)ルテニウム、クロロ(フルオレニル)(ブタジエ
ン)ルテニウム、クロロ(メチルフルオレニル)(1,
5−シクロオクタジエン)ルテニウム、クロロ(メチル
フルオレニル)(ブタジエン)ルテニウム、クロロ(ノ
ナメチルフルオレニル)(1,5−シクロオクタジエ
ン)ルテニウム、クロロ(ノナメチルフルオレニル)
(ブタジエン)ルテニウム、クロロ(オクタヒドロイン
デニル)(1,5−シクロオクタジエン)ルテニウム、
クロロ(オクタヒドロフルオレニル)(ブタジエン)ル
テニウム等を挙げることができる。またこれらのルテニ
ウム化合物は単独で用いる以外に、2成分以上を混合し
て用いることもできる。
【0011】反応に際して、アクリロニトリルに対する
ルテニウム化合物(I)の仕込み組成比は0.001〜
10モル%、好ましくは0.01〜1モル%である。ま
た反応はアクリロニトリルのみを用いて行うのが好まし
いが、溶媒をアクリロニトリルに対して0.1〜100
倍モルの割合で加えて行うこともできる。このとき用い
ることのできる溶媒としては、アセトニトリル、ジメチ
ルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスル
ホキシド、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、クロロ
ホルム、四塩化炭素、トルエン、ヘキサン並びにこれら
の2成分以上の混合物等を挙げることができる。反応雰
囲気は窒素、アルゴン等の不活性気体雰囲気であり、水
素を用いることなく反応を進行させることができる。反
応温度は、アクリロニトリル二量体の生成速度並びに触
媒の失活速度を考慮して、50〜250℃、好ましくは
80〜200℃である。反応時間は特に制限はないが、
0.1〜100時間、好ましくは0.5〜10時間であ
る。反応圧力は自生圧でもよく、窒素やアルゴン等の不
活性気体によって更に加圧してもよいが、1〜100k
gf/cm2 の範囲になるように調節する。反応形式と
しては回分式、連続式のいずれをとることもできる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の方法を回分式実験で行った実
施例により更に具体的に示すが、本発明の方法はこれら
の実施例に限定されるものではない。なお各実施例にお
いてアクリロニトリルの転化率、各生成物の選択率はそ
れぞれ下記の式により求めた。
【0013】
【数1】
【0014】
【実施例1】窒素下で100mlオートクレーブに、ア
クリロニトリル21mlと、ケミストリー・レターズ
(Chem.Lett.)1984号1161頁記載の
方法により合成したクロロ(ペンタメチルシクロペンタ
ジエニル)(1,5−シクロオクタジエン)ルテニウム
0.8mmolを加え、160℃、自生圧下で3時間反
応させた。反応後オートクレーブを冷却し、反応液につ
いてGC及びNMRにより分析した。その結果、アクリ
ロニトリルの転化率は28%、生成物中の1,4−ジシ
アノ−1−ブテン(cis−,trans−混合物)の
選択率は90%、プロピオニトリルの選択率は0.2%
であった。
【0015】
【実施例2】実施例1において、反応温度を130℃に
変えた以外は、実施例1と同様に反応させ、反応液の分
析を行った。その結果、アクリロニトリルの転化率は8
%、1,4−ジシアノ−1−ブテンの選択率は92%、
プロピオニトリルの選択率は0.2%であった。
【0016】
【実施例3】実施例1において、ルテニウム化合物とし
てオルガノメタリックス(Organometalli
cs)5号2199頁(1986年)記載の方法により
合成したクロロ(シクロペンタジエニル)(1,5−シ
クロオクタジエン)ルテニウムを用いた以外は、実施例
1と同様に反応させ、反応液の分析を行った。その結
果、アクリロニトリルの転化率は24%、1,4−ジシ
アノ−1−ブテンの選択率は83%、プロピオニトリル
の選択率は0.1%であった。
【0017】
【実施例4】実施例3において、反応温度を130℃に
変えた以外は、実施例3と同様に反応させ、反応液の分
析を行った。その結果、アクリロニトリルの転化率は7
