JPH08245359A - 光老化防止剤及びこれを含有する皮膚化粧料 - Google Patents

光老化防止剤及びこれを含有する皮膚化粧料

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JPH08245359A
JPH08245359A JP7054215A JP5421595A JPH08245359A JP H08245359 A JPH08245359 A JP H08245359A JP 7054215 A JP7054215 A JP 7054215A JP 5421595 A JP5421595 A JP 5421595A JP H08245359 A JPH08245359 A JP H08245359A
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繁貴 河野
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正順 二宮
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明宏 川久保
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 安定性があり、光老化防止効果に優れる光老
化防止剤を提供し、更に、これを配合することで、光老
化に起因する皮膚のシワ、タルミ等を防止、改善し、美
肌効果に優れる皮膚化粧料を提供する。 【構成】 光老化防止剤に、有効成分としてラウリンテ
ロール、デブロモラウリンテロール等のラウリンテロー
ル類を含有させ、この光老化防止剤を皮膚化粧料に配合
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光老化防止剤及びこれ
を含有する皮膚化粧料に関し、詳しくは、安定性、皮膚
の光(紫外線)老化を防止する効果に優れた光老化防止
剤及び、皮膚の光老化を防止して、シワ、タルミ等を防
止、改善する美肌効果に優れた皮膚化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、皮膚の老化とは、加齢に伴う生
理的老化と、日光暴露(紫外線)による光老化とが互い
に影響しあって生じる生理現象であり、現在、特に後者
の光老化と肌のシワ、シミ、タルミとの関係が注目され
ている。紫外線の皮膚への障害については、UV−B
(290〜320nm)の惹起するDNA障害や紅斑、
二次黒化などが数多く報告されているが、最近では紫外
線の中でも長波長領域のUV−A(320〜400n
m)の有害性についての関心も高まっている。UV−A
の地表到達時のエネルギー量は、UV−Bのそれの10
倍であり、真皮の奥深くまで届くため、皮膚の大ジワ、
タルミ等を惹起することがわかってきたからである(Bi
ssett,d.l.et.al:Photoaging of Skin by UVA, "Biolog
ical Responsesto Ultraviolet A Radiation" P181-18
8,Valdenmar Publishing Company,1992)。
【0003】従来より、これら紫外線による皮膚への障
害を防止するために、酸化チタン、酸化亜鉛、パラメト
キシ桂皮酸エステル、パラアミノ安息香酸エステル等の
各種の紫外線吸収、散乱、遮蔽物質を配合した化粧料
(サンスクリーン、サンプロテクト化粧品)が開発さ
れ、使用されている。しかしながら、これらの化粧料を
使用しても圧倒的な日光暴露から皮膚を防御することは
難しい。
【0004】そこで、このように、皮膚表面に存在する
化粧料でカットされずに皮膚内部へと侵入した紫外線か
ら、特に、真皮の奥深くまで届いたUV−Aから、その
ターゲット細胞を細胞周辺で防御することを、あるいは
障害を受けた細胞を修復することを、目的とする薬剤、
例えば、スーパーオキシドデスムターゼ(SOD)、β
−カロチン、ビタミンC等も開発されている。しかしな
がら、これらの薬剤はいずれも安定性が悪く、化粧料に
配合しても変質したり、分解したりして十分に所期の目
的を達成することができなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な観点からなされたものであって、安定性があり、光老
