JPH08245081A

JPH08245081A - サクションマウス

Info

Publication number: JPH08245081A
Application number: JP7078163A
Authority: JP
Inventors: Kenji Baba; 健治馬場
Original assignee: Murata Machinery Ltd
Current assignee: Murata Machinery Ltd
Priority date: 1995-03-08
Filing date: 1995-03-08
Publication date: 1996-09-24

Abstract

(57)【要約】【目的】巻取パッケージの表面に糸端が絡んでいて
も、確実に口出しできるサクションマウスを提供する。【構成】巻取パッケージｂの全幅にわたるサクション
口４を備え、巻取パッケージｂの表面に位置する糸端を
捕捉して口出しするためのサクションマウス１に関す
る。特に前記巻取パッケージｂの全幅を対象とする空気
の吹き出し手段５，６を設け、パッケージ表面に絡んで
いる糸端があっても空気流で振動させて絡みを解消し、
サクション口４から糸端が吸引されるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、巻取パッケージの表面
に位置する糸端を捕捉して口出しするためのサクション
マウスに関し、特に糸を形成する繊維がループを形成し
ており糸端がパッケージ表層の糸に引っ掛かっている場
合でも、確実に口出しできるものに関する。

【０００２】

【従来の技術】革新紡績機においては、短繊維束（スラ
イバ）から紡績糸を形成する紡績装置内に、紡績後の糸
端を逆通しして糸継ぎ（以下ピーシングという）し紡績
再開を可能とするピーシング装置があり、このピーシン
グ装置には巻取パッケージから糸端を捕捉して口出しす
るサクションマウスが設けられている。また、精紡機か
らの給糸ボビンを糸継ぎして巻取パッケージに巻き直す
自動ワインダの各巻取ユニットにも、巻取パッケージか
ら糸端を捕捉して口出しするサクションマウスが設けら
れている。サクションマスウが口出しした下糸と、中継
パイプなどが口出しした上糸とが糸継装置に運ばれて糸
継ぎされる。

【０００３】このようなサクションマウスとしては、退
避位置から進出位置まで旋回自在なアームの先端に三角
形状に拡がったマウスを一体に設け、このマウスの先端
付近にスリット状のサクション口を開口したものであ
る。アーム内及びマウス内は空洞になっており、アーム
の根本部分は吸引ブロアーに接続されており、サクショ
ン口から吸引が可能になっている。

【０００４】糸切れ又は糸欠点の検出による糸切断時に
は、サクションマウスが退避位置から巻取パッケージの
表面にサクション口が対面する進出位置まで旋回し、同
時にサクション口から吸引が行われる。また、巻取パッ
ケージを巻取り時とは逆方向の巻き戻し方向に回転させ
る。すると、巻取パッケージの表面の何処かにある糸端
がサクション口に至る空気流にのって捕捉され、巻取パ
ッケージの巻き戻しと共に糸端がサクション口に口出し
される。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところで、紡績糸は短
繊維が結束又は実撚したものであり、表面にループ状の
短繊維があることがある。すると、繊維のループが毛羽
に引っ掛かるとベルベット式ファスナーのようになるこ
とがある。この現象が糸端に生じると、糸端は巻取パッ
ケージの表面に引っ掛かった状態になる。糸端の繊維が
絡まって引っつくと、サクションマウスの吸引力だけで
は糸端の口出しができず、口出し失敗による錘の停止が
発生するという問題点がある。

【０００６】なお、糸端は巻取パッケージの全幅の何処
かにあり、全幅の端付近に位置する場合がある。また、
サクションマウスのマウスは末広がり形状になっている
ため、マウスの両端付近の吸引力が弱く、巻取パッケー
ジの全幅の両端付近にある糸端の吸引が失敗することも
ある。

【０００７】本発明は、従来の技術の有するこのような
問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とすると
ころは、巻取パッケージの表面に糸端が絡んでいても、
確実に口出しできるサクションマウスを提供することに
ある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明のサクションマウスは、巻取パッケージの全幅にわた
るサクション口を備え、巻取パッケージの表面に位置す
る糸端を捕捉して口出しするためのサクションマウスで
あって、前記巻取パッケージの全幅を対象とする空気の
吹き出し手段を設けたことを要旨とする。そして、前記
吹き出し手段による空気の吹き出しは間欠的に行われる
ものが好ましく、また、前記吹き出し手段による空気の
吹き出し方向は、巻取パッケージの巻き戻し方向と逆方
向であって、前記巻取パッケージの接線方向であるもの
が好ましい。