%、1,4−ジシアノ−1−ブテンの選択率は85%、
プロピオニトリルの選択率は0.1%であった。
【0018】
【実施例5】実施例1において、ルテニウム化合物とし
てオルガノメタリックス(Organometalli
cs)5号2199頁(1986年)記載の方法により
合成したブロモ(シクロペンタジエニル)(1,5−シ
クロオクタジエン)ルテニウムを用いた以外は、実施例
1と同様に反応させ、反応液の分析を行った。その結
果、アクリロニトリルの転化率は23%、1,4−ジシ
アノ−1−ブテンの選択率は83%、プロピオニトリル
の選択率は0%であった。
【0019】
【実施例6】実施例1において、ルテニウム化合物とし
てケミストリー・レターズ(Chem.Lett.)1
984号1161頁記載の方法により合成したクロロ
(ペンタメチルシクロペンタジエニル)(2,5−ノル
ボルナジエン)ルテニウムを用いた以外は、実施例1と
同様に反応させ、反応液の分析を行った。その結果、ア
クリロニトリルの転化率は25%、1,4−ジシアノ−
1−ブテンの選択率は88%、プロピオニトリルの選択
率は0.1%であった。
【0020】
【実施例7】実施例1において、ルテニウム化合物とし
てオルガノメタリックス(Organometalli
cs)12号2221頁(1993年)記載の方法によ
り合成したクロロ(ペンタメチルシクロペンタジエニ
ル)(ブタジエン)ルテニウムを用いた以外は、実施例
1と同様に反応させ、反応液の分析を行った。その結
果、アクリロニトリルの転化率は23%、1,4−ジシ
アノ−1−ブテンの選択率は87%、プロピオニトリル
の選択率は0%であった。
【0021】
【実施例8】実施例1において、ルテニウム化合物とし
てオルガノメタリックス(Organometalli
cs)9号1843頁(1990年)記載の方法により
合成したクロロジカルボニル(ペンタメチルシクロペン
タジエニル)ルテニウムを用いた以外は、実施例1と同
様に反応させ、反応液の分析を行った。その結果、アク
リロニトリルの転化率は7%、1,4−ジシアノ−1−
ブテンの選択率は69%、プロピオニトリルの選択率は
0%であった。
【0022】
【実施例9】実施例1において、ルテニウム化合物とし
てケミストリー・レターズ(Chem.Lett.)1
984号1161頁記載の方法により合成したクロロ
(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ビス(メチルジ
フェニルホスフィン)ルテニウムを用いた以外は、実施
例1と同様に反応させ、反応液の分析を行った。その結
果、アクリロニトリルの転化率は3%、1,4−ジシア
ノ−1−ブテンの選択率は63%、プロピオニトリルの
選択率は0%であった。
【0023】
【実施例10】実施例1において、ルテニウム化合物と
してジャーナル・オブ・ケミカル・ソサイアティー
(J.Chem.Soc.)1968A号2931頁記
載の方法により合成したクロロジカルボニル(シクロペ
ンタジエニル)ルテニウムを用いた以外は、実施例1と
同様に反応させ、反応液の分析を行った。その結果、ア
クリロニトリルの転化率は4%、1,4−ジシアノ−1
−ブテンの選択率は65%、プロピオニトリルの選択率
は0%であった。
【0024】
【実施例11】実施例1において、ルテニウム化合物と
してジャーナル・オブ・オルガノメタリック・ケミスト
リー(J.Organomet.Chem.)215号
87頁(1981年)記載の方法により合成したヒドリ
ド(シクロペンタジエニル)ビス(トリフェニルホスフ
ィン)ルテニウムを用いた以外は、実施例1と同様に反
応させ、反応液の分析を行った。その結果、アクリロニ
トリルの転化率は3%、1,4−ジシアノ−1−ブテン
の選択率は60%、プロピオニトリルの選択率は0%で
あった。
【0025】
【実施例12】実施例1において、ルテニウム化合物と
してジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサイ
アティー(J.Am.Chem.Soc.)109号1
444頁(1987年)記載の方法により合成したシア
