JPH08244433A - 車両のサスペンション制御装置 - Google Patents

車両のサスペンション制御装置

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JPH08244433A
JPH08244433A JP5148895A JP5148895A JPH08244433A JP H08244433 A JPH08244433 A JP H08244433A JP 5148895 A JP5148895 A JP 5148895A JP 5148895 A JP5148895 A JP 5148895A JP H08244433 A JPH08244433 A JP H08244433A
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damping
coefficient
diagonal
shock absorber
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 対角ロール方向の減衰力の不足分を補正して
車体のロール運動を抑制する。 【構成】 減衰係数を変更する手段51を備えたショッ
クアブソーバ3と、各車輪のバネ上の絶対速度を検出す
る手段52と、バネ下のバネ上に対する相対速度を検出
する手段53と、これら検出値から演算した目標減衰係
数にショックアブソーバ3の減衰係数が一致するよう減
衰係数変更手段51を駆動する制御手段54とを備え、
制御手段54は、対角上の車輪の目標減衰係数を比較す
る手段55と、この比較結果に基づいて一方の目標減衰
係数がショックアブソーバ3で設定可能な最小減衰係数
min未満の場合にはこの最小減衰係数Cminを減衰係数
として設定するとともに、対角上の他方の車輪のショッ
クアブソーバの減衰係数を目標減衰係数より増大させる
ロール減衰補正手段56とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両用シャックアブソ
ーバの減衰係数を変更可能なサスペンション制御装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から減衰係数を調整可能なショック
アブソーバを備えた車両においては、車輪の接地性や乗
心地を向上させるためにコントローラからの指令によっ
てアクチュエータを駆動し、ショックアブソーバの減衰
係数を可変制御するものが知られており、例えば、特開
平6−92126号公報に開示されるような装置があ
る。
【0003】これは、車体のロールまたはピッチ方向の
速度をそれぞれ検出して、これら速度に応じて車体の制
振を行うショックアブソーバの減衰係数の大きさを補正
することにより、スカイフックダンパ制御に近い制振特
性で車体のロールまたはピッチ運動を抑制しようとする
ものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、車体にロー
ル及びピッチ方向の加振入力が同時に加わった場合のス
カイフックダンパ制御を考えると、例えば、図14、図
15に示すように、車両の走行中に右前輪2FRが突起
に乗り上げる一方、他の車輪、左前輪2FL及び左右後
輪2RL、2RLが平坦路を走行中の場合には、車体に
図14に示すように図中左回りのロール運動が発生する
とともに、図15に示すようにスクワット方向のピッチ
運動が発生する。
【0005】いま、左右の前輪2FL、2FRに着目し
てスカイフックダンパ制御のロール方向の減衰係数を考
えると、スカイフックダンパ制御による理想的な左右前
輪の減衰力をそれぞれFFR,FFLとすると、次のように
表される。なお、FRは右前輪、FLは左前輪をそれぞ
れ示す(以下同様)。
【0006】FFR=−Cs×ZVFR …(a1) FFL=−Cs×ZVFL …(a2) ただし、Cs;スカイフックダンパ制御による理想的な
減衰係数 ZVFR、ZVFL;各車輪に対応したバネ上絶対速度 スカイフックダンパ制御による理想的な車体ロール方向
の減衰力FFR−FFLは次のようになる。
【0007】 FFR−FFL=−Cs×(ZVFR−ZVFL) …(a3) 左右前輪のショックアブソーバの目標減衰係数CFR、C
FLは、それぞれ次式より求められる。
【0008】 CFR=−Cs×ZVFR/HVFR …(a4) CFL=−Cs×ZVFL/HVFL …(a5) なお、相対速度HVFR、HVFLはバネ上の絶対速度をX
FR'、XFL'、バネ下の絶対速度をX0FR'、X0FL'とする
と次のように演算されるものである。
【0009】HVFR=X0FR'−XFR' HVFL=X0FL'−XFL' 上記(a4)式で求めた右前輪の目標減衰係数CFRは、バ
ネ上の絶対速度が正方向(図14の上方向)、相対速度
HVFRも正方向となるため負の値となるが、実際には、
ショックアブソーバの減衰係数は正の値にしか設定でき
ないため、左前輪の目標減衰係数CFRは、ショックアブ
ソーバで設定可能な最小の減衰係数Cminに設定される
ため、理想的なスカイフックダンパ制御が行われない。
【0010】一方、上記(a5)式で求めた左前輪の目標
減衰係数CFLは、バネ上の絶対速度が負の方向(図14
の下方向)、相対速度HVFLは正方向となるため、正の
値となって、理想的なスカイフックダンパ制御を行うこ
とができる。
【0011】このようにして、左右前輪の減衰係数を設
定した場合に、実際に発生する各車輪の減衰力を
FR'、FFL'とすると、 FFR'=CFR×HVFR=Cmin×HVFR …(a6) FFL'=CFL×HVFL=−Cs×ZVFL=FFL …(a7) となって、左前輪2FLに発生する減衰力FFL’は、上
記(a2)式で求めたスカイフックダンパ制御による理想
的な減衰力FFRと一致するが、突起に乗り上げた右前輪