【０００９】

【作用】巻取パッケージの全幅を対象する空気の吹き出
し手段により、パッケージ表面に絡んでいる糸端が空気
流で振動して絡みが解消し、サクション口から糸端が吸
引される。また、この空気の吹き出し手段を間欠的にす
ると、吹き出しによるエアカーテンがサクション口の吸
引力を弱める場合であっても、吹き出し手段の停止時に
糸端がサクション口から吸引される。また、空気の吹き
出し方向を巻取パッケージの接線方向にすると、糸端の
絡みに対する引き剥がし力が大きくなり、巻き戻し方向
と逆方向に吹き出すと、糸端が巻取パッケージの表面か
ら剥離する方向に引き剥がされる。

【００１０】

【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
つつ説明する。図１は本発明のサクションマウスの要部
の斜視図であり、図２は本発明の他のサクションマウス
の断面図である。

【００１１】図１において、サクションマウス１は、Ｌ
字状に曲げ加工されたアーム２と、アーム２の先端の末
広がり状のマウス３と、マウス３に側面の下方に開口す
るスリット状のサクション口４と、マウス３の側面の両
側に設けられたノズルボックス（吹き出し手段）５，６
とからなっている。ノズルボックス５，６には配管７，
８，９を経て圧縮空気が供給される。また、配管９の根
本にはオンオフ電磁弁１０が取り付けられている。

【００１２】図示のサクションマウス１は巻取パッケー
ジｂに対して進出位置にあり、スリット状のサクション
口４が巻取パッケージｂの表面に対面している。サクシ
ョンマウス１のアーム２及びマウス３の内部は連通した
空洞になっており、図示の進出位置になると自動的に図
示されない吸引ブロアによって矢印Ａ方向に吸引され
る。すると、サクション口４に吸い込まれる気流が発生
し、この気流によって巻取パッケージｂ表面の糸端が吸
い込まれて捕捉される。糸端は巻取パッケージｂの全幅
の何処かにあるため、サクション口４は巻取パッケージ
ｂの全幅に相当する長さを有している。また、サクショ
ンマウス１が図示の進出位置になると、巻取パッケージ
ｂが矢印Ｂのように巻き戻し方向に回転させられている
ため、サクション口４に捕捉された糸は解舒されつつ吸
い込まれ、所定の口出しが行われる。

【００１３】ノズルボックス（吹き出し手段）５は図示
例では５個のノズル１１を有しており、ノズル１１から
の噴出気流が巻取パッケージｂの左半分の表面に斜めか
ら当たるようになっている。ノズルボックス（吹き出し
手段）６も５個のノズル１２を有しており、ノズル１２
からの噴出気流が巻取パッケージｂの右半分の表面に斜
めから当たるようになっている。したがって、ノズルボ
ックス５，６が共同して、巻取パッケージｂの全幅に相
当する部分に空気の吹き出しを行う。

【００１４】また、ノズル１１，１２の斜めの吹き出し
方向は巻取パッケージｂの端から中央に向かう方向に傾
いており、端付近にある糸端を中央側に寄せるという役
割も果たしている。なお、ノズルボックス５，６のノズ
ル１１，１２の大きさと数は、巻取パッケージｂの全幅
にエアの攪拌力が及ぶ程度に適宜選定される。また、ノ
ズルボックス５，６からのエアの吹き出しは、ノズル１
１，１２に限らず、スリットからの吹き出しであっても
よい。また、図示例では、ノズル１１，１２は巻取パッ
ケージｂの両端程距離が近く強いエアの吹き出しが得ら
れるようになっているが、ノズル１１，１２がサクショ
ン口と略平行になるようにノズルボックス５，６の形状
を三角形にし、巻取パッケージｂの全幅に略同じ強さの
エアの吹き出しが行われるようにしてもよい。