化防止効果に優れる光老化防止剤を提供し、更に、これ
を配合することで、光老化に起因する皮膚のシワ、タル
ミ等を防止、改善し、美肌効果に優れる皮膚化粧料を提
供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために鋭意研究を行った結果、下記一般式
(I)で表されるラウリンテロール類(T.Irie, M.Suzu
ki, E.Kurosawa and T.Masamune; Tetrahedron Letters
No.17, 1837-1840, 1966)が安定性があり、光老化を
防止する効果に優れていることを見出し、更に、ラウリ
ンテロール類を光老化防止剤として配合した皮膚化粧料
が、光老化による皮膚のシワ、タルミ等を防止、改善す
る美肌効果に優れていることを見出し、本発明を完成さ
せた。
【0007】すなわち本発明は、下記一般式(I)で表
される化合物を有効成分とする光老化防止剤及びこれを
含有する皮膚化粧料である。
【0008】
【化2】
【0009】但し、化2中、Xは水素原子、又は臭素原
子を示す。以下、本発明の光老化防止剤及び皮膚化粧料
について詳細に説明する。 <1>本発明の光老化防止剤 本発明の光老化防止剤は、上記一般式(I)で表される
化合物を有効成分とするが、一般式(I)で表される化
合物としては、式中のXが臭素原子であるラウリンテロ
ール(Laurinterol)及び式中のXが水素原子であるデ
ブロモラウリンテロール(Debromolaurinterol)があ
る。
【0010】この様な本発明の光老化防止剤の有効成分
となるラウリンテロール、デブロモラウリンテロール
(本明細書においては、これらの化合物を総称してラウ
リンテロール類と呼ぶ。)は、通常、これらラウリンテ
ロール類を含有する海藻、例えば、紅藻フジマツモ科ソ
ゾ(Laurencia )属に属する海藻の溶媒抽出エキスを分
離、精製することにより得られるが、本発明においてこ
れらラウリンテロール類の化学合成物を用いることもな
んら制限されるものではない。
【0011】また、本発明の光老化防止剤の有効成分と
して、精製された上記ラウリンテロール類を用いてもよ
いが、これらラウリンテロール類を含有する紅藻フジマ
ツモ科ソゾ(Laurencia )属に属する海藻の溶媒抽出エ
キス等を用いることも可能であり、経済性等を勘案し、
これら海藻の溶媒抽出エキス、精製物(ラウリンテロー
ル類)、化学合成品等のうちいずれかを適宜選択すれば
よい。
【0012】上記ラウリンテロール類を含有する紅藻フ
ジマツモ科ソゾ(Laurencia )属の海藻としては、例え
ば、ミツデソゾ、クロソゾ、パピラソゾ、コブソゾ、オ
オソゾ、及びハネソゾ等が挙げられるが、入手の容易さ
や上記ラウリンテロール類の含有量等から、特にミツデ
ソゾ、クロソゾ、パピラソゾ及びコブソゾが好ましい。
【0013】この様な紅藻フジマツモ科ソゾ(Laurenci
a )属の海藻から上記の各ラウリンテロール類を抽出す
るには、常法に従い適当な溶媒を用いて抽出することが
できる。海藻は乾燥粉末状でも生の海藻体の状態でも用
いることができ、加熱・還流、あるいは、撹拌後一定時
間室温に放置し、濾過ないし遠心分離によって得られた
粗抽出液を減圧濃縮・乾固することにより、溶媒抽出物
を得ることができる。
【0014】抽出溶媒としては、メタノール、エタノー
ル、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ア
セトン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル等の親水
性溶媒、及びクロロホルム、酢酸エチル、ペンタン、ヘ
キサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、シクロヘキサ
ン、n−ヘキサン、石油エーテル、エーテル等の親油性
溶媒が好ましい。これらの中で、特に好ましい抽出溶媒
としては、酢酸エチル、クロロホルム、アセトン、イソ
プロパノール、n−ヘキサン、トルエン、メタノール、
エタノール等が挙げられる。
【0015】上記の溶媒は各々単独で用いてもよいが、
例えば酢酸エチル/水、あるいはn(ノルマル)−ヘキ
サン/水のごとく、水との二液層系で抽出・分液し、親
油性溶媒層より上記の如く溶媒抽出物を得るのが実験操