2FRに発生する減衰力FFR'は、上記(a1)式の理想
的なスカイフックダンパ制御による理想的な減衰力FFL
に対して過大となって、実際に発生するロール方向の減
衰力FFR'−FFL'は次式のように表される。
【0012】 FFR'−FFL'=Cmin×HVFR−FFL =FFR−(−Cs×ZVFL)+Cmin×HVFR−FFL =FFR−FFL+{Cmin−(−Cs×ZVFR/HVFR)}×HVFR >FFR−FFL …(a8) すなわち、理想的なスカイフックダンパ制御によるロー
ル減衰力FFR−FFLに対して、実際に発生するロール減
衰力FFR'−FFL'が不足するため車体のロール方向の運
動は抑制されない。
【0013】同時に、図15に示すように、車体のピッ
チ方向についても上記ロール方向同と様にして、右前輪
2FRのバネ上加速度ZGFRが正方向、左右後輪2R
R、2RLのバネ上加速度ZGRR、ZGRLは共に負方向
となって、スクワット方向(図中右回り)のピッチ運動
が発生し、上記ロール方向と同様にして、右前輪2FR
のショックアブソーバが最小減衰係数Cminに設定され
るためピッチ方向の減衰力が不足するのである。
【0014】そして、これらロール運動、ピッチ方向の
運動の合成された対角ロール運動が、左前輪2FLと右
後輪2RRを結ぶ対角線を軸として右前輪2FRの車体
を上方へ変位させる方向へ発生する。
【0015】しかしながら、上記従来のサスペンション
制御装置にあっては、スカイフックダンパ制御によりコ
ントローラで演算された車体のロール及びピッチ運動を
抑制するための目標減衰係数が、ショックアブソーバで
設定可能な最小減衰係数よりも小さくなる場合には、上
記したようにショックアブソーバで設定可能な最小減衰
係数とするだけであるため、ロール運動とピッチ運動が
合成された対角ロール方向の減衰力が理想的なスカイフ
ックダンパ制御による減衰力に対して不足し、車体に発
生する対角ロール運動を確実に抑制できない場合があっ
た。
【0016】そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなさ
れたもので、スカイフックダンパ制御による目標減衰係
数がショックアブソーバで設定可能な最小減衰係数より
小さくなる場合にも車体の対角ロール運動を確実に抑制
可能な車両のサスペンション制御装置を提供することを
目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、図16に
示すように、各車輪のバネ上とバネ下との間に介装され
て減衰係数を変更する減衰係数変更手段51を備えたシ
ョックアブソーバ3と、各車輪のバネ上の車体上下方向
の絶対速度を検出するバネ上速度検出手段52と、各車
輪のバネ下のバネ上に対する車体上下方向の相対速度を
検出する相対速度検出手段53と、これらバネ上絶対速
度検出手段52と相対速度検出手段53の検出値に基づ
いて前記ショックアブソーバ3の目標減衰係数を演算す
るとともに、この目標減衰係数にショックアブソーバ3
の減衰係数が一致するよう前記減衰係数変更手段を駆動
する制御手段54とを有する車両のサスペンション制御
装置において、前記制御手段54は、対角上の車輪の目
標減衰係数とショックアブソーバで設定可能な最小減衰
係数Cminとを比較する比較手段55と、この比較結果
に基づいて少なくとも一方の目標減衰係数がショックア
ブソーバで設定可能な最小減衰係数Cmin未満の場合に
はこの最小減衰係数Cminを目標減衰係数として設定す
るとともに、対角上の他方の車輪のショックアブソーバ
の目標減衰係数を前記目標減衰係数より増大させる対角
ロール減衰補正手段56とを備える。
【0018】また、第2の発明は、図16に示すよう
に、各車輪のバネ上とバネ下との間に介装されて減衰係
数を変更する減衰係数変更手段51を備えたショックア
ブソーバ3と、各車輪のバネ上の車体上下方向の絶対速
度を検出するバネ上速度検出手段52と、各車輪のバネ
下のバネ上に対する車体上下方向の相対速度を検出する
相対速度検出手段53と、これらバネ上絶対速度検出手
段52と相対速度検出手段53の検出値に基づいて前記
ショックアブソーバ3の目標減衰係数を演算するととも
に、この目標減衰係数にショックアブソーバ3の減衰係
数が一致するよう前記減衰係数変更手段を駆動する制御
手段54とを有する車両のサスペンション制御装置にお
いて、前記制御手段54は、前記目標減衰係数とショッ
クアブソーバで設定可能な最小減衰係数Cminとを比較
する比較手段55と、この比較結果に基づいて対角上の
車輪の目標減衰係数が前記最小減衰係数Cminより小さ
い場合には、前記最小減衰係数Cminと目標減衰係数の
差が大きいほうの目標減衰係数を最小減衰係数Cmin
設定する一方、対角上の他方のショックアブソーバの目
標減衰係数を最小減衰係数Cminより増大させる対角ロ
ール減衰補正手段56とを備える。
【0019】また、第3の発明は、図16に示すよう
に、前記第1または第2の発明において、前記対角ロー
ル減衰補正手段56は、前記対角上のショックアブソー
バ3の目標減衰係数に基づいて車体の対角ロール方向の
減衰力の不足分を演算する対角ロール減衰力演算手段5
7と、この対角ロール減衰力の不足分に応じて対角ロー
ル減衰補正係数C2を演算する補正係数演算手段58
と、前記対角ロール減衰補正係数C2を前記目標減衰係
数に加算して前記目標減衰係数を増大する加算手段59
とを備える。
【0020】また、第4の発明は、前記第3の発明にお
いて、前記補正係数演算手段は、目標減衰係数と前記最
小減衰係数Cminの減衰係数の差を対角方向で比較する
とともに、この対角方向の減衰係数の差に応じた対角ロ
ール減衰補正係数C2を演算する。
【0021】
【作用】したがって、第1の発明は、対角上の車輪のシ
