JPH08244370A - 版、版材、及び版の製造方法 - Google Patents

版、版材、及び版の製造方法

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JPH08244370A
JPH08244370A JP5446395A JP5446395A JPH08244370A JP H08244370 A JPH08244370 A JP H08244370A JP 5446395 A JP5446395 A JP 5446395A JP 5446395 A JP5446395 A JP 5446395A JP H08244370 A JPH08244370 A JP H08244370A
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Masahiko Wada
正彦 和田
Masayuki Nagashima
正幸 長島
Masato Sakakibara
正登 榊原
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 版のレリーフ深さを深くすることなく、版凹
部へのインキの付着を防止し、印刷品質を向上させる。 【構成】 版30は、基体層31と、基体層31上に設
けられ、インキ反発性を有するインキ反発性樹脂層32
と、インキ反発性樹脂層32上に設けられ、版の凸部を
なす感光性接着層33及び感光性樹脂層34とを備え
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、凸版印刷等に用いら
れ、表面凹凸を有する版、版材、及び版の製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】図3は、従来の凸版印刷装置の概略構成
を示す図である。図4は、図3の版16aの詳細な構成
を示す図である。図3において、インキキー11側にあ
るインキ元ローラ12から、呼び出しローラ13にイン
キが供給されると、複数の練りローラ14によってイン
キが練られた後、インキ着けローラ15に供給される。
ここで、複数の練りローラ14によってインキを練るの
は、印刷に必要なインキの諸物性を得るためである。そ
してインキは、版胴16に取り付けられた版16aの凸
部に付着される。圧胴17は、印刷基体20を介して版
胴16を押して印圧を与える。これにより、印刷基体2
0にインキが転移されて、印刷が行われる。
【0003】図4において、版16aは、画線部が凸部
となり、非画線部が凹部となるように表面凹凸が形成さ
れたものである。版16aは、基体層16a−1と、イ
ンキ受容層16a−2とから構成されている。版16a
の基材としては、一般には亜鉛,銅,アルミ,樹脂等が
用いられる。版16aの作製方法としては、版面に感光
材料を塗布し、ネガを焼き付け等して、硝酸腐食液等で
非画線部を溶解する。これにより、インキ受容層16a
−2が形成される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述の従来の
技術では、以下の課題があった。一般の凸版印刷では、
版16aの凹部へのインキの付着を防止するために、構
造上、レリーフ深さの深いものを使用しなければならな
かった。このため、版16aの凸部表面の凸部高さの精
度を確保することが困難であった。従って、版16aに
記録されたイメージを印刷基体20に完全に転写させる
ためには、高印圧を付与しなければならなかった。しか
し、高印圧を付与すると、版16aの凸部が変形しやす
くなり、また、印刷物にドットゲインやマージナルゾー
ンが発生するという問題があった。さらにまた、版16
aのレリーフ深さを深くするためには、厚みの厚い版材
を使用しなければならず、版材のコストが高くなるとい
う問題があった。
【0005】本発明は、上述のような課題を解消するた
めになされたものであって、版のレリーフ深さを深くす
ることなく、版凹部へのインキの付着を防止し、印刷品
質を向上させることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、請求項1の発明(版30)は、表面凹凸を有する
版において、前記版の凹部の底面部は、インキ反発性樹
脂(32)から形成されていることを特徴とする。請求
項2の発明は、請求項1に記載の版において、前記イン
キ反発性樹脂は、シリコーン樹脂、又はフッ素樹脂であ
ることを特徴とする。請求項3の発明(版材30A)