ノ(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ビス(トリメ
チルホスフィン)ルテニウムを用いた以外は実施例1と
同様に反応させ、反応液の分析を行った。その結果、ア
クリロニトリルの転化率は4%、1,4−ジシアノ−1
−ブテンの選択率は64%、プロピオニトリルの選択率
は0%であった。
【0026】
【実施例13】実施例1において、ルテニウム化合物と
してジャーナル・オブ・ケミカル・ソサイアティー
(J.Chem.Soc.)1968A号2931頁記
載の方法により合成したトリクロロスタンニルジカルボ
ニル(シクロペンタジエニル)ルテニウムを用いた以外
は実施例1と同様に反応させ、反応液の分析を行った。
その結果、アクリロニトリルの転化率は4%、1,4−
ジシアノ−1−ブテンの選択率は61%、プロピオニト
リルの選択率は0%であった。
【0027】
【実施例14】実施例1において、ルテニウム化合物と
してジャーナル・オブ・オルガノメタリック・ケミスト
リー(J.Organomet.Chem.)322号
221頁(1987年)記載の方法により合成したクロ
ロ(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ビス(t−ブ
チルイソニトリル)ルテニウムを用いた以外は実施例1
と同様に反応させ、反応液の分析を行った。その結果、
アクリロニトリルの転化率は6%、1,4−ジシアノ−
1−ブテンの選択率は69%、プロピオニトリルの選択
率は0%であった。
【0028】
【実施例15】実施例1において、ルテニウム化合物と
してジャーナル・オブ・ケミカル・ソサイアティー・ケ
ミカル・コミュニケーションズ(J.Chem.So
c.Chem.Commun.)1988号549頁記
載の方法により合成したメトキシ(ペンタメチルシクロ
ペンタジエニル)ルテニウムを用いた以外は実施例1と
同様に反応させ、反応液の分析を行った。その結果、ア
クリロニトリルの転化率は7%、1,4−ジシアノ−1
−ブテンの選択率は68%、プロピオニトリルの選択率
は0%であった。
【0029】以上、実施例1から実施例15までの結果
を表1にまとめて示した。
【0030】
【表1】
【0031】
【発明の効果】本発明で特定するシクロペンタジエニル
基を有するルテニウム化合物を用いてアクリロニトリル
の二量化反応を行うことにより、従来のルテニウム化合
物を用いる方法に比べ、プロピオニトリルの副生を抑え
て高い選択率でアクリロニトリルの直鎖状二量体1,4
−ジシアノ−1−ブテンを得ることができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)で表される、シクロペ
    ンタジエニル基を有するルテニウム化合物を触媒として
    用いることを特徴とするアクリロニトリル二量体の製造
    方法。 ARuLn X (I) A:シクロペンタジエニル基(下記一般式(II))。 [C5 5 - (II) (Rは水素原子もしくはC1 〜C20の炭化水素基であ
    り、5個のRは同一であっても互いに異なっていてもよ
    く、また炭素原子を介して互いに結ばれていてもよ
    い。) L:ジエン、一酸化炭素、イソニトリル、ホスフィンか
    ら選ばれる中性配位子。 n:0,1,2から選ばれる整数。 X:ハロゲン原子、水素原子、シアノ基、C1 〜C20
    炭化水素基、アミド基、アルコキシ基、シリル基、スル
    フィド基、スタンニル基、セレニド基から選ばれる1価
    の配位子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP0795542A1 (en) * 1995-06-29 1997-09-17 Mitsui Petrochemical Industries, Ltd. Process for the production of acrylonitrile dimers
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