ョックアブソーバの目標減衰係数とショックアブソーバ
で設定可能な最小減衰係数Cminとを比較して少なくと
も一方の目標減衰係数が、ショックアブソーバで設定可
能な最小減衰係数Cmin未満の場合にはこの最小減衰係
数Cminを目標減衰係数として設定するとともに、対角
上の他方の車輪のショックアブソーバの減衰係数を目標
減衰係数より増大させることで、対角ロール方向の減衰
力の不足分を補って車体のロール及びピッチ運動が合成
された対角ロール運動を抑制することができる。
【0022】また、第2の発明は、対角上の車輪のショ
ックアブソーバの目標減衰係数を比較して、対角上の目
標減衰係数が共にショックアブソーバで設定可能な最小
減衰係数Cmin未満の場合には、最小減衰係数Cminと目
標減衰係数の差が大きい方の減衰係数を前記最小減衰係
数Cminに設定するとともに、対角上の他方の減衰係数
を最小減衰係数Cminより増大させることで、対角ロー
ル方向の減衰力の不足分を補って車体のロール及びピッ
チ運動が合成された対角ロール運動を抑制することがで
きる。
【0023】また、第3の発明は、対角ロール減衰補正
手段は、対角上のショックアブソーバの目標減衰係数の
差に基づいて車体の対角ロール方向の減衰力の不足分を
演算し、この対角ロール減衰力の不足分に応じて演算し
た対角ロール減衰補正係数C2を、最小減衰係数Cmin
設定したショックアブソーバと対角上の他方のショック
アブソーバの目標減衰係数に加算することで、不足する
対角ロール方向の減衰力を補って車体のロール及びピッ
チ運動が合成された対角ロール運動を抑制することがで
きる。
【0024】また、第4の発明は、前記補正係数演算手
段は、目標減衰係数と前記最小減衰係数Cminの差を対
角についてそれぞれ演算し、さらにこれら対角上の減衰
係数の差に応じて演算した対角ロール減衰補正係数C2
を目標減衰係数に加算するため、車体のロール及びピッ
チ運動が合成された対角ロール運動を抑制することがで
きる。
【0025】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて
説明する。
【0026】図1〜図2に示すように、各車輪2FL〜
2RLと車体1との間にはショックアブソーバ3FR〜
3RLとバネ4がそれぞれ介装され、車体1がばね上
を、車輪2FR〜2RLがばね下を構成する。なお、F
Rは右前輪、FLは左前輪、RRは右後輪、RLは左後
輪をそれぞれ示し、以下同様である。
【0027】このショックアブソーバ3FR〜3RL
は、減衰係数を変更する手段として後述するようにアク
チュエータ7FR〜7RLによって駆動される減衰力調
整機構を備え、マイクロコンピュータ100を主体にし
て構成されたコントローラ10の指令に応じて駆動され
るアクチュエータ7FR〜7RLによって各ショックア
ブソーバ3FR〜3RLは目標の減衰係数に設定され
る。
【0028】コントローラ10は、車体1の上下方向の
加速度、すなわち、バネ上の加速度を検出する加速度セ
ンサ6FR〜6Rと、車体1と各車輪2FR〜2RLと
の相対変位を検出する車高センサ5FR〜5RLからの
検出値より、スカイフックダンパ制御に基づいて各ショ
ックアブソーバ3FR〜RLの減衰係数の目標値をそれ
ぞれ演算するとともに、アクチュエータ7FR〜7RL
に目標減衰係数を制御信号として出力してショックアブ
ソーバ3FR〜3RLの減衰係数をそれぞれ変更するも
のである。
【0029】図2に示すように、車高センサ5FR〜5
RL、加速度センサ6FR〜6Rからの信号は入力イン
ターフェース回路111、A/Dコンバータ112を介
してデジタル信号に変換された後にマイクロコンピュー
タ100へ入力される。マイクロコンピュータ100で
は後述するように、スカイフックダンパ制御に基づいて
各ショックアブソーバ3FR〜RLの理想的な減衰係数
を演算し、この理想減衰係数に基づいて演算した目標減
衰係数を、D/Aコンバータ113、ドライバ回路11
4を介してアナログ信号に変換、増幅した後にショック
アブソーバ3FR〜3RLのアクチュエータ7FR〜7
RLへ制御信号として出力される。
【0030】以下、コントローラ10へ入力される各信
号の検出手段について詳述した後、ショックアブソーバ
3FR〜RLの減衰力調整機構及び制御動作の順で説明
する。
【0031】[加速度センサ]バネ上の車体上下方向の
加速度を検出する加速度センサ6FR〜6Rは、図3、
図4に示すように、基端を車体1側に固設するとともに
ほぼ水平方向に配設された半導体ピエゾ素子60の自由
端にマス61を設けて構成され、マス61に加わる加速
度の大きさに応じて半導体ピエゾ素子60が歪むことか
ら、車体1の上下方向に加わる加速度の大きさを電圧に
変換するものである。
【0032】図4に示すように、半導体ピエゾ素子60
は0Gでは2.5Vを出力し、図3において、図中上方
への加速度が1Gの大きさでは4.0V、同様に下方へ
の加速度が−1Gでは1.0Vを出力するものである。
【0033】ここで、加速度センサ6FR〜6Rは、図
5に示すように、車体1の所定の3カ所に配設されるも
ので、右前輪2FRの近傍に加速度センサ6FRが、左
前輪2FLの近傍に加速度センサ6FLが、右後輪RR
の近傍に加速度センサ6Rが配設され、かつ、加速度セ
ンサ6FR、6FLは前車軸とほぼ平行に設けられ、こ
れら加速度センサ6FR〜6Rの検出する加速度をそれ
ぞれZG1、ZG2、ZG3とする。
【0034】バネ上の加速度は、各車輪2FR〜2RL
に対応して求める必要があるが、3つの加速度センサ6
FR〜6Rの配設位置は既知であることから、車体1上
に発生した3つの加速度ZG1〜ZG3より、コントロー
ラ10は次式によって各車輪2FR〜2RLのバネ上に
発生する加速度ZGFR〜ZGRLを演算する。
