JPH0344326A - 経皮吸収製剤 - Google Patents

経皮吸収製剤

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JPH0344326A
JPH0344326A JP1178537A JP17853789A JPH0344326A JP H0344326 A JPH0344326 A JP H0344326A JP 1178537 A JP1178537 A JP 1178537A JP 17853789 A JP17853789 A JP 17853789A JP H0344326 A JPH0344326 A JP H0344326A
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drug
patch
meth
ester
adhesive
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JP1178537A
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Hiroshi Kuroda
広志 黒田
Masato Azuma
東 正人
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、薬物としてエストラジオールおよび/または
そのエステルを含有し、該薬物を経皮吸収により供給す
ることにより経時的に安定した薬物血中濃度を達成し得
る経皮吸収製剤に関する。
(従来の技術) エストラジオールおよびそのエステルは女性ホルモンの
ひとつとして知られ1女性の更年期障害。
月経異常などに対する薬物として有効である。この薬物
を経口投与すると、肝代謝率が高いため。
肝臓の負担が大きく、かつ代謝により薬物の体内利用率
が著しく低下する。従って、この薬物は。
通常、注射による投与が行なわれている。しかし。
注射による投与を行なうと薬物の血中濃度が一時的に上
昇するものの、該血中濃度は長時間維持されず、投与を
頻繁に行なう必要が生じる。そのため、徐放性製剤の使
用が望まれており2例えば。
経皮吸収型の製剤が適当であると考えられる。しかし、
皮膚は体内への異物の侵入を防ぐ生体防御機能を有する
ため、一般に、皮膚を介して充分な量の薬物を投与する
のが難しい。そのため薬物含有貼付剤の面積を大きくし
たり、経皮吸収促進剤を含有させる−ことが行なわれて
いるが薬物放出性は、いまだ充分であるとはいえない。
エストラジオールやそのエステルを効果的に経皮投与す
るために1例えば、特開昭57−154122号公報に
は、多層状の貼付剤が開示されている。この貼付剤は、
支持体上に、薬物増進剤含有層、拡散膜層および触圧接
着剤層が順次積層されてなる。
薬物増進剤含有層は、エタノールをヒドロキシプロピル
セルロースなどによりゲル化したゲル状物中にエストラ
ジオールを含有する薬物含有ゲルで構成される。薬物と
エタノールとは、共に拡散膜層および触圧接着剤層を透
過し皮膚を通して吸収される。エタノールの皮膚を通し
ての吸収速度は約100〜800acg/hr/cdで
あり、従ってエタノールに溶解している薬物も皮膚を通
しての吸収が促進される。薬物放出性を、使用するエタ
ノールの量などにより制御することが可能である。しか
し。
このような貼付剤は多層構造であるため、製造工程が複
雑であり、かつ皮膚に貼付したときにその厚みのために
違和感を与える。揮発しやすいエタノールを用いている
ため、保存中、あるいは貼付後にエタノールが揮発し、
薬物の放出能力が変化する欠点がある。エタノールは皮
膚に対して刺激性を有するため1発赤などの皮膚傷害を
起こす可能性が大きい、さらに拡散膜層(制御膜として
機能する)が介在するため、エタノールおよび薬物の放
出性はいまだ充分であるとは言えず、満足すべき薬効を
得るためには、比較的大きな面積の貼付剤を特徴とする 特開昭61−155321号公報には、支持体上にエス
トラジオール含有粘着剤層が形成された貼付剤が開示さ
れ、該粘着基剤は、ゴム、粘着性樹脂材料。
およびガラクトマンナンなどの水中で膨潤することので
きるポリマーを主成分とする。この貼付剤は、上記多層
構造の貼付剤のように嵩高くなることがなく、かつ所定
の期間において比較的安定して薬物を供給することが可
能である。しかし、薬物の全体としての放出性は、いま
だ充分であるとはいえない。
特開昭60−152413号公報には、経皮吸収促進剤
としてメントールを含有する経皮吸収製剤が開示されて
いる。この公報には、親油性基剤中に薬物として17β
