JPH08245530A - 光学活性t−ロイシノールの製造方法、4−t−ブチル−2−オキサゾリジノン、オキサゾリン、二環式ラクタム、メルカプトフェニルオキサゾリン、ビスオキサコリンまたはビス(オキサゾリニル)ピリジンの製造方法、医薬または植物保護における有効物質の非対称的合成法および製造方法、および新規化合物 - Google Patents

光学活性t−ロイシノールの製造方法、4−t−ブチル−2−オキサゾリジノン、オキサゾリン、二環式ラクタム、メルカプトフェニルオキサゾリン、ビスオキサコリンまたはビス(オキサゾリニル)ピリジンの製造方法、医薬または植物保護における有効物質の非対称的合成法および製造方法、および新規化合物

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JPH08245530A
JPH08245530A JP8033680A JP3368096A JPH08245530A JP H08245530 A JPH08245530 A JP H08245530A JP 8033680 A JP8033680 A JP 8033680A JP 3368096 A JP3368096 A JP 3368096A JP H08245530 A JPH08245530 A JP H08245530A
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leucine
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JP8033680A
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Karlheinz Drauz
ドラウツ カールハインツ
Wilfried Jahn
ヤーン ヴィルフリート
Michael Schwarm
シュヴァルム ミヒャエル
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Publication date
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C213/00Preparation of compounds containing amino and hydroxy, amino and etherified hydroxy or amino and esterified hydroxy groups bound to the same carbon skeleton
    • C07C213/10Separation; Purification; Stabilisation; Use of additives

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  • Organic Chemistry (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 光学活性t−ロイシノールの新規製造方法お
よび該化合物の用途を提供する。 【解決手段】 ラセミ体の(RS)−t−ロイシノール
を光学活性酸と反応させてジアステレオマー塩対に転化
させ、次いで該塩対を分別結晶しかつそれから光学活性
t−ロイシノールを光学活性酸の分離により遊離させ、
場合により塊状で単離することにより、式I: 【化1】 [式中、*はキラル中心を表わす]の光学活性t−ロイ
シノールを製造する方法において、光学活性酸として一
般式VIII: 【化2】 [式中、Rは明細書中に記載のものを表わし、かつ*は
前記のものを表わす]のN−アシル化t−ロイシンを使
用する。 【効果】 前記光学活性t−ロイシノールおよびその誘
導体が容易、確実、廉価にかつ高いエナンチオマー純度
で、しかも(R)−および(S)−配位で得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ラセミ体の(R
S)−t−ロイシノールを光学活性酸と反応させること
によりジアステレオマー塩対に転化させ、次いでこれを
分別結晶しかつそれから光学活性t−ロイシノールを光
学活性酸の分離により遊離させ、場合により塊状で単離
することによる式(I):
【0002】
【化3】
【0003】[式中、*はキラル中心を表わす]の光学
活性t−ロイシノールの製造方法、およびその誘導体の
製造のための使用に関する。
【0004】
【従来の技術】光学活性t−ロイシノールおよびその誘
導体は非対称的合成法において広範な用途がある。その
際前掌性前段で、高いジアステレオマーまたはエナンチ
オマー選択性を有する光学活性t−ロイシノール誘導体
の存在で進行する反応を行う、というのは立体的に特に
要求の多いt−ブチル基は前掌性分子または分子群で進
行する反応に重大な影響を及ぼすからである。例えばそ
れぞれ数多くの非対称的反応を行うことができる誘導体
の例としては、4−t−ブチル−2−オキサゾリジノン
(式II)(D.A.Evans、K.T.Chapm
an、J.Bisaha、J.Am.Chem.So
c.1988、110、1238)、オキサゾリン(式
III)(A.N.Hulme、A.I.Meyer
s、J.Org.Chem.1994、59、952)
および二環式ラクタム(式IV)(D.Romo、A.
I.Meyers、J.Org.Chem.1992、
57、6265)
【0005】
【化4】
【0006】またはキラル触媒の製造のためのリガンド
例えばメルカプトフェニルオキサゾリン(式V)(Q.
−L.Zhou、A.Pfaltz、Tetrahed
ron Lett.1993、34、7725)、ビス
オキサゾリン(式VI)(D.A.Evans、S.