【0035】 ZGFR=(a1×ZG1+b1×ZG2+c1×ZG3)/d …(1) ZGFL=(a2×ZG1+b2×ZG2+c2×ZG3)/d …(2) ZGRR=(a3×ZG1+b3×ZG2+c3×ZG3)/d …(3) ZGRL=(a4×ZG1+b4×ZG2+c4×ZG3)/d …(4) ただし、 a1=−L24−(L1+L3)L6−L121=L24+L361=L162=L25−(L1+L3)L6−L122=−L25+L362=L163=−L24−(L1+L3)L7−L123=L24−L373=−L174=L25−(L1+L3)L7−L124=−L25−L374=−L17 d=−L121;加速度センサ6FRと6FLの車幅方向の距離 L2;加速度センサ6FRと6Rの車体全長方向の距離 L3;加速度センサ6FRと6Rの車幅方向の距離 L4;右前後輪2FR、2RRを通過する軸線から加速
度センサ6FRまでの車幅方向の距離 L5;左前後輪2FL、2RLを通過する軸線から加速
度センサ6FRまでの車幅方向の距離 L6;前車軸から加速度センサ6FRまでの車体全長方
向の距離 L7;後車軸から加速度センサ6FRまでの車体全長方
向の距離 上記(1)〜(4)式によって、3つの加速度ZG1
ZG2、ZG3と加速度センサ6FR〜6Rの配設位置か
ら各車輪2FR〜RLに対応したバネ上の加速度Z
FR、ZGFL、ZGRR、ZGRLを求めることができるの
である。
【0036】[車高センサ]バネ上とバネ下の相対変
位、すなわち、車体1と車輪2FR〜2RLの相対変位
を検出する車高センサ5FR〜5RLは各車輪2FR〜
2RLに対応してそれぞれ配設され、これらセンサの信
号はマイクロコンピュータを主体とするコントローラ1
0へ入力される。
【0037】これら車高センサ5FR〜5RLは、例え
ば、ポテンショメータ等で構成され、図6に示すように
車高センサ5FR〜5RLの軸にコネクティングロッド
22Bの基端が結合され、各車輪2FR〜2RLを揺動
自由に支持するアーム21の途中とコネクティングロッ
ド22Bの自由端をコネクティングロッド22Aを介し
て連結し、図7に示すように車輪2FR〜2RLと車体
1の上下方向の相対変位をアーム21の角度変化に応じ
た電圧変化として捕捉するものである。
【0038】[減衰力調整機構]図8〜図11にショッ
クアブソーバ3FR〜3RLの減衰力調整機構を示し、
ショックアブソーバ3FR〜3RLの車体1側に設けら
れたアクチュエータ7FR〜7RLが、コントロールロ
ッド30を回動させることによって減衰係数が次に述べ
るように変更されるもので、アクチュエータ7FR〜7
RLは、例えば、ステップモータなどで構成される。
【0039】ショックアブソーバ3FR〜3RLを構成
するピストン32は車輪側に結合されたシリンダ31の
内周に収装され、このピストン32の内周には筒状のス
タッド33と、さらにスタッド33の内周に円筒状のス
プール34が同軸的に収装され、スプール34はコント
ロールロッド30と結合してアクチュエータ7FR〜7
RLによって回動可能に支持される一方、スタッド33
がピストン32の内周に一体となって固設されて、コン
トロールロッド30と結合したスプール34は、ピスト
ン32及びスタッド33と相対的に回動可能となる。
【0040】ピストン32及びスタッド33にはショッ
クアブソーバの圧側ストローク時(バネ4の収縮方向)
に作動油が通過する圧側油路35、36と、ショックア
ブソーバの伸び側ストローク時(バネ4の伸長方向)に
作動油が通過する伸び側油路37、38が形成され、こ
れら油路には減衰力を発生するための圧側バルブ35
A、35Bと伸び側バルブ37A、37Bが配設され
る。さらに、スタッド33にはピストン32の上面とス
タッド33の内周を連通する通孔33Aと、ピストン3
2の下面とスタッド33の内周を連通する通孔33B、
伸び側油路38とスタッド33の内周とを連通する通孔
33Cが形成される。
【0041】ここで、スプール34は、外周の所定の位
置に凹部として形成された円形油路34Aと楕円形油路
34Bを備え、円形油路34Aは圧側油路36と対峙可
能に配設されるとともに、通孔34Dを介してスプール
34の内周34C及び油室31Aと連通する。一方、楕
円形油路34Bはスタッド33の通孔33A〜33Cと
対峙可能な位置に配設され、これら通孔33A〜33C
を相互に連通可能に構成される。
【0042】ここで、ショックアブソーバ3FR〜3R
Lの減衰係数は、図10(A)、(B)に示すように、
コントロールロッド30を介してアクチュエータ7FR
〜7RLに駆動されたスプール34の回動位置に応じて
決定され、圧側油路36の場合では、図10(B)のよ
うにスプール34を図中矢印方向へ回動させると、円形
油路34Aが34A′まで回動して圧側油路36と円形
油路34Aが重なることで連通する連通部300の面積
は拡大され、減衰係数は小さいほうに変更される。この
連通部300の面積変化に応じて減衰係数を任意の値に
変更することができ、この減衰係数の設定は、ほぼ無段
階でかつ高い応答性を備えて変更を行うことができ詳述
はしないが、楕円形油路34Bについても同様である。
【0043】このようなショックアブソーバ3FR〜3
RLの減衰係数は、図11(A)〜(C)に示すよう
に、圧側、伸び側についてそれぞれ設定可能であり、す
なわち、ショックアブソーバ3FR〜3RLの運動方向
に応じて作動油の流路が次のように切り換えられるとと
もに、減衰係数もそれぞれ設定される。
【0044】伸び側の減衰係数が大(ハード)の場合;
図11(A)のようにスプール34の回動によって楕円
形油路34Bがスタッド33の通孔33A〜33Cと対
峙しない位置へ変位させ、油室31Bから31Aへ流入
する作動油は、ピストン32と圧側バルブ35Aの間の
流入部37C、伸び側油路37、伸び側バルブ37Aを