−エストラジオール−3−ナトリウムを含有する製剤を
用いると、ヌードマウスによる皮膚テストで高い薬物透
過性が達成されたことが記載されている。しかし、この
製剤は、メントールを使用しているため、上記エタノー
ルの場合と同様に該メントールが揮発し、薬物の放出能
力が変化する。さらに、メントールは、薬物が水溶性で
ある場合にのみ経皮吸収促進効果を示す、従って、エス
トラジオールも上記のように塩の形でないとその効果が
得られない。
特開昭61−17513号公報には、所定の割合(l:
l〜1 : 5W/W)のプロピレングリコールとグリ
セリンとの混合物;および必要に応じて、薬物を0.5
I1g/IIiの割合で溶解し、かつ薬理的に許容され
得る溶媒を含有する経皮吸収製剤が開示されている。
この製剤により、皮膚に対して穏和な条件下で。
薬物を比較的効果的に投与することが可能となる。
しかし、溶剤を使用するため、これが揮発し、薬物の放
出性が変化する。さらに、薬物の全体としての放出性は
、いまだ充分ではなく、満足すべき薬効を得るには、比
較的大きな面積の貼付剤を必要とする。
(発明が解決しようとする課B) 本発明は、上記従来の問題を解決するものであり、その
目的とするところは、エストラジオールおよび/または
そのエステルを含有し、該薬物の皮膚透過性が高く、少
量もしくは小面積であっても充分な量の薬物が供給され
得る経皮吸収製剤を提供することにある。本発明の他の
目的は、上記優れた特性を有し、皮膚に傷害を与えるこ
とがなく、かつ単純な構造であるため製造の容易な経皮
吸収製剤を提供することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明の経皮吸収製剤は、薬物および該薬物の吸収促進
剤を基剤中に含有する経皮吸収製剤であって、該薬物が
エストラジオールおよび/またはそのエステルであり、
そして、該吸収促進剤がクエン酸および/またはその塩
であり、そのことにより上記目的が達成される。
本発明の経皮吸収貼付剤の薬効成分は、エストラジオー
ルおよび/またはそのエステルであり。
エステルの種類としては、安息香酸エステル、吉草酸エ
ステル、シビオン酸エステル、プロピオン酸エステル等
が挙げられる。この薬物は、製剤中に5〜30重量%、
好ましくは8〜12重量%の割合で含有される。この割
合は、軟膏剤、クリーム製剤などでは製剤全体に対する
含有量を示し3例えば、テープ製剤やパップ剤などの貼
付剤では、薬物含有層(粘着剤層)に対する含有量を示
す。後述の経皮吸収促進剤の含有量についても同様であ
る。薬物が過少であると薬効が不充分であり、過剰であ
ると該薬物が基剤中で結晶化し、充分に放出されなくな
る。
本発明の経皮吸収製剤に含有される経皮吸収促進剤とし
てはクエン酸および/またはその塩が用いられる。クエ
ン酸の塩としては、ナトリウム塩。
カリウム塩、マグネシウム酸、カルシウム塩、アルミニ
ウム塩などがある。上記クエン酸および/またはその塩
は、製剤中に0.1〜30重量%、好ましくは1〜20
重量%、さらに好ましくは3〜7重量%の割合で含有さ
れる。過少であると薬物の経皮吸収促進効果が得られな
い。過剰であると基剤との相溶性が低下し、粘着剤層に
薬物を含有させたテープ製剤の場合には粘着物性が低下
する。
製剤中には、さらに他の経皮吸収促進剤として高級脂肪
酸エステルが含有されていてもよい。この高級脂肪酸エ
ステルとしては、炭素数10〜18の高級脂肪酸と、炭
素数1〜20のアルコールとから得られる脂肪酸エステ
ルが用いられる。このような高級脂肪酸エステルを形成
し得る炭素数lO〜18の脂肪酸としては、ミリスチン
酸、バルミチン酸。
ラウリン酸、ステアリン酸、パル亀トレイン酸。
オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、リルン酸などが
ある。炭素数l〜20のアルコールとしては、メタノー
ル、エタノール、プロパツール、イソプロパツール、ブ
タノール、ヘキサノール、ペンタノール、ヘプタツール
、オクタツール、デカノール、セタノールなどがある。
高級脂肪酸エステルとしては、ミリスチン酸イソプロピ
ル、バルミチン酸イソプロピルなど、特にごリスチン酸
イソプロピルが好適である。高級脂肪酸エステルは。
上記クエン酸の経皮吸収促進効果を増強する働きを有す
る。製剤がテープ製剤である場合には、粘着基剤の粘着
物性および製剤の貼付性を改善する。
高級脂肪酸エステルは、製剤中に30重量%以下。
好ましくは1〜25重量%:さらに好ましくは3〜10
重量%の割合で含有される。高級脂肪酸エステルが過剰