は、基体層(31)と、前記基体層上に設けられ、イン
キ反発性を有するインキ反発性樹脂層(32)と、前記
インキ反発性樹脂層上に設けられ、電離放射線の照射に
より硬化し又は破壊される感光性樹脂層(34)とを備
えることを特徴とする。請求項4の発明(版の製造方
法)は、請求項1又は2に記載の版を製造する方法であ
って、請求項3に記載の版材上に、画線部領域又は非画
線部領域が開口されたネガを載置し、その上部から電離
放射線を照射して、前記ネガの開口領域と対応する前記
版材の前記感光性樹脂層を硬化させ又は破壊し、前記版
材の前記感光性樹脂層の未硬化部分を除去し又は電離放
射線の照射部分を除去することを特徴とする。
【0007】
【作用】請求項1の発明においては、版表面にインキが
付着されて印刷が行われる。ここで、版の凹部の底面部
がインキ反発性を有するので、版凹部にインキが付着し
にくくなる。従って、印刷を良好に行うことができる。
請求項2の発明においては、版の凹部の底面部は、シリ
コーン樹脂又はフッ素樹脂から形成される。従って、汎
用されている樹脂を用いて、版凹部にインキ反発性を持
たせることができる。請求項3の発明においては、版材
の感光性樹脂層が電離放射線の照射によって硬化し又は
破壊され、版の表面凹凸が形成される。従って、請求項
1,2に記載の版を製造可能な版材を提供することがで
きる。請求項4の発明においては、版材にネガが載置さ
れ、その上部から電離放射線が照射される。これによ
り、感光性樹脂層の電離放射線が照射された部分が硬化
し又は破壊され、版の凸部又は凹部が形成される。従っ
て、画線部又は非画線部を凸部に形成した請求項1,2
に記載の版を製造することができる。
【0008】
【実施例】以下、図面等を参照して、本発明の一実施例
について説明する。図1は、本発明による版の一実施例
の構成を示す図である。この実施例の版30は、基体層
31と、インキ反発性樹脂層32と、その上部に凸状に
形成された感光性接着層33及び感光性樹脂層34とが
積層されたものである。基体層31は、版30の基体と
なるものであり、アルミニウムやポリエステルフィルム
等から形成されている。インキ反発性樹脂層32は、イ
ンキ反発性を有するものであり、シリコーン樹脂や、フ
ッ素樹脂(例えばポリテトラフルオロエチレン)等から
形成されている。感光性接着層33は、その上部の感光
性樹脂層34とインキ反発性樹脂層32とを接着するた
めのものであり、感光性樹脂層34とインキ反発性樹脂
層32との接着性が良好である場合には、特に設ける必
要はない。感光性接着層33は、実施例ではアクリル系
光接着性樹脂から形成されている。感光性樹脂層34
は、版30のイメージを形成している部分であり、実施
例ではアクリル系感光性樹脂(紫外線硬化型樹脂)から
形成されている。
【0009】次に、この版30の製造方法について説明
する。図2は、本発明による版の製造方法の一実施例を
説明するための図である。先ず、図中(a)に示すよう
に、上述の基体層31、インキ反発性樹脂層32、感光
性接着層33、及び感光性樹脂層34が順次積層された
版材30Aを形成する。そして、図中(b)に示すよう
に、版材30A上にネガフィルム40を真空密着等によ
って載置する。ネガフィルム40は、非画線部が開口さ
れたフィルムである。続いて、図中(c)に示すよう
に、ネガフィルム40の上部から電離放射線の1つであ
る紫外線を照射することにより露光を行う。これによ
り、非画線部すなわちネガフィルム40の開口された部
分から版材30Aに紫外線が照射され、非画線部の領域
の下側にある感光性樹脂層34及び感光性接着層33
(図中、斜線部)が硬化する。次に、図中(d)に示す
ように、ネガフィルム40を取り除き、紫外線によって
硬化された部分以外の感光性樹脂層34及び感光性接着
層33を洗浄等で除去する。以上により、画線部が凸状
に形成された版30が作製される。
【0010】この版30は、従来例(図3)で示した凸
版印刷装置の版胴16に装着される。版30の凹部表面
はインキ反発性樹脂層32から形成されているので、印
刷時において版30の凹部にインキが付着しにくくな
る。従って、版30のレリーフ深さを浅くすることがで
き、版の表面精度を向上させることができる。これによ
り、印圧を低くすることができるので、ドットゲインや
マージナルゾーンの発生を抑制し、印刷品質を向上させ
ることができる。
【0011】以上、本発明の一実施例について説明した
が、本発明は、上述した実施例に限定されることなく、