順次通過することで小さな流路断面積によって大きな減
衰力を発生する。
【0045】伸び側の減衰係数が小(ソフト)の場合;
図11(B)のように楕円形油路34Bがスタッド33
の通孔33A〜33Cと対峙する位置へスプール34を
回動させ、油室31Bから31Aへ流入する作動油は、
上記減衰係数が大の場合に加えて、ピストン32上面の
流入部37C、通孔33A、楕円形油路34B、伸び側
油路38、伸び側バルブ37Bを順次通過することで、
流路断面積を増大させて小さな減衰力を発生する。
【0046】伸び側減衰係数は油路37に加えて油路3
8を選択的に連通させ、さらに通孔33A〜33Cと楕
円形油路34Bの重なり合う面積をアクチュエータ7F
R〜RLで調整することで、任意の減衰係数に設定する
ことができる。
【0047】圧側の減衰係数が大(ハード)の場合;図
11(C)のように、円形油路34Aがスタッド33の
油路36と対峙しない位置へスプール34を回動させ、
油室31Aから31Bへ流入する作動油は、ピストン3
2の圧側油路35、圧側側バルブ35Aを順次通過する
ことで小さな流路断面積によって大きな減衰力を発生す
る。
【0048】圧側の減衰係数が小(ソフト)の場合;図
11(A)のように円形油路34Aがスタッド33の油
路35と対峙する位置へスプール34を回動させ、油室
31Aから31Bへ流入する作動油は、上記減衰係数が
大の場合に加えて、スプール34の内周34C、通孔3
4D、円形油路34A、圧側油路36、圧側バルブ35
Bを順次通過することで、流路断面積を増大させて小さ
な減衰力を発生する。
【0049】圧側の減衰係数は油路35に加えて油路3
6を選択的に連通させ、さらに油路36と円形油路34
Aの重なり合う面積をアクチュエータ7FR〜7RLで
調整することで、任意の減衰係数に設定することができ
る。
【0050】[制御動作]コントローラ10は、上記各
センサが検出した車体1の上下方向の加速度と相対変位
に基づいてスカイフックダンパ制御による理想的な減衰
係数から目標の減衰係数を演算するとともに、目標の減
衰係数に応じてアクチュエータ7FR〜RLへ制御信号
を出力し、ショックアブソーバ3FR〜3RLの減衰係
数を目標値に変更するものである。
【0051】図13、図14は、コントローラ10で行
われる制御の一例を示すフローチャートで、タイマー割
り込みなどによって所定時間毎に実行されるもので、以
下、これらフローチャートを参照しながら詳述する。
【0052】まずステップS1で、加速度センサ6FR
〜6RLが検出した車体1の上下方向の加速度ZG1
ZG3を、ステップS2で、車高センサ5FR〜5FR
が検出した車体1と車輪2FR〜2RLの相対変位HFR
〜HRLを読み込む。
【0053】次にステップS3では、上記ステップS1
で読み込んだ加速度ZG1〜ZG3より、上記(1)〜
(4)式に基づいて各車輪2FR〜2RLのバネ上に発
生する加速度ZGFR〜ZGRLを演算し、ステップS4で
は、これら加速度ZGFR〜ZGRLを積分することでバネ
上の絶対速度ZVFR〜ZVRLをそれぞれ演算する。
【0054】一方、ステップS5では、上記ステップS
2で読み込んだ相対変位HFR〜HRLを微分することによ
りバネ上とバネ下の相対速度HVFR〜HVRLを演算す
る。
【0055】こうして得られたバネ上絶対速度ZVFR
ZVRLと、バネ上とバネ下の相対速度HVFR〜HVRL
基づいて、ステップS6ではスカイフックダンパ制御に
よる理想的な減衰係数の目標値である理想減衰係数C
SFR〜CSRLを次式より算出する。
【0056】CSi=−Cs×ZVi/HVi …(5) ただし、Csはスカイフックダンパ制御の係数、i=F
R、FL、RR、RLを示す(以下同様)。
【0057】次にステップS7では、これら理想減衰係
数CSiの大きをショックアブソーバ3FR〜3RLで設
定可能な最大減衰係数Cmax及び最小減衰係数Cminと比
較し、この比較結果に応じてスカイフックダンパ制御減
衰係数C1FR〜C1RLを次の(6)〜(8)式のように設
定する。
【0058】 CSi≦Cmin のとき C1i=Cmin …(6) Cmin<CSi<Cmax のとき C1i=CSi …(7) CSi>Cmax のとき C1i=Cmax …(8) ステップS8は、上記ステップS5、S6で求めたスカ
イフックダンパ制御の理想減衰係数CSi及び相対速度H
iより各車輪2FR〜2RLの対角ロール方向の減衰
補正係数C2iの演算を行うサブルーチンであり、図13
に示すフローチャートに基づいて演算処理を行った後、
ステップS9へ復帰するものである。
【0059】この対角ロール減衰補正係数C2iの演算
は、まず、ステップS101では、ステップS6で求め
たスカイフックダンパ制御の理想減衰係数CSj(ただ
し、j=RL、RR、FL、FRで、着目する車輪の対
角の車輪を示す。以下同様。)のうち対角上の他方につ
いて、ショックアブソーバ3jで設定可能な最小減衰係
数Cminより小さいかを比較する。すなわち、いま、左
前輪2FLに着目した場合、右後輪2RRの理想減衰係
数CSRLがCmin未満であるかを比較するのである。
【0060】このステップS101の判定で、対角の車
輪の理想減衰係数CSjが最小減衰係数Cmin以上であれ
ば、対角ロール方向の減衰力を補正する必要がないた
め、ステップS109で対角ロール減衰補正係数C2i
0に設定してサブルーンチンを終了する。
【0061】一方、対角上の車輪の理想減衰係数CSj
最小減衰係数Cmin未満であれば、ステップS102で
この対角上の車輪2jで不足する減衰力FUjを次式より
演算する。
【0062】 FUj=(Cmin−CSj)×HVj …(9) 次に、ステップS103では、着目する車輪2iのスカ
イフックダンパ制御による理想減衰係数CSiが最小減衰
係数Cminを越えているかどうかを判定し、最小減衰係