であると基剤中でエストラジオールが析出する。その結
果9例えば、テープ製剤おいては粘着性が低下する。
経皮吸収促進剤は、上記粘着基剤100重量部に対し、
総量で1〜100 M置部の割合、好ましくは。
5〜2帽1部の割合で含有される。
上記エストラジオールおよび/またはそのエステルと上
記吸収促進剤とを含有する本発明の経皮吸収製剤として
は、テープ製剤、バッチ剤、パップ剤、軟膏剤、クリー
ム製剤、リニメント剤などがある。
上記製剤のうちテープ製剤やバッチ剤は、支持体の片面
に薬物と吸収促進剤とを含有する粘着剤層が形成されて
いる。テープ製剤やバッチ剤の基剤(粘着剤)は該製剤
を常温で皮膚表面に長時間固定しうる粘着力があれば充
分であり、特に限定されない。例えばアクリル系、ゴム
系、シリコーン樹脂系などの粘着剤が利用され得9通常
、アクリル系の粘着剤が用いられる。
アクリル系粘着剤では、その粘着物性などから。
特に、炭素数4〜18の脂肪族アルコールと(メタ)ア
クリル酸とから得られる(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステルの(共)重合体および/または上記(メタ)アク
リル酸アルキルエステルとその他の官能性モノマーとの
共重合体が好適に用いられる。
上記(メタ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)ア
クリル酸ブチル、 (メタ)アクリル酸イソブチル、(
メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチ
ル、 (メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、 (メ
タ)アクリル酸イソオクチル。
(メタ)アクリル酸デシル、 (メタ)アクリル酸イソ
デシル、 (メタ)アクリル酸ラウリル、 (メタ)ア
クリル酸ステアリルなどがある。
上記官能性モノマーには、水酸基を有するモノマー、カ
ルボキシル基を有するモノマー、アミド基を有するモノ
マー、アミノ基を有するモノマーなどが挙げられる。水
酸基を有するモノマーとしては、2−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートな
どのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートがある。
カルボキシル基を有するモノマーとしては。
アクリル酸、メタクリル酸なとのα−β不飽和カルボン
酸;マレイン酸ブチルなどのマレイン酸モノアルキルエ
ステル;マレイン酸;クエン酸;クロトン酸などがある
。無水マレイン酸もマレイン酸と同様の(共)重合成分
を与える。アミド基を有するモノマーとしては、アクリ
ルアごド、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリル
アごドなどのアルキル(メタ)アクリルアミド;ブトキ
シメチルアクリルアミド、エトキシメチルアクリルアミ
ドなどのアルキルエーテルメチロール(メタ)アクリル
アξド、ダイアセトンアクリルアξド;ビニルピロリド
ンなどがある。アミノ基を有するモノマーとしては、ジ
メチルアごノアクリレートなどがある。
アクリル系粘着剤のうちでも2−エチルへキシルアクリ
レート(EI(A)45〜80モル%と、N−ビニル−
2−ピロリドン(VP)20〜55モル%とを含む共重
合体、特にE)IA55〜70モル%とVP30〜45
モル%とを含む共重合体が好適である。このようなEH
Aとvpとを含む共重合体は、共重合成分として、さら
にERA以外のアクリル酸エステルを35モル%以下、
好ましくは15モル%以下の割合で含有し得る。
ここで用いられるERA以外のアクリル酸エステルとし
ては、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)
アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレ−口 2−エ
チルブチル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)ア
クリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(
メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ラ
ウリル(メタ)アクリレートなどである。
上記アクリル系共重合体の凝集性を上げるために、多官
能性モノマーが、共重合体を形成する全七ツマ−の0.