作上便利である。また、メタノールのように本発明の有
効成分と共に親水性物質をも多量に抽出する溶媒を用い
た場合は、例えば酢酸エチル/水で再度抽出・分液する
等の方法を採るのが効果的である。
【0016】溶媒抽出エキスからのラウリンテロール類
の単離精製と同定は、常法にて行われる。例えば、抽出
液あるいはその濃縮液をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィー、次いでゲル濾過あるいは薄層クロマトグラフィ
ー(TLC)で分離・精製する。この精製画分を、さら
に例えば、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で
分画して、各画分を核磁気共鳴(NMR)法及び質量分
析(MS)法等により同定をおこなう。
【0017】NMRに関しては、200MHz以上の超
伝導フーリエ変換(FT)NMR装置を用い、水素(1
H)と炭素(13C)のNMRスペクトルを、さらには、
シフト相関二次元NMRスペクトル等を取るのが同定に
は有効である。また、MSに関しては、ガスクロマトグ
ラフィー質量分析(GC−MS)が同定には有効であ
る。
【0018】この様にして得られる本発明の光老化防止
剤に適用されるラウリンテロール類は、光老化防止効果
に優れると共に、極めて安定であり、製剤とした場合も
変色、変臭、分解失活などの経時的変化を起こさず、各
種の剤型に対して安定かつ容易に配合することができ
る。
【0019】また、上記のようにして得られるラウリン
テロール類または、それを含有する海藻の溶媒抽出エキ
スは、そのままあるいは溶媒に溶解する等により適当な
剤型にして光老化防止剤として使用される。また、本発
明におけるラウリンテロール類または、それを含有する
海藻の溶媒抽出エキスは、有効成分として各々単独で光
老化防止剤に含有させることもできるし、二種以上を併
用して用いることもできる。
【0020】<2>本発明の皮膚化粧料 本発明の皮膚化粧料は、上記光老化防止剤の1種又は2
種以上を配合したものである。本発明の皮膚化粧料に配
合される光老化防止剤の配合量は、通常、化粧料全量に
対して0.001〜1.0重量%、好ましくは、0.0
01〜0.1重量%である。0.001重量%より少な
い量では、シワ、タルミ等の肌の状態を改善する美肌効
果が十分に得られないことがあり、また、1.0重量%
を越えた量を用いたとしても、増加分に見合った効果が
望めないことがある。
【0021】本発明の化粧料の剤型は、特に限定される
ものではなく、例えば、クリーム、乳液、オイル、ロー
ション、パック、水性ゲル、オイルゲル及び軟膏などが
挙げられるが、経皮吸収性の点からクリーム、乳液、オ
イルなどがより好ましい剤型といえる。これらの皮膚化
粧料は、上記光老化防止剤を配合する以外は、通常の皮
膚化粧料と同様の方法で製造することができる。
【0022】また、本発明の皮膚化粧料には、上記光老
化防止剤以外に、通常、皮膚化粧料に適用される、流動
パラフィン、ワセリン、スクワラン等の炭化水素類、ミ
リスチン酸イソプロピル(IPM)や合成ゲイロウ、ホ
ホバ油、カルナウバワックス等のエステル類、オリーブ
油、牛脂等の動植物油脂、セタノール、ステアリルアル
コール等の高級アルコール類、ステアリン酸、オレイン
酸等の高級脂肪酸類、ラウリル硫酸ナトリウム、アルキ
ルスルホコハク酸エステル等のアニオン界面活性剤、4
級アルキルアミン塩等のカチオン界面活性剤、脂肪酸モ
ノグリセライド、ポオキシエチレン硬化ヒマシ油等のノ
ニオン界面活性剤、アルキルベタイン等の両性界面活性
剤等の界面活性剤類、グリセリンやプロピレングリコー
ル等の多価アルコール類、エタノール、プロパノール等
の低級アルコール類、パラベン類やグルコン酸クロルヘ
キシジン等の防腐剤類、ビタミンEやブチルヒドロキシ
トルエン等の酸化防止剤、アラビアゴム、カルボキシビ
ニルポリマー等の増粘剤、ポリエチレングリコール等の
保湿剤、クエン酸塩、酢酸塩等のpH調整剤、酸化チタ
ン、シリカゲル、タルク等の粉体類、香料、色素等、ヒ
アルロン酸、胎盤抽出物、朝鮮人参エキス、ステロール
配糖体等の各種目的に応じた薬効成分などが適宜選択さ
れて配合される。
【0023】また、本発明の皮膚化粧料には、上記光老
化防止剤以外に、パラアミノ安息香酸誘導体、ベンゾフ
ェノン誘導体等の紫外線吸収剤、β−カロチン、ビタミ