均等の範囲内で以下のような種々の変形が可能である。 (1)版30は、実施例のような製造方法に限定され
ず、例えば版30の形成後に凹部にインキ反発性樹脂を
コーティング等しても良い。 (2)本発明の版30は、凸版印刷に適用したが、版の
凸部にインキを供給する印刷(フレキソ印刷、オフセッ
ト印刷等)に、広く適用することができる。また、画線
部が開口されたネガフィルム40を用いて、版材30A
を露光しても良い。 (3)実施例では、感光性樹脂層34として、紫外線硬
化型樹脂を用いたが、例えば電子線により硬化する電子
線硬化型樹脂を用いることも可能である。 (4)また、感光性樹脂層34として、紫外線等の電離
放射線の照射により破壊される樹脂を用いることもでき
る。この場合には、画線部又は非画線部が開口されたネ
ガフィルム40を載置して電離放射線を照射すれば、電
離放射線が照射された領域が破壊され、この部分が版3
0の凹部となる。
【0012】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、版凹部にイン
キが付着しにくくなるので、レリーフ深さを浅くするこ
とができる。これにより、(1)版材の低コスト化を図
り、(2)版凸部表面を高精度に保つことができ、
(3)低印圧で印刷を行うことができる。さらに、低印
圧で印刷を行うことができるので、(1)装置の小型化
を図り、(2)版の耐久性を向上させ、(3)ドットゲ
インやマージナルゾーンが発生することを抑制して、印
刷品質を向上させることができる。請求項2の発明によ
れば、汎用されている樹脂を用いて、版凹部にインキ反
発性を持たせることができる。請求項3の発明によれ
ば、請求項1,2に記載の版を製造可能な版材を提供す
ることができる。請求項4の発明によれば、画線部又は
非画線部を凸部に形成した請求項1,2に記載の版を製
造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による版の一実施例の構成を示す図であ
る。
【図2】本発明による版の製造方法の一実施例を説明す
るための図である。
【図3】従来の凸版印刷装置の概略構成を示す図であ
る。
【図4】図3の版16aの詳細な構成を示す図である。
【符号の説明】 30 版 30A 版材 31 基体層 32 インキ反発性樹脂層 33 感光性接着層 34 感光性樹脂層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面凹凸を有する版において、 前記版の凹部の底面部は、インキ反発性樹脂から形成さ
    れていることを特徴とする版。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の版において、 前記インキ反発性樹脂は、シリコーン樹脂、又はフッ素
    樹脂であることを特徴とする版。
  3. 【請求項3】 基体層と、 前記基体層上に設けられ、インキ反発性を有するインキ
    反発性樹脂層と、 前記インキ反発性樹脂層上に設けられ、電離放射線の照
    射により硬化し又は破壊される感光性樹脂層とを備える
    ことを特徴とする版材。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2に記載の版を製造する方
    法であって、 請求項3に記載の版材上に、画線部領域又は非画線部領
    域が開口されたネガを載置し、 その上部から電離放射線を照射して、前記ネガの開口領
    域と対応する前記版材の前記感光性樹脂層を硬化させ又
    は破壊し、 前記版材の前記感光性樹脂層の未硬化部分を除去し又は
    電離放射線の照射部分を除去することを特徴とする版の
    製造方法。
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US8632956B2 (en) 2007-03-20 2014-01-21 Asahi Kasei E-Materials Corporation Process for producing photosensitive resin plate and relief printing plate having recessed and projected pattern, and plate surface treating liquid used in the process
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