J.Miller、T.Lectka、J.Am.Ch
em.Soc.1993、115、6460)またはビ
ス(オキサゾリニル)ピリジン(式VII)(H.Ni
shiyama、H.Sakaguchi、T.Nak
amura、M.Morihata、M.Kondo、
K.Itoh、Organometallics198
9、8、846)である。
【0007】
【化5】
【0008】例えばペプチド類構造を有していてもよい
医薬効果ある物質への光学活性t−ロイシノールまたは
その誘導体の導入も、同様に考えられる。
【0009】上述の目的のために光学活性t−ロイシノ
ールの使用を制約する他の問題の1つは今まで一部入手
困難なことである。従来は光学活性t−ロイシノールは
相応する光学活性t−ロイシンをアミノ酸の還元のため
に入手できる反応剤の1種で還元することにより製造さ
れた(H.Nishiyama、H.Sakaguch
i、T.Nakamura、M.Morihata、
M.Kondo、K.Itoh、Organometa
lli cs1989、8、846;A.Abiko、
S.Masamune、Tetrahedron Le
tte.1992、33、5517;M.J.Mcke
nnon、A.I.Mejers、K.Draez、
M.Schwarm、J.Org.Chem.199
3、58、3568)。しかしこのことは、そのつどの
t−ロイシンが光学的に純粋な形で使用できることが前
提である。
【0010】(S)−t−ロイシンは酵素によりアミノ
交換反応(ヨーロッパ特許公開第0248357号明細
書)または特にトリメチルピロブドウ酸(A.S.Bo
mmarius、K.Drauz、W.Hummel、
M.−R.Kula、C.Mandrey、Bioca
talysis 1994、10、37;U.Krag
l、D.Vasic−Raki、C.Wandrey、
Chem.Ing.Tech.1992、64、49
9)の還元的アミノ化を経て工業的量でも問題なく得ら
れる。それに反して(R)−t−ロイシンは費用のかか
る化学的または酵素によるラセミ体分離を介して得られ
るにすぎない(J.Viret、H.Patzelt、
A.Collet、Tetrahedron Let
t.1986、27、5865およびその引用文献)、
特にまた純ラセミ体の(RS)−t−ロイシンも比較的
大きな費用を伴う(F.Knoop、G.Lendma
nn、Z.Physiol.Chem.1914、8
9、157)。
【0011】さらに、入手可能な限りにおいて、ラセミ
化合物はその分離のために異なる溶剤中で光学活性酸と
反応させ、こうしてジアステレオマー対塩を製造しかつ
これを分別結晶により分離することは業界では基本的に
公知である。またこの方法が一般に公知であるとして
も、しかし、たとえ大体でも、また然りとしても、どの
酸で結晶塩が得られるかかつラセミ混合物のどのエナン
チオマーと酸のどのエナンチオマーとが塩として分離で
きるかの具体的な場合に対しては予測することができな
い。その上光学活性酸がコストの理由から容易に入手で
きかつできるかぎり良くサイクルできなくてはならな
い。この第2の点は加えてエコロジー的理由から特に重
要である、というのはさもないときはかなりの量の廃棄
物が生じるからである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の課題
は、光学活性t−ロイシノールを高い収率でエナンチオ
マーに関してより高い光学純度で製造することができ、
しかもそのために、特にまたこれまで入手困難であった
(R)−t−ロイシノールおよびその誘導体への入口を
も開くために、光学活性t−ロイシンを前段として還元
する必要もない、冒頭に記載した方式の方法を提供する
ことであった。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記課題ならびに詳細に
は挙げなかった別の課題は、請求項1記載の方法により
解決される。請求項1に従属する方法請求項は有利な実
施態様である。
【0014】有利な使用は相応するカテゴリーの請求項
で記載される。
【0015】さらに本発明の方法において生成物または
中間生成物として得られる新規物質は請求項19の対象
である。
【0016】光学活性酸として一般式VIII:
【0017】
【化6】
【0018】[式中、Rは水素または場合によりヘテロ
原子で置換されたまたはヘテロ原子を含有していてもよ
い20個までの炭素原子を有するアルキル基、アリール
アルキル基またはアリール基であってもよくかつ*はキ
ラル中心を表わす]のN−アクリル化−t−ロイシンを
使用することにより光学活性(t)−ロイシノールおよ
びその誘導体をもはや容易に、確実に、廉価にかつ高い
エナンチオマー純度で、しかも(R)−および(S)−
配位で入手することができる。
【0019】上述の理由で、原理的に公知の方法に従い
(R)−または(S)−t−ロイシンとエステル、酸無
水物または酸塩化物との反応により容易に良好な収率で
製造することのできる(R)−または(S)−t−ロイ
シンの光学活性N−アシリル化誘導体はt−ロイシノー
ルと、両エナンチオマーの1つが程度の差こそあれ富化
された塩を生成することは全く予測または期待すること
はできなかったことである。本発明において成功裡に使
用できる式VIIIの化合物には例えばN−ホルミル−
t−ロイシン、N−ベンゾイル−t−ロイシンおよびN
−(2−ナフトイル)−t−ロイシンがある。この場
合、特に本発明による方法のために有利であるのは特に
(S)−エナンチオマーである。
【0020】本発明による有利な実施態様では光学活性
酸として光学活性N−ホルミル−t−ロイシンを使用す