ンC等の紫外線から肌を保護したり、紫外線で障害を受
けた肌の修復作用を有する薬剤等を配合しても構わな
い。
【0024】
【実施例】以下に、本発明の実施例を説明する。まず、
はじめに本発明の光老化防止剤の実施例を説明する。
【0025】
【実施例1】 ラウリンテロール、デブロモラウリンテ
ロールの抽出、精製愛媛県の沿岸にて採取した紅藻フジ
マツモ科ソゾ(Laurencia )属の海藻ミツデソゾ(Laur
encia okamurai)を水で洗浄した後、凍結乾燥し粉砕し
た。この凍結粉砕物24.287gに、酢酸エチル10
0mLを加え、3時間よく撹拌し抽出した。抽出液を濾
過し、不溶分を除去すると共に濾液を集め溶媒を減圧除
去した。黒褐色の溶媒抽出エキス0.810gを取得し
た。
【0026】上記酢酸エチルにて抽出した溶媒抽出エキ
ス0.79gを用いて有効成分の分離・精製を行った。
すなわち、この抽出物をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(シリカゲル60、カラムサイズ;30mm×3
00mm、展開溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=8:
1)、次いでTLC(MERCK 社製、シリカゲル60、2
mm×20cm×20cm、展開溶媒;ヘキサン:酢酸
エチル=5:1)で分離・精製した。この精製画分を、
更にHPLC(カラム;Asahipak HIKARISIL −C18
6mmID×250mmL、溶出溶媒;MeOH:H
2O=80:20、検出器;UV−254nm、流速;
1.0mL/min)で分画してラウリンテロールを
0.12g、デブロモラウリンテロールを約0.02g
単離した。この様にして得られた、ラウリンテロール及
びデブロモラウリンテロールを、それぞれ光老化防止剤
1、光老化防止剤2として後述の化粧料に配合した。
【0027】上記で得られたラウリンテロールについて
300MHzのNMR、及びGC−MS等を駆使し、構
造確認を行った。 1H−NMRスペクトルを図1、13
−NMRスペクトルを図2、GC−MSスペクトルを図
3に示す。また、主なシグナルを表1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】表1のGC−MSの結果から、分子量29
5の物質であることが確認でき、281and279
(M+ −CH3 )から200への減少はBr(臭素)の
脱離を示しているので、Brの存在が確認できる。ま
た、 1H−NMRからδ=0.56ppmに三員環に由
来するシグナルと、δ=6.61と7.60ppmに2
つの芳香環のプロトン由来のシグナル、δ=2.29p
pmに芳香環のメチルプロトン由来のシグナルが確認さ
れ、13C−NMRのデータ、及び文献[T.Irie, M.Suzu
ki, E.Kurosawa, and T.Masamune(Tetrahedron,26
巻,3271頁〜3277頁1970年)]等と併せて
検討すると、ラウリンテロールであることがわかる。
【0030】デブロモラウリンテロールについても30
0MHzのNMR、及びGC−MS等により構造を確認
した。 1H−NMRスペクトルを図4、GC−MSスペ
クトルを図5に示した。また、主なシグナルを表2に示
した。
【0031】
【表2】
【0032】表2の 1H−NMRの結果からδ=6.5
4,6.68と7.38ppmに3つの芳香環のプロト
ン由来のシグナルが確認でき、GC−MSから分子量2
16の物質であることがわかるので、ラウリンテロール
から臭素が脱離したデプロモラウリンテロールであるこ
とがわかる。
【0033】<本発明の光老化防止剤の評価>上記実施
例1で得られた光老化防止剤1(ラウリンテロール)、
光老化防止剤2(デブロモラウリンテロール)を用いて
本発明の光老化防止剤の光(紫外線)老化反応抑制作
用、紫外線紅斑抑制作用、安定性についての評価を行っ
た。
【0034】(1)光(紫外線)老化反応抑制試験 5匹ずつ3群のヘアレスマウス(9〜10週齢、雌)の
背部皮膚にUV−Aを1日1回、週5回の割合で、6ヶ
月間照射した。光源には東芝BLBランプを用い、UV
−Bをカットするために7mm厚の板ガラスを動物とラ
ンプの間に取り付けた。照射エネルギー量は14〜28
mJ/cm2 /日としたが、漸強的に毎月エネルギー量