【００１５】巻取パッケージｂが巻き戻し方向Ｂに回転
すると、ノズルボックス（吹き出し手段）５，６の吹き
出しが巻取パッケージｂの全幅に及んで行われ、糸端が
吹き出しに伴う気流で振動し、糸端が巻取パッケージｂ
の表面に絡んでいても、ほぐされて離れる。また、糸端
が巻取パッケージｂの端のほうにあっても、ノズルボッ
クス（吹き出し手段）５，６の吹き出しで中央に寄せら
れる。すると、巻取パッケージｂの表面から離れた糸端
は直ちにサクション口４から吸引され、所定の口出しが
確実に行われる。また、電磁弁１０によって、ノズルボ
ックス５，６からの吹き出しを間欠的に行うと、吹き出
しによって糸端を表面から剥がし、吹き出しが止まって
いる間にサクション口４に糸端を吸引させることができ
る。すなわち、ノズルボックス５，６からの吹き出しと
サクション口４での吸引が干渉しない。

【００１６】つぎに、図２により他のサクションマウス
１の構造を説明する。アーム２の先端にマウス３が一体
に設けられている点は図１と同様であるが、吹き出し手
段としてのノズルがマウス３の先端部分に埋設されてい
る。すなわち、マウス３の先端部分のエア溜め２１に所
定間隔でノズル２２が開口しており、ノズル２２からの
噴出気流２３が巻取パッケージｂの接線方向に吹き出す
構造になっている。

【００１７】このように、噴出気流２３が巻取パッケー
ジｂの接線方向に吹き出すと、糸端に対する空気力が有
効に作用し、絡んだ糸端をほぐす力が最大になる。ま
た、マウス３の先端部分にノズル２２を埋設する構造に
すると、マウス３の出っ張りがなくなり、他の部品と干
渉しない。

【００１８】つぎに、上述したサクションマウスの適用
例の一つとしての革新紡績機を説明する。紡績機の正面
図である図３において、紡績装置は、多数の紡績ユニッ
トＵと、各紡績ユニットＵに共通のピーシング装置Ｐと
からなる。紡績ユニットＵは図面の前後方向に多数配列
されており、ピーシング部Ｐはこの紡績ユニットＵの配
列方向に沿って走行し、糸切れが発生した紡績ユニット
Ｕを検出して糸継を行うものである。９ａはこのために
床に設置された下部レール、８ａはピーシング装置Ｐに
配置されている適当な駆動手段により回転駆動されこの
下部レール９ａ上を走行する車輪、９ｂは紡績機の上部
に設置された上部レール、８ｂ及び８ｃはこの上部レー
ル９ｂを挟持するようピーシング装置Ｐの上部に配置さ
れた車輪である。

【００１９】紡績ユニットＵの一錘の側面とピーシング
装置Ｐの側面図である図４において、紡績ユニットＵ
は、ドラフト装置Ｄに隣接して紡績装置Ｓｐが配置され
ており、紡績装置Ｓｐにより形成された紡績糸Ｙは、ニ
ップローラＲｎ及びデリベリローラＲｄからなる紡績糸
送り出し部材Ｈ、スラブキャッチャーＺ等を経て紡績糸
巻取部Ｗに送られ、巻取パッケージｂに巻き取られる。

【００２０】Ｄは紡績装置Ｓｐの上流に配設されるドラ
フト装置であり、短繊維束を細くなるまで引っ張るもの
である。スライバＬはスライバガイドＴを経てドラフト
装置Ｄに供給される。このドラフト装置Ｄは、バックロ
ーラＲｂ、サードローラＲｔ、エプロンを有するセカン
ドローラＲｓ、及びフロントローラＲｆからなる。なお
は、紡績装置Ｓｐは、旋回気流を生じさせるノズル部材
と、旋回気流で開繊された短繊維を絡めるためのスピン
ドル部材とからなり、ドラフト装置Ｄからの短繊維束を
結束糸に加工する。