る。
【0021】こうしてN−ホルミル−(S)−t−ロイ
シンでイソプロパノールから45%の収率で93.9:
6.1のR/S−t−ロイシノール比を有する塩を単離
した。再結晶で純度98.6:1.4に良くなった。
【0022】有利には本発明の範囲内で光学活性t−ロ
イシン誘導体、有利には、窒素で大量のアロイル基で保
護された(S)−t−ロイシン誘導体は(RS)−t−
ロイシノールと反応した場合、光学活性形が多量である
塩を形成した。(S)−t−ロイシン誘導体を使用した
場合には、この試験の例では(R)−t−ロイシノール
が多量であった。
【0023】特に全く有利には(RS)−t−ロイシノ
ールのラセミ体分離はN−(2−ナフトイル)−(R)
−または−(S)−t−ロイシンで行うことができる。
【0024】従って本発明による方法では、ラセミ(R
S)−t−ロイシノールを光学活性酸と反応させること
によりエナンチオマーに分離する、その際該エナンチオ
マーはまず光学活性酸との塩の形で得られる。これらの
塩から原理的に公知の方法で光学活性−t−ロイシノー
ル(式I)を遊離させ、これを純粋な形に単離するかま
たはその場でさらに他の誘導体、例えば上述の化合物I
I−VIIに転化させることもできる。両エナンチオマ
ー、(S)−もまた特にこれまで極めて入手困難とされ
た(R)−t−ロイシノール、ならびにその誘導体はこ
の方法により容易かつ高い光学的純度で入手できる。
【0025】ラセミ体の(RS)−t−ロイシノールと
一般式VIIIの化合物との反応は有利には有機溶剤中
で行う。このためには基本的には当業界では周知のラセ
ミ体分離に利用される溶剤、例えばアルコール、エステ
ル、エーテル、ケトンまたは炭化水素が考えられる。特
に有利であるのは1〜6個のC−原子を有するアルコー
ル、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イ
ソプロパノール、n−ブタノールまたはイソブタノール
である。イソプロパノールの使用は特に全く有利である
ことが実証された。
【0026】その際有利には、ラセミ体の(RS)−t
−ロイシノールを光学活性酸の誘導体と一緒に溶剤中で
加熱して溶解する、その際ラセミ体のアミノアルコール
に対し、有利には光学活性酸0.5等量だけ使用するよ
うに行う。引き続いて撹拌しながら冷却する、その際ジ
アステレオマー塩対の塩が先づ始めに晶出し、t−ロイ
シノールの他方のエナンチオマーは母液中に富化されて
残留する。
【0027】原則的には所望の光学活性t−ロイシノー
ルは晶出した塩から当業界に周知の方法で単離すること
ができる。本発明の有利な実施態様においては光学活性
t−ロイシノールを光学活性酸との塩から、該塩を強酸
の水溶液と反応させ光学活性酸を濾別または有機溶剤で
抽出して回収し、その後で該水溶液を塩基性となし、該
光学活性t−ロイシノールを有機溶剤で抽出し、かつ場
合により濃縮、蒸留、クロマトグラフィーまたは酸性塩
の再結晶により単離しさらに精製して分離する。
【0028】従ってこのため強酸、例えば塩酸または硫
酸を添加することにより、光学活性酸を塩から遊離させ
かつ適当に分離する、一方該光学活性t−ロイシノール
は光学活性酸の分離の後引き続いて塩基性にした水溶液
から適当な方法で単離する。こうすることによって有利
にまた光学活性酸も回収される。
【0029】光学活性t−ロイシノールのための抽出剤
としては本発明では芳香族炭化水素が有利である。この
ためには特に、トルエン、キシレンおよびクメンが挙げ
られる。特に有利であるのはトルエンである。しかし他
の水と混和しない有機溶剤も同様に使用することができ
る。
【0030】本発明の範囲内で、上述の方法で得られる
光学活性t−ロイシノール化合物に対する光学対掌体を
特に結晶の母液から有利に得ることができる。該母液は
一方のエナンチオマーの塩の分離によってこのものは著
しく減少するので、母液中に残留しかつ回収しやすい他
のエナンチオマーのt−ロイシノールは著しく富化され
ている。回収したt−ロイシノールから、このエナンチ
オマーを適当な光学活性酸との反応により特に高い光学
純度で手に入れることができる。
【0031】例えば本発明においてはラセミ体分離を全
く有利にN−(2−ナフトイル)−(S)−t−ロイシ
ンで溶剤、有利にはアルコール、特に有利にはイソプロ
パノール中で反応させることにより、行うことができ
る。そのためには該ラセミ(RS)−t−ロイシノール
ならびに該N−(2−ナフトイル)−(S)−t−ロイ
シンをアルコール中で加熱して溶解する。引き続いて撹
拌しながらコントロールして冷却する、その際(R)−
t−ロイシノールおよびN−(2−ナフトイル)−
(S)−t−ロイシンからなる塩が晶出する。再結晶後
の収率は有利な本発明による実施態様ではR/S−t−
ロイシノール比98.7:1.3で例えば70%であっ
た。次いで、このラセミ体分離の母液から濃縮し、水性
酸に取り、N−(2−ナフトイル)−(S)−t−ロイ
シンの濾別、濾液のアルカリ性化および有機溶剤での抽
出により、こうして(S)−エナンチオマーが著しく富
化されているt−ロイシノールを単離することができ
た。これを温めてイソプロパノールに溶解し、それと
(S)−マンデル酸と反応させれば、冷却の際(S)−
t−ロイシノールおよび(S)−マンデル酸からなる塩
が析出し、該塩は模範的実験で2回の再結晶の後1.
0:99.0のR/S比を示した。その収率は、初期の
ラセミ体の(RS)−t−ロイシノール内に存在する
(S)−t−ロイシノールに対し、常になお63%であ
った。
【0032】このようにしてラセミ体の(RS)−t−
ロイシノールから、特に高い光学的純度を有する、