を増加させた。UV−Aの照射1時間前に、ヘアレスマ
ウスの1群には、実施例1で得られた光老化防止剤1
(ラウリンテロール)3mgを、希釈溶媒(プロピレン
グリコール及びエタノールの等量混合物、以下同じ)1
00mL中に溶解させたものを、他の1群には、上記と
同様に調製した実施例1で得られた光老化防止剤2(デ
ブロモラウリンテロール)の溶液を、残りの1群(対照
群)には、コントロールとして希釈溶媒のみを、それぞ
れ背部全域に50μLずつ均一に塗布した。試験開始か
ら6ヶ月後、皮膚に生じた光老化反応を、下記の判定基
準で肉眼評価した。
【0035】(判定基準) 0 : 皮膚色は薄乳桃色、タテジワが認められる。 1 : 皮膚色は弱度に蒼白化し、タテジワは消失。 2 : 皮膚色は中等度に蒼白化し、タテジワは消失、
弱度の結節、弱度の大ジワ・タルミが認められる。 3 : 皮膚色は強度に蒼白化し、タテジワは消失、強
度の結節、強度の大ジワ・タルミが認められる。
【0036】5匹の評点の平均値を求め、次式を用いて
抑制率を算出した。結果を表3に示す。
【0037】
【数1】抑制率=100×(対照群の平均値−試料投与
群の平均値)/対照群の平均値
【0038】
【表3】
【0039】この結果から、本発明の光老化防止剤は、
ヘアレスマウスのUV−A光老化反応を抑制する効果を
有することがわかった。
【0040】(2)紫外線紅斑抑制試験 6匹ずつ3群のハートレー系モルモット(体重700〜
900g、雄)の背部を予め除・剃毛した。照射部位以
外に紫外線が当たらぬように、幅広の絆創膏に1.5×
1.5cmの小孔を6ヶ(左右に3ヶ並列)開けたもの
を除毛部位にあて、その上から紫外線を照射した。光源
には東芝FL30−SEを用いた。照射エネルギー量は
768mJ/cm2 とした。紫外線の照射の1時間前の
1回と照射後1時間毎に3回、モルモットの1群には実
施例1で得られた光老化防止剤1(ラウリンテロール)
3mgを、希釈溶媒(プロピレングリコール及びエタノ
ールの等量混合物、以下同じ)0.1mL中に溶解させ
たものを、他の1群には、上記と同様に調製した実施例
1で得られた光老化防止剤2(デブロモラウリンテロー
ル)の溶液を、残りの1群(対照群)には、コントロー
ルとして希釈溶媒のみを投与した。1回の投与量は10
μL/部位とした。紫外線照射24時間後には、上記6
部位に均一な紅斑反応が観察された。この紅斑反応を下
記の判定基準に従って評価した。
【0041】(判定基準) 0 : 皮膚反応を認めない。 1 : 微弱あるいは境界不明瞭な紅斑が認められる。 2 : 中等度の境界不明瞭な紅斑が認められる。 3 : 強度の境界不明瞭な紅斑(浮腫を伴うこともあ
る)が認められる。
【0042】6匹の評点の平均値を求め、各光老化防止
剤による紫外線紅斑の抑制率を、上記(1)と同様にし
て求めた。結果を表4に示す。
【0043】
【表4】
【0044】この結果から明らかなように、本発明の光
老化防止剤は、ハートレー系モルモットの紫外線紅斑に
対し、顕著な抑制効果を有する。
【0045】(3)安定性試験 光老化防止剤の安定性の評価は、実施例1で得られた光
老化防止剤2(デブロモラウリンテロール)を用いて、
本発明の光老化防止剤の有する抗酸化活性の持続安定性
を以下の方法で測定することにより行った。
【0046】エタノール−水系でリノール酸を基質に
し、TBA法によって、抗酸化活性を測定した。TBA
法による抗酸化活性の測定は松下らの方法(油化学、2
4巻、481〜482頁、1975年)に従って行い、
酸化によって生成するマロンジアルデヒドをTBAとの
反応によって赤色に発色させて、比色定量した。
【0047】すなわち、50mL容の共栓付き三角フラ
スコに、エタノール(20部)−0.1Mリン酸緩衝液
(80部)を溶媒とする2×10-2Mリノール酸溶液1
0mL、0.1Mリン酸緩衝液(pH7.0)8mL、
及び0.1%の実施例1で得られた光老化防止剤2のエ
タノール溶液2mLを混合し、20mLの反応液を調製
した。この反応液中の光老化防止剤2の濃度は0.01
%になっている。この反応液を定温器中で40℃に保
ち、この反応液の抗酸化活性を、初めは毎日、その後、
少しずつ間隔を空けて40日間測定した。
【0048】すなわち、ねじ付き試験管に反応液0.1
mLを秤取し、35%トリクロロ酢酸溶液2mLと0.