005〜0.5重量%の割合で含有されることが好まし
い。多官能性モノマーとしては。
ジ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アクリレート、
およびテトラ(メタ)アクリレートが挙げられ、それに
は、ヘキサメチレングリコールジメタクリレート、トリ
メチロールプロパントリメタクリレートなどがある。
テープ製剤やバッチ剤、および後述のパップ剤の支持体
としては、貼付剤に通常利用される支持体が用いられる
。このような支持体の素材としては、酢酸セルロース、
エチルセルロース、ポリエチレンテレフタレー) (P
ET)、可塑化酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、ナイ
ロン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、可塑化ポリ塩化
ビニル、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニリ
デン。
アルミニウムなどがある。これらは1例えば、単層のシ
ート(フィルム)や二枚以上の積層(ラミネート)体と
して用いられる。アルミニウム以外の素材は織布や不織
布として利用してもよい。
上記支持体表面に薬物と吸収促進剤とを含有する薬物含
有(粘着剤)層が形成されてテープ製剤やバッチ剤が得
られる。粘着剤層を形成するには。
溶剤塗工法、ホットメルト塗工法、電子線硬化エマルジ
ヲン塗工法など種々の塗工法が用いられうる。なかでも
溶剤塗工法が好適に用いられる。溶剤塗工法で粘着剤層
を形成するには2例えば、粘着剤を適当な溶媒で稀釈し
、これに薬物、吸収促進剤、さらに必要に応じて配合剤
を加えて均一に混合し、得られた溶液を支持体表面に塗
布・乾燥する。溶液を直接支持体表面に塗布せずにシリ
コーン樹脂などをコーティングした剥離紙上に塗布し、
乾燥後に支持体と密着させてもよい。このような剥離紙
は、使用時まで貼付剤の粘着剤層表面を保護するために
用いられる。粘着剤層の厚みも剤形や使用目的により異
なるが2通常、 30〜200μmである。30μmを
下まわると必要量の薬物を含有することができず、粘着
性も不充分である。
200μmを上まわると支持体付近の粘着剤層に含有さ
れる薬物が充分に拡散せず、薬物放出性が低下する。
パップ剤も支持体の片面に薬物および吸収促進剤を含有
する薬物含有層が形成されている。通常。
テープ製剤やバッチ剤に比べて粘着性に乏しいため絆創
膏などで皮膚表面へ固定される。パップ剤の基剤の主成
分としては9例えば、アルギン酸ナトリウム、ゼラチン
、コーンスターチ、トラガントガムなどの天然ポリマー
:メチルセルロース。
ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロ
ースなどのセルロール系ポリマー;デキストリン、カル
ボキシメチルデンプンなどのデンプン系ポリマー;ポリ
ビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、メトキ
シエチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリビニルエー
テル、ポリビニルピロリドンなどの合成ポリマーが用い
られる。
上記ポリマーを主成分とする基剤、薬物および吸収促進
剤を均一に混合し、上記支持体表面に薬物含有層を形成
して所望のパップ剤が得られる。
上記薬物含有層にはさらに、精製水;多価アルコール(
例えば、グリセリン、プロピレングリコール)などの保
湿剤;カオリン、ベントナイト、亜鉛華、二酸化チタン
などの無機充填剤;粘度調整剤;架橋剤;老化防止剤な
どが含有されていてもよい。
軟膏剤、クリーム製剤の基剤の主成分としてはミツロウ
、油脂、ラノリン、白色ワセリン、パラフィン、プラス
チベース、高級脂肪酸、高級アルコール、乳化剤、マク
ロゴール、カルボキシビニルポリマーなどが用いられる