(S)−t−ロイシノールと、特に従来得るのが困難で
あった(R)−t−ロイシノールの塩を得ることができ
る。すでに述べたように、必要であれば、これからアミ
ノアルコールを遊離した形で単離することができる。こ
の単離は常法で、該塩を水に懸濁させるかまたは溶解
し、この混合物に強酸を混合し、光学活性酸を遊離さ
せ、次いで該酸を晶出または抽出するようにして行うこ
とができる。その際例えばN−(2−ナフトイル)−
(S)−t−ロイシンは結晶により99%の収率で回収
される。このことはラセミ体分離のためにこの化合物の
有利な適性を強調するものである。次いで水相をアルカ
リ性にし、それから光学活性t−ロイシノールを有機溶
剤で抽出し、かつ場合により蒸留によりさらに精製す
る。こうして(R)−t−ロイシノールを、ラセミ体の
(RS)−t−ロイシノールに対して55%の収率で、
および、N−(2−ナフトイル)−(S)−t−ロイシ
ンとの塩に対して78%単離した。その際98.7:
1.3を有するR/S−t−ロイシノール比は正確に塩
のために確認した値と一致した。該生成物の旋光値は−
38.1°(c=2、EtOH)で、しかも(S)−t
−ロイシノールに関する文献に示された値を越えていた
[+37.24°(c=1.02、EtOH)(Nis
hiyama、Sakaguchi、Nakamur
a、Morihata、Kondo、Itoh、198
9;+37°(c=1、EtOH)(Mckenno
n、Meyers、Drauy、Schwarm、19
93)]。その際付号はもちろん逆である。
【0033】この方法を以下にもう1度図示化して示
す:
【0034】
【化7】
【0035】2−Nap−(S)−Tle=N−(2−
ナフトイル)−(S)−t−ロイシン (S)−MS=(S)−マンデル酸 ECF=エチルクロロホルミエート 出発物質として必要とするラセミ体の(RS)−t−ロ
イシノールは原理的にはアミノ酸の還元のために公知の
方法により(RS)−t−ロイシンの還元により製造す
ることができる。しかし意外にも、(RS)−t−ロイ
シノールはまた問題なく良好な収率で容易に入手しやす
いトリメチルピロブドウ酸のオキシムの還元により得ら
れることを見出した。この方法は公知の、極めて簡単な
方法で(Kmoop、Londmann、1914)ト
リメチルピロブドウ酸またはその塩とヒドロキシルアミ
ン−ヒドロクロリドとの水中での反応により製造し、直
接良好な収率および高い純度でその反応溶液から結晶さ
せることができるが、一方上記引用文献にはなお費用の
かかる抽出処理が記載されている。
【0036】トリメチルピロブドウ酸のオキシムの還元
は本発明によればアルカリ金属硼水素化物、例えば硼水
素化リチウムまたは硼水素化ナトリウム、有利には廉価
な硼水素化ナトリウム、および活性剤例えば塩酸または
硫酸を用いて溶剤、有利にはエーテル、特に1,2−ジ
メトキシエタンまたはテトラヒドロフラン中で行う。こ
れらの反応剤はアミノ酸の還元のためにすでに公知であ
る(Abiko、Masamune1992;Moke
nnon、Meyers、Drauy、Schvar
m、1993)。有利には、それらはまたトリメチルピ
ロブドウ酸オキシムの(RS)−t−ロイシノールへの
還元のためにも極めて良く適していることが判明した。
その際該反応は原理的に約−20℃から使用溶剤の沸と
う温度までの広範な温度で、しかし有利には、反応剤を
例えば室温で、場合により冷却しながら一緒に加え、次
いでその反応を例えば75℃までの温度に加温すること
によって完全にする。このことは特に、該還元作用する
薬剤は明らかにその場に生じたジボランである(Abi
ko、Masamune、1992)、しかし一方で
(H.Feuer、D.M.Braunstein、
J.Org.Chem.1969、34、1817)オ
キシムはジボランにより105〜110℃の高温でジグ
リム−THF中で初めて相当するアミンに還元すること
ができるが、該条件下では反応は観察されないかまたは
ヒドロキシルアミンへの還元だけが観測されることが立
証されているが故に意想外であった。それに比べてトリ
メチルピロブドウ酸オキシムの(RS)−t−ロイシノ
ールへの本発明による還元のためには、このような高温
および高価でその上後処理を困難にする溶剤ジグリムの
使用を放棄することができる。実施例の実験で、こうし
て蒸留の後(RS)−t−ロイシノール71%を得た。
【0037】次いで本発明により単離した光学活性t−
ロイシノールから常法で上述の化合物II〜VIIまた
は光学活性t−ロイシノールの別の誘導体を製造するこ
とができる。
【0038】しかしまた、光学活性酸との光学活性t−
ロイシノールの塩から直接、該光学活性t−ロイシノー
ルを塊状で単離する必要なく、化合物II〜VIIの1
つまたは光学活性t−ロイシノールの別の誘導体を製造
することも可能である。こうして例えば(R)−t−ロ
イシノールおよびN−(2−ナフトイル)−(S)−t
−ロイシンの塩から直接オキサゾリジノンIIの(R)
−異性体を製造することができ、このことは同時に従来
入手困難であったIIのこのエナンチオマーの製造のた
めに本発明によるラセミ体分離で得られる(R)−t−
ロイシノールの有利な使用可能性を明らかにするもので
ある。
【0039】模範的例として(R)−IIの合成は次の
ようにして実地した。先づ始めに上述に従い抽出により
有機溶剤中のアミノアルコールの溶液を製造した。その
ためには原理的には、水と2相系を生成し、その中で光
学活性t−ロイシノールが場合により高温で溶解する、
すべての有機溶剤、例えばエーテル、エステル、塩素化
炭化水素または芳香族、脂環式または脂肪族炭化水素が
適する。溶剤を交換することなくアミノアルコールの後