数Cminを越える場合には、ステップS104へ進んで
対角ロール減衰補正係数C2iを次式より算出する。
【0063】 C2i=FUj/HVi …(10) 一方、ステップS103の判定で理想減衰係数CSiが最
小減衰係数Cmin以下となる場合には、ステップS10
5へ進んで、着目する車輪2iに不足する減衰力FUi
次式により算出する。
【0064】 FUi=(Cmin−CSi)HVi …(11) ここで、ステップS106では、ステップS105で求
めた着目する車輪の不足減衰力FUiと対角上の他方の車
輪の不足減衰力FUjとの比較を行い、対角上の車輪の不
足減衰力FUjの方が大きい場合にはステップS107へ
進んで対角ロール減衰補正係数C2iの演算を行う一方、
着目する車輪の不足減衰力FUiの方が大きい場合には対
角ロール方向の減衰力を補正する必要がないため、ステ
ップS108で対角ロール減衰補正係数C2i=0に設定
する。
【0065】ステップS107では、これら不足減衰力
Ui、FUjと着目する車輪のバネ上とバネ下の相対速度
HViより、次式に基づいて対角ロール減衰補正係数C
2iの演算を行う。
【0066】 C2i=(FUj−FUi)/HVi …(12) こうして、対角ロール減衰補正係数C2iを求めた後、再
び図13のステップS11へ戻る。
【0067】ステップS9では、上記ステップS7で求
めたスカイフックダンパ制御減衰係数C1iと、ステップ
S104、107で求めた対角ロール減衰補正係数C2i
から次式により各車輪2iの各ショックアブソーバ3i
に設定する目標減衰係数Ciを算出する。
【0068】 Ci=C1i+C2i …(13) 次にステップS12では、前回の処理で求めた目標減衰
係数Ci (n−1)と今回の処理で得られた目標減衰係
数Ci の差ΔCiをそれぞれ算出し、ステップS13で
はこの差ΔCiに応じたアクチュエータ7FR〜7RL
の回転角度δCiを演算して、ステップS14ではこの
回転角度δCiに応じた指令信号を各車輪2FR〜2R
Lのアクチュエータ7FR〜7RLへ出力する。
【0069】上記ステップS1〜S12を所定時間毎に
繰り返すことにより、車両に加わる対角ロール方向の運
動を次のように抑制することができる。
【0070】平坦な路面を走行中の車両が、いま、図1
4、図15に示すように、右前輪2FRが突起または段
差に乗り上げる一方、他の車輪が平坦路にある場合、突
起からの入力により右前輪2FRのバネ上には正方向
(図中上方)の加速度VGFRが発生する一方、他の車輪
のバネ上には負方向(図中下方)の加速度VGFL、VG
RR、VGRLが発生し、図中左回りのロール運動と、図中
スクワット方向のピッチ運度が合成されて、左前輪2F
Lと右後輪2RRを結ぶ対角線を軸にして右前輪2FR
の車体を上方へ変位させる対角ロール運動が発生する。
なお、図中Xi、X0iはそれぞれバネ上、バネ下の絶対
変位を示すものである。
【0071】ここで、スカイフックダンパ制御による各
車輪の減衰力の理論的な目標値をFFR、FFL、FRR、F
RLとすると、次式のようになる。
【0072】FFR = −Gs×ZVFR …(14) FFL = −Gs×ZVFL …(15) FRR = −Gs×ZVRR …(16) FRL = −Gs×ZVRL …(17) そして、車体1のロール減衰力の理論的な目標値は次式
で表現される。
【0073】 FFR−FFL+FRR−FRL=−Cs×(VZFR−VZFL+VZRR−VZRL) …(18) 同様にして、車体1のピッチ減衰力の理論的な目標値は
次式で表現される。
【0074】 FFR+FFL−FRR−FRL=−Cs×(VZFR+VZFL−VZRR+VZRL) …(19) このとき、スカイフックダンパ制御減衰係数C1iは、上
記(5)、(6)〜(8)式より次式のようになる。
【0075】C1FR=Cmin1FL=CSFL1RR=CSRR1RL=CSRR すなわち、右前輪2FRのスカイフックダンパ制御によ
る理想減衰係数CSFRが負となるが、実際にはショック
アブソーバ3FRの減衰係数CFRを最小減衰係数Cmin
未満に設定することができないため、減衰係数CFRを最
小減衰係数Cminに設定することになる。
【0076】一方、他の車輪については理想減衰係数C
Siが正となるため、各ショックアブソーバ3iの目標減
衰係数Ciを理想減衰係数CSiに設定することができ
る。こうして、各車輪の目標減衰係数Ciを設定した場
合の各車輪が実際に発生する減衰力をFFR'、FFL'、F
RR'、FRL'とすると、次式のようになる。
【0077】 FFR' = CFR×HVFR = Cmin×HVFR = −Gs×ZVFR+Cmin×HVFR+Cs×VZFR …(20) FFL' = CFL×HVFL = −Cs×VZFL …(21) FRR' = CRR×HVRR = −Cs×VZRR …(22) FRL' = CRL×HVRL = −Cs×VZRL …(23) ここで、上記(18)、(19)式と同様にロール減衰
力及びピッチ減衰力を求めると、次の(24)、(2
5)式のようになる。
【0078】 FFR'−FFL'+FRR'−FRL'= −Cs×(VZFR−VZFL+VZRR−VZRL)+Cmin×HVFR+Cs×VZFR …(24) FFR'+FFL'−FRR'−FRL'= −Cs×(VZFR+VZFL−VZRR+VZRL)+Cmin×HVFR+Cs×VZFR …(25) これら(24)、(25)式の実際に発生するロール及
びピッチ減衰力を上記(18)、(19)式のスカイフ
ックダンパ制御による理論値と比較すると、(24)、
(25)式の第2項目以降が減衰力の不足分となってロ
ールとピッチが抑制されず、このため対角ロールも抑制
されないのである。
【0079】しかし、上記ステップS104、107で