。これら化合物を主成分とする基剤に薬物と吸収促進剤
とが混合されて軟膏剤やクリーム製剤が得られる。混合
時には。
必要に応じてクロタミトン、流動パラフィン、ミリスチ
ン酸イソプロピル、セバシン酸ジエチルなどの脂溶性溶
解剤;精製水;エタノール、多価アルコール(例えばグ
リセリン)などの水溶性溶解剤;安定化剤、pHgll
整剤などが添加される。
(作用) 本発明の製剤に含まれる吸収促進剤は、基剤中または皮
膚内において基剤または皮膚の物性を変化させ、その結
果、基剤層と皮膚内との薬物の分配係数が変化し、ある
いは、薬物の、基剤、皮膚角質層9表皮および真皮中で
の拡散速度が変化すると考えられる。そのため、該吸収
促進剤を含有させることにより、小さい面積で、エスト
ラジオール(エステル)の高い血中濃度を長時間にわた
って維持し得る製剤が得られる。例えば、テープ製剤に
おいては、小面積であっても充分な薬効が得られる0本
発明に用いる吸収促進剤は皮膚に対する刺激性がなく安
全性が高い。
そのため、皮膚刺激に敏感な人においても紅斑を生じる
ことが回避される。本発明の製剤は9例えば、テープ製
剤においては、貼付される製剤が小面積であるため貼付
操作が容易でありかつ貼付時の異和感も少ない。粘着剤
層が単一の単純な構造であるため製造が容易であり、薄
い形状に調製し得る。このようなテープ製剤は、従来の
技術の項に開示されたエタノールを含有する貼付剤のよ
うに揮発成分を含有しないため、保存時に組成が変化す
ることなく、所定の品質が維持される。
(実施例) 以下に本発明を実施例について説明する。
叉豊舊よ アクリル酸2−エチルヘキシル (65−1−71/%)、ビニルピロリドy(VP) 
98.0 g (35モル%)およびヘキサメチレング
リコールジメタクリレート80.0■(全モノマーに対
して0.02重量%)をセパラブルフラスコに仕込み2
酢酸エチル70.6 gを加えて,モノマー濃度を85
重貴兄とした。この溶液を、窒素雰囲気下、 60″C
にて加熱し。
過酸化ラウロイル(重合開始剤)および酢酸エチルを少
量ずつ添加し132時間にわたり重合反応を行った。得
られたポリマーに17β−エストラジオールのテトラヒ
ドロフラン溶液、エタノール50gおよびクエン酸を加
え、固型分(ポリマー、エストラジオールおよびクエン
酸の重量和)濃度が22N量%となるように、かつ、エ
ストラジオールおよびクエン酸の固形分中の濃度がそれ
ぞれ1000重量%および2重量%となるように加えて
、これをデイシルバーにて均一に混合した。同様にして
該クエン酸の濃度がそれぞれ5重量%および7重量%と
なるような溶液を調製した。厚さ40μmのポリエチレ
ンテレフタレー)(PET)をシリコン処理した剥離紙
上に、これらの溶液を、それぞれ乾燥後の厚みが40β
mとなるように塗布後乾燥した。
これに、厚さ50βmのコロナ処理ポリエチレン支持体
を貼り合わせて貼付剤を得た。本実施例および後述の実
施例2〜3および比較例1〜3で調製された貼付剤の組
成を表1に示す。
実益班主 F!HA215.2  g (45モル%) 、 VP
 129.7g (45−1−ル%)、デシルメタクリ
レ−)55.1g (10モル%)およびトリメチロー
ルプロパントリアクリレート40.0■(全モノマー中
のo、oi重景%)を用い、実施例1と同様にしてポリ
マーを得たこと以外は実施例1と同様である。
実豊班主 実施例1で得られたポリマー含有溶液に対して。
17β−エストラジオール、クエン酸およびくリスチン
酸イソプロピルを、溶液中の固形分(上記成分とポリマ
ーとの合計に相当する)量が25重量%となるように添
加した。但し、総固形分のうち17β−エストラジオー
ルが10.5重量%、クエン酸が5.0重量%、そして
ミリスチン酸イソプロピルが2.0重量%の割合で含有
されるように添加を行なった。混合液をデイシルバーで
均一に混合し、実施例1と同様の方法で貼付剤を得た。
別に、ミリスチン酸イソプロピルの含有量が、上記2.