続のアシリル化およびオキサゾリジノンへの環化を行う
ことができるもの、例えば芳香族炭化水素が有利であ
る。特に有利であるのはトルエンである。今や、有機溶
剤中に溶解したアミノアルコールを原理的に公知方法で
ホスゲンまたはホスゲン誘導体例えばクロロギ酸エステ
ルまたはジアルキルカーボネートで窒素でアシル化す
る、その際場合により苛性ソーダ溶液の添加によりpH
値を6〜12、有利には7〜8.5の範囲に保つ。アシ
ル化剤としては特にクロロギ酸エステルが有利である、
というのはこれらは扱いが容易でかつ廉価であるからで
ある。次いでN−アシル化光学活性t−ロイシノール
を、場合により塩基を添加しかつ場合により高温で、光
学活性オキサゾリジノンIIに環化する。塩基としては
廉価な水酸化ナトリウムが有利であるが、また他の無機
または有機塩基も可能である。該反応は有利には室温か
ら使用溶剤の沸とう温度までの範囲で行う。模範的実験
では所望の(R)−4−t−ブチル−2−オキサゾリジ
ノン[(R)−II]を80%の収率で単離した。+1
8.8°(c=1、EtOH)の旋光度はその値によれ
ば正確に比較のため(S)−t−ロイシンから還元、ア
シリル化および環化により製造した(S)ーエナンチオ
マーのサンプルの値(−18.8°、c=1、EtO
H)に相応した。該R/S比は本発明により製造された
(R)−IIに関しては>99.0:<1.0であっ
た、すなわち、(S)−エナンチオマーの成分は明らか
に検出限界未満であった。従って(R)−IIの結晶に
より付加的精製が行われるので、生成物における偽のエ
ナンチオマーの成分はエダクト((S)−t−ロイシノ
ール1.3%)に比較してさらにもう一段と明らかに減
少した。
【0040】総括すれば本発明による方法は光学活性t
−ロイシノールおよびその誘導体への新規、特に簡単な
戸口を開く、その際有利には特に従来製造が困難とされ
ていた(R)−t−ロイシノールおよびその誘導体が容
易に得られる。
【0041】
【実施例】次に本発明を実施例により詳細に説明する。
【0042】例1:トリメチルピロブドウ酸オキシムの
製造 93.5%のトリメチルピロブドウ酸ナトリウム塩16
3g(1モル)およびヒドロキルアミンヒドロクロリド
69.5g(1モル)を40℃で水450ml中に溶解
した。撹拌しながら緩やかに冷却した際生成物が晶出し
た。氷浴で1.5hの撹拌の後その結晶を濾別し、15
0mlの氷水で洗浄し、先づ始めに真空で60℃で前乾
燥し、次いで真空乾燥機で五酸化燐を介し一定重量まで
再乾燥した。
【0043】こうしてトリメチルピロブドウ酸オキシム
117.8g(収率81%)を無色結晶の形で得た。
【0044】融点範囲:120〜122℃(分解)[文
献:121℃ cKnoop、Landmann、19
14] C611NO3 計算値 C49.64 H7.64 N9.65 (145.16) 測定値 C49.75 H7.89 N9.71 例2:(RS)−t−ロイシノールの製造 先づ始めに撹拌しながら最高15℃で1,2−ジメトキ
シエタン(DME)480mlに濃硫酸120ml
(2.25モル)を滴加した。
【0045】DME150ml中硼水素化ナトリウム1
71g(4.5モル)の撹拌した懸濁液に10〜30℃
で少量づつトリメチルピロブドウ酸オキシム218g
(1.5モル)を加えた、その際激しいガス発生が始っ
た。引き続いて氷で冷却しながら2.5h以内に硫酸−
DME溶液を滴加した、その際温度は10℃から40℃
におよび冷却装置を排除した後は55℃に上昇した。そ
の後に70℃に加熱し、冷却して室温で2日間沈殿させ
た。
【0046】過剰の硼水素化物を分解させるために先づ
始めに20〜55℃でメタノール200ml、次いで水
100mlを滴加したが、その際温度は60℃まで上昇
した。全加水分解過程の間激しいガス発生を観測した。
引き続いて真空中で薄いスラリーに蒸発させ、さらに氷
水500mlの添加後有機溶剤混合物を分留した。さら
に水600mlの添加の後25℃で濃塩酸200mlを
滴加したが、その際温度は35℃に上昇し新たに激しい
ガス発生が始った。
【0047】再撹拌15分の後該懸濁液をトルエン15
00mlと混合し、50%の苛性ソーダ溶液300ml
でアルカリ性とした。その際55℃に上昇した温度はさ
らに70℃に上昇し、その後でトルエン相を分離した。
水相をなお2回それぞれトルエン1lで70℃で抽出し
た。一緒にしたトルエン相をその後でセライト(Cel
ite)処理し、濾過し、真空回転乾燥したが、その際
黄色油158gを得た、これを冷処で結晶させた。蒸留
で(RS)−t−ロイシノールを無色液体として12
5.1g(収率71%)を得たが、これは室温で固化し
た。1H−NMRスペクトルは提示した構造をなしてい
た。
【0048】沸点範囲:86〜95℃/13ミリバール 融点範囲:34〜35℃ C615NO 計算値 C61.49 H12.90 N11.95 (117.19) 測定値 C61.10 H13.15 N11.88 例3:N−(2−ナフトイル)−(S)−t−ロイシン
の製造 水1600ml中(S)−t−ロイシン110g(0.
834モル)の溶液に撹拌しながら5分以内にTHF2
00ml中2−ナフトイルクロリド152.4g(0.
80モル)の溶液を加えた、その際pH値は5M苛性ソ
ーダ溶液の同時添加(全約330ml)で7.1〜7.
6に保持した。温度は始め28℃から22℃に低下し、
該バッチを、pH値がもはや変化しないまで計1.5h
撹拌した。引き続いて該THFを回転蒸発機で留去し、
生じた薄い結晶懸濁液を1h10℃で撹拌し、次いで晶
出した副生成物を分離するため濾過した(乾燥後15.
4g)。
【0049】次いで濾液を1/2濃度の塩酸でpH2.