【００２１】ピーシング装置Ｐは、糸切れを起こした紡
績ユニットＵのパッケージｂからこれに巻き込まれた紡
績糸Ｙを巻き戻すためにパッケージｂをフリクションロ
ーラｄから離すとともにその位置にパッケージｂを保持
するためのパッケージ押出部材Ｊ、フリクションローラ
ｄから離されたパッケージｂを巻取方向と反対方向に逆
転させるためのパッケージ逆転部材Ｒｗ、パッケージｂ
から紡績糸Ｙの切断端を引き出すためのサクションマウ
スＳｕ、パッケージｂから引き出された紡績糸Ｙを案内
し所定の位置に保持するための案内部材Ｇｕ、パッケー
ジから引き出された紡績糸Ｙを所定の位置で切断把持
し、紡績装置Ｓｐのスピンドル部材Ｓの下方に移送する
トランスファーアーム部材Ｔａ及びパッケージｂから引
き出された紡績糸Ｙを紡績装置Ｓｐのスピンドル部材Ｓ
の中空スピンドルｓに糸通しするとともに糸通しされた
紡績糸Ｙの先端部を解繊するためのエアーサッカー部材
Ａｓ等から構成されている。

【００２２】つぎにピーシング装置Ｐによる紡績装置Ｓ
ｐ内への糸の逆通しを説明する。特定紡績ユニットＵの
紡績装置Ｓｐ内の原因による糸切れが発生すると、ピー
シング装置Ｐは以下の動作を行う。すなわち、パッケー
ジ押出部材Ｊが紡績ユニットＵの糸切れを起こしたパッ
ケージｂからこれに巻き込まれた紡績糸Ｙを巻き戻すた
めにパッケージｂをフリクションローラｄから離すとと
もにその位置にパッケージｂを保持する。つぎに、パッ
ケージ逆転部材Ｒｗがフリクションローラｄから離され
たパッケージｂを巻取方向と反対方向に逆転させる。つ
ぎに、サクションマウスＳｕがパッケージｂから紡績糸
Ｙの切断端を引き出す。つぎに、案内部材Ｇｕがパッケ
ージｂから引き出された紡績糸Ｙを案内し所定の位置に
保持する。つぎに、トランスファーアーム部材Ｔａがパ
ッケージから引き出された紡績糸Ｙを所定の位置で切断
把持し、紡績装置Ｓｐの下方まで移送する。

【００２３】つぎに、エアーサッカー部材Ａｓを紡績装
置Ｓｐまで進出させ、糸通しを行う。そして、更に糸通
し後の先端をほぐして穂先状先端部にして、紡績準備を
整える。つぎに、エアーサッカー部材Ａｓを図１の待機
位置まで後退させる。そして、、紡績装置Ｓｐ内の旋回
気流による糸継ぎが行われる。このような一連の工程を
とどこおりなく行うためには、サクションマウスによる
巻取パッケージｂの糸端吸引の失敗があってはならな
い。そのため、本発明のサクションマウスの使用が有効
である。

【００２４】

【発明の効果】本発明のサクションマウスは、巻取パッ
ケージの全幅を対象する空気の吹き出し手段を有してお
り、パッケージ表面に絡んでいる糸端があっても吹き出
し手段からの空気流による振動で糸端をほぐしてサクシ
ョン口に吸引されるようにしたので、引っつきやすい紡
績糸に対する口出しの成功率を高めることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のサクションマウスの要部斜視図であ
る。

【図２】本発明の他のサクションマウスの要部断面図で
ある。

【図３】紡績ユニットの一錘とピーシング装置の断面図
である。

【図４】紡績機の正面図である。

【符号の説明】

１サクションマウス２アーム３マウス４サクション口５，６ノズルボックス（吹き出し手段）１１，１２ノズル（吹き出し手段）ｂ巻取パッケージ

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】巻取パッケージの全幅にわたるサクショ
ン口を備え、巻取パッケージの表面に位置する糸端を捕
捉して口出しするためのサクションマウスであって、前
記巻取パッケージの全幅を対象とする空気の吹き出し手
段を設けたことを特徴とするサクションマウス。
【請求項２】前記吹き出し手段による空気の吹き出し
は間欠的に行われる請求項１記載のサクションマウス。
【請求項３】前記吹き出し手段による空気の吹き出し
方向は、巻取パッケージの巻き戻し方向と逆方向であっ
て、前記巻取パッケージの接線方向である請求項１又は
２記載のサクションマウス。