0重量%に代えて5重量%および7重量%となるような
貼付剤をそれぞれ調製した。
止較舊土 クエン酸を使用せず、ごリスチン酸イソプロピルの固形
分中濃度を5重量%としたこと以外は。
実施例3と同様である。
止較明主 クエン酸の代わりにミリスチン酸を使用したこと以外は
、実施例3と同様である。
止較拠主 クエン酸の代わりに乳酸ξリスチルを使用したこと以外
は、実施例3と同様である。
(以下余白) 犬1む4上 実施例1〜3.および比較例1〜3の貼付剤のなかから
1次の貼付剤を用いて試験を行なった。
実施例1および2についてはクエン酸の固形分濃度が5
重量%の貼付剤;実施例3については、クエン酸および
ミリスチン酸イソプロピルの固形分濃度がそれぞれ5重
量%の貼付剤;比較例2については、ミリスチン酸およ
びミリスチン酸イソプロピルの固形分濃度がそれぞれ5
重量%の貼付剤;そして比較例3については、乳酸ミリ
スチルおよびミリスチン酸イソプロピルの固形分濃度が
それぞれ5重量%の貼付剤を用いた。これらの貼付剤中
の17β−エストラジオール量はそれぞれ4■/10c
dlである。別に、市販のエストラジオール貼付剤とし
て、 Estrader+a O,05(CIBA社製
;特開昭57−154122号公報に開示の貼付剤と同
様の構造を有する)を比較例4の貼付剤として使用した
上記本発明の実施例および比較例で得られた貼付剤、お
よび上記Es tradermについてはそのアルミ密
封包装を開き、それぞれ空気中で30日間保存した。保
存後において、いずれの貼付剤においても17β−エス
トラジオールの結晶の析出は認められなかった。
これらの貼付剤を用い、皮膚を通しての薬物透過性試験
を行なった。第1図に示す拡散セル10を準備した。こ
の拡散セル10は2円筒有底状のレセプター槽1および
円筒有底状で底部に開口部21を有するドナー+!2と
を有する。ドナー槽2はレセプター槽1の上方に、1対
のOリング31および32を介して気密に、そして同心
状に積み重ねられている。レセプター槽lはその側部に
側方へ突出するサンプリング口11を有する。0リング
31および32の間には、試験に用いる皮膚4がはさま
れ、ドナー槽2の開口部21は、該皮膚4により全面に
わたっておおわれる。
ヘアレスマウス(1,6週齢)を頚椎脱臼により殺し、
皮膚を剥離し、その皮下脂肪組成を除去し、約5CIX
5C11の皮膚片を得た。これに上記貼付剤41 (1
0c()を貼付し、上記拡散セル10の両Oリング31
.32間にセットした。レセプター槽1には下記のレセ
プター液を満たし、撹拌子12によりレセプター液の撹
拌を行なった。
レセプター漆調製法:蒸留水中にNaHzPOa5 X
l0−’M 、 NaJPO42Xl0−’M 、 N
aC11,5X 10− ’Mおよびゲンタマイシン1
0ppmを含む緩衝液にNaOH水溶液を加えてpHを
7.2に調整し、これにポリエチレングリコール400
を20重量%の割合で配合し、これをレセプター液とす
る。
この拡散セル10全体を37°Cに保持された恒温槽に
入れた。試験開始後、1,3,6.18および24時間
後に、それぞれ、サンプリング口11からレセプター液
1−を採取し、新たなレセプター液1−を補充した。採
取したレセプター液の薬物濃度を測定し、薬物透過率を
算出した。実験サンプル数は3で行ない、平均値を算出
した。その結果を第2図および第3図に示す。
第2図および第3図から2本発明の貼付剤は各比較例の
貼付剤に比べて皮膚を通しての17β−エストラジオー
ルの透過性に優れることがわかる。
特に吸収促進剤としてさらに高級脂肪酸エステルを含有
する実施例3の貼付剤は、長時間にわたり優れた薬物の
放出性を示す。さらに2本発明の貼付剤は、該貼付剤を
密封するなど、特別の条件下で保存しなくとも、優れた
性能を維持し得ることが明らかである。
夫肢斑呈 実験例1で用いたのと同様の貼付剤(lOCrA)を。
それぞれ3人の被験者(健常人、男性)の上腕部に貼付
し、72時間後にこれを剥離して回収した。
この貼付剤をメタノールで抽出し、 HPLCにより1
7β−エストラジオールの濃度を測定した。比較例4の
貼付剤については、剥離後、細かく裁断してメタノール
による抽出を行なった。薬物濃度から剥離後の貼付剤に
残留する薬物を算出し、貼付剤に当初含有される薬物と
の差を皮膚移行量とした。
それぞれの貼付剤を用いたときの皮膚移行量を表2に示
す。