0にし、その後で微細な結晶の反応生成物が析出した。
濃い懸濁液を氷を加えて約10℃に温度を調節し、なお
30分撹拌し濾過した。水で洗浄し、50℃で真空乾燥
した後固体204gを単離したが、該固体はDC分析
(ジエチル/メタノール=10/2)によればなお副生
成物を含有していた。それ故該生成物をトルエン250
0mlおよび再度トルエン3000mlから再結晶させ
た、その上で50℃で真空乾燥した後N−(2−ナフト
イル)−(S)−t−ロイシン169.4g(収率74
%)を無色結晶の形で単離した。薄膜クロマトグラフィ
ーによれば該生成物はもはや均一で、その構造は1H−
NMR−スペクトルにより確認された。分析の結果は、
こうして得られた生成物はなお水3.12%含有してい
たことを示した。次いで激しい乾燥(例6参照)により
該化合物は水分なしで得、次いで分析で特徴付けするこ
とができた。
【0050】例4:(RS)−t−ロイシノールのN−
(2−ナフトイル)−(S)−t−ロイシンとの反応 (RS)−t−ロイシノール175.8g(1.5モ
ル)およびN−(2−ナフトイル)−(S)−t−ロイ
シン214.0g(0.75モル)をイソプロパノール
4500mlに53℃で溶解した。こうしてこの温度で
自然に若干の結晶が再び生成した。緩やかに撹拌しなが
ら6h以内に53℃から39℃に、次いで24℃で夜ど
うしおよび次いで氷/水浴で15℃に冷却した。析出し
た結晶を分別し、イソプロパノール4×150mlで洗
浄した。乾燥後生成物218.3gを得た。 R/S−
t−ルシノール比:93.7R:6.3S(GC、Li
podexE で確認) 母液を2000mlに濃縮し、45℃に加温し、40℃
で若干の生成物で接種した。該バッチを夜どうし撹拌し
ながら室温に、次いで氷/水浴で15℃に冷却し、さら
に4h撹拌した。結晶の濾過、イソプロパノールでの洗
浄および乾燥の後さらに生成物21.9gを単離した。
【0051】R/S−t−ロイシノール比:88.5
R:11.5S(GC、LipodexEで確認) 両バッチを一緒にしイソプロパノール4000mlに8
2℃で溶解した。78℃で接種した後緩やかに結晶化が
始った。該バッチを撹拌しながら室温で夜どうしおよび
再び氷/水浴で15℃に冷却した。この温度で4h撹拌
後結晶を濾別し、4つに分けて総じて300mlの15
℃の冷いイソプロパノールで洗浄した。真空中50℃で
乾燥の後(R)−t−ロイシノールおよびN−(2−ナ
フトイル)−(S)−t−ロイシンからなる塩210.
6g(収率70%)を得た。1H−NMR−およびIR
スペクトルは生成物の構造と一致していた。
【0052】融点範囲:184〜189℃ [α]20 D:+41.6°(c=1、MeOH) R/S−t−ロイシノール比:98.7(R):1.3
S(GC、PodexEで確認) C233424 計算値 C68.63 H8.49 N6.96 (402.52) 測定値 C68.48 H8.75 N7.00 例5:富化した(S)−t−ロイシノールの(S)−マ
ンデル酸との反応 例4からの分別結晶の母液を真空中で油蒸発させて油状
物にした。水500ml中に取った後残留するイソプロ
パノールを留去し、500gに濃縮した。55℃に加温
の後6Nの塩酸でpH5.5にし、若干のN−(2−ナ
フトイル)−(S)−t−ロイシンで接種し、かつ55
℃でさらに6Nの塩酸を加えてpHを1.8にした。次
いで撹拌しながら18℃に冷却し、pH1.35で濾過
した。結晶を水で洗浄し、75℃で真空乾燥した。こう
してNMR分光分析によれば純粋な(2−ナフトイル)
−(S)−t−ロイシン34.0gを単離した。
【0053】該濾液を苛性ソーダ溶液でpH7.0に
し、220gに濃縮した。50%の苛性ソーダ溶液45
mlでpH13に調整し、トルエン300mlの添加後
50〜55℃に加温し、水相を分離し、55℃でもう1
度トルエン300mlで抽出した。一緒にした有機相を
蒸発濃縮して、粗製の薄黄色のt−ロイシノール98.
2g(0.82モル)を得た、該粗製造は(S)−エナ
ンチオマーで強度に富化されていた。
【0054】その粗製アミノアルコールをイソプロパノ
ール3000mlに溶解し、濾過し、60℃に加温し
た。(S)−マンデル酸114g(0.75モル)の添
加後磨砕することにより最初結晶が生じた。その後で撹
拌しながら緩やかに冷却し、15℃で4h撹拌し、濾過
した。15℃でイソプロパノール400mlで洗浄し、
真空中で50℃で結晶を乾燥した後生成物157gを単
離した。
【0055】R/S−t−ロイシノール比:7.7R:
92.3S(GC、LipodexEで確認) 該生成物を再結晶のためイソプロパノール1560ml
に熱時に溶解した。76℃で最初の結晶が生じた後撹拌
しながら緩やかに冷却し、15℃で4h撹拌し、濾過
し、該生成物を15℃でイソプロパノール300lで洗
浄し、上記のように乾燥した。こうして140.0gを
単離した。
【0056】R/S−t−ロイシノール比:3.3R:
96.7S(GC、LipodexEで確認) 同じ方式によりイソプロパノール1500mlから再度
再結晶し、(S)−t−ロイシノールおよび(S)マン
デル酸からなる塩127.3g(収率63%)を無色の
結晶の形で得た。1H−NMRおよびIR−スペクトル
は本生成物の構造と一致していた。
【0057】融点範囲:152〜157℃ [α]20 D:+72.6°(c=1、MeOH) R/S−t−ロイシノール比:1.0R:99.0S
(GC、LipodexEで確認) C1423NO4 計算値 C62.43 H8.61 N5.20 (269.34) 測定値 C62.62 H8.87 N5.25 例6:(R)−t−ロイシノールの単離 (R)−t−ロイシノールおよびN−(2−ナフトイ
ル)−(S)−t−ロイシンからの塩201.3g
(0.5モル)を水1300mlに懸濁させた。37%
