JPH08245380A - 経皮吸収貼付剤 - Google Patents

経皮吸収貼付剤

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JPH08245380A
JPH08245380A JP5581695A JP5581695A JPH08245380A JP H08245380 A JPH08245380 A JP H08245380A JP 5581695 A JP5581695 A JP 5581695A JP 5581695 A JP5581695 A JP 5581695A JP H08245380 A JPH08245380 A JP H08245380A
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JP
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pressure
adhesive layer
meth
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JP5581695A
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Hiroshi Kuroda
広志 黒田
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 薬剤としてISDNを含有する経皮吸収貼付
剤において、ISDNの皮膚吸収性が優れる上に、粘着
性が良好で、かつ皮膚刺激性の少ない経皮吸収貼付剤を
提供する。 【構成】 支持体の一面に、薬物を含有する粘着剤層が
設けられた経皮吸収貼付剤であって、該粘着剤層が、
(a)アルキル基の炭素数が4〜18の(メタ)アクリ
ル酸アルキルエステル、アルキル基の炭素数が3以下の
(メタ)アクリル酸アルキルエステル及びN−ビニルピ
ロリドンからなり、かつ重量平均分子量が20万〜20
0万である共重合体、(b)硝酸イソソルビド、(c)
脂肪酸エステルならびに(d)無水珪酸からなる粘着剤
組成物より形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、経皮吸収貼付剤に関す
る。
【0002】
【従来の技術】硝酸イソソルビド(ISDN)はニトロ
グリセリン等と共に狭心症の発作をを緩解ないし予防す
るのに有効な薬物である。一般に薬物の経口投与の場合
には、胃又は腸内のpH値、内容物の有無等の状態によ
って薬物の吸収性が左右されるため、薬物の吸収量を常
に一定に保つことは困難であり、一定量の薬物を長時間
かけて徐々に投与することも難しい。ISDNの経口投
与においては、ISDN吸収量が一定しないため血中濃
度の持続期間が短くなり、夜間の発作を抑制又は阻止で
きないこともあった。
【0003】このような問題を解決するために薬剤を粘
着剤中に含有させて、この粘着剤層を皮膚に貼付するこ
とにより、薬剤を体内に持続的に投与する方法が知られ
ている。このような貼付剤は、例えば、特開昭57−1
16011号公報、特開昭59−199628号公報、
特開昭61−100520号公報、特開昭58−134
020号公報等に開示されている。しかしながら、上記
特許公報に開示された貼付剤は、貼付した状態を維持し
にくいか又は剥離時に剥がしにくいという問題点があっ
た。また、貼付した状態を維持できなければ、安定した
薬効を維持することができず、剥離時に剥がしにくい場
合は痛みが大きく皮膚刺激が強くなるという問題点があ
った。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記欠点に
鑑みてなされたものであって、その目的とするところ
は、薬剤としてISDNを含有する経皮吸収貼付剤にお
いて、ISDNの皮膚吸収性が優れる上に、粘着性が良
好で、かつ皮膚刺激性の少ない経皮吸収貼付剤を提供す
ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の経皮吸収貼付剤
は、支持体の一面に粘着剤層が形成されたものであり、
該粘着剤層は、共重合体(a)、硝酸イソソルビド(I
SDN)(b)、脂肪酸エステル(c)及び無水ケイ酸
(d)からなる粘着剤組成物より形成されている。
【0006】本発明において、上記共重合体(a)は粘
着剤として用いられるものであり、アルキル基の炭素数
が4〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、ア
ルキル基の炭素数が3以下の(メタ)アクリル酸アルキ
ルエステル及びN−ビニルピロリドンを構成成分とす
る。
【0007】上記アルキル基の炭素数が4〜18の(メ
タ)アクリル酸アルキルエステルとしては、ブチル(メ
タ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オ
クチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メ
タ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデ
シル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリ
レート、オクタデシル(メタ)アクリレート等が挙げら
れ、特に、これらの中で、アルキル基の炭素数が4〜8
のブチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、オクチ
ルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートは、
粘着性と薬物との相溶性の性能バランスがよいので好ま
しい。
【0008】上記共重合体(a)において、アルキル基
の炭素数が4〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエス
テルの割合は、少なくなると粘着性が低下して貼付剤の
貼付ができなくなり、多くなるとISDNの溶解性が低
下して高い薬物放出性が維持できなくなるので、25〜
50重量%に制限され、好ましくは30〜40重量%で
ある。
【0009】上記アルキル基の炭素数が3以下の(メ
タ)アクリル酸アルキルエステルしては、メチル(メ
タ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロ
ピル(メタ)アクリレート等が挙げられ、特に、これら
の中で、メチルアクリレート、エチルアクリレートが粘
着性と入手の容易なことから好ましい。
【0010】上記共重合体(a)において、アルキル基
の炭素数が3以下の(メタ)アクリル酸アルキルエステ
ルの割合は、少なくなるとISDNの溶解性が低下して
高い薬物放出性が維持できなくなり、多くなると粘着剤
層の粘着性が低下してISDNの投与ができなくなるの
で、20〜70重量%に制限され、好ましくは30〜6
0重量%である。
【0011】上記N−ビニルピロリドンは、粘着剤層に
凝集力を付与するために添加されるが、末端に酸性基が
存在しないので、ISDNと反応せず、皮膚を刺激する
可能性も少ない。上記共重合体(a)において、N−ビ
ニルピロリドンの割合は、少なくなると粘着剤層の凝集
力が低下して剥離時に糊残りが生じ、多くなると粘着性
が悪くなり粘着剤層の耐水性が低下するので、2〜40
重量%に制限され、好ましくは5〜30重量%である。
【0012】上記共重合体(a)において、アルキル基
の炭素数が4〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエス
テル、アルキル基の炭素数が3以下の(メタ)アクリル
酸アルキルエステル及びN−ビニルピロリドンの割合
を、上記範囲に設定することにより、極性が高くなるも
のの、粘着性及び耐水性が良好な粘着剤層が得られる。
【0013】上記共重合体(a)の重量平均分子量は、
小さくなると粘着剤層の粘着性が強くなって皮膚刺激が
高くなり、大きくなるとISDNや添加剤の混合が困難
となり、貼付性が悪くなるので、20万〜200万に制
限される。上記重量平均分子量の測定法としては、例え
ば、ゲル濾過法(GPC)が挙げられる。
【0014】上記ISDN(b)を、その飽和溶解度に
限りなく近い濃度で粘着剤層に相溶させ、結晶析出が起
こらないようにすることにより、高いISDN放出性が
得られる。但し、粘着剤層にISDNの結晶が析出して
いても使用可能である。尚、上記ISDN(b)の粘着
剤組成物における含有量は、0.5〜40重量%が好ま
しい。
【0015】上記脂肪酸エステル(c)のlogP値
(疎水性を示す値であり、式中、Pは、オクタノール/
水系における分配係数)は、小さくなっても大きくなっ
ても目的とする経皮吸収促進効果が低下するので、4〜
16に制限される。尚、上記logP値は、小さいと親
水性を示し、大きいと親油性を示すものであり、計算に
よって求められる(EUR.J.CHEM.-CHIMICA.THERAPEUTIC
A,JULY-AUGUST,1974-9,No4,p361-375参照) 。
【0016】上記logP値が4〜16の範囲にある値
脂肪酸エステル(c)としては、例えば、オクタン酸セ
チル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸イソプロピ
ル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、
ステアリン酸オクチル、ヒドロキシステアリン酸オクチ
ル、オレイン酸エチル、オレイン酸デシル、乳酸ミリス
チル等の一価アルコール脂肪酸エステル;アジピン酸ジ