求めた対角ロール減衰補正係数C2iによって目標減衰係
数Ciを補正することにより車体1に発生する対角ロー
ル運動は、次のように抑制されるのである。
【0080】まず、上記ステップS104、107から
対角ロール減衰補正係数C2iは次のようになる。
【0081】C2FR=0 C2FL=0 C2RR=0 C2RL=(Cmin×HVFR+Cs×VZFR)/HVRL つまり、右前輪2FRの理想減衰係数CSFRがショック
アブソーバ3iの最小減衰係数Cminより小さくなるた
め、この右前輪2FRの対角上の左後輪2RLの対角ロ
ール減衰補正係数C2RLのみが正の値となる一方、他の
対角ロール減衰補正係数C2iは0となる。したがって、
上記ステップS9より各車輪の目標減衰係数Ciは次の
ようになる。
【0082】CFR=CminFL=−Cs×VZFL/HVFLRR=−Cs×VZRR/HVRRRL=−Cs×VZRR/HVRR+(Cmin×HVFR+C
s×VZFR)/HVRL したがって、右前輪2FRの目標減衰係数CFRは最小減
衰係数Cminされ、一方、右前輪の対角上の左後輪2R
Lの目標減衰係数CRLはロール減衰力とピッチ減衰力の
不足分に対応して第2項目以降が加えられ、その他の車
輪についてはスカイフックダンパ制御による理想減衰係
数CSiと等価となる。
【0083】こうして対角ロール減衰補正係数C2iによ
って補正された目標減衰係数Ciで各車輪に発生する補
正後の減衰力をFFR"、FFL"、FRR"、FRL"とすると、
次式のようになる。
【0084】 FFR" = CFR×HVFR = Cmin×HVFR = −Gs×ZVFR+Cmin×HVFR+Cs×VZFR …(20′) FFL" = CFL×HVFL = −Cs×VZFL …(21′) FRR" = CRR×HVRR = −Cs×VZRR …(22′) FRL" = CRL×HVRL = −Cs×VZRL+Cmin×HVFR+Cs×VZFR …(23′) したがって、対角ロール減衰補正係数C2iによる補正以
前の(20)〜(23)式と補正後の(20′)〜(2
3′)式を比較すると、(23′)式の第2項目以降で
ロール及びピッチ減衰力の不足分が付加されるため、こ
れら補正後の減衰力FFR"〜FRL"によるロール減衰力と
ピッチ減衰力は、 FFR"−FFL"+FRR"−FR"L =−Cs×(VZFR−VZFL+VZRR−VZRL) …(18′) FFR"+FFL"−FRR"−FRL" =−Cs×(VZFR+VZFL−VZRR+VZRL) …(19′) となって、上記(18)、(19)式のスカイフックダ
ンパ制御による理論値に等しくなって車体のロール運度
及びピッチ運動が合成された対角ロール運動を確実に抑
制して、車両の安定性を向上させることができるのであ
る。
【0085】また、右前輪2FRが大きな突起に、左後
輪2RLが小さな突起に乗り上げた場合にも、上記と同
様に対角ロール運動が発生するが、このとき、右前輪2
FRと左後輪2RLの理想減衰係数CSiが共に最小減衰
係数Cminとなる場合には、理想減衰係数CSiと最小減
衰係数Cminの差が大きい方の目標減衰係数Ciを最小減
衰係数Cminに設定する一方、対角上の他方の目標減衰
係数Ciを上記ステップS102、105〜108に示
したように、対角ロール減衰力の不足分に応じて求めた
対角ロール減衰補正係数C2iを加算することで増大させ
ることで、上記と同様に不足した対角ロール減衰力を対
角上の他方の車輪で補うことができ、車体に発生する対
角ロール運動を抑制して車両の安定性を向上させること
ができるのである。
【0086】
【発明の効果】以上説明したように第1の発明は、対角
上の車輪のショックアブソーバの目標減衰係数とショッ
クアブソーバで設定可能な最小減衰係数Cminとを比較
して少なくとも一方の目標減衰係数がショックアブソー
バで設定可能な最小減衰係数Cmin未満の場合にはこの
最小減衰係数Cminを目標減衰係数として設定するとと
もに、対角上の他方の車輪のショックアブソーバの減衰
係数を目標減衰係数より増大させることで、対角ロール
方向の減衰力の不足分を補ってロールとピッチ運動が合
成された車体の対角ロール運動を抑制することができ、
前記従来例に比して車体の対角ロール運動が低減される
ため、車両の安定性を向上させることが可能となるので
ある。
【0087】また、第2の発明は、対角上の車輪のショ
ックアブソーバの目標減衰係数を比較して、対角上の目
標減衰係数が共にショックアブソーバで設定可能な最小
減衰係数Cmin未満の場合には、最小減衰係数Cminと目
標減衰係数の差が大きい方の目標減衰係数を前記最小減
衰係数Cminに設定するとともに、このショックアブソ
ーバの対角上の他方の目標減衰係数を最小減衰係数C
minより増大させることで、対角上の車輪が高さの異な
る突起や段差に乗り上げるような場合にも対角ロール方
向の減衰力の不足分を補って車体に発生する対角ロール
運動を抑制することができ、前記従来例に比して車体の
対角ロール運動が低減されるため、車両の安定性を向上
させることが可能となるのである。
【0088】また、第3の発明は、対角ロール減衰補正
手段は、対角上のショックアブソーバの目標減衰係数の
差に基づいて車体の対角ロール方向の減衰力の不足分を
演算し、この対角ロール減衰力の不足分に応じて演算し
た対角ロール減衰補正係数C2を、最小減衰係数Cmin
設定したショックアブソーバに対して対角上の他方のシ
ョックアブソーバの目標減衰係数に加算することで、不
足する対角ロール方向の減衰力を補って車体の対角ロー
ル方向の運動を抑制することができ、前記従来例に比し
て車体の対角ロール運動が低減されるため、車両の安定
性及び操縦性を向上させることが可能となるのである。
【0089】また、第4の発明は、補正係数演算手段
は、目標減衰係数と前記最小減衰係数Cminの差を対角
