JP2009234051A - 凸版、凸版の製造方法及び缶の印刷装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】円筒面を有する版胴と、この版胴に接触してインクが転写されるブランケットと、を備えた缶の印刷装置に用いられ、前記版胴の外周面に配設される凸版30であって、前記版胴の外周面に配設された状態において、最も径方向外方に位置するベタ部31と、このベタ部31から径方向内方に向けて凹んだ抜き部32と、が形成され、抜き部32は、底部33とこの底部33から立設された側壁部34とを備えており、ベタ部31と抜き部32の側壁部34との間には、ベタ部31側から抜き部32側に向かうにしたがい漸次径方向内方へと向かう逃げ部35が形成されていることを特徴とする。
【選択図】図3
Description
また、露光現像処理によって抜き部を形成した場合、版の表面の硬さにバラツキが生じてしまう。このため、抜き部によって50μm未満の点を形成した場合、現像時にバラツキが生じて品質が安定しないといった問題があった。
この場合、逃げ部の径方向長さH1が0μmより大きく設定されているので、ブランケットに押し当てた際に抜き部の周縁部(側壁部の径方向外方端部)が潰れるように変形することを確実に防止することができる。また、逃げ部の径方向長さH1が80μm以下とされているので、版圧を必要以上に高くしなくても抜き部の周縁部(側壁部の径方向外方端部)をブランケットに確実に接触させることができ、抜き点を精度良く再現することができる。
この場合、逃げ部の幅Wが10μm≦W≦3mmの範囲内に設定されているので、ブランケットへ押圧した際に、抜き部の周縁部(側壁部の径方向外方端部)が変形することを確実に防止することができる。
この場合、前記抜き部の径方向長さH2が、H2≧90μmとされているので、インクによる目詰まりの発生を抑えることができ、長時間連続して印刷作業を安定して行うことができる。特に、金属缶印刷用のインクは粘度が高く目詰まりが発生しやすいため、効果的である。
さらに、抜き部同士の間隔を狭くしても目詰まりを防止できるので、印刷される点の間隔を0.145mm(175線)、0.163mm(156線)と狭くすることが可能となる。
この構成の凸版の製造方法によれば、レーザーによって版素材を焼失させて抜き部を形成しているので、抜き部を精度良く形成することができる。これにより、抜き部によって印刷される抜き点(ドット)のサイズの下限値を従来の50μmから10μmへと大幅に向上させることが可能となる。つまり、従来では表現できなかった、10μm〜50μmの点を再現することができるのである。ここで、抜き点(ドット)の大きさとは、点の輪郭がなす円又は多角形の内接円の直径である。
この構成の缶の印刷装置によれば、缶の外周面に解像度の高い印刷、例えば写真調の印刷を施すことが可能となり、缶の意匠性を大幅に向上させることができる。
この缶の印刷装置Aは、複数配置されたインク付着機構Bと、缶移動機構Cとで概略構成されている。
インカーユニット1は、インク源2と、インク源2に接触してインクを受けるダクティングロール3と、このダクティングロール3に接続して複数のローラからなる中間ローラ4と、この中間ローラ4に接続するゴムローラ5と、このゴムローラ5に接続する版胴6とからなり、版胴6の外周面には缶胴20に転写するパターンと同形状に形成された凸版30が配設されている。この版胴6は印刷装置Aのシャフト部に回転自在に支持されている。
ブランケットホイール8の外周面には、ブランケット9が複数枚備えられており、このブランケット9は、版胴6の外周面に配設された凸版30に接触するとともに、缶胴20に接触する構成とされている。
このような凸版30は、版胴6(スリーブ36)の外周面に配設された状態において、ベタ部31が最も径方向外方に位置し、抜き部32の底部33が最も径方向内方に位置することになる。
さらに、抜き部32の側壁部34の径方向外方端から底部33までの径方向距離、つまり、抜き部32の径方向長さH2は、H2は、90μm≦H2≦700μmの範囲内に設定されている。また、本実施形態において、抜き部32の幅Dは、20μm≦D≦60μmの範囲内に設定されている。
また、凸版30がプラスチック樹脂製のスリーブ36に配設されているので、缶胴20に印刷する図柄を変更する場合に、非常に軽量なスリーブ36のみを交換すればよく、凸版30の交換に要する時間と労力を大きく削減することができる。
例えば、本実施形態では、逃げ部を傾斜面状に形成したものとして説明したが、これに限定されることはなく、R曲面状に形成されていてもよい。また、逃げ部と側壁部及び逃げ部とベタ部とがR曲面で接続されていてもよい。
さらに、スリーブと胴本体とで構成される版胴として説明したが、これに限定されることはなく、スリーブを有さず、胴本体の外周面に凸版を貼り付ける構造としてもよい。
また、レーザー加工条件は、本実施形態に限定されることはなく、版素材の材質や形成する抜き部の形状等を考慮して適宜設定することが好ましい。