1%の亜硫酸ナトリウム(無水)を含む0.36%TB
A溶液を加え、沸騰浴中で15分間加熱した。流水によ
って冷却後1mLの氷酢酸と2mLのクロロホルムを加
え、振盪後2500rpmで10分間遠心分離した。上
澄み液の532nmにおける吸光度を測定した。コント
ロールとして、光老化防止剤2を加えていないエタノー
ル液を用い、また天然抗酸化剤であるα−トコフェロー
ル及び合成抗酸化剤であるBHA(ブチルヒドロキシア
ニソール)を光老化防止剤2と同一濃度にして測定し比
較した。
【0049】試験結果を合わせて図6に示した。試料の
酸化が始まると吸光度は上昇し、最高点に達したあと、
酸化されるべき試料が少なくなるにつれて吸光度は減少
する。従って、吸光度のピークが早くできはじめる試料
の抗酸化活性は弱く不安定である。図6より、実施例1
で得られた光老化防止剤2(デブロモラウリンテロー
ル)は、α−トコフェロールよりもずっと強く安定的な
効果を有していること、BHAと同様に40日以上にわ
たって安定的に抗酸化活性を持続していることがわか
る。この結果から、本発明の光老化防止剤の作用に持続
安定性があることは明らかであるといえる。
【0050】次に、上記実施例1で得られた本発明の光
老化防止剤1、光老化防止剤2を配合した皮膚化粧料の
実施例を説明する。尚、以下に示す配合量は全て重量部
である。
【0051】
【実施例2】 化粧水 表5に示すA成分を混合し、室温下にて溶解した。一
方、B成分も室温下にて混合溶解し、これをA成分に加
えて可溶化して化粧水を得た。また、同様にして本発明
の光老化防止剤を含有しない比較例の化粧水を製造し
た。
【0052】
【表5】
【0053】
【実施例3】 乳液 表6のA成分を加熱混合し70℃とした。これとは別
に、70℃に加熱混合したB成分に、A成分を加え乳化
し、冷却しながらC成分を加えて乳液を得た。また、同
様にして本発明の光老化防止剤を含有しない比較例の乳
液を製造した。
【0054】
【表6】
【0055】
【実施例4】 クリーム 表7のA成分を加熱混合し、70℃とした。このA成分
に、これとは別に70℃に加熱混合したB成分を加えて
乳化し、35℃まで冷却し、更にC成分を加えてクリー
ムを得た。
【0056】
【表7】
【0057】
【実施例5】 クリーム 表8のA成分を80℃に加熱混合した。これとは別に、
B成分を80℃に加熱した。A成分にB成分を加えて撹
拌乳化し、その後35℃まで冷却してクリームを得た。
【0058】
【表8】
【0059】
【実施例6】 乳液 表9のA成分及びB成分を70℃で各々撹拌しながら溶
解した。B成分にA成分を加え予備乳化を行った後ホモ
ミキサーで均一に乳化し、その後かき混ぜながら30℃
まで冷却して乳液を得た。
【0060】
【表9】
【0061】
【実施例7】 化粧水 表10のA成分を混合し、室温下にて溶解した。一方、
B成分も室温下に溶解し、これをA成分に加えて可溶化
し、化粧水を得た。
【0062】
【表10】
【0063】<本発明の皮膚化粧料の評価>顔面に乾燥
性肌荒れ、シワ、タルミを有する本邦健常成人女性40
名をパネラーとし、10名ずつ4グループ(Aグルー
プ、Bグループ、Cグループ、Dグループ)に分かれて
もらい、Aグループには、顔面に実施例2で得られた化
粧水、Bグループには比較例1で得られた化粧水、Cグ
ループには実施例3で得られた乳液、Dグループには比
較例2で得られた乳液を、それぞれ毎日通常の使用方法
で使用し、3ヶ月間連続使用してもらった。
【0064】各化粧料の使用開始から3ヶ月後に化粧の
り、肌荒れ、シワ、タルミの各評価項目について改善状
態又は自然増悪の状態について、以下の評価基準で自己
評価してもらった。表11に、各グループ別、評価項目
別の、各評点をつけた人数とその評点の平均を示す。
【0065】(評価基準) 3 : 著明な改善があった 2 : かなり改善した 1 : やや改善した 0 : 変化なし −1 : 自然増悪した
【0066】
【表11】
【0067】この結果から、本発明の光老化防止剤を含
有しない比較例の化粧料に比べ、本発明の光老化防止剤
を含有する実施例の化粧料が、化粧のり、肌荒れ、シ
ワ、タルミをよく改善していることは、明らかである。
【0068】
【発明の効果】本発明の光老化防止剤は、高い安定性を
有し、且つ有効な光老化防止作用を有する。また、本発
明の皮膚化粧料は、光老化によるシワ、タルミ等を防