上についてそれぞれ演算し、さらに対角上の目標減衰係
数の差に応じて演算したロール減衰補正係数C2を目標
減衰係数に加算するため、車体の対角ロール方向の運動
を確実に抑制することができ、前記従来例に比して車体
の対角ロール運動が低減されるため、車両の安定性を向
上させることが可能となるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す車両の斜視図。
【図2】同じくブロック図。
【図3】加速度センサの概略図である。
【図4】同じく加速度センサの特性図。
【図5】加速度センサの配置を示す車体の概略平面図。
【図6】車高センサの概略図。
【図7】同じく車高センサの特性図。
【図8】ショックアブソーバの断面図。
【図9】図8のA部拡大図。
【図10】スプールの位置と油路の関係を示し、(A)
はスプールの断面図を、(B)は圧側油路と円形油路と
の関係を示す説明図である。
【図11】減衰力の調整の様子を示す説明図で、(A)
は伸び側;ハード、圧側;ソフトの状態を、(B)は伸
び側、圧側共にソフト、(C)は伸び側;ソフト、圧
側;ハードに設定した状態をそれぞれ示す。
【図12】制御の一例を示すフローチャートである。
【図13】同じく対角ロール減衰補正係数を算出するフ
ローチャートである。
【図14】右前輪が突起に乗り上げた状態を示すロール
方向のモデル。
【図15】右前輪が突起に乗り上げた状態を示すピッチ
方向のモデル。
【図16】第1ないし第4の発明のいずれかひとつに対
応するクレーム対応図。
【符号の説明】
2FR〜2RL 車輪 3FR〜3RL ショックアブソーバ 5FR〜5RL 車高センサ 6FR〜6R 加速度センサ 7FR〜7FR アクチュエータ 10 コントローラ 30 コントロールロッド 33A、33B、33C 油路 34 スプール 35 圧側油路 36 圧側油路 37 伸側油路 38 伸側油路

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各車輪のバネ上とバネ下との間に介装さ
    れて減衰係数を変更する減衰係数変更手段を備えたショ
    ックアブソーバと、各車輪のバネ上の車体上下方向の絶
    対速度を検出するバネ上速度検出手段と、各車輪のバネ
    下のバネ上に対する車体上下方向の相対速度を検出する
    相対速度検出手段と、これらバネ上絶対速度検出手段と
    相対速度検出手段の検出値に基づいて前記ショックアブ
    ソーバの目標減衰係数を演算するとともに、この目標減
    衰係数にショックアブソーバの減衰係数が一致するよう
    前記減衰係数変更手段を駆動する制御手段とを有する車
    両のサスペンション制御装置において、前記制御手段
    は、対角上の車輪の目標減衰係数とショックアブソーバ
    で設定可能な最小減衰係数Cminとを比較する比較手段
    と、この比較結果に基づいて少なくとも一方の目標減衰
    係数がショックアブソーバで設定可能な最小減衰係数C
    min未満の場合にはこの最小減衰係数Cminを目標減衰係
    数として設定するとともに、対角上の他方の車輪のショ
    ックアブソーバの目標減衰係数を前記目標減衰係数より
    増大させる対角ロール減衰補正手段とを設けたことを特
    徴とする車両のサスペンション制御装置。
  2. 【請求項2】 各車輪のバネ上とバネ下との間に介装さ
    れて減衰係数を変更する減衰係数変更手段を備えたショ
    ックアブソーバと、各車輪のバネ上の車体上下方向の絶
    対速度を検出するバネ上速度検出手段と、各車輪のバネ
    下のバネ上に対する車体上下方向の相対速度を検出する
    相対速度検出手段と、これらバネ上絶対速度検出手段と
    相対速度検出手段の検出値に基づいて前記ショックアブ
    ソーバの目標減衰係数を演算するとともに、この目標減
    衰係数にショックアブソーバの減衰係数が一致するよう
    前記減衰係数変更手段を駆動する制御手段とを有する車
    両のサスペンション制御装置において、前記制御手段
    は、前記目標減衰係数とショックアブソーバで設定可能
    な最小減衰係数Cminとを比較する比較手段と、この比
    較結果に基づいて対角上の車輪の目標減衰係数が前記最
    小減衰係数Cminより小さい場合には、前記最小減衰係
    数Cminと目標減衰係数の差が大きいほうの目標減衰係
    数を最小減衰係数Cminに設定する一方、対角上の他方
    のショックアブソーバの目標減衰係数を最小減衰係数C
    minより増大させる対角ロール減衰補正手段とを設けた
    ことを特徴とする車両のサスペンション制御装置。
  3. 【請求項3】 前記対角ロール減衰補正手段は、前記対
    角上のショックアブソーバの目標減衰係数に基づいて車
    体の対角ロール方向の減衰力の不足分を演算する対角ロ
    ール減衰力演算手段と、この対角ロール減衰力の不足分
    に応じて対角ロール減衰補正係数C2を演算する補正係
    数演算手段と、前記対角ロール減衰補正係数C2を前記
    目標減衰係数に加算して前記目標減衰係数を増大する加
    算手段とを設けたことを特徴とする請求項1または請求
    項2に記載の車両のサスペンション制御装置。
  4. 【請求項4】 前記補正係数演算手段は、目標減衰係数
    と前記最小減衰係数Cminの減衰係数の差を対角方向で
    比較するとともに、この対角方向の減衰係数の差に応じ
    た対角ロール減衰補正係数C2を演算することを特徴と
    する請求項3に記載の車両のサスペンション制御装置。
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