オクチル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジオクチ
ル、コハク酸ジオクチル等の二塩基酸エステル;ジカプ
リン酸プロピレングリコール、トリオクタン酸グリセリ
ル、トリ(オクタン酸/デカン酸)グリセリル、中鎖脂
肪酸トリグリセリド等の多価アルコール脂肪酸エステル
などが挙げられ、これらの中で、特に、ミリスチン酸イ
ソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、セバシン酸ジ
エチル、中鎖脂肪酸トリグリセリドが用いられるとき、
その効果がより一層発現される。
【0017】上記粘着剤組成物における脂肪酸エステル
(c)の含有量は、少なくなるとISDNの高い放出性
が得られず、多くなると粘着剤層の凝集力が低下するの
で、10〜50重量%に制限され、好ましくは20〜4
0重量%である。
【0018】上記無水珪酸(d)としては、その表面が
水酸基で覆われて親水性を有する無定型二酸化珪素(S
iO2)n が挙げられる。親水性無水珪酸は、一次粒子の
粒径が5〜100nmの範囲にあり、一次粒子が緩く凝
集した二次粒子の状態で存在する。また、無水珪酸
(d)としては、すべて水酸基で覆われた親水性無水珪
酸の一部にアルコキシシランを結合させたり、親水性無
水珪酸をシリコンオイルで表面処理して疎水性を持たせ
た疎水性無水珪酸も使用可能である。本発明では、親水
性無水ケイ酸及び疎水性無水ケイ酸は、それぞれ単独で
用いられてもよく両者が併用されてもよい。
【0019】上記無水珪酸(d)の製造方法には、気相
法、液相法、ゲル化法があり、製造方法の選択によって
比容積や粒子径の異なるものが製造可能である。無水珪
酸(d)の比表面積は、高くなるほど粒子が凝集構造を
取り易くなり、粘着剤層の凝集力が高くなるので、10
0〜1,000m2 /g(BET法により測定)の範囲
が好ましい。
【0020】上記粘着剤組成物における脂肪酸エステル
(c)の含有量は、少くなくなると凝集力の向上効果が
小さく、多くなると粘着性が低下するので、1〜20重
量%が好ましく、より好ましくは5〜15重量%であ
る。
【0021】本発明で用いられる支持体としては、特に
限定されないが、薬物の不透過性と皮膚に追従できるた
めの柔軟性を有するものが好ましく、例えば、エチレン
−酢酸ビニル共重合体(以下EVAという)、エチレン
−メチルアクリレート共重合体(以下EMAという)、
ポリエチレンテレフタレ−ト(以下PETという)のよ
うなポリエステル、ナイロン−5のようなポリアミド、
ポリウレタン等の樹脂フィルムが挙げられ、これらは単
独で使用されても二種以上の積層体として使用されても
よい。また、支持体の粘着剤層側には、必要に応じて、
粘着剤との接着性を高めるために、コロナ処理、プラズ
マ処理等が施されてもよく、アンカーコート剤が塗布さ
れてもよい。
【0022】また、上記支持体としては、ポリエステル
製の不織布と上記樹脂フィルムの積層体であってもよ
い。このようなポリエステル製の不織布と樹脂フィルム
の積層体の厚さは、薄くなると薬物の不透過性能が低下
し、厚くなると皮膚に対する追従性が悪くなるので、2
〜10μmが好ましい。上記積層体の粘着剤層側には、
必要に応じて、粘着剤との接着性を高めるために、コロ
ナ処理、プラズマ処理等が施されてもよく、アンカーコ
ート剤が塗布されてもよい。
【0023】上記共重合体(a)は、例えば、所定量
の、アルキル基の炭素数が4〜18の(メタ)アクリル
酸アルキルエステル、アルキル基の炭素数が3以下の
(メタ)アクリル酸アルキルエステル、N−ビニルピロ
リドン、酢酸エチル又はその他の一般的な重合用溶媒、
重合触媒、さらに必要に応じて、多官能性モノマーを攪
拌装置と冷却還流装置を備えた反応器に入れ、窒素ガス
雰囲気のもとで80℃で8〜40時間ラジカル反応を行
うことにより、固形分濃度15〜70重量%の範囲で得
られる。上記各モノマー及び溶媒は、一括して添加して
もよく、適宜分割して添加してもよい。
【0024】上記重合触媒としては、2,2'-アゾビス
イソブチロニトリル(AIBN)、1,1'-アゾビス
(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2'-ア
ゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ
ビス系;過酸化ベンゾイル(BPO)、過酸化ラウロイ
ル(LPO)、ジターシャルブチルパーオキサイド等の
過酸化物系が好適に使用される。
【0025】上記共重合体(a)溶液に、ISDN
(b)、脂肪酸エステル(c)及び無水珪酸(d)を直
接、溶媒に溶かした溶液の状態又は溶媒に分散させた状
態で配合し、均一に混合することにより粘着剤組成物が
得られる。無水珪酸を溶液又は溶媒に分散させた状態で
配合すると均一な粘着剤組成物が得られ易く好ましい。
上記粘着剤組成物の混合は、大気中、窒素雰囲気下又は