止、改善する美肌効果に優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1で得られた光老化防止剤1(ラウリ
ンテロール)の 1H−NMRスペクトルを示す図。
【図2】 実施例1で得られた光老化防止剤1(ラウリ
ンテロール)の13C−NMRスペクトルを示す図。
【図3】 実施例1で得られた光老化防止剤1(ラウリ
ンテロール)のGC−MSスペクトルを示す図。
【図4】 実施例1で得られた光老化防止剤2(デブロ
モラウリンテロール)の 1H−NMRスペクトルを示す
図。
【図5】 実施例1で得られた光老化防止剤2(デブロ
モラウリンテロール)のGC−MSスペクトルを示す
図。
【図6】 実施例1で得られた光老化防止剤2(デブロ
モラウリンテロール)、α−トコフェロール、BHAの
抗酸化活性の経時変化をTBA法により測定した結果を
示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 35/80 A61K 35/80 Z (72)発明者 松家 伸吾 愛媛県伊予市森728番地株式会社海藻資源 研究所内 (72)発明者 河野 繁貴 愛媛県伊予市森728番地株式会社海藻資源 研究所内 (72)発明者 二宮 正順 愛媛県伊予市森728番地株式会社海藻資源 研究所内 (72)発明者 川久保 明宏 愛媛県伊予市森728番地株式会社海藻資源 研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)で表される化合物を有
    効成分とする光老化防止剤。 【化1】 但し、化1中、Xは水素原子、又は臭素原子を示す。
  2. 【請求項2】 請求項1において一般式(I)で表され
    る化合物を、一般式(I)で表される化合物を含有する
    海藻の溶媒抽出エキスとして配合した光老化防止剤。
  3. 【請求項3】 海藻が紅藻フジマツモ科ソゾ(Laurenci
    a)属に属する海藻である請求項2記載の光老化防止
    剤。
  4. 【請求項4】 紅藻フジマツモ科ソゾ(Laurencia)属
    に属する海藻がミツデソゾ、クロソゾ、パピラソゾ、コ
    ブソゾから選ばれる海藻である請求項3記載の光老化防
    止剤。
  5. 【請求項5】 海藻の溶媒抽出エキスが、親油性溶媒及
    び/又は親水性溶媒により海藻から抽出された溶媒抽出
    エキスである請求項2記載の光老化防止剤。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項に記載の光
    老化防止剤を含有する皮膚化粧料。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2803200A1 (fr) * 1999-12-30 2001-07-06 Brev Licences Et Commercialisa Composition cosmetique photoprotectrice contenant un extrait d'algue marine
US6290993B1 (en) 1999-07-23 2001-09-18 E-L Management Corp. Compositions containing mimosa phenolic compounds
JP3408258B2 (ja) * 1997-03-11 2003-05-19 ポーラ化成工業株式会社 皮膚状態改善剤の評価方法及び皮膚外用剤の製造方法
JP2007332349A (ja) * 2006-05-17 2007-12-27 Yamaguchi Univ デブロモラウリンテロールからなる香料
WO2009048195A1 (en) * 2007-10-09 2009-04-16 Pukyong National University Industry-Academic Cooperation Foundation Laurinterol compound derived from laurencia okamurai for the prevention and inhibition of melanoma
KR20150144459A (ko) * 2014-06-17 2015-12-28 엠제이테크(주) 화장료 조성물

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