の塩酸50mlを1滴づつ加えた。引き続いて50℃に
加温し、その際pH値1.65が生じた。pH値が15
分間一定になるまで撹拌し、次いで5℃に冷却し、その
際pH値1.05が生じた。30分の撹拌後結晶を濾別
し、氷水約1lで洗浄した。真空中80℃で乾燥した後
N−(2−ナフトイル)−(S)−t−ロイシン14
1.5g(収率99%)を再単離した。該生成物は1
−NMR分光分析によれば不純物不含であった。
【0058】融点範囲:161〜162℃ [α]20 D:+39.7°(c=1、MeOH) C1719NO3 計算値 C71.56 H6.71 N4.91 (285.33) 測定値 C71.32 H6.79 N5.11 該濾液を10Mの苛性ソーダ溶液でpH7.5に調整
し、回転式蒸発機で146gに濃縮し、正確に2分し
た。一方の半分を(R)−4−t−ブチル−2−オキサ
ゾリジノンの製造のために使用し(例7参照)、他の半
分を遊離(R)−t−ロイシノールに後処理した。
【0059】上述の濾液73g((R)−t−ロイシノ
ール0.25モルを含有)をさらに60gに濃縮し、ト
ルエン100mlを添加した後10M苛性ソーダ液でp
H13.0に調整した。50℃に加温した後トルエン相
を分離し、水相を50℃で再度75mlのトルエンで抽
出した。一緒にした有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、
濾過した後濃縮して殆ど無色の油状24.2gを得た。
蒸留で(R)−t−ロイシノール22.9g((R)−
t−ロイシノールおよびN−(2−ナフトイル)−
(S)−t−ロイシンからなる使用した塩の半分に対し
て、収率78%)を無色の吸湿性油状物として得た。該
油状物は室温で凝固した。1H−NMR−スペクトルは
生成物の構造を立証した。
【0060】沸点範囲:89〜91℃/13ミリバール [α]20 D:−38.1°(c=2、EtOH) R/S−t−ロイシノール比:98.7R:1.3S
(GC、LipodexEで確認) C615NO 計算値 C61.49 H12.90 N11.95 (117.19) 測定値 C61.48 H13.64 N12.07 例7:(R)−4−t−ブチル−2−オキサゾリジノン 例6で挙げた濾液73g((R)−t−ロイシノール
0.25モルを含有)に水27mlおよびトルエン20
0mlを注いだ。引き続いて20〜25℃でクロロギ酸
エチルエステル25ml(0.26モル)を滴加し、そ
の際pH値を10M苛性ソーダ溶液の添加により7〜
8.5に保持した。引き続いてpH8.0で60〜65
℃に加温し、水相を分離した。トルエン相を水分離器で
弱い真空で脱水し、微細顆粒の水酸化ナトリウム0.4
gの添加後70℃で緩やかに加温した。70〜110℃
から総じて留出物40mlを分離したが、これは反応の
際生じたエタノールを含有していた。バッチを65℃に
冷却の後水10ml中の氷酢酸0.6mlの溶液を加
え、短時間撹拌し、水相を分離しかつトルエン相に再度
温水15mlを混合し、それを65℃で短時間撹拌後再
び分離した。水分離器で有機相の蒸留後これを120m
lに濃縮し、熱時に濾過し、撹拌しながら緩やかに冷却
した、その際生成物は無色の結晶で析出した。該結晶を
5℃で30分撹拌した後濾別し、冷いトルエンで洗浄
し、真空中50℃で乾燥した。その後で(R)−4−t
−ブチル−2−オキサゾリジノン28.6g(収率80
%)を得た。1H−NMRスペクトルは本生成物の構造
を立証した。
【0061】融点範囲:119〜120℃ [α]20 D:+18.8°(c=1、EtOH) R/S−4−t−ブチル−2−オキサゾリジノン比:>
99.0R:<1.0S(GC、L−chirasil
−Valで確認) C713NO2 計算値 C58.71 H9.15 N9.78 (143.19) 測定値 C59.04 H9.56 N10.05
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ミヒャエル シュヴァルム ドイツ連邦共和国 アルツェナウ イン デン ミュールゲルテン 21 (54)【発明の名称】 光学活性t−ロイシノールの製造方法、4−t−ブチル−2−オキサゾリジノン、オキサゾリ ン、二環式ラクタム、メルカプトフェニルオキサゾリン、ビスオキサコリンまたはビス(オキサ ゾリニル)ピリジンの製造方法、医薬または植物保護における有効物質の非対称的合成法および 製造方法、および新規化合物

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ラセミ体の(RS)−t−ロイシノール
    を光学活性酸と反応させてジアステレオマー塩対に転化
    させ、次いで該塩対を分別結晶しかつそれから光学活性
    t−ロイシノールを光学活性酸の分離により遊離させ、
    場合により塊状で単離することにより式(I): 【化1】 [式中、*はキラル中心を表わす]の光学活性t−ロイ
    シノールを製造する方法において、光学活性酸として一
    般式(VIII) 【化2】 [式中、Rは水素またはヘテロ原子で置換されたまたは
    ヘテロ原子を含有していてもよい20個までの炭素原子
    を有するアルキル基、アリールアルキル基またはアリー
    ル基であってもよくかつ*はキラル中心を表わす]のN
    −アシリル化t−ロイシノールを使用することを特徴と
    する光学活性t−ロイシノールの製造方法。
  2. 【請求項2】 光学活性酸として光学活性N−ホルミル
    −t−ロイシンを使用する請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 光学活性酸として光学活性N−(2−ナ
    フトイル)−t−ロイシンを使用する請求項1記載の方
    法。
  4. 【請求項4】 分別結晶のための溶剤として1〜6個の