減圧下で、ディゾルバー、ホモミキサー等で行われる。
【0026】本発明の経皮吸収貼付剤の製造には、従来
公知の粘着テ−プの製造方法が使用可能である。その代
表例は溶剤塗工法であり、その他ホットメルト塗工法、
エマルジョン塗工法等があげられる。溶剤塗工を行う場
合は、例えば、上記で得られた粘着剤組成物を支持体上
に所定の厚さで塗布、乾燥する方法、剥離紙上に所定の
厚さで塗布、乾燥した後、支持体上に転写する方法等が
好適に用いられる。この剥離紙は使用時まで貼付剤の粘
着剤層を保護するために用いられてもよい。
【0027】上記粘着剤層の厚みは、特に限定されるも
のではないが、薄くなると必要量の薬物を含有すること
ができず、厚くなると支持体近傍の粘着剤層に含有され
る薬物が有効に利用されなくなるので、30〜200μ
mが好ましい。
【0028】上記経皮吸収貼付剤は所定の形状に切断さ
れて包材中に収納、保管されるが、該包材としては酸素
を透過しないか、透過しにくい材料が好ましく、例え
ば、表面がポリエチレンテレフタレート又はポリエチレ
ンで被覆されたアルミ箔、ポリ塩化ビニリデンとポリ塩
化ビニルの積層フィルムが挙げられる。
【0029】
【作用】経皮吸収貼付剤において、薬剤の皮膚透過量
は、粘着剤層中での薬物の濃度と拡散速度、皮膚中での
薬物拡散速度及び両者間での分配によって決定される。
本発明の脂肪酸エステルと無水珪酸の吸収促進作用に及
ぼす機構は明らかではないが、薬剤の皮膚透過性を向上
させる効果を与えるものと考えられる。特に、特定の極
性をもつ脂肪酸エステルを使用することによって、薬物
の皮膚移行性が向上すると共に、粘着剤は比較的極性が
高いことから親水性無水珪酸により皮膚からの水分を吸
収し、粘着剤層から薬物の放出性を高めるものと考えら
れる。
【0030】また、一般に、粘着剤層に可塑剤効果のあ
る脂肪酸エステルを添加することによって、粘着剤層に
柔軟性を付与し、かつ支持体に柔軟性のあるものを使用
することにより、皮膚に対する追随性が改善され皮膚へ
の密着性が向上するが、剥がす時に凝集力不足のために
糊残りが生じ易くなる。しかし、本発明では、特定の分
子量の粘着剤層に無水珪酸を添加することにより、柔軟
性を保ったままで粘着力と凝集力を保持することができ
るので、得られる経皮吸収貼付剤は、良好な粘着力を保
持し、かつ剥がすときに皮膚表面の角質層を損傷した
り、毛をむしり取ることがなく、凝集力不足のため粘着
剤層が支持体の外側にはみ出したり、糊残りが起こらな
い。
【0031】さらに、粘着剤層の流動性が高いほど内部
に存在する薬物の拡散速度が高く、放出性にも優れる。
無水珪酸を加えることによって、粘着剤層の凝集力を高
めて粘着剤層の流動性を低下させながら薬物の高放出性
を維持することができる。これは、粘着剤層中の無水珪
酸表面の水酸基同士の水素結合により網目構造を形成し
て凝集力が発現するものの、粘着剤層に溶解している薬
物分子の移動を抑制するものではないと考えられるから
である。
【0032】
【実施例】次に、本発明の実施例を説明する。共重合体の調製 オクチルアクリレート80g(40重量%)、エチルア
クリレート100g(50重量%)及びN−ビニルピロ
リドン20g(10重量%)をセパラブルフラスコに仕
込み、重合初期モノマー濃度が50重量%になるように
酢酸エチル200gを加えた。この溶液を窒素雰囲気下
で80℃に加熱し、重合開始剤である過酸化ラウロイル
の酢酸エチル溶液を、逐次少量ずつ添加し32時間重合
を行い、共重合体溶液(固形分濃度50重量%)を得
た。また、反応条件を変えることにより、重量平均分子
量4×105 、9.5×105 、1.5×106 、1×
10 5 、8×104 及び3×106 の6種類の共重合体
を調製した。尚、共重合体の重量平均分子量は、GPC
(ゲル濾過法)により測定した。
【0033】(実施例1〜6、比較例1〜6)表1に示
した重量分子量の共重合体溶液51重量%(固形分換
算)に対して、表1に示した所定量のISDN、無水珪
酸及び脂肪酸エステルを混合し、さらに酢酸エチルを固
形分濃度が25重量%となるように加えて粘着剤組成物
を調製した。この粘着剤組成物を、シリコン離型処理し
た厚さ35μmのPETフィルム上に、厚さ63μmと
なるように塗布乾燥して接着剤層を形成した後、この接
着剤層上に厚さ35μmのPET−EVA積層体のEV
A側を重ね合わせて経皮吸収貼付剤を作製した。
【0034】
【表1】
【0035】上記実施例及び比較例で得られた経皮吸収
貼付剤につき、下記の性能評価を行い、その結果を表2
に示した。 (1)薬物移行量 経皮吸収貼付剤を面積10cm2 に切断したものを試料
とし、試料中のISDN含有量が10mgとなるように
調整した。この試料をウサギ(日本白色種)の剃毛した
背部に貼付した。貼付24時間後に剥離して、試料中の
ISDNの残存量を測定し、初期含有量との差を薬物移