(以下余白) 表2 表2から2本発明の貼付剤は、同一面積、同一投与量で
ある場合に、比較例の各貼付剤に比べ薬物の皮膚移行量
が極めて大きいことがわかる。
裏肢班主 実験例1で用いたのと同様の貼付剤のうち、実施例1〜
3.および比較例1.3および4の貼付剤(10cd)
を準備した。背部をバリカンで刺毛後1週間を経過した
正常な無毛部分を持つウサギにュージーランドホワイト
種、3〜3.5kg?雄)の無毛部分に上記貼付剤を貼
付した。貼付剤の貼付直前、貼付後1,3,5.7およ
び24時間後に右耳静脈からの採血を行なった。得られ
た血液を遠心分離器にかけ、血清部分と血餅部分とに分
離した。血清部分におけるエストラジオール濃度をラジ
オイムノアッセイ(RIA)法により測定した。
上記試験は、各製剤につき、ウサギ3匹を1群として行
なった。貼付後の時間と血中のエストラジオールの濃度
との関係を第4図に示す。第4図から本発明の貼付剤を
用いると、血中のエストラジオールが長時間にわたり高
濃度で維持されることが明らかである。特に吸収促進剤
としてさらに高級脂肪酸エステルを含有する実施例3の
貼付剤の効果は大きい。
(発明の効果) 本発明によれば、このように、エストラジオールおよび
/またはそのエステルを含有し、該薬物の皮膚透過性が
高く、小面積であっても充分な量の薬物が供給され得る
経皮吸収製剤が提供される。
さらに、該薬物は、長時間にわたり所定量ずつ放出され
るという優れた効果も認められる。テープ製剤において
は使用されている粘着基剤は皮膚刺激性がなく発赤など
の皮膚傷害も回避される0本発明の製剤は、エストラジ
オールの徐放製剤として広く利用され得る。
4  ゛  の   なi 日 第1図は、貼付剤に含まれる薬物の皮膚透過性を試験す
るための拡散セルを示す斜視図、第2図および第3図は
1本発明および他の貼付剤に含まれるエストラジオール
の皮膚透過性を示すグラフ。
そして第4図は1本発明および他の貼付剤をウサギの皮
膚に貼付したときの貼付時間とエストラジオールの血中
濃度との関係を示すグラフである。
以上

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、薬物および該薬物の吸収促進剤を基剤中に含有する
    経皮吸収製剤であって、 該薬物がエストラジオールおよび/またはそのエステル
    であり、そして、該経皮吸収促進剤がクエン酸および/
    またはその塩である。 経皮吸収製剤。 2、さらに他の経皮吸収促進剤として、炭素数10〜1
    8の高級脂肪酸と炭素数1〜20のアルコールとから得
    られる高級脂肪酸エステルが含有される請求項1に記載
    の経皮吸収製剤。 3、支持体の片面に前記薬物および前記吸収促進剤を含
    有する粘着剤層が設けられたテープ製剤である請求項1
    に記載の経皮吸収製剤。 4、前記粘着剤層の粘着基剤がアクリル系粘着剤であり
    、該アクリル系粘着剤が、炭素数4〜18のアルキル基
    を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルの(共)
    重合体および/または炭素数4〜18のアルキル基を有
    する(メタ)アクリル酸アルキルエステルと他の官能性
    モノマーとの共重合体であり、該粘着剤中に(メタ)ア
    クリル酸アルキルエステル(共)重合体が50重量%以
    上の割合で含有される請求項3に記載の経皮吸収製剤。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002040031A1 (fr) * 2000-11-17 2002-05-23 Teijin Limited Preparation adhesive contenant estradiol
JP2002360642A (ja) * 2001-05-24 2002-12-17 Bales Campus Julia 骨 壺
JP2007105199A (ja) * 2005-10-13 2007-04-26 Totsukawa Gosei:Kk 骨壺
JP2009501722A (ja) * 2005-07-15 2009-01-22 バイエル・シエーリング・ファーマ アクチエンゲゼルシャフト ドロスピレノン含有経皮用薬剤供給装置及びその供給方法

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