    炭素原子を有するアルコールを使用する請求項1から3
    までのいずれか1項記載の方法。
  5. 【請求項5】 分別結晶のための溶剤としてイソプロパ
    ノールを使用する請求項4記載の方法。
  6. 【請求項6】 塩を強酸の水溶液と反応させ光学活性酸
    を濾別によるかまたは有機溶剤で抽出して回収し、その
    後で該水溶液を塩基性とし、該光学活性t−ロイシノー
    ルを有機溶剤で抽出し、場合により濃縮、蒸留、クロマ
    トグラフィーまたは酸性酸の再結晶により単離しさらに
    精製して、光学活性t−ロイシノールを光学活性酸を有
    する塩から分離する請求項1から5までのいずれか1項
    記載の方法。
  7. 【請求項7】 光学活性t−ロイシノールのための抽出
    剤として芳香族炭化水素を使用する請求項6記載の方
    法。
  8. 【請求項8】 芳香族炭化水素としてトルエンを使用す
    る請求項7記載の方法。
  9. 【請求項9】 ラセミ体の(RS)−t−ロイシノール
    をN−(2−ナフトイル)−(S)−t−ロイシンとC
    1〜C6−アルコール中で反応させ、(R)−t−ロイシ
    ノールおよびN−(2−ナフトイル)−(S)−t−ロ
    イシンからなる塩を、場合により複数の分量で、分離
    し、場合により再結晶してさらに精製し、分別結晶の母
    液を濃縮し、酸性水溶液に取り、沈殿したN−(2−ナ
    フトイル)−(S)−t−ロイシンを濾別し、該濾液を
    塩基性にし、今や主として(S)−鏡像異性体を含有す
    るt−ロイシノールを有機溶剤で抽出し、該抽出物を蒸
    発濃縮し、かつ低アルコールに取り、この溶液から
    (S)−マンデル酸との反応により(S)−t−ロイシ
    ノールおよび(S)−マンデル酸からなる塩を、場合に
    より複数の分量で、単離し場合により再結晶によりさら
    に精製する請求項1および3から8までのいずれか1項
    記載の方法。
  10. 【請求項10】 ラセミ体の(RS)−t−ロイシノー
    ルをトリメチルピロブドウ酸オキシムまたはこの物質の
    エステルの還元により製造する請求項1から9までのい
    ずれか1項記載の方法。
  11. 【請求項11】 還元剤として水素化硼素ナトリウムま
    たは水素化硼素リチウムを活性剤と共に使用する請求項
    10記載の方法。
  12. 【請求項12】 活性剤として塩化水素または硫酸を使
    用する請求項11記載の方法。
  13. 【請求項13】 反応をエーテル構造を有する溶剤中で
    行う請求項10から12までのいずれか1項記載の方
    法。
  14. 【請求項14】 反応を−20℃と使用し溶剤の沸とう
    温度の間で行う請求項13記載の方法。
  15. 【請求項15】 反応混合物を反応終了した後アルコー
    ル、水および場合により酸を添加することにより加水分
    解し、有機溶剤を分留し、次いで水性相をアルカリ性と
    し、ラセミ体の(RS)−t−ロイシノールをそれから
    有機溶剤で抽出し、濃縮後必要な場合は、蒸留、クロマ
    トグラフィーまたは塩の再結晶によりさらに精製する請
    求項10から14までのいずれか1項記載の方法。
  16. 【請求項16】 (RS)−t−ロイシノールの抽出の
    ため芳香族炭化水素を使用する請求項15記載の方法。
  17. 【請求項17】 請求項1から16までのいずれか1項
    記載の方法に基づき製造された光学活性t−ロイシノー
    ルまたは請求項1から16までのいずれか1項記載の方
    法に基づき製造された光学活性(t)−ロイシノール塩
    を使用することを特徴とする、4−t−ブチル−2−オ
    キサゾリジノン、オキサゾリン、二環式ラクタム、メル
    カプトフェニル、オキサゾリン、ビスオキサゾリンまた
    はビス(オキサゾリニル)ピリジンの製造方法。
  18. 【請求項18】 請求項1から16までのいずれか1項
    記載の方法に基づき製造された光学活性t−ロイシノー
    ルまたは請求項1から16までのいずれか1項記載の方
    法に基づき製造された光学活性t−ロイシノールの塩ま
    たは請求項17により得た光学活性t−ロイシノールの
    誘導体を使用することを特徴とする、医薬または植物保
    護における有効物質の非対称的合成法および製造方法。
  19. 【請求項19】 請求項1から16までのいずれか1項
    記載の方法に基づき生成物または中間生成物として得ら
    れる新規化合物:(RS)−t−ロイシノール、N−
    (2−ナフトイル)−(S)−t−ロイシン、(R)−
    t−ロイシノールおよびN−(2−ナフトイル)−
    (S)−t−ロイシン、(S)−t−ロイシノールおよ
    び(S)−マンデル酸からなる塩。
JP8033680A 1995-02-21 1996-02-21 光学活性t−ロイシノールの製造方法、4−t−ブチル−2−オキサゾリジノン、オキサゾリン、二環式ラクタム、メルカプトフェニルオキサゾリン、ビスオキサコリンまたはビス(オキサゾリニル)ピリジンの製造方法、医薬または植物保護における有効物質の非対称的合成法および製造方法、および新規化合物 Pending JPH08245530A (ja)

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WO2013058241A1 (ja) * 2011-10-18 2013-04-25 株式会社カネカ (r)-2-アミノ-2-エチルヘキサノールの製造法

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