行量とした。ISDN残存量は、メタノールで抽出した
後HPLCにより測定した。尚、サンプル数n=4で試
験を行い、その平均値を表2に示した。
【0036】(2)ウサギ皮膚刺激性試験 経皮吸収貼付剤を面積10cm2 に切断したものを試料
とし、この試料をウサギ(日本白色種)の剃毛した背部
に貼付した。貼付24時間後に剥離して、剥離直後と2
時間後の皮膚刺激性を下記の基準で判定を行い、2回の
平均点を1試料の評価点としてた。尚、サンプル数n=
4で試験を行い、合計点を4で割った平均値を表2に示
した。 (皮膚刺激性の基準) 0点:紅斑なし 1点:辛うじて識別できるごく軽度の紅斑あり 2点:明らかな紅斑あり 3点:中程度の紅斑あり 4点:深紅色の強い紅斑あり
【0037】(3)ウサギ皮膚貼付性試験 経皮吸収貼付剤を面積10cm2 に切断したものを試料
とし、この試料をウサギ(日本白色種)の剃毛した背部
に貼付した。貼付24時間後に剥離して、剥離時の貼付
状態及び糊残りの状態を下記の基準で判定した。尚、サ
ンプル数n=4で試験を行い、合計点を4で割った平均
値を表2に示した。 (貼付状態の基準) 0点:剥がれが殆どない 1点:約半分の貼付面積が剥がれていた 2点:殆どの部分が剥がれていた 4点:深紅色の強い紅斑あり (糊残り状態の基準) 0点:糊残りなし 1点:糊残りあり
【0038】
【表2】
【0039】(実施例7〜18)表3に示した重量分子量
の共重合体溶液51重量%(固形分換算)に対して、表
1に示した所定量のISDN、無水珪酸及び脂肪酸エス
テルを混合し、さらに酢酸エチルを固形分濃度が25重
量%となるように加えて粘着剤組成物を調製した。この
粘着剤組成物を、シリコン離型処理した厚さ35μmの
PETフィルム上に、厚さ63μmとなるように塗布乾
燥して接着剤層を形成した後、この接着剤層上に表3に
示した厚さのPET−不織布積層体のPET側を重ね合
わせて経皮吸収貼付剤を作製した。
【0040】
【表3】
【0041】上記実施例7〜18で得られた経皮吸収貼付
剤につき、実施例1と同様な性能評価を行い、その結果
を表4に示した。
【0042】
【表4】
【0043】尚上記で使用したパルミチン酸イソプロピ
ル及びミリスチン酸イソプロピルのlogP値は、それ
ぞれ8.4及び6.7である。
【0044】
【発明の効果】本発明の経皮吸収貼付剤の構成は、上述
の通りであり、粘着剤層中に経皮吸収促進剤として特定
の長鎖脂肪酸エステルを配合することにより、薬物の皮
膚透過性が高められるので、小面積の製剤で有効な皮膚
透過量が得られ、無水珪酸の添加により粘着剤層に良好
な粘着力及び凝集力を付与すると共に粘着剤層及び支持
体に柔軟性を付与することができるので、剥離時に糊残
りがなく、毛むしり、角質剥離及び皮膚の引張りによる
皮膚刺激を殆ど与えることがない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 47/14 A61K 47/14 E

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体の一面に、薬物を含有する粘着剤層
    が設けられた経皮吸収貼付剤であって、該粘着剤層が、
    (a)アルキル基の炭素数が4〜18の(メタ)アクリ
    ル酸アルキルエステル25〜50重量%、アルキル基の
    炭素数が3以下の(メタ)アクリル酸アルキルエステル
    25〜50重量%及びN−ビニルピロリドン2〜40重
    量%からなり、かつ重量平均分子量が20万〜200万
    である共重合体、(b)硝酸イソソルビド、(c)lo
    gP値(疎水性を示す値であり、Pはオクタノール/水
    系における分配係数を示す)が4〜16である脂肪酸エ
    ステルならびに(d)無水珪酸からなる粘着剤組成物よ
    り形成され、前記粘着剤層中に脂肪酸エステルが1〜5
    0重量%含有されていることを特徴とする経皮吸収貼付
    剤。
  2. 【請求項2】請求項1の経皮吸収貼付剤において、支持
    体がポリエステル製の不織布とポリエステル製の樹脂フ
    ィルムの積層体から形成されていることを特徴とする経
    皮吸収貼付剤。
JP5581695A 1995-03-15 1995-03-15 経皮吸収貼付剤 Withdrawn JPH08245380A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013039354A (ja) * 2011-07-20 2013-02-28 Nitto Denko Corp 貼付製剤
JP2014047167A (ja) * 2012-08-31 2014-03-17 Nitto Denko Corp 貼付製剤

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