比較例1は、従来の露光現像方式で形成した凸版である。比較例2は、レーザー露光+現像処理により形成した凸版である。実施例1〜11はレーザー加工により抜き部を形成した凸版である。
なお、評価した凸版のデータは、175線、156線、133線の0〜100%の網点データとした。
ドットゲインの測定は、KEYENCE社製のデジタルマイクロスコープ(model VH−7000)を用いて行った。なお、ドットゲインGは、凸版の抜き部の幅D、印刷物(缶)の抜き部に相当する部分の幅Bとしたとき、G=(D−B)で算出される。
印刷条件は、ブランケットの硬度80(ショアA)、凸版の硬度50〜90(ショアA)、インク粘度15〜75Pa・s、インク盛量0.125cc相当とした。なお、インク盛量0.125cc相当とは、RIテスタのロールに0.125ccのインクを投入し、缶胴から切り出したアルミ板に対して印刷を行って製作した展色パネルの色の濃度となるように調整したインク盛量である。
評価結果を表1に示す。
なお、実施例7−11においては、逃げ部の径方向長H1を変更しているが、H1が大きくなるとドットゲインが小さくなることが確認される。しかし、H1を100mmとした実施例11では、版圧を110μmと高くする必要があることが確認された。
また、実施例1−5においては、抜き部の径方向長さH2を変更しているが、H2が80μmとされた実施例2では目詰まりの発生するものが認められた。インクの目詰まりを防止するためには、突起部の高さH2を90μm以上とすることが好ましいことが確認された。
9 ブランケット
30 凸版
31 ベタ部
32 抜き部
33 底部
34 側壁部
35 逃げ部
38 版素材
A 缶の印刷装置
Claims (6)
- 円筒面を有する版胴と、この版胴に接触してインクが転写されるブランケットと、を備えた缶の印刷装置に用いられ、前記版胴の外周面に配設される凸版であって、
前記版胴の外周面に配設された状態において、最も径方向外方に位置するベタ部と、このベタ部から径方向内方に向けて凹んだ抜き部と、が形成され、
前記抜き部は、底部とこの底部から立設された側壁部とを備えており、
前記ベタ部と前記抜き部の側壁部との間には、ベタ部側から抜き部側に向かうにしたがい漸次径方向内方へと向かう逃げ部が形成されていることを特徴とする凸版。 - 前記版胴の外周面に配設された状態において、前記逃げ部の径方向長さH1が、
0μm<H1≦80μmの範囲内に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の凸版。 - 前記逃げ部の幅Wが、10μm≦W≦3mmの範囲内に設定されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の凸版。
- 前記版胴の外周面に配設された状態において、前記抜き部の径方向長さH2が、
90μm≦H2≦700μmの範囲内に設定されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の凸版。 - 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載された凸版の製造方法であって、
版素材にレーザーを照射し、版素材の表面を焼失させて前記抜き部を形成することを特徴とする凸版の製造方法。 - 円筒面を有する版胴と、この版胴に接触してインクが転写されるブランケットと、を備え、前記版胴の外周面に請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の凸版が配設されていることを特徴とする缶の印刷装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2008083315A JP2009234051A (ja) | 2008-03-27 | 2008-03-27 | 凸版、凸版の製造方法及び缶の印刷装置 |
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Publications (1)
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US10675902B2 (en) * | 2015-10-21 | 2020-06-09 | Japan Aviation Electronics Industry, Limited | Insulator film formation method by flexographic printing and flexographic printing plate |
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2008
- 2008-03-27 JP JP2008083315A patent/JP2009234051A/ja active Pending
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